JP2021055582A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】カム軸がカムキャップを介して取り付けられているヘッドカバーにおいて、ヘッドカバーの取り付け強度を向上させると共に、オイルの流れも確保する。【解決手段】カム軸27,28はその全体がヘッドカバー16の内部に入り込んでおり、フロントジャーナル34を保持するフロントカムキャップ35は、フロント部41に形成された凹所36に全体が入り込んでいる。フロントカムキャップ35の下面はフロント部41の下面と同一面を成しており、フロントカムキャップ35は、ヘッドカバー16とシリンダヘッド1との間に挟み付けられている。従って、固定強度が高い。オイルは、シリンダヘッド1のオイル供給通路38からフロントカムキャップ35のオイル中継通路39を介してオイル分配溝40に流れる。従って、オイル通路を簡単に構造で容易に実現できる。【選択図】図6

Description

本発明は、カム軸をヘッドカバーに取り付けたタイプの内燃機関に関するものである。
レシプロ式内燃機関は、シリンダブロックと、その上面にヘッドボルトで固定されたシリンダヘッドと、シリンダヘッドの上面に固定されたヘッドカバーとを備えており、シリンダヘッドに設けた吸気弁及び排気弁の群が、吸気弁用カム軸及び排気弁用カム軸によって開閉されるようになっている。
そして、カム軸は、一般にはシリンダヘッドにカムキャップを介して回転自在に保持されており、カム軸にはタイミングチェーンを介してクランク軸から動力伝達されているが、特許文献1には、カム軸をヘッドカバーの下面部に回転自在に保持する構成が開示されている。
さて、動弁装置がロッカアーム方式でクリアランスを自動調節できるラッシュアジャスタを備えている場合、シリンダヘッドに軸受部を形成していると、軸受部との干渉を回避するためラッシュアジャスタの配置部はシリンダヘッドに空洞部として形成せねばならず、すると、シリンダヘッドの鋳造に多くの中子を要するため鋳型が複雑化してコストアップや歩留り低下の問題が生じる。
これに対して特許文献1のようにカム軸をヘッドカバーに保持すると、シリンダヘッドの軸受部を不要にできるため、シリンダヘッドには多くの空洞部を設けることなくラッシュアジャスタを配置することができ、従って、シリンダヘッドの鋳造用鋳型を単純化してコスト抑制や歩留り向上に貢献できる。また、ラッシュアジャスタの配置位置の自由性が増すため、吸気弁用カム軸と排気弁用カム軸との間の間隔を狭めることが可能になり、その結果、シリンダヘッドを軽量化して燃費向上に貢献できる利点もある。
動弁装置がラッシュアジャスタを備えていなくても、シリンダヘッドの構造が単純化するため、シリンダヘッドの設計の自由性を向上できる。また、カムと軸受部との間には加工誤差や組み付け誤差を吸収するために僅かながらスラスト方向のクリアランスが存在しているが、多気筒内燃機関では、バルブ軸の突出状態が各気筒によって相違することから、組み立てに際しては、特定のバルブ軸をばねに抗して押し下げねばならないため、カム軸の組み付けを容易にするためスラスト方向のクリアランスを大きくせざるを得ないという問題があったのに対して、カム軸をヘッドカバーに取り付ける方式では、カム軸はバルブ軸に影響されることなくヘッドカバーに容易に取り付けできるため、スラスト方向の隙間をできるだけ小さくできるという利点もある。
特開2006−77705号公報
カム軸をヘッドカバーに取り付けると、シリンダヘッドの設計の自由性を向上できるが、特許文献1では、カム軸をヘッドカバーに取り付けてはいるものの、カム軸の下半分とカムキャップとはヘッドカバーの下面から下方に突出しているため、シリンダヘッドの設計がカムキャップによって影響を受けることになる。従って、シリンダヘッドの設計の自由性向上という効果が十分でないと解される。
また、特許文献1では、カム軸のうちタイミングチェーンに近いフロントジャーナルを回転自在に保持するフロントカムキャップは、シリンダヘッドに形成された空洞部に露出している。従って、ヘッドカバーの前部はその左右両端部がシリンダヘッドに重なっているに過ぎないが、このような構造では、ヘッドカバーの取り付け強度は低くならざるを得ず、必要な固定強度を確保できるか否か疑問である。
また、内燃機関では、カム軸の潤滑用のためのオイルや油圧式VVT装置を制御するためのオイルが必要であり、一般に、オイルはシリンダヘッドに形成されたオイル供給通路(オイルギャラリー)からカム軸に供給されるようになっているが、特許文献1では、ヘッドカバーの前部はその左右端部がシリンダヘッドに重なっているに過ぎないと推測されるため、オイルをどのようにしてカム軸に導いたらよいのか疑問である。
本願発明のこのような現状を契機にして成されたものであり、カム軸がヘッドカバーに取り付けられている内燃機関において、ヘッドカバーの固定強度の向上やオイル供給の容易性・確実性等を目的とするものである。
本願発明は内燃機関に関し、この内燃機関は、
「シリンダヘッドとその上面に固定されたヘッドカバーとを有しており、
前記ヘッドカバーは、カム軸の軸線方向に長い左右のサイド壁と前記カム軸と直交した方向に長いフロント壁及びリア壁とを有しており、前記フロント壁に、前記カム軸のフロントジャーナルを回転自在に保持するフロントカムキャップが配置されている」
という基本構成である。
そして、上記基本構成において、
「前記フロントカムキャップは、前記フロント壁に形成された下向き開口の凹所に入り込んでいて、当該フロントカムキャップの下面は前記フロント壁の下面と同一面を成している一方、
前記シリンダヘッドに、前記フロントカムキャップに向けて上向きに開口したオイル供給通路が形成されており、前記フロントカムキャップには、前記オイル供給通路と連通したオイル中継通路が形成されており、前記ヘッドカバー又はフロントカムキャップに、前記オイル中継通路と連通したオイル分配通路が形成されている」
という構成が付加されている。
本願発明は、様々に展開できる。その例として請求項2の発明では、
「前記オイル分配通路は、前記フロントカムキャップと凹所との合わせ面にオイル分配溝として形成されている」
という構成になっている。この場合、オイル分配溝は凹所の上底面に形成してもよいし、フロントカムキャップの上面に形成してもよい。或いは、凹所の上底面とフロントカムキャップの上面との両方に互いに重なるようにして形成してもよい。
本願発明では、カム軸の全体がヘッドカバーの内部に入り込んでいるため、シリンダヘッドはカム軸やカムキャップの影響を受けることなく設計できる。従って、設計の自由性を格段に向上できる。例えばロッカアーム方式の動弁装置においてラッシュアジャスタを配置する場合、ラッシュアジャスタの位置や高さの選択の自由性を格段に向上できる。その結果、シリンダヘッドの空洞部の数を減らして鋳型を簡素化し、コストの抑制や歩留り向上の効果を確実化できる利点や、シリンダヘッド及びヘッドカバーの高さを低くしてコンパクト化に貢献できる利点が発揮される。
また、フロントカムキャップはヘッドカバーとシリンダヘッドとで上下から挟まれているため、ヘッドカバーは、フロントカムキャップを介して広い範囲でシリンダヘッドに支持される。従って、ヘッドカバーの曲がり変形を防止又は著しく抑制して、ヘッドカバーの締結強度を大幅に向上できる。
さて、カム軸にはタイミングチェーンを介して外力が作用しており、この場合、タイミングチェーンの張り側に位置したカム軸はシリンダヘッドに向けて押し付けられる傾向を呈する一方、タイミングチェーンの弛み側に位置したカム軸はシリンダヘッドから起こされる作用を受けるため、特許文献1のようにフロントカムキャップの下面が露出している構成では、タイミングチェーンの引っ張り力により、ヘッドカバーの前部が曲がりやすくなったり、ヘッドカバーがタイミングチェーンの張り側に位置したカム軸を支点にして回動しやすくなる(バタ付きやすくなる)ことが懸念される。
正確に述べると、タイミングチェーンは、クランクプーリに固定された主動スプロケットと各カム軸に取り付けられた従動スプロケットとに巻き掛けられていて略三角形状の姿勢に配置されており、一方の従動スプロケットから主動スプロケットに向かう部分が張り側になって、主動スプロケットから他方の従動スプロケットに向かう部分か弛み側になっているため、一方の従動スプロケット及びこれが取り付いた一方のカム軸に対しては下向きの力が強く作用し、他方の従動スプロケット及びこれが取りついた他方のカム軸に対しては、シリンダヘッドから起こすような外力が作用する。従って、カム軸をヘッドカバーに取り付けた方式では、タイミングチェーンの周回により、ヘッドカバーの前部が一方のカム軸を支点にして起こし回動されるような作用を受けて、変形しやすくなったりバタ付きやすくったりすることが懸念される。
これに対して本願発明では、両カム軸の箇所においてもフロントカムキャップがシリンダヘッドの上面に密着しているため、ヘッドカバーの前部の剛性が格段に向上する。その結果、ヘッドカバーの曲がり変形やバタつき(浮き)を防止又は大幅に抑制できる。
更に、シリンダヘッドのオイル供給通路を介して圧送されたオイルは、フロントカムキャップのオイル中継通路を介してカム軸やVVT装置に分配されるため、パイプのような通路用の部材は不要であり、従って、オイル通路を簡素化してコストを抑制できると共に、オイルの流れの確実性も担保できる。
オイル分配通路はドリル加工によって形成することも可能であるが、請求項2のように、凹所とフロントカムキャップとの合わせ面にオイル分配溝として形成すると、オイル分配溝は鋳造やダイキャストによる製造時に形成できるため、コスト面で有利である。
シリンダヘッドの平面図である。 (A)はヘッドカバーの平面図、(B)は(A)をB−B視方向から見た正面図、(C)は(A)をC−C視方向から見た側面図である。 ヘッドカバーの底面図である。 図2の IV-IV視図(背面図)である。 シリンダヘッドも表示した状態での図3の V-V視断面図である。 シリンダヘッドも表示した状態での図3のVI-VI 視断面図である(シリンダヘッドは正面図を表示しており、断面は表示していない。)。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本願発明では、方向を特定するため前後左右の文言を使用しているが、内燃機関で一般に使用されている用法に基づいて、クランクプーリやタイミングチェーンが配置されている側を前、ミッションケースが配置されている側を後ろとしている。念のために、図1,2に方向を明示している。上下方向はシリンダボアの軸線方向である。従って、シリンダボアが大きくスラントしている内燃機関では、上下方向と鉛直方向とは一致しなくなる。
(1).シリンダヘッド
図1はシリンダヘッド1の平面図であり、シリンダヘッド1は上向きに開口している。従って、前後方向(クランク軸線方向のカム軸の軸線方向)に長い左右の側壁2と、カム軸と直交し左右方向に長い前壁3及び後ろ壁4とからなる周壁を有している。シリンダヘッド1は、前から見た状態で、右側面が排気側面になって、右側面が吸気側面になっている。また、シリンダボアは、排気側に倒れるように少しスラントしている。
本実施形態の内燃機関は3気筒であり、このため、シリンダヘッド1の内部には、点火プラグが挿入される下部イグニッション穴5が、クランク軸線方向に並んだ3箇所に形成されている。また、各下部イグニッション穴5を囲うようにして、前後左右一対ずつのバルブ穴6とラッシュアジャスタ穴7とが形成されている。ラッシュアジャスタ穴7には、ロッカアームを支持する油圧式のラッシュアジャスタ(図示せず)が配置される。これらの穴5,6,7の上部は筒状ボスになっている。下部イグニッション穴5が形成されているイグニッション穴用筒状ボスを、符号5aで示している。
図5に示すように、シリンダヘッド1には、吸気バルブ用のラッシュアジャスタに圧油を供給する吸気側油圧通路8と、排気バルブ用のラッシュアジャスタに圧油を供給する排気側油圧通路9とが,カム軸方向に長く形成されている。従って、シリンダヘッド1には、油圧通路8,9を形成するための土手部10,11がカム軸方向に長く形成されている。
土手部10,11の上面はシリンダヘッド1の上面近くに位置しているが、シリンダヘッド1に軸受部を形成する必要はないため、高い高さの土手部10,11を形成して油圧通路8,9を形成できるに至っている。
内燃機関が3気筒であることから、吸気側面には、3対の吸気ポート12が開口していると共に、各吸気ポート12に対応したインジェクタ取り付け穴13が開口している。他方、排気側面には、排気ターボ過給機又は触媒コンバータが固定される1つのランド部14を形成しており、排気ポートを集めた1つの排気穴(図示せず)がランド部14に開口している。
(2).ヘッドカバーの概要
シリンダヘッド1にはヘッドカバー16が固定されている。ヘッドカバー16は、シリンダヘッド1に対応して下向きに開口した浅いトレー状の形態を成しており、従って、シリンダヘッド1の周壁に対応して、シリンダヘッド1の側壁2に重なる前後長手の左右サイド壁17と、シリンダヘッド1の前壁3に重なるフロント壁18と、シリンダヘッド1の後ろ壁4に重なるリア壁19とを有している。
また、ヘッドカバー16には、シリンダヘッド1の下部イグニッション穴5と連通する3つの上部イグニッション穴20が上下に開口している。上部イグニッション穴20は上部イグニッション穴用筒体21によって形成されており、ヘッドカバー16の上部イグニッション穴用筒体21とシリンダヘッド1の下部イグニッション穴用筒状ボス5aとが当接することにより、上下のイグニッション穴5,20がシールされている。
ヘッドカバー16には、各上部イグニッション穴用筒体21に連続した状態で左右長手の3つの軸受リブ22,23が形成されている。図5に示すように、軸受リブ22,23にインナーカムキャップ24,25がボルト26で固定されており、軸受リブ22,23とインナーカムキャップ24,25とにより、カム軸27,28のうちヘッドカバー16の内部に位置したインナージャーナルが回転自在に保持されている。
インナーカムキャップ24,25はその全体がヘッドカバー16の内部に入り込んでいる。そこで、ヘッドカバー16には、インナーカムキャップ24,25が入り込む凹所24a,25aを形成している。インナーカムキャップ24,25の全体がヘッドカバー16の内部に入り込んでいるため、カム軸27,28も、その全体がヘッドカバー16の内部に入り込んでいる。なお、カム軸27,28には、軸受リブ22,23及びインナーカムキャップ24,25を挟んだ前後両側にカムが形成されている。
吸気バルブ用カム軸27を支持するインナーカムキャップ24と、排気バルブ用カム軸28を支持するインナーカムキャップ25とは互いに分離しており、両者の間に、上部イグニッション穴用筒体21が位置している。図示は省略しているが、カム軸27,28にはオイルが流れる中心穴を空けており、インナーカムキャップ24,25との摺動面には、中心穴と連通した枝穴からオイルが供給される。
図3に明示するように、吸気バルブ用カム軸27を保持する軸受リブ22と、排気バルブ用カム軸28を保持する軸受リブ23とは、カム軸27,28の軸線方向にある程度の寸法Eだけずれている(オフセットされている。)。このため、吸気バルブ用カム軸27と排気バルブ用カム軸28との間隔をできるだけ小さくしつつ、上部イグニッション穴用筒体21の厚さtをできるだけ大きくできる。これにより、シリンダヘッド1及びヘッドカバー16をコンパクト化・軽量化しつつ、上部イグニッション穴用筒体21と下部イグニッション穴用筒状ボス5aとの密着面積を必要な量だけ確保して必要とするシール性を確保できる。
図2,4に示すように、ヘッドカバー16の上面のうち吸気側に寄った部位に、平坦状の肩部29を形成しており、この肩部29に、補助カバーが上から重ね固定されるようになっている。そして、補助カバーが覆われている部位に、ブローバイガスが通過する気液分離室や、吸気系から取り込んだ新気が流れる新気通路が形成されている。このため、肩部29に、気液分離室を構成する凹部30が形成されている。肩部29には、シリンダヘッド1のブローバイガス通路31a(図3参照)に連通したブローバイガス通路31bが開口している。なお、PCVバルブは補助カバーに装着される。
(3).ヘッドカバーのフロント部及び固定構造
カム軸27,28の前端はシリンダヘッド1及びヘッドカバー16の手前にはみ出ており、このはみ出し部に、VVT装置を介して従動タイミングスプロケット33(図6参照)が取り付けられている。そして、図6に示すように、カム軸27,28は、平面視でシリンダヘッド1の前壁3及びヘッドカバー16のフロント壁18と重なるフロントジャーナル34を有しており、フロントジャーナル34が、ヘッドカバー16のフロント壁18とフロントカムキャップ35とによって回転自在に保持されている。従って、ヘッドカバー16のフロント壁18には、カム軸27,28の上半分が嵌まる円弧穴を形成している。
フロントカムキャップ35は、その全体がヘッドカバー16のフロント壁18の内部に入り込んでいる。そこで、フロント壁18に、フロントカムキャップ固定部の例として、フロントカムキャップ35が入り込む凹所36を形成している。フロントカムキャップ35は、左右端部及び中間部の3か所がボルト37によって凹所36の上底面に固定されている。図3では、ボルト37が螺合する雌ねじ穴を符号37aで表示している。
フロントカムキャップ35の下面は、ヘッドカバー16におけるフロント壁18の下面と同一面を成している。従って、フロントカムキャップ35の下面はシリンダヘッド1における前壁3の上面に密着している。
そして、図1及び図6に示すように、シリンダヘッド1の前壁3の左右略中間部にオイル供給通路38が開口している一方、フロントカムキャップ35には、オイル供給通路38と連通したオイル中継通路39が上下に貫通しており、更に、図3に示すように、ヘッドカバー16におけるフロント壁18の下面には、オイル中継通路39と連通したオイル分配溝40が左右方向に長く延びるように形成されている。
図示していないが、ヘッドカバー16のフロント壁18には、オイル分配溝40から分岐してカム軸27,28に向かう潤滑通路と、オイル分配溝40から分岐してVVT装置に向かう制御通路とが形成されている。また、VVT装置からオイルを戻す戻し通路も形成されている。図示は省略するが、カム軸27,28のフロントジャーナル34には、潤滑通路と連通した環状溝と、環状溝と中心穴とを連通させる枝穴とが形成されている。
図2(A)に示すように、ヘッドカバー16のうち手前側に位置してフロントカムキャップ35を囲うフロント部41には、左右方向に開口した一対のOCV取り付け穴42が形成されている。OCV取り付け穴42に、VVT装置を制御するOCV(オイルコントロールバルブ)が装着されている。OCV取り付け穴42を有するフロント部41は、その全体が他の部位よりも高くなっている。
そして、ヘッドカバー16の左右側面と後面とに、ボス部43,44a,44bの群が外向きにはみ出た状態で形成されており、ボス部43,44a,44bに上から挿通したボルト45が、シリンダヘッド1に形成された雌ねじ穴(図1参照)46にねじ込まれるが、最も手前に位置した左右のフロントボス部44a,44bは、その他のボス部43よりも高い高さになっている。
具体的には、他のボス部43の高さH1は例えば20mm程度に設定している一方、吸気側のフロントボス部44aの高さH2は約60mm程度、排気側のフロントボス部44bの高さH3は約40mmかそれ以上に設定している。
図2(B)及び図6に示すように、ヘッドカバー16のフロント部41には前向きに開口した肉盗み凹部47を形成している。このため、重量増大を抑制しつつ、フロント部41の高さを高くして高い剛性を確保できる。図示は省略しているが、シリンダヘッド1及びヘッドカバー16の前面にはフロントカバーが固定される。このため、図2に示すように、ヘッドカバー16の前端にはフランジ16aが形成されており、フランジ16aには複数のボルト挿通穴16bが形成されている。図1に示す符号50は、ヘッドボルト挿通穴である。
(4).まとめ
本実施形態では、カム軸27,28及びインナーカムキャップ24,25の全体がヘッドカバー16の内部に入り込んでいるため、内燃機関の全高を低くできると共に、ヘッドカバー16及びシリンダヘッド1の左右幅も縮小できる。これにより、内燃機関をコンパクト化・軽量化してコスト抑制と燃費向上に貢献できる。特に、実施形態のように左右のインナーカムキャップ24,25を前後にずらすと、左右のカム軸27,28の間隔を縮小することを容易に実現できるため、コンパクト化・軽量化を確実化できる。
また、シリンダヘッド1には軸受部が不要であることから、ラッシュアジャスタに関連した部位をシリンダヘッド1の内部に露出した状態に形成することができるため、シリンダヘッド1に形成する空洞部の数を減らすことができる。従って、シリンダヘッド1を鋳造するにおいて、中子の数を減らすことができて歩留りも向上できる。この点においてもコスト抑制に貢献できる。
また、フロントカムキャップ35の下面はシリンダヘッド1の下面に密着しており、オイルは、フロントカムキャップ35のオイル中継通路39を介してヘッドカバー16に供給されるため、オイルの流れを単純化できる。従って、パイプのような部材は不要であり、それだけコストを抑制できると共に、信頼性も向上できる。
また、フロントカムキャップ35がヘッドカバー16のフロント部41に対して補強部材の役割を果たすため、フロント部41の剛性を高めて、ヘッドカバー16とシリンダヘッド1との間の前部のシール性を向上できる。更に、フロントカムキャップ35は必要最小限度の高さにしつつシリンダヘッド1に密着させられるため、ヘッドカバー16の高さをできるだけ低くすることも可能であり、この面でも、ヘッドカバー16のコンパクト化・軽量化に貢献できる。
次に、ヘッドカバー16の締結強度の点について述べると、カム軸27,28はばねによって上向きに付勢されるため、ばねの付勢力がヘッドカバー16をシリンダヘッド1から押し離すように作用するが、ばねの付勢力はさほど強くなく、また、ヘッドカバー16は左右側部と後部との三方がボルト45の群で固定されているため、ヘッドカバー16がシリンダヘッド1から離反する傾向を呈することはない。
他方、ヘッドカバー16のフロント部41について見ると、図6に示すように、タイミングチェーン48は図6の状態で回りに周回するため、その周回により、排気側のカム軸28(及び従動タイミングスプロケット33)はシリンダヘッド1に対して押し付けられるのに対して、吸気側のカム軸27(及び従動タイミングスプロケット)はシリンダヘッド1から起こされる作用を受けるため、フロント部41の剛性が低くかったり、前端のボルト45による締結強度が低かったりすると、フロント部41が排気側の端部を支点にして回動する(曲がる)ような傾向を呈して、フロント部41及びフロントカムキャップ35とシリンダヘッド1との間に浮きが発生したり、フロント部41にばたつきが発生したりするおそれがある。
これに対して実施形態では、フロントカムキャップ35がシリンダヘッド1の上面に密着した状態でヘッドカバー16の凹所36に固定されているため、シリンダヘッド1の補強効果により、ヘッドカバー16のフロント部41の剛性は格段に高くなっている。従って、フロント部41及びフロントカムキャップ35の浮きやバタ付きが発生することを防止できる。
フロント部41にはフロントカムキャップ35が精緻される凹所36が形成されているため剛性が低下するが、図6に明示するように、実施形態では、フロントボス部44a,44bはフロントカムキャップ35の上面よりも高い位置においてフロント部41と一体化しているため、フロント部41は左右略全長に亙ってフロントカムキャップ35よりも高い高さになっており、従って、フロント部41は、凹所36が形成されていても、タイミングチェーン48の引っ張りによって変形しない高い剛性が保持される。また、フロントカムキャップ35は、ボルト45で上から押さえ固定された状態になる。
このように、凹所36を形成しても、フロント部41を曲がり変形しない高い剛性に保持してフロントカムキャップ35を固定できるため、フロント部41によるフロントカムキャップ35の押さえを確実化して、フロントカムキャップ35の全体をシリンダヘッド1に強く押さえることができる。従って、フロント部41の高さを高くしたことによる剛性向上効果を十分に発揮させて、フロント部41及びフロントカムキャップ35の浮き防止効果を確実化することができる。
なお、図1に示すように、シリンダヘッド1の前壁3の左右中間部に補助雌ねじ49を形成して、ヘッドカバー16(及びフロントカムキャップ35)のフロント部41を、その左右中間部においても補助ボルトでシリンダヘッド1に固定することは可能である。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。
本願発明は、内燃機関用に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダヘッド
2 シリンダヘッドの側壁
3 シリンダヘッドの前壁
5 下部イグニッション穴
16 ヘッドカバー
17 サイド壁
18 フロント壁
19 リア壁
20 上部イグニッション穴
21 上部イグニッション穴用筒体
22,23 軸受リブ
24,25 インナーカムキャップ
24a,25a 凹所
27,28 カム軸
33 従動タイミングスプロケット
34 フロントジャーナル
35 フロントカムキャップ
36 凹所
37 締結用のボルト
38 オイル供給通路
39 オイル中継通路
40 オイル分配通路の一例としてのオイル分配溝
41 フロント部
48 タイミングチェーン

Claims (2)

  1. シリンダヘッドとその上面に固定されたヘッドカバーとを有しており、
    前記ヘッドカバーは、カム軸の軸線方向に長い左右のサイド壁と前記カム軸と直交した方向に長いフロント壁及びリア壁とを有しており、前記フロント壁に、前記カム軸のフロントジャーナルを回転自在に保持するフロントカムキャップが配置されている構成であって、
    前記フロントカムキャップは、前記フロント壁に形成された下向き開口の凹所に入り込んでいて、当該フロントカムキャップの下面は前記フロント壁の下面と同一面を成している一方、
    前記シリンダヘッドに、前記フロントカムキャップに向けて上向きに開口したオイル供給通路が形成されており、前記フロントカムキャップには、前記オイル供給通路と連通したオイル中継通路が形成されており、前記ヘッドカバー又はフロントカムキャップに、前記オイル中継通路と連通したオイル分配通路が形成されている、
    内燃機関。
  2. 前記オイル分配通路は、前記フロントカムキャップと凹所との合わせ面にオイル分配溝として形成されている、
    請求項1に記載した内燃機関。
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