JP4674074B2 - ハードコートフィルム及び反射防止フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ハードコートフィルム及び反射防止フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、硬度が高く、耐擦傷性に優れ、透明性と外観が良好であり、干渉縞が現れにくく、全光線透過率が高く、ヘーズが低いハードコートフィルム、及び、該ハードコートフィルムに反射防止処理が施された反射率の低い反射防止フィルムに関する。
事務機などのタッチパネル、情報端末などのペン入力部、家電製品などのメンブレンスイッチなどは、絶えずその表面に触れて操作されている。これらの材料の基材フィルムとしては、機械的強度と寸法安定性の良好な二軸延伸ポリエステルフィルムと、等方性と透明性が良好なトリアセチルセルロースフィルムが多く用いられている。しかし、これらのフィルムの耐擦傷性は十分には高くないので、頻繁に触られると表面に傷がつく。パソコンのディスプレイ、液晶表示装置、テレビ、自動車窓ガラス被覆フィルム、窓ガラス飛散防止フィルムなどにも傷付き防止が求められる。このために、これらのフィルムにはハードコート加工が施される。
ハードコート加工は、多くの場合、基材フィルムに電離放射線硬化型樹脂を塗布し、紫外線、電子線などを照射して樹脂を硬化させて、耐擦傷効果の高いハードコート層を形成することにより行われる。しかし、基材フィルムとハードコート層の屈折率が異なると、虹のような干渉縞が発生し、ディスプレイなどの画質が低下する。干渉縞は、透明な薄膜に白色光があたると、薄膜の表面から反射する光といったん薄膜に入ってその後ろの面から反射する光が干渉を起こして、部分的な虹彩状色彩が見られる現象である。これは、見る方向により強めあう波長が変わるためである。この現象は、使用者にとって見づらいばかりか不快な印象を与える場合があり、改善を求められている。また、フィルムの反射率が高いと、画面に外景などが映り込んで見えづらくなる。
従来、干渉縞の改善方法として、基材フィルムとハードコート層の屈折率を近くする方法が提案されている。例えば、ハードコート層に金属酸化物の微粒子を添加して、屈折率を上げ、基材フィルムの屈折率に近づける方法、基材フィルムとハードコート層の間に両層に近似した屈折率をもつ中間層、プライマー層などを設ける方法などである。しかし、屈折率を近づける方法には限界があり、干渉縞は完全には解消されていない。さらにハードコート層中にマット剤を添加し、乱反射させて干渉縞を低減する方法も提案されているが、透明性が落ちて視認性が悪くなるという問題がある。
例えば、良好な表面反射防止効果を示し、かつ反射光の干渉縞を防止でき、しかも微細凹凸構造の光拡散層が形成されている反射防止ハードコートシートとして、透明基材フィルム上に、屈折率が1.5〜1.7の中屈折率層、屈折率が1.6〜1.8の高屈折率層、さらに高屈折率層より低い屈折率材料からなる低屈折率層が、この順に透明基材フィルム側から積層されており、かつ屈折率1.5〜1.8の微粒子であって、高屈折率層の屈折率との差が±0.1以内の微粒子が高屈折率層中に分散含有され、高屈折率層表面が微細凹凸構造を形成している反射防止ハードコートシートが提案されている(特許文献1)。しかし、コート層中に微粒子を分散させ、表面に凹凸構造を形成させると、画像の鮮鋭性が低下する。また、高いハードコート性及び透視解像性を維持しながら、透明ハードコート膜の厚みムラに起因する干渉縞が目立たない透明ハードコートフィルムとして、透明高分子フィルムと、該透明高分子フィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明ハードコート膜とを有し、L***表色系におけるb*値が0.5以下である透明ハードコートフィルムが提案されている(特許文献2)。しかし、ハードコートフィルムは、それぞれの用途に応じて色調が選ばれるものであり、b*値を0.5以下に限るとその用途も限られてしまう。さらに、良好な分散性を有する金属酸化物超微粒子を含有する電離放射線硬化型樹脂を用いてハードコート層を形成し、干渉縞の発生を防止したハードコート層を有する光学材料用プラスチックフィルムの製造方法として、酸化ケイ素皮膜を形成し、さらにカップリング剤で表面処理した金属酸化物超微粒子を電離放射線硬化型樹脂に分散させ、該樹脂を基材プラスチックフィルムに塗工する方法が提案されている(特許文献3)。しかし、粒径数十nmの金属酸化物超微粒子に酸化ケイ素皮膜を形成し、カップリング剤で表面処理して、樹脂中に分散させる工程は煩雑であり、コスト高にならざるを得ない。
特開2003−75605号公報(第2−3頁) 特開2003−334891号公報(第2−3頁) 特許3383039号公報(第1−2頁)
本発明は、硬度が高く、耐擦傷性に優れ、透明性と外観が良好であり、干渉縞が現れにくく、全光線透過率が高く、ヘーズが低いハードコートフィルム、及び、該ハードコートフィルムに反射防止処理が施された反射率の低い反射防止フィルムを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基材フィルム上に、表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面を有する、電離放射線照射により硬化した厚さ1〜20μmのハードコート下層と、さらにその上にハードコート下層と同成分の厚さ1〜20μmのハードコート上層を設けることにより、干渉縞の発生を効果的に防止し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルム上に、物理的加工によって形成された表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面を有する、電離放射線照射により硬化した厚さ1〜20μmのハードコート下層を有し、さらにその上にハードコート下層と同成分の厚さ1〜20μmのハードコート上層を有することを特徴とするハードコートフィルム、
(2)物理的加工によるハードコート下層表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面の形成が、平均粒子径が100nm以上の無機物または有機物の粒子によって形成されたものは含まないことを特徴とする(1)記載のハードコートフィルム、
(3)物理的加工によるハードコート下層表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面の形成が、二軸延伸ポリプロピレンマットフィルム又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレートマットフィルムの転写により形成されてなる(1)または(2)記載のハードコートフィルム、
(4)物理的加工によるハードコート下層表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面の形成が、エンボス加工により形成されてなる(1)または(2)記載のハードコートフィルム、
(5)基材フィルムが、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又はトリアセチルセルロースフィルムである(1)ないし(4)のいずれか1項に記載のハードコートフィルム、
(6)ハードコート上層の表面が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ポリプロピレンフィルムにより鏡面が転写されてなる(1)ないし(5)のいずれか1項に記載のハードコートフィルム、
(7)全光線透過率が、90%以上である(1)ないし(6)のいずれか1項に記載のハードコートフィルム、
(8)(1)ないし(7)のいずれか1項に記載のハードコートフィルムの上に、高屈折率層及び低屈折率層がこの順に積層されてなることを特徴とする反射防止フィルム、及び、
(9)(1)ないし(7)のいずれか1項に記載のハードコートフィルムの上に、低屈折率層が積層されてなることを特徴とする反射防止フィルム、
を提供するものである。
本発明のハードコートフィルムは、ハードコート下層の凹凸面をマットフィルムの転写又はエンボス加工により形成することができ、微粒子などの分散を必要としないので、簡単な工程により、透明性に優れたハードコートフィルムを得ることができる。
本発明のハードコートフィルムは、基材フィルム上に、表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面を有する、電離放射線照射により硬化した厚さ1〜20μmのハードコート下層を有し、さらにその上にハードコート下層と同成分の厚さ1〜20μmのハードコート上層を有するハードコートフィルムである。
本発明に用いる基材フィルムは、透明性を有するプラスチックフィルムであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリトリメチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルムなどのセルロース系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリメタクリル酸メチルフィルムなどのアクリル系フィルム、スチレン−アクリロニトリル共重合体フィルムなどのスチレン系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ環状オレフィンフィルムなどのポリオレフィン系フィルムなどを挙げることができる。これらの中で、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、機械的強度と寸法安定性が良好なので好適に用いることができ、トリアセチルセルロースフィルムは、等方性と透明性が良好なので好適に用いることができる。
本発明のハードコートフィルムは、ハードコート層として、表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面を有する、電離放射線照射により硬化した厚さ1〜20μmのハードコート下層と、さらにその上にハードコート下層と同成分の厚さ1〜20μmのハードコート上層とを有する。ここで、上記ハードコート下層に形成された凹凸面は、物理的加工により形成されたことを特徴とし、さらに平均粒子径が100nm以上の無機物または有機物の粒子によって形成されたものは含まないことを特徴とする。このようなハードコート層は、基材フィルム上に電離放射線硬化型塗料を塗布、乾燥し、凹凸面を形成して電離放射線照射により硬化させ、さらにその上に同成分の電離放射線硬化型塗料を塗布、乾燥して、電離放射線照射により硬化させることにより形成することができる。
本発明において、ハードコート下層の表面の十点平均粗さRzは、電離放射線照射によりハードコート下層を形成したのち、断面曲線から所定の波長より長い表面うねり成分を位相補償形高域フィルタで除去して粗さ曲線とし、JIS B 0601 5.にしたがって求めることができる。十点平均粗さRzが1.5μm未満であると、干渉縞を防ぐ効果が十分に発現しないおそれがある。十点平均粗さRzが15μmを超えると、ハードコート下層と上層の界面が視認され、ハードコートフィルムの外観が不良となるおそれがある。
本発明において、ハードコート下層の厚さは1〜20μmであり、より好ましくは1.5〜12μmである。ハードコート下層の厚さが1μm未満であると、ハードコート層の硬度と耐擦傷性が低下するおそれがある。ハードコート下層の厚さが20μmを超えると、ハードコート層に割れを生じやすくなるおそれがある。本発明において、ハードコート上層の厚さは1〜20μmであり、より好ましくは2〜15μmである。ハードコート上層の厚さが1μm未満であると、ハードコート層の硬度と耐擦傷性が低下するおそれがある。ハードコート上層の厚さが20μmを超えると、カールの発生、基材フィルムとの密着性の低下がみられ、さらにハードコート層に割れを生じやすくなるおそれがある。
本発明においては、ハードコート下層とハードコート上層とは同成分である。ハードコート下層とハードコート上層の成分が異なっても、両者の屈折率が近似していれば本発明の効果を得ることができる。即ち、両者の屈折率の差が絶対値で0.03以下、好ましくは0.02以下であれば、干渉縞の発生を低減することができる。しかし、ハードコート下層とハードコート上層の形成に同じ電離放射線硬化型塗料を用いることにより、容易にハードコート下層とハードコート上層を同成分とすることができ、生産管理の面からも好都合なので、あえて屈折率が等しい異なる成分を用いる必要性は乏しい。
本発明において、電離放射線を照射して硬化することにより凹凸面を有するハードコート下層を形成したのち、その上に同一の塗料を塗布、乾燥、硬化してハードコート上層を形成しても、下層と上層の間には凹凸を有する界面が存在し、この界面が入射した光を散乱するために、干渉縞の発生を防ぐことができると推定される。
本発明においては、ハードコート層は、公知の電離放射線硬化型塗料、熱硬化型塗料等を用いることができるが、電離放射線硬化型塗料であることが好ましい。電離放射線に特に制限はなく、例えば、電子線、放射線、紫外線などを挙げることができる。電離放射線硬化型塗料を基材フィルム上に塗布、乾燥したのち、電離放射線を照射して架橋させることにより、強靭な塗膜を形成することができる。
電離放射線の中で、紫外線は装置が簡単であり、取り扱いか容易であることから、特に好適に用いることができる。電離放射線硬化型塗料に使用される電離放射線硬化型樹脂については特に制限はなく、紫外線や電子線硬化によりJIS K 5400において定義される鉛筆硬度H以上の塗膜を与える樹脂であれば任意に使用することができる。このような電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレート樹脂などを挙げることができる。またこれらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等も必要に応じて使用することができる。これらのなかで、特に本発明で使用した、アクリル系紫外線硬化型樹脂を好適に用いることができる。
本発明においては、ハードコート下層の凹凸面を、二軸延伸ポリプロピレンマットフィルム又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレートマットフィルムの転写により形成することができる。基材フィルム上に電離放射線硬化型塗料を塗布して乾燥したのち、マットフィルムと積層してプレスロールに通すことにより、マットフィルムの凹凸面を転写することができる。マットフィルムを積層したままで電離放射線を照射し、電離放射線硬化型塗料を硬化させることにより、ハードコート下層の凹凸面の形状を固定することができる。マットフィルムの凹凸面は正確にハードコート下層に転写されるので、必要とするハードコート下層の凹凸面の形状に基づいて使用するマットフィルムを選択することができる。ハードコート下層が硬化したのち、マットフィルムを剥離してハードコート下層を完成させる。
本発明においては、ハードコート下層の凹凸面を、エンボス加工により形成することができる。基材フィルム上に電離放射線硬化型塗料を塗布して乾燥したのち、微細な模様を備えたエンボスロールに通すことにより、エンボスロールの模様を転写して凹凸面を形成することができる。使用する電離放射線硬化型塗料は、タックフリーの塗料として、塗料のエンボスロールへの付着を防止するとともに、エンボスロール通過後の凹凸面の変形を防止することが好ましい。エンボスロールを通過して凹凸面を形成したのち、電離放射線を照射して、電離放射線硬化型塗料を硬化させることにより、ハードコート下層の凹凸面の形状を固定することができる。
本発明においては、ハードコート上層の表面が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ポリプロピレンフィルムにより鏡面が転写されてなることが好ましい。ハードコート上層に鏡面を転写することにより、凹凸を完全になくした平坦な表面とし、美麗な外観を有するハードコートフィルムを得ることができる。ハードコート上層に鏡面を転写する方法に特に制限はなく、例えば、基材フィルム上に凹凸面を有するハードコート下層を電離放射線照射により形成したのち、その上に電離放射線硬化型塗料を塗布、乾燥し、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ポリプロピレンフィルムを積層してプレスロールを通すことにより、鏡面を転写することができ、あるいは、一方で基材フィルム上に凹凸面を有するハードコート下層を電離放射線照射により形成し、他方で二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ポリプロピレンフィルム上にハードコート上層となる電離放射線硬化型塗料を塗布、乾燥し、両者の処理面を合わせて積層し、プレスロールを通すことによっても、鏡面を転写することができる。
本発明のハードコートフィルムは、全光線透過率が90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。本発明のハードコートフィルムは、ハードコート下層とハードコート上層の間の凹凸を有する界面で光を散乱し、ハードコート層に光を散乱するための微粒子などを含有しないので、透明性に優れ、高い全光線透過率を実現することができる。全光線透過率は、JIS K 7361−1にしたがって測定することができる。全光線透過率が90%未満であると、透明性がやや劣り、ディスプレイの保護フィルムなどとして使用したとき、画像の鮮鋭性が低下するおそれがある。
本発明の反射防止フィルムの第一の態様は、本発明のハードコートフィルムの上に、高屈折率層及び低屈折率層がこの順に積層されてなる反射防止フィルムである。ハードコートフィルムの上に、高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層することにより、低屈折率層表面の反射光と高屈折率層表面からの反射光の干渉効果により反射を防止し、最低反射率0.5%以下を実現させることができる。本発明において、高屈折率層の厚さに特に制限はないが、30〜500nmであることが好ましく、50〜250nmであることがより好ましい。高屈折率層の厚さが30nm未満であると、反射防止効果が充分に発現しないおそれがある。高屈折率層の厚さが500nmを超えると表面硬度の低下、塗膜密着性の低下、全光線透過率の低下がみられ、さらに反射防止効果が充分に発現しないおそれがある。本発明において、低屈折率層の厚さに特に制限はないが、40〜300nmであることが好ましく、60〜150nmであることがより好ましい。低屈折率層の厚さが40nm未満であると、表面の耐擦傷性が低下し、さらに反射防止効果が充分発現しないおそれがある。低屈折率層の厚さが、300nmを超えると、塗膜に割れが生じたり、膜が厚すぎて反射防止効果が不充分になるおそれがある。
本発明において、高屈折率層又は低屈折率層は、それぞれ高屈折率塗料又は低屈折率塗料を塗布することにより形成することができる。高屈折率塗料としては、例えば、高屈折率材料である酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、さらにこれらの金属酸化物微粒子にアンチモン、錫等の異種元素をドープした微粒子を高屈折率層形成用マトリックスに分散させた塗料を挙げることができる。高屈折率層形成用マトリックスとは、ハードコート層の表面に高屈折率層を形成し得る成分をいい、ハードコート層との密着性や塗工性等の条件に適合する樹脂等から選択して用いることができ、具体的には前記ハードコート層形成用マトリックスで使用される電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等が挙げられる。高屈折率層としては、屈折率が1.60以上のものが設けられる。特に、基材またはハードコート層の屈折率が1.55以下の場合は、低屈折率層との差が小さく、反射防止性能が不充分となることがあり、このため屈折率が1.60以上の高屈折率層が形成されることが好ましい。高屈折率の金属酸化物微粒子としては、屈折率が1.60以上の金属酸化物微粒子を用いることが好ましく、さらに好ましい屈折率は、1.70以上である。高屈折率層の金属酸化物微粒子の含有量は、屈折率が1.60以上の高屈折率層が得られれば特に制限はなく、高屈折率層形成用マトリックスや金属酸化物微粒子の屈折率によっても異なるが、通常30〜95重量%、さらに50〜90重量%の範囲にあることが好ましい。
低屈折率塗料としては、例えば、低屈折率材料であるポリシロキサン、中空シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素樹脂などの微粒子を低屈折率層形成用マトリックスに分散させた塗料などを挙げることができる。低屈折率層形成用マトリックスとは、低屈折率層を形成しうる成分であり、基材との密着性や硬度および塗工等の点から選択して用いることができる。具体的には前記ハードコート層形成用マトリックスで使用される電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、さらにフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。低屈折率層の低屈折率微粒子の含有量は90重量%以下、さらには50重量%以下であることが好ましい。低屈折率微粒子の含有量が、90重量%を超えると被膜の強度が低下したり、高屈折率層等との基材との密着性が不足するおそれがある。低屈折率層の屈折率は、低屈折率微粒子と樹脂等のマトリックスとの混合比率および使用する樹脂等の屈折率によっても異なるが、通常1.28〜1.50の範囲にあることが好ましい。低屈折率層の屈折率が1.50を超えると基材の屈折率にもよるが、反射防止性能が不充分となることがあり、屈折率が1.28未満のものは得ることが困難である。
本発明の反射防止フィルムの第二の態様は、本発明のハードコートフィルムの上に低屈折率層が積層されてなる反射防止フィルムである。ハードコートフィルムの上に、低屈折率層を積層することにより、低屈折率層表面の反射光とハードコートフィルム表面からの反射光の干渉効果により反射を防止し、最低反射率1%以下を実現させることができる。本態様の反射防止フィルムは、屈折率調整層として、低屈折率層のみを有するので、経済的に製造することができる。本発明において、低屈折率層の厚さに特に制限はないが、40〜300nmであることが好ましく、60〜150nmであることがより好ましい。低屈折率層の厚さが40nm未満であると、表面の耐擦傷性が低下し、さらに反射防止効果が充分発現しないおそれがある。低屈折率層の厚さが、300nmを超えると、塗膜に割れが生じたり、膜が厚すぎて反射防止効果が不充分になるおそれがある。
本発明の反射防止フィルムは、ハードコートフィルムへの塗料の塗工により製造することができるので、蒸着法やスパッタリング法による反射防止フィルムに比べて、簡単な装置を用いて経済的に製造することができ、しかも面積の大きい反射防止フィルムを容易に製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例においては、下記の原材料を使用した。
(1)基材フィルムA:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡績(株)、コスモシャインA4300、厚さ125μm、高透明、UVインキ易接着(両面処理)。
(2)基材フィルムB:トリアセチルセルロースフィルム、富士写真フイルム(株)、フジタックTF−80UL、厚さ80μm。
(3)ハードコート塗料A:JSR(株)、デソライトZ7501、アクリル系紫外線硬化型樹脂、固形分52重量%、主溶剤メチルエチルケトン。(該塗料により形成されたハードコート層の屈折率1.51)
(4)ハードコート塗料B:大日精化工業(株)、EXF−D203、アクリル系紫外線硬化型樹脂、固形分75重量%、主溶剤メチルエチルケトン、低カール性、低熱収縮性ハードコート剤。(該塗料により形成されたハードコート層の屈折率1.50)
(5)ハードコート塗料C:大日精化工業(株)、セイカビームPET−HC301、アクリル系紫外線硬化型樹脂、固形分60重量%、主溶剤メチルエチルケトン、タックフリーハードコート剤。(該塗料により形成されたハードコート層の屈折率1.50)
(6)ハードコート塗料D:触媒化成工業(株)、ELCOM P−4513、五酸化アンチモンと酸化ケイ素を添加したアクリル系紫外線硬化型樹脂、固形分40重量%、主溶剤エチルアルコール、(該塗料により形成されたハードコート層の屈折率1.55)。
(7)ハードコート塗料E:ハードコート塗料B(大日精化工業(株)、EXP−D203)の塗液100重量部に対して、有機フィラーGM−1001−5(ガンツ化成(株)、中架橋PMMA、平均粒子径10μm、屈折率1.49)を8重量部を加え、撹拌機で完全に混ざるまで撹拌して作成したハードコート剤。(該塗料により形成されたハードコート層の屈折率1.50)
(8)マット転写用フィルムA:東セロ(株)、二軸延伸ポリプロピレンマットフィルム、WH−OP FM−0#25、厚さ25μm、両面マットタイプ。
(9)マット転写用フィルムB:帝人デュポンフィルム(株)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートマットフィルム、U−4、厚さ50μm、両面マットタイプ。
(10)鏡面転写用フィルム:東レ(株)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、T−60、厚さ50μm。
(11)低屈折率塗料A:触媒化成工業(株)、ELCOM P−5012、シリカマトリックス、フッ素シリコーン系マトリックスに中空シリカ粒子を添加、固形分2重量%、主溶剤イソプロピルアルコール、(該塗料により形成された低屈折率層の屈折率1.40)。
(12)導電性高屈折率塗料B:触媒化成工業(株)、ELCOM P−2503、アクリル系紫外線硬化型樹脂にITO(錫ドープ酸化インジウム)粒子を添加、固形分10重量%、主溶剤イソプロピルアルコール、(該塗料により形成された高屈折率層の屈折率1.70)。
(13)低屈折率塗料C:触媒化成工業(株)、ELCOM RK−SIM−01、シリカマトリックス、フッ素シリコーン系マトリックスに中空シリカ粒子を添加、固形分2重量%、主溶剤イソプロピルアルコール、(該塗料により形成された低屈折率層の屈折率1.40)。
また、実施例及び比較例において、評価は下記の方法により行った。
(1)ハードコート下層の十点平均粗さRz
紫外線照射により硬化したハードコート下層の表面について、超小型表面粗さ測定器[東洋精密(株)、ハンディーサーフE−30A]を用いて測定する。
(2)ハードコート上層の十点平均粗さRz
紫外線照射により硬化したハードコート上層の表面について、超小型表面粗さ測定器[東洋精密(株)、ハンディーサーフE−30A]を用いて測定する。
(3)全光線透過率
JIS K 7361−1にしたがい、ヘーズコンピューター[スガ試験機(株)、HZ−1]を用いて測定する。
(4)ヘーズ
JIS K 7136にしたがい、ヘーズコンピューター[スガ試験機(株)、HZ−1]を用いて測定する。
(5)外観
ハードコートフィルムを目視により観察し、下記の基準により外観を判定する。
○:表面が鏡面のように平滑で、美麗である。
△:表面に微細な凹凸が認められる。
×:表面に明瞭な凹凸が認められる、又は、ハードコート下層と上層の界面が視認される
(6)鉛筆硬度
JIS K 5400 8.4.2にしたがい、鉛筆[三菱鉛筆(株)、ユニ]を用いて塗膜のすり傷で評価する。
(7)耐擦傷性
スチールウール[日本スチールウール(株)、#0000]を丸めて200gの荷重をかけて10往復させて擦り、傷の状態を観察し、下記の基準により耐擦傷性を判定する。
○:傷がまったくつかない。
△:傷が1〜9本認められる。
×:傷が10本以上認められる。
(8)干渉縞
ハードコートフィルムを黒い紙の上に置き、三波長形蛍光ランプ[松下電器産業(株)、パルック、20W、昼白色]で照らして蛍光ランプの像の周りの干渉縞を観察し、下記の基準により干渉縞を判定する。
○:干渉縞がまったく認められない。
△:干渉縞がかすかに認められる。
×:干渉縞が明瞭に認められる。
(9)最低反射率
分光光度計[日本分光(株)、U−best V−570]を用いて、波長380〜780nmの反射率を測定し、その最低値を記録する。波形が波打つ場合には、スムージング処理を行い最低値を求める。
(10)塗膜密着性
JIS K 5400 8.5.2碁盤目テープ法にしたがって評価し、下記の基準により塗膜密着性を判定する。
○:塗膜はがれがない。
×:塗膜はがれが認められる。
(11)屈折率
ハードコート塗料、高屈折率塗料、低屈折率塗料により形成された、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層の各塗膜の屈折率をJIS K 7142に準じて、アッベ屈折計を用いて測定した。
実施例1
厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、コスモシャインA4300]を基材フィルムとして、ハードコート塗料A[JSR(株)、デソライトZ7501]を乾燥膜厚2μmになるように塗布し、乾燥したのち、二軸延伸ポリプロピレンマットフィルム[東セロ(株)、WH−OP FM−0#25]を積層してプレスロールを通過させ、マットフィルムの凹凸面を転写した。この状態で高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、ハードコート下層を形成したのち、マットフィルムを除去した。形成されたハードコート下層の表面の十点平均粗さRzは、2.5μmであった。
次いで、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)、T−60]にハードコート塗料A[JSR(株)、デソライトZ7501]を乾燥膜厚4μmになるように塗布し、乾燥したのち、ハードコート下層に該塗布、乾燥した紫外線硬化型塗料面を合わせ積層し、ポリエチレンテレフタレートフィルムの鏡面を転写した。この状態で高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、ハードコート上層を形成したのち、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、ハードコートフィルムを完成した。形成されたハードコート上層の表面の十点平均粗さRzは、0.9μmであった。
得られたハードコートフィルムの全光線透過率は92.8%であり、ヘーズは0.9%であった。表面が鏡面のように平滑で美麗であり、鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例2
ハードコート塗料Aの乾燥膜厚を、下層3μm、上層7μmとした以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。
表面の十点平均粗さRzは、ハードコート下層3.1μm、ハードコート上層0.8μmであった。得られたハードコートフィルムの全光線透過率は92.4%であり、ヘーズは1.0%であった。表面が鏡面のように平滑で美麗であり、鉛筆硬度は4Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例3
ハードコート塗料B[大日精化工業(株)、EXF−D203]を用い、その乾燥膜厚を、下層、上層ともに10μmとし、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートマットフィルム[帝人デュポンフィルム(株)、U−4]の凹凸面を転写した以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。
表面の十点平均粗さRzは、ハードコート下層3.2μm、ハードコート上層0.8μmであった。得られたハードコートフィルムの全光線透過率は91.8%であり、ヘーズは1.2%であった。表面が鏡面のように平滑で美麗であり、鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例4
基材フィルムとして、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム[富士写真フイルム(株)、フジタックTF−80UL]を用いた以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。
表面の十点平均粗さRzは、ハードコート下層2.6μm、ハードコート上層0.9μmであった。得られたハードコートフィルムの全光線透過率は92.8%であり、ヘーズは0.5%であった。表面が鏡面のように平滑で美麗であり、鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例5
厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、コスモシャインA4300]を基材フィルムとして、ハードコート塗料A[JSR(株)、デソライトZ7501]を乾燥膜厚2μmになるように塗布し、乾燥したのち、二軸延伸ポリプロピレンマットフィルム[東セロ(株)、WH−OP FM−0#25]を積層してプレスロールを通過させ、マットフィルムの凹凸面を転写した。この状態で高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、実施例1と同様にしてハードコート下層を形成したのち、マットフィルムを除去した。形成されたハードコート下層の表面の十点平均粗さRzは、2.7μmであった。
次いで、ハードコート下層の上に、ハードコート塗料A[JSR(株)、デソライトZ7501]を乾燥膜厚4μmになるように塗布し、乾燥したのち、高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、ハードコート上層を形成し、ハードコートフィルムを完成した。形成されたハードコート上層の表面の十点平均粗さRzは、1.3μmであった。
得られたハードコートフィルムの全光線透過率は92.4%であり、ヘーズは0.9%であった。表面にごく微細な凹凸が認められ、鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例6
基材フィルムとして、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム[富士写真フイルム(株)、フジタックTF−80UL]を用いた以外は、実施例5と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。
表面の十点平均粗さRzは、ハードコート下層2.6μm、ハードコート上層1.3μmであった。得られたハードコートフィルムの全光線透過率は93.0%であり、ヘーズは0.5%であった。表面に微細な凹凸が認められ、鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例7
厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、コスモシャインA4300]を基材フィルムとして、ハードコート塗料C[大日精化工業(株)、セイカビームPET−HC301]を乾燥膜厚2μmになるように塗布し、乾燥したのち、微細梨地模様のエンボスロール(表面の十点平均粗さRzが3.1μm)を用いてエンボス加工し、さらに高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、ハードコート下層を形成した。形成されたハードコート下層の表面の十点平均粗さRzは、3.0μmであった。
次いで、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)、T−60]にハードコート塗料C[大日精化工業(株)、セイカビームPET−HC301]を乾燥膜厚4μmになるように塗布し、乾燥したのち、ハードコート下層に該塗布、乾燥した紫外線硬化型塗料面を合わせ積層し、ポリエチレンテレフタレートフィルムの鏡面を転写した。この状態で高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、ハードコート上層を形成したのち、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、ハードコートフィルムを完成した。形成されたハードコート上層の表面の十点平均粗さRzは、0.9μmであった。
得られたハードコートフィルムの全光線透過率は92.8%であり、ヘーズは0.9%であった。表面が鏡面のように平滑で美麗であり、鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
比較例1
厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、コスモシャインA4300]を基材フィルムとして、ハードコート塗料A[JSR(株)、デソライトZ7501]を乾燥膜厚6μmになるように塗布し、乾燥したのち、高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、ハードコート層を形成してハードコートフィルムを作製した。形成されたハードコート層の表面の十点平均粗さRzは、0.9μmであった。
得られたハードコートフィルムの全光線透過率は92.5%であり、ヘーズは0.8%であった。表面が鏡面のように平滑で美麗であり、鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞が、明瞭に認められた。
比較例2
厚さ125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを基材フィルムとして、ハードコート塗料A[JSR(株)、デソライトZ7501]を用いてハードコート下層を形成したのち、ハードコート塗料A[JSR(株)、デソライトZ7501]の代わりに、ハードコート塗料D[触媒化成工業(株)、ELCOM P−4513]を用いてハードコート上層を形成した以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。
表面の十点平均粗さRzは、ハードコート下層2.5μm、ハードコート上層0.9μmであった。得られたハードコートフィルムの全光線透過率は91.8%であり、ヘーズは1.0%であった。ハードコート下層とハードコート上層の界面が外部から視認され、外観が劣っていた。鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞が、かすかに認められた。
比較例3
ハードコート塗料C[大日精化工業(株)、セイカビームPET−HC301]を乾燥膜厚10μmになるように塗布し、乾燥したのち、粗い梨地模様のエンボスロール(表面の十点平均粗さRzが26μm)を用いてエンボス加工し、紫外線を照射してハードコート下層を形成し、ハードコート下層の上に、ハードコート塗料C[大日精化工業(株)、セイカビームPET−HC301]を乾燥膜厚15μmになるように塗布した以外は、実施例7と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。
表面の十点平均粗さRzは、ハードコート下層25μm、ハードコート上層8.0μmであった。得られたハードコートフィルムの全光線透過率は88.5%であり、ヘーズは1.5%であった。ハードコート下層とハードコート上層の界面が外部から視認され、外観が劣っていた。鉛筆硬度は、3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
比較例4
基材フィルムとして、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム[富士写真フイルム(株)、フジタックTF−80UL]を用いた以外は、比較例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。形成されたハードコート層の表面の十点平均粗さRzは、0.8μmであった。
得られたハードコートフィルムの全光線透過率は92.4%であり、ヘーズは0.4%であった。表面が鏡面のように平滑で美麗であり、鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞が、明瞭に認められた。
比較例5
ハードコート塗料Aの乾燥膜厚を、下層、上層ともに0.5μmとした以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。
表面の十点平均粗さRzは、ハードコート下層1.6μm、ハードコート上層0.8μmであった。得られたハードコートフィルムの全光線透過率は92.3%であり、ヘーズは1.1%であった。表面に微細な凹凸が認められ、鉛筆硬度はHBであった。耐擦傷性試験において、傷が10本以上認められた。干渉縞は、まったく認められなかった。
比較例6
厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、コスモシャインA4300]を基材フィルムとして、ハードコート塗料E[ハードコート塗料B(大日精化工業(株)、EXF−D203)の塗液100重量部に対して、有機フィラーGM−1001−5(ガンツ化成(株)、中架橋PMMA、平均粒子径10μm、屈折率1.49)を8重量部を加え、撹拌機で完全に混ざるまで撹拌して作成したハードコート剤。]を乾燥膜厚10μmになるように塗布し、乾燥したのち高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、ハードコート下層を形成した。形成されたハードコート下層の表面の十点平均粗さRzは、17μmであった。
次いで、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)、T−60]にハードコート塗料B[大日精化工業(株)、EXF−D203]を乾燥膜厚10μmになるように塗布し、乾燥したのち、ハードコート下層に該塗布、乾燥した紫外線硬化型塗料面を合わせ積層し、ポリエチレンテレフタレートフィルムの鏡面を転写した。この状態で高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させ、ハードコート上層を形成したのち、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、ハードコートフィルムを完成した。形成されたハードコート上層の表面の十点平均粗さRzは、1.2μmであった。
得られたハードコートフィルムの全光線透過率は80.5%であり、ヘーズは6.0%であった。ハードコート下層とハードコート上層の界面のまだら模様が視認され、外観が劣っていた。鉛筆硬度は3Hであった。耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例1〜7の結果を第1表に、比較例1〜6の結果を第2表に示す。
Figure 0004674074
Figure 0004674074
第1表に見られるように、基材フィルム上に、表面の十点平均粗さRzが2.5〜3.2μmである凹凸面を有する紫外線照射により硬化した厚さ2〜10μmのハードコート下層を有し、さらにその上にハードコート下層と同成分の厚さ4〜10μmのハードコート上層を有する実施例1〜7のハードコートフィルムは、全光線透過率が高く、ヘーズが低く、鉛筆硬度が3H〜4Hであり、耐擦傷性が良好であり、干渉縞はまったく発生していない。二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの鏡面を転写した実施例1〜4及び実施例7のハードコートフィルムは、表面が鏡面のように平滑で美麗である。
これに対して、第2表に見られるように、ハードコート層が1層のみである比較例1及び比較例4のハードコートフィルムには、明瞭に認められる干渉縞が発生する。ハードコート下層とハードコート上層の成分が異なり、屈折率が異なる比較例2のハードコートフィルムは、両層の界面が外部から視認され、外観が劣り、また、干渉縞もわずかに発生している。ハードコート下層の表面を、粗い梨地模様のエンボスロールを用いてエンボス加工し、表面の十点平均粗さRzが25μmである凹凸面とした比較例3のハードコートフィルムは、全光線透過率が低く、また、ハードコート下層と上層の界面が外部から視認され、外観も劣っている。ハードコート下層、上層ともに厚さが0.5μmである比較例5のハードコートフィルムは、鉛筆硬度が低く、スチールウールで擦ると傷がつく。ハードコート下層用の塗料に有機フィラーを配合し、十点平均粗さRzが17μmであるハードコート下層を形成した比較例6のハードコートフィルムは、全光線透過率が低く、ヘーズが高く、また、ハードコート下層と上層の間にまだら模様が視認され、外観も劣っている。
実施例8
実施例1で作製した厚さ131μmのハードコートフィルムに、導電性高屈折率塗料B[触媒化成工業(株)、ELCOM P−2503]を乾燥膜厚100nmになるように塗布し、乾燥したのち、高圧水銀灯により紫外線を照射して塗料を硬化させた。次いで、低屈折率塗料A[触媒化成工業(株)、ELCOM P−5012]を乾燥膜厚75nmになるように塗布し、乾燥して、反射防止フィルムを完成した。
得られた反射防止フィルムの最低反射率は0.43%であり、全光線透過率は93.5%、ヘーズは0.8%であった。鉛筆硬度は3Hであり、耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。塗膜密着性試験において、塗膜のはがれはなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例9
実施例1で作製した厚さ131μmのハードコートフィルムに、低屈折率塗料C[触媒化成工業(株)、ELCOM RK−SIM−01]を乾燥膜厚75nmになるように塗布し、乾燥して、反射防止フィルムを完成した。
得られた反射防止フィルムの最低反射率は0.70%であり、全光線透過率は93.0%、ヘーズは0.7%であった。鉛筆硬度は3Hであり、耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。塗膜密着性試験において、塗膜のはがれはなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
実施例10
実施例1で作製した厚さ131μmのハードコートフィルムの代わりに、実施例4で作製した厚さ86μmのハードコートフィルムを用いた以外は、実施例8と同様にして、反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムの最低反射率は0.45%であり、全光線透過率は92.8%、ヘーズは0.6%であった。鉛筆硬度は3Hであり、耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。塗膜密着性試験において、塗膜のはがれはなかった。干渉縞は、まったく認められなかった。
比較例7
実施例1で作製したハードコートフィルムの代わりに、比較例1で作製した厚さ131μmのハードコートフィルムを用いた以外は、実施例8と同様にして、反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムの最低反射率は0.46%であり、全光線透過率は93.8%、ヘーズは0.7%であった。鉛筆硬度は3Hであり、耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。塗膜密着性試験において、塗膜のはがれはなかった。干渉縞が、明瞭に認められた。
比較例8
実施例1で作製したハードコートフィルムの代わりに、比較例1で作製した厚さ131μmのハードコートフィルムを用いた以外は、実施例9と同様にして、反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムの最低反射率は0.72%であり、全光線透過率は93.5%、ヘーズは0.8%であった。鉛筆硬度は3Hであり、耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。塗膜密着性試験において、塗膜のはがれはなかった。干渉縞が、明瞭に認められた。
比較例9
実施例1で作製したハードコートフィルムの代わりに、比較例4で作製した厚さ86μmのハードコートフィルムを用いた以外は、実施例8と同様にして、反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムの最低反射率は0.46%であり、全光線透過率は93.2%、ヘーズは0.5%であった。鉛筆硬度は3Hであり、耐擦傷性試験において、傷はまったくつかなかった。塗膜密着性試験において、塗膜のはがれはなかった。干渉縞が、明瞭に認められた。
実施例8〜10及び比較例7〜9の結果を、第3表に示す。
Figure 0004674074
第3表に見られるように、実施例1で得られたハードコートフィルム又は実施例4で得られたハードコートフィルムの上に、高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層した実施例8と実施例10の反射防止フィルムは、最低反射率が0.43%と0.45%であり、干渉縞もまったく発生していない。実施例1で得られたハードコートフィルムに低屈折率層のみを積層した実施例9の反射防止フィルムは、最低反射率が0.70%とやや高くなるが、干渉縞はまったく発生していない。
これに対して、比較例1又は比較例4で得られたハードコートフィルムに、実施例8〜10と同様に積層した比較例7〜9の反射防止フィルムには、反射防止に関しては実施例8〜10と同じ効果が発現しているが、いずれの反射防止フィルムにも明瞭に干渉縞が発生している。
本発明のハードコートフィルムは、硬度が高く、耐擦傷性に優れ、透明性と外観が良好であり、干渉縞が現れにくく、全光線透過率が高く、ヘーズが低いので、各種のディスプレイなどの保護フィルムとして好適に用いることができる。本発明の反射防止フィルムは、本発明のハードコートフィルムに屈折率調整塗料を塗布して高屈折率層と低屈折率層又は低屈折率層のみを形成することにより製造することができるので、経済的に大型の反射防止フィルムを製造することができる。

Claims (9)

  1. 基材フィルム上に、物理的加工によって形成された表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面を有する、電離放射線照射により硬化した厚さ1〜20μmのハードコート下層を有し、さらにその上にハードコート下層と同成分の厚さ1〜20μmのハードコート上層を有することを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 物理的加工によるハードコート下層表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面の形成が、平均粒子径が100nm以上の無機物または有機物の粒子によって形成されたものは含まないことを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
  3. 物理的加工によるハードコート下層表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面の形成が、二軸延伸ポリプロピレンマットフィルム又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレートマットフィルムの転写により形成されてなる請求項1または請求項2記載のハードコートフィルム。
  4. 物理的加工によるハードコート下層表面の十点平均粗さRzが1.5〜15μmである凹凸面の形成が、エンボス加工により形成されてなる請求項1または請求項2記載のハードコートフィルム。
  5. 基材フィルムが、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又はトリアセチルセルロースフィルムである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  6. ハードコート上層の表面が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ポリプロピレンフィルムにより鏡面が転写されてなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  7. 全光線透過率が、90%以上である請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のハードコートフィルムの上に、高屈折率層及び低屈折率層がこの順に積層されてなることを特徴とする反射防止フィルム。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のハードコートフィルムの上に、低屈折率層が積層されてなることを特徴とする反射防止フィルム。
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