JP2021054079A - 積層構造体 - Google Patents

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大地 岡本
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衆 管
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和貴 仲田
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Koshin Nakai
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Abstract

【課題】プリント配線板のビルドアップ製造プロセスにおいて、硬化後の硬化性樹脂層が支持体との接着性に優れることにより歩留まりを損なうことなく、かつ、表面平滑性に優れるプリント配線板を実現する積層構造体の提供。【解決手段】支持体および硬化性樹脂層を備えるものであって、硬化性樹脂層を硬化後に支持体と硬化性樹脂層の間の90度剥離試験によるピール強度が0.03N/cm以上0.20N/cm以下であり、かつ、硬化性樹脂層を硬化後に支持体を剥離した際に、硬化性樹脂層の剥離面の最大谷深さSvが500nm以下であるかまたは硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpが500nm以下である積層構造体。【選択図】図1

Description

本発明は、積層構造体に関し、より詳細には、支持体と、前記支持体上に形成された剥離可能な硬化性樹脂層とを備える積層構造体に関する。
多層プリント配線板の製造方法として、絶縁層と導体層とを交互に積み重ねるビルドアップ工法によるプリント配線板製造方法が広く用いられている。ビルドアップ方式による製造方法においては、一般的には、絶縁層は硬化性樹脂層として硬化性樹脂組成物を熱硬化させることにより形成される。多層プリント配線板においては、このようなビルドアップ工法により形成されたビルドアップ層が近年では複数層設けられており、配線のさらなる微細化および高密度化が求められている。微細化する一例として支持体付き硬化性樹脂層を基板に積層後、硬化性樹脂層を熱硬化した後に該支持体を剥離する工程がある。この工程において、無機充填剤の配合量の高い硬化性樹脂組成物を用いると、形成される絶縁層と導体層との剥離強度が低下するという課題が存在した。そこで、特許文献1では、加熱時に特定の膨張特性を示す支持体を用いることが提案されている。
特開2015−162635号公報
しかしながら、支持体付きで硬化する場合、支持体の収縮挙動と硬化性樹脂層の硬化収縮挙動が大きく異なる場合、支持体と硬化性樹脂層との間に応力が発生し、支持体が工程中に剥離してしまうという問題があることを見出した。すなわち、工程中において剥離が生じてしまうと、レーザー加工プロセスにおいて過剰なエネルギーが硬化樹脂に直接照射されることになり、パターン形成が支持体付きのものに比較して著しく悪くなってしまい、その結果、歩留まりが悪くなってしまう。一方、前記問題を解決するために支持体と硬化性樹脂層の密着性を上げてしまうと、剥離時に硬化性樹脂層の一部が支持体側に残存し、硬化性樹脂層の剥離面の平滑性が失われ、セミアディティブプロセスにより形成される銅配線の平滑性にも悪影響を与えることを見出した。そこで本発明は、プリント配線板のビルドアップ製造プロセスにおいて、硬化後の硬化性樹脂層が支持体との接着性に優れることにより歩留まりを損なうことなく、かつ、表面平滑性に優れるプリント配線板を実現する積層構造体を提供することを目的とする。
支持体および硬化性樹脂層を備える積層構造体であって、前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体と前記硬化性樹脂層の間の90度剥離試験によるピール強度が0.03N/cm以上0.20N/cm以下であり、支持体を剥離した際の前記硬化性樹脂層の剥離面において、最大谷深さSvの平均が500nm以下であるかまたは最大山高さSpが500nm以下であることを特徴とする積層構造体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の態様の積層構造体は、支持体および硬化性樹脂層を備えるものであって、
前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体と前記硬化性樹脂層の間の90度剥離試験によるピール強度が0.03N/cm以上0.20N/cm以下であり、
前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体を剥離した際の前記硬化性樹脂層の剥離面の最大谷深さSvが500nm以下であることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様の積層構造体は、支持体および硬化性樹脂層を備えるものであって、
前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体と前記硬化性樹脂層の間の90度剥離試験によるピール強度が0.03N/cm以上0.20N/cm以下であり、
前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体を剥離した際の前記硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpが500nm以下であることを特徴とする。
本発明の第1の態様においては、前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体を剥離した際の前記硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpが500nm以下であることが好ましい。
本発明の第1および第2の態様においては、前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体を剥離した際の前記支持体の剥離面の最大山高さSpが500nm以下であることが好ましい。
本発明によれば、プリント配線板のビルドアップ製造プロセスにおいて、硬化後の硬化性樹脂層が支持体との接着性に優れることにより歩留まりを損なうことなく、かつ、表面平滑性に優れるプリント配線板を実現する積層構造体を提供することが可能となった。
パターニング性の評価に用いた、パターンAを得るためのガラスマスクを示す図である。 パターニング性の評価に用いた、パターンBを得るためのガラスマスクを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、特段の記載がない限り、本明細書において、記号「〜」を用いて表される数値範囲は、その上限と下限の数値を含む範囲(即ち、その下限以上、その上限以下の範囲)を意味する。
[積層構造体]
本発明の積層構造体は、支持体および硬化性樹脂層を備える積層構造体であり、硬化性樹脂層を硬化後に支持体と硬化性樹脂層の間の90度剥離試験によるピール強度が0.03N/cm以上0.20N/cm以下である。ピール強度がこの範囲であることで、工程中の剥離耐性を有し、工程終了後、支持体を剥離する際には硬化した樹脂表面を過度な負担をかけることなく剥離できることを見出した。ピール強度は0.03N/cm以上0.20N/cmであり、0.04N/cm以上0.18N/cm以下が好ましく、0.05N/cm以上0.15N/cm以下がより好ましい。ピール強度を調節する方法としては、例えば、支持体の離型処理剤の種類を変更したり、また離型処理剤の膜厚を変更したりすることが挙げられる。
なお、本発明において、ピール強度は10mm幅の支持体を50mm/minの速度で90度の角度で引っ張った場合の強度である。
本発明において、硬化性樹脂層が硬化しているか否かの判断は、25℃50%RHの環境下で、硬化性樹脂層の表面に、イソプロピルアルコール(IPA)を含ませたウエスを載せ、さらに、その上に500gのおもりを載せて1分間静置した後に、ウエスをはがし、ウエスの硬化性樹脂層と接触していた面に硬化性樹脂層の全部または一部が付着していない状態を硬化している状態であると判断する。
本発明の積層構造体は、硬化性樹脂層を硬化後に支持体を剥離した際に、硬化性樹脂層の剥離面の最大谷深さSvが500nm以下である。硬化性樹脂層の剥離面の最大谷深さSvが500nm以下である場合、硬化性樹脂層上に歩留まり良く導体層を形成することが可能である。硬化性樹脂層の剥離面の最大谷深さSvは400nm以下が好ましく、350nm以下がより好ましく、300nm以下がさらに好ましい。硬化性樹脂層の剥離面の最大谷深さSvが500nmを超える場合、銅配線等の導体層表面も不均一となり深く窪んだ箇所が生じてしまう。かかる箇所はその後導体層上に形成されるめっきレジストにおいて剥離液を用いて剥離する際に剥離しづらくなってしまい、歩留まりが著しく悪化するという問題を生じる。
なお、本発明において、最大谷深さSvの値は、非接触型表面粗さ計を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定して得られる値である。
本発明の積層構造体は、硬化性樹脂層を硬化後に支持体を剥離した際に、硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpが500nm以下である。硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpが500nm以下である場合、硬化性樹脂層上に歩留まり良く導体層を形成することが可能である。硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpは400nm以下が好ましく、350nm以下がより好ましく、300nm以下がさらに好ましい。上記最大山高さSpの値が500nmを超える場合、銅配線等の導体層表面も不均一となり深く窪んだ箇所が生じてしまう。かかる箇所はその後導体層上に形成されるめっきレジストのフォトリソグラフィー工程(光パターニング工程)において、解像性が低下し、特にライン&スペースが5μm/5μmを下回るような微細なパターンにおいては歩留まりが著しく悪化するという問題を生じる。
なお、本発明において、最大山高さSpの値は、非接触型表面粗さ計を用いてVSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定して得られる値である。
本発明における最大谷深さSvの値および最大山高さSpの値の具体的な測定方法としては、X−Yステージ上に測定する試料を静置し、ソフトウェア(Vision 64)を立ち上げ、測定モードVSIを選択する。次にライブビデオモードにおいて10倍の対物レンズで大まかにピントと明るさを調整する。次にIntensityの調整を行う。次いでXYコントロールを用いて測定箇所を対物レンズの真下に移動させる。Z軸コントロールを用いてサンプルにアプローチしていく。ベストフォーカスが見つかるまで、Z軸をコントロールし、その後、50倍の対物レンズに替え、再度フォーカスを最適な位置に調整し、必要に応じてTip Tiltの調整を行い15フリンジ以下に調整する。最後にソフトウェア上でMeasurementまたはSingle Acquisitionのボタンをクリックして測定を開始する。 測定の条件として、評価長さは0.3mmで評価箇所はピール強度評価で支持体を剥離したサンプルの中心部分から外部に向かって等間隔に10箇所のSpおよびSvの値をそれぞれ測定し、その平均を本発明における硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpおよび最大谷深さSvとする。また、支持体の剥離面の最大山高さSpも、支持体剥離後の硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpと同様に測定する。測定の条件も、評価長さは0.3mmで評価箇所はピール強度評価で用いた剥離後の支持体の中心部分から外部に向かって等間隔に10箇所のSpの値をそれぞれ測定し、その平均を本発明における支持体の剥離面の最大山高さSpとする。
本発明の積層構造体は、硬化性樹脂層を硬化後に支持体を剥離した際に、硬化性樹脂層の剥離面の最大谷深さSvおよび最大山高さSpの両方が上記数値範囲を満たすことが特に好ましい。
[硬化性樹脂層]
次に、本発明の硬化性樹脂層を形成する硬化性樹脂組成物(以下、組成物ともいう)の各成分について説明する。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
[硬化性樹脂]
硬化性樹脂組成物は、少なくとも硬化性樹脂を含む。硬化性樹脂としては、加熱により硬化する熱硬化性樹脂および活性光線で硬化する光硬化性樹脂のいずれも用いることができる。
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂は、熱による硬化反応が可能な官能基を有する樹脂である。熱硬化性樹脂は、例えば活性光線を透過しにくい無機充填剤を多量に含有させた場合でも効率よく硬化させることができることから好ましい。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、エポキシ化合物、オキセタン化合物、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、ビスマレイミド、カルボジイミド等を用いることができ、これらは併用してもよい。
上記エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であり、従来公知のものをいずれも使用でき、分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ化合物、分子中にエポキシ基を多数有する多官能エポキシ化合物等が挙げられる。なお、水素添加された2官能エポキシ化合物であってもよい。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、アミノクレゾール型エポキシ樹脂、アルキルフェノール型エポキシ樹脂等が用いられる。これらエポキシ樹脂は、1種を単独または2種類以上を組合せて用いることができる。
エポキシ化合物は、固形エポキシ樹脂、半固形エポキシ樹脂および液状エポキシ樹脂のいずれであってもよい。ここで、本明細書において、固形エポキシ樹脂とは40℃で固体状であるエポキシ樹脂をいい、半固形エポキシ樹脂とは20℃で固体状であって40℃で液状であるエポキシ樹脂をいい、液状エポキシ樹脂とは20℃で液状のエポキシ樹脂をいう。
固形エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製HP−4700(ナフタレン型エポキシ樹脂)、DIC株式会社製EXA4700(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、日本化薬株式会社製NC−7000(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬株式会社製EPPN−502H(トリスフェノールエポキシ樹脂)等のフェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC株式会社製エピクロンHP−7200H(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬株式会社製NC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬株式会社製NC−3000L等のビフェニル/フェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC株式会社製エピクロンN660、エピクロンN690、日本化薬株式会社製EOCN−104S等のノボラック型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製YX−4000等のビフェニル型エポキシ樹脂;日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製TX0712等のリン含有エポキシ樹脂;日産化学株式会社製TEPIC等のトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
半固形エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製エピクロン860、エピクロン900−IM、エピクロンEXA―4816、エピクロンEXA−4822、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製エポトートYD−134、三菱ケミカル株式会社製jER834、jER872、住友化学工業株式会社製ELA−134等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC株式会社製エピクロンHP−4032等のナフタレン型エポキシ樹脂;DIC株式会社製エピクロンN−740等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
次に、オキセタン化合物としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマーまたは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、または、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂とのエーテル化物等が挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体等も挙げられる。
上記エピスルフィド樹脂としては、例えばビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂等も用いることができる。
本発明において、熱硬化性樹脂としては、エポキシ化合物を用いることが好ましい。さらに、ガラス転移温度(Tg)が高く、クラック耐性に優れる硬化物が得られることから、固形エポキシ樹脂および半固形エポキシ樹脂の少なくともいずれか一種であることが好ましい。エポキシ化合物としては、硬化物の好ましい物性等の観点から芳香族系エポキシ樹脂が好ましく、中でも、ナフタレン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物がより好ましい。なお、本明細書において、芳香族系エポキシ樹脂とは、その分子内に芳香環骨格を有するエポキシ樹脂を意味する。
熱硬化性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。熱硬化性樹脂を2種以上併用する場合には、半固形エポキシ化合物および固形エポキシ化合物の総量が、固形分換算で、組成物全量基準で、10〜55質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましく、20〜45質量%であることがさらに好ましい。また、液状エポキシ樹脂の配合量は、硬化物のガラス転移温度(Tg)を低下させすぎない観点から、固形分換算で、組成物全量基準で、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
[光硬化性樹脂]
光硬化性樹脂としては、活性光線照射により硬化する樹脂であればよく、分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく用いられる。エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、公知慣用の感光性モノマーである光重合性オリゴマー、光重合性ビニルモノマー等を用いることができる。また、光硬化性樹脂として、エチレン性不飽和結合を有するカルボキシル基含有樹脂等のポリマーを用いることができる。
感光性モノマーとして、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する室温で液体、固体または半固形の感光性(メタ)アクリレート化合物が使用できる。室温で液状の感光性(メタ)アクリレート化合物は、組成物の光反応性を上げる目的の他、組成物を各種の塗布方法に適した粘度に調整したり、アルカリ水溶液への溶解性を助ける役割も果たす。
感光性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどの水酸基含有のアクリレート類;ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートなどの水溶性のアクリレート類;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能アルコールのアクリレートエステル類;トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA等の多官能アルコールもしくはビスフェノールA、ビフェノールなどの多官能フェノールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物のアクリレート類;上記水酸基含有アクリレートのイソシアネート変成物である多官能もしくは単官能ポリウレタンアクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルまたはフェノールノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物であるエポキシアクリレート類、および上記アクリレート類に対応するメタクリレート類などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を使用することができる。これらの中でも、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下のような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)を挙げることができる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキサイド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(4)前記(2)または(3)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子内に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(5)前記(2)または(3)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子内に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(6)2官能またはそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(7)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(8)2官能オキセタン樹脂にアジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(9)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(12)前記(1)〜(11)の樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
[硬化剤]
硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、硬化性樹脂組成物は、硬化剤をさらに含んでもよい。硬化剤としては、フェノール樹脂、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂等が挙げられる。
上記フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、クレゾール/ナフトール樹脂、ポリビニルフェノール類、フェノール/ナフトール樹脂、α−ナフトール骨格含有フェノール樹脂、トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂等の従来公知のものを、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリカルボン酸およびその酸無水物は、一分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物およびその酸無水物であり、例えば、(メタ)アクリル酸の共重合物、無水マレイン酸の共重合物、二塩基酸の縮合物等の他、カルボン酸末端イミド樹脂等のカルボン酸末端を有する樹脂が挙げられる。
上記シアネートエステル樹脂は、一分子中に2個以上のシアネートエステル基(−OCN)を有する化合物である。シアネートエステル樹脂は、従来公知のものをいずれも使用することができる。シアネートエステル樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、アルキルフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールS型シアネートエステル樹脂が挙げられる。また、一部がトリアジン化したプレポリマーであってもよい。
上記活性エステル樹脂は、一分子中に2個以上の活性エステル基を有する樹脂である。活性エステル樹脂は、一般に、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。中でも、ヒドロキ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物を用いて得られる活性エステル化合物が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
また、硬化剤として、脂環式オレフィン重合体を用いてもよい。脂環式オレフィン重合体の製造方法の具体例としては、(1)カルボキシル基およびカルボン酸無水物基の少なくともいずれか1種(以下、「カルボキシル基等」と称する)を有する脂環式オレフィンを、必要に応じて他の単量体と共に重合する方法、(2)カルボキシル基等を有する芳香族オレフィンを、必要に応じて他の単量体と共に重合して得られる(共)重合体の芳香環部分を水素化する方法、(3)カルボキシル基等を有しない脂環式オレフィンと、カルボキシル基等を有する単量体とを共重合する方法、(4)カルボキシル基等を有しない芳香族オレフィンと、カルボキシル基等を有する単量体とを共重合して得られる共重合体の芳香環部分を水素化する方法、(5)カルボキシル基等を有しない脂環式オレフィン重合体にカルボキシル基等を有する化合物を変性反応により導入する方法、もしくは、(6)前記(1)〜(5)のようにして得られるカルボン酸エステル基を有する脂環式オレフィン重合体のカルボン酸エステル基を、例えば加水分解等によりカルボキシル基に変換する方法等が挙げられる。
硬化剤の中でも、フェノール樹脂、活性エステル樹脂、シアネートエステル樹脂が好ましい。
上記硬化剤は、熱硬化性樹脂のエポキシ基等の熱硬化反応が可能な官能基と、その官能基と反応する硬化剤中の官能基との比率が、固形分換算で、硬化剤の官能基/熱硬化反応が可能な官能基(当量比)=0.2〜2.0となるような割合で配合することが好ましい。硬化剤の官能基/熱硬化反応が可能な官能基(当量比)を上記範囲内とすることで、デスミア工程における硬化膜表面の粗化を防止することができる。より好ましくは、硬化剤の官能基/熱硬化反応が可能な官能基(当量比)=0.3〜1.0である。
[硬化促進剤]
硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、上記硬化剤とともに、または、単独で、硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。このような硬化促進剤の具体例としては、イミダゾールおよびその誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩およびエポキシアダクトの少なくともいずれか1種;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物、金属触媒等の従来公知の硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独または2種以上混合して用いることができる。
硬化促進剤の使用は必須ではないが、特に硬化を促進したい場合には、固形分換算で、熱硬化性樹脂100質量部に対し、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いることができる。
[熱可塑性樹脂(高分子樹脂)]
本発明における硬化性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂には、得られる硬化膜の機械的強度を向上させるために、さらに、熱可塑性樹脂を配合することができる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂の中でも、フルオレン骨格を有する熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ブロック共重合体が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のうち、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂は、フルオレン骨格を有する場合、高いガラス転移点を有し、耐熱性に優れるため、半固形または固形エポキシ樹脂による低い熱膨張率を維持すると共にそのガラス転移点を維持し、得られる硬化皮膜は低い熱膨張率と高いガラス転移点をバランス良く併せ有するものとなる。また、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂は水酸基を有するため、基材および導体に対して良好な密着性を示すとともに、得られる硬化皮膜は粗化剤により侵され難いが、水溶液の形態の粗化液は硬化皮膜と無機充填剤の界面に浸透し易いので、粗化処理により硬化皮膜表面の無機充填剤が抜け落ち易くなり、良好な粗化面を形成し易くなる。
ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドでアセタール化することで得られる。前記アルデヒドとしては、特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられ、ブチルアルデヒドが好ましい。
フェノキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂、あるいは、その骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂等が挙げられる。フェノキシ樹脂の具体例としては、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のFX280、FX293、三菱ケミカル株式会社製のYX8100、YX6954、YL6954、YL6974等が挙げられる。また、ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、積水化学工業社製のエスレックKSシリーズ、ポリアミド樹脂としては、日立化成工業社製のKS5000シリーズ、日本化薬株式会社製のBPシリーズ、さらに、ポリアミドイミド樹脂としては、日立化成工業社製のKS9000シリーズ等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、ブロック共重合体を用いてもよい。ブロック共重合体とは、性質の異なる二種類以上のポリマーが、共有結合で繋がり長い連鎖になった分子構造の共重合体のことである。
熱可塑性樹脂の配合量は、固形分換算で、硬化性樹脂100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。熱可塑性樹脂の配合量が上記範囲内の場合、均一な粗化面状態を容易に得られる。
[ゴム状粒子]
さらに、硬化性樹脂組成物には、必要に応じてゴム状粒子を配合することができる。ゴム状粒子を配合することで、得られる硬化膜の柔軟性を向上させたり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上する効果が得られる。
このようなゴム状粒子としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプロピレンゴム、ウレタン変性ポリブタジエンゴム、エポキシ変性ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基または水酸基で変性したアクリロニトリルブタジエンゴム、およびそれらの架橋ゴム粒子、コアシェル型ゴム粒子等が挙げられ、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。コアシェル型ゴム粒子としては、ゴム状ポリマーからなるコア層を、ガラス状ポリマーのシェル層で被覆したコアシェル構造を有する粒子、ガラス状ポリマーからなるコア層とシェル層の間に、ゴム状ポリマーからなる中間層を有する粒子等が挙げられる。
ゴム状粒子の平均粒径は0.005〜1μmの範囲が好ましく、0.2〜1μmの範囲がより好ましい。本発明におけるゴム状粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム状粒子を超音波などにより均一に分散させ、FPRA−1000(大塚電子社製)を用いて、ゴム状粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。
ゴム状粒子の配合量は、固形分換算で、硬化性樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。ゴム粒子を上記範囲で配合することで、得られる硬化膜の柔軟性を向上させたり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上する効果が得られる。
[無機充填剤]
硬化性樹脂組成物は、無機充填剤をさらに含んでもよい。無機充填剤としては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどが挙げられる。この中でもシリカが好ましく、高充填できる点より、球状シリカがより好ましい。
硬化性樹脂層中の無機充填剤の配合量は、固形分換算の組成物全量基準で、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上85質量%以下であることがさらに好ましい。
[その他の成分]
硬化性樹脂組成物には、必要に応じてさらに、従来公知の他の成分を配合してもよい。他の成分としては、着色剤、シアネート化合物、エラストマー、メルカプト化合物、ウレタン化触媒、チキソ化剤、密着促進剤、ブロック共重合体、連鎖移動剤、重合禁止剤、銅害防止剤、酸化防止剤、防錆剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤およびレベリング剤の少なくとも1種、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、フォスフィン酸塩、燐酸エステル誘導体、フォスファゼン化合物等のリン化合物等の難燃剤などの成分を配合することができる。
着色剤としては、例えば、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、カーボンブラック、ナフタレンブラック等が挙げられる。
[有機溶剤]
硬化性樹脂組成物には、組成物の調製、支持体に塗布するための粘度調整、積層構造体の硬化性樹脂層の形成等のために、有機溶剤を使用することができる。有機溶剤の種類としては、特に限定されず、従来公知の有機溶剤を用いることができる。また、有機溶剤の配合量も限定されない。有機溶剤の沸点は限定されず、100℃未満のものを使用しても良く、100℃以上のものを使用しても良い。
沸点が100℃未満の有機溶剤としては、ジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトン、クロロホルム、メタノール、n−ヘキサン、酢酸エチル、1,1,1−トリクロロエタン、四塩化炭素、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、トリクロロエチレン、酢酸イソプロピル等が挙げられる。
沸点が100℃以上の有機溶剤としては、イソブチルアルコール、n−ブタノール、2−メトキシプロパノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、イソペンチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン系溶剤、テトラクロロエチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テレビン油等が挙げられる。
また、沸点が100℃以上の有機溶剤としては、トルエン、キシレン、石油系ナフサ、丸善石油化学社製スワゾール1000(炭素数8〜10:高沸点芳香族炭化水素)、スワゾル1500(高沸点芳香族炭化水素)、スタンダード石油大阪発売所社製ソルベッソ100(炭素数9〜10:高沸点芳香族炭化水素)、ソルベッソ150(炭素数10〜11:高沸点芳香族炭化水素)、三共化学社製ソルベント#100、ソルベント#150、シェルケミカルズジャパン社製シェルゾールA100、シェルゾールA150、出光興産社製イプゾール100番(炭素数9の芳香族炭化水素が主成分)、イプゾール150番(炭素数10の芳香族炭化水素が主成分)等の芳香族系溶剤も挙げられる。高沸点芳香族炭化水素は、芳香族成分を99容量%以上含有することが好ましい。また、高沸点芳香族炭化水素は、ベンゼン、トルエンおよびキシレンのそれぞれが0.01容量%未満であることが好ましい。
[積層構造体]
本発明の積層構造体は、支持体上に、硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥して、乾燥塗膜としての硬化性樹脂層を形成することにより、製造することができる。硬化性樹脂層上には、必要に応じて、保護フィルムをラミネートすることができる。ここで、本発明における支持体とは、基板等の基材上に積層構造体の硬化性樹脂層側が接するように加熱等によりラミネートして一体成形する際には少なくとも硬化性樹脂層に接着しているものをいう。支持体はラミネート後の工程において、硬化性樹脂層から剥離しても良い。一方、本発明における保護フィルムとは、基板等の基材上に積層構造体の硬化性樹脂層側が接するように加熱等によりラミネートして一体成形する際、ラミネート前に硬化性樹脂層から剥離するものをいう。
支持体としては、硬化性樹脂層を支持できるものであれば特に限定されず、プラスチックフィルム、樹脂塗膜、および金属箔等を用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えば、配向ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。樹脂塗膜としては、例えば、樹脂組成物を硬化や乾燥することにより形成された硬化塗膜や乾燥塗膜が挙げられる。該樹脂組成物は公知慣用の樹脂や溶剤を含有することができる。該樹脂組成物を硬化させる場合、熱硬化型樹脂組成物は熱硬化成分を含有することが好ましく、光硬化型樹脂組成物は光硬化成分を含有することが好ましい。例えば、上述の熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いてもよい。また、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の点から、プラスチックフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)がより好ましい。支持体および後述する保護フィルムには、マット処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。また、離型剤を用いて離型処理が施されていることが好ましく、離型剤としては、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等が挙げられる。また、支持体の厚みは、好適には8〜60μmである。
保護フィルムの材質としては、支持体に用いるものと同様のものを用いることができ、好適にはPETまたはポリプロピレン(PP)である。保護フィルムの厚みは、好適には5〜50μmである。なお、本発明においては、上記保護フィルム上に硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより硬化性樹脂層を形成して、その表面に支持体を積層するものであってもよい。すなわち、本発明において積層構造体を製造する際に硬化性樹脂組成物を塗布するフィルムとしては、支持体および保護フィルムのいずれを用いてもよい。
ここで、硬化性樹脂層を形成する硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法を用いることができる。また、揮発乾燥方法としては、熱風循環式乾燥炉、IR(赤外線)炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等、蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いることができる。
本発明の積層構造体の形態は、支持体上に硬化性樹脂組成物を塗布し、溶剤を乾燥させたものである。
本発明の積層構造体は硬化性樹脂層上に保護フィルムを備える場合には保護フィルムを剥離後、基板上に積層構造体の硬化性樹脂層側が接するように加熱等によりラミネートして一体成形し、その後、支持体を付けたまま硬化性樹脂層をオーブン中もしくは熱板プレス、または、加熱もしくは光照射により硬化させてもよい。加熱の場合、熱風循環式乾燥炉等を用いることができる。
硬化条件としては熱硬化性樹脂の場合、130℃〜250℃で10分〜60分で硬化させることが好ましい。また、必要に応じて多段階硬化をしても良い。光硬化性樹脂を硬化させる場合はメタルハライドランプや高圧水銀灯を用いて365nmの波長域での積算光量が100mJ/cm〜3,000mJ/cmで硬化させることが好ましい。
上記工程のうち、ラミネートもしくは熱板プレスする方法は、内層回路による微細凹凸が加熱溶融する際に解消され、そのまま硬化するので、最終的にはフラットな表面状態の多層板が得られるので好ましい。また、内層回路が形成された基材と本発明の硬化性樹脂層とをラミネートもしくは熱板プレスする際に、銅箔もしくは回路形成された基材を同時に積層し、基板形成することもできる。
このようにして得られた基板に、COレーザーやUV−YAGレーザー等の半導体レーザーまたはドリルにて穴を開ける。穴は、基板の表と裏を導通させることを目的とする貫通穴(スルーホール)でも、内層の回路と層間絶縁層表面の回路を導通させることを目的とする部分穴(コンフォーマルビア)のどちらでもよい。その際に、硬化後の硬化性樹脂層に支持体を付けたまま、レーザーにて穴を開けることが好ましい。
穴明け後、穴の内壁や底部に存在する残渣(スミヤ)を除去することを目的として、市販のデスミア液(粗化剤)または過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等の酸化剤を含有する粗化液による処理を同時に行う。また、前記処理前か処理後のいずれかのタイミングにおいて硬化後の硬化性樹脂層から支持体を剥離することが好ましい。支持体の剥離は手で物理的に剥離することが好ましいが、特に支持体が樹脂組成物を硬化や乾燥することにより形成された硬化塗膜や乾燥塗膜で形成されている場合は、剥離液等を用いて化学的に剥離してもよい。
次に、デスミア液で残渣を除去した穴や、微細凹凸状粗化面を生じた皮膜表面を形成後に、サブトラクティブ法やセミアディティブ法等により回路を形成する。いずれの方法においても、無電解めっきまたは電解めっき後、あるいは両方のめっきを施した後に、金属のストレス除去、強度向上の目的で、約80〜180℃で10〜60分程度のアニールと呼ばれる熱処理を施してもよい。
ここで用いる金属めっきとしては、銅、スズ、はんだ、ニッケル等、特に制限はなく、複数組み合わせて使用することもできる。また、ここで用いるめっきの代りに金属のスパッタ等で代用することも可能である。
本発明の積層構造体は、プリント配線板の製造に好適に用いることができ、特に、層間絶縁層やソルダーレジスト等のプリント配線板の絶縁層の形成に好適に用いることができる。本発明の積層構造体を用いて、配線を貼り合わせることによって配線板を形成してもよい。また、半導体チップ用の封止樹脂としても好適に用いることができる。本発明の積層構造体は、例えば、スマートフォンやパソコン等において有用である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4および比較例1〜4)
下記表1に示す処方にて各成分を配合し、混練分散し、粘度0.5〜20dPa・s(回転粘度計5rpm、25℃)となるようにシクロヘキサノンおよびメチルエチルケトンの少なくともいずれか1種を適量用いて粘度を調整した。その後、バーコーターを用いて、硬化性樹脂層の膜厚が乾燥後50μmになるように表2に示す各種支持体(表2に示す、各種離型処理剤で処理された厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)に塗布しその後、下記表2に示す時間と温度で乾燥させ、支持体上に硬化性樹脂層を形成した積層構造体を得た。この硬化性樹脂層の乾燥面に保護フィルム(配向ポリプロピレン)を70℃、0.5MPaの条件でロールラミネートにより積層し、保護フィルム付きの積層構造体を得た。
Figure 2021054079
以下に示す評価方法にて、実施例1〜4および比較例1〜4の積層構造体の評価を実施した。評価結果を表2に示す。
(ピール強度)
回路形成された基板(500mm×600mm×0.8mm(厚み)をメック株式会社製のCZ8101により化学研磨した。その後、実施例1〜4および比較例1〜4の保護フィルム付き積層構造体のそれぞれの保護フィルムを剥離し、それぞれバッチ式真空ラミネーターMLVP−500(名機社製)を用いて、加圧度:0.5Mpa、温度:90℃、加圧時間:1分、真空度:130Paの条件で、積層構造体の硬化性樹脂層の面と上記基板の化学研磨された面とを合わせてラミネートした。ラミネート後、100℃で30分加熱した後、180℃で30分加熱した。180℃で30分加熱終了後、室温まで冷却して、硬化性樹脂層が硬化した積層構造体を得た。
その後、硬化性樹脂層が積層された支持体に幅10mm、長さ60mmの切り込みを入れ、卓上型引張試験機(島津製作所製EZ−SX)にて90度の角度で50mm/分の速度で支持体と硬化性樹脂層間のピール強度(N/cm)を測定した。ピール試験の評価長さは30mmで行い、0.5mm毎にピール強度をプロットし、合計60点の測定点の平均をピール強度とした。
なお、25℃50%RHの環境下で、室温まで冷却している支持体剥離後の硬化性樹脂層の表面に、イソプロピルアルコール(IPA)を含ませたウエスを載せ、さらに、その上に500gのおもりを載せて1分間静置した後に、ウエスをはがし、ウエスの硬化性樹脂層と接触していた面に硬化性樹脂層の全部または一部が付着していない状態であることを確認した。
(支持体剥離後の硬化性樹脂層表面(剥離面)の最大山高さおよび最大谷深さ、支持体剥離後の支持体表面(剥離面)の最大山高さ)
前記ピール強度の測定に使用したテスト基板の支持体剥離後の硬化性樹脂層表面の最大山高さSpおよび最大谷深さSvをブルカー社製の3次元白色光干渉顕微鏡(Contour GT)を用いてVSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定して得られる値である。具体的な測定方法としては、X−Yステージ上に測定する試料を静置し、ソフトウェア(Vision 64)を立ち上げ、測定モードVSIを選択する。次にライブビデオモードにおいて10倍の対物レンズで大まかにピントと明るさを調整する。次にIntensityの調整を行う。次いでXYコントロールを用いて測定箇所を対物レンズの真下に移動させる。Z軸コントロールを用いてサンプルにアプローチしていく。ベストフォーカスが見つかるまで、Z軸をコントロールし、その後、50倍の対物レンズに替え、再度フォーカスを最適な位置に調整し、必要に応じてTip Tiltの調整を行い15フリンジ以下に調整する。最後にソフトウェア上でMeasurementまたはSingle Acquisitionのボタンをクリックして測定を開始する。測定の条件として、評価長さは0.3mmで評価箇所は前記ピール強度評価で支持体を剥離したサンプルの中心部分から外部に向かって等間隔に10箇所のSpおよびSvの値をそれぞれ測定し、その平均を支持体剥離後の硬化性樹脂層表面の最大山高さSpおよび最大谷深さSvとした。また、支持体の剥離面の最大山高さSpも、支持体剥離後の硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpと同様に測定した。測定の条件も、評価長さは0.3mmで評価箇所は前記ピール強度評価で用いた剥離後の支持体の中心部分から外部に向かって等間隔に10箇所のSpの値をそれぞれ測定し、その平均を支持体の剥離面の最大山高さSpとした。
(支持体の剥離耐性)
支持体との接着性を評価する為、下記(1)から(3)の工程を行い、工程中の支持体の剥がれ、脱落が無いかを確認した。
(1)ラミネート・熱硬化プロセス
回路形成された基板(500mm×600mm×0.8mm(厚み)をメック株式会社製のCZ8101により化学研磨した。その後、実施例1〜4および比較例1〜4の保護フィルム付き積層構造体のそれぞれの保護フィルムを剥離し、それぞれバッチ式真空ラミネーターMLVP−500(名機社製)を用いて、加圧度:0.5Mpa、温度:90℃、加圧時間:1分、真空度:130Paの条件で、積層構造体の硬化性樹脂層の面と上記基板の化学研磨された面とを合わせてラミネートした。ラミネート後、100℃で30分加熱した後、180℃で30分加熱した。180℃で30分加熱終了後、室温まで冷却した。
(2)COレーザー加工プロセス
(1)工程で調整した、積層構造体がラミネートされた回路形成された基板の支持体側の面から、COレーザー加工機(日立ビアメカニクス社製)を用いて、硬化性樹脂層にトップ径65μm、ボトム径50μmのビアが形成されるよう下記条件で加工した。
アパチャー(マスク径):3.1mm/パルス幅:20μsec/出力:2W/周波数:5kHz/ショット数:バースト3ショット
(3)デスミアプロセス
(2)工程で加工した、積層構造体がラミネートされた回路形成された基板を市販の湿式過マンガン酸デスミア(ATOTECH社製)で下記条件にてデスミアを実施した。具体的にはスウェリング・ディップセキュリガントPに60℃で5分間した後、コンセントレートコンパクトCPに80℃で20分浸漬し、ついでリダクションセキュリガントP500に40℃で5分間浸漬した。
評価基準は下記の通りである。
○:(3)工程のデスミアプロセス後でも支持体の剥がれ、浮き無し。
×:(1)工程〜(3)工程のいずれかで、支持体の剥がれまたは浮きが発生した。
(セミアディティブプロセスにおけるめっきレジストの剥離性)
平滑性を評価する為、セミアディティブプロセスにおけるめっきレジストの剥離性を評価した。回路形成された基板(500mm×600mm×0.8mm(厚み)をメック株式会社製のCZ8101により化学研磨した。その後、実施例1〜4および比較例1〜4の積層構造体のそれぞれの保護フィルムを剥離し、それぞれバッチ式真空ラミネーターMLVP−500(名機社製)を用いて、加圧度:0.5Mpa、温度:90℃、加圧時間:1分、真空度:130Paの条件で、積層構造体の硬化性樹脂層の面と上記基板の化学研磨された面とを合わせてラミネートした。ラミネート後、100℃で30分加熱した後、180℃で30分加熱して、硬化膜を形成した。180℃で30分加熱終了後、室温まで冷却した。次いで、回路形成された基板に形成された硬化膜に、COレーザー加工機(日立ビアメカニクス社製)を用いて、トップ径65μm、ボトム径50μmになるよう加工した。(アパチャー(マスク径):3.1mm/パルス幅:20μsec/出力:2W/周波数:5kHz/ショット数:バースト3ショット)次いで市販の湿式過マンガン酸デスミア(ATOTECH社製)で下記条件にてデスミアを実施した。具体的にはスウェリング・ディップセキュリガントPに60℃で5分間した後、コンセントレートコンパクトCPに80℃で20分浸漬し、ついでリダクションセキュリガントP500に40℃で5分間浸漬した。次に支持体を剥離し、芝浦エレテック社製のスパッタ装置CFS−12P−100にて50μmのチタン層を蒸着し、その上に300nmの銅シード層を形成した。その後、180°で窒素ガスが充填されたイナートオーブンにて1時間アニールを行った。アニール処理後、めっきレジスト(メック株式会社製のAZ P4210)を乾燥後膜厚が5μmとなる
ようにコートし、ウシオ電機株式会社製のi線プロジェクション露光機にてパターニングした。次いで200Wの出力で10分間Oプラズマ処理を行い、次に市販の電解めっき(アトテックジャパン株式会社製)を用いて4μm厚の銅めっきを形成した。次に60℃に加熱したレジスト剥離液(10質量% ENTHONE PC−4025)に浸漬し、めっきレジストの剥離をおこなった。列記レジストを剥離した後、光学顕微鏡にて剥離面を観察し、めっきレジストの剥離不良が起きているか否かの確認を行い、下記基準にて評価を実施した。
○:めっきレジストの残渣無し。
×:めっきレジストの残渣有り。
(パターニング性)
平滑性を評価する為、パターニング性を評価した。上記剥離性を確認した後、銅及びチタンのシード層をエッチングにより除去し、図1のガラスマスクを用いて得られたパターン(パターンA)の導通確認を行った。また、図2のガラスマスクを用いて得られたパターン(パターンB)の絶縁性の確認を行った。なお、図1および図2において、黒色部は非露光部であり、白色部は露光部である。
評価結果基準は下記の通りである。
〇:パターンAの抵抗値が100Ω未満であり、パターンBの抵抗値1MΩ以上。
×:パターンAの抵抗値が100Ω以上であり、パターンBの抵抗値1MΩ未満。
Figure 2021054079
上記の表2からも明らかなように、本発明による積層構造体は、プリント配線板のビルドアップ製造プロセスにおいて、硬化後の硬化性樹脂層が支持体との接着性に優れることにより歩留まりを損なうことなく、かつ、表面平滑性に優れるプリント配線板を実現することができる。比較例1では、離型処理剤を用いていないため、支持体剥離時に硬化性樹脂層表面の一部が支持体側に転写されていた。その結果、硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpおよび最大谷深さSvが比較的大きな値になったと考えられる。

Claims (4)

  1. 支持体および硬化性樹脂層を備える積層構造体であって、
    前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体と前記硬化性樹脂層の間の90度剥離試験によるピール強度が0.03N/cm以上0.20N/cm以下であり、
    前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体を剥離した際の前記硬化性樹脂層の剥離面の最大谷深さSvが500nm以下であることを特徴とする、積層構造体。
  2. 支持体および硬化性樹脂層を備える積層構造体であって、
    前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体と前記硬化性樹脂層の間の90度剥離試験によるピール強度が0.03N/cm以上0.20N/cm以下であり、
    前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体を剥離した際の前記硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpが500nm以下であることを特徴とする、積層構造体。
  3. 前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体を剥離した際の前記硬化性樹脂層の剥離面の最大山高さSpが500nm以下である、請求項1に記載の積層構造体。
  4. 前記硬化性樹脂層を硬化後に前記支持体を剥離した際の前記支持体の剥離面の最大山高さSpが500nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層構造体。
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