JP2021054861A - 高純度塩素化アルカンの製造方法 - Google Patents

高純度塩素化アルカンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度塩素化アルカンの製造方法の提供。【解決手段】塩素化アルケンが反応ゾーンで塩素と接触されて、塩素化アルカン及び塩素化アルケンを含有する反応混合物が生成され、反応ゾーンから反応混合物の一部分が抽出される高純度塩素化アルカンの製造方法が開示され、ここで、反応ゾーンから抽出された反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比は、95:5を超えない。【選択図】なし

Description

本発明は、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン、1,1,2,2,3‐ペンタクロロプロパン、1,1,1,3,3‐ペンタクロロプロパン、1,1,1,2,3,3‐ヘキサクロロプロパン、1,1,1,2,3,3,3‐ヘプタクロロプロパン、1,1,1,2,2,3,3‐ヘプタクロロプロパン、及び1,1,1,2,2,3,3,3‐オクタクロロプロパン、並びに1,1,1,2,4,4,4‐ヘプタクロロブタンなどの非常に高い純度の塩素化アルカン化合物の製造方法に関し、さらには、そのような化合物を含む組成物にも関する。
ハロアルカンは、様々な用途において有用である。例えば、ハロカーボンは、冷媒、発泡剤、及び起泡剤として広く用いられている。20世紀の後半を通して、クロロフルオロアルカンの使用は、環境への影響についての、特にオゾン層の減少に関する懸念が提起された1980年代まで指数関数的に増加した。
その後、パーフルオロカーボン及びヒドロフルオロカーボンなどのフッ素化炭化水素が、クロロフルオロアルカンに代えて用いられてきたが、より最近は、その種類の化合物の使用についても環境懸念が提起され、その使用を低減するために、EU及び他所で法律が制定されてきた。
環境にやさしいハロカーボンの新規な種類が出現しつつあり、研究されてきており、いくつかの用途において、特に、自動車及び家庭の分野での冷媒として採用されている場合もある。そのような化合物の例としては、1,1,1,2‐テトラフルオロエタン(R‐134a)、2‐クロロ‐3,3,3‐トリフルオロプロペン(HFO‐1233xf)、1,3,3,3‐テトラフルオロプロペン(HFO‐1234ze)、3,3,3‐トリフルオロプロペン(HFO‐1243zf)、及び2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン(HFO‐1234yf)、1,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロペン(HFO‐1225ye)、1‐クロロ‐3,3,3‐トリフルオロプロペン(HFO‐1233zd)、3,3,4,4,4‐ペンタフルオロブテン(HFO‐1345zf)、1,1,1,4,4,4‐ヘキサフルオロブテン(HFO‐1336mzz)、3,3,4,4,5,5,5‐ヘプタフルオロペンテン(HFO1447fz)、2,4,4,4‐テトラフルオロブタ‐1‐エン(HFO1354mfy)、及び1,1,1,4,4,5,5,5‐オクタフルオロペンテン(HFO‐1438mzz)が挙げられる。
これらの化合物は、相対的に言って、化学的に複雑ではないが、必要とされる純度レベルまでの工業的スケールでのそれらの合成は、課題である。そのような化合物に対して提案される多くの合成経路では、出発物質又は中間体として、塩素化アルカン又はアルケンが用いられることが増えている。そのようなプロセスの例は、国際公開第2012/098420号パンフレット、国際公開第2013/015068号パンフレット、及び米国特許出願公開第2014/171698号明細書に開示されている。塩素化アルカン又はアルケン出発物質のフッ素化ターゲット化合物への変換は、通常、フッ化水素、及び所望に応じて用いられてよいクロム系触媒を例とする遷移金属触媒を用いて行われる。
フルオロアルケンを作製するための所望に応じて用いられてよい非触媒プロセスの例は、国際公開第2013/074324号パンフレットに開示されている。
ヒドロフッ素化反応の過程での不純物形成の問題は、米国特許出願公開第2010/331583号明細書及び国際公開第2013/119919号パンフレットで検討されており、そこでは、そのために、部分フッ素化供給原料の純度の必要性が記載されており、また反応器不純物に関する米国特許出願公開第2014/235903号明細書でも検討されている。
塩素化供給原料が多工程プロセスから得られる場合、特にそのような工程が連結され、連続的に実施されて、工業的に許容される生産量が達成される場合、累積的副反応による各プロセス工程での許容されない不純物の発生を防止する必要性が非常に重要であることが認識されてきた。
塩素化出発物質の純度は、望ましいフッ素化生成物を作製するためのプロセス(特に連続プロセス)の成功及び実現性に対して大きな影響を有することになる。特定の不純物の存在は、副反応をもたらす結果となり、ターゲット化合物の収率が最小化される。蒸留工程を用いることによるこれらの不純物の除去も、課題である。加えて、特定の不純物の存在は、例えば、触媒毒として作用することにより、触媒寿命を損なうことになる。
したがって、上述したフッ素化化合物の合成に用いるための高純度塩素化アルカンが必要とされている。精製塩素化化合物を製造するためのいくつかのプロセスが、本技術分野にて提案されている。
例えば、国際公開第2013/086262号パンフレットには、メチルアセチレンガスから1,1,2,2,3‐ペンタクロロプロパンを作製するためのプロセスが開示されている。この出願の例から分かるように、そこで開示されているベンチスケール合成の結果、合成後の精製プロセス工程、特に蒸留を施しているにも関わらず、得られた生成物の純度は、およそ98.5%である。
国際公開第2014/130445号パンフレットでは、その公開の第2ページに従来のプロセスが考察されており、その第一の工程は、1,1,3‐トリクロロプロペンからの1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンの形成を含む。しかし、その中間生成物の純度プロファイルは概説されておらず、その生成物の純度プロファイルもまったく重視されていない。国際公開第2014/130445号パンフレットの例2では、96.5から98.5%の純度レベルを有する240db(1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン)リッチ物質が用いられている。
国際公開第2013/055894号パンフレットには、テトラクロロプロペン、特に1,1,2,3‐テトラクロロプロペンを製造するためのプロセスが開示されており、その文書に開示されているプロセスから得られた生成物が、フルオロカーボン製造のための下流プロセスで問題となり得る不純物を有利に低いレベルで有することが報告されている。国際公開第2013/055894号パンフレットの著者によって問題であると見なされている様々な種類の不純物の考察は、この文書の段落[0016]及び[0017]に記載されている。
米国特許出願公開第2012/157723号明細書には、3工程プロセスを介して塩素化アルカンを作製するためのプロセスが開示されている。その文書に開示されているプロセスに従って、高純度クロロアルカンが作製されたものと思われる。しかし、その出願の例に提示されている純度データは、小数点第一位までしか与えられていない。
このような提示方法で提供されるデータから、米国特許出願公開第2012/157723号明細書の例で得られた生成物の不純物プロファイルの測定に用いられた分析装置は、感度が低かったことが明らかであり、従来の分析装置では、1ppmまでの炭化水素レベルが可能である(すなわち、小数点第四位まで)。当業者が、工業的スケールで用いられることになるクロロアルカン供給原料の不純物プロファイルを、ppmレベルまで知ることが必要であることを考えると、米国特許出願公開第2012/157723号明細書に提示されたデータは役に立たない。
当業者であれば、米国特許出願公開第2012/157723号明細書に開示されたプロセスでは、その文書の段落[0146]から分かるように、目的の化合物に対する選択性が95%であり、比較的低い選択性を有する1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンが提供されることも認識される。
下流の段階で粗中間体を用いることによって簡素化されたさらなるプロセスは、国際公開第2009/085862号パンフレットに開示されている。
このような進歩にも関わらず、上記で考察したプロセスから得られた塩素化化合物の使用を通して、依然として問題が発生し得る。不純物の存在、特には、目的の化合物から容易に分離することができない不純物(例:類似の又はより高い沸点の結果として)、又は下流プロセスで用いられる触媒の効果若しくは運転寿命を低下させる不純物の存在が、特に問題であり得る。
そのような欠点を最小限に抑えるために、非常に高い純度の塩素化アルカン化合物が依然として求められており、また、そのような化合物を作製するための効率的で選択的であり、信頼性の高いプロセス、特には、連続的な工業的製造が可能であるプロセスも求められている。
したがって、本発明の第一の態様によると、塩素化アルケンが反応ゾーンで塩素と接触されて、塩素化アルケン及び塩素化アルカンを含有する反応混合物が生成され、反応ゾーンから反応混合物の一部分が抽出される高純度塩素化アルカンの製造方法が提供され、ここで、反応ゾーンから抽出された反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比は、95:5を超えない。
反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比は、数値で定められた限度内に制御される。当業者であれば理解されるように、そのような実施形態では、方法に対する制御は、本明細書において、塩素化アルカン出発物質と塩素化アルケン生成物との間のモル比という点で特徴付けられるが、出発物質の生成物への変換に対する制御と見なすこともでき、したがって、95:5の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比は、95%の変換率に等しい。本発明者らは、出発物質の変換率を上記で概説したように制限することにより、望ましくない不純物の形成が最小限に抑えられることを見出した。加えて、出発物質:生成物のモル比がある値よりも大きいと言及される場合、これは、出発物質の生成物への変換の度合いがより大きいことを意味し、すなわち、生成物の割合が増加し、一方出発物質の割合は減少する。
本発明の実施形態では、反応ゾーンは、一次反応ゾーン(primary reaction zone)であってよい。
本発明の方法は、既に塩素化されているアルケンを塩素化して、目的の塩素化アルカン化合物に変換することを含む。この方法は、非常に選択的である。
本発明の方法の利点の1つは、高い異性体選択性でのターゲット塩素化アルカンの製造が可能となることである。したがって、本発明の実施形態では、塩素化アルカン生成物は、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、又は少なくとも約99.9%の異性体選択性で製造される。
そのような高純度塩素化アルカン物質は、保存及び輸送の過程での分解をより起こしにくいことが見出された。これは、そうでなければ目的の塩素化アルカンの劣化を引き起こすことになる不純物が存在しないこと(又は微量でしか存在しないこと)によるものと考えられる。したがって、有利には、安定化剤の使用を回避することができる。
本発明の方法のさらなる利点は、出発物質の最終生成物への変換の度合いの制御を通して、そうでなければ問題となる逐次反応生成物(serial products)の形成が最小限に抑えられることである。したがって、本発明の実施形態では、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物、及び/又は主反応ゾーン(principal reaction zone)から抽出された塩素化アルカンリッチ物質は、低いレベルの逐次反応生成物、すなわち、塩素化アルカン生成物よりも塩素及び/又は炭素原子の数が多い化合物を含み、例えば、約5%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.2%未満、約0.1%未満、約0.05%未満、又は約0.02%未満の量である。
本発明の実施形態では、この方法は、連続的であってよい。
予想外なことに、一次反応ゾーンで形成された反応混合物中の塩素化アルカンのレベルを注意深く制御することによって、不純物の生成が最小限に抑えられ、及び/又は所望される塩素化アルカンに対する高い選択性が達成されることが見出された。反応混合物中の塩素化アルカンのレベルは、例えば、i)一次反応ゾーンから塩素化アルカンを除去することによって(特異的に、又は反応混合物の抽出により)、ii)一次反応ゾーンにおける反応条件を制御することによって(例:温度、光への暴露、及び/又は圧力)、並びに/又はiii)一次反応ゾーンに存在する塩素化アルケン及び/若しくは塩素の量を制御することによって制御することができる。
例えば、反応混合物中に存在する塩素の量は、一次及び/又は主反応ゾーンにおける反応混合物中に存在する塩素がモル過剰とならないように制御されてよい。
一次反応ゾーンでは、塩素化アルカンが形成される結果となるいかなる条件が用いられてもよい。しかし、本発明の実施形態では、一次反応ゾーンでの運転温度は、比較的低いレベルに維持され、例えば、約100℃以下、約90℃以下、又は約80℃以下である。一次反応ゾーンの運転温度は、約−30℃、約−20℃、約−10℃、又は約0℃から約20℃、約40℃、又は約75℃であってもよい。予想外なことに、そのような温度を一次反応ゾーンで用いることが有利であることが見出され、それは、その結果、ターゲット塩素化アルカンの異性体及び過剰塩素化化合物の形成が低減され、しかし必要とされる生成物は、選択的に高い収率で得られるからである。このような温度での反応速度を高めるために、光(可視光及び/又は紫外光)が所望に応じて用いられて、このような低温での塩素の付加が促進されてもよい。
一次反応ゾーンでの運転温度は、当業者に公知のいかなる温度制御手段によって制御されてもよく、例えば、加熱/冷却ジャケット、反応器の内部又は外部の加熱/冷却ループ、熱交換器、及び同種のものである。加えて又は別の選択肢として、温度は、反応混合物に添加される物質の温度を制御することによって、したがって、反応混合物の温度を制御することによって制御されてもよい。反応混合物は、反応混合物中に必要とされるレベルの塩素化アルカンを得るのに充分である時間及び条件で、一次反応ゾーン中に維持される。
本発明の実施形態では、一次反応ゾーンは、可視光及び/又は紫外光を例とする光に暴露されてもよい。反応混合物を光へ暴露することにより、高温の使用が回避されるべきである場合に有利である低温での運転時に、反応が促進される。
誤解を避けるために、本発明の実施形態では、一次変換工程は、複数の一次反応ゾーン(例:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の一次反応ゾーン)で行われてよく、それらは、同じ若しくは異なる圧力、温度、及び/又は光条件で運転されてよい。
本発明の実施形態では、一次反応ゾーンにおける反応混合物の滞留時間は、約30から300分間、約40から約120分間、又は約60から約90分間の範囲であってよい。
一次反応ゾーンに存在する反応混合物中の塩素化アルカンのレベルが、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が50:50を超えないようなレベルに維持された場合に、最適な結果が見られた。本発明の実施形態では、一次反応ゾーンの反応混合物中に存在する塩素化アルカンのレベルは、例えば、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、75:25、50:50、40:60、又は30:70を超えないように、低いレベルに維持されてよい。加えて又は別の選択肢として、一次反応ゾーンに存在する反応混合物中の塩素化アルカンのレベルは、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、少なくとも5:95、10:90、15:85、20:80、30:70、40:60、又は50:50であるレベルに維持される。
塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比の特定を可能とする反応混合物の組成は、一次反応ゾーンからの反応混合物の抽出後、可能な限り早く特定されてよい。例えば、反応混合物のサンプルは、一次反応ゾーン出口部の隣接点又は僅かに下流にて抽出されてよい。本発明の実施形態では、出口部は、一次反応ゾーンの上端部に位置していてよい。
塩素化アルケン出発物質及び塩素化アルカン生成物を含む反応混合物は、一次及び/又は主反応ゾーンから、連続的に又は間欠的に抽出されてもよい。当業者であれば、反応混合物/クロロアルカンリッチ生成物がそれぞれの反応ゾーンから抽出される実施形態では、物質は、対象のゾーンが運転状態である間に、そしてその目的が定常状態反応(例:塩素化)を引き起こすことである場合は、その中の反応混合物が必要とされる定常状態を達成した後に、実質的に連続ベースで取り出されてよいことは認識される。
本発明の実施形態では、一次反応ゾーンで行われる反応は、液相であり、すなわち、その中に存在する反応混合物は、主として又は完全に液体である。反応混合物は、クロマトグラフィを例とする当業者に公知のいかなる技術を用いて分析されてもよい。
本発明の方法に用いられる塩素化アルケンは、当業者に公知のいかなる技術を用いて一次反応ゾーンに供給されてもよい。塩素化アルケンは、クロロエテン、クロロプロペン、若しくはクロロブテンを例とするC2‐6クロロアルケン、又はC3‐6クロロアルケンであってよい。本発明の方法に用いられてよい塩素化アルケンの例としては、1,1,3‐トリクロロプロペン、1,1,2‐トリクロロプロペン、2,3,3‐トリクロロプロペン、1,1,4,4,4‐ペンタクロロブテン、3,3,3‐トリクロロプロペン、1,2,3‐トリクロロプロペン、1,3‐ジクロロプロペン、2‐クロロプロペン、1,1‐ジクロロプロペン、1,1,2,3‐テトラクロロプロペン、1,1,3,3‐テトラクロロプロペン、1,1,2,3,3‐ペンタクロロプロペン、1,1,3,3,3‐ペンタクロロプロペン、及び1,1,2,3,3,3‐ヘキサクロロプロペンが挙げられる。
塩素化ブテン、ペンテン、又はヘキセンが本発明の方法で用いられて、低い地球温暖化係数を有するフッ素化化合物の製造に有用である塩素化C4‐6化合物を製造することができる。
本発明の方法の出発物質として用いられる塩素化アルケンは、好ましくは、高い純度を有する。本発明の実施形態では、塩素化アルケンは、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の純度レベルを有する。
加えて又は別の選択肢として、塩素化アルケンは、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.1重量%未満、約0.01重量%未満、又は約0.001重量%未満の塩素化アルケン及び/又は塩素化アルカン不純物を含み得る。例えば、塩素化アルケン出発物質が1,1,3‐トリクロロプロペンである場合、この1,1,3‐トリクロロプロペン出発物質は、パークロロエチレン、テトラクロロエチレン、ヘキサクロロエチレンなどの塩素化アルケン不純物、及び/又は1,1,1,3‐テトラクロロプロパンなどの塩素化アルカン不純物を、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.1重量%未満、約0.01重量%未満、又は約0.001重量%未満含み得る。
高純度塩素化アルケンを製造するためのプロセスは、その内容が参照により本明細書に援用される英国特許出願第1418345.3号明細書及びチェコ特許出願第PV2014‐706号明細書に開示されている。このようなプロセスの生成物は、有利には:
約95%以上、約97%以上、約99%以上、約99.2%以上、約99.5%以上、又は約99.7%以上の塩素化アルケン、
約1000ppm未満、約500ppm未満、約200ppm未満、又は約100ppm未満の塩素化C5‐6アルカン不純物、
約1000ppm未満、約500ppm未満、約200ppm未満、又は約100ppm未満の塩素化C5‐6アルケン不純物(すなわち、出発物質以外の塩素化アルケン)、
約500ppm未満、約200ppm未満、約100ppm未満、約50ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、又は約5ppm未満の金属(例:鉄)、
約1000ppm未満、約500ppm未満、約250ppm未満、又は約100ppm未満の酸素化有機化合物、並びに/又は
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、又は約50ppm以下の水
を含み得る。
避けるために、上記で概説した金属の範囲は、元素の形態の金属(例:粒子状金属)、さらにはイオンの形態の金属(例:塩の形態)を包含する。
本発明の方法における出発物質として用いられる塩素化アルケン物質は、上記で概説した不純物プロファイルを有する組成物として提供されてよい。
本発明の方法で製造される塩素化アルカンは、クロロエタン、クロロプロパン、若しくはクロロブタンを例とするC2‐6クロロアルカン、又はC3‐6クロロアルカンであってよい。本発明の方法で製造することができる塩素化アルカンの例としては、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン、1,1,2,3‐テトラクロロプロパン、1,1,2,2,3‐ペンタクロロプロパン、1,1,1,2,2‐ペンタクロロプロパン、1,1,1,2,4,4,4‐ヘプタクロロブタン、1,1,1,2,3,3‐ヘキサクロロプロパン、1,1,1,2,3,3,3‐ヘプタクロロプロパン、1,1,1,2,2,3,3‐ヘプタクロロプロパン、及び1,1,1,2,2,3,3,3‐オクタクロロプロパンが挙げられる。
本発明の方法で用いられる一次反応ゾーン及び/又は主反応ゾーンへの塩素及び/又は塩素化アルケンの供給は、連続的又は間欠的であってもよい。
塩素は、本発明の方法で用いられる反応ゾーンへ、液体及び/又は気体の形態で、連続的又は間欠的に供給されてよい。例えば、一次反応ゾーンへは、1つ以上の塩素フィードによって供給されてよい。加えて又は別の選択肢として、一次反応ゾーンの下流の反応ゾーン(例:主変換ゾーン)へは、1つ以上の塩素フィードによって供給されてよい。本発明の実施形態では、塩素が供給される唯一の反応ゾーンが、一次反応ゾーンである。
反応ゾーン中の反応混合物が液体である場合、塩素は、気体として反応ゾーンに供給され、反応ゾーンで溶解されてよい。実施形態では、塩素は、ノズル、多孔性プレート、チューブ、イジェクターなどを例とする分散装置を介して反応ゾーンに供給される。本発明の実施形態において、塩素は、液体反応混合物中に直接供給されてよい。加えて又は別の選択肢として、塩素は、反応ゾーン上流の他の反応体の液体フィード中へ供給されてもよい。
液体反応混合物中への塩素の良好な混合及び/又は溶解を確保するために、激しい撹拌がさらに用いられてもよい。
本発明の方法において出発物質として用いられる塩素は、好ましくは、高純度である。本発明の実施形態では、本発明のいずれの段階で用いられる反応ゾーンについても、そこに供給される塩素は、好ましくは、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の純度を有する。
加えて又は別の選択肢として、本発明の方法で用いられる塩素は、約200ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量で臭素又は臭素化物を含んでいてよい。
少量の酸素(例:約200ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下)を含む塩素ガスの使用も想定される。しかし、本発明の実施形態では、有利には、より低いグレードの塩素(より高い酸素レベルを含む、例えば1000ppm以上)を、本発明の方法の最終生成物が許容されない高いレベルの酸素化不純物を含むことなく、用いることができる。
上述のように、本発明の実施形態では、一次反応ゾーンに存在する反応混合物が液体であることが想定される。しかし、別の選択肢としての実施形態では、反応混合物が気体であることも想定される。そのような実施形態では、一次反応ゾーンは、約150℃から約200℃の温度で運転されてよい。そのような実施形態では、1つ以上の管型気相反応器を例とする気相反応器が用いられ得る。
本明細書で用いられる場合、「高純度である」の用語は、約95%以上の純度、約99.5%以上の純度、約99.7%の純度、約99.8%以上の純度、約99.9%以上の純度、又は約99.95%以上の純度を意味する。特に断りのない限り、本明細書でパーセントとして提示される値は、重量基準である。
一次反応ゾーンからの反応混合物の抽出は、当業者に公知のいかなる技術を用いて行われてもよい。典型的には、一次反応ゾーンから抽出される反応混合物は、未反応塩素化アルケン、未反応塩素、及び塩素化アルカンを含む。別の選択肢として、一次反応ゾーンに供給される塩素の量を制御(すなわち、制限)することによって塩素化アルカンの形成の制御が行われる場合、一次反応ゾーンから抽出される反応混合物は、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下を例とする非常に低いレベルの塩素を含み得る。
本発明の実施形態では、未反応塩素化アルケンを含む反応混合物が一次反応ゾーンから抽出される場合、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物中に存在する未反応塩素化アルケンのすべてではないがほとんどの主たる割合が、塩素化アルカンに変換される主変換工程が行われてよく、こうして、塩素化アルカンリッチ生成物が製造され、次にこれが、主反応ゾーンから抽出される。この塩素化アルカンリッチ生成物は、未反応塩素化アルケン出発物質及び塩素化アルカン生成物を含み得る。
そのような実施形態では、反応混合物は、さらに塩素を含んでよい。加えて又は別の選択肢として、塩素化反応を進行させるために、主反応ゾーンに塩素が供給されてよい。
塩素化アルケンの塩素化アルカンへの変換の度合いは、主反応ゾーンから抽出された塩素化アルカンリッチ生成物中に存在する塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、約95:5、約93:7、約91:9、約90:10、又は約87.5:12.5を超えないように制御される。
加えて又は別の選択肢として、塩素化アルケンの塩素化アルカンへの変換の度合いは、主反応ゾーンから抽出された塩素化アルカンリッチ生成物中に存在する塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、約70:30、約75:25、約80:20、又は約85:15を超えるように制御される。
主反応工程が行われる本発明の特定の実施形態では、主反応ゾーンから抽出された塩素化アルカンリッチ生成物中に存在する塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比は、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物の場合よりも大きい。言い換えると、出発物質の生成物への変換の度合いは、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物の場合よりも、主反応ゾーンから抽出された生成物の場合の方が高い。
塩素化アルカンリッチ生成物が用いられる又は製造される本発明の実施形態では、それは、上記で概説した塩素化アルカン:塩素化アルケン比を有し得る。
予想外なことに、主反応ゾーンにおける塩素化アルケンの変換の度合いを注意深く制御することにより、不純物の生成が最小限に抑えられることが見出された。反応混合物中の塩素化アルカンのレベルは、例えば、i)主反応ゾーンから塩素化アルカンを除去することによって(特異的に、又は塩素化アルカンリッチ生成物の抽出により)、ii)主反応ゾーンにおける反応条件を制御することによって(例:温度、光への暴露、及び/又は圧力)、並びに/又はiii)主反応ゾーンに存在する塩素化アルケン及び/若しくは塩素の量を制御することによって制御することができる。
塩素化アルケンの塩素化アルカンへの変換の度合いが、主反応ゾーンに存在する塩素(例:そこへ直接供給される及び/又は反応混合物の成分として存在する)の量を制御することによって制御(すなわち、制限)される本発明の実施形態では、得られた塩素化アルカンリッチ生成物の塩素含有量は、非常に低くてよく、例えば、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下である。
この主変換工程は、典型的には、一次反応ゾーンの下流の1つ以上の主反応ゾーンで行われる。本発明の方法において、いかなる数の主反応ゾーンが用いられてもよく、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の主反応ゾーンである。
主変換工程では、塩素化アルケンを塩素化アルカンに変換する結果となるいかなる条件が用いられてもよい。本発明の実施形態では、主変換工程は、温度が低下された変換工程を含んでよい。そのような工程が行われる場合、抽出された反応混合物の温度の低下は、好ましくは、反応混合物を、低下された温度(例えば、約−30から約30℃、約−25から約10℃、又はより好ましくは、約−20から約−10℃)で運転される主反応ゾーンへ供給し、主変換ゾーンから塩素化アルカンリッチ生成物を抽出することによって達成される。
予想外なことに、塩素化アルケン、塩素、及び塩素化アルカンを含む反応混合物を低温に維持することにより、不要な不純物の生成を最小限に抑えながら塩素化アルケンが塩素化アルカンへ変換される結果となり、選択性及び/又は収率が向上されることが見出された。
したがって、本発明のさらなる態様によると、塩素化アルケン及び塩素化アルカンを含む反応混合物が、約−30℃から約30℃、約−25℃から約10℃、又はより好ましくは、約−20℃から約−10℃の温度で運転される主反応ゾーンに供給され、主反応ゾーンから塩素化アルカンリッチ生成物が抽出される温度が低下された変換工程を含む高純度塩素化アルカンの製造方法が提供される。
特定の実施形態の場合、主反応ゾーン中の反応混合物を光(例えば、紫外光)に暴露することは、低温で良好に反応を行うのに有用である。
本発明の態様では、主反応ゾーンに供給される反応混合物中に存在する塩素化アルカン:塩素化アルケンの比は、70:30以下、60:40以下、50:50以下、40:60以下、若しくは30:70以下、及び/又は5:95以上、10:90以上、20:80以上、若しくは40:60以上であってよい。
本発明の実施形態では、主反応ゾーンの運転温度は、単一の冷却操作、又は主反応ゾーンが順に低くなる温度で運転される一連の冷却操作で達成されてよい。低下された温度での主反応ゾーンの運転は、当業者に公知のいかなる技術を用いて行われてもよい。
温度が低下された変換工程は、好ましくは、一次反応ゾーンの下流の1つ以上の主反応ゾーンで行われる。例えば、温度が低下された変換工程が、単一の冷却操作を必要とする場合、それは、単一の主反応ゾーンで行われてよい。温度が低下された変換工程が、一連の冷却操作を必要とする場合、それは、単一の主反応ゾーン又は複数の主反応ゾーンで行われてよい。
本発明の実施形態では、反応混合物は、反応混合物中に必要とされるレベルの塩素化アルカンを得るのに充分である時間及び条件で、主反応ゾーン中に維持される。
主反応ゾーンは、減圧、大気圧、又は加圧下で運転されてよい。
加えて又は別の選択肢として、一次及び/又は主反応ゾーンは、可視光及び/又は紫外光を例とする光に暴露されてよい。
本発明の実施形態では、主反応ゾーンにおける反応混合物の滞留時間は、約30から300分間、約40から約120分間、又は約60から約90分間の範囲であってよい。
本発明の実施形態では、主反応ゾーンで行われる反応は、液相であり、すなわち、その中に存在する反応混合物は、主として又は完全に液体である
本発明の実施形態では、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物は、主変換工程に直接掛けられる。別の選択肢としての実施形態では、抽出された反応混合物は、主変換工程に掛けられる前に、1つ以上の前処理工程に掛けられる。
本発明の実施形態では、塩素化アルカンリッチ生成物中の塩素化アルカンの所望されるレベルを達成するために、主変換工程は、約20℃以上、約30℃以上、約40℃以上、約50℃以上、又は約60℃以上を例とする高められた温度まで塩素化アルカンリッチ生成物を加熱することを含んでよい。
このようにして塩素化アルカンリッチ生成物を加熱することは、単一の加熱工程で行われてよい。別の選択肢として、塩素化アルカンリッチ生成物は、順に高くなる温度の一連の加熱工程に掛けられてもよい。
上述したように、異なる反応ゾーンが、異なる温度、圧力、並びに/又は異なる種類及び/若しくは強度の光への暴露下で運転されてよい。例えば、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物は、温度が低下された変換工程が行われる第一の主反応ゾーンへ送られてよい。得られた塩素化アルカンリッチ生成物は、次に、第一の主反応ゾーンの下流の第二の主反応ゾーンへ送られてよく、そこでは、加熱処理又はUV暴露工程が行われて、存在する残りの未反応塩素化アルケンの大部分が、塩素化アルカン生成物に変換される。別の選択肢として、温度が低下された変換工程、並びに加熱及び/又はUV暴露工程は、すべて主反応ゾーンで行われてもよい。
したがって、本発明の実施形態では、複数の主反応ゾーンが順に用いられてよい。理解を容易とするために、これらは、上流主反応ゾーン及び下流主反応ゾーンとして記載されてよく、これらのゾーンが順に運転される場合、上流主反応ゾーンは、下流主反応ゾーンの上流に存在する。
そのような実施形態では、いかなる数の上流主反応ゾーン及び/又は下流主反応ゾーンが存在してもよく、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上の上流主反応ゾーン及び/又は下流主反応ゾーンである。
そのような構成が用いられる場合、加熱処理及び/又は光(例:紫外光)暴露は、上流及び/若しくは下流主反応ゾーンの一部又はすべてで行われてよい。光暴露の強度は、下流主反応ゾーンの方が高くてよい。加えて又は別の選択肢として、下流主反応ゾーンで反応混合物が暴露される光の波長は、上流主反応ゾーンでの波長よりも低くてよい。
本発明の特定の実施形態では、加熱処理及び/又は光暴露工程は、下流主反応ゾーンのみで行われてもよい。
本発明の方法の1つの利点は、一次及び/又は主反応ゾーンが連続プロセス又はバッチプロセスで運転されるかに関わらず、望ましい結果が得られることである。「連続プロセス」及び「バッチプロセス」の用語は、当業者であれば理解される。
本発明の方法では、当業者に公知のいかなる種類の反応器が用いられてもよい。一次反応ゾーン及び/又は主反応ゾーンの提供に用いられてよい反応器の具体例は、塔型反応器(例:塔型気液反応器)、管型反応器(例:管型気相反応器)、気泡塔型反応(bubble column reactions)、プラグフロー反応器、及び撹拌槽反応器、例えば連続撹拌槽反応器である。
本発明で用いられる反応器は、各々が異なるフローパターン、及び/又は異なる運転温度/圧力を有する異なるゾーンに分割されてもよい。例えば、主変換工程は、複数の主反応ゾーンを含む反応器で行われてよい。これらのゾーンは、異なる温度及び/又は圧力で運転されてよい。例えば、主変換工程が温度が低下された変換工程である実施形態では、主反応ゾーンは、順に低くなる温度で運転されてよい。
加えて又は別の選択肢として、本発明の方法で用いられる反応器は、外部循環ループを備えていてもよい。外部循環ループは、所望に応じて、冷却及び/又は加熱手段を備えていてもよい。
当業者であれば認識されるように、反応ゾーンは、冷却管、冷却ジャケット、らせん状冷却管(cooling spirals)、熱交換器、加熱ファン、加熱ジャケット、又は同種のものなどの冷却/加熱要素の使用によって異なる温度に維持されてよい。
本発明の方法で用いられる一次及び/若しくは主反応ゾーンの一部又はすべてが、可視光(自然光又は人工的に発生された光)、紫外光に暴露されてよく、及び/又は暗所で運転されてもよい。
液体、溶液、及び/又は気体の形態である塩素が、主反応ゾーンに供給されてよい。塩素化アルケンも、又は別の選択肢として塩素化アルケンが、必要に応じて主反応ゾーンに供給されてよい。
当業者であれば、特定の実施形態において、本発明の方法のいずれの段階で用いられる反応ゾーンも、撹拌器、フォロア(followers)、フローチャネリング(flow channeling)手段、又は同種のものを例とする撹拌手段を必要とする場合があり、本発明の方法における一次及び/又は主反応ゾーンでのそのような手段の使用が想定されることは認識される。一次及び/又は主反応ゾーンは、異なるフロータイプの反応混合物で運転されてもよい。
本発明の方法で用いられる一次及び/又は主反応ゾーンは、単一又は複数の反応器内に配置されてよい。したがって、例えば、本発明の実施形態では、一次反応ゾーンのすべてが、単一の反応器中、例えば塔型気液反応器中の異なる反応ゾーンであってよい。
別の選択肢として、一次反応ゾーンは、異なる反応器中(例:一連の連続撹拌槽反応器)にあってよく、又はさらには、異なる種類の反応器中にあってもよい(例:1つ以上の一次反応ゾーンが、連続撹拌槽反応器中にあってよく、及びさらなる一次反応ゾーンが、管型状反応器中にあってよい)。
予想外なことに、本発明の方法の運転に用いられる装置(又は、反応混合物流及び/又は生成物流と接触することになる少なくともその装置の部分)が特定の材料を含まない場合、塩素化アルカン分解生成物の形成を最小限に抑えることができることが見出された。
したがって、本発明のさらなる態様によると、塩素化アルケン出発物質からの高純度塩素化アルカンの製造方法が提供され、ここで、その方法を行うための装置は、装置の使用中に塩素化アルカン生成物及び/又は塩素化アルケンと接触することになる装置の部分に含まれる鉄が、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、又は約1%未満であるように構成される。
本発明のそのような実施形態では、この方法を行うための装置は、塩素化アルカン生成物及び/又は塩素化アルケンと接触することになる装置の部分が、フルオロポリマー、フルオロクロロポリマー、ガラス、エナメル、フェノール樹脂含浸グラファイト、炭化ケイ素、及び/又はフルオロポリマー含浸グラファイトから製造されるように構成される。例えば、可視又は紫外光を反応混合物に提供するのに必要な条件を提供すると同時に、腐食及び温度などの他の問題も確実に抑制する目的で、複合的な効果を得るために、ガラス、PVDF、ETFE、及びハステロイの組み合わせが用いられてもよい。
本発明の実施形態では、主反応ゾーンは、プラグフロー反応器である。そのような装置を用いることの利点は、この反応器を、逆流混合を最小限に抑える又は防止するように構成することができることである。
上記で概説したプロセス工程は、不純物の形成、特に、ターゲット塩素化アルカン生成物からの除去が困難である不純物の形成を最小限に抑える。
一次反応ゾーンから抽出される反応混合物又は主反応ゾーンから得られる塩素化アルカンリッチ生成物の純度を最大化するために、さらなる精製工程が行われてもよい。例えば、1つ以上の蒸留工程が行われてよい。そのような蒸留工程は、低温/低下された圧力の条件下で行われてよい。
加えて又は別の選択肢として、1つ以上の加水分解工程が行われてもよい。反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物(いずれも典型的には、塩素化アルケン、塩素化アルカン、及び酸素化有機化合物を含む不純物を含んだ混合物)が加水分解工程に掛けられる実施形態では、これは、典型的には、一次反応ゾーンから抽出された反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物を、加水分解ゾーンにおいて水性媒体と接触させることを含む。加水分解工程において用いられてよい水性媒体の例としては、水、スチーム、及び酸水溶液が挙げられる。
加水分解は、加水分解反応を、それが発生する場合は、進行させるのに適する条件で行われる。
反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物中に存在する酸素化有機化合物の含有量を低下させることから、加水分解工程を行うことが好ましい。酸素化有機化合物の例としては、塩素化アルカノール、塩素化酸塩化物、塩素化酸、又は塩素化ケトンが挙げられる。
加水分解工程が行われる本発明の実施形態では、そのような工程に掛けられる反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物は、約500ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、又は約10ppm以下の酸素化有機化合物含有量を有し得る。
したがって、本発明のさらなる態様によると、塩素化アルカン、塩素化アルケン、及び酸素化有機化合物を含む塩素化アルカンリッチ生成物(いずれかの上流プロセスから得ることができる)から酸素化有機化合物を除去するための方法が提供され、その方法は、塩素化アルカンリッチ生成物を水性処理ゾーンへ供給すること、塩素化アルカンリッチ生成物を水性媒体と接触させて混合物を生成すること、及びi)その混合物から有機相を抽出するか、又はii)その混合物から塩素化アルカン流を抽出することを含み、この有機相/塩素化アルカン流は、水性処理ゾーンに供給された塩素化アルカンリッチ生成物と比較して低下されたレベルの酸素化有機化合物を含む。
加水分解工程が行われる本発明の方法において、水性処理ゾーンに供給される反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物は、約0.8%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下を例とする低い塩素含有量を有し得る。誤解を避けるために、この文脈で塩素が言及される場合、それは、遊離塩素、未反応塩素、及び溶解塩素を包含する。塩素以外の原子と結合した塩素は、考慮されるべきではない。
本発明の実施形態では、加水分解ゾーンは、洗浄槽内に存在する。そのような実施形態では、反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物は、水及び/又はスチームによって洗浄されてよい。
反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物が、加水分解ゾーンにおいて水性媒体と接触されて混合物が形成された後、その混合物は、1つ以上の処理工程に掛けられてもよい。例えば、反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物の成分(例:塩素化アルカン生成物及び/又は未反応塩素化アルケン出発物質)が、例えば、減圧下及び/又は低温下が好ましい蒸留によって、水性処理ゾーンで形成された混合物から抽出されてよい。そのような工程は、混合物が水性処理ゾーンに存在する間に行われてよい。加えて又は別の選択肢として、混合物は、水性処理ゾーンからまず抽出され、そのゾーンから離れた抽出工程に掛けられてもよい。
加えて又は別の選択肢として、本発明の実施形態では、水性処理ゾーンにおいて二相混合物が形成されてもよい。そのような実施形態では、反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物の塩素化アルカン成分を少なくとも含む有機相が廃水相から分離される相分離工程が行われてよい。これは、水性処理ゾーンからの相を順に抽出することによって行われてよい。別の選択肢として、二相混合物が、水性処理ゾーンから抽出され、水性処理ゾーンから離れた相分離工程に掛けられて、有機相が抽出されてもよい。
続いて有機相は、所望に応じて行われてよいろ過の後、蒸留に掛けられて、精製塩素化アルカン生成物及び/又は未反応塩素化アルケン出発物質を含む流れが得られてよい。塩素化アルケン出発物質は、一次及び/又は主反応ゾーンへと再循環されてよい。
加えて又は別の選択肢として、有機相は、上記で概説したさらなる加水分解工程に掛けられてもよい。加水分解工程は、必要に応じて、例えば1回、2回、3回、又はそれ以上の回数繰り返されてもよい。
本発明の実施形態では、目的の塩素化アルカンを含む混合物(例:一次反応ゾーンから得られた反応混合物、主反応ゾーンから得られた塩素化アルカンリッチ生成物、水性処理ゾーンで形成された混合物、及び/又は二相混合物から抽出された有機相)は、約100℃以下、約90℃以下、又は約80℃以下の温度で行われることが好ましい蒸留工程に掛けられてもよい。
そのような蒸留工程は、真空下で行われてもよい。真空蒸留が行われる場合、真空条件は、蒸留が低温で行われ得るように、及び/又はより高い分子量の塩素化アルカンの抽出が促進されるように選択されてよい。
本発明の実施形態では、本発明の方法において行われるいずれの蒸留工程も、少なくとも約50%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、又は少なくとも約99.9%の、i)未反応塩素化アルケン出発物質、及び/又は、ii)塩素化アルカン生成物、を含む流れが得られる結果となり得る。本明細書で用いられる場合、「流れ」の用語は、用いられる装置又は得られる組成物の形態に関わらず、いかなる蒸留工程から得られる組成物も広く包含するものと解釈されるべきである。
当業者に公知のいかなる蒸留装置が本発明の方法で用いられてもよく、例えば、蒸留ボイラー/塔設備である。しかし、予想外なことに、特定の材料から形成された蒸留装置を避けた場合、塩素化アルカン分解生成物の形成を最小限に抑えることができることが見出された。
したがって、本発明のさらなる態様によると、塩素化アルカンリッチ生成物(それが得られたプロセスに関わらず)を蒸留する方法が提供され、そこでは蒸留装置が用いられ、蒸留装置は、蒸留装置の使用時にプロセス流体(液体又は蒸留物を含む)と接触することになるコンポーネントで、約20%以上、約10%以上、約5%以上、約2%以上、又は約1%以上の鉄を含むコンポーネントを有しない。
蒸留工程が行われる本発明の実施形態では、蒸留装置は、蒸留装置の使用時に蒸留物又はプロセス流体と接触することになるそのコンポーネントのすべてが、フルオロポリマー、フルオロクロロポリマー、ガラス、エナメル、フェノール樹脂含浸グラファイト、炭化ケイ素、及び/又はフルオロポリマー含浸グラファイトから製造されるように構成され得る。
蒸留工程が本発明の方法の一部として行われる場合、本発明の方法で用いられる塩素化アルケン出発物質を含むそのような工程で得られる流れは、再循環されて、一次及び/又は主反応ゾーンへ供給されてよい。
本発明の方法は、当業者によく知られた簡便で直接的な技術及び装置を用いて高純度塩素化アルカンを製造することができることから、特に有利である。
本明細書で提供される開示事項から分かるように、本発明の方法は、完全な連続モードで、所望に応じて他のプロセスと組み合わされて、一体化されたプロセスとして運転されてよい。本発明のプロセス工程では、高純度の中間体へ変換され、それ自体がさらに処理されて必要とされるターゲット塩素化化合物とされる出発化合物が用いられ得る。このような化合物は、ヒドロフッ素化変換を例とする様々な下流プロセスでの供給原料として用いられるのに必要な純度を有する。
本発明の実施形態では、本発明の方法を用いることで:
少なくとも約95%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、又は少なくとも約99.95%の量の塩素化アルカン生成物、
並びに以下:
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、又は約10ppm以下の量の酸素化有機化合物、
約500ppm未満、約250ppm以下、又は約100ppm以下の量の目的の塩素化アルカンの異性体、
約500ppm未満、約250ppm以下、又は約100ppm以下の量の非異性体アルカン不純物、
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、又は約50ppm以下の量の塩素化アルケン、
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、又は約50ppm以下の量の水、
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量の塩素の無機化合物、
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量の臭素化有機化合物、及び/又は
約500ppm未満、約200ppm未満、約100ppm未満、約50ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、又は約5ppm未満の量の鉄、
の1つ以上を含む、高純度塩素化アルカン組成物を製造することができる。
誤解を避けるために、「塩素の無機化合物」の用語は、塩素を含有する非有機化合物を包含し、塩素(Cl2)、塩化水素、及びホスゲンが挙げられる。
本発明の実施形態では、組成物は、目的の塩素化アルカン以外の有機化合物を、約1000ppm未満、約500ppm未満、約200ppm未満、又は約100ppm未満含んでよい。加えて又は別の選択肢として、組成物は、全体として、目的の塩素化アルカン以外の有機化合物を、約0.5%未満、約0.3%未満、約0.1%未満含んでよい。
塩素化アルカン生成物が、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンである実施形態では、本発明の方法を用いることで:
少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、又は少なくとも約99.95%の量の1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン、
塩素化プロピオニルクロリド、塩素化プロパノール、及び塩素化プロピオン酸を含む、3つすべての化合物で約1000ppm以下、約500ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、又は約10ppm以下の量の酸素化有機化合物、
1000ppm以下、約500ppm以下、約250ppm以下、又は約100ppm以下の量の、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン以外の塩素化プロパン異性体、
1000ppm以下、約500ppm以下、約250ppm以下、約100ppm以下、又は約50ppm以下の量の塩素化プロペン、
約500ppm以下、約250ppm以下、又は約100ppm以下の量の水、
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量の臭素化有機化合物、
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量の塩素の無機化合物、及び/又は
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、約10ppm以下、又は約5ppm以下の量の鉄、
を含む高純度組成物を製造することができる。
塩素化アルカン生成物が1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンである本発明の実施形態では、組成物は、約1000ppm未満、約500ppm未満、約200ppm未満、又は約100ppm未満の1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン以外の有機化合物を含んでよい。加えて又は別の選択肢として、組成物は、約1000ppm未満、約500ppm未満、約200ppm未満、又は約100ppm未満の1,1,3,3‐テトラクロロプロペン、1,1,1,2,3,3‐ヘキサクロロプロパン、及び/又は1,1,1,2,2,3‐ヘキサクロロプロパンを含んでよい。
既に述べたように、先行技術では、そのような高度合いの純度を有する塩素化アルカンを、高い収率で、選択的反応を用いて製造するためのプロセスが開示も教示もされていない。したがって、本発明のさらなる態様によると、上記で示した高純度塩素化アルカン組成物が提供される。
加えて、上記で概説した組成物は、フルオロアルカン若しくはフルオロアルケン、及び/又はクロロフッ素化アルケンの、又はさらには、塩素化アルケンの合成における出発物質として用いるのにそれを特に良好に適するようにする不純物プロファイルを有する。したがって、本発明のさらなる態様によると、本明細書で概説される高純度1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン組成物の、上記で識別されたフルオロアルカン/フルオロアルケン、及び/又はクロロフルオロアルケン、又はクロロアルケンの合成における供給原料としての使用が提供される。本発明のこの態様の1つの実施形態では、この組成物を用いて、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン(HFO‐1234yf)を製造することができる。本発明のこの態様の別の実施形態では、この組成物を用いて、2‐クロロ‐3,3,3‐トリフルオロプロペン(HFO‐1233xf)を製造することができる。本発明のこの態様のさらに別の実施形態では、この組成物を用いて、1,1,2,3‐テトラクロロプロペン(HFO‐1230xa)を製造することができる。
本発明の方法におけるいずれの段階で用いられる反応ゾーンも、異なる圧力及び/若しくは温度で運転されてよく、並びに/又はその中に反応混合物の異なる流れ(例:密度/方向が異なる流れ)を有してよい。
本発明の方法におけるいずれの段階で用いられる反応ゾーンも、順に(例:反応混合物が、最初の上流反応ゾーンから最後の下流反応ゾーンまで、所望に応じて中間反応ゾーンを介して送られる場合)、及び/又は並行して運転されてよい。
反応ゾーンが順に、並びに異なる温度及び/又は圧力で運転される実施形態では、反応ゾーンの一部又はすべてにおける温度及び/又は圧力は、順に増加又は減少されてよい。
本発明の方法で用いられる反応ゾーンのうちの1つ、いくつか、又はすべては、減圧、大気圧、又は加圧下で運転されてよい。
誤解を避けるために、圧力の単位(kPa)に言及される場合、それは、識別される絶対値である。値がパーセントとして提示される場合、特に断りのない限り、それは重量パーセントである。
一次変換及び主変換工程の図である(1,1,3‐トリクロロプロペンの1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンへの変換)。 加水分解工程の図である。 蒸留工程の図である。
1 気体塩素
2 塔型気液反応器
3 外部循環ループ
4 外部冷却器
5 外部循環ループ
6 1,1,3‐トリクロロプロペン供給流
7 外部循環ループ
8 1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ流
9 冷却器
10 1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ流(図2の加水分解工程へ供給)
11 オフガス
101 水流
102 1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ供給流
103 洗浄槽
104 洗浄槽出口
105 フィルター
106 フィルターケーキ
107 1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ生成物流
108 廃水流
201 1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ供給流(図2の生成物流107)
202 蒸留ボイラー
203 蒸留残渣流
204 フィルター
205 フィルターケーキ
206 重質流
207 真空蒸留塔
208 蒸留流
209 凝縮器
210 中間体ライン
211 液体分割器
212 還流流
213.1 1,1,3‐トリクロロプロペン流
213.2 1,1,1,3‐テトラクロロプロパン流
213.3 精製1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン流
実施例
用いた略語:
TCPe=1,1,3‐トリクロロプロペン
PCPa=1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン
HCE=ヘキサクロロエタン
DCPC=ジクロロプロパノイルクロリド
以降、本発明を、以下の例でさらに説明する。
例1 − 1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンの連続製造
本発明の一次変換工程及び主変換工程の実施に用いられる設備の模式図を図1に示す。1,1,3‐トリクロロプロペンの液体流が、ライン6を介して、塔型気液反応器2と接続された外部循環ループ3、5、7に供給される。気体塩素は、ライン1を介して反応器2に供給される。反応器2は、単一の一次反応ゾーンを含み、すなわち、循環ループ3、5、7、及び反応器2の下側部分である。循環ループ3、5、7は、反応混合物の温度を制御するための外部冷却器4を備える。1,1,3‐トリクロロプロペン及び塩素の充分な混合が、一次反応ゾーン内で達成される。一次変換工程は、連続撹拌槽反応器など、1つ以上の他のタイプの反応器で同様に行うことも可能である。
一次反応ゾーン内の運転温度は、0℃から20℃である。この範囲内で反応器を運転することにより、ターゲット生成物である1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンからの分離が困難であるペンタクロロプロパン異性体の形成が最小限に抑えられることが見出された。反応混合物の充分な混合及び穏和な温度、それに加えて反応混合物中に存在する1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンの割合を制御することにより、1,1,3‐トリクロロプロペンの逐次反応及び1,1,1,3,3‐ペンタクロロプロパン(1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンからの分離が困難)の形成が最小限に抑えられることが見出された。低温での反応速度を増加させるために、反応混合物は、可視光に暴露される。
次に、反応混合物は、温度が低下された変換工程として行われる主変換工程のために、反応器2の中を上方へ送られる。反応混合物の冷却は、冷却管を用いて行われ、反応混合物は、一連の上流及び下流主反応ゾーン(図示せず)を通して送られ、1,1,3‐トリクロロプロペンがゾーン毎に塩素化される結果となる。反応を完了へと進めるために、下流主反応ゾーン中の反応混合物は、紫外光に暴露される。有利には、このことにより、塩素出発物質が充分に利用され、それによって、最下流主反応ゾーンから抽出される得られた反応混合物は、非常に低いレベルの溶解塩素を有する。
そのような温度で主反応ゾーンを運転することにより、ヘキサクロロプロパンなどの不要で問題となる不純物の形成をもたらす1,1,3‐トリクロロプロペンの逐次反応が最小限に抑えられることが見出された。
1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ流は、ライン8を介して反応器2から抽出される。オフガスは、ライン11を介して反応器2から抽出される。1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ流は、生成物冷却器9を用いた冷却に掛けられ、ライン10を介して加水分解工程へ送られる。この工程を行うために用いられる装置を示す模式図を図2に示す。
この装置では、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ流が、ライン102を介して洗浄槽に供給される。水が、ライン101を介して洗浄槽に供給されて、二相混合物が形成される。有機相(1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ生成物を含有)の水相からの分離は、ライン104を介してこれらの相を順に除去することによって容易に行うことができる。抽出された層は、105でろ過され、フィルターケーキは106で除去される。次に、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ生成物は、ライン107を介してさらなる処理へと供給され、同時にライン108を介して廃水が除去される。
加水分解工程は、塩素化プロピオニルクロリド並びにその対応する酸及びアルコールなど、本発明の方法の過程で形成され得る酸素化有機化合物の除去に特に有効である。そのような化合物の形成は、合成の上流段階から酸素の存在を排除することによって回避可能であるが、それを行うことは、製造コストを増加させる。したがって、加水分解工程は、そうでなければ問題となる(例えば蒸留によるそれらの除去が困難であることに起因して)そのような不純物の経済的で直接的な除去を補助するものである。
得られた1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンの純度を最大化するために、図3に示される装置、すなわち、蒸留ボイラー202及び真空蒸留塔207を用いて、真空蒸留工程を行った。有利には、プロセス液体及び蒸留物と接触することになる蒸留装置のコンポーネントは、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンの分解生成物の形成を防止する非金属材料から形成される。
真空蒸留塔207は、ボイラー中で形成され得る軽分子量化合物による生成物流の汚染を防止するために用いることができる液体側流抜き出し部(liquid side stream withdrawal)を備える。
図2に示される装置からの1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンリッチ生成物は、ライン201を介してボイラー202に供給される。残渣は、ライン203を介して蒸留ボイラー202から抽出され、フィルター204を用いたろ過に掛けられる。フィルターケーキは、システム205から抽出され、重質流は、ライン206を介して抽出され、さらなる処理に掛けられる。
蒸留物は、ライン208を介して蒸留塔201から取り出され、凝縮器209、中間ライン210、及び液体分割器211を介して供給されて、i)ライン213.1を介して、一次反応ゾーンへ再循環される1,1,3‐トリクロロプロペンの流れ、ii)ライン213.2を介して、1,1,1,3‐テトラクロロプロパンの流れ、及びライン213.3を介して精製1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンの流れが得られる。分割器211からの還流流212は、再び真空蒸留塔207へ供給される。
上記で概説した装置及びプロセス条件を用いて、3062kgの1,1,3‐トリクロロプロペン(113TCPe、純度97.577%)を、時間当たりの平均投入量44.9kg/時間で連続処理し、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン(11123PCPa)を製造した。この方法の基本パラメータは以下の通りである。
Figure 2021054861
上述した実施形態の図3におけるライン213.3で得られた精製生成物の完全な純度プロファイルを以下の表に示す。
Figure 2021054861
例2 − 超純粋組成物1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン(PCPA)
例1の方法を4回繰り返し、図3に示した装置を用いた蒸留の後、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンのサンプルを得た。約15ミリバールの圧力及び最大ボイラー温度105℃で蒸留を行った。以下の表から分かるように、本発明の方法により、不純物、特に、蒸留を用いた1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンからの分離が非常に困難である1,1,2,2,3‐ペンタクロロプロパンのレベルが非常に低い高純度PCPAを得ることができる。この表中の数値は、組成物に対する重量パーセントとして与えられることには留意されたい。
Figure 2021054861
例3 − 水処理の効果
粗1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン組成物が、図1に示し、上記例1で述べた装置を用いて得られ、例えば、組成物は、図1のライン10から得られた。一方の流れ(試験3‐1)は、加水分解工程に掛けず、他方(試験3‐2)は、図2に示し、上記例1で述べた装置を用いて加水分解工程に掛けた。次に、得られた粗組成物を、蒸留に掛けた。蒸留の前後でのサンプルの純度及び酸素化化合物含有量を、以下の表に示す。
Figure 2021054861
明らかなように、洗浄工程を用いることで、目的の塩素化アルカンがリッチである組成物中における酸素化有機不純物の含有量を良好に最小限に抑えることができる。
例4 − 塩素化アルケン:塩素化アルカンのモル比の不純物形成に対する影響
スターラー、温度計、後部冷却器(back cooler)、供給及び排出口、並びに冷却浴を備えた4つ口ガラスフラスコから成るバッチ運転反応器を設置した。供給原料は、市販の供給品で見られる量のパークロロエチレン及び酸素化不純物を含む1,1,3‐テトラクロロプロペンから構成した。
少量のHClガスが形成され、それは、微量の塩素と共に後部冷却器/凝縮器によって冷却した後、苛性ソーダスクラバーで吸収した。様々な量の塩素を、90分間にわたり、封管を介して液体反応混合物へ導入した。反応温度は、26から31℃に維持した。圧力は、大気圧とした。反応の過程で、塩素は完全に消費された。反応混合物をサンプリングし、GCで分析し、この分析結果を以下の表に示す。
Figure 2021054861
分かるように、塩素化アルケン出発物質の目的の塩素化アルカン生成物への変換率が増加すると、反応混合物中の不純物の形成も増加する結果となる。このような不利な結果は、出発物質の生成物への変換率が完全な変換に近付くに従って生じる。
例5 − 塩素化アルケン:塩素化アルカンのモル比の異性体選択性に対する影響
この例は、上記例4で述べたように行った。1,1,3‐トリクロロプロペン(純度94.6%、不純物として5%の1,1,1,3‐テトラクロロプロパンを含有)を、供給原料として用いた。
異なる反応温度で4つの試験を行った。投入塩素が化学量論量の80%、90%、95%、及び100%(供給原料中の113TCPeに基づく)である反応混合物のサンプルを取り、次にガスクロマトグラフィで分析した。この分析の結果を以下の表に示す。
Figure 2021054861
これらの結果は、塩素化アルケン出発物質の目的の塩素化アルカン生成物への変換率の増加が、目的の塩素化アルカン異性体に対する反応の選択性の低下をもたらしていることを示している。
このような不利な結果は、出発物質の生成物への変換率が完全な変換に近付くに従って生じる。
例6 − 塩素化アルケン:塩素化アルカンのモル比の不純物形成に対する影響
この塩素化工程は、上記例4で述べたように行った。1,1,3‐トリクロロプロペン(純度99.4%)を供給原料として用いた。
塩素を、供給原料1,1,3‐トリクロロプロペンに対する化学量論量の120%で、90分間にわたって液体反応混合物中に導入し、反応の過程で塩素は完全に消費された。反応温度は80℃であり、反応器圧力は大気圧とした。投入塩素が化学量論量の80%、95%、110%、及び120%である反応混合物のサンプルを取り、ガスクロマトグラフィで分析した。反応選択性は、以下の表中、主要な不純物(1,1,3,3‐テトラクロロプロペン、1,1,1,2,3,3‐ヘキサクロロプロパン、1,1,1,2,2,3‐ヘキサクロロプロパン)の合計の生成物1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンに対する比として表す。
Figure 2021054861
これらの結果は、塩素化アルケン出発物質の目的の塩素化アルカン生成物への変換率の増加が、不要な不純物の形成の増加をもたらしていることを示している。このような不利な結果は、出発物質の生成物への変換率が完全な変換に近付くに従って生じる。分かるように、変換(及び、したがって、不純物の形成)の度合いは、塩素:塩素化アルケン出発物質が過剰なモル比とならないように反応ゾーン中への塩素の量を制御することによって有利に、及び都合良く達成することができる。
例7 − 加水分解による酸素化不純物の除去
目的の塩素化アルカン生成物からの酸素化化合物除去における本発明の加水分解工程の効果を実証するために、粗反応混合物のサンプルが、図1に示し、上記例1で述べた装置を用いて得られ、例えば、組成物は、図1のライン10から得られた。下流の反応において問題となることが公知である特定の酸素化化合物の含有量を分析した(フィード)。次に、サンプルを、図2に示し、例1で上述した装置を用いて加水分解工程に掛け、有機相、例えば、図2のライン107から得られた組成物を分析した(処理後)。結果を以下の表に示す。
Figure 2021054861
この例から分かるように、この特定の酸素化不純物の除去効率は、約97.5%である。
本開示には以下の実施形態も開示される。
[実施形態1]
塩素化アルケンを反応ゾーンで塩素と接触させて、塩素化アルカン及び前記塩素化アルケンを含有する反応混合物を生成し、前記反応ゾーンから前記反応混合物の一部分を抽出する、高純度塩素化アルカンの製造方法であって、前記反応ゾーンから抽出された前記反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が95:5を超えない、高純度塩素化アルカンの製造方法。
[実施形態2]
前記塩素化アルケンが、1,1,3‐トリクロロプロペンであり、前記塩素化アルカンが、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンである、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
前記方法が、連続的である、実施形態1又は2に記載の方法。
[実施形態4]
前記反応ゾーンが、一次反応ゾーンである、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態5]
前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、50:50を超えない、実施形態4に記載の方法。
[実施形態6]
前記一次反応ゾーンの運転温度が、約−10℃から約50℃である、実施形態4又は5に記載の方法。
[実施形態7]
前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物が、主反応ゾーンにおいて主変換工程に掛けられて、塩素化アルカンリッチ生成物が生成され、前記塩素化アルカンリッチ生成物が前記主反応ゾーンから抽出される、実施形態4から6のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態8]
i)前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物中、及び、ii)前記主反応ゾーンから抽出された前記塩素化アルカンリッチ生成物中、の両方における塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、95:5を超えない、実施形態7に記載の方法。
[実施形態9]
前記主反応ゾーンから抽出された前記塩素化アルカンリッチ生成物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比よりも高い、実施形態8に記載の方法。
[実施形態10]
前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物及び/又は前記主反応ゾーンから抽出された前記塩素化アルカンリッチ生成物が、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下の塩素レベルを有する、実施形態7から9のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態11]
前記主変換工程が、温度が低下された変換工程を含み、前記温度が低下された変換工程において、前記一次反応から抽出された前記反応混合物が、低下された温度で運転される主反応ゾーンへ供給され、前記塩素化アルカンリッチ生成物が前記主反応ゾーンから抽出される、実施形態7から10のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態12]
前記低下された温度が、約−30℃から約30℃である、実施形態11に記載の方法。
[実施形態13]
塩素化アルケン及び塩素化アルカンを含む反応混合物が、約−30℃から約30℃、約−25℃から約10℃、又はより好ましくは、約−20℃から約−10℃の温度で運転される主反応ゾーンへ供給され、前記主反応ゾーンから塩素化アルカンリッチ生成物が抽出される、温度が低下された変換工程を含む高純度塩素化アルカンの製造方法。
[実施形態14]
前記一次反応ゾーン及び/又は前記主反応ゾーンが、可視光及び/又は紫外光に暴露される、実施形態1から13のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態15]
複数の主反応ゾーンが順に用いられ、下流主反応ゾーン中の反応混合物が、紫外光及び/又は加熱処理にさらされる、実施形態7から14のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態16]
最下流主反応ゾーン中の反応混合物が、紫外光及び/又は加熱処理にさらされる、実施形態15に記載の方法。
[実施形態17]
前記一次反応ゾーン及び/又は主反応ゾーン中に存在する塩素のレベルが、前記一次反応ゾーン及び/又は主反応ゾーン中に存在する反応混合物中に過剰の塩素が存在しないように制御される、実施形態1から16のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態18]
前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物が、加水分解工程に掛けられる、実施形態1から17のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態19]
前記加水分解工程が、前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物を水性処理ゾーンにて水性媒体と接触させることを含む、実施形態18に記載の方法。
[実施形態20]
前記水性媒体が、前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物との混合物を形成し、前記方法はさらに、i)前記混合物から有機相を抽出する工程、及び/又は、ii)前記混合物から塩素化アルカン流を抽出する工程、を含む、実施形態19に記載の方法。
[実施形態21]
塩素化アルカン、塩素化アルケン、及び酸素化有機化合物を含む塩素化アルカンリッチ生成物から酸素化有機化合物を除去するための方法であって、前記塩素化アルカンリッチ生成物を水性処理ゾーンへ供給すること、前記塩素化アルカンリッチ生成物を水性媒体と接触させて混合物を生成すること、及び、i)前記混合物から有機相を抽出するか、若しくは、ii)前記混合物から塩素化アルカン流を抽出することを含み、前記有機相/塩素化アルカン流は、前記水性処理ゾーンに供給された前記塩素化アルカンリッチ生成物と比較して、低下されたレベルの酸素化有機化合物を含む、方法。
[実施形態22]
前記水性処理ゾーンで形成された混合物から抽出された有機相及び/又は塩素化アルカン流が、約1000ppm以下、約500ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、又は約10ppm以下の量で酸素化有機化合物を含む、実施形態20又は21に記載の方法。
[実施形態23]
前記水性処理ゾーンに供給される前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物が、約0.1%未満、約0.05%未満、又は約0.01%未満の塩素を含む、実施形態18から22のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態24]
前記水性処理ゾーンで形成された前記混合物から抽出された前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物/有機相が、1つ以上の蒸留工程に掛けられる、実施形態1から23のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態25]
蒸留工程が、前記加水分解工程の前及び/又は後に行われる、実施形態24に記載の方法。
[実施形態26]
前記蒸留工程が、精留セクションを含む蒸留塔で行われ、前記塩素化アルカンの精製流が、前記蒸留塔の精留セクションからの液相副生物として抽出される、実施形態24又は25に記載の方法。
[実施形態27]
蒸留装置が用いられる塩素化アルカンリッチ生成物の蒸留方法であって、前記蒸留装置は、前記蒸留装置の使用時にプロセス流体と接触することになるコンポーネントであって、約20%以上、約10%以上、約5%以上、約2%以上、又は約1%以上の鉄を含むコンポーネントを有しない、蒸留方法。
[実施形態28]
前記蒸留装置は、前記蒸留装置の使用時に蒸留物又はプロセス液体と接触することになる前記蒸留装置のコンポーネントのすべてが、フルオロポリマー、フルオロクロロポリマー、ガラス、エナメル、フェノール樹脂含浸グラファイト、炭化ケイ素、及び/又はフルオロポリマー含浸グラファイトから製造されるように構成される、実施形態27に記載の方法。
[実施形態29]
実施形態1から28のいずれか一項に記載の方法から得ることができる組成物。
[実施形態30]
実施形態29に記載の組成物であって、
少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、又は少なくとも約99.95%の量の前記塩素化アルカン生成物、
並びに以下の1つ以上:
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、又は約10ppm以下の量の酸素化有機化合物、
約500ppm未満、約250ppm以下、又は約100ppm以下の量の前記目的の塩素化アルカンの異性体、
約500ppm未満、約250ppm以下、又は約100ppm以下の量の非異性体アルカン不純物、
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、又は約50ppm以下の量の塩素化アルケン、
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、又は約50ppm以下の量の水、
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量の塩素の無機化合物、
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量の臭素化有機化合物、及び/又は
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、約10ppm以下、又は約5ppm以下の量の鉄、
を含む、組成物。
[実施形態31]
少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、又は少なくとも約99.95%の量の塩素化アルカン生成物、
並びに以下の1つ以上:
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、又は約10ppm以下の量の酸素化有機化合物、
約500ppm未満、約250ppm以下、又は約100ppm以下の量の前記目的の塩素化アルカンの異性体、
約500ppm未満、約250ppm以下、又は約100ppm以下の量の非異性体アルカン不純物、
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、又は約50ppm以下の量の塩素化アルケン、
約500ppm未満、約250ppm以下、約100ppm以下、又は約50ppm以下の量の水、
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量の塩素の無機化合物、
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、又は約10ppm以下の量の臭素化有機化合物、及び/又は
約100ppm以下、約50ppm以下、約20ppm以下、約10ppm以下、又は約5ppm以下の量の鉄、
を含む組成物。
[実施形態32]
前記塩素化アルカンが、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンである、実施形態29から31のいずれか一項に記載の組成物。
[実施形態33]
前記組成物が、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン以外の有機化合物を、約1000ppm未満、約500ppm未満、約200ppm未満、又は約100ppm未満含む、実施形態32に記載の組成物。
[実施形態34]
前記組成物が、約1000ppm未満、約500ppm未満、約200ppm未満、又は約100ppm未満の1,1,3,3‐テトラクロロプロペン、1,1,1,2,3,3‐ヘキサクロロプロパン、及び/又は、1,1,1,2,2,3‐ヘキサクロロプロパンを含む、実施形態32又は33に記載の組成物。
[実施形態35]
前記組成物が安定化剤を含まない、実施形態32から34のいずれか一項に記載の組成物。
[実施形態36]
フッ素化アルカン若しくはフッ素化アルケンの合成、又はクロロフッ素化アルケン若しくは塩素化アルケンの合成に用いるための供給原料としての、実施形態29から35のいずれか一項に記載の組成物の使用。
[実施形態37]
前記フッ素化アルケンが、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンである、実施形態36に記載の使用。
[実施形態38]
前記クロロフッ素化アルケンが、2‐クロロ‐3,3,3‐トリフルオロプロペンである、実施形態36に記載の使用。
[実施形態39]
前記塩素化アルケンが、1,1,2,3‐テトラクロロプロペンである、実施形態36に記載の使用。

Claims (29)

  1. 高純度塩素化アルカンの製造方法であって、塩素化アルケンを一次反応ゾーンで塩素と接触させて、塩素化アルカン及び前記塩素化アルケンを含有する反応混合物を生成し、前記一次反応ゾーンの運転温度が−10℃から50℃であり、前記一次反応ゾーンから前記反応混合物の一部分を抽出し、前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が95:5を超えず、前記一次反応ゾーンから抽出された反応混合物が主反応ゾーンにおいて主変換工程に掛けられて、塩素化アルカンリッチ生成物が生成され、前記塩素化アルカンリッチ生成物が前記主反応ゾーンから抽出される、高純度塩素化アルカンの製造方法。
  2. 前記塩素化アルケンが、1,1,3‐トリクロロプロペンであり、前記塩素化アルカンが、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法が、連続的である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、50:50を超えない、請求項1に記載の方法。
  5. i)前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物中、及び、ii)前記主反応ゾーンから抽出された前記塩素化アルカンリッチ生成物中、の両方における塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、95:5を超えない、請求項1に記載の方法。
  6. 前記主反応ゾーンから抽出された前記塩素化アルカンリッチ生成物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比が、前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物中の塩素化アルカン:塩素化アルケンのモル比よりも高い、請求項1に記載の方法。
  7. 前記一次反応ゾーンから抽出された前記反応混合物及び/又は前記主反応ゾーンから抽出された前記塩素化アルカンリッチ生成物が、1%以下の塩素レベルを有する、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記主変換工程が、温度が低下された変換工程を含み、前記温度が低下された変換工程において、前記一次反応から抽出された前記反応混合物が、低下された温度で運転される主反応ゾーンへ供給され、前記塩素化アルカンリッチ生成物が前記主反応ゾーンから抽出される、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記低下された温度が、−30℃から30℃である、請求項8に記載の方法。
  10. 塩素化アルケン及び塩素化アルカンを含む反応混合物が、−30℃から30℃の温度で運転される主反応ゾーンへ供給され、前記主反応ゾーンから塩素化アルカンリッチ生成物が抽出される、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記一次反応ゾーン及び/又は前記主反応ゾーンが、可視光及び/又は紫外光に暴露される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 複数の主反応ゾーンが順に用いられ、下流主反応ゾーン中の反応混合物が、紫外光及び/又は加熱処理にさらされる、請求項5から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 最下流主反応ゾーン中の反応混合物が、紫外光及び/又は加熱処理にさらされる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記一次反応ゾーン及び/又は主反応ゾーン中に存在する塩素のレベルが、前記一次反応ゾーン及び/又は主反応ゾーン中に存在する反応混合物中に過剰の塩素が存在しないように制御される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物が、加水分解工程に掛けられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記加水分解工程が、前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物を水性処理ゾーンにて水性媒体と接触させることを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記水性媒体が、前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物との混合物を形成し、前記方法はさらに、i)前記混合物から有機相を抽出する工程、及び/又は、ii)前記混合物から塩素化アルカン流を抽出する工程、を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記水性処理ゾーンで形成された混合物から抽出された有機相及び/又は塩素化アルカン流が、1000ppm以下の量で、塩素化アルカノール、塩素化酸塩化物、塩素化酸、及び塩素化ケトンからなる群から選択される酸素化有機化合物を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記水性処理ゾーンに供給される前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物が、0.1%未満の塩素を含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記水性処理ゾーンで形成された前記混合物から抽出された前記反応混合物/塩素化アルカンリッチ生成物/有機相が、1つ以上の蒸留工程に掛けられる、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 蒸留工程が、前記加水分解工程の前及び/又は後に行われる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記蒸留工程が、精留セクションを含む蒸留塔で行われ、前記塩素化アルカンの精製流が、前記蒸留塔の精留セクションからの液相副生物として抽出される、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 請求項20から22のいずれか一項に記載の方法であって、蒸留装置が用いられ、前記蒸留装置は、前記蒸留装置の使用時にプロセス流体と接触することになるコンポーネントであって、20%以上の鉄を含むコンポーネントを有しない、方法。
  24. 前記蒸留装置は、前記蒸留装置の使用時に蒸留物又はプロセス液体と接触することになる前記蒸留装置のコンポーネントのすべてが、フルオロポリマー、フルオロクロロポリマー、ガラス、エナメル、フェノール樹脂含浸グラファイト、炭化ケイ素、及び/又はフルオロポリマー含浸グラファイトから製造されるように構成される、請求項23に記載の方法。
  25. 請求項1から24のいずれか一項に記載の方法であって、生成物塩素化アルカン組成物が、
    少なくとも99.7%の量の前記塩素化アルカン生成物、
    並びに以下の1つ以上:
    500ppm未満の量の、塩素化アルカノール、塩素化酸塩化物、塩素化酸、及び塩素化ケトンからなる群から選択される酸素化有機化合物、
    500ppm未満の量の前記目的の塩素化アルカンの異性体、
    500ppm未満の量の、前記目的の塩素化アルカンの異性体以外の塩素化アルカン不純物、
    500ppm未満の量の塩素化アルケン、
    500ppm未満の量の水、
    100ppm以下の量の塩素の無機化合物、
    100ppm以下の量の臭素化有機化合物、及び/又は
    100ppm以下の量の鉄、
    を含む、方法。
  26. 前記塩素化アルカンが、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパンである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記生成物塩素化アルカン組成物が、1,1,1,2,3‐ペンタクロロプロパン以外の有機化合物を、1000ppm未満含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記生成物塩素化アルカン組成物が、1000ppm未満の1,1,3,3‐テトラクロロプロペン、1,1,1,2,3,3‐ヘキサクロロプロパン、及び/又は、1,1,1,2,2,3‐ヘキサクロロプロパンを含む、請求項26又は27に記載の方法。
  29. 前記生成物塩素化アルカン組成物が安定化剤を含まない、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
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