JP4018435B2 - ストリクチニン回収方法、ストリクチニン含有物の保存方法、ストリクチニン定量法 - Google Patents

ストリクチニン回収方法、ストリクチニン含有物の保存方法、ストリクチニン定量法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストリクチニンを含有する植物(以下「ストリクチニン含有植物」ともいう。)からストリクチニンをより効率的に回収する方法、ストリクチニンを含んだストリクチニン含有物を好適に保存する方法、並びに、ストリクチニン含有植物のストリクチニンの定量法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ストリクチニンは、下記化学式で示される物質(1-O-galloyl-4,6-O -(S)-hexahydroxydiphenoyl-β-D-glucose)であって、茶から抽出されるタンニン、詳しくはエラジタンニン(ellagitannins)の一種である(「Casuariin,Stachyurin and Strictinin, new Ellagitannins from Casuarina Stricta and Stachyurus Praecox」、Chem.Pharm.Bull.30(2)766-769(1982))。
【0003】
【化1】
Figure 0004018435
【0004】
このストリクチニンは、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の原因であるIgEの産生を抑制する働きをもっていることが知られるようになり(中日新聞、2001年7月8日掲載)、発明としても「ストリクチニン及びそのメチル化誘導体の中から選ばれた少なくとも1種のポリフェノールを有効成分として含有することを特徴とする抗アレルギー剤等」が開示(特開2002−012545号公報)され、天然物由来の薬理成分として最近特に注目されている物質である。
【0005】
ところで、ストリクチニンはタンニン(tannins)の一種であることから、ストリクチニンを茶葉から回収する際には、従来、茶葉からタンニン或いはカテキンを回収する方法が用いられてきた。
例えば、茶葉を熱水抽出し、得られた抽出物を酢酸エチルと水で分別抽出し、その水相成分を液体クロマトグラフィー等で分取して得る方法(「Tannins of Casuarina and Stachyurus Species. Part1. Structures of Pendunculagin, Casuarictin, Strictinin, Casuarinin, Casuariin and Stachyurin」、J. CHEM. SOC. PERKIN TRNS.I No.8, 1765-1772(1983))や、
茶葉をアセトン水溶液で抽出し、得られた抽出物を酢酸エチルと水で分別抽出し、その酢酸エチル相を液体クロマトグラフィー等で分取して得る方法(「Casuariin, Stachyurin and Strictinin, new Ellagitannins from Casuarina Stricta and Stachyurus Praecox」,Chem. Pharm.Bull.30(2)766-769(1982)。)、或いは
茶葉を50%メタノールで抽出し、得られた抽出画分を30%クロロホルムで抽出し、その水相をさらに酢酸エチルで抽出した後、その酢酸エチル相をODSカラムで分画して得る方法(特開2002−12545号)などが行われてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如くタンニンやカテキンの回収法に準じてストリクチニンを抽出したのではストリクチニンの抽出率が低く、ストリクチニン回収方法として工業的に利用するのは困難であった。
【0007】
他方、本発明者がストリクチニンについて様々な試験をした結果、ストリクチニンを含んだストリクチニン含有物をそのまま保管すると、ストリクチニンは経時的に分解することが分かってきた。このため、回収したストリクチニンを維持するための保存方法も新たに検討する必要があった。
【0008】
そこで本発明は、工業上利用することを目的として、ストリクチニン含有植物からストリクチニンを効率良く回収する方法、ストリクチニンを含んだストリクチニン含有物を好適に保存する方法、並びに、ストリクチニン含有植物のストリクチニンの定量法を提供せんとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ストリクチニン含有植物を酸性熱水、酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒で抽出する工程を備えたストリクチニン回収方法を提案する。
抽出に用いる酸性熱水にはpH約5.5以下例えばpH約2.0〜5.5で約45〜100℃の酸性熱水を用いるのが好ましく、また、抽出に用いる酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒にはpH約5.5以下例えばpH約2.0〜5.5の酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒を用いるのが好ましい。
ストリクチニン含有植物、中でも茶は、酸性熱水、酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒で抽出することにより、中性領域の熱水、有機溶媒又は含水有機溶媒による抽出に比べて、ストリクチニンの抽出率を有効に高めることができる。
【0010】
ストリクチニン含有植物を抽出して得られた抽出物は、必要に応じて濃縮させて液状のストリクチニン組成物(すなわち「ストリクチニンエキス」)として利用することもできるし、更にこれを濃縮乾燥させてストリクチニンを含んだ粉末(以下「ストリクチニン粉末」という。)として利用することもできる。また、前記ストリクチニンエキスを更に酢酸エチル等の有機溶媒と水で分別抽出し、そのまた水相又は有機溶媒相を、必要に応じて濃縮させてより一層精製されたストリクチニンエキスとして利用することも、これを更に濃縮乾燥させてより一層精製されたストリクチニン粉末として利用することもできる。さらにまた、前記水相又は有機溶媒相成分を更に液体クロマトグラフィー等で分取及び精製し、これを必要に応じて濃縮させてさらにより一層精製されたストリクチニンエキスとして利用することも、これを更に濃縮乾燥させてさらにより一層精製されたストリクチニン粉末として利用することもできる。
【0011】
このようにして得られるストリクチニンエキス及びストリクチニン粉末は、抗アレルギー剤、抗アレルギー効果を備えた飲食物・食品添加剤・飼料などの有効成分として利用することができる。特に茶から抽出したストリクチニンエキス及びストリクチニン粉末は、ストリクチニンの他にも様々な薬効成分を含んでおり、しかも安心して摂取することができる点などから健康増強組成物として特に優れている。
このような点から、上記本発明のストリクチニンの回収方法は、ストリクチニンエキス、抗アレルギー剤、抗アレルギー効果を備えた飲食物或いは飼料などの製造方法としても好適に利用することができる。
【0012】
本発明はまた、ストリクチニン含有物の保存方法として、ストリクチニン含有物をpH約4.5以下例えばpH約2.0〜4.5に保持して保存することを提案する。
ストリクチニン含有植物を抽出して得られた抽出液等のストリクチニン含有物をそのままの状態で保存すると、ストリクチニン含有物中のストリクチニンが経時的に分解してしまうが、ストリクチニン含有物をpH約4.5以下に保持して保存するとストリクチニンの経時的分解を阻止することができ、ストリクチニン濃度を維持してその薬理効果を有効に保持することができる。
なお、本発明が対象とするストリクチニン含有物は、ストリクチニンを含有する全てのものを包含する。
【0013】
本発明はまた、上記のストリクチニンの回収方法を応用して新たなストリクチニンの定量法、中でもその測定用試料溶液の調製法を提案する。
【0014】
ストリクチニンは、上記の如くタンニンの一種であるから、ストリクチニンの定量法として先ず考えられるのは、タンニン或いはカテキンの定量法を採用することである。
ちなみに、茶のタンニン定量法については、「茶の分析法」茶業研究報告(農林水産省野菜・茶業試験場)第71号p52−53(1990)に開示されており、「茶粉末(1.0mm目を通したもの)100mgを100mlのメスフラスコに取り、これに70〜80mlの熱水を加え、80℃以上の恒温水槽中で30分間加温抽出した後、冷却し、これを100mlに定容し濾過する。この際、最初の濾液約20mlを捨て、それ以降の濾液を測定用試料溶液とし、これを比色定量法に供するという方法」である。
また、茶のカテキン定量法における公定分析法については、「茶の分析法」茶業研究報告(農林水産省野菜・茶業試験場)第71号p52−55(1990)に開示されており、「茶粉末(1.0mm目を通したもの)100mgを100mlのメスフラスコに取り、これに熱水約70〜80mlを加えた後、80℃の恒温水槽中で30分間加温抽出する。室温に冷却後、内標準物質ホモカテコールの5mg相当の水溶液を正確に加え、水で100mlに定容する。これをJIS2種の濾紙で濾過し、最初の濾液10〜20mlを捨て、その後濾液50mlを分液漏斗にとり、カフェインを除去するため50mlのクロロホルムを加え、よく振り混ぜた後クロロホルムを捨てる。これを3回繰り返す。そして、カフェインを除去した水相に酢酸エチルを50ml加え、よく振り混ぜてカテキンを酢酸エチル相に転溶させ、この酢酸エチル相をナス形フラスコに移し、ロータリエバポレータにて濃縮乾固する。これに正確に酢酸エチル10mlを加えカテキンを溶解してからミリポアフィルターで濾過して測定用試料溶液とし、これを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供する方法」というものである。
【0015】
しかしながら、茶葉を熱水で抽出して測定用試料溶液を作製したのでは、ストリクチニンの抽出率が低く、正確にストリクチニンの定量を行うことが難しいことが判明したのである。
【0016】
そこで本発明では、ストリクチニンの定量法として、ストリクチニン含有植物をpH約2.0〜5.5、約45〜100℃の酸性熱水、pH約2.0〜5.5の酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒で抽出し、得られた抽出液から測定用試料溶液を作製することを提案する。
【0017】
このようにして作製した測定用試料溶液は、緑茶タンニンの比色定量法や、茶カテキンの基準分析法としての高速液体クロマトグラフ法(HPLC)等に供することにより、ストリクチニン含有植物、中でも茶のストリクチニン含有量(濃度)をより正確に定量することができる。
【0018】
なお、本発明で対象とし得る「ストリクチニン含有植物」は、茶(学名:Camellia sinensis )のほか、バラ科、アカネ科、ブナ科、ユキノシタ科、フウロソウ科(例えばテンジクアオイ属植物)、グミ科、カバノキ科、ノボタン科、或いはフトモモ科(例えばシジュウム属のグアバなど)などに分類される植物を挙げることができ、これらから摘採した樹、葉或いは茎のほか、これらを加熱処理して得られた荒茶の如き加工品も包含する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、ここでは、主に茶を対象とした場合の実施形態を中心に説明するが、茶以外のストリクチニン含有植物についても同様に実施することができる。
【0020】
(ストリクチニンの回収方法)
本発明のストリクチニンの回収方法で対象とし得る茶は、茶樹(学名:Camellia sinensis )から摘採した葉や茎であればその品種、産地、摘採時期、摘採方法、栽培方法などに限らず、どのような茶種も使用することができる。
生茶葉等(葉や茎を含む)を対象とすることも可能であるが、これらの生茶葉等を蒸すか或いは炒るかなどの手段で酵素活性を停止させる荒茶加工を施した荒茶すなわち不発酵茶であれば、煎茶、釜炒り茶、かぶせ茶、玉露、てん茶、抹茶、番茶、焙じ茶、蒸製玉緑茶、釜炒製玉緑茶等のいずれの種類も対象とすることができる。これらの不発酵茶を二種類以上組合わせたものであっても、香料を入れたものであってもよい。
加えて、ジャスミン茶などの弱発酵茶、烏龍茶などの半発酵茶、紅茶などの発酵茶並びにプーアル茶などの後発酵茶のいずれか或いは前記二種類以上の組合わせからなるものも対象とすることができる。
また、上記の荒茶に現在公知の仕上加工を施して得られる仕上茶も対象とすることが可能である。
【0021】
上記の茶は、そのまま抽出することも可能であるが、粉砕や磨砕などによって細かくすればストリクチニンの抽出効率をより一層高めることができる。
【0022】
茶の抽出は、約45〜100℃好ましくは約70〜90℃、pH5.5以下例えばpH2.0〜5.5、好ましくはpH約4.5以下例えばpH2.0〜4.5の酸性熱水(ニーダー等の場合には茶に対して20〜50倍量の酸性熱水)で、約1分〜20分間、必要に応じて1回〜数回攪拌して常圧で抽出を行うようにすればよい。但し、抽出方法及び抽出条件を特に限定するものではなく、必要に応じて加圧抽出を行ってもよい。
抽出に用いる抽出水には、硬水、軟水、イオン交換水、天然水などを用い、これにpH調製剤を添加して酸性水になるようにpH調製するのが好ましい。
【0023】
また、上記の酸性熱水に代えて、酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒、好ましくはpH5.5以下例えばpH2.0〜5.5、好ましくはpH約4.5以下例えばpH2.0〜4.5の酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒を用いて抽出するようにしてもよい。
抽出に用いる酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒の有機溶媒としては、エタノール、メタノール、アセトン、アセトニトリルなどを挙げることができ、抽出水同様、これにpH調製剤を添加して酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒となるようにpH調製するのが好ましい。但し、これらの有機溶媒に限定するものではない。
【0024】
pH調製剤は、特にその種類を限定するものではないが、回収して得られたストリクチニン含有物を飲食用とする場合は、リン酸などの鉱酸やアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸、重曹などのいずれか、或いはこれらのうち二種類以上の組合わせからなる混合物を用いるのが好ましい。但し、これらに限定するものではない。
【0025】
抽出に用いる抽出装置としては、カラムに茶を充填し、当該カラムに酸性熱水等を順次送水して抽出液を得る抽出装置、或いは、抽出釜に茶を充填し所定量の酸性熱水で一定時間浸漬するニーダーと呼ばれる抽出装置など、処理する茶の量などに応じて適宜好ましい抽出装置を選択して用いることができる。
【0026】
抽出によって得られた抽出液は、必要に応じて5℃〜40℃程度に冷却し、その後濾過するのが好ましい。
また、冷却と同時に又はその前後に、必要に応じて、抽出液にアスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムなどを加えて酸性(pH約3.0〜4.5)に調製するようにしてもよい。抽出液の冷却或いはさらなる酸性調製によって、抽出成分の酸化を防ぐことができると共にストリクチニン含有量を維持することができる。
【0027】
濾過は、茶葉や大きな微粉などの抽出残渣を除去する粗濾過を行った後、必要に応じて、遠心分離、珪藻土濾過、適当な膜濾過の一種或いはこれら二種以上の組合わせからなる濾過を行えばよい。
ここで、粗濾過は、ネル、ステンレスフィルター、ストレーナーその他抽出残渣を除去するために現在採用されている濾過方法を任意に採用することができる。
遠心分離は、例えば5000〜10000rpmの回転数で行えばよく、遠心分離するに当たっては予め抽出液又は調合液を5〜40℃程度に冷却するのが好ましい。
珪藻土濾過の条件は適宜設定すればよい。なお、珪藻土濾過を行う場合には必ずしも遠心分離を挿入する必要はないが、珪藻土濾過の前工程に遠心分離を挿入することにより珪藻土濾過の負担軽減、例えば透過流量の増加により濾過時間を短縮することができる。
膜濾過としては、微細濾過、精密濾過、限外濾過、逆浸透膜濾過、電気透析、生物機能性膜などの膜を使った膜分離を挙げることができ、上記珪藻土濾過などの濾過助剤を用いた濾過と組合わせて行うようにしてもよい。
【0028】
上記濾過によって得られたストリクチニンを含有した液(以下「ストリクチニン含有液」という。)は、必要に応じて濃縮させて液状のストリクチニン組成物(すなわち「ストリクチニンエキス」)として利用することもできるし、更にこれを濃縮乾燥させてストリクチニン粉末とすることもできる。また、前記ストリクチニンエキスを更に酢酸エチル等の有機溶媒と水で分別抽出し、そのまた水相又は有機溶媒相を、必要に応じて濃縮させてより一層精製されたストリクチニンエキスとして利用することも、これを更に濃縮乾燥させてより一層精製されたストリクチニン粉末として利用することもできる。また、前記水相又は有機溶媒相成分を更に液体クロマトグラフィー等で分取及び精製し、これを必要に応じて濃縮させてさらにより一層精製されたストリクチニンエキスとして利用することも、これを更に濃縮乾燥させてさらにより一層精製されたストリクチニン粉末として利用することもできる。
【0029】
(ストリクチニンエキス及びストリクチニン粉末の利用態様)
上記の如くして得られるストリクチニンエキス及びストリクチニン粉末は、例えば、医薬品などの抗アレルギー剤のほか、抗アレルギー効果を備えた飲食物や食品添加剤、或いは抗アレルギー効果を備えた飼料や飼料添加剤など(以下、これらをまとめて「抗アレルギー組成物」という)の有効成分として利用することができる。
【0030】
ストリクチニンエキス又はストリクチニン粉末を有効成分とする抗アレルギー組成物は、ストリクチニンエキス又はストリクチニン粉末を唯一の有効成分として調製することも可能であるが、既に抗アレルギー効果が知られた成分をストリクチニンエキスに添加してなる混合成分を有効成分として調製することも可能である。しかし、抗アレルギー組成物はpH約4.5以下に保持することが必要である。
【0031】
抗アレルギー剤としては、経口投与剤或いは非経口投与剤(筋肉注射用、静脈注射用、皮下投与用、直腸投与用、経皮投与用、或いは経鼻投与用など)として使用することができ、それぞれの投与に適した配合及び剤型とするのが好ましい。
剤型について言えば、例えば経口投与剤用とする場合は液剤、錠剤、散剤、顆粒、糖衣錠、カプセル、懸濁液、乳剤、丸剤などの形態に調製することができ、非経口投与剤用としては注射剤、アンプル剤、直腸投与剤、油脂性坐剤、水溶性坐剤などの形態に調製することができる。
配合(製剤)について言えば、通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などを用いて常法により製造することができる。また、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどの無毒性の添加剤を配合することも可能である。
抗アレルギー剤は、医薬品のほか、医薬部外品、その他ヒト以外の動物に対する薬剤などとしても提供することができる。例えば、医薬部外品として調製し、これを瓶ドリンク飲料等の飲用形態、或いはタブレット、カプセル、顆粒等の形態とすることにより、摂取し易い予防剤とすることができる。例えば、本発明の有効成分に炭酸、賦形剤(造粒剤含む)、希釈剤、或いは更に甘味剤、フレーバー、小麦粉、でんぷん、糖、油脂類等の各種タンパク質、糖質原料やビタミン、ミネラルなどから選ばれた一種或いは二種以上を混合することができる。
【0032】
抗アレルギー効果を備えた飲食物(薬理効果を備えた健康食品・健康飲料・特定保健用食品・機能性食品)としては、ストリクチニンエキス又はストリクチニン粉末と炭酸、賦形剤(造粒剤含む)、希釈剤、或いは更に甘味剤、フレーバー、小麦粉、でんぷん、糖、油脂類等の各種タンパク質、糖質原料やビタミン、ミネラルなどから選ばれた一種或いは二種以上とを混合し、例えばスポーツ飲料、果実飲料、乳飲料、茶飲料、野菜ジュース、乳性飲料、アルコール飲料、ゼリー、ゼリー飲料、炭酸飲料、チューインガム、チョコレート、キャンディ、ビスケット、スナック、パン、乳製品、魚肉練り製品、畜肉製品、冷菓、乾燥食品、サプリメントなど様々な形態の飲食物を製造し提供することができる。
【0033】
なお、弱酸性又は中性のストリクチニン含有物を、レトルト殺菌(121℃で7分間加熱)、或いはUHT殺菌(120〜150℃で1秒〜数十秒保持)などの加熱殺菌をすると、ストリクチニンが分解してしまうが、加熱殺菌に供するストリクチニン含有物のpHを約4.5以下に調製しておくことにより加熱殺菌によるストリクチニンの分解を抑えることができる。
このため、ストリクチニン含有物を加熱殺菌する場合には、予めpHを4.5以下に調製した後で加熱殺菌するのが好ましい。なお、酸性飲食物の基準に従い、95℃前後のホットパック殺菌をすることも可能である。
【0034】
(ストリクチニン含有液の保存方法)
ストリクチニン含有物、例えば茶飲料の製造過程で得られる茶抽出液、上記の如く飲料等にストリクチニンエキス又はストリクチニン粉末を添加してなるストリクチニン含有飲料などの保存においては、ストリクチニンの経時的分解を阻止するために、ストリクチニン含有物のpHを約4.5以下、例えばpH約2.0〜4.5に保持して保存するのが好ましい。また、この際の保存温度は約40℃以下に保持するのが好ましい。
【0035】
なお、ストリクチニン含有物のpH調製は、適宜pH調製剤を加えて行うことができるが、飲料用に用いる場合には、リン酸などの鉱酸やアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸、重曹などのいずれか、或いはこれらのうち二種類以上の組合わせからなる混合物を用いるのが好ましい。但し、これらに限定するものではない。
【0036】
(ストリクチニン定量法)
ストリクチニン含有植物のストリクチニン含有量(濃度)の測定すなわち定量は、例えば次のように行うのが好ましい。なお、ここでは茶を対象としてストリクチニンの定量法の好ましい一例を説明するが、他のストリクチニン含有植物についても同様に実施することができる。
【0037】
茶(生茶葉、荒茶、仕上茶)をミルなどで粉砕し、得られた茶粉末(1.0mm目を通過させたもの)0.5gを100mlメスフラスコに秤量する。これにリン酸などを添加してpH約7以下、好ましくはpH約4.5以下に調製した約60〜100℃好ましくは約70〜100℃、約70〜100mlの熱水で約5〜60分間、必要に応じて攪拌しながら抽出する。
得られた抽出液を室温に冷却後、イオン交換水或いは前記リン酸添加イオン交換水を加えて全量を100mlに定容し、これをフィルターで濾過し、得られた濾液を、茶のタンニン定量法(比色定量法)或いはカテキン定量法における公定分析法(HPLC法)(農林水産省野菜・茶業試験場「茶の分析法」茶業研究報告 第71号p52-55(1990))の測定用試料溶液とする。
なお、上記定量法における各種数値は適宜変更可能である。
【0038】
試験1(沈殿形成試験)
市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘み1500)20gを70℃の蒸留水(pH5.9)800mlで3.5分間抽出し、遠心分離(7000rpm、10分)により不溶性画分を除去し、その上清をポリスチレン樹脂(商品名:DIAION HP-20(三菱化学社製))を充填したカラムに通して「HP-20非吸着画分」を得た。次いで、蒸留水で当該カラムを洗浄後、80%メタノール水溶液で溶出し、濃縮乾固して「HP-20吸着80%メタノール画分」を得た。
【0039】
上記で得られた各画分について次のように沈殿形成試験を行った。
「HP-20非吸着画分」は、得られた「HP-20非吸着画分」Bx0.4、200ml、「HP-20吸着80%メタノール画分」は、得られた「HP-20吸着80%メタノール画分」0.5g、また、「HP-20非吸着画分+HP-20吸着80%メタノール画分」は、「HP-20非吸着画分」Bx0.4、200mlに「HP-20吸着80%メタノール画分」0.5gを加えて、それぞれアスコルビン酸、重曹及びイオン交換水を用いてアスコルビン酸500ppm、500ml、pH6.0に調製し、121℃、7分間の加熱殺菌後、37℃で保管して観察した。
上記観察の結果を下記表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004018435
【0041】
「HP-20非吸着画分+HP-20吸着80%メタノール画分」のみに二次オリ(フロック状の沈殿)の発生が認められた。このことから、「HP-20非吸着画分」「HP-20吸着80%メタノール画分」のそれぞれに二次オリの原因となる物質が少なくとも一成分ずつ含まれているものと考えることができた。
【0042】
試験2(オリの成分分析試験)
本試験の作業手順の概略を図1に示す。
市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘み1500)20gを70℃の蒸留水(pH5.9)800mlで3.5分間抽出し、遠心分離(7000rpm、10分)により不溶性画分を除去し、その上清をポリスチレン樹脂(商品名:DIAION HP-20(三菱化学社製))を充填したカラムに通し、次いで、蒸留水で当該カラムを洗浄後、20%、40%、60%、80%、100%メタノール水溶液で段階的に溶出させた。
【0043】
得られた各画分を、試験1と同様、「HP-20非吸着画分」(Brix0.4)に添加して沈殿形成試験を行ったところ、「HP-20吸着20%メタノール画分」及び「HP-20吸着40%メタノール画分」に二次オリ(フロック状の沈殿)の生成が確認された。特に「HP-20吸着20%メタノール画分」での生成量は多かった。
【0044】
そこで、「HP-20吸着20%メタノール画分」を濃縮乾固後、ODS(:逆相系樹脂(商品名:コスモシール75C18OPN(ナカライテスク社製))を充填したカラムに通し、次いで、蒸留水で当該カラムを洗浄後、10%、20%、30%メタノール水溶液で段階的に溶出させた。
【0045】
得られた各画分について、HP-20の分画物と同様の沈殿形成試験を行ったところ、「ODS吸着10%メタノール画分」の沈殿生成量が多かったため、この「ODS吸着10%メタノール画分」を更に逆相系カラム(Wakosil-II5C18HG Prep)を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC:LC-908 Recycling Preparative HPLC(JAPAN ANALYTICAL INDUSTRY CO.LTD社製)で分取し、メタノール:水:酢酸=22:78:0.1からなる溶媒で得られた6つのピークのそれぞれについて更に同様の沈殿形成試験を行った。
【0046】
その結果、そのうちの「ピーク3」に沈殿形成が認められたため、「ピーク3」をLC−MS及びNMRで同定したところ、ストリクチニンであることが分かった。
なお、「HP-20吸着40%メタノール画分」についても上記同様試験したところ、やはりストリクチニンが含まれていた。また、この画分中のストリクチニン以外の成分は沈殿形成に関与していないことも分かった。
【0047】
試験3(ストリクチニンの飲料加工特性)
70℃、800mlのイオン交換水(pH5.9)に市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘み1500)20gを添加し、攪拌した後1分毎に攪拌しながら3.5分間抽出した。その後、メッシュ(150メッシュ)で粗濾過し、室温まで冷却し、ネル(50μm)により濾過した。得られた抽出液にアスコルビン酸0.4gを添加し、7000rpm、10分遠心分離後、その上清を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF膜)し、濾液にアスコルビン酸0.6gを更に加え、イオン交換水と重曹とを用いてBrix0.3、pH6.0に調製して「加熱殺菌前調合液」を得た。
この「加熱殺菌前調合液」を97℃まで加熱した後、缶に充填し、急冷後121℃、7分間のレトルト殺菌を行い、その後冷却して「加熱殺菌後調合液」を得た。
得られた「加熱殺菌前調合液」及び「加熱殺菌後調合液」を攪拌して0.45μmフィルターで処理した後、下記条件(HPLC条件・表2)の下で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にてストリクチニン濃度を測定した。
【0048】
(HPLC条件)
装置:日立D−7000アドバンストHPLC、D−7000型アドバンストHPLCシステムマネージャー
カラム:Wakosil−II5C18HG φ4.6×(30+250)mm
カラム温度:40℃
流速:0.6ml/min
検出:UV280
移動相A:15%MetOH(0.1%リン酸)
移動相B:45%MetOH(0.1%リン酸)
【0049】
【表2】
Figure 0004018435
【0050】
サンプルは5μLインジェクションし、19min付近に現れるピークを、試験2で抽出・精製したストリクチニンを標品として絶対検量線法により定量した。結果を下記表3に示す。
【0051】
【表3】
Figure 0004018435
【0052】
この結果から、ストリクチニンは加熱殺菌によって分解又は沈殿したものと考えることができた。また、茶飲料の製造工程で一般的に行われている加熱殺菌によって飲料中のストリクチニンはほぼ完全に分解するため(UHT殺菌の場合には若干分解されないものがあった。)、通常市販されている茶飲料にはストリクチニンはほとんど含まれないことが分かった。
【0053】
試験4(ストリクチニンの加熱分解試験)
精製ストリクチニン5mgとアスコルビン酸250mgとをイオン交換水に溶かし、イオン交換水と重曹とを用いてpH6.0、500mlに調製し、この調製液を121℃、7分間のレトルト殺菌に供した。
そして、「加熱殺菌前調製液」及び「加熱殺菌後調製液」のそれぞれについて、試験3と同様に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけたところ40分付近にピークが現れた。このピークをLC−MS及びNMRで同定したところ、エラグ酸であることが分かった。結果を図2に示す。
この結果、ストリクチニンをレトルト殺菌すると、エラグ酸を生成するという結果を得ることができた。
【0054】
また、精製ストリクチニン5mgを試験1で得た「HP-20非吸着画分」(Brix0.4)200mlに添加し、イオン交換水と重曹とを用いてpH6.0、500mlに調製した後、この調製液を121℃、7分間のレトルト殺菌に供し、上記同様、「加熱殺菌前調製液」及び「加熱殺菌後調製液」のそれぞれについてHPLCでストリクチニン及びエラグ酸を測定した。この結果を図3に示す。ところが、この場合には「加熱殺菌後調製液」中にエラグ酸はほとんど検出されなかった。これより、茶飲料を加熱殺菌すると、飲料中のストリクチニンが分解してエラグ酸を生成し、このエラグ酸が「HP-20非吸着画分」に含まれる成分と結合して沈殿すなわち二次オリを形成するものと考えることができた。
【0055】
試験5(抽出時pHの比較試験)
酸性水溶液又は塩基性水溶液で茶を抽出した場合のストリクチニン抽出量を比較した。
【0056】
70℃、800mlのイオン交換水(pH5.9)、酸性水溶液又は塩基性水溶液を用意し、これに市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘み1500)20gを添加し、攪拌した後1分毎に攪拌しながら3.5分間抽出した。その後、メッシュ(150メッシュ)で粗濾過し、室温まで冷却し、ネル(50μm)により濾過した。得られた塩基性抽出液及びイオン交換水抽出液にアスコルビン酸0.5gを加え、酸性抽出液は無添加のまま7000rpm、10分の遠心分離にかけ、その上清を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF膜)し、濾液にアスコルビン酸0.5gを加え、更にイオン交換水を用いて最終液量2000mlに調製して調合液を得、当該調合液のストリクチニン濃度を試験3と同様にHPLCで定量した(表4)。
【0057】
なお、上記酸性水溶液は、イオン交換水(pH5.9)800mlにアスコルビン酸0.5gを加えてpH3.4に調製し、塩基性水溶液は、イオン交換水(pH5.9)800mlに重曹0.5gを加えてpH8.5に調製した。
【0058】
【表4】
Figure 0004018435
【0059】
この結果、酸性抽出するとストリクチニン抽出量が多くなることが分かった。
【0060】
試験6(酸性抽出でのストリクチニン抽出量の比較)
イオン交換水(pH5.9)800mlにアスコルビン酸0.5gを添加してpH3.4とし、90℃、70℃、50℃、30℃の各温度で10分間抽出し、試験5の酸性水溶液と同様に調製した調合液を得、当該調合液のストリクチニン濃度を試験3と同様にHPLCで定量した(表5)。
【0061】
【表5】
Figure 0004018435
【0062】
この結果、70℃以上でストリクチニンの抽出量が多いことが分かった。
【0063】
試験7(抽出時間の比較)
イオン交換水(pH5.9)800mlにアスコルビン酸0.5gを添加してpH3.4、抽出時間を3分、5分又は20分間とし、試験5の酸性水溶液と同様に調製した調合液を得、当該調合液のストリクチニン濃度を試験3と同様にHPLCで定量した(表6)。
【0064】
【表6】
Figure 0004018435
【0065】
試験6に示した70℃、10分の抽出と、試験7に示した70℃、20分での抽出は、ストリクチニン濃度の比較で差は見られなかった。従って、試験5から試験7よりストリクチニン抽出量を多くするには70℃以上、pH4.5以下の酸性水溶液で5分以上抽出するのが好ましいと考えられる。
【0066】
試験8(エラグ酸添加試験)
試験1で得た「HP-20非吸着画分」にエラグ酸を添加して沈殿形成を確認した。
【0067】
試験1で得た「HP-20非吸着画分」(Brix0.4)200mlに市販エラグ酸(シグマ社製)2.1mg及びアスコルビン酸250mgを添加し、イオン交換水と重曹とを用いてpH6.0、500mlに調製し、この調製液を121℃、7分間のレトルト殺菌に供し、得られた「エラグ酸+HP-20非吸着画分」溶液を37℃で保管し経時変化を観察した。
また、市販エラグ酸(シグマ社製)2.1mg及びアスコルビン酸250mgをイオン交換水に添加し、イオン交換水と重曹とを用いてpH6.0、500mlに調製し、この調製液を121℃、7分間のレトルト殺菌に供し、得られた「エラグ酸のみ」溶液を上記同様に観察した。
この結果を下記表7に示す。
【0068】
【表7】
Figure 0004018435
【0069】
上記の試験結果を総合して考察すると、茶抽出液中のストリクチニンは加熱殺菌によって分解されてエラグ酸を生成し、このエラグ酸が「HP-20非吸着画分」に含まれる成分と結合することにより茶飲料でフロック状の沈殿物すなわち二次オリを生成することが解明された。
【0070】
試験9(「HP-20非吸着画分」中の沈殿生成に関与する成分の分析)
茶飲料で生成したフロック状の沈殿物(オリ)を塩酸−メタノール処理し、当該沈殿物に含まれるエラグ酸を溶解させて当該沈殿物の成分分析を行った。
【0071】
試験1の方法で製造した茶飲料(「HP-20非吸着画分+HP-20吸着80%メタノール画分」)を5日間、37℃にて保管して沈殿物を生成させ、MSfilter(0.45μm)を用いて当該沈殿物を回収した。次いで当該filterをメタノールで洗浄後、遠心分離にかけて沈殿物を回収し、更に1%塩酸−メタノールで洗浄後、再び遠心分離にかけ風乾した後、SDS−PAGE用サンプルとした。
【0072】
SDS−PAGEで沈殿物に含まれる成分を分析した結果、当該沈殿物中にはタンパク質が多く含まれることが判明した。また、当該沈殿物中の糖質分析を行ったところ、糖質はほとんど検出されなかった。
【0073】
試験10(アミノ酸、タンパク質を用いたモデル試験)
試験管にエラグ酸1mg、下記表8に示す各アミノ酸標品(協和発酵社製)及び牛血清アルビミン(シグマ社製)をそれぞれ表8に示す添加量にて投入し、イオン交換水を加えて10mlにした。その後、121℃、15分の加熱殺菌を行い、室温にて保管して観察した。
また、コントロール(エラグ酸1mgにイオン交換水を加えて10ml溶解したもの)も同様に加熱殺菌及び保管して観察した。
【0074】
【表8】
Figure 0004018435
【0075】
各アミノ酸標品は、室温にて18日間保管するとフロック状の沈殿が観察された。
加熱殺菌前の牛血清アルブミン添加溶液はフロック状の沈殿を生成することはなかったが、加熱殺菌した当該溶液にはフロック状の沈殿の生成が見られた。
以上の結果から、エラグ酸と結合してフロック状の沈殿(二次オリ)を形成する物質は、アミノ酸、ペプチド及びタンパク質であり、これらの成分が加熱処理或いは長期保存によって変性するためフロック状の沈殿を形成するものと考えることができた。
【0076】
試験11(茶中ストリクチニン濃度とオリ形成の相関性1)
14種類の茶葉(静岡産荒茶)のそれぞれについてストリクチニン含有濃度を試験3と同様にHPLCで測定した。
【0077】
原料茶葉中のストリクチニン濃度を測定するために、茶のタンニン定量における公定分析法の測定用試料溶液調製法(農林水産省野菜・茶業試験場「茶の分析法」茶業研究報告 第71号p52(1990))で採用されている「熱水抽出法」によって測定用試料溶液を調製する一方、当該熱水抽出法を酸性熱水抽出に変更した「酸性熱水抽出法(本発明独自の方法)」によっても測定用試料溶液を調製した。
【0078】
熱水抽出法では、緑茶のミル粉砕物0.5gを100mlメスフラスコに秤量し、これを、沸騰イオン交換水約80ml(pH5.9)で10分間、3分毎に攪拌しながら抽出して「熱水抽出液」を得た。
【0079】
他方、酸性熱水抽出法では、緑茶のミル粉砕物0.5gを100mlメスフラスコに秤量し、この緑茶粉砕物を沸騰イオン交換水に0.1%リン酸を添加した水溶液約80ml(pH2.0)で10分間、3分毎に攪拌しながら抽出して「酸性抽出液」を得た。
【0080】
そして、「熱水抽出液」「酸性抽出液」をそれぞれ冷却し、「熱水抽出液」にはイオン交換水(pH5.9)を加え、「酸性抽出液」には前記リン酸添加水溶液を加え、それぞれ全量を100mlとし、これをフィルター(アドバンテック社製No.2フィルター使用)で濾過した後、試験3と同様にHPLCでストリクチニン濃度を測定した。結果は下記表9に示す。
【0081】
また、上記の各茶葉(静岡産荒茶)20gを、それぞれ70℃、800mlのイオン交換水(pH5.9)に添加し、攪拌した後1分毎に攪拌しながら3.5分間抽出を行い、得られた抽出液をメッシュ(150メッシュ)で濾過し、室温まで急冷した後ネル濾過(50μm)した。この抽出液にアスコルビン酸0.4gを添加し、これを7000rpmで10分間遠心分離し、上清を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF膜)し、アスコルビン酸を加えてイオン交換水と重曹とによりアスコルビン酸500ppm、pH6.0、Brix0.1(茶固形量換算0.03)〜0.3(茶固形量換算0.23)に調製し、この調合液中のストリクチニン濃度を試験3と同様にHPLCで測定した。
そして更に、オリ観察用に上記調合液を97℃まで加熱して耐熱広口ビンに充填した後、急冷し、121℃、7分の条件でレトルト殺菌を行い、冷却後に37℃で保管し、経時変化を観察した。結果は下記表9〜表11、図4及び図5に示した。
【0082】
なお、表9中の茶固形量中のストリクチニン固形量比とは、調合液中の全茶固形分に対するストリクチニンの含有割合(%)を示した値である。
表10は、表9のデータを熱水抽出による茶葉中ストリクチニン濃度が高い順に並べ替えた表であり、表11は、表9のデータを酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃度が高い順に並べ替えた表である。
図4は、横軸:熱水抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上に二次オリ発生の有無をプロットしたグラフである。
図5は、横軸:酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上に二次オリ発生の有無をプロットした図である。
【0083】
【表9】
Figure 0004018435
【0084】
【表10】
Figure 0004018435
【0085】
【表11】
Figure 0004018435
【0086】
茶のタンニン定量の公定法で採用されている熱水抽出法ではストリクチニンの抽出量が少なかったが、酸性熱水抽出法によればストリクチニンの抽出量を有効に増加させることができた。しかも、図4及び図5を見ると明らかなように、酸性熱水抽出法による方が二次オリ発生との相関がより一層大きいことが判明した。このような点からすると、原料茶葉中のストリクチニン含有濃度の測定には、酸性熱水抽出法、好ましくはpH2〜4、70〜100℃で行う酸性熱水抽出法を採用するのが好ましいと考えることができる。
【0087】
表10及び図4を見ると、熱水抽出法によって測定した茶中ストリクチニン含有濃度が0.14%以下であれば二次オリをほとんど発生せず、更に茶中ストリクチニン含有濃度が0.10%以下になると二次オリを全く生じないことが分かった。
表11及び図5より、酸性抽出法によって測定した茶中ストリクチニン含有濃度が0.43%以下であれば二次オリをほとんど発生せず、更に茶中ストリクチニン含有濃度が0.37%以下になると二次オリを全く生じないことが分かった。
【0088】
表11より、調合液中のストリクチニン含有量が6ppm以下、より確実には5ppm以下であれば二次オリが発生しないことが判明した。
茶固形分に対するストリクチニン含有量比という観点から考察すると、緑茶飲料の場合、調合液濃度(Brix)約0.2(茶固形量換算0.13)〜0.3(茶固形量換算0.23)が一般的であるから、茶抽出液又は茶調合液中の茶固形分に対するストリクチニン含有量が約0.2〜0.5%、特に約0.2〜0.4%以下となるように管理すれば二次オリの発生を無くすことができる。詳しく言えば、調合液の茶固形分濃度(Brix)によって指標とする茶固形分に対するストリクチニン含有量の上限値を調整するのが好ましく、茶抽出液又は茶調合液の茶固形量換算濃度(Brix)が0.23の場合には0.27%、0.18の場合には0.34%、0.13の場合には0.48%を茶固形分に対するストリクチニン含有量比の上限とするのが好ましい。
【0089】
試験12(茶中ストリクチニン濃度とオリ形成の相関性2)
13種類の中国産釜炒り茶(ジャスミン茶)それぞれについて、ストリクチニン含有濃度を試験3と同様にHPLCで測定し、各茶葉毎に各段階でのストリクチニン濃度を観察結果と共に下記表12に示した。
【0090】
また、上記13種類の各茶葉(中国産釜炒り茶葉(ジャスミン茶))40gを、それぞれ80℃、1000mlのイオン交換水(pH5.9)に添加し、攪拌した後1分毎に攪拌しながら3.5分間抽出を行い、得られた抽出液をメッシュ(150メッシュ)で粗濾過し、室温まで急冷した後ネル濾過(50μm)した。
これを7000rpmで10分間遠心分離し、上清を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF膜)し、アスコルビン酸を加えてイオン交換水と重曹とによりアスコルビン酸500ppm、pH6.0、Brix0.1(茶固形量換算0.03)〜0.3(茶固形量換算0.23)に調製し、この調合液中のストリクチニン濃度を試験3と同様にHPLCで測定した。
そして更に、オリ観察用に調合液を97℃まで加熱して耐熱広口ビンに充填した後、急冷し、121℃、7分の条件でレトルト殺菌を行い、冷却後に37℃で保管し、経時変化を観察した。結果は下記表12〜14、図6及び図7に示した。
【0091】
なお、表12中の茶固形量中のストリクチニン固形量比とは、調合液中の全茶固形分に対するストリクチニンの含有割合(%)を示した値である。
表13は、表12のデータを熱水抽出による茶葉中ストリクチニン濃度が高い順に並べ替えた表であり、表14は、表12のデータを酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃度が高い順に並べ替えた表である。
図6は、横軸:熱水抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオリ発生の有無をプロットしたグラフである。
図7は、横軸:酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオリ発生の有無をプロットした図である。
【0092】
【表12】
Figure 0004018435
【0093】
【表13】
Figure 0004018435
@014
【0094】
【表14】
Figure 0004018435
【0095】
この結果、ジャスミン茶の場合も、茶のタンニン定量の公定法で採用されている熱水抽出法ではストリクチニンの抽出量が少なかったが、酸性熱水抽出法によればストリクチニンの抽出量を有効に増加させることができた。しかも、酸性熱水抽出法による方が二次オリ発生との相関がより一層大きいことが判明した。このような点からすると、ジャスミン茶の場合においても、原料茶葉中のストリクチニン含有濃度の測定は酸性熱水抽出法、例えばpH約4.5以下、約60〜100℃、約5〜60分間、好ましくはpH2.0〜4.0、70〜100℃の酸性熱水で、10〜30分間抽出を行う酸性熱水抽出法を採用するのが好ましいと考えることができる。
【0096】
表13及び図6を見ると、熱水抽出法によって測定した茶中ストリクチニン含有濃度が0.49%以下であれば二次オリをほとんど発生せず、更に茶中ストリクチニン含有濃度が0.33%以下になると二次オリを全く生じないことが分かった。
表14及び図7より、酸性抽出法によって測定した茶中ストリクチニン含有濃度が0.90%以下であれば二次オリをほとんど発生せず、更に茶中ストリクチニン含有濃度が0.61%以下になると二次オリを全く生じないことが分かった。
【0097】
表14より、調合液中のストリクチニン含有量が14ppm以下、より確実には13ppm以下であれば二次オリが発生しないことが判明した。
茶固形分に対するストリクチニン含有量比という観点から考察すると、ジャスミン茶飲料の場合、調合液濃度(Brix)約0.2(茶固形量換算0.13)〜0.3(茶固形量換算0.23)が一般的であるから、茶抽出液又は茶調合液中の茶固形分に対するストリクチニン含有量が約0.5〜1.1%、特に約0.6〜0.8%以下となるように管理すれば二次オリの発生を無くすことができる。詳しく言えば、調合液の茶固形分濃度(Brix)によって指標とする茶固形分に対するストリクチニン含有量の上限値を調整するのが好ましい。茶抽出液又は茶調合液の茶固形量換算濃度(Brix)が0.23の場合には0.62%、0.18の場合には0.80%、0.13の場合には1.11%を茶固形分に対するストリクチニン含有量比の上限とするのが好ましい。
【0098】
試験13(調合液pHのストリクチニン濃度比較試験)
イオン交換水(pH5.9)800mlにアスコルビン酸0.5gを添加してpH3.4とし、70℃に調製した酸性水溶液に市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘み1500)20gを添加し、攪拌した後1分毎に攪拌しながら10分間抽出した。その後、メッシュ(150メッシュ)で濾過し、室温まで冷却し、ネル(50μm)により濾過した。得られた抽出液を7000rpm、10分遠心分離後、その上清を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF膜)し、この濾液をアスコルビン酸、重曹、イオン交換水を用いて各種pHに調製して液量2000mlとした後、それぞれの調合液を121℃、7分間のレトルト殺菌し、その後37℃で保管した。そして、各調合液のストリクチニン濃度を試験3と同様にHPLCで定量した。
【0099】
【表15】
Figure 0004018435
【0100】
表15を見ると、調合液のpHが約6(正確には6.00)以上の場合、レトルト殺菌によって調合液中のストリクチニンは略全てが分解したのに対し、pHが約5(正確には5.04)の場合にはレトルト殺菌前の約20%以上のストリクチニンが保持され、pHが約4.5(正確には4.43)の場合には約60%以上のストリクチニンが保持され、更にpHが約4.0(正確には4.03)の場合には約85%以上のストリクチニンが保持された。これより、レトルト殺菌に供する茶液をpH約4.5以下、好ましくは約4.0以下に調製することにより、レトルト殺菌による茶液中のストリクチニンの分解を抑えてストリクチニン含有量を高く保持できることが分かった。
【0101】
試験14(調合液pHのストリクチニン濃度比較試験)
イオン交換水(pH5.9)800mlにアスコルビン酸0.5gを添加してpH3.4とし、70℃に調製した酸性水溶液に市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘み1500)20gを添加し、攪拌した後1分毎に攪拌しながら10分間抽出した。その後、メッシュ(150メッシュ)で濾過し、室温まで冷却し、ネル(50μm)により濾過した。得られた抽出液を7000rpm、10分遠心分離後、その上清を微細濾過(アドバンテック社製1μmMF膜)し、この濾液をアスコルビン酸、重曹、イオン交換水を用いて各種pHに調製して液量2000mlとした後、それぞれの調合液を90℃でホットパックし、調合液のストリクチニン濃度を試験3と同様にHPLCで定量した。
【0102】
【表16】
Figure 0004018435
【0103】
表16を見ると、茶液のpHが約6(正確には6.00)以上の場合には、ホットパックによってストリクチニン濃度が低下するのに対し、pHが約5(正確には5.04)以下であればホットパックによる影響はほとんど無いことも分かった。
【0104】
試験15(有機溶媒抽出によるストリクチニンの回収)
メタノール又は含水メタノールを用いて茶を抽出した場合のストリクチニン抽出量を測定し比較した。
【0105】
市販の緑茶(仕上茶:伊藤園社製「おーいお茶」高地初摘み1500)のミル粉砕物0.5gを100mlメスフラスコに秤量し、この緑茶粉砕物を表17に示したメタノール或いは含水メタノール80ml(リン酸添加又はリン酸無添加)で60分間、10分毎に攪拌しながら室温で抽出した。なお、リン酸の添加は、メタノール或いは含水メタノールに対して0.1%量のリン酸を添加して調製した。
その後、全量を100mlとし、これをフィルター(アドバンテック社製No.2フィルター使用)で濾過した後、試験3と同様にHPLCでストリクチニン濃度を定量した。結果を下記表17に示す。
【0106】
【表17】
Figure 0004018435
【0107】
この結果、メタノール濃度が低い方が、言い換えれば含水メタノールの含水比率が高い方が抽出液中のストリクチニン含有量が高く、ストリクチニンの回収率が高い傾向を示した。
また、いずれのメタノール濃度においても、リン酸を添加して酸性に調製した場合の方が、抽出液中のストリクチニン濃度は顕著に高くなることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験2(オリの成分分析試験)の作業手順の概略を示した図である。
【図2】 試験4(ストリクチニンの加熱分解試験)において、精製ストリクチニン溶液をレトルト殺菌に供し、「加熱殺菌前調製液」及び「加熱殺菌後調製液」のストリクチニン含有量及びエラグ酸含有量をHPLCで測定した結果を示すグラフである。
【図3】 試験4(ストリクチニンの加熱分解試験)において、試験1で得た「HP-20非吸着画分」に精製ストリクチニンを添加した調製液をレトルト殺菌に供し、「加熱殺菌前調製液」及び「加熱殺菌後調製液」のストリクチニン含有量及びエラグ酸含有量をHPLCで測定した結果を示すグラフである。
【図4】 試験11(茶葉中ストリクチニン濃度とオリ形成の相関性1)において、横軸:熱水抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオリ発生の有無をプロットしたグラフである。
【図5】 試験11において、横軸:酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオリ発生の有無をプロットしたグラフである。
【図6】 試験12(茶葉中ストリクチニン濃度とオリ形成の相関性2)において、横軸:熱水抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオリ発生の有無をプロットしたグラフである。
【図7】 試験12において、横軸:酸性抽出による茶葉中ストリクチニン濃度(重量%)、縦軸:Brix0.3(茶固形量換算0.23)に調製した場合の調合液中ストリクチニン濃度(ppm)からなる座標上にオリ発生の有無をプロットしたグラフである。

Claims (4)

  1. ストリクチニンを含有する植物を酸性熱水、酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒で抽出し、得られたストリクチニン含有物をpH4.5以下に保持して保存することを特徴とするストリクチニン回収方法。
  2. ストリクチニンを含有する植物を酸性熱水、酸性有機溶媒又は酸性含水有機溶媒で抽出し、得られたストリクチニン含有物をpH4.5以下に調整して加熱殺菌し、その後、pH4.5以下に保持して保存することを特徴とする請求項1記載のストリクチニン回収方法
  3. ストリクチニン含有物をpH4.5以下に保持することにより、ストリクチニンの分解を抑えることを特徴とする請求項1又は2に記載のストリクチニン回収方法
  4. 上記抽出は、pH2.0〜5.5、45〜100℃の酸性熱水、又は、pH2.0〜5.5の酸性有機溶媒或いは酸性含水有機溶媒で抽出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のストリクチニン回収方法。
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