JP2021055032A - 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的特性、耐衝撃性に優れつつ、得られる成形品の精密成形性やリフロー処理した際の寸法安定性に優れた半芳香族ポリアミド樹脂組成物を提供する。【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とからなる半芳香族ポリアミド(A)100質量部と、耐衝撃改良剤(B)1〜50質量部と、強化材(C)1〜100質量部とを含有する樹脂組成物であって、強化材全体の数に対して、前記樹脂組成物を成形してなる成形体においてアスペクト比が1以上20未満となる強化材を50%以上含有する半芳香族ポリアミド樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、機械的特性、耐衝撃性、精密成形性および加熱時の寸法安定性に優れた芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体に関する。
ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10Tに代表される半芳香族ポリアミドは、耐熱性が高いことから、多くの電気電子部品として広く使用されている。このような部品は長期間使用することから、機械的特性や耐衝撃性が要求される。
半芳香族ポリアミド樹脂組成物としては、例えば、特許文献1に、ポリアミド8T、ポリアミド10T、ポリアミド12Tに耐衝撃改良剤と繊維状強化材を配合した樹脂組成物が開示されている。
近年、半芳香族ポリアミド樹脂組成物は小型の電気電子部品に適用することが検討されている。小型の電気電子部品には、機械的特性や耐衝撃性に加えて、得られる成形品の成形収縮率や異方性が小さい精密成形性が要求されている。また、小型の電気電子部品は、表面実装のためのリフロー工程において最高260℃程度の温度に曝されることから、リフロー処理の際に成形品の反りが小さいという寸法安定性も要求されている。
しかしながら、特許文献1の半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、得られる成形品の成形収縮率の異方性が大きく、リフロー処理した際に成形品の反りが大きいという問題があった。
本発明は、機械的特性、耐衝撃性に優れつつ、得られる成形品の精密成形性やリフロー処理した際の寸法安定性に優れた半芳香族ポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、半芳香族ポリアミドと耐衝撃改良剤に、成形体中の強化材のアスペクト比が特定の値となる特定の強化材を特定量用いることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)テレフタル酸を主成分とする芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とからなる半芳香族ポリアミド(A)100質量部と、耐衝撃改良剤(B)1〜50質量部と、強化材(C)1〜100質量部とを含有する樹脂組成物であって、
強化材全体の数に対して、前記樹脂組成物を成形してなる成形体においてアスペクト比が1以上20未満となる強化材を50%以上含有する半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
(2)耐衝撃改良剤(B)が、オレフィン系重合体および/またはエラストマーである(1)に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
(3)(1)または(2)に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
(1)テレフタル酸を主成分とする芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とからなる半芳香族ポリアミド(A)100質量部と、耐衝撃改良剤(B)1〜50質量部と、強化材(C)1〜100質量部とを含有する樹脂組成物であって、
強化材全体の数に対して、前記樹脂組成物を成形してなる成形体においてアスペクト比が1以上20未満となる強化材を50%以上含有する半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
(2)耐衝撃改良剤(B)が、オレフィン系重合体および/またはエラストマーである(1)に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
(3)(1)または(2)に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、機械的特性、耐衝撃性に優れつつ、得られる成形品の精密成形性やリフロー処理した際の寸法安定性に優れた半芳香族ポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、半芳香族ポリアミド(A)と耐衝撃改良剤(B)と強化材(C)とを含有する。
本発明に用いる半芳香族ポリアミド(A)は、テレフタル酸を主成分とする芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とを含有する。本発明において、「テレフタル酸を主成分とする」とは、芳香族ジカルボン酸成分において、テレフタル酸の含有量が70モル%以上であることを意味し、好ましくは90モル%以上であり、より好ましくは100モル%である。
脂肪族ジアミン成分としては、例えば、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンが挙げられる。
半芳香族ポリアミド(A)には、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分や脂肪族ジアミン成分以外のジアミン成分を含有してもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジアミン成分以外のジアミン成分としては、例えば、シクロヘキサンジアミン等の脂環式ジアミン;キシリレンジアミン、ベンゼンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
半芳香族ポリアミド(A)には、必要に応じて、カプロラクタム、ラウロラクタム等のラクタム類;アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のω−アミノカルボン酸を含有してもよい。
本発明において、半芳香族ポリアミド(A)は、構成成分としてモノカルボン酸成分を含有することが好ましい。モノカルボン酸成分の含有量は、半芳香族ポリアミド(A)を構成する全モノマー成分に対して、0.3〜4.0モル%とすることが好ましく、0.3〜3.0モル%とすることがより好ましく、0.3〜2.5モル%とすることがさらに好ましく、0.8〜2.5モル%とすることが特に好ましい。
モノカルボン酸の分子量は、140以上であることが好ましく、170以上であることがより好ましい。モノカルボン酸成分としては、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸が挙げられ、中でも脂肪族モノカルボン酸が好ましい。分子量が140以上の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸およびそれらの誘導体が挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、ステアリン酸が好ましい。分子量が140以上の脂環族モノカルボン酸としては、例えば、4−エチルシクロヘキサンカルボン酸、4−へキシルシクロヘキサンカルボン酸、4−ラウリルシクロヘキサンカルボン酸およびそれらの誘導体が挙げられる。分子量が140以上の芳香族モノカルボン酸としては、例えば、4−エチル安息香酸、4−へキシル安息香酸、4−ラウリル安息香酸、アルキル安息香酸類、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸およびそれらの誘導体が挙げられる。モノカルボン酸成分は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、分子量が140以上のモノカルボン酸と分子量が140未満のモノカルボン酸を併用してもよい。なお、本発明において、モノカルボン酸の分子量は、原料のモノカルボン酸の分子量を指す。
本発明において、半芳香族ポリアミド(A)の、96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度は、機械的特性の点から、1.8以上であることが好ましく、1.8〜3.5であることがより好ましく、2.2〜3.1であることがさらに好ましい。半芳香族ポリアミド(A)の前記相対粘度が3.5を超えると、溶融加工が困難となる場合がある。
半芳香族ポリアミド(A)は、従来から知られている加熱重合法や溶液重合法の方法を用いて製造することができる。中でも、工業的に有利である点から、加熱重合法が好ましく用いられる。加熱重合法としては、ジカルボン酸成分とジアミン成分とから反応物を得る工程(i)と、得られた反応物を重合する工程(ii)とからなる方法が挙げられる。
工程(i)としては、例えば、ジカルボン酸粉末を、予めジアミンの融点以上かつジカルボン酸の融点以下の温度に加熱し、この温度のジカルボン酸粉末に、ジカルボン酸の粉末の状態を保つように、実質的に水を含有させずに、ジアミンを添加する方法が挙げられる。または、別の方法としては、溶融状態のジアミンと固体のジカルボン酸とからなる懸濁液を攪拌混合し、混合液を得た後、最終的に生成する半芳香族ポリアミドの融点未満の温度で、ジカルボン酸とジアミンの反応による塩の生成反応と、生成した塩の重合による低重合物の生成反応とをおこない、塩および低重合物の混合物を得る方法が挙げられる。この場合、反応をさせながら破砕をおこなってもよいし、反応後に一旦取り出してから破砕をおこなってもよい。工程(i)としては、反応物の形状の制御が容易な前者の方が好ましい。
工程(ii)としては、例えば、工程(i)で得られた反応物を、最終的に生成する半芳香族ポリアミドの融点未満の温度で固相重合し、所定の分子量まで高分子量化させ、半芳香族ポリアミドを得る方法が挙げられる。固相重合は、重合温度180〜270℃、反応時間0.5〜10時間で、窒素等の不活性ガス気流中でおこなうことが好ましい。
工程(i)および工程(ii)の反応装置は特に限定されず、公知の装置を用いればよい。工程(i)と工程(ii)を同じ装置でおこなってもよいし、異なる装置でおこなってもよい。
ポリアミドの製造において、重合の効率を高めるため重合触媒を用いたり、重合度の調整、熱分解や着色を抑制するため末端封止剤を用いたりしてもよい。
重合触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらの塩が挙げられる。重合触媒の添加量としては、通常、半芳香族ポリアミド(A)を構成する全モノマーに対して、2モル%以下とすることが好ましい。
本発明に用いる耐衝撃改良剤(B)は特に限定されず、例えば、(エチレンおよび/またはプロピレン)・α−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)・(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー重合体等のオレフィン系重合体;スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、フッ素系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等のエラストマー;チオコールゴム、多硫化ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ポリエーテルゴム、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムが挙げられる。中でも、耐熱性、半芳香族ポリアミドとの相溶性に優れることから、オレフィン系重合体、エラストマーが好ましく、(エチレンおよび/またはプロピレン)・α−オレフィン系共重合体、アイオノマー重合体、スチレン系エラストマーがより好ましい。耐衝撃改良剤は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(エチレンおよび/またはプロピレン)・α−オレフィン系共重合体とは、エチレンおよび/またはプロピレンと炭素数3以上のα−オレフィンを共重合した重合体である。炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
アイオノマー重合体とは、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属イオンの中和によりイオン化されたものである。オレフィンとしては、例えば、エチレンが挙げられ、α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。金属イオンとしては、例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のほか、Al、Sn、Sb、Ti、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Cdが挙げられる。
スチレン系エラストマーとは、スチレン等の芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックとからなるブロック共重合体である。前記ブロック共重合体において、共役ジエン系重合体ブロックの不飽和結合は水素添加されていてもよい。
芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を主とする重合体ブロックである。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンが挙げられる。芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、他の不飽和単量体からなる構造単位を含有してもよい。
共役ジエン系重合体ブロックは、共役ジエン系化合物に由来する構造単位を主とする重合体ブロックである。共役ジエン系化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンが挙げられる。共役ジエン系化合物に由来する構造単位の不飽和結合部分は、一部または全部が水素添加により飽和結合となっていてもよい。共役ジエン系化合物に由来する構造単位において、重合体ブロック中の分布は、ランダム状、ブロック状またはこれら任意の組み合わせいずれであってもよい。
スチレン系エラストマーは、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれら任意の組み合わせのいずれであってもよい。スチレン系エラストマーとしては、例えば、未水添または水添スチレン・ブタジエン共重合体、未水添または水添スチレン・イソプレン共重合体、未水添または水添スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、未水添または水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、未水添または水添スチレン・イソプレン・ブタジエン・スチレン共重合体、未水添または水添スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体が挙げられる。
耐衝撃改良剤(B)は、カルボン酸および/またはその誘導体で変性されていることが好ましい。前記成分で変性することにより、半芳香族ポリアミドに対して親和性を有する官能基をその分子中に導入することができる。半芳香族ポリアミドに対して親和性を有する官能基としては、例えば、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩基、カルボン酸イミド基、カルボン酸アミド基、エポキシ基が挙げられる。
前記半芳香族ポリアミドと親和性の高い官能基を有する化合物としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸およびこれらカルボン酸の金属塩;マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルが挙げられる。
耐衝撃改良剤(B)の含有量は、半芳香族ポリアミド(A)100質量部に対し、1〜50質量部とすることが必要であり、3〜40質量部とすることが好ましく、5〜35質量部とすることがより好ましい。耐衝撃改良剤(B)の含有量が1質量部未満であると、耐衝撃性が低下したり、成形品の成形収縮率が大きくなったり、リフロー処理した際に成形品の寸法変化率が大きくなったりするので好ましくない。一方、耐衝撃改良剤(B)の含有量が50質量部を超えると、機械的特性が低下するので好ましくない。
本発明においては、樹脂組成物を成形してなる成形体においてアスペクト比が1以上20未満となる強化材を、強化材全体の数に対して、50%以上含有する必要であり、70%以上含有することが好ましい。成形体中において、アスペクト比が1以上20未満となる強化材の数が50%未満の場合、機械的強度は向上するが、得られる成形品の成形収縮率の異方性が大きくなり、リフロー処理した際の成形品の反りが大きくなるので好ましくない。なお、強化材(C)は、樹脂組成物に配合する前の原料の状態でアスペクト比が20以上であっても、加工によって折損するため、成形体中においてアスペクト比が1以上20未満となる場合がある。本発明においては、樹脂組成物を成形してなる成形体においてアスペクト比が20以上となる強化材を、本発明の効果を損なわない限りにおいて、強化材全体の数に対して50%未満含有してもよい。
強化材(C)としては、例えば、繊維状強化材、板状強化材、球状強化材が挙げられる。繊維状強化材としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維(ステンレス繊維、酸化アルミニウム繊維等)、セラミック繊維、ボロンウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、アスベスト、ウォラストナイト、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、針状酸化チタン、セピオライト、ゾノトライト、ミルドファイバー、カットファイバーが挙げられる。板状強化材としては、例えば、ガラスフレーク、タルク、マイカ、グラファイト、金属箔が挙げられる。球状強化材としては、例えば、カーボンブラック、炭化ケイ素、シリカ、石英粉末、ハイドロタルサイト、溶融シリカ、ガラス類(ガラスビーズ、ガラス粉、ミルドガラスファイバー)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、ケイ酸塩(ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、クレー、ケイ藻土等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等)、硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)が挙げられる。強化材(C)は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。強化材(C)の表面は、半芳香族ポリアミド(A)中への分散性を高める目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の高分子または低分子の化合物によって表面処理されていることが好ましい。
強化材(C)の含有量は、半芳香族ポリアミド(A)100質量部に対し、1〜100質量部とすることが必要であり、3〜40質量部とすることが好ましく、5〜35質量部とすることがより好ましい。強化材(C)の含有量が1質量部未満であると、耐衝撃性が低下したり、リフロー処理した際に成形品の寸法変化率が大きくなったりするので好ましくない。一方、強化材(C)の含有量が100質量部を超えると、機械的特性が低下するので好ましくない。
本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物には、半芳香族ポリアミド(A)以外の他のポリアミドを含有してもよい。他のポリアミドは特に限定されないが、テレフタル酸を含有しない半芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドが挙げられる。テレフタル酸を含有しない半芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6I、ポリアミド9I、ポリアミド10I、ポリアミドMXD6が挙げられる。脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド410、ポリアミド412、ポリアミド510、ポリアミド512、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド6/66、ポリアミド66/1010、ポリアミド66/612が挙げられる。脂環式ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド2Me5C、ポリアミド6C、ポリアミド8C、ポリアミド9C、ポリアミド10C、ポリアミド12Cが挙げられる。なお、Iはイソフタル酸を、MXDはメタキシリレンジアミンを、Cは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を、2Me5は2−メチルペンタメチレンジアミンを意味する。
半芳香族ポリアミド樹脂組成物に他のポリアミドを含有する場合、その含有量は、半芳香族ポリアミド(A)100質量部に対し、1〜100質量部とすることが好ましく、3〜50質量部とすることがより好ましく、3〜30質量部とすることがさらに好ましい。他のポリアミドを、1〜100質量部含有させることにより、本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、溶融加工時の流動性が向上し、成形性が向上する。一方、他のポリアミドの含有量が100質量部を超えると、半芳香族ポリアミド樹脂組成物が有する耐熱性、機械的特性を損なう場合がある。
本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、着色剤、帯電防止剤等のその他の添加剤をさらに加えてもよい。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。熱安定剤としては、例えば、銅系化合物、多価アルコールが挙げられる。着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料;ニグロシン等の染料が挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
本発明において、半芳香族ポリアミド(A)、耐衝撃改良剤(B)、強化材(C)、および必要に応じてその他の添加剤等を配合して、本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物を製造する方法は特に限定されないが、溶融混練法が好ましい。溶融混練法としては、例えば、ブラベンダー等のバッチ式ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ヘリカルローター、ロール、一軸押出機、二軸押出機等を用いる方法が挙げられる。溶融混練温度は、半芳香族ポリアミド(A)が溶融し分解しない領域から選ばれ、通常、(A)の融点をTmとして、(Tm−20℃)〜(Tm+50℃)である。
本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物の加工方法としては、溶融混合物をストランド状に押出しペレット形状にする方法;溶融混合物をホットカットやアンダーウォーターカットしてペレット形状にする方法;シート状に押出しカッティングする方法;ブロック状に押出し粉砕してパウダー形状にする方法が挙げられる。
本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物の成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、焼結成形法が挙げられ、機械的特性、成形性の向上効果が大きいことから、射出成形法が好ましい。射出成形機は特に限定されないが、例えば、スクリューインライン式射出成形機またはプランジャ式射出成形機が挙げられる。射出成形機のシリンダー内で加熱溶融された半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、ショットごとに計量され、金型内に溶融状態で射出され、所定の形状で冷却、固化された後、成形体として金型から取り出される。射出成形時の樹脂温度は、半芳香族ポリアミド(A)の融点をTmとして、Tm以上とすることが好ましく、(Tm+50℃)未満とすることがより好ましい。なお、半芳香族ポリアミド樹脂組成物の加熱溶融時には、用いる半芳香族ポリアミド樹脂組成物ペレットは十分に乾燥されたものを用いることが好ましい。含有する水分量が多いと、射出成形機のシリンダー内で樹脂が発泡し、最適な成形体を得ることが困難となることがある。射出成形法に用いる半芳香族ポリアミド樹脂組成物ペレットの水分率は、半芳香族ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、0.3質量部未満とすることが好ましく、0.1質量部未満とすることがより好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、機械的特性、耐衝撃性に加えて、精密成形性およびリフロー処理した際の寸法安定性が優れているため、自動車部品、電気電子部品、雑貨、土木建築用品等広範な用途に用いることができる。中でも、自動車部品、電気電子部品に好適に用いることができる。
自動車部品としては、例えば、エンジンカバー、エアインテークマニホールド、スロットルボディ、エアインテークパイプ、ラジエタータンク、ラジエターサポート、ラジエターホース、ラジエターグリル、タイミングベルトカバー、ウォーターポンプインレット、ウォーターポンプアウトレット、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンマウント等のエンジン周辺部品;プロペラシャフト、スタビライザーバーリンケージロッド、アクセルペダル、ペダルモジュール、シールリング、ベアリングリテーナー、ギア等の機構部品;オイルパン、オイルフィルターハウジング、オイルフィルターキャップ、オイルレベルゲージ、燃料タンク、燃料チューブ、フューエルカットオフバルブ、キャニスター、フューエルデリバリーパイプ、フューエルフィラーネック、フューエルセンダーモジュール、燃料配管用継手等の燃料・配管系部品;ワイヤーハーネス、リレーブロック、センサーハウジング、エンキャプシュレーション、イグニッションコイル、ディストリビューター、サーモスタットハウジング、クイックコネクター、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプソケット等の電装系部品;リアスポイラー、ホイールカバー、ホイールキャップ、カウルベントグリル、エアアウトレットルーバー、エアスクープ、フードバルジ、フェンダー、バックドア、シフトレバーハウジング、ウインドーレギュレータ、ドアロック、ドアハンドル、アウトサイドドアミラーステー等の各種内外装部品、コントロールケーブルの修理補用交換部品が挙げられる。
電気電子部品としては、例えば、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、抵抗器、IC、LEDのハウジングが挙げられる。
自動車部品としては、例えば、エンジンカバー、エアインテークマニホールド、スロットルボディ、エアインテークパイプ、ラジエタータンク、ラジエターサポート、ラジエターホース、ラジエターグリル、タイミングベルトカバー、ウォーターポンプインレット、ウォーターポンプアウトレット、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンマウント等のエンジン周辺部品;プロペラシャフト、スタビライザーバーリンケージロッド、アクセルペダル、ペダルモジュール、シールリング、ベアリングリテーナー、ギア等の機構部品;オイルパン、オイルフィルターハウジング、オイルフィルターキャップ、オイルレベルゲージ、燃料タンク、燃料チューブ、フューエルカットオフバルブ、キャニスター、フューエルデリバリーパイプ、フューエルフィラーネック、フューエルセンダーモジュール、燃料配管用継手等の燃料・配管系部品;ワイヤーハーネス、リレーブロック、センサーハウジング、エンキャプシュレーション、イグニッションコイル、ディストリビューター、サーモスタットハウジング、クイックコネクター、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプソケット等の電装系部品;リアスポイラー、ホイールカバー、ホイールキャップ、カウルベントグリル、エアアウトレットルーバー、エアスクープ、フードバルジ、フェンダー、バックドア、シフトレバーハウジング、ウインドーレギュレータ、ドアロック、ドアハンドル、アウトサイドドアミラーステー等の各種内外装部品、コントロールケーブルの修理補用交換部品が挙げられる。
電気電子部品としては、例えば、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、抵抗器、IC、LEDのハウジングが挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.測定方法
半芳香族ポリアミド樹脂組成物の物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)相対粘度
十分に乾燥した半芳香族ポリアミドのペレットを削り、その削り屑10mgを、96質量%硫酸に溶解させ、濃度1g/dL、25℃の条件で測定した。
半芳香族ポリアミド樹脂組成物の物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)相対粘度
十分に乾燥した半芳香族ポリアミドのペレットを削り、その削り屑10mgを、96質量%硫酸に溶解させ、濃度1g/dL、25℃の条件で測定した。
(2)融点
(1)で得られた削り屑10mgを、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用いて、窒素雰囲気下、下記の条件で測定した。
昇温速度20℃/分で350℃まで昇温(1st scan)→350℃で5分間保持→降温速度20℃/分で25℃まで降温→25℃で5分間保持→再び昇温速度20℃/分で昇温(2nd scan)
2nd scanの吸熱ピークのトップを融点(Tm)とした。
(1)で得られた削り屑10mgを、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用いて、窒素雰囲気下、下記の条件で測定した。
昇温速度20℃/分で350℃まで昇温(1st scan)→350℃で5分間保持→降温速度20℃/分で25℃まで降温→25℃で5分間保持→再び昇温速度20℃/分で昇温(2nd scan)
2nd scanの吸熱ピークのトップを融点(Tm)とした。
(3)引張強度
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットを、ファナック社製射出成形機(α−100iA)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度(Tm−190℃)の条件で、ISO 3167に準拠して、多目的試験片を作製した。なお、Tmは用いた半芳香族ポリアミドの融点である。
得られた多目的試験片を用いて、ISO527−1に準拠して測定し、機械的特性の指標とした。
引張強度は、50MPa以上であることが好ましく、60MPa以上であることがより好ましい。
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットを、ファナック社製射出成形機(α−100iA)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度(Tm−190℃)の条件で、ISO 3167に準拠して、多目的試験片を作製した。なお、Tmは用いた半芳香族ポリアミドの融点である。
得られた多目的試験片を用いて、ISO527−1に準拠して測定し、機械的特性の指標とした。
引張強度は、50MPa以上であることが好ましく、60MPa以上であることがより好ましい。
(4)曲げ強度
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットを、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、射出速度は150mm/秒、保圧は90MPa、金型温度135℃の条件で、ダンベル片を作製した。なお、Tmは用いた半芳香族ポリアミドの融点である。
得られたダンベル片を用いて、ISO178に準拠して測定した。
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットを、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、射出速度は150mm/秒、保圧は90MPa、金型温度135℃の条件で、ダンベル片を作製した。なお、Tmは用いた半芳香族ポリアミドの融点である。
得られたダンベル片を用いて、ISO178に準拠して測定した。
(5)シャルピー衝撃強度(ノッチ付き)
(4)で得られたダンベル片を用いて、JIS K 7111に準拠して測定し、耐衝撃性の指標とした。
シャルピー衝撃強度は、2mJ/m2以上であることが好ましく、4mJ/m2以上であることがより好ましい。
(4)で得られたダンベル片を用いて、JIS K 7111に準拠して測定し、耐衝撃性の指標とした。
シャルピー衝撃強度は、2mJ/m2以上であることが好ましく、4mJ/m2以上であることがより好ましい。
(6)成形収縮率
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットを、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて射出成形し、幅60mm×長さ60mm×厚み3mmの平板を作製した。シリンダー温度は、(Tm+15℃)とし、射出速度は150mm/秒、保圧は90MPa、金型温度は135℃とした。流動方向に平行な方向をMD、流動方向に垂直な方向をTDとして、それぞれの平板の寸法をノギスにて計測し、以下の式により成形収縮率を求め、精密成形性の指標とした。なお、Tmは用いた半芳香族ポリアミドの融点である。
成形収縮率MD(%)=(60−MDの成形品寸法)/60×100
成形収縮率TD(%)=(60−TDの成形品寸法)/60×100
MDの成形収縮率は、1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましく、TDの成形収縮率は、2.5%以下であることが好ましく、2.0%以下であることがより好ましい。
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットを、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて射出成形し、幅60mm×長さ60mm×厚み3mmの平板を作製した。シリンダー温度は、(Tm+15℃)とし、射出速度は150mm/秒、保圧は90MPa、金型温度は135℃とした。流動方向に平行な方向をMD、流動方向に垂直な方向をTDとして、それぞれの平板の寸法をノギスにて計測し、以下の式により成形収縮率を求め、精密成形性の指標とした。なお、Tmは用いた半芳香族ポリアミドの融点である。
成形収縮率MD(%)=(60−MDの成形品寸法)/60×100
成形収縮率TD(%)=(60−TDの成形品寸法)/60×100
MDの成形収縮率は、1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましく、TDの成形収縮率は、2.5%以下であることが好ましく、2.0%以下であることがより好ましい。
(7)成形収縮率の異方性
(6)で算出した成形収縮率MDと成形収縮率TDを用いて、以下の式により成形収縮率の異方性を算出し、精密成形性の指標とした。
成形収縮率の異方性=(TDの成形収縮率)/(MDの成形収縮率)
成形収縮率の異方性は、絶対値が2.5以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。
(6)で算出した成形収縮率MDと成形収縮率TDを用いて、以下の式により成形収縮率の異方性を算出し、精密成形性の指標とした。
成形収縮率の異方性=(TDの成形収縮率)/(MDの成形収縮率)
成形収縮率の異方性は、絶対値が2.5以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。
(8)熱処理後の寸法変化率
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットを、ファナック社製射出成形機(α−100iA)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度120℃の条件で、幅60mm×長さ60mm×厚み1mmの平板を作製した。金型は、60mm×1mmの面にフィルムゲートを有するものを用いた。なお、Tmは用いた半芳香族ポリアミドの融点である。
前記平板を赤外線加熱式のリフロー炉中、150℃で1分間加熱した後、100℃/分の速度で265℃まで昇温して30秒間保持して熱処理をおこなった。その後、流動方向に平行な方向をMD、流動方向に垂直な方向をTDとして、上記熱処理前後の成形品寸法から、以下の式により、寸法変化率を求め、リフロー処理した際の寸法安定性の指標とした。
MDの寸法変化率(%)=(熱処理後のMDの成形品寸法−MDの成形品寸法)×100/(MDの成形品寸法)
TDの寸法変化率(%)=(熱処理後のTDの成形品寸法−TDの成形品寸法)×100/(TDの成形品寸法)
MDの寸法変化率は、絶対値が0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、TDの寸法変化率は、絶対値が0.8%以下であることが好ましく、0.6%以下であることがより好ましい。
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットを、ファナック社製射出成形機(α−100iA)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度120℃の条件で、幅60mm×長さ60mm×厚み1mmの平板を作製した。金型は、60mm×1mmの面にフィルムゲートを有するものを用いた。なお、Tmは用いた半芳香族ポリアミドの融点である。
前記平板を赤外線加熱式のリフロー炉中、150℃で1分間加熱した後、100℃/分の速度で265℃まで昇温して30秒間保持して熱処理をおこなった。その後、流動方向に平行な方向をMD、流動方向に垂直な方向をTDとして、上記熱処理前後の成形品寸法から、以下の式により、寸法変化率を求め、リフロー処理した際の寸法安定性の指標とした。
MDの寸法変化率(%)=(熱処理後のMDの成形品寸法−MDの成形品寸法)×100/(MDの成形品寸法)
TDの寸法変化率(%)=(熱処理後のTDの成形品寸法−TDの成形品寸法)×100/(TDの成形品寸法)
MDの寸法変化率は、絶対値が0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、TDの寸法変化率は、絶対値が0.8%以下であることが好ましく、0.6%以下であることがより好ましい。
(9)熱処理後の反り量
(8)で得られた平板を赤外線加熱式のリフロー炉中、150℃で1分間加熱した後、100℃/分の速度で265℃まで昇温して30秒間保持する熱処理した。その後、平板の反り量をレーザー変位計で測定し、リフロー処理した際の寸法安定性の指標とした。
反り量は、3.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以下であることがより好ましい。
(8)で得られた平板を赤外線加熱式のリフロー炉中、150℃で1分間加熱した後、100℃/分の速度で265℃まで昇温して30秒間保持する熱処理した。その後、平板の反り量をレーザー変位計で測定し、リフロー処理した際の寸法安定性の指標とした。
反り量は、3.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以下であることがより好ましい。
(10)成形体中の強化材のアスペクト比
(8)で得られた平板の一部をるつぼ中にて500℃で12時間加熱し、灰分を得た。灰分の一部を水中に分散させた後にランダムに抽出し、マイクロスコープを用いて300倍の倍率で観察し、強化材の寸法を算出した。500個の強化材について最長と最短の部分を計測し、それぞれの最長の長さ平均値を最短の長さの平均値で除した値を強化材のアスペクト比とした。
なお、アスペクト比が20以上の強化材を含有する場合は、アスペクト比が20以上の強化材と、アスペクト比が1以上20未満の強化材を分けて、それぞれの個数を計測し、それぞれアスペクト比の平均値を求めた。また、凝集した板状または球状の強化材については、凝集状態で一つの強化材として計測し、アスペクト比を求めた。
(8)で得られた平板の一部をるつぼ中にて500℃で12時間加熱し、灰分を得た。灰分の一部を水中に分散させた後にランダムに抽出し、マイクロスコープを用いて300倍の倍率で観察し、強化材の寸法を算出した。500個の強化材について最長と最短の部分を計測し、それぞれの最長の長さ平均値を最短の長さの平均値で除した値を強化材のアスペクト比とした。
なお、アスペクト比が20以上の強化材を含有する場合は、アスペクト比が20以上の強化材と、アスペクト比が1以上20未満の強化材を分けて、それぞれの個数を計測し、それぞれアスペクト比の平均値を求めた。また、凝集した板状または球状の強化材については、凝集状態で一つの強化材として計測し、アスペクト比を求めた。
2.原料
実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)ジカルボン酸成分
・テレフタル酸
(2)ジアミン成分
・1,10−デカンジアミン
・1,9−ノナンジアミン
実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)ジカルボン酸成分
・テレフタル酸
(2)ジアミン成分
・1,10−デカンジアミン
・1,9−ノナンジアミン
(3)脂肪族ポリアミド
・PA66:ポリアミド66 (65B、アセンド社製、融点260℃)
・PA6:ポリアミド6 (A1030BRL、ユニチカ社製、融点220℃)
(4)耐衝撃改良剤
・PO:無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体(タフマーMH5020、三井化学社製)
・SEBS:無水マレイン酸変性スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(タフテックM1911、旭化成製)
・IO:エチレン系アイオノマー(ハイミラン1706、三井・ダウポリケミカル社製)
・PA66:ポリアミド66 (65B、アセンド社製、融点260℃)
・PA6:ポリアミド6 (A1030BRL、ユニチカ社製、融点220℃)
(4)耐衝撃改良剤
・PO:無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体(タフマーMH5020、三井化学社製)
・SEBS:無水マレイン酸変性スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(タフテックM1911、旭化成製)
・IO:エチレン系アイオノマー(ハイミラン1706、三井・ダウポリケミカル社製)
(5)繊維状強化材
・SH:ウォラストナイト(SH800S、キンセイマテック社製)、繊維径7μm、アスペクト比=17
・FPW:ウォラストナイト(FPW400、キンセイマテック社製)、繊維径8μm、アスペクト比=5
・4W:ウォラストナイト(4W10012、イメリス社製)、繊維径4.5μm×繊維長50μm、アスペクト比=11
・GF:ガラス繊維(CS3G225S、日東紡績社製)、繊維径0.5×繊維長3mm、アスペクト比=316
(6)板状強化材
・K1:タルク(K−1、日本タルク社製)、平均粒径8μm
・SH:ウォラストナイト(SH800S、キンセイマテック社製)、繊維径7μm、アスペクト比=17
・FPW:ウォラストナイト(FPW400、キンセイマテック社製)、繊維径8μm、アスペクト比=5
・4W:ウォラストナイト(4W10012、イメリス社製)、繊維径4.5μm×繊維長50μm、アスペクト比=11
・GF:ガラス繊維(CS3G225S、日東紡績社製)、繊維径0.5×繊維長3mm、アスペクト比=316
(6)板状強化材
・K1:タルク(K−1、日本タルク社製)、平均粒径8μm
製造例1(ポリアミド10T)
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)48.1kgと、モノカルボン酸成分としてステアリン酸(STA)1.5kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物93gとを、リボンブレンダー式の反応装置に投入し、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)50.4kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応生成物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=49.3:49.8:0.9(原料モノマーの官能基の当量比率は、TPA:DDA:STA=49.5:50.0:0.5)であった。
続いて、得られた反応生成物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、半芳香族ポリアミドの粉末を作製した。
その後、得られた半芳香族ポリアミドの粉末を、二軸混練機を用いてストランド状とし、ストランドを水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして、ポリアミド10Tのペレットを得た。
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)48.1kgと、モノカルボン酸成分としてステアリン酸(STA)1.5kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物93gとを、リボンブレンダー式の反応装置に投入し、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)50.4kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応生成物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=49.3:49.8:0.9(原料モノマーの官能基の当量比率は、TPA:DDA:STA=49.5:50.0:0.5)であった。
続いて、得られた反応生成物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、半芳香族ポリアミドの粉末を作製した。
その後、得られた半芳香族ポリアミドの粉末を、二軸混練機を用いてストランド状とし、ストランドを水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして、ポリアミド10Tのペレットを得た。
製造例2(ポリアミド9T)
樹脂組成を表1に示すように変更した以外は、ポリアミド10Tのペレットと同様にして、ポリアミド9Tのペレットを得た。
樹脂組成を表1に示すように変更した以外は、ポリアミド10Tのペレットと同様にして、ポリアミド9Tのペレットを得た。
表1に、ポリアミド10T、ポリアミド9Tの樹脂組成およびその特性値を示す。
実施例1
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりSHを30質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりSHを30質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
実施例2,5〜12,14
表2のように樹脂組成を変更する以外は、実施例1と同様の操作をおこなってポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
表2のように樹脂組成を変更する以外は、実施例1と同様の操作をおこなってポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
実施例3
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部と、PA66を10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりSHを30質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部と、PA66を10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりSHを30質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
実施例4
表2のように樹脂組成を変更する以外は、実施例3と同様の操作をおこなってポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
表2のように樹脂組成を変更する以外は、実施例3と同様の操作をおこなってポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
実施例13
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部と、PA6を10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりFPWを30質量部、GFを50質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部と、PA6を10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりFPWを30質量部、GFを50質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
実施例15
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部と、K1を5質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりGFを50質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部と、K1を5質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりGFを50質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
比較例1
ポリアミド10T 100質量部をクボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりFPWを50質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
ポリアミド10T 100質量部をクボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりFPWを50質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
比較例2
ポリアミド10Tを100質量部と、POを60質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりFPWを30質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
ポリアミド10Tを100質量部と、POを60質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりFPWを30質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
比較例3
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
比較例4
表2のように樹脂組成を変更する以外は、比較例2と同様の操作をおこなってポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
表2のように樹脂組成を変更する以外は、比較例2と同様の操作をおこなってポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
比較例5
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりGFを50質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
ポリアミド10Tを100質量部と、POを10質量部とをドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりGFを50質量部供給し、さらに溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、330℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量30kg/時間とした。
実施例1〜15、比較例1〜5で得られたポリアミド樹脂組成物の樹脂組成およびその特性値を表2に示す。
実施例1〜15の樹脂組成物は、曲げ強度やシャルピー衝撃強度が高かった。また、成形収縮率や異方性が小さく、熱処理後の寸法変化率や反り量が小さかった。
比較例1の樹脂組成物は、耐衝撃改良剤を含有してなかったため、シャルピー衝撃強度が小さくなり、成形品の成形収縮率が大きくなり、加熱処理後の成形品の寸法変化率が大きかった。
比較例2の樹脂組成物は、耐衝撃改良剤の含有量が多かったため、引張強度が低かった。
比較例3の樹脂組成物は、強化材を含有してなかったため、シャルピー衝撃強度が小さく、加熱後の成形品の寸法変化率が大きかった
比較例4の樹脂組成物は、強化材の含有量が多かったため、シャルピー衝撃強度が小さかった。および熱処理後の寸法安定性が劣った。
比較例5の樹脂組成物は、アスペクト比が1以上20未満となる強化材を、強化材の数全体に対して、50%未満しか含有していなかったため、成形収縮率の異方性が大きく、加熱処理後の反りが大きかった。
比較例2の樹脂組成物は、耐衝撃改良剤の含有量が多かったため、引張強度が低かった。
比較例3の樹脂組成物は、強化材を含有してなかったため、シャルピー衝撃強度が小さく、加熱後の成形品の寸法変化率が大きかった
比較例4の樹脂組成物は、強化材の含有量が多かったため、シャルピー衝撃強度が小さかった。および熱処理後の寸法安定性が劣った。
比較例5の樹脂組成物は、アスペクト比が1以上20未満となる強化材を、強化材の数全体に対して、50%未満しか含有していなかったため、成形収縮率の異方性が大きく、加熱処理後の反りが大きかった。
Claims (3)
- テレフタル酸を主成分とする芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とからなる半芳香族ポリアミド(A)100質量部と、耐衝撃改良剤(B)1〜50質量部と、強化材(C)1〜100質量部とを含有する樹脂組成物であって、
強化材全体の数に対して、前記樹脂組成物を成形してなる成形体においてアスペクト比が1以上20未満となる強化材を50%以上含有する半芳香族ポリアミド樹脂組成物。 - 耐衝撃改良剤(B)が、オレフィン系重合体および/またはエラストマーである請求項1に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019182218A JP2021055032A (ja) | 2019-10-02 | 2019-10-02 | 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019182218A JP2021055032A (ja) | 2019-10-02 | 2019-10-02 | 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
Publications (1)
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JP2021055032A true JP2021055032A (ja) | 2021-04-08 |
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ID=75271554
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JP2019182218A Pending JP2021055032A (ja) | 2019-10-02 | 2019-10-02 | 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
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2019
- 2019-10-02 JP JP2019182218A patent/JP2021055032A/ja active Pending
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