JP6037637B2 - ヒートポンプの制御装置、ヒートポンプ、及びヒートポンプの制御方法 - Google Patents
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従って、本構成は、圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満となった場合に、圧縮機の吐出冷媒圧力を迅速に上昇させることができる。
従って、本構成は、圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満となった場合に、圧縮機の吐出冷媒圧力を迅速に上昇させることができる。
そこで、本構成によれば、圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満、かつ圧縮機の吐出冷媒温度が設定値未満となった場合に、インタークーラの交換熱量を減少させる制御がされずに、膨張弁が閉方向に開度制御される。従って、本構成は、圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満、かつ圧縮機の吐出冷媒温度が設定値未満となっていても、圧縮機の吐出冷媒圧力を迅速に上昇させることができる。
以下に、本発明にかかる第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、遠心式(ターボ式)の圧縮機を用いたターボヒートポンプ1の概略構成図が示されている。冷媒としては、例えば代替フロン冷媒(R134a)が用いられる。
圧縮機3は、増速機18を介して接続された電動機17によって駆動される。電動機17は、制御装置7によって制御され、インバータ20による周波数制御によって回転数が適宜変更され得るようになっている。
圧縮機3の吸込側には吸込冷媒圧力P0を計測する圧力センサおよび吸込冷媒温度T0を計測する温度センサが、圧縮機3の吐出側には吐出冷媒圧力P1を計測する圧力センサおよび吐出冷媒温度T1を計測する温度センサが、それぞれ設けられている。これらセンサの出力値は、それぞれ制御装置7へと送られる。なお、圧縮機3は、冷媒を超臨界圧力で吐出する。
温熱生成熱交換器6の冷媒出口には、温水熱交出口冷媒温度T2を計測する温度センサが設けられており、この温度センサの出力値は制御装置7へと送られる。
インタークーラ10と膨張弁9とを接続するインタークーラ下流側冷媒配管23には、インタークーラ流量調整弁25が設けられている。温熱生成熱交換器6とインタークーラ10とを接続するインタークーラ上流側冷媒配管24と、インタークーラ下流側冷媒配管23との間には、インタークーラ10をバイパスして冷媒を流すインタークーラバイパス冷媒配管27が設けられており、このインタークーラバイパス冷媒配管27には冷媒流量を調整するインタークーラバイパス弁28が設けられている。インタークーラ流量調整弁25とインタークーラバイパス弁28の開度を制御装置7によって適宜調整することにより、インタークーラ10へと送り込む温熱生成熱交換器6からの高温冷媒流量を調整する。
インタークーラ下流側冷媒配管23には、インタークーラ流量調整弁25と膨張弁9との間から分岐して吸込冷媒配管29へと至るインジェクション配管30が設けられている。インジェクション配管30にはインジェクション弁31が設けられている。このインジェクション弁31の開度は、制御装置7によって制御される。インジェクション弁31にて所望量に調整された冷媒を吸込冷媒配管29へ吹き込むことにより、圧縮機3へと供給される吸込冷媒の温度を調整する。
また、蒸発器5とインタークーラ10との間には、冷媒を蓄えるためのアキュムレータ(不図示)が設けられている。
なお、HGBP弁35の開度については、外部負荷が増加してHGBP弁35を閉めていくときの開度のスケジュールと、外部負荷が減少してHGBP弁35を開けていくときの開度のスケジュールを異ならせてヒステリシスを持たせることが更に好ましい。これにより、システムに大きな影響を与えるHGBP弁35の開度変更の回数を少なくし、安定的にシステムを運転することができる。
圧縮機3は、電動機17によって駆動され、制御装置7によるインバータ制御により所定周波数で回転させられる。
蒸発器5及びインタークーラ10から吸い込まれた低圧ガス冷媒は、圧縮機3によって超臨界状態まで圧縮される。
圧縮機3から吐出された冷媒は、温熱生成熱交換器6へと導かれる。温熱生成熱交換器6において、高温高圧のガス冷媒は略等圧的に冷却され、高圧低温の冷媒となる。この際に得られる放出熱によって、温水配管11内を流れる温水が加熱される。
インタークーラ10にて熱交換を終えた高圧冷媒は、インタークーラ下流側冷媒配管23を通過して膨張弁9へと導かれ、この膨張弁9によって等エンタルピ的に膨張させられる。膨張弁9の開度は、制御装置7によって蒸発器5への供給冷媒量が所定量になるように制御される。
なお、制御装置7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random
Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。そして、各種制御に係る機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種制御が実現される。
例えば、FB制御部41は、温水熱交出口冷媒温度T2が設定値よりも低い場合は、膨張弁9の開度が大きくなるように、温水熱交出口冷媒温度T2が設定値よりも高い場合は、膨張弁9の開度が小さくなるように、温水熱交出口冷媒温度T2と設定値との差に基づいてFB制御開度を算出する。
なお、ターボヒートポンプ1が正常に運転されている状態とは、冷媒の各種温度及び圧力が予め定められた所定範囲内であり、特に、図4に示されるように圧縮機3の吐出冷媒圧力P1が、超臨界圧力以上となっている状態である。
このように、吐出冷媒圧力P1が臨界点圧力未満となっても、膨張弁9に対して通常の制御を行うと、膨張弁9の開度は、吐出冷媒圧力P1の変化に対して逆動作となるため、吐出冷媒圧力P1が臨界点圧力以上に回復できなくなる可能性が生じる。または、吐出冷媒圧力P1の臨界点圧力以上への回復が遅れることによって、熱媒出口温度Tbが設定値に達しない可能性が生じる。
図6に示される場合は、図5で説明した現象に加え、以下の現象が生じる可能性がある。飽和域内では、エンタルピ変化による冷媒の温度変化が生じないため、温水熱交出口冷媒温度T2を指標としてフィードバック制御される膨張弁9のFB制御開度が、過大又は過小となり安定して制御されない可能性が生じる。
ここで、図8は、膨張弁9の開閉による吐出冷媒圧力P1への影響を示すグラフである。図8に示されるように、膨張弁9の開度が小さくなると、冷媒の流れが膨張弁9で止められることとなるため、その後吐出冷媒圧力P1が上昇する。一方、膨張弁9の開度が大きくなると、冷媒は流れの抵抗が小さくなり流量が増加し、吐出冷媒圧力P1が下降する。すなわち、膨張弁9を閉じることによって、臨界点圧力未満となった吐出冷媒圧力P1を上昇させ、臨界点圧力以上にすることができる。
このように、制御装置7は、圧縮機3の吐出冷媒圧力P1が臨界点圧力未満に低下しても、吐出冷媒圧力P1を臨界点圧力以上の安定した状態にした後に、吐出冷媒温度T1及び温水熱交出口冷媒温度T2を制御することとなるため、より早く膨張弁9等に対する安定した制御を行うことが可能となる。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
遠心式である圧縮機3の特性から、機械マッハ数の上昇に伴って、吸込冷媒圧力P0を一定とすると吐出冷媒圧力P1が上昇する。なお、機械マッハ数Mo[-]は、下記(6)式で表わされるように、圧縮機3が吸い込む冷媒(ガス冷媒)の音速(以下、「吸込ガス冷媒音速」という。)as[m/s]に反比例する。なお、下記(6)式において、πは円周率[-]、Dは圧縮機3の羽根外径[m]、Nは圧縮機3の回転数[rpm]である。
ここで、吐出冷媒圧力P1が低下した状態で、インタークーラ10の交換熱量を増加させると、吐出冷媒温度T1と共に吸込冷媒温度T0が上昇することにより、吸込ガス冷媒音速が上昇する。そして、吸込ガス冷媒音速の上昇に伴い機械マッハ数が低下し、さらに吐出冷媒圧力P1の低下を招くこととなる。この結果、圧縮機の不安定動作等が生じる可能性がより高くなる。
インタークーラ流量調整弁25が閉じられると、インタークーラ10に向かう冷媒流量が減少する。また、インタークーラバイパス弁28が開かれると、インタークーラ10には向かわずに、蒸発器5へ向かう冷媒流量が増加するため、インタークーラに向かう冷媒流量が減少する。インタークーラ10に向かう冷媒流量が減少すると、インタークーラ10の交換熱量が減少する。このように、インタークーラ流量調整弁25を閉じ、インタークーラバイパス弁28を開くことで、簡易にインタークーラ10の交換熱量を減少させることができる。
インタークーラ10の交換熱量が減少すると、吸込冷媒温度T0が低下するので過熱度も低下する。そうすると、上述したように吸込ガス冷媒音速の変化は、冷媒の過熱度の変化に比例するので、低下し、(6)式から分かるように機械マッハ数が上昇する。機械マッハ数が上昇すると、吐出冷媒圧力P1が上昇することとなる。
また、制御装置7は、例えば、先にインタークーラ流量調整弁25を閉方向に開度制御し、インタークーラ流量調整弁25が所定開度まで閉じた後に、インタークーラバイパス弁28を開方向へ開度制御するが、インタークーラ10による交換熱量が減少できればよく、これに限られない。
さらに、制御装置7は、一定の時間変化を伴ってインタークーラ流量調整弁25及びインタークーラバイパス弁28の開度を変化させてもよいし、瞬時に所定開度へ変化させてもよいが、インタークーラ流量調整弁25及びインタークーラバイパス弁28の開度を徐々に変化させた方が冷媒の圧力変動を小さくできる。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
ステップ100で吐出冷媒圧力P1が所定圧力である臨界点圧力未満であると判定された場合に移行するステップ101では、圧縮機3の吐出冷媒温度T1が吐出冷媒温度設定値未満となったか否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップ102へ移行し、否定判定の場合は、ステップ102’へ移行する。
すなわち、吐出冷媒圧力P1が正常な運転時において規定される所定圧力未満、かつ吐出冷媒温度T1が吐出冷媒温度設定値未満となった場合に、インタークーラ10の交換熱量を減少させると、吐出冷媒圧力P1は上昇する一方、吸込冷媒温度T0は下降してしまい、吐出冷媒圧力P1と吐出冷媒温度T1を設定値に制御することができない。
そこで、吐出冷媒圧力P1が正常な運転時において規定される所定圧力未満、かつ吐出冷媒温度T1が吐出冷媒温度設定値未満となった場合に、インタークーラ10の交換熱量が減少するように制御せずに、膨張弁9が閉方向に開度制御される。
なお、この場合、吐出冷媒圧力P1が所定圧力である臨界点圧力以上となった後に、インタークーラ10の交換熱量を増加させて、吸込冷媒温度T0を上昇させる。
3 圧縮機
5 蒸発器
6 温熱生成熱交換器
7 制御装置
9 膨張弁
10 インタークーラ
25 インタークーラ流量調整弁
27 インタークーラバイパス冷媒配管
28 インタークーラバイパス弁
Claims (7)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機によって圧縮された冷媒により外部負荷へと提供する温熱媒体を加熱する温熱生成熱交換器と、
前記温熱生成熱交換器から導かれた冷媒を膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁から導かれた冷媒を熱源媒体との熱交換によって蒸発させる蒸発器と、
を備えたヒートポンプの制御装置であって、
前記圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満となった場合に、前記膨張弁を閉方向に開度制御し、前記圧縮機の吐出冷媒圧力が該所定圧力以上となった場合に、前記温熱生成熱交換器の冷媒出口の温度の計測値と設定値との差に基づいて、前記膨張弁の開度を制御することを特徴とするヒートポンプの制御装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機によって圧縮された冷媒により外部負荷へと提供する温熱媒体を加熱する温熱生成熱交換器と、
前記温熱生成熱交換器から導かれた冷媒を膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁から導かれた冷媒を熱源媒体との熱交換によって蒸発させる蒸発器と、
前記温熱生成熱交換器から前記蒸発器へと向かう冷媒と前記蒸発器から前記圧縮機へと向かう冷媒とを熱交換させるインタークーラと、
を備えたヒートポンプの制御装置であって、
前記圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満となった場合に、前記インタークーラによる交換熱量が減少するように冷媒流量を制御し、前記圧縮機の吐出冷媒圧力が該所定圧力以上となった場合に、前記圧縮機の冷媒出口の温度の計測値と設定値との差に基づいて、前記冷媒流量を制御することを特徴とするヒートポンプの制御装置。 - 前記ヒートポンプは、
前記温熱生成熱交換器から前記インタークーラへ向かう冷媒流量を調整するインタークーラ流量調整弁、及び前記温熱生成熱交換器から前記インタークーラへ向かう冷媒をバイパスさせて前記蒸発器へと導くインタークーラバイパス流路に設けられたインタークーラバイパス弁の少なくとも何れか一方を備え、
前記圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満となった場合に、前記インタークーラ流量調整弁の閉方向への開度制御、及び前記インタークーラバイパス弁の開方向への開度制御の少なくとも何れか一方を行うことを特徴とする請求項2記載のヒートポンプの制御装置。 - 前記圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満、かつ前記圧縮機の吐出冷媒温度が設定値未満となった場合に、前記インタークーラによる交換熱量が減少するように冷媒流量を制御することなく、前記膨張弁を閉方向に開度制御することを特徴とする請求項2又は請求項3記載のヒートポンプの制御装置。
- 請求項1から請求項4の何れか1項記載の制御装置を備えたヒートポンプ。
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機によって圧縮された冷媒により外部負荷へと提供する温熱媒体を加熱する温熱生成熱交換器と、
前記温熱生成熱交換器から導かれた冷媒を膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁から導かれた冷媒を熱源媒体との熱交換によって蒸発させる蒸発器と、
を備えたヒートポンプの制御方法であって、
前記圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満となった場合に、前記膨張弁を閉方向に開度制御し、前記圧縮機の吐出冷媒圧力が該所定圧力以上となった場合に、前記温熱生成熱交換器の冷媒出口の温度の計測値と設定値との差に基づいて、前記膨張弁の開度を制御することを特徴とするヒートポンプの制御方法。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機によって圧縮された冷媒により外部負荷へと提供する温熱媒体を加熱する温熱生成熱交換器と、
前記温熱生成熱交換器から導かれた冷媒を膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁から導かれた冷媒を熱源媒体との熱交換によって蒸発させる蒸発器と、
前記温熱生成熱交換器から前記蒸発器へと向かう冷媒と前記蒸発器から前記圧縮機へと向かう冷媒とを熱交換させるインタークーラと、
を備えたヒートポンプの制御方法であって、
前記圧縮機の吐出冷媒圧力が正常な運転時において規定される所定圧力未満となった場合に、前記インタークーラによる交換熱量が減少するように冷媒流量を制御し、前記圧縮機の吐出冷媒圧力が該所定圧力以上となった場合に、前記圧縮機の冷媒出口の温度の計測値と設定値との差に基づいて、前記冷媒流量を制御することを特徴とするヒートポンプの制御方法。
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