JP2021054670A - セラミックス部品およびセラミックス部品の製造方法 - Google Patents

セラミックス部品およびセラミックス部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンタクトカードを構成する部品に適した、強度と加工性を適度に両立した新たなセラミックス部品を提供する。【解決手段】窒化硅素および窒化硼素を含む板状のガイドプレート20であって、複数の貫通孔22aが形成されているガイド部22と、複数の貫通孔を囲むようにガイド部22から突出して設けられている枠状のスペーサ部24と、を有する。貫通孔22aは、レーザ加工により形成されている。【選択図】図2

Description

本願発明は、セラミックス部品に関する。
一般に、半導体集積回路の検査工程において、多数のコンタクトプローブを有するプローブカードが用いられている。プローブカードは、各コンタクトプローブを半導体ウェハ上に形成された半導体集積回路の対応する電極パッドに接触させ、半導体集積回路と外部のテスタ装置とを導通させることにより検査を行う部品である。
通常のプローブカードにおいては、コンタクトプローブ自体は導電性の部材であり、隣接するコンタクトプローブ同士が接触しないように、絶縁性のプローブガイドが用いられている。プローブガイドに求められる特性は種々あり得るが、微細加工に適した加工性や強度の高さが求められる。
例えば、主成分として窒化硼素と酸化ジルコニアと窒化硅素を含んだ快削性セラミックスからなるプローブガイドが考案されている(特許文献1参照)。
特許第4400360号公報
前述のプローブカードを用いて複数のコンタクトプローブを対応するそれぞれの電極パッドに接触させる際には、コンタクトプローブや電極パッドの高さのばらつきを吸収し、コンタクトプローブと電極パッドとを確実に導通させる必要がある。そのため、コンタクトプローブを電極パッドに押し付ける処理(いわゆるオーバードライブ)が必要であり、プローブカード全体に荷重がかかることになる。
近年、シリコンウェハの大型化、半導体集積回路の微細化によって、コンタクトカードにおいても多数のコンタクトプローブを高密度に配置する必要があり、オーバードライブのためにコンタクトカードに加わる荷重も増大する傾向にある。そのため、コンタクトカードを構成する部品には、大きな荷重に対しても割れたり変形したりしない特性が求められる一方で、高密度にコンタクトプローブを配置できるような加工性も求められる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えばコンタクトカードを構成する部品に適した、強度と加工性を適度に両立した新たなセラミックス部品を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のセラミックス部品は、窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品であって、複数の貫通孔が形成されているガイド部と、複数の貫通孔を囲むようにガイド部から突出して設けられている枠状のスペーサ部と、を有する。貫通孔は、レーザ加工により形成されている。
この態様によると、レーザ加工によって所定の位置に精度の高い貫通孔が形成される。
ガイド部およびスペーサ部は同じ組成の一部品であり、スペーサ部で囲まれた凹部がザグリ加工で形成されていてもよい。これにより、一部品に凹部を形成することで、貫通孔が形成できる厚みのガイド部を形成できる。
ガイド部およびスペーサ部は、窒化硼素が10〜35質量%、窒化硅素が20〜90質量%、酸化アルミニウムが0〜35質量%、酸化ジルコニウムが0〜70質量%含まれているセラミックス材料であってもよい。これにより、レーザ加工や部品の強度を高めるための窒化硅素の量を多くしつつ、ザグリ加工が可能な程度に窒化硼素の量を調整することで、強度と加工性を適度に両立したセラミックス部品を実現できる。また、熱膨張の大きな酸化物セラミックスの量を調整することで熱膨張係数が調整できる。
セラミックス材料は、−50〜200℃における熱膨張係数が1〜6[10−6/℃]であり、3点曲げ強度(JIS R1601)が600[MPa]以上であり、ヤング率が200[GPa]以上であってもよい。これにより、セラミックス部品を、IC検査用のプローブガイドやパッケージ検査用のテストソケットに適した高強度の部品として用いることができる。
ガイド部は、第1のセラミックス材料で構成されており、スペーサ部は、第1のセラミックス材料と組成の異なる第2のセラミックス材料で構成されており、ガイド部およびスペーサ部が接合されていてもよい。これにより、ガイド部およびスペーサ部を、それぞれ適した形状や材料で構成することができるので、強度と加工性を更に高いレベルで両立した新たなセラミックス部品を提供できる。
ガイド部は、窒化硅素が26〜100質量%、酸化アルミニウムが0〜60質量%、酸化ジルコニウムが0〜74質量%含まれている第1のセラミックス材料であり、スペーサ部は、窒化硼素が10〜75質量%、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化硅素、炭化硅素および窒化アルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物が25〜90質量%含まれている第2のセラミックス材料であってもよい。これにより、窒化硅素や酸化ジルコニウムを配合した第1のセラミックス材料を用いたガイド部は、レーザ加工性や高強度化、ウェハと同様の熱膨張係数を実現できる。一方、切削加工性が良好な窒化硼素を多く含む第2のセラミックス材料を用いたスペーサ部は、枠形状への加工が容易となる。
第1のセラミックス材料は、−50〜200℃における熱膨張係数が1〜6[10−6/℃]であり、3点曲げ強度(JIS R1601)が600[MPa]以上であってもよい。これにより、セラミックス部品を、IC検査用のプローブガイドやパッケージ検査用のテストソケットに適した高強度の部品として用いることができる。
ガイド部およびスペーサ部は、金属ろうで接合されており、接合強度が100[MPa]以上であってもよい。これにより、セラミックス部品を、高温環境下での使用が想定されるICやパッケージに対するバーンインテストが可能なプローブカード等に適した高強度の部品として用いることができる。
ガイド部の貫通孔が形成されている部分の厚みは0.5mm以下であってもよい。これにより、レーザ加工によって所望形状の貫通孔を精度良く形成できる。
貫通孔は、開口部の一辺が50μm以下の矩形形状であってもよい。これにより、断面が円形のプローブと比較して製造しやすい断面が矩形の微細なプローブをガイド部に装着できる。
本発明の別の態様は、セラミックス部品の製造方法である。この方法は、窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品の製造方法であって、板状の部品の中央部にザグリ加工によって凹部を形成する工程と、凹部の底部に複数の貫通孔をレーザ加工により形成する工程と、を含む。
この態様によると、一部品からザグリ加工とレーザ加工によって所定の位置に貫通孔を形成できる。
本発明の更に別の態様もまた、セラミックス部品の製造方法である。この方法は、窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品の製造方法であって、窒化硅素を含有する第1のセラミックス材料からなる板状のガイド部を準備する工程と、窒化硼素を含有する第2のセラミックス材料からなる枠状のスペーサ部を準備する工程と、ガイド部とスペーサ部とを接合する工程と、スペーサ部で囲まれたガイド部の露出部分にレーザ加工で複数の貫通孔を形成する工程と、を含む。
この態様によると、求められる特性が異なる複数の部分を別々に準備し接合することで、強度と加工性を適度に両立した新たなセラミックス部品を製造できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。また、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、強度と加工性を適度に両立した新たなセラミックス部品を実現できる。
プローブカードによるICチップの検査の様子を示す模式図である。 第1の実施の形態に係るガイドプレートの斜視図である。 図2のA−A断面図である。 測定方法を説明するための模式図である。 超音波パルス反射法試験を説明するための模式図である。 加工試験方法を説明するための模式図である。 図7(a)は、レーザ加工性ありの試験片の写真を示す図であり、図7(b)は、レーザ加工性無しの試験片の写真を示す図である。 第2の実施の形態に係るガイドプレートの斜視図である。 図4のB−B断面図である。 4点曲げ強度試験を説明するための模式図である。
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
以下の説明では、ICチップ検査用のプローブカードのガイドプレートに好適なセラミックス部品を例に説明する。なお、このセラミックス部品は、パッケージ検査用のテストソケットにも適用できる。
ICチップ検査用のプローブカードは、ガイドプレートというセラミックス部品を有している。図1は、プローブカードによるICチップの検査の様子を示す模式図である。図1では主としてガイドプレートを含む近傍を示している。なお、ガイドプレートには、シリコンウェハに近似した熱膨張係数(バーンインテスト)、プローブ荷重に耐えられる機械的強度(曲げ強度)、微小なプローブを通す貫通孔を高精度に多数加工できること、といった特性が求められる。
近年の半導体微細化に伴いプローブガイドの貫通孔も微細化される。それに伴い微細な貫通孔では加工可能な厚みが制限されるため、少なくともプローブガイドの貫通孔が形成される領域の厚みは薄くしなければならない。しかしながら、従来のマシナブルセラミックスでは厚みの薄い貫通孔部分の強度が不足し、ウェハ検査時の負荷に耐えられず破損する可能性がある。一方、高強度材であり窒化硅素ではザグリ加工が困難なため、貫通孔以外の部分も貫通孔と同じ薄い板が用いられる。その結果、部品としての剛性が足りず、たわみにより検査装置としての精度が保てない。
そこで、本実施の形態に係るガイドプレート10は、窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品であり、複数の貫通孔12aが形成されているガイド部12と、複数の貫通孔12aを囲むようにガイド部12からICチップ16と反対側に突出して設けられている枠状のスペーサ部14と、を有する。
貫通孔12aを貫通するように配置されている複数のコンタクトプローブ18は、その先端が、ICチップ16の表面に設けられている複数の電極パッド16aに接触するように設けられている。コンタクトプローブ18の直径は、例えば10〜100μm程度であり、コンタクトプローブ18のピッチW1は、例えば50〜300μm程度である。また、貫通孔12aが円形の場合、その直径は例えば20〜200μm程度であり、貫通孔12aが矩形の場合、その一辺は例えば20〜200μm程度である。
(第1の実施の形態)
図2は、第1の実施の形態に係るガイドプレートの斜視図である。図3は、図2のA−A断面図である。図2、図3に示すガイドプレート20は、ガイド部22およびスペーサ部24は同じ組成の一部品であり、枠状のスペーサ部24で囲まれた凹部26がザグリ加工で形成されている。これにより、ガイド部22とスペーサ部24とが一体となった一部品に凹部26を形成することで、貫通孔22aが形成できる厚みのガイド部22を形成できる。
また、凹部26の底部の所定の位置には、レーザ加工により形状や寸法の精度の高い貫通孔22aが形成されている。また、一部品に凹部26を形成することで、貫通孔22aが形成できる厚みのガイド部22を形成できる。
本願発明者らは、上述の構成のガイドプレートの組成を様々に変化させて強度や加工性を測定した。以下に、各特性の測定方法について説明する。
[強度測定方法]
各実施例や各比較例の組成で作製した3mm(厚みt)×4mm(幅W)×40mm(長さ)の曲げ試験片を用意し、3点曲げ強度試験(JIS R1601)を行った。図4は、測定方法を説明するための模式図である。図4に示すように、支点間距離Lを30mmとして、矢印の向きに荷重を増加させ、試験片が破壊したときの最大荷重P[N]から以下の式に基づいて3点曲げ強度σb3を求める。
3点曲げ強度σb3[MPa]=(3×P×L)/(2wt)・・・(式1)
[ヤング率測定方法]
各実施例や各比較例の組成で作製した15mm×15mm×15mmの試験片を用意し、超音波パルス反射法試験(JIS R1602)を行った。図5は、超音波パルス反射法試験を説明するための模式図である。図5に示すように、超音波振動子28が発した超音波Uによる縦波の速度V[m/s]、横波の速度V[m/s]、試験片のかさ密度ρ[kg/m]とすると、以下の式に基づいて超音波パルス法による弾性率(ヤング率)を求める。
弾性率Ep[N/m]=ρ×(3V ×V −4V )/(V −V )・・・(式2)
[加工試験方法]
第1の実施の形態に係るガイドプレート20を製造する過程では、貫通孔を作製するための開口部(凹部)を形成する必要がある。そのため、切削装置を用いたザグリ加工において、ある程度の加工速度が必要であり、所定の加工試験を満たしたか否かで機械加工性判断している。図6は、加工試験方法を説明するための模式図である。はじめに平板状の試験片を準備し、φ2mmの超硬エンドミル29でマシニング加工し、切り込み深さ0.8mmまで切削する。その後、超硬エンドミル29で切削しながら矢印方向に100mm送り、全域にわたり加工深さが0.7mm以上であれば、機械加工性あり(○)とする。一方、切削性が悪く加工が不十分で深さが浅くなる試験片は機械加工性無し(×)とする。
[レーザ加工]
第1の実施の形態に係るガイドプレート20を製造する過程では、ガイド部に貫通孔をレーザ加工で形成する必要がある。そのため、少なくともガイド部がレーザ加工可能な組成の材料で構成されている必要がある。レーザ加工の評価は、パルスレーザを用いて寸法精度の高い四角穴を形成できるか否かで評価した。具体的には、厚み0.3mmの試験片にレーザ加工で50×50μmの四角形の穴を9個形成し、その形状や残渣を評価した。
レーザ加工には、公知のレーザ発振器が用いられ、例えば、レーザ波長1030nm、レーザ出力50W、パルスエネルギ250μJ/P、最大発進繰り返し数200kHz、パルス幅8〜10ps、加工時間30秒以内、の条件で加工される。加工精度は、レーザ抜け側(レーザ照射される側の反対側)に形成された四角穴の位置精度が設計座標に対して±2μmの範囲であり、これを満たしていればレーザ加工性あり(○)、満たしていない場合はレーザ加工性なし(×)とする。図7(a)は、レーザ加工性ありの試験片の写真を示す図であり、図7(b)は、レーザ加工性なしの試験片の写真を示す図である。なお、図7(a)は、後述する実施例1−2の組成の試験片にレーザ加工した際の写真であり、図7(b)は、後述する比較例1−2の組成に試験片にレーザ加工した際の写真である。図7(b)に示す残渣Rは、レーザ加工によって溶融した材料が蒸発(昇華)せずに穴内に留まったものである。
表1に実施例1−1〜1−10、比較例1−1〜1−7の各セラミックス材料の組成と特性を示す。
Figure 2021054670
表1に示すように、各実施例に係るセラミックス材料は、曲げ強度が600[MPa]以上、かつ、ヤング率が200[GPa]以上であり、ガイドプレートの部品に用いた場合に、十分な強度のガイドプレートが得られる。また、各実施例に係るセラミックス材料は、−50〜200℃における熱膨張係数が1〜6[10−6/℃]であり、シリコンウェハに近い熱膨張係数が得られている。また、各実施例に係るセラミックス材料は、開口部の機械加工性があり、微細孔のレーザ加工性もある。したがって、各実施例に係るセラミックス部品を、ICチップ検査用のプローブガイドやパッケージ検査用のテストソケットに適した高強度の部品として用いることができる。
このように、第1の実施の形態に係るガイド部およびスペーサ部は、窒化硼素が10〜35質量%、窒化硅素が20〜90質量%、酸化アルミニウムが0〜35質量%、酸化ジルコニウムが0〜70質量%含まれているセラミックス材料が好ましい。これにより、レーザ加工や部品の強度を高めるための窒化硅素の量を多くしつつ、ザグリ加工が可能な程度に窒化硼素の量を調整することで、強度と加工性を適度に両立したセラミックス部品を実現できる。
一方、比較例1−1に係るセラミックス材料は、窒化硅素が95質量%と多く含まれているため、高強度であるものの、機械加工性がない。比較例1−2に係るセラミックス材料は、窒化硼素が40質量%と多く含まれているため、機械加工性はあるものの、強度が不十分である。比較例1−3に係るセラミックス材料は、酸化ジルコニウムを多く含んでいるため線膨張係数が7.3[10−6/℃]と大きく、窒化硅素が10質量%しか含まれていないためレーザ加工性もない。比較例1−4に係るセラミックス材料は、窒化硼素が35質量%と比較的多く含まれている一方、窒化硅素が20質量%しか含まれていないため、強度が不十分である。比較例1−5〜1−6に係るセラミックス材料も、強度の点でわずかに不十分である。比較例1−7に係るセラミックス材料は曲げ強度が不十分である。
また、本実施の形態を窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品の製造方法と捉えることもできる。この方法は、板状の部品の中央部にザグリ加工によって凹部を形成する工程と、凹部の底部に複数の貫通孔をレーザ加工により形成する工程と、を含む。これにより、直方体の一部品からザグリ加工とレーザ加工によって所定の位置に貫通孔を形成できる。
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態に係るガイドプレートの斜視図である。図9は、図4のB−B断面図である。図8、図9に示すガイドプレート30は、第1のセラミックス材料で構成されている平板状のガイド部32と、第1のセラミックス材料と組成の異なる第2のセラミックス材料で構成されている枠状のスペーサ部34と、が接合されている。スペーサ部34に形成されている開口部36は、複数あってもよい。ガイド部32およびスペーサ部34は、金属ろう37で接合されており、接合強度が100[MPa]以上であるとよい。金属ろう37は、例えば銀ろうやアルミニウムろうが挙げられる。接合に銀ろうを用いることで、本実施の形態に係るガイドプレート30は、樹脂では耐熱性に問題が生じるような180℃以上の環境での検査に用いるプローブカードに適用できる。
また、本実施の形態に係るガイドプレート30は、ガイド部32にスペーサ部34を接合することで、スペーサ部34の開口部36が凹部となる。このように、セラミックス部品を、高温環境下での使用が想定されるICチップやパッケージに対するバーンインテストが可能なプローブカード等に適した高強度の部品として用いることができる。
[4点曲げ強度試験による接合強度]
図10は、4点曲げ強度試験を説明するための模式図である。ガイド部32に相当する第1のセラミックス材料(50mm□×20mmt、後述する実施例2−5の組成)とスペーサ部34に相当する第2のセラミックス材料(50mm□×20mmt、後述する実施例2−5の組成)とを金属ろう37(Ag−Cu−Ti)のシートを挟んで荷重(16kPa)をかけて接合し、接合体38を作製する。その後、接合熱処理を行い、接合体38から所定形状(厚さ3mm×幅4mm×長さ40mm)の直方体の試験片40を切り出した。試験片40の両端近傍を下方から支持した状態で、金属ろう37を挟んだ両側の領域に上方から荷重をかけ、破断したときの荷重から接合強度を算出する。
本願発明者らは、上述の構成のガイドプレートの組成を様々に変化させて強度や加工性を測定した。表2に実施例2−1〜2−15、比較例2−1〜2−5の各セラミックス材料の組成と特性を示す。
Figure 2021054670
表2に示すように、各実施例に係るスペーサ部は、開口部の機械加工性がある。一方、各実施例に係るガイド部は、曲げ強度が600[MPa]以上、かつ、ヤング率が200[GPa]以上であり、ガイドプレートの部品に用いた場合に、十分な強度のガイドプレートが得られる。また、各実施例に係るガイド部は、−50〜200℃における熱膨張係数が1〜6[10−6/℃]であり、シリコンウェハに近い熱膨張係数が得られている。また、各実施例に係るガイド部、微細孔のレーザ加工性もある。また、各実施例に係るスペーサ部とガイド部とを互いに接合した後の接合強度は、100[MPa]以上である。したがって、各実施例に係るスペーサ部やガイド部を、ICチップ検査用のプローブガイドやパッケージ検査用のテストソケットに適した高強度の部品として用いることができる。
このように、第2の実施の形態に係るスペーサ部は、窒化硼素が10〜75質量%、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化硅素、炭化硅素および窒化アルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物が25〜90質量%含まれているセラミックス材料が好ましい。また、各実施例に係るガイド部は、窒化硅素が26〜100質量%、酸化アルミニウムが0〜60質量%、酸化ジルコニウムが0〜74質量%含まれている。これにより、窒化硅素や酸化ジルコニウムを配合したガイド部は、レーザ加工性や高強度化、ウェハと同様の熱膨張係数を実現できる。一方、切削加工性が良好な窒化硼素を多く含むスペーサ部は、枠形状への加工が容易となる。このように、ガイド部およびスペーサ部を、それぞれ適した形状や材料で構成することができるので、強度と加工性を更に高いレベルで両立した新たなセラミックス部品を提供できる。
一方、比較例2−1〜2−2に係るスペーサ部は、窒化硼素が少なく酸化アルミニウムが多いため、開口部の機械加工性がない。比較例2−3〜2−4では、接合後強度が100[MPa]を満たしていない。比較例2−5に係るガイド部は曲げ強度が不十分である。
また、本実施の形態を窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品の他の製造方法と捉えることもできる。この方法は、窒化硅素を含有する第1のセラミックス材料からなる板状のガイド部を準備する工程と、窒化硼素を含有する第2のセラミックス材料からなる枠状のスペーサ部を準備する工程と、ガイド部とスペーサ部とを接合する工程と、スペーサ部で囲まれたガイド部の露出部分にレーザ加工で複数の貫通孔を形成する工程と、を含む。これにより、求められる特性が異なる複数の部分を別々に準備し接合することで、強度と加工性を適度に両立した新たなセラミックス部品を製造できる。
なお、上述の各実施の形態に係るプローブカードのガイド部の貫通孔が形成されている部分の厚みは0.5mm以下であるとよい。これにより、レーザ加工によって所望形状の微小な貫通孔を高密度に精度良く形成できる。換言すると、プローブカード全体の強度を高めるためにガイド部が厚くなると、レーザ加工で微小な貫通孔を高密度に形成することが難しくなるため、ガイド部以外の部分で強度を高めることになる。そのため、第1の実施の形態では、プローブカード全体で強度を高めつつ、開口部の機械加工が可能でレーザ加工性も満たす組成を見いだした。また、第2の実施の形態では、レーザ加工が可能な程度の厚みで強度もある程度高いガイド部と、ガイド部の補強となる枠状の部品であって、開口部の機械加工性を有するスペーサ部と、を組み合わせることで、プローブカードの所望の特性を実現している。
また、上述の各実施の形態に係るガイド部の貫通孔は、開口部の一辺が50μm以下の矩形形状であるとよい(図7(a)参照)。これにより、断面が円形のプローブと比較して製造しやすい断面が矩形の微細なプローブをガイド部に装着または挿入できる。
また、上述の各実施の形態に係るセラミックス材料は、主成分のセラミックス100質量%に対し、炭素、硅素、周期表における第4周期III〜IVB族(例えばチタン)、第5周期IVA〜VB族(例えばモリブデン)および第6周期IVA〜VIB族の元素から選択された1種以上の元素の単体および/または化合物を0.05〜5質量%(ただし、単元素換算)含み、黒色や灰色である。これにより、貫通孔の大きさや位置等の測定を画像処理で行う場合に正確な測定が可能となる。
以上、本発明を上述の各実施の形態や実施例を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや工程の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 ガイドプレート、 12 ガイド部、 12a 貫通孔、 14 スペーサ部、 16 ICチップ、 16a 電極パッド、 18 コンタクトプローブ、 20 ガイドプレート、 22 ガイド部、 22a 貫通孔、 24 スペーサ部、 26 凹部、 30 ガイドプレート、 32 ガイド部、 34 スペーサ部、 36 開口部。

Claims (12)

  1. 窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品であって、
    複数の貫通孔が形成されているガイド部と、
    前記複数の貫通孔を囲むように前記ガイド部から突出して設けられている枠状のスペーサ部と、を有し、
    前記貫通孔は、レーザ加工により形成されていることを特徴とするセラミックス部品。
  2. 前記ガイド部および前記スペーサ部は同じ組成の一部品であり、前記スペーサ部で囲まれた凹部がザグリ加工で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス部品。
  3. 前記ガイド部および前記スペーサ部は、窒化硼素が10〜35質量%、窒化硅素が20〜90質量%、酸化アルミニウムが0〜35質量%、酸化ジルコニウムが0〜70質量%含まれているセラミックス材料であることを特徴とする請求項2に記載のセラミックス部品。
  4. 前記セラミックス材料は、−50〜200℃における熱膨張係数が1〜6[10−6/℃]であり、3点曲げ強度(JIS R1601)が600[MPa]以上であり、ヤング率が200[GPa]以上であることを特徴とする請求項3に記載のセラミックス部品。
  5. 前記ガイド部は、第1のセラミックス材料で構成されており、
    前記スペーサ部は、前記第1のセラミックス材料と組成の異なる第2のセラミックス材料で構成されており、
    前記ガイド部および前記スペーサ部が接合されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス部品。
  6. 前記ガイド部は、窒化硅素が26〜100質量%、酸化アルミニウムが0〜60質量%、酸化ジルコニウムが0〜74質量%含まれている第1のセラミックス材料であり、
    前記スペーサ部は、窒化硼素が10〜75質量%、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化硅素、炭化硅素および窒化アルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物が25〜90質量%含まれている第2のセラミックス材料である、
    ことを特徴とする請求項5に記載のセラミックス部品。
  7. 前記第1のセラミックス材料は、−50〜200℃における熱膨張係数が1〜6[10−6/℃]であり、3点曲げ強度(JIS R1601)が600[MPa]以上であることを特徴とする請求項6に記載のセラミックス部品。
  8. 前記ガイド部および前記スペーサ部は、金属ろうで接合されており、接合強度が100[MPa]以上であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のセラミックス部品。
  9. 前記ガイド部の前記貫通孔が形成されている部分の厚みは0.5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のセラミックス部品。
  10. 前記貫通孔は、開口部の一辺が50μm以下の矩形形状であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のセラミックス部品。
  11. 窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品の製造方法であって、
    板状の部品の中央部にザグリ加工によって凹部を形成する工程と、
    前記凹部の底部に複数の貫通孔をレーザ加工により形成する工程と、
    を含むことを特徴とするセラミックス部品の製造方法。
  12. 窒化硅素および窒化硼素を含む板状のセラミックス部品の製造方法であって、
    窒化硅素を含有する第1のセラミックス材料からなる板状のガイド部を準備する工程と、
    窒化硼素を含有する第2のセラミックス材料からなる枠状のスペーサ部を準備する工程と、
    前記ガイド部と前記スペーサ部とを接合する工程と、
    前記スペーサ部で囲まれた前記ガイド部の露出部分にレーザ加工で複数の貫通孔を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするセラミックス部品の製造方法。
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