JP2018201391A - 緑茶抽出物の製造方法 - Google Patents

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洸 大田
Ko Ota
洸 大田
健司 山脇
Kenji Yamawaki
健司 山脇
征輝 杉山
Masateru Sugiyama
征輝 杉山
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Abstract

【課題】緑茶風味が少なく、かつ濁りが抑制され、非茶飲料の製造原料として有用な緑茶抽出物の製造方法を提供すること。【解決手段】下記の工程(a)及び(b)を含む、緑茶抽出物の製造方法。(a)生茶葉の表面に70〜100℃の水を接触させる工程(b)工程(a)後の未裁断茶葉又は粗裁断茶葉を水で抽出する工程【選択図】なし

Description

本発明は、緑茶抽出物の製造方法に関する。
非重合体カテキン類の効果として、コレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている。このような生理効果を発現させるためには、多量の非重合体カテキン類を摂取することが有利である。しかしながら、茶葉には非重合体カテキン類だけでなく、カフェイン等の夾雑物も含まれているため、茶葉から非重合体カテキン類を抽出しようとすると、同時にカフェイン等の夾雑物も抽出されてしまう。そのため、得られた緑茶抽出物は、雑味が多く本来の緑茶風味が損なわれるだけでなく、濁りを生じやすくなるため、商品価値を損なうこともある。
従来、茶葉に含まれるカフェインを低減しつつ、不快味が抑制され、すっきりとして飲みやすい緑茶抽出物の製造方法として、例えば、茶葉の表面に60〜99℃の水を接触させ、次いで50〜100℃の水にて抽出し、次いで得られた緑茶抽出液を固液分離する方法等が提案されている(特許文献1)。
特開2015−116132号公報
しかしながら、前記製造方法より得られる緑茶抽出物は、緑茶風味が豊かであるため、茶飲料の製造原料としては有用であるが、非茶飲料の原料としては適さなかった。
本発明の課題は、緑茶風味が少なく、かつ濁りが抑制され、非茶飲料の製造原料として有用な緑茶抽出物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討した結果、生茶葉を所定温度の水と接触させた後、未裁断又は粗裁断の状態の茶葉を水で抽出することで、緑茶風味が少なく、かつ濁りが抑制され、非茶飲料の製造原料として有用な緑茶抽出物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の工程(a)及び(b)を含む、緑茶抽出物の製造方法を提供するものである。
(a)生茶葉の表面に70〜100℃の水を接触させる工程
(b)工程(a)後の未裁断茶葉又は粗裁断茶葉を水で抽出する工程
本発明によれば、緑茶風味が少なく、かつ濁りの抑制され、非茶飲料の製造原料として有用な緑茶抽出物を簡便な操作で効率よく製造することができる。
本発明の緑茶抽出物の製造方法は、工程(a)及び(b)を含むものである。以下、各工程について詳細に説明する。
工程(a)
工程(a)は、生茶葉の表面に70〜100℃の水を接触させる工程である。これにより、生茶葉の発酵を抑制しながら、カフェイン等の夾雑物を除去することができる。ここで、本明細書において「生茶葉」とは、摘採後、熱処理前の茶葉、又は摘採後、熱処理前に冷蔵若しくは冷凍保存した茶葉をいい、発酵抑制の観点から、生茶葉として、摘採後24時間以内のものを使用するか、又は摘採後24時間以内に冷蔵若しくは冷凍保存したものを使用することが好ましい。
工程(a)で使用する生茶葉は、摘採した状態の茶葉(フルリーフ)を使用することが、非重合体カテキン類の抽出を抑制しながら、カフェイン等の夾雑物を効率的に除去できる点で好ましい。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート型非重合体カテキン類と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる遊離型非重合体カテキン類を併せての総称である。なお、非重合体カテキン類の濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義され、本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
摘採方法には、手摘み、はさみ摘み、機械摘みがある。手摘みは、通常二葉摘み、三葉摘みで行われる。また、機械摘みは機械の大きさや使用方法などで、携帯型、可搬型、自走型、乗用型、レール式などを用いることができ、通常普通摘みで行われる。これらの方法で摘採された茶葉を裁断することなく、そのまま用いることができる。なお、茶葉の採取時期は、一番茶、二番茶、三番茶及び四番茶のいずれでもよく、特に限定されない。
生茶葉の茶品種は、一般に栽培されているであれば特に限定されないが、例えば、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)が挙げられる。品種の具体例としては、日本茶葉では、例えば、べにふうき、べにほまれ、べにふじ、べにひかり、やぶきた、あさつゆ、やまとみどり、まきのはらわせ、かなやみどり、やえほ、するがわせ、ゆたかみどり、おくむさし、おくみどり、おおいわせ、おくひかり、めいりょく、さみどり、こまかげ、やまなみ、みねかおり、はつもみじ、やまかい、からべに等が挙げられ、また日本茶葉以外では、例えば、ダージリン、ウバ、キーマン、アッサム、ケニア等を挙げることができる。生茶葉は、1種又は2種以上を適宜選択して使用することが可能であり、茶葉のみならず、茎も使用することができる。
工程(a)で使用する水の種類は特に限定されず、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜選択して使用することができる。
また、水の温度は70〜100℃であるが、カフェイン等の夾雑物の除去の観点から、83℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、87℃以上が更に好ましく、また温度制御の観点から、99℃以下が好ましく、98℃以下がより好ましく、97℃以下が更に好ましい。かかる温度の範囲としては、好ましくは83〜99℃、更に好ましくは85〜98℃、更に好ましくは87〜97℃である。
接触方法としては、生茶葉の表面を水と接触させることができれば特に限定されないが、例えば、生茶葉を水に浸漬させる方法、生茶葉に水をシャワー状に供給する方法等を挙げることができる。
工程(a)で使用する水の量は、接触方法やスケールにより、適宜選択することが可能であるが、カフェイン等の夾雑物の除去の観点から、生茶葉に対して、5質量倍以上が好ましく、10質量倍以上がより好ましく、15質量倍以上が更に好ましく、また非重合体カテキン類の抽出抑制の観点から、100質量倍以下が好ましく、75質量倍以下がより好ましく、50質量倍以下が更に好ましい。かかる水の量の範囲としては、生茶葉に対して、好ましくは5〜100質量倍、より好ましくは10〜75質量倍、更に好ましくは15〜50質量倍である。
水との接触時間は、カフェイン等の夾雑物の除去、濁り抑制の観点から、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、3分以上が更に好ましく、そして10分以下が好ましく、9分以下が好ましく、7分以下が更に好ましい。かかる接触時間の範囲としては、好ましくは1〜10分、より好ましくは2〜9分、更に好ましくは3〜7分である。
工程(b)の前に、工程(a)後の茶葉の表面に付着した水分を除去することができる。除去方法としては、振とう等により取り除いても、ウエス、ペーパー等で軽く拭き取ってもよい。また、工程(a)後の茶葉を乾燥することもできる。
工程(b)
工程(b)は、工程(a)後の未裁断茶葉、又は粗裁断茶葉を用いて水にて抽出する工程である。これにより、緑茶風味を低減し、濁りを抑制しつつ、非重合体カテキン類を効率よく抽出することができる。
未裁断茶葉を使用する場合には、工程(a)後の茶葉をそのまま使用すればよい。
また、粗裁断茶葉を使用する場合には、工程(a)後の茶葉を裁断する。ここで、本明細書において「粗裁断茶葉」とは、裁断された茶葉であって、表面積が0.10cm2以上の茶葉をいう。粗裁断茶葉の表面積は、好ましくは0.16cm2以上、より好ましくは0.70cm2以上、更に好ましくは0.80cm2以上、殊更に好ましくは0.90cm2以上である。なお、粗裁断茶葉の表面積の上限値は特に限定されないが、非重合体カテキン類の回収効率の観点から、好ましくは10.00cm2以下、より好ましくは7.00cm2以下、更に好ましくは4.00cm2以下である。粗裁断茶葉の表面積の範囲としては、好ましくは0.10〜10.00cm2、より好ましくは0.16〜10.00cm2、更に好ましくは0.70〜10.00cm2、より更に好ましくは0.80〜7.00cm2、殊更に好ましくは0.90〜4.00cm2である。なお、粗裁断茶葉の表面積の測定は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
茶葉の裁断方法は特に限定されないが、例えば、包丁、カッター、高速裁断機、フードスライサー等を用いて行うことができる。
抽出方法としては、静置抽出、撹拌抽出、カラム抽出、ドリップ抽出等の公知の方法を採用することができる。
抽出に使用する水の温度は、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、40℃以上が更に好ましく、50℃以上が殊更に好ましく、55℃以上が殊更に好ましく、また緑茶風味の低減及び濁りの抑制の観点から、90℃以下が好ましく、85℃以下が好ましく、80℃以下が更に好ましく、70℃以下が殊更に好ましい。かかる水の温度の範囲としては、好ましくは20〜90℃、より好ましくは30〜85℃、更に好ましくは40〜85℃、殊更に好ましくは50〜80℃、殊更に好ましくは55〜70℃である。
水の種類は特に限定されず、例えば、工程(a)と同様に、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜選択して使用することができる。中でも、味の面から、イオン交換水が好ましい。抽出に使用する水には、アスコルビンナトリウム等の有機酸又はその塩、炭酸水素ナトリウム等の無機酸又はその塩を添加してもよい。
抽出に使用する水の量は、抽出方法により適宜選択可能であるが、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、生茶葉に対して、1質量倍以上が好ましく、1.5質量倍以上がより好ましく、2質量倍以上が更に好ましく、また風味の観点から、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましく、10質量倍以下が更に好ましい。かかる水の量の範囲としては、生茶葉に対して、好ましくは1〜20質量倍、より好ましくは1.5〜15質量倍、更に好ましくは2〜10質量倍である。
また、抽出時間は、スケール等により一様ではないが、例えば、非重合体カテキン類の抽出効率の観点から、10分以上が好ましく、15分以上がより好ましく、20分以上が更に好ましく、また緑茶風味低減及び濁り抑制の観点から、120分以下が好ましく、100分以下がより好ましく、80分以下が更に好ましい。かかる抽出時間の範囲としては、好ましくは10〜120分、より好ましくは15〜100分、更に好ましくは20〜80分である。
工程(b)後、茶葉と緑茶抽出物とを分離するため、固液分離することができる。
固液分離としては、食品工業で通常使用されている方法を採用することができる。例えば、濾過、遠心分離、膜処理等が挙げられ、1種又は2種以上組み合わせて行うことができる。
濾過は、例えば、濾紙、ステンレス等の金属製フィルタ等によるフィルタ分離等を採用することができる。金属製フィルタのメッシュサイズは、例えば、18〜300メッシュである。
また、ろ紙濾過は、例えば、ろ紙上に濾過助剤をプレコートしてもよい。濾過助剤としては、例えば、珪藻土、セルロース及びこれらを組み合わせたものが挙げられ、その使用量は適宜選択可能である。また、加圧濾過、吸引濾過等の濾過方法も採用することもできる。
遠心分離に用いる遠心分離機としては、前述と同様に、分離板型、円筒型、デカンター型等の一般的な機器を使用することができる。
遠心分離する際の温度は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、好ましくは5〜80℃、更に好ましくは10〜70℃である。また、回転数と時間は適宜設定可能であるが、例えば、分離板型の場合、回転数は、好ましくは2000〜10000r/min、より好ましくは2500〜9000r/min、更に好ましくは3000〜8000r/minであり、時間は、好ましくは0.2〜75分、より好ましくは0.5〜60分、更に好ましくは1〜30分である。
膜ろ過による処理条件としては、一般的なろ過条件で処理することができる。
膜孔径は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましく、そして10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、2μm以下が更に好ましい。かかる膜孔径の範囲としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.15〜5μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。なお、膜孔径の測定方法としては、水銀圧入法、バブルポイント試験、細菌ろ過法等を用いた一般的な測定方法が挙げられるが、バブルポイント試験で求めた値を用いることが好ましい。
膜の材質としては、例えば、高分子膜、セラミック膜、ステンレス膜等を挙げることができる。
このようして本発明の緑茶抽出物を製造することができるが、当該緑茶抽出物は、下記の(i)〜(iv)の特性を具備することができる。
(i)固形分中の非重合体カテキン類の含有量が、通常30質量%以上である。なお、固形分中の非重合体カテキン類の含有量の上限値は特に限定されず、100質量%であっても構わない。ここで、本明細書において「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
(ii)(A)非重合体カテキン類と(B)カフェインとの質量比[(B)/(A)]が、通常0.10以下、好ましくは0.005〜0.07、更に好ましくは0.01〜0.05である。
(iii)(A)非重合体カテキン類と(C)疎水性成分との質量比[(C)/(A)]が、通常0.020以下、好ましくは0.013以下、更に好ましくは0.010以下である。なお、かかる質量比[(C)/(A)]の下限値は特に限定されず、0.000質量%であっても構わない。ここで、本明細書において「疎水性成分」とは、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいい、疎水性成分として、例えば、脂質、たんぱく質等が挙げられる。
(iv)非重合体カテキン類濃度を0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈した際の濁度が、通常30NTU以下、好ましくは20NTU以下、更に好ましくは15NTU以下である。なお、濁度の下限値は特に限定されず、0NTUであっても構わない。ここで、本明細書において「濁度」とは、後掲の実施例に記載の方法により測定したものをいい、「NTU」とは、ホルマジン濁度標準を使用したホルマジン濁度の測定単位である。
また、緑茶抽出物の形態としては、例えば、液体、スラリー、半固体、固体等の種々のものが挙げられる。緑茶抽出物の製品形態として液体が望ましい場合は、例えば、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮等により濃縮することが可能であり、また固体が望ましい場合は、例えば、噴霧乾燥や凍結乾燥等により粉体とすることもできる。
本発明の製造方法により得られた緑茶抽出物は、非重合体カテキン類が効率よく抽出されているにも拘わらず、緑茶風味が抑えられ、かつ濁りが生じにくいため、非茶飲料の製造原料として有用である。非茶飲料としては、例えば、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料や、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料を挙げることができる。また、飲料の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。
1.非重合体カテキン類及びカフェインの分析
純水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラディエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
2.粗裁断茶葉の表面積の測定
裁断された茶葉をランダムに10個サンプリングし、その形状に応じて定規を用いて計測して面積を算出し、その平均値を求めた。
3.疎水性成分の分析
Bligh−Dyer法に準じて、各緑茶抽出物からCHCl3−MeOH画分を抽出して質量を求めた。そして、CHCl3−MeOH画分の質量から前記「カフェインの分析」に得られたカフェインの分析値を減じて疎水性成分の質量を求めた。
4.濁度の測定
各緑茶抽出物について、非重合体カテキン類濃度を0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈した際の濁度について、25℃にて濁度計(Turbidimeter/TN−100、EUTECH INSTRUMENTS社製)を用いて測定を行い、表示数値を濁度として評価した。
5.官能評価
各緑茶抽出物について、非重合体カテキン類濃度を0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈して飲料を調製した。次いで、各飲料を専門パネル2名が飲用し、「緑茶感の少なさ」について下記の5段階で評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
評価基準
5:ポリフェノンG(三井農林社製)1gをイオン交換水500gに溶解させた水溶液と同程度の緑茶感がある。
4:ポリフェノンG(三井農林社製)1gをイオン交換水400gに溶解させた水溶液と同程度の緑茶感がある。
3:ポリフェノンG(三井農林社製)1gをイオン交換水300gに溶解させた水溶液と同程度の緑茶感がある。
2:ポリフェノンG(三井農林社製)1gをイオン交換水200gに溶解させた水溶液と同程度の緑茶感がある。
1:ポリフェノンG(三井農林社製)1gをイオン交換水100gに溶解させた水溶液と同程度の緑茶感がある。
実施例1
工程(a)
未裁断(フルリーフ)の生茶葉100gを、90℃のイオン交換水3000gに5分間浸漬した。次いで、金網により濾過して茶葉をイオン交換水から回収し、茶葉洗浄液を廃棄した。
工程(b)
工程(a)後の茶葉を60℃のイオン交換水1000gで60分間静置抽出した後、金網により濾過して緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2
工程(a)
未裁断(フルリーフ)の生茶葉100gを、90℃のイオン交換水3000gに5分間浸漬した。次いで、金網により濾過して茶葉をイオン交換水から回収し、茶葉洗浄液を廃棄した。
工程(b)
工程(a)後の茶葉を、包丁を用いて裁断し、粗裁断茶葉を得た。粗裁断茶葉の表面積は4.00cm2であった。粗裁断茶葉を60℃のイオン交換水1000gで60分間静置抽出した後、金網により濾過して緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例3
工程(a)
実施例2と同様の操作により行った。
工程(b)
工程(a)後の茶葉を、包丁を用いて裁断し、表面積が1.00cm2である粗裁断茶葉を得た。次いで、表面積が1.00cm2である粗裁断茶葉を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作により、緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例4
工程(a)
実施例2と同様の操作により行った。
工程(b)
工程(a)後の茶葉を、フードプロセッサー(MR5550CA、BRAUN社製)を用いて裁断し、表面積が0.64cm2である粗裁断茶葉を得た。次いで、表面積が0.64cm2である粗裁断茶葉を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作により、緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例5
工程(a)
実施例2と同様の操作により行った。
工程(b)
工程(a)後の茶葉を、フードプロセッサー(MR5550CA、BRAUN社製)を用いて裁断し、表面積が0.16cm2である粗裁断茶葉を得た。次いで、表面積が0.16cm2である粗裁断茶葉を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作により、緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
工程(a)
実施例2と同様の操作により行った。
工程(b)
工程(a)後の茶葉を、フードプロセッサー(MR5550CA、BRAUN社製)を用いて裁断し、表面積が0.01cm2である粗裁断茶葉を得た。次いで、表面積が0.16cm2である粗裁断茶葉を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作により、緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2018201391
実施例6
工程(a)
実施例2と同様の操作により行った。
工程(b)
粗裁断茶葉を25℃のイオン交換水を用いて抽出したこと以外は、実施例2と同様の操作により、緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を実施例2の結果とともに表2に示す。
実施例7
工程(a)
実施例2と同様の操作により行った。
工程(b)
粗裁断茶葉を50℃のイオン交換水を用いて抽出したこと以外は、実施例2と同様の操作により、緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を実施例2の結果とともに表2に示す。
実施例8
工程(a)
実施例2と同様の操作により行った。
工程(b)
粗裁断茶葉を80℃のイオン交換水を用いて抽出したこと以外は、実施例2と同様の操作により、緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を実施例2の結果とともに表2に示す。
実施例9
工程(a)
実施例2と同様の操作により行った。
工程(b)
粗裁断茶葉を90℃のイオン交換水を用いて抽出したこと以外は、実施例2と同様の操作により、緑茶抽出液を得た。
得られた緑茶抽出液について分析を行った。また、緑茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.127質量%となるようにイオン交換水で希釈し、濁度測定及び官能評価を行った。その結果を実施例2の結果とともに表2に示す。
Figure 2018201391
表1、2から、本願発明に係る工程(a)及び(b)に供することにより、緑茶風味が少なく、かつ濁りが抑制され、非茶飲料の製造原料として有用な緑茶抽出物が得られることが分かる。

Claims (5)

  1. 下記の工程(a)及び(b)を含む、緑茶抽出物の製造方法。
    (a)生茶葉の表面に70〜100℃の水を接触させる工程
    (b)工程(a)後の未裁断茶葉又は粗裁断茶葉を水で抽出する工程
  2. 工程(b)において、50〜80℃の水を用いて抽出する、請求項1記載の緑茶抽出物の製造方法。
  3. 工程(a)において、生茶葉に対して5〜100質量倍の水を接触させる、請求項1又は2記載の緑茶抽出物の製造方法。
  4. 工程(b)において、生茶葉に対して1〜20質量倍の水で抽出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の緑茶抽出物の製造方法。
  5. 工程(b)において、粗裁断茶葉の表面積が0.16cm2以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の緑茶抽出物の製造方法。
JP2017109755A 2017-06-02 2017-06-02 緑茶抽出物の製造方法 Pending JP2018201391A (ja)

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