JP2003235451A - 茶飲料用原料の選定方法及び茶飲料の製造方法 - Google Patents

茶飲料用原料の選定方法及び茶飲料の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期保存しても二次オリを発生しない茶飲料
を製造するのに適した茶飲料用原料の選定方法を提供す
る。 【課題解決手段】 茶葉中のストリクチニン含有濃度を
指標として原料茶を選択する。具体的には、茶葉を熱
水、酸性熱水、有機溶媒、酸性有機溶媒、含水有機溶
媒、酸性含水有機溶媒のいずれかによって抽出し、抽出
液中のストリクチニン含有濃度を測定し、当該ストリク
チニン含有濃度が所定の範囲以下となる原料茶を選択す
るようにする。茶抽出液又は茶調合液に含まれているス
トリクチニンは、加熱殺菌によって二次オリの核となる
エラグ酸に分解するため、ストリクチニン含有濃度を指
標として選定することにより二次オリを発生しない原料
茶を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期保存してもオ
リを発生しない茶飲料を製造するのに適した茶飲料用原
料の選定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近頃、缶やプラスチック容器等に密封充
填してなる茶飲料が次々に製品化されているが、このよ
うな茶飲料に用いる原料茶の選定は、従来、茶葉を抽出
して得られた抽出液の官能検査及び近赤外分光光度計に
よる品質評価に基づいて選択するのが一般的であった。
【0003】ところで、茶飲料は保存中にフロック状、
浮遊物状或いは白濁状の懸濁・沈殿物、すなわち所謂
「オリ」が発生するという課題を抱えており、このよう
なオリが発生すると、特に透明容器詰め茶飲料の場合に
は視覚的に商品価値を失うことにもなる。
【0004】一概に「オリ」と言っても、飲料製造直後
から析出し始める「一次オリ」と、飲料製造後保存中に
経時的に発生する「二次オリ」とに分けることができ
る。このうちの「一次オリ」については、カフェインと
タンニンやタンパク質などとが結合して生成することが
既に明らかとされ、その防止方法についても茶抽出液を
遠心分離した後に珪藻土濾過や膜濾過にかけることで確
実に防止できることが確かめられている。
【0005】ところが、「二次オリ」の発生メカニズム
に関しては様々な見解があり、確立した見解は未だ存在
していない。主要な見解として例えば次のようなものが
知られていた。
【0006】すなわち、「緑茶を抽出すると、当初は抽
出液中に高濃度のフラボノールを酸化していない状態で
含む。このフラボノール(中でもカテキン成分)は抽出
液中のカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛
及び鉄などの金属イオン及び溶存酸素によって次第に酸
化され、高分子ポリフェノールとなる。このような酸化
ポリフェノールが経時的に金属イオンの触媒作用によっ
てカフェイン、タンパク質、ペクチン及び多糖類などと
結合して複合体を形成し、この複合体の形成に伴って緑
茶は透明薄緑色から茶色に変化し、次第に懸濁を生じ始
め、やがて目に見えるフロック状の二次オリを形成す
る。」などの見解が知られていた。
【0007】また、二次オリの発生防止を目的として従
来提案された「茶飲料の製造方法」は、大きく下記a)
〜d)の4つに分類することができた。
【0008】a)限外濾過、微細濾過、珪藻土濾過など
の濾過によってオリの原因物質を除去する方法、 b)その際、濾過前にアスコルビン酸や重曹などの添
加、或いは急冷によってオリの原因物質を積極的に析出
させ、その後濾過する方法、 c)化学薬剤や酵素試薬を添加して不溶性複合体を可溶
化或いは安定化させる方法、 d)イオン交換処理によって茶抽出液中の金属イオンを
吸着除去する方法。
【0009】a)限外濾過、微細濾過、珪藻土濾過など
の濾過によってオリの原因物質を除去する方法として
は、例えば、茶抽出液を液温5〜15℃に調製し、限外
濾過膜(分子量1〜10万)を用いてティークリームを
除去する茶抽出液の処理方法(特開昭63−36745
号)や、緑茶又は生鮮乃至乾燥茶葉を抽出して得た水溶
性茶成分を限外濾過法により分画し、分子量約1万以上
の高分子成分をほぼ除去することにより清澄緑茶飲料を
製造する方法(特開平4−45744号)などが開示さ
れている。
【0010】b)オリの原因物質を積極的に析出させて
濾過する方法としては、例えば、緑茶を抽出した抽出液
にアスコルビン酸を加えて酸性にした後、急冷した上で
遠心分離し、次いで珪藻土濾過を行って清澄化する方法
(特公平7−97965号)、茶を温水抽出し、得られ
た抽出液を冷却した後タンニン酸を添加静置し、次いで
遠心分離等によって微細な茶粒子を除去し、その後珪藻
土濾過により清澄化させる方法(特開平6−26924
6号)、茶葉を抽出した原液にアスコルビン酸ナトリウ
ムを添加し、さらに精密濾過膜を用いるクロスフロー方
式で茶飲料を製造する方法(特開平11−56241
号)、緑茶の水溶性茶成分にキトサンを添加し、高分子
ポリフェノール類を吸着させ、吸着させたキトサンと残
余のキトサンを珪藻土により吸着回収することにより沈
殿物の晶出を無くす方法(特開平6−311847号)
などが開示されている。
【0011】c)化学薬剤や酵素試薬を添加して不溶性
複合体を可溶化或いは安定化させる方法としては、例え
ば、緑茶の温水抽出液を遠心分離又は濾布濾過し、更に
ヘミセルラーゼ活性を有する酵素を添加処理する工程を
組合わせて緑茶飲料の二次沈殿の発生を有効に抑制する
方法(特開平8−228684号)、緑茶抽出液にα−
アミラーゼを添加処理することで飲料におけるフロック
の発生を抑制する方法(特開2001−45973号)
などが開示されているほか、米国特許第4,501,261 号
(Jongeling)なども参考になる。
【0012】d)イオン交換処理によって茶抽出液中の
金属イオンを吸着除去する方法としては、例えば、茶葉
の温水又は熱水抽出液を、予めカリウムイオンを結合さ
せたスルホン酸基を有する陽イオン交換樹脂により陽イ
オン交換処理することを特徴とする茶の製造方法(特許
第3152416号)などが開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来提案されていた茶
飲料の製造方法のうち、主要なものを実際に試験したと
ころ、いずれもそれなりの効果を発揮したものの、多く
の方法は、実施例に示された原料茶葉とは異なる茶葉
(産地や摘採時期)を使用したり、或いは香味とのバラ
ンスの中で飲料の濃度を実施例よりも高くしたりすると
「二次オリ」を生じることがあった。
【0014】また、製造した茶飲料が二次オリを発生す
るか否かを確かめるには、従来、製造した茶飲料を室温
或いは加温条件下で長期間(例えば6ヶ月)保存し、そ
の間、二次オリの発生を継続して観察する必要があっ
た。このため、仮に二次オリの発生が認められると、原
料の選定や製造条件の設定等に立ち戻って再度試験を行
わなければならず、多くの労力と時間が必要であった。
しかも、同種の茶葉であっても、産地や摘採時期等が異
なると二次オリが発生したり、しなかったりすることが
あり、二次オリが発生しない安定した品質の茶飲料を製
造するためには度重なる試験と厳格な製造管理とが必要
であった。
【0015】そこで本発明は、二次オリの原因を究明す
ると共に二次オリと原料茶との関係についても研究を進
め、その結果得られた新たな知見に基づき新たな原料茶
の選定方法を提供せんとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、研究の結
果、1)茶抽出液又は茶調合液中の「ストリクチニン」
が加熱殺菌によって「エラグ酸」に分解され、この「エ
ラグ酸」が「タンパク質」等と結合して二次オリを形成
すること。更に、2)原料茶の品種、産地、摘採時期、
摘採方法、栽培方法などが異なれば茶葉中のストリクチ
ニン含有濃度が異なり、原料茶のストリクチニン含有濃
度と二次オリとの間には密接な相関があること。などの
様々な知見を得、かかる知見に基づいて本発明を想到し
た。
【0017】「ストリクチニン」とは、下記化学式で示
される物質(1-O-galloyl-4,6-O -(S)-hexahydroxydiph
enoyl-β-D-glucose)であって、茶から抽出されるタン
ニン、詳しくはエラジタンニン(ellagitannins)の一種
である(「Casuariin,Stachyurin and Strictinin, new
Ellagitannins from Casuarina Stricta and Stachyur
us Praecox」、Chem.Pharm.Bull.30(2)766-769(198
2))。なお、ストリクチニンは、抗アレルギー作用成分
としても注目されている茶抽出成分であり(中日新聞、
2001年7月8日掲載)、ストリクチニンの抽出・精製
方法については、茶葉を熱水抽出し、得られた抽出物を
アセトン及び水で分別抽出し、そのアセトン相を液体ク
ロマトグラフィー等で分取して得る方法(「Casuariin,
Stachyurin and Strictinin, new Ellagitannins from
Casuarina Stricta and Stachyurus Praecox」、Chem.P
harm.Bull.30(2)766-769(1982)。)や、茶葉を熱水抽出
し、得られた抽出物を酢酸エチル及び水で分別抽出し、
その水相を液体クロマトグラフィー等で分取して得る方
法(「Tannins of Casuarina andStachyurus Species.
Part1. Structures of Pendunculagin,Casuarictin Str
ictinin, ,Casuarinin,Casuariin,and Stachyurin」、
J.CHEM. SOC. PERKIN TRNS.I No.8 1765-1772(198
3))などが知られていた。
【0018】
【化1】
【0019】本発明が提案する茶飲料用原料の選定方法
は、茶葉中のストリクチニン含有濃度を指標として原料
茶を選択するという方法である。すなわち、茶飲料用原
料を選定する段階において、茶葉中のストリクチニン含
有濃度を測定し、当該ストリクチニン含有濃度が所定値
を超えないことを基準として原料茶を選択する方法であ
る。
【0020】上述のように、従来は、官能検査及び近赤
外分光光度計による品質評価に基づいて選択した原料茶
から実際に茶飲料を試作し、それを長期保存して継続観
察しなければ、茶飲料が二次オリを発生するか否かを確
かめることができなかった。しかも、同種の茶葉であっ
ても二次オリが発生したり、しなかったりすることがあ
ったため、二次オリを発生しない茶飲料を安定して製造
することは困難であった。これに対し、本発明によれ
ば、原料茶のストリクチニン含有濃度を測定し、当該ス
トリクチニン含有濃度を指標として原料茶を選定するだ
けで、二次オリの発生を予想することができ、更には、
二次オリを生じない原料茶を選定することができる。
【0021】なお、本発明において「茶飲料用原料」又
は「原料茶」とは、茶飲料を製造するための原料として
の茶(葉や茎を含む)の意であって、生茶葉、荒茶、仕
上茶のいずれも包含する意である。また、本発明で「二
次オリ」とは、微粉の沈殿を含まず、フロック状(綿
状)の懸濁・沈殿物を意図しており、「一次オリ」とは
区別されるべきである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0023】(本発明が対象とする原料茶)本発明が選
定の対象とする「茶」は、茶樹(学名:Camellia sinen
sis )から摘採した葉や茎であればその品種、産地、摘
採時期、摘採方法、栽培方法などを限らず、どのような
茶種も包含する。生茶葉等(葉や茎を含む)を原料茶と
することも可能である。また、これらの生茶葉等を蒸す
か或いは炒るかなどの手段で酵素活性を停止させる荒茶
加工を施した荒茶であれば、煎茶、釜炒り茶、かぶせ
茶、玉露、てん茶、抹茶、番茶、焙じ茶、蒸製玉緑茶、
釜炒製玉緑茶等のいずれの種類も原料茶として用いるこ
とができる。これらの不発酵茶を二種類以上組合わせて
もよいし、香料を入れて作製してもよい。加えて、ジャ
スミン茶などの弱発酵茶も対象とすることができる。な
お、ジャスミン茶と言っても、緑茶に人工香料を入れて
作製するものは不発酵茶に分類するのが好ましい。但
し、烏龍茶などの半発酵茶、紅茶などの発酵茶並びにプ
ーアル茶などの後発酵茶は含まない。烏龍茶や紅茶で発
生するクリームダウンは、緑茶などで発生する不可逆性
のフロック状のオリ(すなわち二次オリ)とは異なる原
因によるものである。また、仕上茶としては、上記の荒
茶に現在公知の仕上加工を施したものであればいずれも
原料茶とすることができる。
【0024】なお、茶葉の品種、産地、摘採時期、摘採
方法、栽培方法などが異なれば茶葉中のストリクチニン
含有濃度が異なること、同品種の茶(Camellia sinensi
s)であっても茶期、熟度が増すにつれ、言い換えれば
茶葉繊維量が増すにつれてストリクチニン含有濃度は減
少する傾向があることを本発明者は確かめている。
【0025】(茶葉のストリクチニン含有濃度の測定
法)ストリクチニンはタンニンの一種であるから、茶葉
のストリクチニン含有濃度を測定するには、茶のタンニ
ン定量法或いはカテキン定量法における公定分析法(農
林水産省野菜・茶業試験場「茶の分析法」茶業研究報告
第71号(1990))に従って測定するのが好まし
い。ところが、本発明者が種々の試験をした結果、上記
の公定分析法において定められた測定用試料溶液調製法
に従って茶を熱水抽出するよりも、酸性熱水を用いて茶
を抽出した方が茶葉からストリクチニンを多量かつ容易
に抽出することができ、しかも、酸性熱水抽出によって
得られた抽出液のストリクチニン含有濃度の方が二次オ
リ発生との相関性がより一層高いことが判明した。そこ
で、本発明では、茶葉のストリクチニン含有濃度の測定
方法として、公定分析法で定められた測定用試料溶液調
製法に基づく方法、すなわち茶葉を熱水で抽出し、得ら
れた抽出液中のストリクチニン含有濃度を測定する「熱
水抽出法」と、前記熱水抽出法における熱水抽出を酸性
熱水抽出に置き換えた方法、すなわち茶葉を酸性熱水で
抽出し、得られた抽出液中のストリクチニン含有濃度を
測定する「酸性熱水抽出法」とを提案する。
【0026】熱水抽出法では、茶葉を熱水、例えば約6
0〜100℃、好ましく70〜100℃の熱水で約5〜
60分間、好ましくは10〜30分間抽出し、冷却後濾
過し、この抽出液から茶のタンニン定量法(比色定量
法)或いはカテキン定量法における公定分析法(HPL
C法)(農林水産省野菜・茶業試験場「茶の分析法」茶
業研究報告 第71号p52-55(1990))の測定用試
料溶液を調製し、ストリクチニンを測定するのが好まし
い。なお熱水に代えて、親水性有機溶媒、含水親水性有
機溶媒で抽出することも可能である。他方、酸性熱水抽
出法では、茶葉を酸性熱水、例えばpH約4.5以下、
約60〜100℃、好ましく70〜100℃の酸性熱水
で、約5〜60分間好ましくは10〜30分間抽出し、
冷却後濾過し、この抽出液から茶のタンニン定量法(比
色定量法)或いはカテキン定量法における公定分析法
(HPLC法)(農林水産省野菜・茶業試験場「茶の分
析法」茶業研究報告 第71号p52-55(1990))の
測定用試料溶液を調製し、ストリクチニンを測定するの
が好ましい。なお、酸性熱水に代えて、親水性有機溶
媒、含水親水性有機溶媒を酸性にして抽出することも可
能である。
【0027】具体的には、例えば、茶(生茶葉、荒茶、
仕上茶)をミルなどで粉砕し、得られた茶葉(1.0m
m目を通過させたもの)を100mlメスフラスコに秤
量する。これにリン酸などの酸を添加してpH7以下、
好ましくはpH4.5以下に調製した約60〜100
℃、好ましくは70〜100℃の酸性熱水で約5〜60
分間、必要に応じて攪拌しながら抽出する。そして、得
られた抽出液を室温まで冷却後、イオン交換水或いは前
記リン酸添加イオン交換水を加えて全量を100mlに
定量し、これをフィルターで濾過し、得られた濾液を測
定用試料溶液とするのが好ましい。
【0028】(原料茶選定の指標)二次オリが発生しな
い可能性の高い原料茶を選定するためには、測定した茶
葉中ストリクチニン含有濃度が所定の範囲に入るか否か
を基準に選定すればよいが、この際、熱水抽出法によっ
て測定したストリクチニン含有濃度か、酸性熱水抽出法
によって測定したストリクチニン含有濃度か、有機溶媒
並びに含水有機溶媒抽出法によって測定したストリクチ
ニン含有濃度か、或いは有機溶媒並びに含水有機溶媒酸
性抽出法によって測定したストリクチニン含有濃度かに
よってその基準を変更するのが好ましい。
【0029】すなわち、熱水抽出法によって得られた抽
出液のストリクチニン含有濃度を指標とする場合、緑茶
などの不発酵茶においては、ストリクチニン含有濃度が
0.10〜0.14%以下の範囲の茶を原料茶として選
択すれば二次オリが発生する可能性を低くすることがで
き、中でも特に0.10%以下の範囲の茶を選択すれば
二次オリ発生の可能性を極めて低くすることができる。
ジャスミン茶などの弱発酵茶においては、ストリクチニ
ン含有濃度が0.33〜0.49%以下の範囲の茶を選
択すれば二次オリ発生の可能性を低くすることができ、
中でも特に0.33%以下の範囲の茶を選択すれば二次
オリ発生の可能性を極めて低くすることができる。
【0030】他方、酸性熱水抽出法によって得られた抽
出液のストリクチニン含有濃度を指標とする場合は、緑
茶などの不発酵茶においては、ストリクチニン含有濃度
が0.37〜0.43%以下の範囲の茶を原料茶として
選択すれば二次オリが発生する可能性は低くすることが
でき、中でも特に0.37%以下の範囲の茶を選択すれ
ば二次オリ発生の可能性を極めて低くすることができ
る。ジャスミン茶などの弱発酵茶においては、ストリク
チニン含有濃度が0.61〜0.90%以下の範囲の茶
を選択すれば二次オリ発生の可能性を低くすることがで
き、中でも特に0.61%以下の範囲の茶を選択すれば
二次オリ発生の可能性を極めて低くすることができる。
【0031】(茶飲料の製造方法)以下、上記の如く選
定した茶を用いて、二次オリを発生しない茶飲料を製造
するための方法の一例について説明する。なお、ここで
は緑茶飲料の製造方法について説明するが、その他の不
発酵茶、或いはジャスミン茶などの弱発酵茶の場合も、
通常行われている製造方法に供することによって二次オ
リを発生しない茶飲料を製造することができる。
【0032】上記の如く選定した茶は、現在行われてい
る茶飲料の製造方法、一例を挙げれば、原料茶葉を抽出
する抽出工程、抽出液を濾過する濾過工程、抽出液の濃
度及びpHを調製する調合工程、調合液を加熱殺菌する
殺菌工程を備えた茶飲料の製造方法に供することにより
二次オリを生じない茶飲料を製造することができる。こ
の際、加熱殺菌前の茶抽出液又は茶調合液のストリクチ
ニン含有量を、約6ppm以下、特に5ppm以下とす
るように製造管理するのが好ましい。加熱殺菌前の茶抽
出液又は茶調合液のストリクチニン含有量が約5〜6p
pm以下であれば二次オリを発生しないことが確かめら
れているからである。また、加熱殺菌前の茶抽出液又は
茶調合液中の茶固形分に対するストリクチニン含有量を
約0.2〜0.5%以下、特に0.2〜0.4%以下と
するように管理してもよい。但し、本発明の茶飲料の製
造方法をこの例に限定するものではない。以下、各工程
について詳しく説明する。
【0033】「茶の抽出」は、例えば、常法に従ってニ
ーダーと呼ばれる抽出装置を用いて、原料茶葉に対して
20〜50倍量、0〜100℃の抽出水で約1〜20分
間、必要に応じて1回〜数回攪拌して、常圧で抽出を行
えばよい。但し、抽出方法及び抽出条件等を特に限定す
るものではなく、例えば加圧抽出を行ってもよい。抽出
の際に用いる抽出水としては、硬水、軟水、イオン交換
水、天然水、アスコルビン酸含有水溶液及びpH調製水
等を例示することができる。この際、抽出によって得ら
れる抽出液中のストリクチニン含有量は抽出水のpHに
よって左右されるため、抽出水のpHを酸性領域、中で
もpH4.5以下にすると、抽出液中のストリクチニン
含有量が多くなる。よって、逆に抽出液のpHを高める
ことによって、抽出液中のストリクチニン含有量を低減
させることができる。例えば、加熱殺菌工程前の茶調合
液のストリクチニン含有量を測定した結果、ストリクチ
ニン含有量が所定値(約5〜6ppm)を超える場合に
は、抽出水のpHを5以上、特に6以上に設定すること
によりストリクチニン抽出量を有効に抑えることができ
る。但し、弱酸性領域或いは中性領域での抽出は単に抽
出液中のストリクチニン含有濃度を低下させる制御手段
の一つとして開示するものであり、本発明における茶飲
料の製造方法において弱酸性領域或いは中性領域で抽出
することを好ましいとするものではない。また、抽出水
のpHを高めるとカテキンの変質が問題となってくるた
め、pH6.5〜7程度を上限値とするのが好ましい。
抽出温度すなわち抽出する温水の温度も抽出液中のスト
リクチニン含有量を左右し得るが、抽出温度は一般的に
約45〜100℃、特に60〜90℃の温水で抽出する
のが好ましい。
【0034】抽出によって得られた抽出液は、必要に応
じて5〜40℃程度に冷却する。同時に又はその前後
に、必要に応じて、抽出液にアスコルビン酸やアスコル
ビン酸ナトリウムなどを加えて酸性(pH4〜5)に調
製してもよい。抽出液を冷却或いは酸性調製することに
よって抽出成分の酸化を防ぐことができると共に、一次
オリ原因成分を沈殿させて後工程の遠心分離の効率を高
めることができる。
【0035】「濾過工程」は、例えば、茶葉や大きな微
粉などの抽出残渣を除去する粗濾過、並びに、一次オリ
の原因物質を除去する濾過を行うのが好ましい。但し、
これらの粗濾過及び一次オリ原因物質除去濾過を製造工
程中のどこに挿入するかは任意である。粗濾過は、ネ
ル、ステンレスフィルター、ストレーナーその他抽出残
渣を除去するために現在採用されている濾過方法を任意
に採用することができる。一次オリの原因物質を除去す
る濾過方法としては、遠心分離に続いて珪藻土濾過或い
は適当な膜濾過を行うなどの方法がある。ちなみに、遠
心分離は、例えば5000〜10000rpmの回転数
で行えばよく、遠心分離するに当たっては上記の如く予
め抽出液又は調合液を5〜40℃程度に冷却するのが好
ましい。なお、珪藻土濾過を行う場合には必ずしも遠心
分離を挿入する必要はないが、前工程に遠心分離を挿入
することにより珪藻土濾過の負担軽減、例えば透過流量
の増加により濾過時間を短縮することができる。膜濾過
としては、微細濾過、精密濾過、限外濾過、逆浸透膜濾
過、電気透析、生物機能性膜などの膜分離を挙げること
ができ、上記珪藻土濾過などの濾過助剤を用いた濾過と
組合わせて行うようにしてもよい。上記遠心分離、珪藻
土濾過及び膜濾過の方法及び条件設定などは任意に調整
可能である。なお、遠心分離、珪藻土濾過及び膜濾過の
方法及び条件設定を如何に変更させると、ストリクチニ
ン含有量がどのように変化するかまでは明らかになって
いないが、遠心分離、珪藻土濾過及び膜濾過の方法及び
条件設定を様々に変化させてストリクチニン含有量を測
定し、この測定値を指標として遠心分離、珪藻土濾過及
び膜濾過の濾過方法の決定及び条件設定などの製造管理
を行うのが好ましい。
【0036】「調合工程」は、通常の茶飲料の製造方法
と同様、水(硬水、軟水、イオン交換水、天然水その
他)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、重
曹、糖類、デキストリン、香料、乳化剤、安定剤、或い
はその他の呈味原料などのいずれか或いはこれらのうち
二種以上の組合わせを添加し、主にpH調製、濃度調
製、味の調整を行うようにすればよい。二次オリとの関
係で言えば、濃度(Brix値)を低下させると、加熱
殺菌によってストリクチニンが分解して生じる「エラグ
酸」と結合する相手成分(タンパク質など)の濃度を低
下させることができるから、二次オリの発生を防ぐこと
ができる。よって、例えば加熱殺菌工程前の茶調合液の
ストリクチニン含有量を測定した結果、茶調合液のスト
リクチニン含有量が所定値(約5〜6ppm)を超えて
いる場合は、茶調合液の濃度(Brix値)を低くする
ことも製造管理における対処法の選択肢の一つである。
但し、茶飲料の香味を考慮すると、茶調合液の濃度(B
rix値)は約0.1〜0.4、特に0.2〜0.3に
設定するのが好ましい。
【0037】「加熱殺菌工程」は、缶飲料であれば、上
記調合工程で得られた調合液を必要に応じて再加熱した
後、調合液を充填し、加熱殺菌(例えば、適宜加圧下
(1.2mmHgなど)の下、121℃で7分間レトルト殺
菌する。)を行い、プラスチックボトル飲料の場合には
UHT殺菌(調合液を約120〜150℃で1〜数十秒
保持する。)を行うようにすればよい。加熱殺菌の方法
及び条件設定を如何に変更させるとストリクチニン含有
量がどのように変化するかまでは明らかになっていない
が、少なくとも、現在行われているレトルト殺菌やUH
T殺菌などの加熱殺菌によって調合液中のストリクチニ
ンはエラグ酸に分解され、そのエラグ酸が二次オリの核
となることが以下の試験結果から明らかである。
【0038】試験1(沈殿形成試験) 市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初
摘み1500)20gを70℃の蒸留水(pH5.9)
800mlで3.5分間抽出し、遠心分離(7000rp
m、10分)により不溶性画分を除去し、その上清をポ
リスチレン樹脂(商品名:DIAION HP-20(三菱化学社
製))を充填したカラムに通して「HP-20非吸着画分」を
得た。次いで、蒸留水で当該カラムを洗浄後、80%メ
タノール水溶液で溶出し、濃縮乾固して「HP-20吸着8
0%メタノール画分」を得た。
【0039】上記で得られた各画分について次のように
沈殿形成試験を行った。「HP-20非吸着画分」は、得ら
れた「HP-20非吸着画分」Bx0.4、200ml、「H
P-20吸着80%メタノール画分」は、得られた「HP-20
吸着80%メタノール画分」0.5g、また、「HP-20
非吸着画分+HP-20吸着80%メタノール画分」は、「H
P-20非吸着画分」Bx0.4、200mlに「HP-20吸
着80%メタノール画分」0.5gを加えて、それぞれ
アスコルビン酸、重曹及びイオン交換水を用いてアスコ
ルビン酸500ppm、500ml、pH6.0に調製
し、121℃、7分間の加熱殺菌後、37℃で保管して
観察した。上記観察の結果を下記表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】「HP-20非吸着画分+HP-20吸着80%メタ
ノール画分」のみに二次オリ(フロック状の沈殿)の発
生が認められた。このことから、「HP-20非吸着画分」
「HP-20吸着80%メタノール画分」のそれぞれに二次
オリの原因となる物質が少なくとも一成分ずつ含まれて
いるものと考えることができた。
【0042】試験2(オリの成分分析試験) 本試験の作業手順の概略を図1に示す。市販の緑茶(仕
上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘み1500)
20gを70℃の蒸留水(pH5.9)800mlで
3.5分間抽出し、遠心分離(7000rpm、10分)
により不溶性画分を除去し、その上清をポリスチレン樹
脂(商品名:DIAION HP-20(三菱化学社製))を充填した
カラムに通し、次いで、蒸留水で当該カラムを洗浄後、
20%、40%、60%、80%、100%メタノール
水溶液で段階的に溶出させた。
【0043】得られた各画分を、試験1と同様、「HP-2
0非吸着画分」(Brix0.4)に添加して沈殿形成
試験を行ったところ、「HP-20吸着20%メタノール画
分」及び「HP-20吸着40%メタノール画分」に二次オ
リ(フロック状の沈殿)の生成が確認された。特に「HP
-20吸着20%メタノール画分」での生成量は多かっ
た。
【0044】そこで、「HP-20吸着20%メタノール画
分」を濃縮乾固後、ODS(:逆相系樹脂(商品名:コ
スモシール75C18OPN(ナカライテスク社製))
を充填したカラムに通し、次いで、蒸留水で当該カラム
を洗浄後、10%、20%、30%メタノール水溶液で
段階的に溶出させた。
【0045】得られた各画分について、HP-20の分画物
と同様の沈殿形成試験を行ったところ、「ODS吸着10
%メタノール画分」の沈殿生成量が多かったため、この
「ODS吸着10%メタノール画分」を更に逆相系カラム
(Wakosil-II5C18HG Prep)を用いた高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC:LC-908 Recycling Preparati
ve HPLC(JAPAN ANALYTICAL INDUSTRY CO.LTD社製)で分
取し、メタノール:水:酢酸=22:78:0.1から
なる溶媒で得られた6つのピークのそれぞれについて更
に同様の沈殿形成試験を行った。
【0046】その結果、そのうちの「ピーク3」に沈殿
形成が認められたため、「ピーク3」をLC−MS及び
NMRで同定したところ、ストリクチニンであることが
分かった。なお、「HP-20吸着40%メタノール画分」
についても上記同様試験したところ、やはりストリクチ
ニンが含まれていた。また、この画分中のストリクチニ
ン以外の成分は沈殿形成に関与していないことも分かっ
た。
【0047】試験3(ストリクチニンの飲料加工特性) 70℃、800mlのイオン交換水(pH5.9)に市
販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘
み1500)20gを添加し、攪拌した後1分毎に攪拌
しながら3.5分間抽出した。その後、メッシュ(15
0メッシュ)で粗濾過し、室温まで冷却し、ネル(50
μm)により濾過した。得られた抽出液にアスコルビン
酸0.4gを添加し、7000rpm、10分遠心分離
後、その上清を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF
膜)し、濾液にアスコルビン酸0.6gを更に加え、イ
オン交換水と重曹とを用いてBrix0.3、pH6.
0に調製して「加熱殺菌前調合液」を得た。この「加熱
殺菌前調合液」を97℃まで加熱した後、缶に充填し、
急冷後121℃、7分間のレトルト殺菌を行い、その後
冷却して「加熱殺菌後調合液」を得た。得られた「加熱
殺菌前調合液」及び「加熱殺菌後調合液」を攪拌して
0.45μmフィルターで処理した後、下記条件(HP
LC条件・表2)の下で高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)にてストリクチニン濃度を測定した。
【0048】(HPLC条件) 装置:日立D−7000アドバンストHPLC、D−7000型アドバ
ンストHPLCシステムマネージャー カラム:Wakosil−II5C18HG φ4.6×(30+2
50)mm カラム温度:40℃ 流速:0.6ml/min 検出:UV280 移動相A:15%MetOH(0.1%リン酸) 移動相B:45%MetOH(0.1%リン酸)
【0049】
【表2】
【0050】サンプルは5μLインジェクションし、1
9min付近に現れるピークを、試験2で抽出・精製した
ストリクチニンを標品として絶対検量線法により定量し
た。結果を下記表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】この結果から、ストリクチニンは加熱殺菌
によって分解又は沈殿したものと考えることができた。
また、茶飲料の製造工程で一般的に行われている加熱殺
菌によって飲料中のストリクチニンはほぼ完全に分解す
るため(UHT殺菌の場合には若干分解されないものが
あった。)、通常市販されている茶飲料にはストリクチ
ニンはほとんど含まれないことが分かった。
【0053】試験4(ストリクチニンの加熱分解試験) 精製ストリクチニン5mgとアスコルビン酸250mg
とをイオン交換水に溶かし、イオン交換水と重曹とを用
いてpH6.0、500mlに調製し、この調製液を1
21℃、7分間のレトルト殺菌に供した。そして、「加
熱殺菌前調製液」及び「加熱殺菌後調製液」のそれぞれ
について、試験3と同様に高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)にかけたところ40分付近にピークが現れ
た。このピークをLC−MS及びNMRで同定したとこ
ろ、エラグ酸であることが分かった。結果を図2に示
す。この結果、ストリクチニンをレトルト殺菌すると、
エラグ酸を生成するという結果を得ることができた。
【0054】また、精製ストリクチニン5mgを試験1
で得た「HP-20非吸着画分」(Brix0.4)200m
lに添加し、イオン交換水と重曹とを用いてpH6.
0、500mlに調製した後、この調製液を121℃、
7分間のレトルト殺菌に供し、上記同様、「加熱殺菌前
調製液」及び「加熱殺菌後調製液」のそれぞれについて
HPLCでストリクチニン及びエラグ酸を測定した。こ
の結果を図3に示す。ところが、この場合には「加熱殺
菌後調製液」中にエラグ酸はほとんど検出されなかっ
た。これより、茶飲料を加熱殺菌すると、飲料中のスト
リクチニンが分解してエラグ酸を生成し、このエラグ酸
が「HP-20非吸着画分」に含まれる成分と結合して沈殿
すなわち二次オリを形成するものと考えることができ
た。
【0055】試験5(抽出時pHの比較試験) 酸性水溶液又は塩基性水溶液で茶を抽出した場合のスト
リクチニン抽出量を比較した。
【0056】70℃、800mlのイオン交換水(pH
5.9)、酸性水溶液又は塩基性水溶液を用意し、これ
に市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地
初摘み1500)20gを添加し、攪拌した後1分毎に
攪拌しながら3.5分間抽出した。その後、メッシュ
(150メッシュ)で粗濾過し、室温まで冷却し、ネル
(50μm)により濾過した。得られた塩基性抽出液及
びイオン交換水抽出液にアスコルビン酸0.5gを加
え、酸性抽出液は無添加のまま7000rpm、10分の
遠心分離にかけ、その上清を微細濾過(アドバンテック
社製1μmMF膜)し、濾液にアスコルビン酸0.5gを
加え、更にイオン交換水を用いて最終液量2000ml
に調製して調合液を得、当該調合液のストリクチニン濃
度を試験3と同様にHPLCで定量した(表4)。
【0057】なお、上記酸性水溶液は、イオン交換水
(pH5.9)800mlにアスコルビン酸0.5gを
加えてpH3.4に調製し、塩基性水溶液は、イオン交
換水(pH5.9)800mlに重曹0.5gを加えて
pH8.5に調製した。
【0058】
【表4】
【0059】この結果、酸性抽出するとストリクチニン
抽出量が多くなることが分かった。
【0060】試験6(酸性抽出でのストリクチニン抽出
量の比較) イオン交換水(pH5.9)800mlにアスコルビン酸
0.5gを添加してpH3.4とし、90℃、70℃、
50℃、30℃の各温度で10分間抽出し、試験5の酸
性水溶液と同様に調製した調合液を得、当該調合液のス
トリクチニン濃度を試験3と同様にHPLCで定量した
(表5)。
【0061】
【表5】
【0062】この結果、70℃以上でストリクチニンの
抽出量が多いことが分かった。
【0063】試験7(抽出時間の比較) イオン交換水(pH5.9)800mlにアスコルビン酸
0.5gを添加してpH3.4、抽出時間を3分、5分
又は20分間とし、試験5の酸性水溶液と同様に調製し
た調合液を得、当該調合液のストリクチニン濃度を試験
3と同様にHPLCで定量した(表6)。
【0064】
【表6】
【0065】試験6に示した70℃、10分の抽出と、
試験7に示した70℃、20分での抽出は、ストリクチ
ニン濃度の比較で差は見られなかった。従って、試験5
から試験7よりストリクチニン抽出量を多くするには7
0℃以上、pH4.5以下の酸性水溶液で5分以上抽出
するのが好ましいと考えられる。
【0066】試験8(エラグ酸添加試験) 試験1で得た「HP-20非吸着画分」にエラグ酸を添加し
て沈殿形成を確認した。
【0067】試験1で得た「HP-20非吸着画分」(Br
ix0.4)200mlに市販エラグ酸(シグマ社製)
2.1mg及びアスコルビン酸250mgを添加し、イ
オン交換水と重曹とを用いてpH6.0、500mlに
調製し、この調製液を121℃、7分間のレトルト殺菌
に供し、得られた「エラグ酸+HP-20非吸着画分」溶液
を37℃で保管し経時変化を観察した。また、市販エラ
グ酸(シグマ社製)2.1mg及びアスコルビン酸25
0mgをイオン交換水に添加し、イオン交換水と重曹と
を用いてpH6.0、500mlに調製し、この調製液
を121℃、7分間のレトルト殺菌に供し、得られた
「エラグ酸のみ」溶液を上記同様に観察した。この結果
を下記表7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】上記の試験結果を総合して考察すると、茶
抽出液中のストリクチニンは加熱殺菌によって分解され
てエラグ酸を生成し、このエラグ酸が「HP-20非吸着画
分」に含まれる成分と結合することにより茶飲料でフロ
ック状の沈殿物すなわち二次オリを生成することが解明
された。
【0070】試験9(「HP-20非吸着画分」中の沈殿生
成に関与する成分の分析) 茶飲料で生成したフロック状の沈殿物(オリ)を塩酸−
メタノール処理し、当該沈殿物に含まれるエラグ酸を溶
解させて当該沈殿物の成分分析を行った。
【0071】試験1の方法で製造した茶飲料(「HP-20
非吸着画分+HP-20吸着80%メタノール画分」)を5
日間、37℃にて保管して沈殿物を生成させ、MSfi
lter(0.45μm)を用いて当該沈殿物を回収し
た。次いで当該filterをメタノールで洗浄後、遠
心分離にかけて沈殿物を回収し、更に1%塩酸−メタノ
ールで洗浄後、再び遠心分離にかけ風乾した後、SDS
−PAGE用サンプルとした。
【0072】SDS−PAGEで沈殿物に含まれる成分
を分析した結果、当該沈殿物中にはタンパク質が多く含
まれることが判明した。また、当該沈殿物中の糖質分析
を行ったところ、糖質はほとんど検出されなかった。
【0073】試験10(アミノ酸、タンパク質を用いた
モデル試験) 試験管にエラグ酸1mg、下記表8に示す各アミノ酸標
品(協和発酵社製)及び牛血清アルビミン(シグマ社
製)をそれぞれ表8に示す添加量にて投入し、イオン交
換水を加えて10mlにした。その後、121℃、15
分の加熱殺菌を行い、室温にて保管して観察した。ま
た、コントロール(エラグ酸1mgにイオン交換水を加
えて10ml溶解したもの)も同様に加熱殺菌及び保管
して観察した。
【0074】
【表8】
【0075】各アミノ酸標品は、室温にて18日間保管
するとフロック状の沈殿が観察された。加熱殺菌前の牛
血清アルビミン添加溶液はフロック状の沈殿を生成する
ことはなかったが、加熱殺菌した当該溶液にはフロック
状の沈殿の生成が見られた。以上の結果から、エラグ酸
と結合してフロック状の沈殿(二次オリ)を形成する物
質は、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質であり、これ
らの成分が加熱処理或いは長期保存によって変性するた
めフロック状の沈殿を形成するものと考えることができ
た。
【0076】試験11(茶中ストリクチニン濃度とオリ
形成の相関性1) 14種類の茶葉(静岡産荒茶)のそれぞれについてスト
リクチニン含有濃度を試験3と同様にHPLCで測定し
た。
【0077】原料茶葉中のストリクチニン濃度を測定す
るために、茶のタンニン定量における公定分析法の測定
用試料溶液調製法(農林水産省野菜・茶業試験場「茶の
分析法」茶業研究報告 第71号p52(1990))で採用
されている「熱水抽出法」によって測定用試料溶液を調
製する一方、当該熱水抽出法を酸性熱水抽出に変更した
「酸性熱水抽出法(本発明独自の方法)」によっても測
定用試料溶液を調製した。
【0078】熱水抽出法では、緑茶のミル粉砕物0.5
gを100mlメスフラスコに秤量し、これを、沸騰イ
オン交換水約80ml(pH5.9)で10分間、3分
毎に攪拌しながら抽出して「熱水抽出液」を得た。
【0079】他方、酸性熱水抽出法では、緑茶のミル粉
砕物0.5gを100mlメスフラスコに秤量し、この
緑茶粉砕物を沸騰イオン交換水に0.1%リン酸を添加
した水溶液約80ml(pH2.0)で10分間、3分
毎に攪拌しながら抽出して「酸性抽出液」を得た。
【0080】そして、「熱水抽出液」「酸性抽出液」を
それぞれ冷却し、「熱水抽出液」にはイオン交換水(p
H5.9)を加え、「酸性抽出液」には前記リン酸添加
水溶液を加え、それぞれ全量を100mlとし、これを
フィルター(アドバンテック社製No.2フィルター使
用)で濾過した後、試験3と同様にHPLCでストリク
チニン濃度を測定した。結果は下記表9に示す。
【0081】また、上記の各茶葉(静岡産荒茶)20g
を、それぞれ70℃、800mlのイオン交換水(pH
5.9)に添加し、攪拌した後1分毎に攪拌しながら
3.5分間抽出を行い、得られた抽出液をメッシュ(1
50メッシュ)で濾過し、室温まで急冷した後ネル濾過
(50μm)した。この抽出液にアスコルビン酸0.4
gを添加し、これを7000rpmで10分間遠心分離
し、上清を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF膜)
し、アスコルビン酸を加えてイオン交換水と重曹とによ
りアスコルビン酸500ppm、pH6.0、Brix
0.1(茶固形量換算0.03)〜0.3(茶固形量換
算0.23)に調製し、この調合液中のストリクチニン
濃度を試験3と同様にHPLCで測定した。そして更
に、オリ観察用に上記調合液を97℃まで加熱して耐熱
広口ビンに充填した後、急冷し、121℃、7分の条件
でレトルト殺菌を行い、冷却後に37℃で保管し、経時
変化を観察した。結果は下記表9〜表11、図4及び図
5に示した。
【0082】なお、表9中の茶固形量中のストリクチニ
ン固形量比とは、調合液中の全茶固形分に対するストリ
クチニンの含有割合(%)を示した値である。表10
は、表9のデータを熱水抽出による茶葉中ストリクチニ
ン濃度が高い順に並べ替えた表であり、表11は、表9
のデータを酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃度が
高い順に並べ替えた表である。図4は、横軸:熱水抽出
による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:B
rix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合
の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標
上に二次オリ発生の有無をプロットしたグラフである。
図5は、横軸:酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃
度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算
0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃
度(ppm)からなる座標上に二次オリ発生の有無をプ
ロットした図である。
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】茶のタンニン定量の公定法で採用されてい
る熱水抽出法ではストリクチニンの抽出量が少なかった
が、酸性熱水抽出法によればストリクチニンの抽出量を
有効に増加させることができた。しかも、図4及び図5
を見ると明らかなように、酸性熱水抽出法による方が二
次オリ発生との相関がより一層大きいことが判明した。
このような点からすると、原料茶葉中のストリクチニン
含有濃度の測定には、酸性熱水抽出法、好ましくはpH
2〜4、70〜100℃で行う酸性熱水抽出法を採用す
るのが好ましいと考えることができる。
【0087】表10及び図4を見ると、熱水抽出法によ
って測定した茶中ストリクチニン含有濃度が0.14%
以下であれば二次オリをほとんど発生せず、更に茶中ス
トリクチニン含有濃度が0.10%以下になると二次オ
リを全く生じないことが分かった。表11及び図5よ
り、酸性抽出法によって測定した茶中ストリクチニン含
有濃度が0.43%以下であれば二次オリをほとんど発
生せず、更に茶中ストリクチニン含有濃度が0.37%
以下になると二次オリを全く生じないことが分かった。
【0088】表11より、調合液中のストリクチニン含
有量が6ppm以下、より確実には5ppm以下であれば
二次オリが発生しないことが判明した。茶固形分に対す
るストリクチニン含有量比という観点から考察すると、
緑茶飲料の場合、調合液濃度(Brix)約0.2(茶
固形量換算0.13)〜0.3(茶固形量換算0.2
3)が一般的であるから、茶抽出液又は茶調合液中の茶
固形分に対するストリクチニン含有量が約0.2〜0.
5%、特に約0.2〜0.4%以下となるように管理す
れば二次オリの発生を無くすことができる。詳しく言え
ば、調合液の茶固形分濃度(Brix)によって指標と
する茶固形分に対するストリクチニン含有量の上限値を
調整するのが好ましく、茶抽出液又は茶調合液の茶固形
量換算濃度(Brix)が0.23の場合には0.27
%、0.18の場合には0.34%、0.13の場合に
は0.48%を茶固形分に対するストリクチニン含有量
比の上限とするのが好ましい。
【0089】試験12(茶中ストリクチニン濃度とオリ
形成の相関性2) 13種類の中国産釜炒り茶(ジャスミン茶)それぞれに
ついて、ストリクチニン含有濃度を試験3と同様にHP
LCで測定し、各茶葉毎に各段階でのストリクチニン濃
度を観察結果と共に下記表12に示した。
【0090】また、上記13種類の各茶葉(中国産釜炒
り茶葉(ジャスミン茶))40gを、それぞれ80℃、
1000mlのイオン交換水(pH5.9)に添加し、
攪拌した後1分毎に攪拌しながら3.5分間抽出を行
い、得られた抽出液をメッシュ(150メッシュ)で粗
濾過し、室温まで急冷した後ネル濾過(50μm)し
た。これを7000rpmで10分間遠心分離し、上清
を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF膜)し、アス
コルビン酸を加えてイオン交換水と重曹とによりアスコ
ルビン酸500ppm、pH6.0、Brix0.1
(茶固形量換算0.03)〜0.3(茶固形量換算0.
23)に調製し、この調合液中のストリクチニン濃度を
試験3と同様にHPLCで測定した。そして更に、オリ
観察用に調合液を97℃まで加熱して耐熱広口ビンに充
填した後、急冷し、121℃、7分の条件でレトルト殺
菌を行い、冷却後に37℃で保管し、経時変化を観察し
た。結果は下記表12〜14、図6及び図7に示した。
【0091】なお、表12中の茶固形量中のストリクチ
ニン固形量比とは、調合液中の全茶固形分に対するスト
リクチニンの含有割合(%)を示した値である。表13
は、表12のデータを熱水抽出による茶葉中ストリクチ
ニン濃度が高い順に並べ替えた表であり、表14は、表
12のデータを酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃
度が高い順に並べ替えた表である。図6は、横軸:熱水
抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦
軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製し
た場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からな
る座標上にオリ発生の有無をプロットしたグラフであ
る。図7は、横軸:酸性抽出による茶葉中ストリクチニ
ン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換
算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン
濃度(ppm)からなる座標上にオリ発生の有無をプロ
ットした図である。
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】
【表14】
【0095】この結果、ジャスミン茶の場合も、茶のタ
ンニン定量の公定法で採用されている熱水抽出法ではス
トリクチニンの抽出量が少なかったが、酸性熱水抽出法
によればストリクチニンの抽出量を有効に増加させるこ
とができた。しかも、酸性熱水抽出法による方が二次オ
リ発生との相関がより一層大きいことが判明した。この
ような点からすると、ジャスミン茶の場合においても、
原料茶葉中のストリクチニン含有濃度の測定は酸性熱水
抽出法、例えばpH約4.5以下、約60〜100℃、
約5〜60分間、好ましくはpH2.0〜4.0、70
〜100℃の酸性熱水で、10〜30分間抽出を行う酸
性熱水抽出法を採用するのが好ましいと考えることがで
きる。
【0096】表13及び図6を見ると、熱水抽出法によ
って測定した茶中ストリクチニン含有濃度が0.49%
以下であれば二次オリをほとんど発生せず、更に茶中ス
トリクチニン含有濃度が0.33%以下になると二次オ
リを全く生じないことが分かった。表14及び図7よ
り、酸性抽出法によって測定した茶中ストリクチニン含
有濃度が0.90%以下であれば二次オリをほとんど発
生せず、更に茶中ストリクチニン含有濃度が0.61%
以下になると二次オリを全く生じないことが分かった。
【0097】表14より、調合液中のストリクチニン含
有量が14ppm以下、より確実には13ppm以下であ
れば二次オリが発生しないことが判明した。茶固形分に
対するストリクチニン含有量比という観点から考察する
と、ジャスミン茶飲料の場合、調合液濃度(Brix)
約0.2(茶固形量換算0.13)〜0.3(茶固形量
換算0.23)が一般的であるから、茶抽出液又は茶調
合液中の茶固形分に対するストリクチニン含有量が約
0.5〜1.1%、特に約0.6〜0.8%以下となる
ように管理すれば二次オリの発生を無くすことができ
る。詳しく言えば、調合液の茶固形分濃度(Brix)
によって指標とする茶固形分に対するストリクチニン含
有量の上限値を調整するのが好ましい。茶抽出液又は茶
調合液の茶固形量換算濃度(Brix)が0.23の場
合には0.62%、0.18の場合には0.80%、
0.13の場合には1.11%を茶固形分に対するスト
リクチニン含有量比の上限とするのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験2(オリの成分分析試験)の作業手順の
概略を示した図である。
【図2】 試験4(ストリクチニンの加熱分解試験)に
おいて、精製ストリクチニン溶液をレトルト殺菌に供
し、「加熱殺菌前調製液」及び「加熱殺菌後調製液」の
ストリクチニン含有量及びエラグ酸含有量をHPLCで
測定した結果を示すグラフである。
【図3】 試験4(ストリクチニンの加熱分解試験)に
おいて、試験1で得た「HP-20非吸着画分」に精製スト
リクチニンを添加した調製液をレトルト殺菌に供し、
「加熱殺菌前調製液」及び「加熱殺菌後調製液」のスト
リクチニン含有量及びエラグ酸含有量をHPLCで測定
した結果を示すグラフである。
【図4】 試験11(茶葉中ストリクチニン濃度とオリ
形成の相関性1)において、横軸:熱水抽出による茶葉
中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.
3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中
ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオリ発
生の有無をプロットしたグラフである。
【図5】 試験11において、横軸:酸性抽出による茶
葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix
0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合
液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオ
リ発生の有無をプロットしたグラフである。
【図6】 試験12(茶葉中ストリクチニン濃度とオリ
形成の相関性2)において、横軸:熱水抽出による茶葉
中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.
3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中
ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオリ発
生の有無をプロットしたグラフである。
【図7】 試験12において、横軸:酸性抽出による茶
葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix
0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合
液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオ
リ発生の有無をプロットしたグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 笹目 正巳 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 (72)発明者 岡野谷 和則 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 (72)発明者 栗林 修平 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 (72)発明者 島岡 謙次 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 (72)発明者 上野 洋子 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 Fターム(参考) 4B027 FB13 FC05 FE08 FP64 FP85 FP90

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶葉中のストリクチニン含有濃度を指標
    として原料茶を選択することを特徴とする茶飲料用原料
    の選定方法。
  2. 【請求項2】 茶葉を熱水、酸性熱水、有機溶媒、酸性
    有機溶媒、含水有機溶媒、酸性含水有機溶媒のいずれか
    によって抽出し、抽出液中のストリクチニン含有濃度を
    測定し、当該ストリクチニン含有濃度が所定の範囲に入
    る原料茶を選択することを特徴とする請求項1に記載の
    茶飲料用原料の選定方法。
  3. 【請求項3】 茶葉を約60〜100℃の熱水で約5〜
    60分間抽出し、冷却後濾過して得られた抽出液中のス
    トリクチニン含有濃度を測定することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の茶飲料用原料の選定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の測定によって得られたストリ
    クチニン含有濃度が0.10〜0.14%以下の範囲に
    入る原料茶を選択することを特徴とする不発酵茶飲料用
    原料の選定方法。
  5. 【請求項5】 請求項3の測定によって得られたストリ
    クチニン含有濃度が0.33〜0.49%以下の範囲に
    入る原料茶を選択することを特徴とする弱発酵茶飲料用
    原料の選定方法。
  6. 【請求項6】 茶葉をpH約4.5以下、約60〜10
    0℃の熱水で約5〜60分間抽出し、冷却後濾過して得
    られた抽出液中のストリクチニン含有濃度を測定するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の茶飲料用原料の
    選定方法。
  7. 【請求項7】 請求項6の測定によって得られたストリ
    クチニン含有濃度が0.37〜0.43%以下の範囲に
    入る原料茶を選択することを特徴とする不発酵茶飲料用
    原料の選定方法。
  8. 【請求項8】 請求項6の測定によって得られたストリ
    クチニン含有濃度が0.61〜0.90%以下の範囲に
    入る原料茶を選択することを特徴とする弱発酵茶飲料用
    原料の選定方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかの茶飲料用原料
    の選定方法を特徴とする原料選定工程を備えた茶飲料の
    製造方法。
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