JP2021058219A - 非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 - Google Patents
非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021058219A JP2021058219A JP2021006241A JP2021006241A JP2021058219A JP 2021058219 A JP2021058219 A JP 2021058219A JP 2021006241 A JP2021006241 A JP 2021006241A JP 2021006241 A JP2021006241 A JP 2021006241A JP 2021058219 A JP2021058219 A JP 2021058219A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- preferable
- less
- tea
- minutes
- tea leaves
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】豊かな緑茶風味を保ちつつ、非重合体カテキン類を高い収率で回収し、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下に低減した非重合体カテキン類含有組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】下記の工程(A)、(B)及び(C);(A)茶葉を80〜100℃の水性媒体と接触させる工程(B)工程(A)後の茶葉を50〜100℃の水にて抽出する工程(C)工程(B)により得られた緑茶抽出液を吸着剤と接触させる工程を含み、(a)非重合体カテキン類と(b)カフェインとの質量比[(b)/(a)]が0.025以下である、非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、非重合体カテキン類含有組成物の製造方法に関する。
非重合体カテキン類の効果として、コレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている。このような生理効果を発現させるためには、多量の非重合体カテキン類を摂取することが有利である。しかしながら、茶葉には非重合体カテキン類だけでなく、カフェイン等の夾雑物も含まれているため、茶葉から非重合体カテキン類を抽出しようとすると、同時にカフェイン等の夾雑物も抽出されてしまう。
従来、茶葉に含まれるカフェインを低減する技術として、例えば、生葉に、70〜95℃の熱水を、茶葉1kgあたり0.01〜0.5MPaの水圧で60秒〜90秒間にわたって吹き付ける熱水処理を行う方法(特許文献1)や、カフェインを含有する水溶液を活性白土又は酸性白土と接触させる方法(特許文献2)が提案されている。
カフェインは、多量に摂取した場合に覚醒等の薬理作用があることが知られており、近年カフェインを含まないことを意識して商品を選別する消費者が増加している。
ところで、商品にカフェインゼロと表示するうえで、カフェイン含有量をどの程度にすべきか日本国が定める法律では明確に規定されていないが、現在、カフェインゼロを標榜した容器詰緑茶飲料として、唯一「生茶デカフェ」(「生茶」は登録商標)が上市され、そのホームページの商品説明において、カフェインについて、0.001g(100mL当たり)未満を「カフェインゼロ」としている(URL;http://www.kirin.co.jp/products/list/item/softdrink/nama_decaf.html)。当該基準に沿えば、一般的な容器詰緑茶飲料中の非重合体カテキン類の含有量は100mL当たり40mg程度であるから、商品にゼロカフェインを標榜するためには、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.025以下であることを要すると考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、カフェインと同時に非重合体カテキン類も除去されるため、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下とすることが困難である。また、特許文献2に記載の方法により、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下とするには多量の吸着剤が必要となるため、処理後の吸着剤の除去が煩雑となるだけでなく、非重合体カテキン類の損失や緑茶風味の低下等種々の課題があることが判明した。
本発明の課題は、豊かな緑茶風味を保ちつつ、非重合体カテキン類を高い収率で回収し、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下に低減した非重合体カテキン類含有組成物の製造方法を提供することにある。
ところで、商品にカフェインゼロと表示するうえで、カフェイン含有量をどの程度にすべきか日本国が定める法律では明確に規定されていないが、現在、カフェインゼロを標榜した容器詰緑茶飲料として、唯一「生茶デカフェ」(「生茶」は登録商標)が上市され、そのホームページの商品説明において、カフェインについて、0.001g(100mL当たり)未満を「カフェインゼロ」としている(URL;http://www.kirin.co.jp/products/list/item/softdrink/nama_decaf.html)。当該基準に沿えば、一般的な容器詰緑茶飲料中の非重合体カテキン類の含有量は100mL当たり40mg程度であるから、商品にゼロカフェインを標榜するためには、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.025以下であることを要すると考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、カフェインと同時に非重合体カテキン類も除去されるため、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下とすることが困難である。また、特許文献2に記載の方法により、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下とするには多量の吸着剤が必要となるため、処理後の吸着剤の除去が煩雑となるだけでなく、非重合体カテキン類の損失や緑茶風味の低下等種々の課題があることが判明した。
本発明の課題は、豊かな緑茶風味を保ちつつ、非重合体カテキン類を高い収率で回収し、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下に低減した非重合体カテキン類含有組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討した結果、茶葉を所定温度の水性媒体と接触させ、次いで所定温度の水で緑茶抽出液を抽出し、次いで吸着剤と接触させることで、豊かな緑茶風味を保ちつつ、非重合体カテキン類を高い収率で回収し、カフェイン/非重合体カテ
キン類の質量比を0.025以下に低減した非重合体カテキン類含有組成物が得られることを見出した。
キン類の質量比を0.025以下に低減した非重合体カテキン類含有組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の工程(A)、(B)及び(C)を含む、非重合体カテキン類含有組成物の製造方法を提供するものである。
(A)茶葉を80〜100℃の水性媒体と接触させる工程
(B)工程(A)後の茶葉を50〜100℃の水にて抽出する工程
(C)工程(B)により得られた緑茶抽出液を吸着剤と接触させる工程
(A)茶葉を80〜100℃の水性媒体と接触させる工程
(B)工程(A)後の茶葉を50〜100℃の水にて抽出する工程
(C)工程(B)により得られた緑茶抽出液を吸着剤と接触させる工程
本発明によれば、豊かな緑茶風味を保ちつつ、非重合体カテキン類を高い収率で回収し、かつカフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下に低減した非重合体カテキン類含有組成物を効率よく製造することができる。
本発明の非重合体カテキン類含有組成物の製造方法は、工程(A)、(B)及び(C)を含むものである。以下、各工程について詳細に説明する。
工程(A)
工程(A)は、茶葉を80〜100℃の水性媒体と接触させる工程である。これにより、茶葉の発酵を抑制するとともに、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去することができる。
茶葉としては、生茶葉が好ましい。ここで、本明細書において「生茶葉」とは、摘採後、熱処理前の茶葉、又は摘採後、熱処理前に冷蔵若しくは冷凍保存した茶葉をいい、発酵抑制の観点から、生茶葉として、摘採後24時間以内のものを使用するか、又は摘採後24時間以内に冷蔵若しくは冷凍保存したものを使用することが好ましい。
工程(A)は、茶葉を80〜100℃の水性媒体と接触させる工程である。これにより、茶葉の発酵を抑制するとともに、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去することができる。
茶葉としては、生茶葉が好ましい。ここで、本明細書において「生茶葉」とは、摘採後、熱処理前の茶葉、又は摘採後、熱処理前に冷蔵若しくは冷凍保存した茶葉をいい、発酵抑制の観点から、生茶葉として、摘採後24時間以内のものを使用するか、又は摘採後24時間以内に冷蔵若しくは冷凍保存したものを使用することが好ましい。
茶葉は、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去する観点から、摘採した状態の茶葉、即ちフルリーフを使用することが好ましい。摘採方法には、手摘み、はさみ摘み、機械摘み等があるが、特に限定されない。手摘みには、二葉摘み、三葉摘み等があるが、特に限定されない。また、機械摘みは機械の大きさや使用方法等で、携帯型、可搬型、自走型、乗用型、レール式等を用いることができ、通常普通摘みで行われる。これらの方法で摘採された茶葉を、裁断することなく用いることができる。茶葉の採取時期は特に限定されない。
茶葉の茶品種は、一般に栽培されているであれば特に限定されないが、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)等が挙げられる。品種の具体例
としては、日本茶葉では、例えば、べにふうき、べにほまれ、べにふじ、べにひかり、やぶきた、あさつゆ、やまとみどり、まきのはらわせ、かなやみどり、やえほ、するがわせ、ゆたかみどり、おくむさし、おくみどり、おおいわせ、おくひかり、めいりょく、さみどり、こまかげ、やまなみ、みねかおり、はつもみじ、やまかい、からべにが挙げられ、また日本茶葉以外では、例えば、ダージリン、ウバ、キーマン、アッサム、ケニア等を挙げることができる。茶葉は、1種又は2種以上を適宜選択して使用することが可能であり、茶葉のみならず、茎も使用することができる。
としては、日本茶葉では、例えば、べにふうき、べにほまれ、べにふじ、べにひかり、やぶきた、あさつゆ、やまとみどり、まきのはらわせ、かなやみどり、やえほ、するがわせ、ゆたかみどり、おくむさし、おくみどり、おおいわせ、おくひかり、めいりょく、さみどり、こまかげ、やまなみ、みねかおり、はつもみじ、やまかい、からべにが挙げられ、また日本茶葉以外では、例えば、ダージリン、ウバ、キーマン、アッサム、ケニア等を挙げることができる。茶葉は、1種又は2種以上を適宜選択して使用することが可能であり、茶葉のみならず、茎も使用することができる。
水性媒体としては水を含むものであれば特に限定されない。水としては、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜選択して使用できる。
水性媒体中には、有機溶媒を含んでも良い。有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル、酢酸エチル等のエステルが挙げられる。中でも、食品への使用を考慮すると、アルコールが好ましく、エタノールが更に好ましい。水性媒体中に有機溶媒を含む場合、その濃度は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が更に好ましく、10質量%以下がより更に好ましく、1質量%以下が殊更に好ましい。
水性媒体中には、有機溶媒を含んでも良い。有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル、酢酸エチル等のエステルが挙げられる。中でも、食品への使用を考慮すると、アルコールが好ましく、エタノールが更に好ましい。水性媒体中に有機溶媒を含む場合、その濃度は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が更に好ましく、10質量%以下がより更に好ましく、1質量%以下が殊更に好ましい。
また、水性媒体として、茶抽出液を使用することもできる。茶抽出液の原料茶葉は特に限定されないが、例えば、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)から抽出されたものが挙げられる。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、
半発酵茶、発酵茶に分類することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。茶葉は、1種又は2種以上を用いることができる。中でも、茶抽出液としては、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去する観点から、緑茶抽出液が好ましい。なお、抽出方法としては、攪拌抽出、カラム抽出等の公知の方法を採用することが可能であり、抽出に使用する水の種類は特に限定されず、前述と同様のものを使用することができる。また、緑茶抽出液として、市販品を使用してもよく、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等を挙げることができる。
半発酵茶、発酵茶に分類することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。茶葉は、1種又は2種以上を用いることができる。中でも、茶抽出液としては、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去する観点から、緑茶抽出液が好ましい。なお、抽出方法としては、攪拌抽出、カラム抽出等の公知の方法を採用することが可能であり、抽出に使用する水の種類は特に限定されず、前述と同様のものを使用することができる。また、緑茶抽出液として、市販品を使用してもよく、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等を挙げることができる。
水性媒体として使用する茶抽出液は、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去する観点から、Brixが、0.2%以上であることが好ましく、0.25%以上がより好ましく、0.3%以上が更に好ましく、そして1.0%以下が好ましく、0.8%以下がより好ましく、0.7%以下が更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは0.2〜1.0%、より好ましくは0.25〜0.8%、更に好ましくは0.3〜0.7%である。なお、所望のBrixの茶抽出液とするために、原料茶葉から調製された茶抽出液や市販品を、必要により水希釈又は濃縮してもよい。ここで、本明細書において「Brix」とは、糖用屈折計を利用して測定した値であり、20℃のショ糖水溶液の質量百分率に相当する値である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
水性媒体の温度は80〜100℃であるが、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去する観点から、83℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、87℃以上が更に好ましく、また温度制御の観点から、99℃以下が好ましく、98℃以下がより好ましく、97℃以下が更に好ましい。かかる温度の範囲としては、好ましくは83〜99℃、更に好ましくは85〜98℃、更に好ましくは87〜98℃である。
接触方法としては、茶葉の表面を、水性媒体と接触させることができれば特に限定されないが、例えば、茶葉を水性媒体に浸漬させる方法、茶葉に水性媒体をシャワー状に供給する方法等を挙げることができる。
水性媒体の量は、接触方法やスケールにより、適宜選択することが可能であるが、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去する観点から、茶葉に対して、3質量倍以上が好ましく、5質量倍以上がより好ましく、7質量倍以上が更に好ましく、そして100質量倍以下が好ましく、75質量倍以下がより好ましく、50質量倍以下が更に好ましく、30質量倍以下が殊更に好ましい。かかる水溶液の量の範囲としては、茶葉に対して、好ましくは3〜100質量倍、より好ましくは5〜75質量倍、更に好ましくは7〜50質量倍、殊更に好ましくは7〜30質量倍である。
水性媒体との接触時間は、接触方法やスケールにより、適宜選択することが可能であるが、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的に除去する観点から、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、3分以上が更に好ましく、そして10分以下が好ましく、9分以下が好ましく、7分以下が更に好ましい。かかる接触時間の範囲としては、好ましくは1〜10分、より好ましくは2〜9分、更に好ましくは3〜7分である。
工程(A)後、後述の工程(B)を行うが、工程(B)の前に、水性媒体に接触させた茶葉を回収してもよい。回収方法としてはメッシュにより回収しても、濾過機により回収しても、遠心分離機により回収しても、コンベア等により回収してもよい。
また、工程(B)の前に、工程(A)後の茶葉の表面に付着した水性媒体を除去してもよい。除去方法としては、振とう等により取り除いても、ウエス、ペーパー等で軽く拭き取ってもよい。また、工程(A)後の茶葉を乾燥することもできるが、熱による風味劣化を抑制する観点から、茶葉を乾燥しないことが好ましい。
また、工程(B)の前に、工程(A)後の茶葉の表面に付着した水性媒体を除去してもよい。除去方法としては、振とう等により取り除いても、ウエス、ペーパー等で軽く拭き取ってもよい。また、工程(A)後の茶葉を乾燥することもできるが、熱による風味劣化を抑制する観点から、茶葉を乾燥しないことが好ましい。
更に、工程(B)の前に、非重合体カテキン類の抽出効率を高めるために、工程(A)後の茶葉を、裁断又は粉砕する工程を有することができる。裁断又は粉砕の方法は特に限定されないが、例えば、裁断は、カッターを用いたり、揉捻機、ローターべイン、CTC機を用いて行うことが可能である。また、粉砕は、グラインダー、ミル、ボールミル等を用いて行うことができる。処理後の茶葉の大きさは、通常0.1〜20mm、好ましくは0.3〜15mm、より好ましくは0.5〜10mm、更に好ましくは1〜5mmである。
工程(B)
工程(B)は、工程(A)後の茶葉を50〜100℃の水にて抽出する工程である。これにより、緑茶風味を保持しつつ、非重合体カテキン類を効率よく抽出することができる。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体を併せての総称である。なお、非重合体カテキン類の濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義され、本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
工程(B)は、工程(A)後の茶葉を50〜100℃の水にて抽出する工程である。これにより、緑茶風味を保持しつつ、非重合体カテキン類を効率よく抽出することができる。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体を併せての総称である。なお、非重合体カテキン類の濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義され、本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
抽出方法としては、撹拌抽出、カラム抽出、ドリップ抽出等の公知の方法を採用することができる。
抽出に使用する水の温度は通常50〜100℃であるが、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましく、85℃以上が殊更に好ましく、また温度制御の観点から、98℃以下が好ましく、95℃以下が更に好ましい。かかる水の温度の範囲としては、好ましくは60〜98℃、より好ましくは70〜98℃、更に好ましくは80〜95℃、殊更に好ましくは85〜95℃である。
抽出に使用する水の温度は通常50〜100℃であるが、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましく、85℃以上が殊更に好ましく、また温度制御の観点から、98℃以下が好ましく、95℃以下が更に好ましい。かかる水の温度の範囲としては、好ましくは60〜98℃、より好ましくは70〜98℃、更に好ましくは80〜95℃、殊更に好ましくは85〜95℃である。
また、水としては、前述と同様のものを使用することができるが、中でも、味の面から、イオン交換水が好ましい。抽出に使用する水には、アスコルビンナトリウム等の有機酸又はその塩、炭酸水素ナトリウム等の無機酸又はその塩を添加してもよい。
抽出に使用する水の量は、抽出方法により適宜選択可能であるが、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、工程(A)で使用した茶葉に対して、1質量倍以上が好ましく、1.5質量倍以上がより好ましく、2質量倍以上が更に好ましく、また緑茶風味の観点から、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましく、10質量倍以下が更に好ましく、5質量倍以下が殊更に好ましい。かかる水の量の範囲としては、工程(A)で
使用した茶葉に対して、好ましくは1〜20質量倍、より好ましくは1.5〜15質量倍、更に好ましくは2〜10質量倍、殊更に好ましくは2〜5質量倍である。
使用した茶葉に対して、好ましくは1〜20質量倍、より好ましくは1.5〜15質量倍、更に好ましくは2〜10質量倍、殊更に好ましくは2〜5質量倍である。
また、抽出時間は、スケール等により一様ではないが、例えば、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、5分以上が好ましく、8分以上がより好ましく、10分以上が更に好ましく、また雑味低減の観点から、120分以下が好ましく、90分以下がより好ましく、60分以下が更に好ましく、30分以下が更に好ましい。かかる抽出時間の範囲としては、好ましくは5〜120分、より好ましくは8〜90分、更に好ましくは10〜60分、殊更に好ましくは10〜30分である。
工程(B)後、工程(B)により得られた緑茶抽出液を固液分離することができる。
固液分離としては、食品工業で通常使用されている方法を採用することができる。例えば、ろ紙濾過、ステンレス等の金属製フィルタ等によるフィルタ分離、遠心分離、膜処理等が挙げられ、1種又は2種以上組み合わせて行うことができる。
固液分離としては、食品工業で通常使用されている方法を採用することができる。例えば、ろ紙濾過、ステンレス等の金属製フィルタ等によるフィルタ分離、遠心分離、膜処理等が挙げられ、1種又は2種以上組み合わせて行うことができる。
ろ紙濾過は、例えば、ろ紙上に濾過助剤をプレコートしてもよい。濾過助剤としては、例えば、珪藻土、セルロース及びこれらを組み合わせたものが挙げられ、その使用量は適宜選択可能である。また、加圧濾過、吸引濾過等の濾過方法も採用することもできる。
金属製フィルタのメッシュサイズは、例えば、18〜300メッシュである。
金属製フィルタのメッシュサイズは、例えば、18〜300メッシュである。
遠心分離に用いる遠心分離機としては、例えば、分離板型、円筒型、デカンター型等の一般的な機器を使用することができる。
遠心分離する際の温度は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、好ましくは5〜80℃、更に好ましくは10〜70℃である。また、回転数と時間は適宜設定可能であるが、例えば、分離板型の場合、回転数は、好ましくは2000〜10000r/min、より好ましくは2500〜9000r/min、更に好ましくは3000〜8000r/minであり、時間は、好ましくは0.2〜75分、より好ましくは0.5〜60分、更に好ましくは1〜30分である。
遠心分離する際の温度は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、好ましくは5〜80℃、更に好ましくは10〜70℃である。また、回転数と時間は適宜設定可能であるが、例えば、分離板型の場合、回転数は、好ましくは2000〜10000r/min、より好ましくは2500〜9000r/min、更に好ましくは3000〜8000r/minであり、時間は、好ましくは0.2〜75分、より好ましくは0.5〜60分、更に好ましくは1〜30分である。
膜ろ過による処理条件としては、一般的なろ過条件で処理することができる。
膜孔径は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましく、そして10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、2μm以下が更に好ましい。かかる膜孔径の範囲としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.15〜5μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。なお、膜孔径の測定方法としては、水銀圧入法、バブルポイント試験、細菌ろ過法等を用いた一般的な測定方法が挙げられるが、バブルポイント試験で求めた値を用いることが好ましい。
膜の材質としては、例えば、不織布膜、高分子膜、セラミック膜、ステンレス膜等を挙げることができる。
膜孔径は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましく、そして10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、2μm以下が更に好ましい。かかる膜孔径の範囲としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.15〜5μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。なお、膜孔径の測定方法としては、水銀圧入法、バブルポイント試験、細菌ろ過法等を用いた一般的な測定方法が挙げられるが、バブルポイント試験で求めた値を用いることが好ましい。
膜の材質としては、例えば、不織布膜、高分子膜、セラミック膜、ステンレス膜等を挙げることができる。
また、工程(B)後、工程(B)により得られた緑茶抽出液を濃縮又は乾燥することもできる。濃縮又は乾燥は、工程(B)後の緑茶抽出液であれば、固液分離の有無を問わないが、固液分離後の緑茶抽出液が好ましい。なお、濃縮又は乾燥後の緑茶抽出液を、後述の工程(C)に供する場合には、必要により緑茶抽出液を水希釈すればよい。
濃縮方法は特に限定されず、例えば、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等が挙げられる。また、乾燥方法は、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を採用することが可能である。
濃縮方法は特に限定されず、例えば、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等が挙げられる。また、乾燥方法は、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を採用することが可能である。
工程(C)
工程(C)は、工程(B)により得られた緑茶抽出液を吸着剤と接触させる工程である。これにより、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的により一層低減することができる。
吸着剤としては、食品分野において一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、吸着効率の観点から、多孔質吸着剤が好ましい。多孔質吸着剤としては、例えば、活性炭、活性白土、酸性白土、ゼオライト、シリカゲル、ケイソウ土、合成吸着剤、イオン交換樹脂等を挙げることができる。中でも、カフェインの選択的除去、緑茶風味の保持の観点から、活性炭、活性白土及び酸性白土から選択される少なくとも1種が好ましく、活性炭が更に好ましい。
工程(C)は、工程(B)により得られた緑茶抽出液を吸着剤と接触させる工程である。これにより、緑茶風味の低下を抑えつつ、カフェインを選択的により一層低減することができる。
吸着剤としては、食品分野において一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、吸着効率の観点から、多孔質吸着剤が好ましい。多孔質吸着剤としては、例えば、活性炭、活性白土、酸性白土、ゼオライト、シリカゲル、ケイソウ土、合成吸着剤、イオン交換樹脂等を挙げることができる。中でも、カフェインの選択的除去、緑茶風味の保持の観点から、活性炭、活性白土及び酸性白土から選択される少なくとも1種が好ましく、活性炭が更に好ましい。
活性炭の由来原料としては、例えば、オガコ、石炭、ヤシ殻等が挙げられ、中でも、ヤシ殻活性炭が好ましい。また、水蒸気等のガスや薬品により賦活した活性炭を用いてもよく、中でも、水蒸気賦活活性炭が好ましい。また、活性炭の形状は、粉末状、粒状及び繊維状のいずれでもよいが、吸着効率の観点から、粉末状、粒状が好ましく、粒状が更に好ましい。
活性炭の細孔半径は、カフェインの選択的除去の観点から、2.0nm以下が好ましく、1.7nm以下がより好ましく1.5nm以下が更に好ましく、そして0.1nm以上が好ましく、0.2nm以上がより好ましく、0.25nm以上が更に好ましい。かかる細孔半径の範囲としては、好ましくは0.1〜2.0nm、より好ましくは0.2〜1.7nm、更に好ましくは0.2〜1.5nm、更に好ましくは0.25〜1.5nmである。ここで、本明細書において「細孔半径」とは、MP法により得られた細孔分布曲線のピークトップを示す細孔半径の値である。
活性炭の平均粒子径は、カフェインの選択的除去の観点から、0.01mm以上が好ましく、0.05mm以上がより好ましく、0.1mm以上が更に好ましく、そして2mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1.0mm以下が更に好ましい。かかる平均粒子径の範囲としては、好ましくは0.01〜2mm、より好ましくは0.05〜1.5mm、更に好ましくは0.1〜1.0mmである。ここでいう「活性炭の平均粒子径」とは、JIS K1474の6.3に基づき粒度を求め、次に6.4に基づき粒度分布を求め、更に同項b)の7)に基づいて算出された質量平均粒子径を意味する。このような活性炭の市販品として、クラレコールGW26/70、クラレコールGW32/60、クラレコールGW48/100(以上、商品名、クラレ社製)等を挙げることができる。
活性炭の細孔半径は、カフェインの選択的除去の観点から、2.0nm以下が好ましく、1.7nm以下がより好ましく1.5nm以下が更に好ましく、そして0.1nm以上が好ましく、0.2nm以上がより好ましく、0.25nm以上が更に好ましい。かかる細孔半径の範囲としては、好ましくは0.1〜2.0nm、より好ましくは0.2〜1.7nm、更に好ましくは0.2〜1.5nm、更に好ましくは0.25〜1.5nmである。ここで、本明細書において「細孔半径」とは、MP法により得られた細孔分布曲線のピークトップを示す細孔半径の値である。
活性炭の平均粒子径は、カフェインの選択的除去の観点から、0.01mm以上が好ましく、0.05mm以上がより好ましく、0.1mm以上が更に好ましく、そして2mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1.0mm以下が更に好ましい。かかる平均粒子径の範囲としては、好ましくは0.01〜2mm、より好ましくは0.05〜1.5mm、更に好ましくは0.1〜1.0mmである。ここでいう「活性炭の平均粒子径」とは、JIS K1474の6.3に基づき粒度を求め、次に6.4に基づき粒度分布を求め、更に同項b)の7)に基づいて算出された質量平均粒子径を意味する。このような活性炭の市販品として、クラレコールGW26/70、クラレコールGW32/60、クラレコールGW48/100(以上、商品名、クラレ社製)等を挙げることができる。
酸性白土又は活性白土としては、ともに一般的な化学成分として、SiO2、Al2O3
、Fe2O3、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al2O3質量比が3
〜12であるものが好ましく、更に好ましくは4〜9である。またFe2O3を2〜5質量%、CaOを0〜1.5質量%、MgOを1〜7質量%含有する組成のものが好ましい。
活性白土は天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸などの鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。酸性白土を更に、酸処理することにより比表面積が変化し、脱色能の改良及び物性が変化することが知られている。
酸性白土又は活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜350m2/gであるのが好ましい。また、pHは、5%サスペンジョンとして、好ましくは2.
5〜8、更に好ましくは3.6〜7である。例えば、酸性白土としては、ミズカエース#600(水澤化学社製)等の市販品を用いることができる。
、Fe2O3、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al2O3質量比が3
〜12であるものが好ましく、更に好ましくは4〜9である。またFe2O3を2〜5質量%、CaOを0〜1.5質量%、MgOを1〜7質量%含有する組成のものが好ましい。
活性白土は天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸などの鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。酸性白土を更に、酸処理することにより比表面積が変化し、脱色能の改良及び物性が変化することが知られている。
酸性白土又は活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜350m2/gであるのが好ましい。また、pHは、5%サスペンジョンとして、好ましくは2.
5〜8、更に好ましくは3.6〜7である。例えば、酸性白土としては、ミズカエース#600(水澤化学社製)等の市販品を用いることができる。
吸着剤の使用量は、カフェインのより一層の低減、緑茶風味の保持の観点から、緑茶抽出液の固形分に対して、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、また非重合体カテキン類の回収率の観点から、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。かか
る吸着剤の使用量の範囲としては、緑茶抽出液の固形分に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜70質量%、更に好ましくは20〜60質量%である。
る吸着剤の使用量の範囲としては、緑茶抽出液の固形分に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜70質量%、更に好ましくは20〜60質量%である。
吸着剤との接触温度は、カフェインの選択的除去性、緑茶風味の保持の観点から、40℃以上がより好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、70℃以上が殊更に好ましく、また非重合体カテキン類の回収率の観点から、99℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましく、90℃以下が更に好ましい。かかる接触温度の範囲としては、好ましくは40〜99℃、より好ましくは50〜99℃、更に好ましくは60〜95℃、殊更に好ましくは70〜90℃である。
吸着剤との接触時間は、接触方法やスケールにより、適宜選択することが可能であるが、カフェインのより一層の除去、緑茶風味の保持の観点から、60分以下が好ましく、50分以下がより好ましく、40分以下が更に好ましく、そして5分以上が好ましく、10分以上がより好ましく、15分以上が更に好ましく、20分以上が殊更に好ましい。かかる接触時間の範囲としては、好ましくは5〜60分、より好ましくは10〜50分、更に好ましくは15〜50分、殊更に好ましくは20〜40分である。
吸着剤との接触方法は、例えば、バッチ式、連続式等を挙げることができる。
バッチ式の場合、例えば、所定温度の緑茶抽出液に吸着剤を添加して所定時間撹拌すればよい。処理時の雰囲気は、空気下でも、不活性ガス下(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素)でもよい。
また、連続式の場合、例えば、吸着カラム内に吸着剤を充填し、所定温度の緑茶抽出液をカラム下部又は上部から通液させ、他方からを排出させればよい。通液条件は適宜設定可能であるが、例えば、吸着剤の質量に対する空間速度(SV)は、0.1[h-1]以上が好ましく、1.0[h-1]以上がより好ましく、2.0[h-1]以上が更に好ましく、そして20[h-1]以下が好ましく、15[h-1]以下がより好ましく、10[h-1]以下が更に好ましい。かかる空間速度(SV)の範囲としては、好ましくは0.1〜20[h-1]、より好ましくは1.0〜15[h-1]、更に好ましくは2.0〜10[h-1]である。
バッチ式の場合、例えば、所定温度の緑茶抽出液に吸着剤を添加して所定時間撹拌すればよい。処理時の雰囲気は、空気下でも、不活性ガス下(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素)でもよい。
また、連続式の場合、例えば、吸着カラム内に吸着剤を充填し、所定温度の緑茶抽出液をカラム下部又は上部から通液させ、他方からを排出させればよい。通液条件は適宜設定可能であるが、例えば、吸着剤の質量に対する空間速度(SV)は、0.1[h-1]以上が好ましく、1.0[h-1]以上がより好ましく、2.0[h-1]以上が更に好ましく、そして20[h-1]以下が好ましく、15[h-1]以下がより好ましく、10[h-1]以下が更に好ましい。かかる空間速度(SV)の範囲としては、好ましくは0.1〜20[h-1]、より好ましくは1.0〜15[h-1]、更に好ましくは2.0〜10[h-1]である。
工程(C)後、吸着剤処理液を回収することにより、本発明の非重合体カテキン類含有組成物を得ることができる。非重合体カテキン類含有組成物の回収方法としては、例えば、固液分離を挙げることができるが、特に限定されない。固液分離としては、前述と同様のものが挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて行うことができる。
このようして本発明の非重合体カテキン類含有組成物を製造することができるが、当該非重合体カテキン類含有組成物は、豊かな緑茶風味を保ちつつ、非重合体カテキン類を通常50質量%以上、好ましくは60質量%以上という高い収率で回収し、しかも(a)非重合体カテキン類と(b)カフェインとの質量比[(b)/(a)]を、通常0.025以下、好ましくは0.020以下、更に好ましくは0.015以下にまで低減することができる。
また、非重合体カテキン類含有組成物の形態としては、例えば、液体、スラリー、半固体、固体等の種々のものが挙げられる。非重合体カテキン類含有組成物の製品形態として液体が望ましい場合は、例えば、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮等により濃縮することが可能であり、また固体が望ましい場合は、例えば、噴霧乾燥や凍結乾燥等により粉体とすることもできる。
1.非重合体カテキン類及びカフェインの分析
純水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラディエント条件は以下の通りである。
純水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラディエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
2.Brixの測定
糖用屈折計示度(Brix)について、糖度計(Atago RX-5000(Atago社製))を用いて、試料を20℃に温度調整して測定した。
糖用屈折計示度(Brix)について、糖度計(Atago RX-5000(Atago社製))を用いて、試料を20℃に温度調整して測定した。
3.官能評価
各非重合体カテキン類含有組成物を、非重合体カテキン類濃度が0.04g/100mLとなるようにイオン交換水で希釈し茶飲料を調製した。次いで、各茶飲料を専門パネル4名が飲用し、緑茶風味について下記の4段階で評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
各非重合体カテキン類含有組成物を、非重合体カテキン類濃度が0.04g/100mLとなるようにイオン交換水で希釈し茶飲料を調製した。次いで、各茶飲料を専門パネル4名が飲用し、緑茶風味について下記の4段階で評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
緑茶風味の評価基準
4:緑茶の味と香りが豊かである(実施例2相当)
3:緑茶の味と香りがある(実施例1相当、緑茶風味を比較例1より感じるが、実施例2ほど感じない)
2:緑茶の味と香りが少ない(比較例1相当)
1:緑茶の味と香りがほとんどない(緑茶風味を比較例1ほど感じない)
4:緑茶の味と香りが豊かである(実施例2相当)
3:緑茶の味と香りがある(実施例1相当、緑茶風味を比較例1より感じるが、実施例2ほど感じない)
2:緑茶の味と香りが少ない(比較例1相当)
1:緑茶の味と香りがほとんどない(緑茶風味を比較例1ほど感じない)
実施例1
工程(A)
90℃に加熱した10kgの水に、フルリーフの生茶葉1kgを3分間浸漬して接触させた。次に、メッシュにより濾過して茶葉を回収し、茶抽出液を廃棄した。次に、回収した茶葉をフードプロセッサーにより裁断した。裁断後の茶葉の大きさは約3mmであった。
工程(B)
次に、裁断後の茶葉を90℃のイオン交換水3kgで20分間撹拌抽出した後、濾過して緑茶抽出液を得た。次に、得られた緑茶抽出液を遠心分離した。
工程(C)
次に、工程(B)で得られた緑茶抽出液のうちの2kgに、活性炭(クラレコールGW32/60、細孔半径1nm、平均粒子径0.36mm、株式会社クラレ)0.15kgを添加し、25℃で30分間撹拌した。その後、遠心分離を行い、上澄み液の非重合体カテキン類濃度及びカフェイン濃度を分析した。その分析結果を表1に示す。得られた非重
合体カテキン類含有組成物を、非重合体カテキン類濃度が0.04g/100mLとなるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、官能評価を行った。その結果を表1に示す。
工程(A)
90℃に加熱した10kgの水に、フルリーフの生茶葉1kgを3分間浸漬して接触させた。次に、メッシュにより濾過して茶葉を回収し、茶抽出液を廃棄した。次に、回収した茶葉をフードプロセッサーにより裁断した。裁断後の茶葉の大きさは約3mmであった。
工程(B)
次に、裁断後の茶葉を90℃のイオン交換水3kgで20分間撹拌抽出した後、濾過して緑茶抽出液を得た。次に、得られた緑茶抽出液を遠心分離した。
工程(C)
次に、工程(B)で得られた緑茶抽出液のうちの2kgに、活性炭(クラレコールGW32/60、細孔半径1nm、平均粒子径0.36mm、株式会社クラレ)0.15kgを添加し、25℃で30分間撹拌した。その後、遠心分離を行い、上澄み液の非重合体カテキン類濃度及びカフェイン濃度を分析した。その分析結果を表1に示す。得られた非重
合体カテキン類含有組成物を、非重合体カテキン類濃度が0.04g/100mLとなるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2
工程(C)において表1に記載の条件とした以外は、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
工程(C)において表1に記載の条件とした以外は、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
比較例1
工程(A)を行わなかったこと、及び工程(C)において表1に記載の条件とした以外は、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
工程(A)を行わなかったこと、及び工程(C)において表1に記載の条件とした以外は、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
比較例2
工程(C)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
工程(C)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
比較例3
工程(A)において表1に記載の条件としたこと、及び工程(C)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
工程(A)において表1に記載の条件としたこと、及び工程(C)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物を得た。その後、実施例1と同様の操作により非重合体カテキン類含有組成物の分析、茶飲料の官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
表1から、本願発明に係る工程(A)、(B)及び(C)に供することにより、豊かな緑茶風味を保ちつつ、非重合体カテキン類を高い収率で回収し、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比を0.025以下に低減した非重合体カテキン類含有組成物が得られることが分かる。
Claims (10)
- 下記の工程(A)、(B)及び(C);
(A)茶葉を80〜100℃の水性媒体と接触させる工程
(B)工程(A)後の茶葉を50〜100℃の水にて抽出する工程
(C)工程(B)により得られた緑茶抽出液を吸着剤と接触させる工程
を含み、
(a)非重合体カテキン類と(b)カフェインとの質量比[(b)/(a)]が0.025以下である、非重合体カテキン類含有組成物の製造方法。 - 工程(C)の吸着剤との接触温度が40〜99℃である、請求項1に記載の製造方法。
- 工程(C)の吸着剤との接触時間が60分以内である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 工程(C)の吸着剤が活性炭である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程(A)の接触時間が1〜10分である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程(A)の水性媒体が水である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程(A)の水性媒体がBrix0.2〜1.0%の茶抽出液である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程(B)の抽出時間が5〜120分である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程(B)の前に、工程(A)後の茶葉を裁断する工程を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法
- 工程(B)後、工程(C)の前に、更に工程(B)により得られた緑茶抽出液を固液分離する工程を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021006241A JP2021058219A (ja) | 2021-01-19 | 2021-01-19 | 非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021006241A JP2021058219A (ja) | 2021-01-19 | 2021-01-19 | 非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017128380A Division JP6891057B2 (ja) | 2017-06-30 | 2017-06-30 | 非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021058219A true JP2021058219A (ja) | 2021-04-15 |
Family
ID=75381633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021006241A Pending JP2021058219A (ja) | 2021-01-19 | 2021-01-19 | 非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021058219A (ja) |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007014283A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Kao Corp | 容器詰緑茶飲料 |
JP2007060957A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | National Agriculture & Food Research Organization | 飲料及びその製造方法 |
JP2007061083A (ja) * | 2005-05-20 | 2007-03-15 | Kao Corp | 精製緑茶抽出物の製造方法 |
JP2011167091A (ja) * | 2010-02-16 | 2011-09-01 | Ito En Ltd | 飲料用原料茶の製造方法 |
JP2014226040A (ja) * | 2013-05-17 | 2014-12-08 | キリンビバレッジ株式会社 | 茶飲料の製造方法 |
JP2015096054A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | キリンビバレッジ株式会社 | 茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法 |
JP2015116132A (ja) * | 2013-12-17 | 2015-06-25 | 花王株式会社 | 緑茶抽出物の製造方法 |
JP2016119882A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | 花王株式会社 | 緑茶抽出物の製造方法 |
JP2017510256A (ja) * | 2014-03-26 | 2017-04-13 | インフレ エス.エー. | カフェイン除去方法およびシステム |
-
2021
- 2021-01-19 JP JP2021006241A patent/JP2021058219A/ja active Pending
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007061083A (ja) * | 2005-05-20 | 2007-03-15 | Kao Corp | 精製緑茶抽出物の製造方法 |
JP2007014283A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Kao Corp | 容器詰緑茶飲料 |
JP2007060957A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | National Agriculture & Food Research Organization | 飲料及びその製造方法 |
JP2011167091A (ja) * | 2010-02-16 | 2011-09-01 | Ito En Ltd | 飲料用原料茶の製造方法 |
JP2014226040A (ja) * | 2013-05-17 | 2014-12-08 | キリンビバレッジ株式会社 | 茶飲料の製造方法 |
JP2015096054A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | キリンビバレッジ株式会社 | 茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法 |
JP2015116132A (ja) * | 2013-12-17 | 2015-06-25 | 花王株式会社 | 緑茶抽出物の製造方法 |
JP2017510256A (ja) * | 2014-03-26 | 2017-04-13 | インフレ エス.エー. | カフェイン除去方法およびシステム |
JP2016119882A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | 花王株式会社 | 緑茶抽出物の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2207431B1 (en) | Process for manufacturing tea products and products obtainable thereby | |
RU2413421C2 (ru) | Способ производства зеленого чая | |
EP1926386B1 (en) | Improved process for tea manufacture | |
EP2211632B1 (en) | Process for purifying compounds from tea | |
US11903394B2 (en) | Beverage composition | |
JP5751750B2 (ja) | インスタント紅茶 | |
JP6891057B2 (ja) | 非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 | |
JP6389944B2 (ja) | 非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 | |
JP2021058219A (ja) | 非重合体カテキン類含有組成物の製造方法 | |
JP2017195782A (ja) | 香味が改善された緑茶系飲料 | |
JP4102746B2 (ja) | 緑茶抽出物の製造法 | |
JP7247386B2 (ja) | 緑茶抽出物の製造方法 | |
JP6629707B2 (ja) | 緑茶抽出物の製造方法 | |
JP5393770B2 (ja) | 粉末紅茶 | |
ES2362330T3 (es) | Procedimiento de fabricación de productos del te y productos obtenibles a partir de los mismos. | |
JP2018201391A (ja) | 緑茶抽出物の製造方法 | |
JP2008308460A (ja) | 非重合体カテキン類低ガレート体の精製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210217 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220104 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220628 |