JP2021055932A - 冷却装置及び冷却装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却負荷が急変するような場合であっても、温度精度を要求する設備において安定して冷却する。【解決手段】本発明は、圧縮機15に吸い込まれる冷却媒体の圧力値に基づいて圧縮機15をPID制御する制御手段と、蒸発器18の入口側、出口側における冷却媒体の温度により求まる過熱度に基づいて膨張弁17の開度値をPID制御する制御手段と、送風機19により搬送される空気の蒸発器18の出口側温度値に基づいて圧力調整弁20の開度値をPID制御する制御手段と、蒸発器入口、出口空気温度と出口空気の設定温度とを出力できる空気温度出力手段と、第1時刻における蒸発器18による冷却負荷に対して、第2時刻における冷却負荷が所定倍率以上増加しているか否かを判定する判定部により、圧縮器15の出力、膨張弁17の開度値及び調整弁20の開度値をフィードフォワードで補正し、PID制御に戻す補正制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、負荷変動が大きい環境試験室や部品試験室等の試験設備に設置され、冷媒を循環させながら対象空間内の空気と相変化冷媒との熱交換を行う直接膨張冷却方式の冷凍サイクルを行う冷却装置及びその制御方法に関する。
冷却装置における冷却方式として、圧縮器、凝縮器、膨張弁及び蒸発器等を配管で接続した冷凍サイクル内で循環される一次冷却媒体と、該冷凍サイクルとは異なる循環路で循環される二次冷却媒体との間の熱交換を蒸発器にて行い、蒸発器における熱交換により冷却される二次冷却媒体を用いて、二次冷却媒体と空気の熱交換器を内蔵する冷却装置が設置される対象空間内部である設備内の空気を冷却する間接膨張冷却方式(以下、間膨式と称する)が挙げられる(例えば特許文献1参照)。また、この他に、圧縮器、凝縮器、膨張装置、蒸発器及び圧力調整弁等を配管で接続した冷凍サイクル内で循環される冷却媒体(以下、冷媒と称する場合もある)と、冷却装置が設置される対象空間内部である設備内の空気との間の熱交換を蒸発器により行い、該設備内の空気を冷却する直接膨張冷却方式(以下、直膨式と称する)も挙げられる(例えば、特許文献2参照)。直膨式の冷却装置における冷凍サイクルでは、循環される冷却媒体に対して圧縮行程、凝縮(放熱)行程、膨張行程及び蒸発(吸熱)行程というサイクルを行うもので、冷媒は、これら行程によるサイクルによって、気体及び液体の間の相変化を繰り返す。なお、直膨式の冷却装置では、凝縮器における冷媒の凝縮時に発生する熱を対象空間外部の空気に排熱(放熱)する一方で、蒸発器における冷媒の吸熱により設備内の空気を冷却する。したがって、直膨式の冷却装置は、一次冷媒との間で熱交換を行った二次冷媒を用いて空気を冷却する間膨式の冷却装置に比べて、構成が簡易で且つエネルギー効率が高いとされている。また、二次冷却冷媒として氷点下での低温度の場で循環する場合はブラインにするが、適当な温度で腐食性のないブラインの選定に苦労することがあるところ、直膨式の場合は冷媒が固相にならないのでこの心配がない。
ところで、冷却装置を制御する方法としては、例えば特許文献2に開示されているように、蒸発器と圧縮器との間の流路に電子膨張弁を設け、蒸発器に入力される冷媒の温度及び蒸発器から送り出される冷媒の温度から算出される過熱度が目標値になるように電子膨張弁の開度をフィードバック(Feed Back)制御(以下、FB制御と称する)することが一般である。また、この他に、冷媒の蒸発温度と蒸発器出口の冷媒温度との温度差を第1の温度差として求めた後、該第1の温度差と凝縮温度との差を第2の温度差として求め、求めた第2の温度差に対応した電気信号に第1の比例定数の乗算した第1の電気信号、該電気信号を時間について積分した値に第2の比例定数を乗算した第2の電気信号、及び該電気信号を時間について微分した値に第3の比例定数を乗算した第3の電気信号を求め、これらの和に応じて膨張弁をPID(Proportional Integral Differential)制御するフィードバック制御も考案されている(例えば特許文献3参照)。
特開平1−179866号公報 特開2014−119138号公報 特公平6−63668号公報
例えば電子膨張弁の制御をFB制御にて実行する場合、負荷の変動が小さい場合はよいが負荷の変動が大きい場合には、電子膨張弁の開度に伴う過熱度は目標値に対してハンチングし、時間経過とともに目標値に収束していく。したがって、電子膨張弁の開度をFB制御する場合に負荷入力が大きく変動すると、過熱度が安定するまでに時間が掛かり、恒温室など、温度精度を要求する設備には適していない。また、電子膨張弁のフィードバック制御をPID制御にて実行する場合、積分時間を短く設定する、又は微分時間を長く設定してしまうと負荷変動に対して敏感でオフセット補正などを過剰に制御してしまうため、負荷変動が小さくても上記FB制御と同様にハンチングが生じるため、過熱度が安定しなくなる。また、特許文献3においては、冷媒の蒸発温度と凝縮温度との温度差によって第1から第3の比例定数の各々を変更するようにしているが、冷却装置の負荷が急変するような場合には蒸発温度と凝縮温度との温度差は当然大きく変動し、大きなオーバーシュートやオフセットが生じることになる。したがって、この比例項(P)や積分項(I)や微分項(D)を各々工夫したPID制御のFB制御であっても、過熱度が安定するまでに時間が掛かることから、恒温室など、温度精度を要求する設備には適していない。
本発明は、冷却負荷が急変するような場合であっても、温度精度を要求する設備において安定して冷却することができる技術を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の冷却装置は、圧縮器、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び圧力調整弁を配管を用いて順次接続した循環路を有する冷凍サイクルを構成し、前記蒸発器における冷却媒体との間の熱交換により冷却された空気を対象空間へと送風機で送り出す冷却装置において、前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記圧縮器の出力割合値を比例帯にとって求め、求めた前記圧縮器の出力割合値を比例項にして前記圧縮器の出力割合値をPID制御する第1の制御手段と、前記蒸発器の入口側における前記冷却媒体の温度と前記蒸発器の出口側における前記冷却媒体の温度により求まる過熱度に基づいた前記膨張弁の開度値を比例帯にとって求め、求めた前記膨張弁の開度値を比例項にして前記膨張弁の開度値をPID制御する第2の制御手段と、前記送風機により搬送される空気の蒸発器の出口側における送風温度値に基づいた前記圧力調整弁の開度値を比例帯にとって求め、求めた前記圧力調整弁の開度値を比例項にして前記圧力調整弁の開度値をPID制御する第3の制御手段と、送風機により搬送される空気の蒸発器入口空気温度と蒸発器出口空気温度と蒸発器出口空気設定温度それぞれの出力値を出力できる空気温度出力手段と、第1時刻における前記空気温度出力手段からの出力値に基づき演算した前記蒸発器による冷却負荷に対して、前記第1時刻から一定時間経過した第2時刻における前記蒸発器による冷却負荷が所定倍率以上増加しているか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果を受けて、第2時刻の蒸発器による冷却負荷が第1時刻における蒸発器による冷却負荷の倍数に基づいて、前記圧縮器の出力割合値、前記膨張弁の開度値及び前記圧力調整弁の開度値をフィードフォワードにて各々補正し、補正した制御値を各々用いて、前記圧縮器、前記膨張弁及び前記圧力調整弁を制御し、再度、出力割合値や各々の開度値出力をPID制御に戻す補正制御を行う補正制御手段と、を有することを特徴とする。
また、前記判定部は、前記蒸発器の上流側における前記空気の温度変化と、前記蒸発器の下流側における前記空気の温度変化とを乗算することで第1の判定値を求め、求めた第1の判定値が正の値となる場合に、前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定し、前記補正制御手段は、前記判定部により前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定された場合に、前記補正制御を行うことを特徴とする。
また、前記判定部は、前記蒸発器の上流側における前記空気の温度変化と、前記対象空間に送り出される空気の温度と設定温度とを乗算することで第2の判定値を求め、求めた第2の判定値が正の値となる場合に、前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定し、前記補正制御手段は、前記判定部により前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定された場合に、前記補正制御を行うことを特徴とする。
また、前記圧縮器の出力割合値、前記膨張弁の開度値及び前記圧力調整弁の開度値は、偏差の比例成分、偏差の積分成分及び偏差の微分成分の各成分に成分毎の係数を各々乗算し、成分毎の係数を乗算した各成分の値を積算することで求められることを特徴とする。
また、前記冷却サイクルは、前記循環路の他に、前記圧縮器と前記凝縮器との間の配管から分岐し、前記凝縮器と前記圧縮器との間の配管に合流されるバイパス路を有し、前記バイパス路に配置されたバイパス弁と、前記圧縮機に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記バイパス弁の開度値を比例帯にとって求め、求めたバイパス弁の開度値を比例項にして前記バイパス弁の開度値をPID制御する第4の制御手段と、を有し、前記補正制御手段は、前記判定部による判定結果を受けて、前記第2時刻の蒸発器による冷却負荷が第1時刻における蒸発器による冷却負荷の倍数に基づいて、前記バイパス弁の開度値をフィードフォワードにて補正し、補正した開度値を各々用いて、前記バイパス弁を制御し、再度、開度値出力をPID制御に戻す補正制御することを特徴とする。
また、前記バイパス弁の開度値は、偏差の比例成分、偏差の積分成分及び偏差の微分成分の各成分に成分毎の係数を各々乗算し、成分毎の係数を乗算した各成分の値を積算することで求められることが好ましい。
また、前記第1の制御工程において前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記圧縮器の出力割合値の比例帯と、前記第4の制御工程において前記圧縮機に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記バイパス弁の開度値の比例帯とは、制御特性の傾きが逆で、前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値において重ならないことが好ましい。
また、補正した前記制御値は、前記第1時刻における前記蒸発器を通過する空気の風量及び空気の温度の乗算値に対する、前記第2時刻における前記蒸発器を通過する空気の風量及び空気の温度の乗算値の比率を用いて算出されることを特徴とする。
また、本発明の冷却装置の制御方法は、圧縮器、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び圧力調整弁を配管を用いて順次接続した循環路を有する冷凍サイクルを構成し、前記蒸発器における冷却媒体との間の熱交換により冷却された空気を対象空間へと送り出す冷却装置の制御方法において、前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記圧縮器の出力割合値を比例帯にとって求め、求めた前記圧縮器の出力割合値を比例項にして前記圧縮器の出力割合値をPID制御する第1の制御工程と、前記蒸発器の入口側における前記冷却媒体の温度と前記蒸発器の出口側における前記冷却媒体の温度により求まる過熱度に基づいた前記膨張弁の開度値を比例帯にとって求め、求めた前記膨張弁の開度値を比例項にして前記膨張弁の開度値をPID制御する第2の制御工程と、前記送風機により搬送される空気の蒸発器の出口側における送風温度値に基づいた前記圧力調整弁の開度値を比例帯にとって求め、求めた前記圧力調整弁の開度値を比例項にして前記圧力調整弁の開度値をPID制御する第3の制御工程と、送風機により搬送される空気の蒸発器入口空気温度と蒸発器出口空気温度と蒸発器出口空気設定温度それぞれの出力値を出力できる空気温度出力工程と、第1時刻における前記空気温度出力手段からの出力値に基づき演算した前記蒸発器による冷却負荷に対して、前記第1時刻から一定時間経過した第2時刻における前記蒸発器による冷却負荷が所定倍率以上増加しているか否かを判定する判定工程と、前記判定工程による判定結果を受けて、第2時刻の蒸発器による冷却負荷が第1時刻における蒸発器による冷却負荷の倍数に基づいて、前記圧縮器の出力割合値、前記膨張弁の開度値及び前記圧力調整弁の開度値をフィードフォワードにて各々補正し、補正した制御値を各々用いて、前記圧縮器、前記膨張弁及び前記圧力調整弁を制御し、再度出力割合値や各々の開度値出力をPID制御に戻す補正制御を行う補正制御工程と、を有することを特徴とする。
また、前記判定工程は、前記蒸発器の上流側における前記空気の温度変化と、前記蒸発器の下流側における前記空気の温度変化とを乗算することで第1の判定値を求め、求めた第1の判定値が正の値となる場合に、前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定し、前記補正制御工程は、前記判定工程により前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定された場合に、前記補正制御を行うことを特徴とする。
また、前記判定工程は、前記蒸発器の上流側における前記空気の温度変化と、前記対象空間に送り出される空気の温度と設定温度とを乗算することで第2の判定値を求め、求めた第2の判定値が正の値となる場合に、前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定し、前記補正制御工程は、前記判定工程により前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定された場合に、前記補正制御を行うことを特徴とする。
また、前記圧縮器の出力割合値、前記膨張弁の開度値及び前記圧力調整弁の開度値は、偏差の比例成分、偏差の積分成分及び偏差の微分成分の各成分に成分毎の係数を各々乗算し、成分毎の係数を乗算した各成分の値を積算することで求められることを特徴とする。
また、前記冷却サイクルは、前記循環路の他に、前記圧縮器と前記凝縮器との間の配管から分岐し、前記凝縮器と前記圧縮器との間の配管に合流されるバイパス路と、前記バイパス路に配置されたバイパス弁とを有して構成され、前記圧縮機に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記バイパス弁の開度値を比例帯にとって求め、求めたバイパス弁の開度値を比例項にして前記バイパス弁の開度値をPID制御する第4の制御工程をさらに有し、前記判定工程による判定結果を受けて、前記第2時刻の蒸発器による冷却負荷が第1時刻における蒸発器による冷却負荷の倍数に基づいて、前記バイパス弁の開度値をフィードフォワードにて補正し、補正した開度値を各々用いて、前記バイパス弁を制御し、再度、開度値出力をPID制御に戻す補正制御することを特徴とする。
また、前記バイパス弁の開度値は、偏差の比例成分、偏差の積分成分及び偏差の微分成分の各成分に成分毎の係数を各々乗算し、成分毎の係数を乗算した各成分の値を積算することで求められることを特徴とする。
また、前記第1の制御工程において前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記圧縮器の出力割合値の比例帯と、前記第4の制御工程において前記圧縮機に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記バイパス弁の開度値の比例帯とは、制御特性の傾きが逆で、前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値において重ならないことが好ましい。
また、補正した前記制御値は、前記第1時刻における前記蒸発器を通過する空気の風量及び空気の温度の乗算値に対する、前記第2時刻における前記蒸発器を通過する空気の風量及び空気の温度の乗算値の比率を用いて算出されることを特徴とする。
本発明によれば、冷却負荷が急変するような場合であっても、温度精度を要求する設備において安定して冷却することができる。
冷却装置の構成の一例を示す図である。 (a)バイパス弁が閉じているときの冷凍サイクルを示すP−H線図、(b)バイパス弁が開いているときの冷凍サイクルを示すP−H線図である。 制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 (a)バイパス弁の開度及び圧縮器の回転数と、吸込圧力との関係を示すグラフ、(b)過熱度と膨張弁の開度との関係を示すグラフ、(c)送風温度と、圧力調整弁の開度との関係を示すグラフである。 補正値を求める際の関数f(k)をまとめた図である。 冷却装置を用いた冷却時の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の冷却装置10は、圧縮器15、凝縮器16、膨張弁17、蒸発器18、送風機19、圧力調整弁20及びバイパス弁21を含む。冷却装置10は、冷却媒体(冷媒)を循環させる循環路と、該循環路から分岐され、必要に応じて冷媒をバイパスさせるバイパス路とを有する。循環路は、圧縮器15、凝縮器16、膨張弁17、蒸発器18、送風機19及び圧力調整弁20と、これらの機器のうち、隣り合う機器を接続する冷媒配管25,26,27,28,29,30,31とを含む。また、バイパス路は、圧縮器15及び凝縮器16を接続する冷媒配管25から分岐され、バイパス弁21の入力側に接続される冷媒配管32と、バイパス弁21の出力側に接続され、圧力調整弁20及び圧縮器15を接続する冷媒配管31に合流される冷媒配管33とを含む。つまり、本実施形態の冷却装置10においては、圧縮器15が有する駆動モータ(図示省略)の回転数が下限値以上に設定される場合には、上述した循環路にて冷媒が循環される。一方、圧縮器15の回転数が下限値に設定される場合には、上述したバイパス弁21が圧縮器15の吸込圧力に基づいて開き、バイパス路に流れる。以下、圧縮器15の回転数を、圧縮器15の回転数と称する。
したがって、本実施形態の冷却装置10は、圧縮器15、凝縮器16、膨張弁17、蒸発器18、送風機19、圧力調整弁20を含む循環路内、又はバイパス路内に冷媒を循環させることで、冷却装置10が設置される設備内の空気を冷却する冷凍サイクルを形成する。なお、符号34は、蒸発器18に送り込まれる空気の送込ダクト、符号35は、蒸発器18を通過した空気を設備内に送り出す送出ダクトである。
本実施形態では、送風機19を蒸発器18の下流側に設置した場合を例に取り上げるが、送風機19を蒸発器18の上流側に設置することも可能である。
圧縮器15は、蒸発器18からの冷媒を吸い込み、吸い込んだ冷媒を圧縮(断熱圧縮)する(圧縮行程)。
凝縮器16は、圧縮器15からの冷媒が送り込まれる。凝縮器16に送り込まれた冷媒は、外気との間の熱交換により放熱して、冷媒を凝縮(放熱)させる(凝縮行程)。
膨張弁17は、凝縮器16から送り出された冷媒を絞り膨張させる。絞り膨張により、膨張弁17に送り込まれた冷媒は減圧される(膨張行程)。
蒸発器18は、膨張弁17からの冷媒が送り込まれる。蒸発器18に送り込まれた冷媒は、送込ダクトを流れる空気との熱交換により、該空気の熱を吸熱して蒸発する(蒸発行程)。
圧力調整弁20は、蒸発器18からの冷媒が送り込まれる。蒸発器18からの冷媒は、圧力調整弁20により減圧される(減圧行程)。
バイパス弁21は、圧縮器15の駆動時において、圧縮器15の回転数が下限値となる場合に開き、冷媒配管25を流れる冷媒の一部を冷媒配管31に流入させる。
上述した冷媒配管のうち、冷媒配管28は、温度センサ41を有する。温度センサ41は、蒸発器18に送り込まれる直前の冷媒の温度を検出する。
冷媒配管29は、温度センサ42、圧力センサ43を有する。温度センサ42は、蒸発器18から送り出された直後の冷媒の温度を検出する。圧力センサ43は、蒸発器18から送り出された直後の冷媒の圧力を検出する。
冷媒配管30は、温度センサ44を有する。温度センサ44は、圧力調整弁20から送り出された後の冷媒の温度を検出する。
冷媒配管31は、温度センサ45、圧力センサ46を有する。温度センサ45は、圧縮器15に吸い込まれる直前の冷媒の温度を検出する。圧力センサ46は、圧縮器15に吸い込まれる直前の冷媒の圧力を検出する。
冷媒配管33は、温度センサ47を有する。温度センサ47は、バイパス弁20から送り出された後の冷媒の温度を検出する。
また、送込ダクト34は、温度センサ48を有する。温度センサ48は、蒸発器18に送り込まれる前の空気の温度を検出する。また、送出ダクト35は、温度センサ49を有する。温度センサ49は、送風機19に送り出される空気の温度を検出する。なお、符号50は、蒸発器16から送り出された直後の空気の温度を検出する温度センサである。
上述した温度センサ及び圧力センサからの検出信号は、制御装置51に出力される。
制御装置51は、冷却装置10の駆動時に、上述した圧縮器15の駆動制御、膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21の各制御弁の駆動制御の他、送風機19の駆動制御を行う。なお、制御装置51における圧縮器15及び各制御弁の駆動制御については後述する。
上述したように、本実施形態の冷却装置10において、例えばバイパス弁21が閉じている場合、冷媒は循環路内を循環する冷凍サイクルとなる。図2(a)は、バイパス弁21が閉じている場合の(圧力P−比エンタルピーhの)P−H線図である。なお、P−H線図における各符号は、図1に示す冷媒配管を示す。図2(a)に示すように、圧縮器15による圧縮行程(図2(a)中記号A)において、冷媒は加圧されて過熱蒸気となる。次に、凝縮器16による凝縮行程(図2(a)中記号B)において、冷媒は放熱されて過冷却液となる。そして、膨張弁17による膨張行程(図2(a)中記号C)において、冷媒は減圧されて湿り飽和蒸気(液体と気体が混合した状態)となる。そして、蒸発器18による蒸発行程(図2(a)中記号D)により、冷却媒体は吸熱し過熱蒸気となる。最後に、圧力膨張弁17による減圧行程(図2(a)中記号E)において冷媒は減圧される。
一方、バイパス弁21が開いている場合、圧縮器15から送り出された冷媒は、凝縮器16に向けて流れる冷媒の一部が、バイパス路に送り込まれる。したがって、冷媒は循環路だけでなく、バイパス路を循環する冷凍サイクルとなる。図2(b)は、バイパス弁21が開いている場合のP−H線図である。この冷凍サイクルでは、凝縮行程、膨張行程、蒸発行程及び減圧行程は、バイパス弁21が開いている場合と同一である。バイパス弁21が開いている場合、圧力調整弁20から送り出された冷媒は、バイパス弁21から送り出された冷媒(バイパス路を介して流れる冷媒)と合流する点でバイパス弁21が閉じている場合と相違する。例えば、圧縮器15の回転数が下限値で固定されている場合、バイパス弁21から送り出された冷媒は、高温・低圧の過熱蒸気である(図2(b)中符号33)。一方、圧力膨張弁17により減圧された冷媒は、低温・低圧の過熱蒸気である(図2(b)中符号30)。このとき、バイパス弁21から送り出された冷媒の圧力と、圧力調整弁20により減圧された冷媒の圧力は同一値である。したがって、圧力調整弁20により減圧された冷媒にバイパス弁21から送り出された冷媒が合流されることで、合流後の冷媒の温度は低下する(図2(b)中符号31)。なお、冷媒の温度は、例えばバイパス弁21から送り出された冷媒の質量流量と、圧力調整弁20により減圧された冷媒の質量流量とに基づいて求められる。
上述した冷却装置10における、蒸発器の空気側熱負荷が急変する、つまり負荷変動の大きな場合のフィードフォワード制御の基本原理について説明する。
冷凍サイクルは、過熱度又は圧縮器15における吸込圧力を一定となるように制御することが一般的である。冷却装置10を駆動したときの冷却負荷は、冷媒の質量流量に比例する。例えば冷却負荷をW(kW)、循環路における冷媒の質量流量をQ(kg/sec)とした場合、(1)式で表される。
W ∝ Q ・・・(1)
したがって、一定時間Δt(sec)経過した時間t(sec)における冷却負荷Wが一定時間Δt経過する前の冷却負荷のα倍となるとき、過熱度や圧縮器15における吸込圧力を変動させていなければ、蒸発器18における冷媒の質量流量は、以下の式(2)に示すように、α倍となる。
m(t)=α・Qm(t−Δt) ・・・(2)
ここで、αは以下の式(3)にて求めることができる。なお、式(3)における記号Vは蒸発器18を通過する風量(単位:m/sec)、記号Tは温度(単位:℃)である。また、記号ΔTは、蒸発器18の前後の空気の温度差(単位:℃)である。
Figure 2021055932
なお、蒸発器18を通過する風量が一定であれば、上記式(3)における風量Vは、考慮する必要はない。
例えばバイパス弁21が閉じ、圧縮器15の回転数を制御している場合を考慮する。この場合、圧縮器15、膨張弁17、圧力調整弁20を通過する冷媒の質量流量は、蒸発器18を通過する冷媒の質量流量と同一である。したがって、圧縮器15、膨張弁17、圧力調整弁20における冷媒の質量流量は以下の式(4−1)、式(4−2)及び式(4−3)となる。以下、圧縮器15、膨張弁17、圧力調整弁20に対する記号をco、ex、epとする。
co(t)=α・Qco(t−Δt) ・・・(4−1)
ex(t)=α・Qex(t−Δt) ・・・(4−2)
ep(t)=α・Qep(t−Δt) ・・・(4−3)
一方、バイパス弁21の開度制御と、圧縮器15の回転数とを制御している場合を考慮する。この場合、膨張弁17、圧力調整弁20を通過する冷媒の質量流量は、蒸発器18を流れる冷媒の質量流量と同一である。また、バイパス弁21を通過する冷媒の質量流量は、圧縮器15を流れる冷媒の質量流量と、蒸発器18を流れる冷媒の質量流量との差となる。したがって、膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21における冷媒の質量流量Qex(t)、Qep(t)、Qb(t)は以下の式(5−1)、式(5−2)及び式(5−3)となる。ここで、バイパス弁21における冷媒の質量流量は、バイパス路における冷媒の質量流量と同一である。したがって、バイパス弁21における冷媒の質量流量をQb(t)としている。
ex(t)=α・Qex(t−Δt) ・・・(5−1)
ep(t)=α・Qep(t−Δt) ・・・(5−2)
b(t)={γ・(1−α)+1}・Qb(t−Δt) ・・・(5−3)
ここで、記号γは、蒸発器18を流れる冷媒の質量流量と、バイパス弁21を流れる冷媒の質量流量との比率である。
例えば比率γは、以下に求められる。
例えば圧縮器15の回転数が下限値で駆動している場合を考慮する。このとき、圧縮器15における冷媒の質量流量が一定であると仮定すると、以下の式(6)、式(7)で表される。なお、冷媒の質量流量Qは、バイパス路を流れる冷媒の質量流量である。
co=Qm(t―Δt)+Qb(t−Δt) ・・・(6)
co=Qm(t)+Qb(t) ・・・(7)
したがって、式(6)及び式(7)から以下の式(8)が得られる。
b(t)=Qm(t―Δt)−Qm(t)+Qb(t−Δt) ・・・(8)
式(8)において、バイパス弁21を流れる冷媒の質量流量の比率を求める式に変換することで、以下の式(9)が得られる。
Figure 2021055932
ここで、式(9)における係数α及び係数γは、以下の式(10)で表される。
Figure 2021055932
したがって、バイパス弁21における冷媒の質量流量Qb(t)は、式(9)を用いることで、上述した式(5−3)として求められる。
ところで、上述した係数γは、蒸発器18における冷媒の質量流量と、バイパス弁21における冷媒の質量流量との比率である。比率γは比エンタルピーh(J/kg)の比率でも表すことができる。さらに、過熱度の変化が大きくない場合、比エンタルピーhと温度Tとは比例関係にある。したがって、係数γは、以下の式(11)に示すように、近似的に温度の比率でも表すことができる。ここで、エンタルピーh30,h31,h33は、冷媒配管30,31,33の内部におけるエンタルピーである。また、温度T30,T31,T33は、冷媒配管30,31,33の内部における温度を示す。
Figure 2021055932
ここで、圧縮器15において、吸込圧力が一定であるとき、式(12)に示すように、駆動モータの回転数R(rpm)と冷媒の質量流量は比例する。
R ∝ Qco ・・・(12)
また、各制御弁において、前後の圧力が同一であれば、制御弁のCv値は、以下の式(13−1)、式(13−2)及び式(13−3)に示すように、質量流量と比例する。
Cvex ∝ Qex ・・・(13−1)
Cvep ∝ Qep ・・・(13−2)
Cvbv ∝ Qbv ・・・(13−3)
したがって、蒸発器18における冷媒の質量流量がα倍となる場合、以下の式(14−1)、式(14−2)及び式(14−3)が成立する。なお、以下の式において、圧縮器15の回転数(詳細には、圧縮器が有する駆動モータの回転数)を記号Rとしている。
(t)=α・R(t−Δt) ・・・(14−1)
Cvex(t)=α・Cvex(t−Δt) ・・・(14−2)
Cvep(t)=α・Cvep(t−Δt) ・・・(14−3)
Cvbv(t)={γ・(1−α)+1}・Cvbv(t−Δt)・・・(14−4)
なお、式(14−1)は、バイパス弁21が閉じている場合に成立する。また、式(14−4)は、圧縮器15の回転数が下限値である場合に成立する。
ここで、冷却装置10に用いられる膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21等の制御弁について考慮する。制御弁としては、リニア特性の制御弁の他、イコールパーセント特性の制御弁が挙げられる。
例えば、制御弁がリニア特性の制御弁の場合、制御弁の開度とCv値との関係は、以下の式(15)で表される。
Figure 2021055932
上述した式(15)における記号Cvは、制御弁の定格値に対するCVの値を示す。また、記号φは、制御弁の定格値に対する制御弁の開度、記号φは、制御弁の締切値に対する制御弁の開度である。
また、制御弁がイコールパーセント特性の制御弁の場合、制御弁の開度とCv値との関係は、以下の式(16)で表される。
Figure 2021055932
上述した式(16)における記号Raは、制御弁のレンジアビリティである。
膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21がリニア特性の制御弁となる場合、各制御弁の開度は、以下の式(17−1)、式(17−2)及び式(17−3)で表される。
Figure 2021055932
一方、膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21がイコールパーセント特性の制御弁となる場合、各制御弁の開度は、以下の式(18−1)、式(18−2)及び式(18−3)で表される。
Figure 2021055932
したがって、各制御弁の開度は、制御弁が有する特性に基づいて、上述した式(17)又は式(18)のいずれか一方により求めることが可能となる。
このように、蒸発器18における冷却負荷Wについて、一定時間Δt(sec)経過した時間t(sec)における冷却負荷Wが一定時間Δt経過する前の冷却負荷のα倍となるとき、短時間で変化すると上記の各仮定が生きてきて、膨張弁17や圧力調整弁20やバイパス弁21という制御弁のCv値の関係式で、もっと進めると制御弁の特性から導ける膨張弁17や圧力調整弁20やバイパス弁21の開度を冷却負荷のα倍の倍数から導けるので、その開度をフィードフォワード制御に利用すると、FB制御より早く近い制御点へ持っていけることがわかる。
そして、膨張弁17や圧力調整弁20やバイパス弁21の開度を冷却負荷のα倍の倍数から導くだけでなく、圧縮機15も、蒸発器18における冷却負荷Wについて一定時間Δt(sec)経過した時間t(sec)における冷却負荷Wが一定時間Δt経過する前の冷却負荷のα倍となるときに、質量流量を式(4−1)の関係から導き、その流量をフィードフォワード制御することが好ましい。
図3に示すように、制御装置51は、CPU55、ROM56及びRAM57を含む。CPU55は、ROM56に記憶された制御プログラム58を実行することで、第1制御部61、第2制御部62、第3制御部63、第4制御部64、第5制御部65及び判定部66の機能を有する。
第1制御部61は、圧縮器15の回転数をPID(Proportional Integral Differential)制御により駆動制御する。なお、PID制御については後述する。第1制御部61は、圧力センサ46の出力信号から得られる圧力値(吸込圧力)Pcoと目標圧力値Pとの偏差を用いた演算を行い、得られる圧力値としての入力値を回転数としての入力値に変換する。つまり、圧縮器15に吸い込まれる冷却媒体の圧力値Pcoに基づいた圧縮器15の出力割合値(%)を比例帯にとって求め、求めた圧縮器の出力割合値(%)を比例項にして圧縮器の出力割合値(%)をPID制御するのである。図4(a)に示すように、例えば、第1制御部61は、圧力センサ46の出力信号から得られる圧力値Pcoが所定の圧力値P1未満であれば、回転数は下限値Rが入力値となる。また、圧縮器15への吸込圧力値が所定の圧力値P1以上であれば、圧力値Pcoと圧縮器15の回転数とは一次関数で表すことができ、圧縮器15への吸込圧力値が大きくなると、圧縮器15の回転数は高くなる。
第2制御部62は、膨張弁17の開度をPID制御により駆動制御する。第2制御部62は、温度センサ41の出力信号から得られる温度Tin及び温度センサ42の出力信号から得られる温度Tev、との差分から過熱度SHexを求める。そして、求めた過熱度SHexと目標となる過熱度SHとの偏差を用いた演算を行って、膨張弁17の開度を求める。つまり、蒸発器18の入口側における冷却媒体の温度センサ41の温度値Tinと蒸発器18の出口側における冷却媒体の温度センサ42の温度値Tevとにより求まる過熱度SHexに基づいた膨張弁17の開度値を比例帯にとって求め、求めた膨張弁17の開度値を比例項にして膨張弁17の開度値をPID制御するのである。なお、図4(b)に示すように、膨張弁17の開度と過熱度SHexは比例帯にとれる一次関数で表すことができ、膨張弁17の開度が大きくなると、過熱度SHexも大きくなる。なお、図4(b)に示すように、膨張弁17の開度と過熱度SHexは一次関数で表すことができ、膨張弁の開度が大きくなると、過熱度SHexも大きくなる。
第3制御部63は、圧力調整弁20の開度をPID制御により駆動制御する。第3制御部63は、温度センサ49の出力信号から得られる温度Tsaと設定温度Tとの偏差を用いた演算を行い、得られた入力値(温度)を圧力値に変換する。そして、第3制御部63は、変換により得られた圧力値と、圧力センサ43の出力信号から得られる圧力Pepとの偏差を用いた演算を行って、圧力調整弁20の開度を求める。つまり、送風機19により搬送される空気の蒸発器18の出口側における送風温度センサ49の送風温度Tsaに基づいた圧力調整弁20の開度値を比例帯にとって求め、求めた圧力調整弁20の開度値を比例項にして圧力調整弁20の開度値をPID制御するのである。なお、図4(c)に示すように、圧力調整弁20の開度と送風温度Tsaは比例帯にとれる比例関係にあり、圧力調整弁20の開度が大きくなると、送風温度Tsaも高くなる。
第4制御部64は、バイパス弁21の開度をPID制御により駆動制御する。第4制御部64は、圧力センサ46の出力信号から得られる圧力値(吸込圧力)Pcoと目標圧力値Pとの偏差を用いた演算を行い、得られる圧力値としての入力値をバイパス弁21の開度値としての入力値に変換し求める。そして、第4制御部64は、算出した差分と、目標となる差分との偏差を用いた演算を行って、バイパス弁21の開度を求める。つまり、圧力センサ46の出力信号から得られる圧縮機15に吸い込まれる冷却媒体の圧力値Pcoに基づいたバイパス弁21の開度値を比例帯にとって求め、求めたバイパス弁21の開度値を比例項にしてバイパス弁21の開度値をPID制御するのである。バイパス弁21は、圧縮器15における吸込圧力が所定の圧力値P1以下となる場合に開く。なお、吸込圧力Pcoとバイパス弁の開度とは一次関数で表すことができ、吸込圧力Pcoが大きくなるにしたがい、バイパス弁21の開度が小さくなる。
上述したように、第1制御部61、第2制御部62、第3制御部63及び第4制御部64は、圧縮器15、膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21をPID制御する。PID制御は、制御対象となる装置の出力値(検出値)と目標出力値との偏差の比例成分、該偏差の積分成分及び該偏差の微分成分に、各成分に対応付けられた係数を各々乗算した後、乗算した値を積算した値を入力値として対象となる装置を制御するものである。具体的には、PID制御では、以下の式(19)が用いられる。なお、式(19)におけるe(t)は、制御対象となる装置の出力値(検出値)と目標出力値との偏差である。
Figure 2021055932
ここで、係数K、係数K及び係数Kであり、これら係数は、冷却装置10における冷却負荷が安定している条件下で制御が安定するように決定される。詳細には、これら係数は、冷却装置10を実際に駆動させたときの制御結果から求められる。
第5制御部65は、後述する判定部66の判定結果に基づいて機能する。第5制御部65は、例えば、後述する判定部66において、冷却負荷が大きいと判定された場合に、つまり、蒸発器18における冷却負荷Wについて、一定時間Δt(sec)経過した時間t(sec)における冷却負荷Wが一定時間Δt経過する前の冷却負荷のα倍となるときαの値が大きく、短時間で変化すると膨張弁17や圧力調整弁20やバイパス弁21という制御弁のCv値の関係式で、もっと進めると制御弁の特性から導ける膨張弁17や圧力調整弁20やバイパス弁21の開度を冷却負荷のα倍の倍数から導けるので、その開度をフィードフォワード制御として補正入力値として直接操作器である圧縮器15の回転数、膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21の各制御弁の開度の補正値を装置毎に入力する。
ここで、補正制御が機能したときの補正入力値uALL(t)は、PID制御で求められる入力値をuPID(t)、補正値をuFF(t)とした場合、以下の式(20)にて求められる。
Figure 2021055932
また、補正値uFF(t)を求める式は、以下の式(21)である。
Figure 2021055932
図5に示すように、式(21)におけるf(k)は、補正値を求める制御弁の種類や、使用する制御弁の特性に合わせて選択される。
判定部66は、冷却装置10における冷却負荷が大きいか否かの判定を行う。この判定は、一定時間(Δt)経過するたびに実行される。なお、Δtは、例えば1〜10(sec)に設定される。
判定部66は、蒸発器18の上流側の温度(温度センサ48の検出信号から得られる温度)Teiの時間変化、蒸発器18の下流側の温度(温度センサ50の検出信号から得られる温度)Teoの時間変化から判定値D1(kΔt)を求める。また、判定部66は、蒸発器18の上流側の温度(温度センサ48の検出信号から得られる温度)Teiの時間変化と、送出ダクト35の内部の温度(温度センサ49の検出信号から得られる温度)Tsaと設定温度Tsaspとの差から判定値D2(kΔt)を求める。なお、判定値D1(kΔt)、D2(kΔt)を求める式は、以下の式(22)及び式(23)となる。
Figure 2021055932
なお、本実施形態では、送風機19が蒸発器18の下流側にあるため、温度センサ50にて温度Teoを、温度センサ49にて温度Tsaを検出しているが、送風機19が蒸発器18の上流側に配置される場合には、温度Teo及び温度Tsaは同値となる。したがって、送風機19が蒸発器18の上流側に配置される場合には、1つの温度センサを配置することが可能である。
判定部66は、算出した判定値D1(kΔt)、D2(kΔt)に基づいて、冷却装置10における冷却負荷が大きいか否かの判定を行う。なお、判定部66は、判定値D1(kΔt)を用いた判定を行って、必要に応じて、判定値D2(kΔt)を用いた判定を行う。
例えば判定値D1(kΔt)が0以上となる場合、所定時間Δt経過したときの蒸発器18の上流側の温度Teiの時間変化、及び蒸発器18の下流側の温度Teoの時間変化の両方が、正又は負であることを示している。言い換えれば、所定時間Δt経過したときの蒸発器18の上流側の温度Teiの時間変化、及び蒸発器18の下流側の温度Teoの時間変化において、これら温度が上昇、又は下降していることを示している。つまり、例えば冷却負荷が増加した場合には、蒸発器18の上流側の温度Teiが上昇する。また、蒸発器18を通過することにより空気が冷却されるが、蒸発器18の下流側の温度Teoも上昇する。したがって、この場合には、判定部66は、上述した補正制御を行う必要があると判断する。
一方、判定値D1(kΔt)が0未満となる場合、所定時間Δt経過したときの蒸発器18の下流側の温度Teoの時間変化が負であることを示している。言い換えれば、冷却装置10における冷却負荷が減少し、蒸発器18の下流側の温度Teoが下降していることを示している。つまり、冷却負荷が減少している場合には、判定部66は、上述した補正制御を行う必要がないと判断する。なお、この場合には、PID制御のみが実行される。
また、判定値D2(kΔt)が0以上となる場合、所定時間Δt経過したときの蒸発器18の上流側の温度Teiの時間変化、及び送出ダクト35の内部の温度Tsaと設定温度Tsaspとの差の両方が正、又は負であることを示している。言い換えれば、所定時間Δt経過したときの蒸発器18の上流側の温度Teiの時間変化、及び送風ダクト35の内部の温度Tsaと設定温度Tsaspとの差において、温度が上昇、又は下降していることを示している。例えば冷却負荷が増加した場合、蒸発器18の上流側の温度Teiは上昇する。また、送風ダクト35の内部の温度は設定温度Tsaspよりも高い。したがって、この場合には、判定部66は、上述した補正制御を行う必要があると判断する。
一方、蒸発器18の上流側の温度Teiは上昇するが、送風ダクト35の内部の温度Tsaが設定温度Tsaspよりも低い場合もある。この場合には、判定値D2(kΔt)は0未満となる。したがって、判定部66は、上述した補正制御を行う必要がないと判断する。なお、この場合には、フィードフォワード制御は実行されずPID制御のみが実行される。
次に、本実施形態の冷却装置10の制御方法について、図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、図6に示すフローチャートは、既に冷却装置10における冷却条件が設定されていることを前提としている。なお、冷却条件は、図示を省略した操作パネルにて実行され、操作パネルによる操作に基づいて、圧縮器15、各制御弁の駆動条件が設定される。
ステップS101は、圧縮器15及び各制御弁をPID制御にて駆動制御する処理である。制御装置51は、圧縮器15、膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21をPID制御にて駆動制御する。
ステップS102は、所定時間(Δt)経過したか否かを判定する処理である。制御装置51は、図示を省略したタイマ機能を有しており、時間Δt経過したか否かを判定する。例えば、時間Δt経過している場合には、制御装置51は、ステップS102の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS103に進む。一方、時間Δt経過していない場合には、制御装置51は、ステップS102の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS109に進む。
ステップS103は、判定値D1(kΔt)、D2(kΔt)を求める処理である。制御装置51は、上述した式(22)及び式(23)を用いて、判定値D1(kΔt)及び判定値D2(kΔt)を求める。
ステップS104は、判定値D1(kΔt)≧0であるか否かを判定する処理である。ステップS103にて求めた判定値D1(kΔt)が、D1(kΔt)≧0となる場合には、ステップS104の判定処理の結果はYesとなる。この場合、ステップS105に進む。
一方、ステップS103にて求めた判定値D1(kΔt)が、D1(kΔt)<0となる場合には、ステップS104の判定処理の結果はNoとなる。この場合、ステップS101に戻る。したがって、D1(kΔt)<0となる場合には、圧縮器15及び各制御弁が引き続きPID制御により駆動制御される。
ステップS105は、判定値D2(t)≧0であるか否かを判定する処理である。ステップS103にて求めた判定値D2(kΔt)が、D2(kΔt)≧0となる場合には、ステップS105の判定処理の結果はYesとなる。この場合、ステップS106に進む。
一方、ステップS103にて求めた判定値D2(kΔt)が、D2(kΔt)<0となる場合には、ステップS105の判定処理の結果はNoとなる。この場合、ステップS101に戻る。したがって、D2(kΔt)<0となる場合にも、圧縮器15及び各制御弁が引き続きPID制御により駆動制御される。
ステップS106は、補正入力値を算出する処理である。まず、制御装置51は、係数α及び係数γを求める。係数α及び係数γを求めた後、制御装置51は、上述した式(20)を用いて、補正入力値を求める。なお、補正入力値は、圧縮器15の回転数及び各制御弁の開度に対して算出される。
ステップS107は、補正入力値を用いた圧縮器15及び各制御弁の駆動制御を行う処理である。制御装置51は、ステップS106により算出した補正入力値を用いて、圧縮器15、膨張弁17、圧力調整弁20及びバイパス弁21を駆動制御する。
ステップS108は、所定時間(Δt)経過したか否かを判定する処理である。制御装置51は、図示を省略したタイマ機能を有しており、時間Δt経過したか否かを判定する。例えば、時間Δt経過している場合には、制御装置51は、ステップS108の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS103に戻る。一方、時間Δt経過していない場合には、制御装置51は、ステップS108の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS110に進む。
上述したステップS102の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS109に進む。
ステップS109は、冷却装置10の運転を停止するか否かを判定する処理である。制御装置51が冷却装置10の運転を停止する信号を受けたときには、制御装置51は、ステップS109の判定結果をYesとする。この場合、図に示すフローチャートの処理が終了する。つまり、冷却装置10の駆動が停止する。一方、制御装置51が冷却装置10の運転を停止する信号を受けていないときには、制御装置51は、ステップS109の判定結果をNoとする。この場合、ステップS101に戻る。つまり、この場合には、冷却装置10は、引き続きPID制御により駆動制御される。
上述したステップS108の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS110に進む。
ステップS110は、冷却装置10の運転を停止するか否かを判定する処理である。制御装置51が冷却装置10の運転を停止する信号を受けたときには、制御装置51は、ステップS110の判定結果をYesとする。この場合、図に示すフローチャートの処理が終了する。つまり、冷却装置10の駆動が停止する。一方、制御装置51が冷却装置10の運転を停止する信号を受けていないときには、制御装置51は、ステップS110の判定結果をNoとする。この場合、ステップS107に戻る。つまり、この場合には、冷却装置10は、引き続き入力補正値を用いて圧縮器15及び各制御弁の駆動制御が実行される。
このように、冷却装置は、冷却負荷の変動が小さい(係数α≒1)ときには、圧縮器及び各制御弁はPID制御により制御される。一方、冷却負荷の変動が大きくなると、冷却装置は、補正制御を実行する。なお、補正制御は、PID制御により得られる入力値に補正値を加算した補正入力値を用いて実行される。この補正制御は、冷却負荷の変動を抑制するように働くので、恒温室などの温度精度が要求される設備において安定した冷却による安定した温度管理を行うことが可能となる。
また、補正制御の際に求める補正値は、PID制御において使用するパラメータを用いているので、新たなパラメータを用いることはなく、また、新たなパラメータに伴う設定項目の追加もない。
本実施形態では、圧縮器の回転数、各制御弁の開度は、制御装置におけるPID制御により制御されているが、これらの制御は、PID制御に限定される必要はなく、PD制御にて行うことも可能である。
本実施形態では、圧縮器、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び圧力膨張弁を配管で接続した循環路の他に、バイパス路を設けた冷凍サイクルを構成した冷却装置を例に取り上げているが、バイパス路の構成を省略した冷凍サイクルであっても、本発明を実施することも可能である。
10…冷却装置、15…圧縮器、16…凝縮器、17…膨張弁、18…蒸発器、19…送風機、20…圧力膨張弁、21…バイパス弁、41,42,44,45,47,48,49,50…温度センサ、43,46…圧力センサ、51…制御装置

Claims (16)

  1. 圧縮器、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び圧力調整弁を配管を用いて順次接続した循環路を有する冷凍サイクルを構成し、前記蒸発器における冷却媒体との間の熱交換により冷却された空気を対象空間へと送風機で送り出す冷却装置において、
    前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記圧縮器の出力割合値を比例帯にとって求め、求めた前記圧縮器の出力割合値を比例項にして前記圧縮器の出力割合値をPID制御する第1の制御手段と、
    前記蒸発器の入口側における前記冷却媒体の温度と前記蒸発器の出口側における前記冷却媒体の温度により求まる過熱度に基づいた前記膨張弁の開度値を比例帯にとって求め、求めた前記膨張弁の開度値を比例項にして前記膨張弁の開度値をPID制御する第2の制御手段と、
    前記送風機により搬送される空気の蒸発器の出口側における送風温度値に基づいた前記圧力調整弁の開度値を比例帯にとって求め、求めた前記圧力調整弁の開度値を比例項にして前記圧力調整弁の開度値をPID制御する第3の制御手段と、
    送風機により搬送される空気の蒸発器入口空気温度と蒸発器出口空気温度と蒸発器出口空気設定温度それぞれの出力値を出力できる空気温度出力手段と、
    第1時刻における前記空気温度出力手段からの出力値に基づき演算した前記蒸発器による冷却負荷に対して、前記第1時刻から一定時間経過した第2時刻における前記蒸発器による冷却負荷が所定倍率以上増加しているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部による判定結果を受けて、第2時刻の蒸発器による冷却負荷が第1時刻における蒸発器による冷却負荷の倍数に基づいて、前記圧縮器の出力割合値、前記膨張弁の開度値及び前記圧力調整弁の開度値をフィードフォワードにて各々補正し、補正した制御値を各々用いて、前記圧縮器、前記膨張弁及び前記圧力調整弁を制御し、再度、出力割合値や各々の開度値出力をPID制御に戻す補正制御を行う補正制御手段と、
    を有することを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置において、
    前記判定部は、前記蒸発器の上流側における前記空気の温度変化と、前記蒸発器の下流側における前記空気の温度変化とを乗算することで第1の判定値を求め、求めた第1の判定値が正の値となる場合に、前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定し、
    前記補正制御手段は、前記判定部により前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定された場合に、前記補正制御を行うことを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項2に記載の冷却装置において、
    前記判定部は、前記蒸発器の上流側における前記空気の温度変化と、前記対象空間に送り出される空気の温度と設定温度とを乗算することで第2の判定値を求め、求めた第2の判定値が正の値となる場合に、前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定し、
    前記補正制御手段は、前記判定部により前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定された場合に、前記補正制御を行うことを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却装置において、
    前記圧縮器の出力割合値、前記膨張弁の開度値及び前記圧力調整弁の開度値は、偏差の比例成分、偏差の積分成分及び偏差の微分成分の各成分に成分毎の係数を各々乗算し、成分毎の係数を乗算した各成分の値を積算することで求められることを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却装置において、
    前記冷却サイクルは、前記循環路の他に、前記圧縮器と前記凝縮器との間の配管から分岐し、前記凝縮器と前記圧縮器との間の配管に合流されるバイパス路を有し、
    前記バイパス路に配置されたバイパス弁と、
    前記圧縮機に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記バイパス弁の開度値を比例帯にとって求め、求めたバイパス弁の開度値を比例項にして前記バイパス弁の開度値をPID制御する第4の制御手段と、
    を有し、
    前記補正制御手段は、前記判定部による判定結果を受けて、前記第2時刻の蒸発器による冷却負荷が第1時刻における蒸発器による冷却負荷の倍数に基づいて、前記バイパス弁の開度値をフィードフォワードにて補正し、補正した開度値を各々用いて、前記バイパス弁を制御し、再度、開度値出力をPID制御に戻す補正制御することを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項5に記載の冷却装置において、
    前記バイパス弁の開度値は、偏差の比例成分、偏差の積分成分及び偏差の微分成分の各成分に成分毎の係数を各々乗算し、成分毎の係数を乗算した各成分の値を積算することで求められることを特徴とする冷却装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の冷却装置において、
    前記第1の制御手段において前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記圧縮器の出力割合値の比例帯と、前記第4の制御手段において前記圧縮機に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記バイパス弁の開度値の比例帯とは、制御特性の傾きが逆で、前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値において重ならないことを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の冷却装置において、
    補正した前記制御値は、前記第1時刻における前記蒸発器を通過する空気の風量及び空気の温度の乗算値に対する、前記第2時刻における前記蒸発器を通過する空気の風量及び空気の温度の乗算値の比率を用いて算出されることを特徴とする冷却装置。
  9. 圧縮器、凝縮器、膨張弁、蒸発器及び圧力調整弁を配管を用いて順次接続した循環路を有する冷凍サイクルを構成し、前記蒸発器における冷却媒体との間の熱交換により冷却された空気を対象空間へと送り出す冷却装置の制御方法において、
    前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記圧縮器の出力割合値を比例帯にとって求め、求めた前記圧縮器の出力割合値を比例項にして前記圧縮器の出力割合値をPID制御する第1の制御工程と、
    前記蒸発器の入口側における前記冷却媒体の温度と前記蒸発器の出口側における前記冷却媒体の温度により求まる過熱度に基づいた前記膨張弁の開度値を比例帯にとって求め、求めた前記膨張弁の開度値を比例項にして前記膨張弁の開度値をPID制御する第2の制御工程と、
    前記送風機により搬送される空気の蒸発器の出口側における送風温度値に基づいた前記圧力調整弁の開度値を比例帯にとって求め、求めた前記圧力調整弁の開度値を比例項にして前記圧力調整弁の開度値をPID制御する第3の制御工程と、
    送風機により搬送される空気の蒸発器入口空気温度と蒸発器出口空気温度と蒸発器出口空気設定温度それぞれの出力値を出力できる空気温度出力工程と、
    第1時刻における前記空気温度出力手段からの出力値に基づき演算した前記蒸発器による冷却負荷に対して、前記第1時刻から一定時間経過した第2時刻における前記蒸発器による冷却負荷が所定倍率以上増加しているか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程による判定結果を受けて、第2時刻の蒸発器による冷却負荷が第1時刻における蒸発器による冷却負荷の倍数に基づいて、前記圧縮器の出力割合値、前記膨張弁の開度値及び前記圧力調整弁の開度値をフィードフォワードにて各々補正し、補正した制御値を各々用いて、前記圧縮器、前記膨張弁及び前記圧力調整弁を制御し、再度出力割合値や各々の開度値出力をPID制御に戻す補正制御を行う補正制御工程と、
    を有することを特徴とする冷却装置の制御方法。
  10. 請求項9に記載の冷却装置の制御方法において、
    前記判定工程は、前記蒸発器の上流側における前記空気の温度変化と、前記蒸発器の下流側における前記空気の温度変化とを乗算することで第1の判定値を求め、求めた第1の判定値が正の値となる場合に、前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定し、
    前記補正制御工程は、前記判定工程により前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定された場合に、前記補正制御を行うことを特徴とする冷却装置の制御方法。
  11. 請求項10に記載の冷却装置の制御方法において、
    前記判定工程は、前記蒸発器の上流側における前記空気の温度変化と、前記対象空間に送り出される空気の温度と設定温度とを乗算することで第2の判定値を求め、求めた第2の判定値が正の値となる場合に、前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定し、
    前記補正制御工程は、前記判定工程により前記蒸発器による冷却負荷が増加していると判定された場合に、前記補正制御を行うことを特徴とする冷却装置の制御方法。
  12. 請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の冷却装置の制御方法において、
    前記圧縮器の出力割合値、前記膨張弁の開度値及び前記圧力調整弁の開度値は、偏差の比例成分、偏差の積分成分及び偏差の微分成分の各成分に成分毎の係数を各々乗算し、成分毎の係数を乗算した各成分の値を積算することで求められることを特徴とする冷却装置の制御方法。
  13. 請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の冷却装置の制御方法において、
    前記冷却サイクルは、前記循環路の他に、前記圧縮器と前記凝縮器との間の配管から分岐し、前記凝縮器と前記圧縮器との間の配管に合流されるバイパス路と、前記バイパス路に配置されたバイパス弁とを有して構成され、
    前記圧縮機に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記バイパス弁の開度値を比例帯にとって求め、求めたバイパス弁の開度値を比例項にして前記バイパス弁の開度値をPID制御する第4の制御工程をさらに有し、
    前記判定工程による判定結果を受けて、前記第2時刻の蒸発器による冷却負荷が第1時刻における蒸発器による冷却負荷の倍数に基づいて、前記バイパス弁の開度値をフィードフォワードにて補正し、補正した開度値を各々用いて、前記バイパス弁を制御し、再度、開度値出力をPID制御に戻す補正制御することを特徴とする冷却装置の制御方法。
  14. 請求項13に記載の冷却装置の制御方法において、
    前記バイパス弁の開度値は、偏差の比例成分、偏差の積分成分及び偏差の微分成分の各成分に成分毎の係数を各々乗算し、成分毎の係数を乗算した各成分の値を積算することで求められることを特徴とする冷却装置の制御方法。
  15. 請求項13又は請求項14に記載の冷却装置において、
    前記第1の制御工程において前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記圧縮器の出力割合値の比例帯と、前記第4の制御工程において前記圧縮機に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値に基づいた前記バイパス弁の開度値の比例帯とは、制御特性の傾きが逆で、前記圧縮器に吸い込まれる前記冷却媒体の圧力値において重ならないことを特徴とする冷却装置。
  16. 請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の冷却装置の制御方法において、
    補正した前記制御値は、前記第1時刻における前記蒸発器を通過する空気の風量及び空気の温度の乗算値に対する、前記第2時刻における前記蒸発器を通過する空気の風量及び空気の温度の乗算値の比率を用いて算出されることを特徴とする冷却装置の制御方法。
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