JP2011073363A - 積層体及びそれを用いた化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面平滑性に優れ、かつ耐指紋性などの防汚性能も兼ね備えているハードコート層を有する積層体及びそれを用いた化粧材を提供する。
【解決手段】基材の少なくとも片面にハードコート層を設けた積層体において、該ハードコート層が(A)電離放射線硬化型樹脂100質量部及び(B)非フッ素系及び非シリコーン系の親油系防汚剤0.1〜5質量部及び(C)非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤0.001〜0.01質量部を含有してなることを特徴とする積層体、並びに、前記基材とハードコート層との間に、基材側から、着色層を積層してなる化粧材、さらに模様層を積層してなる化粧材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体及びそれを用いた化粧材に関し、特に、表面平滑性に優れ、かつ耐指紋性などの防汚性能も兼ね備えているハードコート層を有する積層体及びそれを用いた化粧材に関する。
テレビ、パソコン、携帯電話等のディスプレイ、カーブミラー、バックミラー、ゴーグル、窓ガラス、その他の商業ディスプレイは、表示された文字や図形その他の情報を読み取るため、表面での光反射を防止する反射防止性や防眩性、電磁波を遮蔽する導電性、錆などを防止するバリア性、意匠性やセキュリティ性を高めるホログラムなどの光回折性、及び/ 又は外力による傷を防止するハードコート性、などの機能性が必要である。そのため、このようなディスプレイ表面には、これらの機能を有した光学機能フィルムが設けられているのが一般的である。
しかしながら、光学機能フィルムは、その用途上、ディスプレイ等の最表面に配置されているため、人の手が直接触れることによる指紋の付着、風雨等による汚れが付着する。このような汚れが付着した場合には、ディスプレイ等に表示される文字、図形等の情報の読み取りに障害が生じる可能性がある。そのため、光学機能フィルムの最表面には、通常、汚れの付着を防止する防汚層が形成されている。
このような防汚層に必要とされる要求特性としては、上記のような人の手が触れることにより付着する油脂成分である指紋に対する耐指紋性、雨水に対する撥水性、汚れの拭取り性に対する滑り性、さらにはマジックを用いた落書きに対する耐マジック性などが挙げられる。特に、タッチパネルのように指接触が多い光学機能フィルムは耐指紋性として、指紋が目立ちにくく、すぐに拭取り除去ができる機能が要求される。このような性能が要求される防汚層に対して、これまで炭素数10以上のアルキル基やオキセタン環などの複数の炭素鎖が主要構成要素の防汚剤が添加されている。
特に、炭素数が10以上18未満のものは、指紋を付着した場合、指紋の油成分が塗れ広がりやすいことから、付着物が目立ちにくい。
例えば、特許文献1には、炭素数10以上のアルキル基又はポリシクロアルキル基であって、オルガノ(ポリ)シロキサン基及び有機フッ素化合物基のいずれも含まない撥水性基を有する(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(メタ)アクリル系共重合体(A)(以下成分(A)と略記する場合がある)、又はこれと無機酸化物微粒子との複合体を含有することを特徴とする耐汚染性付与剤について記載されている。
また、特許文献2には、オキセタン化合物を含有してなる透明樹脂基板の保護膜形成用硬化性樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、上記のような炭素鎖を主とする骨格を有する防汚剤は、指紋の油成分を濡れ広がらせることで目立ちにくくするような防汚性は有するものの、フッ素系化合物やシリコーン系化合物に比べて表面を平滑にするレベリング性能が劣る。そのため、耐指紋性かつ表面の平滑性を同時に満たすものは得られていない。
特開2008−285686 特開2009−126894
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、表面平滑性に優れ、かつ耐指紋性などの防汚性能も兼ね備えているハードコート層を有する積層体及びそれを用いた化粧材を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、電離放射線硬化型樹脂に対し、非フッ素系及び非シリコーン系の親油系防汚添加剤及び非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤を特定量添加することで、前記の目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)基材の少なくとも片面にハードコート層を設けた積層体において、該ハードコート層が(A)電離放射線硬化型樹脂100質量部及び(B)非フッ素系及び非シリコーン系の親油系防汚剤0.1〜5質量部及び(C)非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤0.001〜0.01質量部を含有してなることを特徴とする積層体、
(2)前記(C)が、分子量10000以下の非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤である(1)記載の積層体、
(3)前記基材が透明フィルムである(1)に記載の積層体、
(4)表示装置の最表面に用いる(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)前記(1)に記載の基材とハードコート層との間に、基材側から、着色層を積層してなる化粧材、
(6)前記着色層とハードコート層との間に、さらに模様層を積層してなる(5)に記載の化粧材、
を提供するものである。
本発明の積層体及びそれを用いた化粧材は、表面平滑性に優れ、かつ耐指紋性などの防汚性能も兼ね備えている。
本発明の積層体は、基材の少なくとも片面にハードコート層を設けた積層体において、該ハードコート層が(A)電離放射線硬化型樹脂100質量部及び(B)非フッ素系及び非シリコーン系の親油系防汚剤0.1〜5質量部及び(C)非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤0.001〜0.01質量部を含有する。
本発明の積層体及び化粧材におけるハードコート層は、耐指紋性などの防汚性能にすぐれ、具体的には、下記a〜cの特性を満たす。
a.流動パラフィン接触角が15°以下
b.スクアレン接触角が15°以下
c.トリオレイン接触角が15°以下
前記流動パラフィン接触角とは、流動パラフィンを防汚層の表面に接触させて液滴を作り、接触角を測定したものをいう。
人が手で触れることにより付着する指紋は、油脂成分であり親油性物質であるため、同じく親油性物質のひとつである流動パラフィンの接触角を測定することにより、指紋の付着しやすさの指標とすることができる。ここで接触角は大きいほど、防汚層表面となじみにくく、付着しにくいことを意味する。すなわち流動パラフィンの接触角が大きいほど指紋が付着しにくい性質を有することになる。
スクアレン接触角及びトリオレイン接触角も、流動パラフィン接触角をスクアレン、トリオレインに変えた以外は同様の指標である。
本発明におけるハードコート層は、前記a〜cの特性を満たすことにより優れた耐指紋性と、親油系防汚剤に対して非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤を上記所定量併用することで、親油系防汚材の性能を維持しつつ、表面平滑性を同時に満たすものとすることができる。
以下、(A)成分について説明する。
(A)成分の電離放射線硬化型樹脂としては、電子線(EB)または紫外線(UV)等を照射することによって硬化する透明な樹脂であれば特に限定されるものではなく、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来から、電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。
また、本発明で用いる電離放射線硬化型樹脂は、以下のような硬化型樹脂が好ましい。
すなわち、反応性シリカ微粒子(a)として、平均1次粒径1〜100nmの粒子表面に反応性官能基aを有する球状の反応性シリカ微粒子(a1)及び/又は平均1次粒径1〜100nmの球状のシリカ微粒子3〜20個が無機の化学結合により結合し表面に反応性官能基a’を有する反応性異形シリカ微粒子(a2)、反応性官能基bを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(B)、並びに、下記式(I)で表され、重量平均分子量が10000〜70000である反応性ポリマー(C)を含み、且つ、前記反応性官能基a、a’、b、及び前記反応性ポリマー(C)に含まれるエチレン性不飽和結合は、それぞれ同種及び/又は異種の反応性官能基間で架橋反応性を有する硬化性樹脂が好ましい。
Figure 2011073363
(式(I)において、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素又はメチル基を表す。Aは、直鎖状に連なる原子の数が1〜15の連結基を表す。X、Y、Zは、各重合単位の平均繰り返し数を表し、Xは0〜2000、Yは10〜1000、及びZは0〜2000である。)
次に、(B)成分について説明する。
(B)成分としては、非フッ素系及び非シリコーン系の親油系防汚剤であれば特に限定されず、例えば、炭素数10以上18未満の長鎖アルキル基やオキセタン環などの複数の炭素鎖を主要構成要素にもつモノマーや上記モノマーにエチレンオキサイド等を変性させたモノマー、ポリマー系親油系防汚剤であれば、炭素数10以上18未満の長鎖アルキル基やオキセタン環などの複数の炭素鎖を側鎖にもつブロック型ポリマー、ランダム重合型ポリマー、マクロモノマーや高い親油性能を示すブタジエン系ポリマー等が挙げられる。
さらに具体的には、例えば、EBECRYL647(ダイセル・サイテック製、商品名)、EBECRYL860(ダイセル・サイテック製、商品名)、ライトエステルL−7(共栄社化学製、商品名)、ブレンマーCA(日油製、商品名)、CN307(サートマー製、商品名)等が挙げられる。
本発明においては、(B)成分の親油系防汚剤として、フッ素やシリコーンを含有している場合、防汚剤の表面張力低下能が高いために、表面ブリード性や表面平滑性に優れるものの、親油性よりも撥水撥油機能が優先的に発現するという理由から非フッ素系及び非シリコーン系のものを用いる必要がある。
また、本発明において、(B)成分の量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜5質量部とする必要があり、0.1〜1.0質量部であると好ましい。
(B)成分が、0.1質量部未満であるとハードコート層の防汚性能が得られず、5質量部を超えると、親油性は示すものの、表面平滑性が著しく低下し、本発明を使っても表面改質が困難である。
次に(C)成分について説明する。
非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤(レベリング剤)であれば、特に限定されず、例えば、アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、アセチレングリコール系レベリング剤などが挙げられる。全て、塗膜表面に働き、表面張力を低下させる。各々特徴があり、目的に応じて使用することができる。
表面張力の低下能力は、非シリコーン系及び非フッ素系のレベリング剤を用いることにより、防汚性能が高いハードコート層が得られる。
具体的には、アクリル系レベリング剤の市販品としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK358N、BYK−361N、BYK−380N、BYK−381、BYK−392、東亜合成化学(株)製ARUFON−UP1000シリーズ、UH2000シリーズ、UC3000シリーズ等が挙げられ、アセチレングリコール系レベリング剤として信越化学工業社製ダイノール604、サーフィノール104などが挙げられる。
また、本発明において、(C)成分の量は、(A)成分100質量部に対して、0.001〜0.01質量部とする必要があり、0.001〜0.005質量部であると好ましい。
(C)成分が、0.001質量部未満であるとハードコート層の表面平滑性が得られず、0.01質量部を超えると、前記(B)成分よりも(C)成分が表面にブリードするために、(C)成分の性能が優先的に発現するため、レベリング性は得られるものの、親油機能が得られない。
また、(C)成分の表面改質剤としては、分子量が10000以下のものが好ましく、10000〜5000のものがさらに好ましい。分子量が10000以下であれば、樹脂成分との相溶性が高く、表面へのブリード性が抑制されるため、低添加量であれば前記(B)の防汚性能を維持しつつ、表面平滑性が得られるという点で利点があるからである。
本発明におけるハードコート層では、前記の電離放射線硬化成分である重合性モノマーや重合性オリゴマー、微粒子及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗工液を調製する。この塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
塗工方法としては、特に限定されるものではなく、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法、グラビアコート法、リバースロールコート法、コンマコート法などの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。
硬化後のハードコート層の厚さは、好ましくは1〜20μm程度である。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、5〜300mJ/cm2の光により硬化させ、ハードコート層を形成する前後でエキスパンダー等を用い、長手方向のテンションの1/100以上のテンションで、積層体を幅方向に引っ張ることにより、得られたハードコートフィルムのうねりを低減することができる。
また、幅方向の引っ張りは、照射装置から前後700mm以内が好ましく、その範囲内で雰囲気温度まで低下した場所が好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、通常波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成されたハードコート層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、防曇コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することができる。
また、上記工程により得られたハードコート層を、60〜150℃で加熱し、かつ加圧しながら、長軸方向で接している2本のロールの間を通過させることにより、ハードコートフィルムのカールを低減することができる。
本発明に用いられる基材は、積層体の用途によって適宜選択され、光透過性を有しない基材であっても、光透過性を有する基材であっても良い。例えば、反射スクリーン等に用いられるハードコートフィルムとしては、光透過性を有しない基材を用いることができる。液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ及び有機ELディスプレイ等の画像表示面の保護に用いられるハードコートフィルムとしては、光透過性を有する基材を用いる。
光透過性基材は、光を透過するものであれば、透明、半透明、無色または有色を問わないが、可視光域380〜780nmにおける平均光透過率が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上である場合が好ましい。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
本発明においては、基材の厚さは用途に応じて適宜選択して用いることができる。基材の概念には、フィルム乃至シートが含まれ、基材の材質としては、樹脂の他、ガラスであっても良い。
光透過性樹脂基材は、薄さ、軽さ、割れにくさ、フレキシブル性等の点で優れている。
中でも、画像表示面の保護に用いられるハードコートフィルムとしては、ハードコートフィルムの表面を割れにくく、且つ、硬度を付与する点から、20〜120μmの光透過性樹脂基材を用いることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。
光透過性樹脂基材の材料として好ましいものとしては、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アクリレート系ポリマー、又はポリエステルを主体とするものが挙げられる。ここで、「主体とする」とは、基材構成成分の中で最も含有割合が高い成分を示すものである。
セルロースアシレートの具体例としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。
シクロオレフィンポリマーとしては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂等が挙げられ、より具体的には、日本ゼオン(株)製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト(株)製 スミライトFS−1700、JSR(株)製 アートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学(株)製 アペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製の Topas(環状オレフィン共重合体)、日立化成(株)製オプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
ポリカーボネートの具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート等が挙げられる。
アクリレート系ポリマーの具体例としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
本発明に用いられる光透過性基材として、最も光透過性に優れた材料は、セルロースアシレートであり、中でもトリアセチルセルロースである。
トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)は、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な光透過性基材である。
TACフィルムは、光学的等方性を有するため、液晶ディスプレイ用途の場合においても好ましく用いることができる。
尚、本発明におけるトリアセチルセルロースとしては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であっても良い。又、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステル、或いは可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が添加されていても良い。
また、光透過性を有しない基材としては、例えば、反射スクリーンや電子黒板のホワイトボード用には、例えば塩化ビニルフィルム等の一方の面に白色顔料のコーティング層を持つ反射拡散性を有する基材が挙げられ、透過型スクリーン用には、アクリル樹脂等の光透過性基材の一方の面にレンチキュラーレンズの非集光部に光吸収性のインキでブラックストライプをパターニングした基材が挙げられ、ルーバー用には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂等の透明樹脂と光吸収性顔料を練りこんだ薄層とを交互に積層して当該透明及び光吸収薄層面に垂直な方向にスライスして得られる光透過部と光吸収部とが交互に設けられた基材が挙げられ、また、タッチパネル用には、例えばポリエステルフィルムの画像表示部の周辺に光吸収性の遮光枠が印刷されている基材やアイコン枠や図柄がパターニングされた基材等が挙げられる。
また、基材を、化粧材用の基材として用いる場合には、各種の紙類、プラスチックフィルム、プラスチックシート、金属箔、金属シート、金属板、木材などの木質系の板、窯業系素材等を用途に応じて適宜選択することができる。これらの材料はそれぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体や紙とプラスチックフィルムの複合体等、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
また、化粧材用基材はプライマー層を形成する等の処理を施してもよいし、色彩を整えるための塗装や、デザイン的な観点での模様があらかじめ形成されていてもよい。
化粧材用基材の厚さについては特に制限はないが、プラスチックを素材とするシートを用いる場合には、厚さは、通常20〜150μm程度、好ましくは30〜100μmの範囲であり、紙基材を用いる場合には、坪量は、通常20〜150g/m2程度、好ましくは30〜100g/m2の範囲であると好ましい。
本発明においては、基材に表面処理、例えば、けん化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、又は火炎処理を実施してもよい。
本発明の化粧材は、前記基材とハードコート層との間に、基材側から、着色層を積層してなる化粧材であり、前記着色層とハードコート層との間に、さらに模様層を積層してなると好ましい。
前記着色層は、隠蔽層、あるいは全面ベタ層とも称されるものである。着色層は基材上の表面の色を整えることで、基材自身が着色していたり、色ムラがあるときに形成して、基材の表面に意図した色彩を与えるものである。通常不透明色で形成することが多いが、着色透明色で形成し、下地が持っている模様を活かす場合もある。基材が白色であることを活かす場合や、基材自身が適切に着色されている場合には着色層の形成を行う必要はない。
着色層の形成に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
この着色層3は厚さ1〜20μm程度の、いわゆるベタ印刷層が好適に用いられる。
前記模様層は基材に装飾性を与えるものであり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
模様層に用いる絵柄インキとしては、着色層に用いるインキと同様のものを用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1
(1)ハードコート層用硬化性樹脂組成物の調製
下記に示す組成の成分を配合して、ハードコート層用硬化性樹脂組成物を調製した。
<ハードコート層用硬化性樹脂組成物の組成>
・反応性異形シリカ微粒子(日揮触媒化成製、製品名DP1039SIV;平均一次粒径20nm、平均連結数3.5個、平均二次粒径55nm、固形分40%、MIBK(メチルイソブチルケトン)溶剤、反応性官能基はメタクリレート基):100質量部(固形分:40質量部)
・多官能モノマー(日本化薬(株)製、製品名DPHA;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能、分子量524):30質量部
・反応性ポリマー(荒川化学製、製品名ビームセットDK1;重量平均分子量約20000、式(I)において、X=0、Y=50、Z=0、Aは−CH2CH(OH)CH2−で直鎖状に連結する原子数は3個、R1はメチル基、R2は水素原子、固形分75%、MIBK溶剤):40質量部(固形分30質量部)
・重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製、商品名イルガキュア184):4質量部
・親油系防汚剤(サートマー製、商品名CN307):0.1質量部(固形分)
・レベリング剤(ビックケミー製、商品名BYK358N):0.005質量部(固形分)
・MIBK:80質量部
(2)ハードコートフィルムの作製
基材として40μmトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)を用い、当該TACフィルムの片面に、(1)で調製したハードコート層用硬化性樹脂組成物をバーコート法で塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚15μmのハードコート層を形成し、ハードコートフィルムを作製した。
(3)ハードコートフィルムの評価
得られたハードコートフィルムについて以下の評価を行った。
(i)表面平滑性
硬化後のハードコートフィルム表面を目視で観測した結果、ワイヤーバーのスジが明確に観測され、レベリング剤未添加時と変わらない場合(×)、ワイヤーバーのスジは観測されるが、レベリング剤未添加時に比べ改善が見られる場合(△)、ワイヤーバーのスジが観測されない場合(○)のようにして表面平滑性を評価したところ、ワイヤーバーのスジが観測されなかったため、表面平滑性評価は○であった。表1において、評価結果を「塗工面」として示す。
(ii)防汚性
a.流動パラフィン接触角、b.スクアレン接触角、c.トリオレイン接触角を、DM700(協和界面科学(株)製)を用いて、着滴後の接触角の経時変化を観測し、飽和状態に達したときの状態を測定した。a.流動パラフィンとc.トリオレインの場合は着滴後50秒後の接触角を、b.スクアレン接触角の場合は着滴後15秒後の接触角を測定したところ、a、b及びcは、それぞれ、9.6°、5.8°及び11.7°であり、親油性があり、耐指紋性などの防汚性能を有することが確認できた。
(iii)耐水性
耐水性に関しては、純水接触角をDM700(協和界面科学(株)製)を用いて、着滴後の接触角の経時変化を観測し、飽和状態に達したときの状態を測定した。着滴後2秒後の水接触角を測定したところ85.7°であり、耐水性も有することが確認できた。
以上の評価結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、親油系防汚剤(サートマー製、商品名CN307):0.1質量部(固形分)の代わりに親油系防汚剤(ダイセル・サイテック製、商品名EBECRYL647):0.1質量部(固形分)を用いた以外は同様にして、ハードコートフィルムを作製した。得られたフィルムについて実施例1と同様にして評価したところ、表面平滑性評価は○、防汚性評価a.流動パラフィン接触角12.8°、b.スクアレン接触角9.8°、c.トリオレイン接触角13.6°、耐水性評価d.純水接触角84.8°であった。評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、親油系防汚剤(サートマー製、商品名CN307):0.1質量部(固形分)の代わりに親油系防汚剤(ダイセル・サイテック製、商品名EBECRYL860):0.5質量部(固形分)を用いた以外は同様にして、ハードコートフィルムを作製した。得られたフィルムについて実施例1と同様にして評価したところ、表面平滑性評価は○、防汚性評価a.流動パラフィン接触角11.1°、b.スクアレン接触角7.9°、c.トリオレイン接触角12.5°、耐水性評価d.純水接触角81.4°であった。評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、レベリング剤を未添加の場合以外は同様にして、ハードコートフィルムを作製した。得られたフィルムについて実施例1と同様にして評価したところ、表面平滑性評価は×、防汚性評価a.流動パラフィン接触角6.4°、b.スクアレン接触角2.9°、c.トリオレイン接触角8.1°、耐水性評価d.純水接触角84.6°であった。評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、レベリング剤を未添加の場合以外は同様にして、ハードコートフィルムを作製した。得られたフィルムについて実施例1と同様にして評価したところ、表面平滑性評価は×、防汚性評価a.流動パラフィン接触角8.1°、b.スクアレン接触角3.3°、c.トリオレイン接触角5.7°、耐水性評価d.純水接触角81.8°であった。評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例3において、レベリング剤を未添加の場合以外は同様にして、ハードコートフィルムを作製した。得られたフィルムについて実施例1と同様にして評価したところ、表面平滑性評価は×、防汚性評価a.流動パラフィン接触角8.5°、b.スクアレン接触角5.3°、c.トリオレイン接触角5.5°、耐水性評価d.純水接触角79.5°であった。評価結果を表1に示す。
Figure 2011073363
以上詳細に説明したように、本発明の積層体及びそれを用いた化粧材は、表面平滑性に優れ、かつ耐指紋性などの防汚性能も兼ね備えている。
特に、基材として、透明基材を用いた場合には、テレビ、パソコン、携帯電話等のディスプレイ、カーブミラー、バックミラー、ゴーグル、窓ガラス、その他の商業ディスプレイ、特に、液晶表示装置などのディスプレイ等の最表層に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 基材の少なくとも片面にハードコート層を設けた積層体において、該ハードコート層が(A)電離放射線硬化型樹脂100質量部及び(B)非フッ素系及び非シリコーン系の親油系防汚剤0.1〜5質量部及び(C)非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤0.001〜0.01質量部を含有してなることを特徴とする積層体。
  2. 前記(C)が、分子量10000以下の非フッ素系及び非シリコーン系の表面改質剤である請求項1記載の積層体。
  3. 前記基材が透明フィルムである請求項1に記載の積層体。
  4. 表示装置の最表面に用いる請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記請求項1に記載の基材とハードコート層との間に、基材側から、着色層を積層してなる化粧材。
  6. 前記着色層とハードコート層との間に、さらに模様層を積層してなる請求項5に記載の化粧材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0367449A (ja) * 1989-08-04 1991-03-22 Akashi Biimu Technol Kk 粒子線装置の絞り清浄化方法および装置
JP2015118280A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 大日本印刷株式会社 光学積層体
JP2020059262A (ja) * 2018-10-13 2020-04-16 フジコピアン株式会社 ホワイトボードシート

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