JP2021053644A - 部品の製造方法、及びプレス装置 - Google Patents

部品の製造方法、及びプレス装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021053644A
JP2021053644A JP2019176144A JP2019176144A JP2021053644A JP 2021053644 A JP2021053644 A JP 2021053644A JP 2019176144 A JP2019176144 A JP 2019176144A JP 2019176144 A JP2019176144 A JP 2019176144A JP 2021053644 A JP2021053644 A JP 2021053644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
punch
protruding portion
embossed
manufacturing
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019176144A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7429104B2 (ja
Inventor
秀剛 廣澤
Shugo Hirozawa
秀剛 廣澤
拓磨 恒吉
Takuma Tsuneyoshi
拓磨 恒吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2019176144A priority Critical patent/JP7429104B2/ja
Publication of JP2021053644A publication Critical patent/JP2021053644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7429104B2 publication Critical patent/JP7429104B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Forging (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、突出部の肉厚を安定して成形することができる部品の製造方法、及びプレス装置の提供を目的とした。【解決手段】本発明の部品の製造方法は、下型20とパンチ40とを有するプレス装置10を用いた押込成形により、厚板Wに突出部Pcが形成された部品Pの製造方法であって、下型20には、突出部Pcを形成するための凹状の部分とされたエンボス成形部22が設けられるとともに、エンボス成形部22の底面部23には40パンチに向けて盛り上がるように形成された膨出部30が設けられているものであり、厚板Wをパンチ40により押し出して突出部Pcを形成する押出成形工程を含むことを特徴とする部品の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、プレス装置を用いて金属製の板材に突出部を形成する加工方法に関する。
従来、金属製の板状部材に雌ねじ部を形成する場合、ねじ孔の深さを大きくしてねじの嵌め込みをより強固にすることを目的として、板材に突出部を形成して突出部の内側にねじ孔を形成することが行われている。また、薄板に突出部を形成する加工方法として、バーリング加工が行われている。例えば、下記特許文献1には、薄板にバーリング加工で円筒形の立ち上げ部を形成する薄板バーリング加工方法が開示されている。
特許文献1の薄板バーリング加工方法では、加工対象部位にあらかじめ潰し加工を行い、潰し加工を行った後に突き出し加工を行うことで、薄板であっても十分なバーリング高さを得ることができるとされている。
特開2013−126673号公報
ところで、特に強度が必要な部位に用いられる部品では、厚板(厚さ3.0mm以上の鋼板など)を加工してねじ孔を形成した部品が用いられる場合がある。このような厚板では、材料の変形抵抗が大きくなるためバーリング加工を行うことが困難となる。そのため、厚板部品では、プレス装置を用いたエンボス成形(押込成形)により部分的に厚板を突出させて突出部を形成した後にタップ加工を行い、ねじ孔を形成する場合がある。
しかしながら、厚板にエンボス成形を行う場合、変形抵抗が大きくなるなどの要因により、厚板にパンチを一度押し込むだけではパンチが振れてしまい、一度の押出加工で一定肉厚の押出形状を得ることが困難である。また、厚板にエンボス成形を行う場合、エンボス成形部に必要量の材料を押し込むために、押込量や加工力などが増加するといった問題がある。
その一方、パンチ径を小さくして変形抵抗を小さくすると、材料の絶対的な押込み体積が減少してエンボス成形部(部品の突出部を形成する部分)に必要量の材料を充填することが困難となる。そのため、成形後の部品において特に強度が必要となる突出部の根元部分に材料が十分に充填されない、あるいは突出部全体に肉がうまく流動せず、突出部の径や厚みにバラツキが生じるといった問題がある。このように、厚板を押出加工(エンボス出し)にて成形する場合、厚板とパンチ径の関係により必要な形状まで押し出すことが困難であった。
また、厚板の表面を部分的に切削するなどの手段により突出部を形成する、あるいはプレス装置により何度もプレスを行うなどの手段により突出部を形成すると仮定すると、一定の肉厚を得ることができる可能性がある一方、工程や加工コストが増加するといった問題が生じる。
このように、厚板により成形される部品では、突出部(タップ部)を形成する際に、突出部を安定して押出加工し、突出部の肉厚を安定して確保することが課題となっていた。
そこで本発明は、突出部の肉厚を安定して成形することができる部品の製造方法、及びプレス装置の提供を目的とした。
ここで、従来では、プレス加工により突出部の内側をタップの下穴(凹部)として完成させ、当該下穴(凹部)にドリルを挿入してタップ加工が行われていた。しかしながら、プレス工程内の位置精度や孔径精度、さらにプレス加工で得られた突出部の肉厚が一定でないなどの要因によりドリルが傾き工具寿命に影響するなどの課題があった。
ここで、本発明の発明者らは、上述の課題を解決するための方策を検討した。具体的には、プレス加工によりタップ下孔よりもひとまわり小径の穴部(突出部)を形成して、その後切削加工により突出部を貫通させてタップの下孔を形成し、さらにその後下孔にタップ加工を行うことを検討した。このようにすれば、切削加工により安定した孔径を得ることができる。
しかしながら、上述のとおり、厚板の押し出しは押し込むパンチと受ける下型との位置関係や相対的な大きさで決まってしまうため、パンチ径が小径になるほど材料の押込量が少なくなり、成形に不利となる。
ここで、本発明の発明者らは、上述の課題を解決するための方策をさらに検討したところ、下型の形状を工夫することで、突出部を形成する部分(エンボス成形部)に効率的に成形材料(肉)を流動させることができるとの知見が得られた。具体的には、パンチからの押込みだけでなく、上方に向けて膨出した形状を下型に設定することで、下面側からも材料の流動を促して、エンボス成形部(突出部を形成する部分)に必要量の材料を充填して、突出部の形状を安定させることができるとの知見が得られた。
これにより、押出成形時に、エンボス成形部の開口縁部(部品の突出部の根元)のスキや、パンチ側面(突出部の内周面)のスキ、あるいはエンボス成型部の隅部(部品の突出部の先端部)のスキを低減させることができる。その結果、部品の肉厚の偏り、あるいは突出部の根元や先端部の肉厚不足を低減して、部品の強度低下の懸念を低減させることができる。
上述の知見に基づき提供される本発明の部品の製造方法は、下型とパンチとを有するプレス装置を用いた押込成形により、厚板に突出部が形成された部品の製造方法であって、前記下型には、前記突出部を形成するための凹状の部分とされたエンボス成形部が設けられるとともに、前記エンボス成形部の底面部には前記パンチに向けて盛り上がるように形成された膨出部が設けられているものであり、前記厚板を前記パンチにより押し出して前記突出部を形成する押出成形工程を含むことを特徴とするものである。
本発明の部品の製造方法によれば、エンボス成形部に材料を効率的に流動させることができる。その結果、部品の肉厚の偏り、あるいは突出部の根元や先端部の肉厚不足を低減して、部品の強度低下の懸念を低減させることができる。
このように、本発明の部品の製造方法によれば、多くの体積の成形材料をエンボス成形部に押し出して突出部の形状を安定させ、タップ下孔の形成時やタップ加工時の取代を確保し、部品の品質を安定させることができる。
また、本発明の部品の製造方法によれば、エンボス成形部に材料を押し出すために何度も押出成形工程を行うことなく、一度の押出成形工程により材料の加工を行うことができ、工程数を低減させることができる。
ここで、本発明の発明者らがさらに鋭意検討したところ、エンボス成形部の膨出部から底面部に向けて傾斜する部分を設けることで、より効率的にエンボス成形部の隅(底面部の隅)に向けて材料を押し込むことができるとの知見が得られた。
上述の知見に基づき提供される本発明の部品の製造方法では、プレス装置の前記エンボス成形部には、前記膨出部から前記底面部に向けて傾斜する傾斜部が設けられていることを特徴とするものである。
上述の構成によれば、より効率的にエンボス成形部の隅(底面部の隅)に向けて材料を押し込むことができる。
また、本発明の発明者らは、より適切な傾斜部の角度を検討した。その結果、傾斜部の傾斜角度がパンチの軸線に対して45度以上の角度(傾斜部が水平に近づく角度)となると、材料がエンボス成形部の縦壁に向けた押出効果がやや低減し(材料が流れ難くなる)、45度以下の角度であるとエンボス成形部の縦壁に向けて材料を押し出す効果が高いことが判明した。
そのため、本発明の部品の製造方法では、プレス装置の前記エンボス成形部には、前記膨出部の上方面から前記底面部に向けて傾斜する傾斜部が設けられており、前記傾斜部の傾斜角度が、前記パンチの軸線に対して45度以下の角度をなしているものであるとよい。
上述の構成によれば、より効果的にエンボス成形部の縦壁部に向けて材料を効率的に充填することができる。
さらに、本発明の発明者らは、膨出部の高さと材料の押込み効果について検討した。その結果、膨出部を高くするほど材料の押込み効果が必ずしも高くなるとは限らず、膨出部の高さをエンボス成形部の深さの半分以下とすると、材料の流動がスムーズに行われるとの知見が得られた。
そのため、本発明の部品の製造方法では、プレス装置の前記膨出部の高さが、前記エンボス成形部の深さの半分以下であるとよい。
上述の構成によれば、より効果的にエンボス成形部の形状に沿って、スムーズに材料を流動させることができる。
本発明のプレス装置は、下型とパンチとを有し、厚板を押し出し加工して突出部を形成するプレス装置であって、前記下型が、前記突出部を形成するための凹状の部分とされたエンボス成形部と、前記エンボス成形部の底面部に設けられ、前記パンチに向けて盛り上がるように形成された膨出部とを有することを特徴とするものである。
本発明のプレス装置によれば、エンボス成形部の周部に向けて、材料を効率的に流動させることができる。その結果、部品の肉厚の偏り、あるいは突出部の根元や先端部の肉厚不足を低減して、部品の強度低下の懸念を低減させることができる。
このように、本発明のプレス装置によれば、多くの体積の成形材料をエンボス成形部に押し出して突出部の形状を安定させ、タップ加工時の取代を確保し、部品の品質を安定させることができる。
また、本発明のプレス装置によれば、エンボス成形部に材料を押し出すために何度も押出成形工程を行うことなく、一度の押出成形工程により材料の加工を行うことができ、工程数を低減させることができる。
本発明の部品の製造方法、及びプレス装置によれば、突出部の肉厚を安定して形成することができる。
本発明の実施形態に係るプレス装置の模式図である。 本発明の製造方法により製造された部品の一例を示す図である。 図1のプレス装置の下型及びパンチを示す図である。 図1のプレス装置を用いて行われる押出成形工程を示す図である。 押出成形後に行われるタップ加工を示す図である。 図1のプレス装置のエンボス成形部の要部を示す図である。 図1のプレス装置の変形例、及び予備押し工程を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプレス装置10である。また、本発明の部品の製造方法では、図1に示すプレス装置10が用いられる。
本実施形態では、部品Pとして、車両のリアサスプレートを製造する方法を具体例として説明する。図2(a)及び図2(b)に示すとおり、部品Pは、厚板の鋼板材(本実施形態では8.0mm)に突出部Pcが形成された部品であり、一方の面から他方の面に貫通するように、ねじ孔Pbが形成されている。
なお、本発明の部品の製造方法及びプレス装置は、部品としてリアサスプレートを製造するものに限定されず、厚板に突出部が形成された部品に対して幅広く適用することができる。
なお、本明細書において「厚板」とは、鋼板など金属素材が板状に形成されたものであって、厚みが3.0mm以上のものである。
図2(b)に示すとおり、部品Pは、厚みD1(本実施形態では8.0mm)の鋼板材(以下、単に「厚板」、又は「ワークW」と記載して説明する場合がある)を加工して製造されている。また、図2(c)に示すとおり、完成品とされた部品Pのねじ孔Pbは、内径D3(本実施形態では10.8mm)とされている。
図2(a)に示すとおり、部品Pは、板状の部分とされた板状部Paに突出部Pcが形成されている。図2(b)に示すとおり、突出部Pcは、部品Pの表裏をなす面のうち一方の面に形成されている。
図2(c)に示すとおり、突出部Pcは、板状部Paから所定の高さD4(本実施形態では4.0mm)を備えている。突出部Pcの内周面には、ねじ孔Pbが形成されている。さらに、突出部Pcが形成された側とは反対側の面であって、ねじ孔Pbの開口縁となる部分には、面取り部分とされたC面Peが形成されている。
なお、以下の説明において、部品P又はワークWにおいて、C面Peが形成される側の面を、「上方面F1」と記載して説明する場合がある。また、上方面F1とは反対側の面(突出部Pcが形成される側の面)を、「下方面F2」又は「突出部形成面F2」と記載して説明する場合がある。
プレス装置10は、鋼板材などのワークW(成型材料)に対して、押出成形やせん断加工等のプレス加工を行うためのものである。
プレス装置10は、図示を省略したスライダ、シリンダ、ガイドポスト等の構成を有している。また、図1に示すとおり、プレス装置10は、パンチ40、下型20、及び押さえ部材12を備えている。
なお、以下の説明において、パンチ40のストローク方向(押圧方向)を、単に「押圧方向X」と記載して説明する場合がある。
パンチ40は、突出部Pcを形成する押出成形工程を行うために設けられている。より具体的には、パンチ40は、ワークWをエンボス成形部22に押し込んで、ワークWに突出部Pcを形成するために設けられている。図3(a)に示すとおり、パンチ40は、ワークWの厚み(8.0mm)よりも大きい外径D6(本実施形態では9.8mm)とされている。
図1及び図3(a)に示すとおり、下型20には、部品Pの突出部Pcを形成するためのエンボス成形部22が設けられている。エンボス成形部22は、下型20の凹状部分として形成されている。
図3(a)に示すとおり、エンボス成形部22の内径は、突出部Pcの外径D2の大きさに相当する大きさ(内径D2、本実施形態では16.0mm)とされている。また、図3(b)に示すとおり、エンボス成形部22は、突出部Pcの高さD4に相当する深さD4(本実施形態では4.0mm)を備えている。エンボス成形部22の開口縁(角部24)は、R加工されている。なお、以下の説明では、エンボス成形部22の内周面を「縦壁部25」と、底面となる部分を「底面部23」と記載して説明する場合がある。
図3(a)に示すとおり、エンボス成形部22の底面部23にはパンチ40に向けて盛り上がるように形成された段差部30(膨出部)が設けられている。
図3(a)に示すとおり、段差部30は、エンボス成形部22の底面部23の略中央に設けられており、平面視において略円形の上方面32が形成されている。なお、図3(b)に示すとおり、段差部30の高さD7は、エンボス成形部22の深さD4(突出部Pcの高さに相当)に対して、半分以下の高さ(本変形例では深さD4の半分の2.0mm)とされている。これにより、プレス装置10は、押出成形工程において、エンボス成形部22内に効率的に材料を押し込むことができる。
また、図3(b)に示すとおり、段差部30の上方面32と底面部23との間には、底面部23に向けて傾斜する面として傾斜部34が設けられている。傾斜部34の傾斜角度θは、パンチ40の軸線Lに対して角度をなしている。本変形例では、傾斜部34の傾斜角度θ(パンチ40の軸線Lに対する角度)は、概ね45度とされている。これにより、プレス装置10は、押出成形工程において、材料を縦壁部25に向けて押し込み、縦壁部25近傍にスキができることを抑制することができる。
下型20を用いて押出成形を行うと、パンチ40の押込みによる材料流動に加え、下型20に形成された段差部30の形状により、材料の流動を促すことができる。その結果、より効率的に突出部Pcの増肉を実現することができる。
図4(a)及び図4(b)に示すとおり、ワークWがパンチ40により下型20に押し付けられると、パンチ40の座面42と段差部30の上方面32との間に挟まれた材料が、傾斜部34に沿ってエンボス成形部22の隅部26に向かって(エンボス成形部22の径方向外側に向かって)押し込まれる。これにより、エンボス成形部22の角部24や縦壁部25、隅部26などに向けて材料が充填され、部品Pの突出部Pcの肉厚の偏りを低減することができる。
図5(a)に示すとおり、パンチ40によりワークWを押し出す押出成形工程により、ワークW(厚板)には突出部Pcが形成されるとともに、突出部Pcの内側には穴部Pfが形成される。押出成形工程の後、ワークWのタップ加工が行われる。具体的には、マシニングセンタなどの工作機械を用いて穴部Pfを貫通させ、その後タップ加工によりねじ孔Pbを形成する加工が行われる。これらの工程を経て、図5(b)に示すとおり、突出部Pcの内周面に内径D3のねじ孔Pbが形成される。
このように、本発明の部品の製造方法によれば、小径のパンチ40であっても多くの体積の材料をエンボス成形部22に押し出して突出部Pcの形状を安定させ、タップ下孔の形成時(穴部Pfを貫通させる際)やタップ加工時の取代を確保し、部品Pの品質を安定させることができる。
また、本発明の部品の製造方法によれば、エンボス成形部22に材料を押し出すために何度も押出成形工程を行うことなく、一度の押出成形工程により、材料の加工を行うことができ、工程数をさほど増加させることを要さない。
上述の工程を経て、図2に示すような部品Pが製造される。このように、本発明の製造方法によれば、厚板の表面を切削して突出部を削り出すなどの加工を行うことなく、プレス加工によりねじ孔Pbの突出部Pc(立ち上がり部)を形成することができる。また、突出部Pcの根元の部分(首元Pd)や先端部分に材料が十分に充填されず、部品Pの強度が低下する等の問題発生を抑制することができる。
<変形例>
なお、本発明の部品の製造方法では、上述した下型20を用いて厚板の押出成形を行うことに加え、以下に説明する予備押し工程を行うものとしてもよい。さらに、以下の予備押し工程は、部品PのC面Peを形成する工程を兼ねて行うことができる。
以下に説明する変形例では、予備押しを行うパンチとして、予備押し用パンチ50が用いられる。図7は、予備押し工程を行う場合を示す図である。予備押し用パンチ50で予備押しを行い、その後にパンチ40を用いて先に説明した押出成形工程(突出部Pcを成形する工程、図4参照)を行うことができる。
図7に示すとおり、予備押し用パンチ50には、ワークWを略直交するように押圧する座面52が形成されている。また、予備押し用パンチ50には、面取り部分とされたC面形成部54が、座面52を取り囲むように設けられている。C面形成部54は、部品PのC面Peを形成するためのものである。
ここで、予備押し用パンチ50及びパンチ40の径方向の大きさの関係について説明する。予備押し用パンチ50の外径D5(本実施形態では14.0mm)は、パンチ40の外径D6(本実施形態では9.8mm)よりも大きいものとされている(D5>D6)。また、予備押し用パンチ50の外径D5は、部品Pに形成されたC面Peの外径を含む大きさ(ねじ孔Pbの大きさ+面取り部(C面)の大きさ)であり、かつエンボス成形部22の内径D2(本実施形態は16.0mm)よりも小さい。より具体的に説明すると、部品Pの完成時の孔径(内径D3)を目標寸法として、これに対するタップ下孔やタップ加工の取代を考慮した大きさとしてパンチ40の外径D6が設定されており、C面Peの形成を考慮した径として予備押し用パンチ50の外径D5が設定されている。
そのため、予備押し用パンチ50によりワークWを押圧して予備押しを行うと、エンボス成形部22の開口縁(角部24)に材料(ワークW)が引っ掛かるように曲げ癖が付いて角部24に材料が馴染む。すなわち、本加工(押出成形工程)の前に大径のパンチ(予備押し用パンチ50)を用いて一度材料に塑性流動を発生させる(予備押し)ことができる。これにより、後に行われる押出成形工程において、予備押しを行わない場合と比較して、多くの体積の材料をエンボス成形部22に押し出すことができる。
<予備押し工程>
予備押し工程では、タップ加工時に必要となるワークWのC面Peの形成を事前に行い、その際のパンチ(予備押し用パンチ50)の径を大径化することで、材料(ワークW)の下型20への馴染みきっかけを生成する。
予備押し工程では、プレス装置10の加工位置に配置され、押さえ部材12に保持されたワークWを、予備押し用パンチ50により所定量押圧することにより行われる。具体的には、図7(a)、及び図7(b)に示すとおり、下型20と押さえ部材12との間に挟持されて位置決めされたワークWに対して、予備押し用パンチ50を所定距離分(ワークWにC面Peが形成される程度のストローク量)ストロークさせて押し付ける。
これにより、ワークWにC面Peとなる部分が形成されるとともに(図7(b)参照)、ワークWの下方面F2(突出部形成面F2)が角部24と馴染むように押圧される。すなわち、ワークWの上方面F1を面積の大きい(エンボス成形部22の開口領域の面積に近い大きさの面積)を備える予備押し用パンチ50の座面52で押圧することにより、ワークWの下方面F2が角部24と効率的に接触して、ワークWに塑性流動性を発生させることができる。
<押出成形工程>
予備押し工程の後、パンチ40を下方にストロークさせて、ワークWをエンボス成形部22の形状に沿うように押出成形する。上述のとおり、予備押し工程において、ワークWは角部24と馴染んだ状態となっているため、押出成形工程においてワークWの押出加工を行うと、エンボス成形部22の隅部26に向けて効率的に材料が流動する(図7(b)参照)。その結果、角部24近傍に材料が充填されないといった問題や、縦壁部25に十分に材料が押し込まれないといった問題の発生を抑制することができる。
上述のとおり、従来では厚板を押込み加工(エンボス出し)にて成形する場合、厚板とパンチ径の関係により必要な形状まで押し出すことが困難であったところ、本発明の製造方法によれば、過度な工程の増加を要さず、厚板を必要な形状まで押し出すことができる。
その結果、本発明の部品の製造方法によれば、エンボス成形部22の周部に向けて、材料を効率的に流動させて部品の突出部を成形し、突出部の肉厚の偏り、あるいは突出部の根元や先端部の肉厚不足を低減して、部品の強度低下の懸念を低減させることができる。
なお、上述の変形例では、予備押し工程を押出成形工程の前に行うこととした例を示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、厚板にC面を形成する工程は、押出成形工程の後に行うものとしてもよい。
本発明は、厚板を押出成形するプレス装置、及びプレス装置により押出成形して部品を製造する方法として、好適に採用することができる。
10 プレス装置
20 下型
22 エンボス成形部
23 底面部
24 角部
25 縦壁部
30 段差部(膨出部)
32 上方面
34 傾斜部
40 パンチ
42 座面
D4 高さ
D7 高さ
L 軸線
P 部品
Pc 突出部
W ワーク(厚板)
X 押圧方向
θ 傾斜角度

Claims (2)

  1. 下型とパンチとを有するプレス装置を用いた押込成形により、厚板に突出部が形成された部品の製造方法であって、
    前記下型には、前記突出部を形成するための凹状の部分とされたエンボス成形部が設けられるとともに、前記エンボス成形部の底面部には前記パンチに向けて盛り上がるように形成された膨出部が設けられているものであり、
    前記厚板を前記パンチにより押し出して前記突出部を形成する押出成形工程を含むことを特徴とする部品の製造方法。
  2. 下型とパンチとを有し、厚板を押し出し加工して突出部を形成するプレス装置であって、
    前記下型が、
    前記突出部を形成するための凹状の部分とされたエンボス成形部と、
    前記エンボス成形部の底面部に設けられ、前記パンチに向けて盛り上がるように形成された膨出部とを有することを特徴とするプレス装置。
JP2019176144A 2019-09-26 2019-09-26 部品の製造方法、及びプレス装置 Active JP7429104B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019176144A JP7429104B2 (ja) 2019-09-26 2019-09-26 部品の製造方法、及びプレス装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019176144A JP7429104B2 (ja) 2019-09-26 2019-09-26 部品の製造方法、及びプレス装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021053644A true JP2021053644A (ja) 2021-04-08
JP7429104B2 JP7429104B2 (ja) 2024-02-07

Family

ID=75269539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019176144A Active JP7429104B2 (ja) 2019-09-26 2019-09-26 部品の製造方法、及びプレス装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7429104B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2909281A (en) * 1954-05-19 1959-10-20 Chrysler Corp Closed end sleeve-like boss and method of making
JP2001300678A (ja) * 2000-04-17 2001-10-30 Fuji Electric Co Ltd 円柱突起の押出し成形方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2909281A (en) * 1954-05-19 1959-10-20 Chrysler Corp Closed end sleeve-like boss and method of making
JP2001300678A (ja) * 2000-04-17 2001-10-30 Fuji Electric Co Ltd 円柱突起の押出し成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7429104B2 (ja) 2024-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5325934B2 (ja) ピアスナットの製造装置
CN110709193B (zh) 切削刀片用压坯的粉末成型压制方法及粉末成型压制装置
JP4920756B2 (ja) フランジ構造体の製造方法
WO2017006830A1 (ja) 突起部成形装置、突起部成形方法及び成形品
US20130152656A1 (en) Thin plate burring processing method and thin plate female screw-forming method
JP6673760B2 (ja) 突起部成形装置、突起部成形方法
US20190232359A1 (en) Forging apparatus and forging method
TW201634143A (zh) 金屬端部剖面外周之加工方法、藉由該加工方法所獲得之金屬零件與其他構件之接合方法
JP2002224753A (ja) プレスの金型装置
CN110814179A (zh) 内环形零圆角凸起坯料的制备方法
JP2021053644A (ja) 部品の製造方法、及びプレス装置
KR101747585B1 (ko) 보스를 구비한 원통 용기의 성형 방법
JP2016087683A (ja) プレス成形型
JP7348790B2 (ja) 部品の製造方法
JP6225018B2 (ja) プレス装置及びそれを用いたローラーの製造方法
JP2015020202A (ja) 金属板又は金属棒の端部断面の内部割裂方法、並びに該内部割裂方法による金属容器と金属管の製造方法及び金属部品の接合方法
CN106001238A (zh) 一种自动定位冲料模
KR101888358B1 (ko) 상하형 금형의 맥동모션을 이용한 제품 생산방법
JP2006159232A (ja) プレス加工方法における薄板断面成型法
CN211839710U (zh) 螺母垫圈冲压装置
JP2009172612A (ja) プレス加工金型、及び加工板材の製造方法
JPH07144244A (ja) 歯車鍛造品の鍛造金型及び歯車鍛造品の鍛造方法
CN109226461A (zh) 一种质量环近距离冲孔模具及冲孔方法
JP7421365B2 (ja) プレス装置及び部材の製造方法
US11648599B2 (en) Method and system for forming protrusions, and method for manufacturing metal component having protrusions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231101

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20231108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7429104

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150