JP2021052025A - 半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置 Download PDF

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Yuichi Yamazaki
裕一 山崎
多木 俊裕
Toshihiro Tagi
俊裕 多木
秀明 長岡
Hideaki Nagaoka
秀明 長岡
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Abstract

【課題】基板及び窒化物半導体層の積層構造を貫通する孔内に設けられる配線の熱膨張による変形を抑える。【解決手段】半導体装置1は、基板10と、その表面10aに設けられた窒化物半導体層20と、その表面20aに設けられた電極30とを含む。基板10には、電極30との対向位置に、基板10を貫通して窒化物半導体層20に達する孔11が設けられる。その孔11内に、窒化物半導体層20を貫通して電極30に達する複数の孔21が設けられる。孔11内及び複数の孔21内に、電極30に接続される配線40が設けられる。孔11内の窒化物半導体層20には、複数の孔21が設けられることで、梁状に残存部22が形成される。残存部22により、電極30との接続部付近における配線40の、電極30側への熱膨張による変形を抑える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置に関する。
半導体基板上の窒化物半導層の表面側にエッチングストッパーとなる金属層を設け、半導体基板及び窒化物半導体層の積層構造を貫通して金属層に達する孔を形成し、その孔内に金属層と接続される配線を形成する、所謂ビア配線構造の形成技術が知られている。半導体基板及び窒化物半導体層の積層構造を貫通する孔の形成に関し、半導体基板を貫通する第1孔と、その第1孔の中央部に位置し、窒化物半導体層を貫通し、第1孔よりも小さい径を有する第2孔とを形成する技術が知られている。
特開2013−191763号公報
上記のようなビア配線構造では、用いられる材料の特性上、半導体装置の製造過程や製造後に加えられる熱によって、半導体基板及び窒化物半導体層の積層構造を貫通する孔内に設けられた配線が、エッチングストッパーの金属層側に熱膨張して変形する場合がある。孔内の配線の、金属層側への熱膨張による変形が大きくなると、孔の内壁からの配線の剥離等が生じ、ビア配線構造を備える半導体装置の歩留まりの低下、品質の低下を招く恐れがある。
1つの側面では、本発明は、孔内に設けられる配線の熱による変形を抑えることを目的とする。
1つの態様では、基板と、前記基板の第1面に設けられた窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層の、前記基板とは反対側の第2面に設けられた第1電極と、前記基板の、前記第1電極との対向位置に設けられ、前記基板を貫通し、前記窒化物半導体層に達する第1孔と、前記第1孔内の前記窒化物半導体層に設けられ、前記窒化物半導体層を貫通し、前記第1電極に達する複数の第2孔と、前記第1孔内及び前記複数の第2孔内に設けられ、前記第1電極に接続された配線とを含む半導体装置が提供される。
また、1つの対象では、上記のような半導体装置の製造方法、上記のような半導体装置を備える電子装置が提供される。
1つの側面では、孔内に設けられる配線の熱による変形を抑えることが可能になる。
第1の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の一例のレイアウトについて説明する図である。 半導体装置の別の例のレイアウトについて説明する図である。 半導体装置で起こり得る状況について説明する図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置で起こり得る状況について説明する図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図(その1)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図(その2)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図(その3)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図(その1)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図(その2)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その1)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その2)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その3)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その4)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その5)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その6)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その7)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その8)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その9)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その10)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その11)である。 第3の実施の形態に係る半導体パッケージの一例について説明する図である。 第4の実施の形態に係る力率改善回路の一例について説明する図である。 第5の実施の形態に係る電源装置の一例について説明する図である。 第6の実施の形態に係る増幅器の一例について説明する図である。
[第1の実施の形態]
図1は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図1(A)には、半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。図1(B)には、半導体装置の一例の一方の側(基板の側)から見た要部平面図を模式的に示している。図1(A)は、図1(B)のI-I断面に相当する図である。
図1に示す半導体装置1は、基板10、窒化物半導体層20、電極30及び配線40を有する。
基板10には、例えば、シリコンカーバイド(SiC)基板が用いられる。このほか、基板10には、シリコン(Si)基板、サファイヤ基板、ガリウムナイトライド(GaN)基板、ダイヤモンド基板等が用いられてもよい。基板10には、図1(A)及び図1(B)に示すように、電極30との対向位置に、基板10を貫通して窒化物半導体層20に達する孔11、ここでは一例として1つの孔11が設けられる。
窒化物半導体層20は、図1(A)に示すように、基板10の表面10aに設けられる。窒化物半導体層20には、例えば、GaNが用いられる。このほか、窒化物半導体層20には、アルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)、インジウムガリウムナイトライド(InGaN)、インジウムアルミニウムガリウムナイトライド(InAlGaN)、インジウムアルミニウムナイトライド(InAlN)、アルミニウムナイトライド(AlN)等の窒化物半導体が用いられてもよい。窒化物半導体層20は、1種の窒化物半導体の単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造であってもよい。窒化物半導体層20は、例えば、基板10上に、エピタキシャル成長のような結晶成長技術を用いて、形成される。基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、図1(A)及び図1(B)に示すように、窒化物半導体層20を貫通して電極30に達する複数の孔21、ここでは一例として2つの孔21が設けられる。一対の孔21の間には、窒化物半導体層20の残存部22が形成される。
電極30は、図1(A)に示すように、窒化物半導体層20の表面20a(基板10とは反対側の面)に設けられる。電極30には、金属が用いられる。電極30には、例えば、アルミニウム(Al)が用いられる。このほか、電極30には、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)等の金属が用いられてもよい。電極30は、1種の金属の単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の金属の積層構造であってもよい。電極30は、窒化物半導体層20に対してオーミック接続されるように設けられてもよい。電極30は、半導体装置1に対して電気信号を入力又は出力するための電極としての機能のほか、窒化物半導体層20の複数の孔21を、後述のようにエッチング技術を用いて形成する際の、エッチングストッパーとしての機能を備える。電極30は、例えば、半導体装置1に設けられるトランジスタのソースに接続される電極(ソース電極)、或いはそのような電極から引き出されるように設けられた電極である。
配線40は、図1(A)及び図1(B)に示すように、基板10の裏面10b(窒化物半導体層20が設けられる表面10aとは反対側の面)、並びに基板10の孔11及び窒化物半導体層20の複数の孔21の内面(内壁面及び底面)に設けられる。配線40には、金属が用いられる。配線40には、例えば、Auが用いられる。このほか、配線40には、銅(Cu)、Al等の金属が用いられてもよい。配線40は、1種の金属の単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の金属の積層構造であってもよい。配線40は、連通する基板10の孔11及び窒化物半導体層20の複数の孔21の内面に形成されて、電極30に接続される。尚、図1(B)は、半導体装置1の、配線40が形成される面側から見た要部平面模式図である。
半導体装置1では、基板10の裏面10bの配線40と、基板10の表面10a側(窒化物半導体層20の表面20a)の電極30とが、基板10の孔11内及び窒化物半導体層20の複数の孔21内の配線40を通じて、電気的に接続される。
図2は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例のレイアウトについて説明する図である。図2には、半導体装置の一例の一方の側(基板の側)から見た要部平面図を模式的に示している。
図2は、上記図1(B)に示した半導体装置1から配線40を取り除いたものを、基板10(その裏面10b)側から見た時の要部平面模式図である。半導体装置1には、図2に示すように、基板10の表面10a側に形成される電極30との対向位置に、基板10を貫通して窒化物半導体層20に達する孔11が設けられる。このような基板10の孔11内の窒化物半導体層20に、窒化物半導体層20を貫通して電極30に達する複数の孔21、この例では2つの孔21が設けられる。図2に示すような、上記配線40が形成されていない状態の半導体装置1では、基板10の孔11の底に、窒化物半導体層20の一部が露出し、基板10の孔11内の窒化物半導体層20の、その複数の孔21の各々の底に、電極30が露出する。
基板10の孔11内の窒化物半導体層20に、複数の孔21が設けられることで、基板10の孔11と電極30との間には、窒化物半導体層20の一部が残存する。基板10の孔11内に残存する窒化物半導体層20には、基板10の孔11の異なる縁部間に梁状に残存する部位(残存部)22が設けられる。即ち、基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、孔11の一の縁部11aから、窒化物半導体層20の複数の孔21のうちの一対の間(この例では2つの孔21の間)を通って、基板10の孔11の他の縁部11bまで延在する残存部22が設けられる。残存部22は、例えば、平面視で、孔11の中心Oを挟んで対向する縁部11a,11b間に、その中心Oを通るライン状に、設けられる。換言すれば、基板10の孔11内の窒化物半導体層20に、そのような残存部22が設けられるように、複数の孔21が設けられる。
半導体装置1では、図2に示すような、基板10の孔11内及び窒化物半導体層20の複数の孔21内に、図1に示すような、電極30に接続される配線40が設けられる。そして、図1に示すように、基板10の裏面10bに設けられる配線40と、基板10の表面10a側に設けられる電極30とが、基板10の孔11内及び窒化物半導体層20の複数の孔21内に設けられる配線40を通じて、電気的に接続される。半導体装置1では、基板10の孔11内の窒化物半導体層20に、上記のような残存部22が設けられる。これにより、半導体装置1では、その製造過程や製造後に熱が加えられるような場合でも、電極30との接続部付近における配線40の、電極30側への熱膨張による変形に起因した、孔21の内面からの剥離等が抑えられる。
ここで、上記のような残存部22を設けない半導体装置で起こり得る状況について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は半導体装置の別の例のレイアウトについて説明する図である。図3(A)及び図3(B)にはそれぞれ、半導体装置の一例の一方の側(基板の側)から見た要部平面図を模式的に示している。また、図4は半導体装置で起こり得る状況について説明する図である。図4(A)には、加熱前の半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示し、図4(B)には、加熱時の半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。
例えば、基板10と電極30との間の窒化物半導体層20には、図3(A)に示す半導体装置1Aのような、基板10の孔11と同等のサイズの1つの孔21Aを設けることが考えられる。或いは、図3(B)に示す半導体装置1Bのような、基板10の孔11よりも小さいサイズの1つの孔21Bを設けることも考えられる。一例として、図4(A)及び図4(B)には、図3(B)に示すようなサイズの孔21Bを設けた半導体装置1Bを図示している。
半導体装置1Bでは、図4(A)に示すように、基板10の裏面10b、並びに基板10の孔11及び窒化物半導体層20の孔21Bの内面(内壁面及び底面)に、配線40が設けられる。基板10の裏面10bに設けられる配線40と、基板10の表面10a側に設けられる電極30とが、基板10の孔11内及び窒化物半導体層20の孔21B内に設けられる配線40を通じて、電気的に接続される。
図4(A)に示すような半導体装置1Bには、図4(B)に示すように、その製造過程や製造後に熱2が加えられ得る。半導体装置1Bでは、このように熱2が加えられた際、基板10、窒化物半導体層20、電極30及び配線40に用いられている材料の特性上、変形が生じる場合がある。例えば、半導体装置1Bでは、SiC基板等が用いられる基板10や、GaN等が用いられる窒化物半導体層20の熱膨張係数に比べて、Al等が用いられる電極30や、Au等が用いられる配線40の熱膨張係数の方が大きくなる。そのため、図4(B)に示すように、熱2が加えられた際、基板10や窒化物半導体層20に比べて熱膨張係数が大きくなる配線40及び電極30に、熱膨張による比較的大きな変形が生じ得る。更に、窒化物半導体層20との密着性が比較的弱く、比較的柔らかいAl等が用いられる電極30には、その熱膨張による変形、孔21B内から熱膨張する配線40の押し上げ(図4(B)に太矢印で図示)による変形が生じ得る。
熱2が加えられた際、例えば、電極30との接続部付近(例えば図4(B)に示すP部)における配線40の、電極30側への熱膨張による変形、そのような配線40の変形に伴う電極30の変形が大きくなると、窒化物半導体層20の孔21Bの周辺に、比較的大きな応力が生じ易くなる。このような比較的大きな変形及び応力が生じると、窒化物半導体層20の孔21Bの内壁面と配線40との間、若しくは窒化物半導体層20の表面20aと電極30との間、又はそれらの両方に、剥離3が生じることが起こり得る。配線40や電極30の剥離3が生じてしまうと、半導体装置1Bの歩留まりの低下、品質の低下を招く可能性が高まってしまう。
図5は第1の実施の形態に係る半導体装置で起こり得る状況について説明する図である。図5(A)には、加熱前の半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示し、図5(B)には、加熱時の半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。
上記のような半導体装置1B(図3及び図4)に対し、第1の実施の形態の半導体装置1(図1及び図2)では、基板10の孔11内の窒化物半導体層20に、複数の孔21、一例として2つの孔21が設けられる。これにより、基板10の孔11内の窒化物半導体層20に、一の縁部11aから、隣接する2つの孔21の間を通って他の縁部11bまで延在する、梁状の残存部22が設けられる。半導体装置1では、このような残存部22が設けられていることで、図5(A)に示す加熱前の状態から、その製造過程や製造後に、図5(B)に示すように熱2が加えられた際にも、配線40の電極30側への熱膨張による変形が抑えられる。
上記図4(A)に示した半導体装置1Bのように、基板10の孔11内に、比較的大きな1つの孔21Bが設けられていると、図4(B)に示したように、配線40の電極30側への変形が大きくなり易い。そのため、窒化物半導体層20の孔21Bの内壁面から配線40が剥離したり、窒化物半導体層20の表面20aから電極30が剥離したりすることが起こり得る。
これに対し、図5(A)に示した半導体装置1では、基板10の孔11内の窒化物半導体層20に複数の孔21を設け、それらの間に残存部22を形成している。
ここで、残存部22は、窒化物半導体層20に設けられる複数の孔21の間に存在し、周囲の窒化物半導体層20から連続した部位であって、周囲の窒化物半導体層20から孤立したものではない。残存部22を一部に含む窒化物半導体層20は、例えば、基板10上に結晶成長されて形成されるため、基板10との密着性は良好であり、また、GaNやAlGaN等が用いられる窒化物半導体層20は、それ自体が硬質であり、機械的強度が高い。
このような窒化物半導体層20の一部である残存部22が、基板10の孔11内の対向する縁部11a,11b間に、梁状に設けられる(図2)。そのため、半導体装置1において、電極30との接続部付近の配線40であって基板10の孔11の底面位置に相当する窒化物半導体層20表面の配線40(配線40a)は、基板10と良好に密着され且つ硬質の窒化物半導体層20の一部である残存部22によって、電極30側への熱膨張による変形が押え込まれる。
更に、半導体装置1では、残存部22を形成している複数の孔21内に配線40が設けられ、複数の孔21内の配線40が電極30と接続されるため、残存部22がない場合に比べて、配線40と電極30との接続面積が小さくなる。そのため、個々の孔21において電極30と接続される配線40(配線40b)の、電極30側への熱膨張による変形が、小さく抑えられる。
半導体装置1では、接続部付近(例えば図5(B)に示すQ部)の配線40の電極30側への変形が抑えられることで、窒化物半導体層20の孔21の内壁面と配線40との間、若しくは窒化物半導体層20の表面20aと電極30との間、又はそれらの両方において、剥離が効果的に抑えられる。これにより、半導体装置1の歩留まりの低下、品質の低下が効果的に抑えられる。
一例として、半導体装置1B及び半導体装置1について、加熱時の配線40の電極30側への熱膨張による変形をシミュレーションした結果について述べる。シミュレーションでは、基板10にSiCを用い、窒化物半導体層20にGaNを用い、電極30にAlを主体とするTiとAlの積層体を用い、配線40にAuを用いている。各材料の熱膨張係数[μm/(m/K)](25℃)は、SiCを4.3とし、GaNを3.2とし、Tiを8.6とし、Alを23.1とし、Auを14.2としている。半導体装置1Bの上記図4(B)に示したP部(接続部付近)、及び半導体装置1の上記図5(B)に示したQ部(接続部付近)について、それぞれ25℃から290℃まで加熱した時の、配線40の電極30側への熱膨張による変形をシミュレーションした。シミュレーションの結果、半導体装置1のQ部(図5(B))では、半導体装置1BのP部(図4(A))に比べて、加熱時の配線40の電極30側への変形量が約33%減少することが確認された。
以上説明したように、第1の実施の形態の半導体装置1では、基板10の孔11内の窒化物半導体層20に複数の孔21が設けられ、それによって残存部22が形成される。半導体装置1では、このような残存部22が形成されることで、加熱時にも、接続部付近における配線40の電極30側への熱膨張による変形、それによる配線40若しくは電極30又はそれらの両方の剥離が効果的に抑えられる。これにより、配線40や電極30の剥離に起因した歩留まりの低下、品質の低下が抑えられる、半導体装置1が実現される。
尚、半導体装置1において、基板10の孔11内の窒化物半導体層20に設ける複数の孔21、及びそれによって形成される残存部22は、各種個数、形状及び配置とすることができる。
図6〜図8は第1の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図である。図6(A)及び図6(B)、図7(A)〜図7(C)並びに図8(A)〜図8(C)にはそれぞれ、半導体装置の一例の一方の側(基板の側)から見た要部平面図を模式的に示している。
図6(A)には、上記図2に示した2つの孔21に相当するものを図示している。基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、例えば、この図6(A)に示すように、平面視で、中央部の残存部22のエッジと円弧状のエッジとで囲まれた孔21を2つ、設けることができる。残存部22は、例えば、図6(A)に示すように、平面視で、基板10の孔11の一の縁部11aから、窒化物半導体層20の2つの孔21の間を通って、基板10の孔11の一の縁部11aに対向する他の縁部11bまで延在するように、設けられる。この時、残存部22は、平面視でライン状であって、基板10の孔11の中心Oを通るように、設けられる。即ち、残存部22は、基板10の孔11の中心Oを挟んで対向する縁部11a,11b間を結ぶ梁状に、設けられる。このような梁状の残存部22により、電極30との接続部付近における配線40の電極30側への変形が効果的に押え込まれ、配線40や電極30の剥離が効果的に抑えられる。
基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、例えば、図6(B)に示すように、平面視で扇状の孔21を4つ、設けることもできる。この例では、基板10の孔11の中心Oを挟んで対向する縁部11a,11b間を結ぶ梁状の残存部22と、基板10の孔11の中心Oを挟んで対向する縁部11c,11d間を結ぶ梁状の残存部22とが直交し、平面十字形状となっている。このような梁状の残存部22により、基板10の孔11内における窒化物半導体層20の強度が高められ、配線40の電極30側への変形が一層効果的に抑えられ、配線40や電極30の剥離が一層効果的に抑えられる。
また、基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、例えば、図7(A)に示すように、平面視で帯状の孔21を平行に2つ、設けることもできる。尚、帯状の各孔21は、必ずしも平面矩形状であることを要しない。窒化物半導体層20の帯状の2つの孔21の間に、基板10の孔11の対向する縁部11a,11b間を結ぶ梁状の残存部22が設けられる。残存部22は、平面視でライン状であって、基板10の孔11の中心Oを通るように、設けられる。このような梁状の残存部22により、配線40の電極30側への変形が効果的に抑えられ、配線40や電極30の剥離が効果的に抑えられる。
基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、例えば、図7(B)に示すように、平面視で帯状の孔21を平行に3つ、設けることもできる。窒化物半導体層20の帯状の3つの孔21のうち、隣接する一対の孔21の間(2箇所)にそれぞれ、基板10の孔11の対向する縁部間を結ぶ梁状の残存部22が設けられる。このように残存部22は、必ずしも基板10の孔11の中心Oを挟んで対向する縁部間を梁状に結ぶように設けられることを要しない。図7(B)に示すような残存部22によっても、配線40の電極30側への変形が残存部22によって効果的に抑えられ、配線40や電極30の剥離が効果的に抑えられる。
基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、例えば、図7(C)に示すように、平面視で帯状の孔21が平行に4つ、設けられてもよい。隣接する一対の孔21の間(3箇所)にそれぞれ、基板10の孔11の対向する縁部間を結ぶ梁状の残存部22が設けられる。図7(C)に示すような残存部22によっても、配線40の電極30側への変形が残存部22によって効果的に抑えられ、配線40や電極30の剥離が効果的に抑えられる。
また、基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、例えば、図8(A)に示すように、平面視で円状の孔21を2つ、設けることもできる。窒化物半導体層20の円状の2つの孔21の間に、基板10の孔11の対向する縁部11a,11b間を結ぶ梁状の残存部22が設けられる。このほか、基板10の孔11内の窒化物半導体層20には、例えば、図8(B)に示すように、平面視で円状の孔21が3つ設けられてもよいし、図8(C)に示すように、平面視で円状の孔21が4つ設けられてもよい。残存部22は、必ずしも対向する縁部11a,11b間を直線状に結ぶものであることを要しない。図8(A)〜図8(C)に示すような残存部22によっても、配線40の電極30側への変形が残存部22で効果的に抑えられ、配線40や電極30の剥離が効果的に抑えられる。
半導体装置1において、基板10の孔11内の窒化物半導体層20に設ける孔21の個数、形状及び配置は、上記図6(A)及び図6(B)、図7(A)〜図7(C)並びに図8(A)〜図8(C)に例示したようなものには限定されない。複数の孔21が設けられることで残存部22が形成され、それによって配線40の電極30側への変形、それによる配線40や電極30の剥離が抑えられるものであれば、各種個数、形状及び配置で複数の孔21を設けることができる。この場合、複数の孔21は、必ずしも互いに同じ形状(外形及びサイズ)であることを要しない。
[第2の実施の形態]
ここでは、上記第1の実施の形態で述べたような構成を含む半導体装置の具体例を、第2の実施の形態として説明する。
図9及び図10は第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図9には、半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。図10(A)には、半導体装置の一例の表面側(パッシベーション膜側)から見た要部平面図を模式的に示している。図10(B)には、半導体装置の一例の裏面側(基板側)から見た要部平面図を模式的に示している。図9は、図10(A)及び図10(B)のIX-IX断面に相当する図である。
図9並びに図10(A)及び図10(B)に示す半導体装置100は、高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor;HEMT)の一例である。半導体装置100は、基板110、窒化物半導体層120、ゲート電極150、ソース電極130及びドレイン電極160を含む。半導体装置100は更に、パッシベーション膜170、配線151、配線131、配線161及び配線140を含む。
基板110には、例えば、SiC基板が用いられる。基板110には、このほか、Si基板、サファイヤ基板、GaN基板、ダイヤモンド基板等が用いられてもよい。
窒化物半導体層120は、図9に示すように、基板110の表面110aに設けられる。窒化物半導体層120には、基板110上に設けられるチャネル層120Aと、チャネル層120A上に設けられるバリア層120Bとが含まれる。
チャネル層120Aには、窒化物半導体、例えば、GaNが用いられる。このほか、チャネル層120Aには、InGaN、AlGaN、InAlGaN等の窒化物半導体が用いられてもよい。チャネル層120Aは、1種の窒化物半導体の単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造であってもよい。チャネル層120Aには、例えば、アンドープの窒化物半導体が用いられる。チャネル層120Aは、有機金属気相成長(Metal Organic Vaper Phase Epitaxy;MOVPE、又はMetal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD)法、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法等を用いて、基板110上に形成される。チャネル層120Aは、電子走行層とも称される。
バリア層120Bには、窒化物半導体、例えば、AlGaNが用いられる。このほか、バリア層120Bには、InAlN、InAlGaN、AlN等の窒化物半導体が用いられてもよい。バリア層120Bは、1種の窒化物半導体の単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造であってもよい。バリア層120Bには、例えば、Si等を用いてn型にドーピングされた窒化物半導体が用いられる。バリア層120Bには、アンドープの窒化物半導体が用いられてもよい。バリア層120Bは、MOVPE法等を用いて、チャネル層120A上に形成される。バリア層120Bは、電子供給層とも称される。
ここで、チャネル層120A及びバリア層120Bには、バンドギャップの異なる窒化物半導体が用いられる。チャネル層120A上に、それよりもバンドギャップの大きい窒化物半導体を用いたバリア層120Bが設けられることで、バンド不連続を有するヘテロ接合構造が形成される。フェルミ準位がチャネル層120Aとバリア層120Bとの接合界面の伝導帯よりも上(高エネルギー側)となるようにすることで、接合界面近傍のチャネル層120Aに、2次元電子ガス(Two Dimensional Electron Gas;2DEG)が生成される。チャネル層120A上に、それよりも格子定数の大きい窒化物半導体を用いたバリア層120Bが設けられることで、バリア層120Bにピエゾ分極が発生する。バリア層120Bに用いられる窒化物半導体の自発分極、及びその格子定数に起因して発生するピエゾ分極により、バリア層120Bとの接合界面近傍のチャネル層120Aに高濃度の2DEGが生成される。チャネル層120A及びバリア層120Bには、このような2DEGが生成されるような組み合わせの窒化物半導体が用いられる。
窒化物半導体層120には、チャネル層120A及びバリア層120Bに加えて、更に別の層が含まれてもよい。例えば、窒化物半導体層120には、基板110の表面110aとチャネル層120Aとの間に設けられ、AlNやAlGaN等が用いられるバッファ層(図示せず)が含まれてもよい。このほか、窒化物半導体層120には、バリア層120B上に設けられ、GaN等が用いられるキャップ層(図示せず)が含まれてもよい。
ゲート電極150は、図9に示すように、窒化物半導体層120(図9の例ではバリア層120B)の表面120aに設けられる。ゲート電極150と窒化物半導体層120との間には、酸化物、窒化物又は酸窒化物等の保護膜が介在されてもよい。ゲート電極150は、ショットキー電極として機能する。ゲート電極150には、金属が用いられる。例えば、ゲート電極150として、Niとその上に設けられたAuとを有する金属電極が設けられる。ゲート電極150は、蒸着法等を用いて形成される。
ソース電極130及びドレイン電極160は、図9に示すように、窒化物半導体層120(図9の例ではバリア層120B)の表面120aの、ゲート電極150を挟んだその両側に、設けられる。ソース電極130及びドレイン電極160は、オーミック電極として機能する。ソース電極130及びドレイン電極160には、金属が用いられる。例えば、ソース電極130及びドレイン電極160として、Tiとその上に設けられたAlとを有する金属電極が設けられる。ソース電極130及びドレイン電極160は、蒸着法等を用いて形成される。
パッシベーション膜170は、図9及び図10(A)に示すように、ゲート電極150、ソース電極130及びドレイン電極160が設けられた窒化物半導体層120の表面120aに設けられる。パッシベーション膜170には、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)等の絶縁膜が用いられる。パッシベーション膜170は、CVD法等を用いて形成される。
配線151、配線131及び配線161はそれぞれ、図9及び図10(A)に示すように、パッシベーション膜170を貫通し、ゲート電極150、ソース電極130及びドレイン電極160に接続されるように、設けられる。尚、図9には、ゲート電極150に接続される配線151(図10(A))は図示されない。配線151、配線131及び配線161には、金属が用いられる。例えば、配線151、配線131及び配線161として、Au配線が設けられる。このほか、配線151、配線131及び配線161には、Cu、Al等が用いられてもよい。図9に示すように、配線131とソース電極130との間、及び配線161とドレイン電極160との間にはそれぞれ、Ti、Cu等が用いられたシード層132及びシード層162が介在されてもよい。ここでは図示を省略するが、配線151(図10(A))とゲート電極150との間にも同様に、シード層が介在されてもよい。
上記のような半導体装置100において、基板110には、図9及び図10(B)に示すように、ソース電極130との対向位置に、基板110の裏面110bと表面110aとの間を貫通し、窒化物半導体層120に達する孔111が設けられる。基板110の孔111内の窒化物半導体層120には、図9及び図10(B)に示すように、窒化物半導体層120を貫通してソース電極130に達する複数(この例では2つ)の孔121が設けられる。図10(B)には一例として、上記図2及び図6(A)に示したような、円弧状のエッジを有する2つの孔121を図示している。基板110の孔111内の窒化物半導体層120の、2つの孔121の間に、基板110の孔111の中心Oを通る梁状の残存部122が形成される。
基板110の裏面110b、その裏面110bから窒化物半導体層120まで延びる孔111内、及びその孔111内にあってソース電極130まで延びる窒化物半導体層120の2つの孔121内に、図9及び図10(B)に示すように、配線140が設けられる。配線140には、金属が用いられる。例えば、配線140として、Au配線が設けられる。このほか、配線140には、Cu、Al等が用いられてもよい。配線140は、図9に示すように、Ti、Cu等が用いられたシード層142上に設けられてもよい。図10(B)には、基板110の裏面110bを覆うように配線140を設けた例を図示するが、基板110の裏面110bに設けられる配線140は、所定の形状にパターニングされていてもよい。
基板110の裏面110bに設けられる配線140と、基板110の表面110a側(窒化物半導体層120の表面120a)に設けられるソース電極130とが、孔111内及び2つの孔121内に設けられる配線140を通じて、電気的に接続される。
尚、孔111内及び2つの孔121内に設けられる配線140を、「ビア配線」とも称する。また、このように、孔111内及び2つの孔121内に設けられる配線140を通じて、基板110の裏面110bの配線140とソース電極130とが電気的に接続される構造を、「ビア配線構造」とも称する。
半導体装置100では、ソース電極130とドレイン電極160との間に電圧が印加され、それらの間の窒化物半導体層120内に生成される2DEGの電子の流れ(電流のオン/オフ)が、ゲート電極150の電界で制御され、トランジスタの動作が実現される。
半導体装置100では、上記のように、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に2つの孔121が設けられ、それによって残存部122が形成される。そのため、半導体装置100がその製造過程や製造後に加熱された時にも、ソース電極130との接続部付近における配線140の、ソース電極130側への熱膨張による変形、それによる配線140若しくはソース電極130又はそれらの両方の剥離が抑えられる。即ち、接続部付近の配線140のソース電極130側への変形が、窒化物半導体層120の残存部122によって押え込まれ、配線140やソース電極130と窒化物半導体層120との間に剥離が生じることが抑えられる。これにより、配線140やソース電極130の剥離に起因した歩留まりの低下、品質の低下が抑えられる、半導体装置100が実現される。
続いて、上記のような構成を有する半導体装置100の形成方法について説明する。
図11〜図21は第2の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図である。
ここでは、半導体装置100の形成における、上記のようなビア配線構造の形成を中心に説明する。半導体装置100の形成では、上記のようなビア配線構造の形成に先立ち、HEMTを備える構造体(以下「HEMT構造体」と称する)が形成される。
HEMT構造体の形成では、例えば、基板110上に、MOVPE法等を用いて、窒化物半導体層120のチャネル層120A及びバリア層120Bが順次結晶成長される。ここで、基板110には、例えば、寄生容量の低減のため、厚さ100μm〜150μm程度の比較的厚いSiC基板が用いられる。このような基板110上に、例えば、厚さ1μm〜3μm程度の窒化物半導体層120が結晶成長される。窒化物半導体層120としては、例えば、GaNのチャネル層120A、及びn型AlGaNのバリア層120Bが結晶成長される。窒化物半導体層120にバッファ層やキャップ層が含まれる場合には、そのような層が、MOVPE法等を用いて、チャネル層120A及びバリア層120Bと共に結晶成長される。
MOVPE法を用いた各層の成長において、ガリウム(Ga)源にはトリメチルガリウム(Tri-Methyl-Gallium;TMGa)が用いられる。Al源にはトリメチルアルミニウム(Tri-Methyl-Aluminum;TMAl)が用いられる。インジウム(In)源にはトリメチルインジウム(Tri-Methyl-Indium;TMIn)が用いられる。窒素(N)源にはアンモニア(NH)が用いられる。n型不純物としてSiをドープする場合、そのSi源にはシラン(SiH)が用いられる。結晶成長させる窒化物半導体に応じて、原料のガスの供給と停止(切り替え)、供給時の流量(他原料との混合比)が設定され、所定の圧力及び温度の下で結晶成長が行われる。
尚、このような結晶成長によって基板110上に積層される窒化物半導体とその基板110との間の密着性は良好であり、また、このような結晶成長によって積層される窒化物半導体同士の間の密着性も良好である。
各層の結晶成長後、窒化物半導体層120上の所定の位置に、ソース電極130及びドレイン電極160が形成される。例えば、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて、電極用金属が形成される。その後、例えば、窒素(N)等の不活性ガス雰囲気中で熱処理が行われ、電極用金属がオーミック接続される。これにより、窒化物半導体層120上に、オーミック電極として機能するソース電極130及びドレイン電極160が形成される。また、窒化物半導体層120上の、ソース電極130とドレイン電極160との間の所定の位置に、ゲート電極150が形成される。例えば、フォトリソグラフィ技術、蒸着技術及びリフトオフ技術を用いて、電極用金属が形成され、ゲート電極150が形成される。
ソース電極130及びドレイン電極160並びにゲート電極150の形成後、例えば、プラズマCVD法等を用いて、パッシベーション膜170が形成される。そして、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ソース電極130及びドレイン電極160並びにゲート電極150の各々に通じる開口部が形成される。形成された開口部を通じて、ソース電極130及びドレイン電極160並びにゲート電極150の各々に接続される配線131及び配線161並びに配線151が形成される。
このような方法が用いられ、半導体装置100のHEMT構造体が形成される。即ち、基板110の表面110aに窒化物半導体層120が形成され、その表面120aにソース電極130、ドレイン電極160、ゲート電極150及びパッシベーション膜170が形成され、更に、配線131、配線161及び配線151が形成された、HEMT構造体(図9)が形成される。その後、形成されたそのHEMT構造体に対し、ビア配線構造の形成が行われる。以下、図11〜図21を参照し、ビア配線構造の形成について説明する。尚、便宜上、図11〜図21には、HEMT構造体のうち、ビア配線構造を形成する領域を部分的に図示している。
図11は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第1の工程の一例について説明する図である。図11(A)には、第1の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図11(B)には、第1の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図11(A)は、図11(B)のXI-XI断面に相当する図である。
ビア配線構造の形成では、まず、図11(A)及び図11(B)に示すように、基板110の裏面110b上に、孔111を形成する領域に開口部180aを有するメタルマスク180が形成される。メタルマスク180には、例えば、Ni又はCuが用いられる。メタルマスク180は、例えば、めっき法を用いて形成される。メタルマスク180の開口部180aは、基板110の表面110a側に設けられるソース電極130との対向位置に設けられる。開口部180aのサイズは、例えば、直径80μm〜100μm程度に設定される。
図12は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第2の工程の一例について説明する図である。図12(A)には、第2の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図12(B)には、第2の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図12(A)は、図12(B)のXII-XII断面に相当する図である。
メタルマスク180の形成後、図12(A)及び図12(B)に示すように、メタルマスク180をマスクにした反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)により、その開口部180aの基板110がエッチングされ、孔111が形成される。基板110のRIEには、例えば、塩素(Cl)系ガス又はフッ素(F)系ガスが用いられる。このようなガスを用いたRIEにより、メタルマスク180の開口部180aの基板110が、その裏面110bから窒化物半導体層120が露出するまでエッチングされる。これにより、基板110の、メタルマスク180の開口部180aの位置、即ち、ソース電極130との対向位置に、孔111が形成される。例えば、開口部180aのサイズに応じて、直径80μm〜100μm程度の孔111が形成される。前述のように寄生容量の低減目的で用いられる比較的厚い基板110に対してそれを貫通する孔111を形成する場合には、エッチングのアスペクト比を確保するため、このような比較的大きな直径の孔111が形成される。
ここで、メタルマスク180を用い、その開口部180aの基板110をエッチングし、更に窒化物半導体層120をエッチングしてソース電極130に達する孔を形成すると、エッチング時のソース電極130に対する熱的、機械的なダメージが大きくなり易い。メタルマスク180を用い、その開口部180aの基板110を、窒化物半導体層120までエッチングして孔111の形成を行うようにすることで、窒化物半導体層120によってソース電極130がエッチングから保護される。これにより、エッチング時のソース電極130に対する熱的、機械的なダメージが抑えられる。
図13は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第3の工程の一例について説明する図である。図13(A)には、第3の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図13(B)には、第3の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図13(A)は、図13(B)のXIII-XIII断面に相当する図である。
基板110の孔111の形成後、図13(A)及び図13(B)に示すように、メタルマスク180が除去される。メタルマスク180の除去は、例えば、過酸化水素(H)系の薬液を用いて行われる。メタルマスク180が除去されることで、孔111が形成された基板110の裏面110bが露出する。
図14は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第4の工程の一例について説明する図である。図14(A)には、第4の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図14(B)には、第4の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図14(A)は、図14(B)のXIV-XIV断面に相当する図である。
メタルマスク180の除去後、図14(A)及び図14(B)に示すように、基板110の裏面110b上、基板110の孔111内、及び孔111の底面の窒化物半導体層120上に、レジストマスク181が形成される。レジストマスク181には、孔111内の窒化物半導体層120に後述(図15)のようにして複数の孔121を形成する領域に、複数の開口部181aが設けられる。この例では、2つの開口部181aを有するレジストマスク181を図示している。レジストマスク181の開口部181aは、例えば、ステッパー露光又は電子ビーム(Electron Beam;EB)露光によって形成される。レジストマスク181の開口部181aには、窒化物半導体層120の一部が露出する。
図15は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第5の工程の一例について説明する図である。図15(A)には、第5の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図15(B)には、第5の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図15(A)は、図15(B)のXV-XV断面に相当する図である。
レジストマスク181の形成後、図15(A)及び図15(B)に示すように、レジストマスク181をマスクにしたRIEにより、その開口部181aの窒化物半導体層120がエッチングされ、2つの孔121が形成される。窒化物半導体層120のRIEには、例えば、Cl系ガス又はF系ガスが用いられる。このようなガスを用いたRIEにより、レジストマスク181の開口部181aの窒化物半導体層120が、ソース電極130が露出するまでエッチングされる。これにより、レジストマスク181の開口部181aの位置、即ち、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に、ソース電極130に通じる2つの孔121が形成される。例えば、基板110に、前述のような直径80μm〜100μm程度の孔111が形成される場合、その孔111内の窒化物半導体層120に、幅が数十μm程度の孔121が形成される。このようにして2つの孔121が形成されることで、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に、残存部122が形成される。
ここで、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に、ソース電極130に達する比較的大きな孔(例えば上記図3(A)及び図3(B)に示したような孔21A,21B)を形成する場合には、エッチングされる窒化物半導体層120の面積が比較的大きくなる。そのため、エッチング時のソース電極130に対する熱的、機械的なダメージが大きくなり易い。これに対し、図15(A)及び図15(B)に示すように、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に、ソース電極130に達する比較的小さな2つの孔121を形成する場合には、エッチングされる窒化物半導体層120の面積が比較的小さくなる。そのため、エッチング時のソース電極130に対する熱的、機械的なダメージが抑えられる。
図16は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第6の工程の一例について説明する図である。図16(A)には、第6の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図16(B)には、第6の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図16(A)は、図16(B)のXVI-XVI断面に相当する図である。
窒化物半導体層120の孔121及び残存部122の形成後、図16(A)及び図16(B)に示すように、レジストマスク181が除去される。レジストマスク181の除去は、例えば、有機系の薬液を用いて行われる。レジストマスク181が除去されることで、基板110の裏面110b及び孔111、その孔111内の窒化物半導体層120(残存部122等)及び2つの孔121、並びにそれら2つの孔121内のソース電極130が露出する。
図17は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第7の工程の一例について説明する図である。図17(A)には、第7の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図17(B)には、第7の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図17(A)は、図17(B)のXVII-XVII断面に相当する図である。
レジストマスク181の除去後、図17(A)及び図17(B)に示すように、基板110の裏面110b上及びその孔111内、並びにその孔111内の窒化物半導体層120に設けられた2つの孔121内に、シード層142が形成される。例えば、後述(図19)のようにして形成する配線140として、Au配線を形成する場合には、そのシード層142として、スパッタ法を用い、Tiとその上に設けられたAuとの積層膜(Ti/Au)が形成される。後述(図19)のようにして形成する配線140として、Cu配線を形成する場合には、そのシード層142として、スパッタ法を用い、Tiとその上に設けられたCuとの積層膜(Ti/Cu)が形成される。
図18は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第8の工程の一例について説明する図である。図18(A)には、第8の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図18(B)には、第8の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図18(A)は、図18(B)のXVIII-XVIII断面に相当する図である。
シード層142の形成後、図18(A)及び図18(B)に示すように、後述(図19)のようにして所定のパターン形状の配線140を形成する領域に、所定のパターン形状の開口部182aを有する、レジストマスク182が形成される。レジストマスク182の開口部182aは、例えば、ステッパー露光又はEB露光によって形成される。レジストマスク182の開口部182aには、シード層142が露出する。
図19は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第9の工程の一例について説明する図である。図19(A)には、第9の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図19(B)には、第9の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図19(A)は、図19(B)のXIX-XIX断面に相当する図である。
レジストマスク182の形成後、図19(A)及び図19(B)に示すように、レジストマスク182の開口部182aのシード層142上に、めっき法を用いて、配線140が形成される。例えば、シード層142としてTi/Auが形成されている場合には、そのシード層142上に、Auの電解めっきにより、配線140としてAu配線が形成される。シード層142としてTi/Cuが形成されている場合には、そのシード層142上に、Cuの電解めっきにより、配線140としてCu配線が形成される。このような方法により、基板110の裏面110b上及びその孔111内、並びにその孔111内の窒化物半導体層120に設けられた2つの孔121内のシード層142上に、所定のパターン形状を有する配線140が形成される。ここでは配線140の一例として、窒化物半導体層120の2つの孔121内及び基板110の孔111内から基板110の裏面110b上まで連続した配線140a、並びに基板110の裏面110b上にのみ形成された配線140bを図示している。
図20は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第10の工程の一例について説明する図である。図20(A)には、第10の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図20(B)には、第10の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図20(A)は、図20(B)のXX-XX断面に相当する図である。
配線140の形成後、図20(A)及び図20(B)に示すように、レジストマスク182が除去される。レジストマスク182の除去は、例えば、有機系の薬液を用いて行われる。レジストマスク182が除去された領域には、配線140が形成されていないシード層142が露出する。
図21は第2の実施の形態に係る半導体装置形成の第11の工程の一例について説明する図である。図21(A)には、第11の工程の一例の要部断面図を模式的に示し、図21(B)には、第11の工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図21(A)は、図21(B)のXXI-XXI断面に相当する図である。
レジストマスク182の除去後、図21(A)及び図21(B)に示すように、レジストマスク182の除去によって露出したシード層142が除去される。シード層142の除去は、例えば、アルゴン(Ar)イオンビームを用いたArイオンミリングによって行われる。露出したシード層142が除去されることで、異なる領域に形成された配線140間が電気的に分離される。例えば、この例では、窒化物半導体層120の2つの孔121内及び基板110の孔111内から基板110の裏面110b上まで連続した配線140aと、基板110の裏面110b上にのみ形成された配線140bとの間が、電気的に分離される。
図11〜図21に示すような方法が用いられ、孔111内及び2つの孔121内に設けられる配線140(配線140aの一部)を通じて、裏面110bの配線140(配線140aの一部)とソース電極130とが電気的に接続されるビア配線構造が形成される。予め形成されるHEMT構造体に対し、このような方法を用いてビア配線構造が形成され、半導体装置100が形成される。
尚、半導体装置100のHEMT構造体に関し、ここでは、チャネル層120Aに単層構造のGaNを用い、バリア層120Bに単層構造のn型AlGaNを用いる例を示したが、チャネル層120A及びバリア層120Bの構造は、この例には限定されない。例えば、チャネル層120Aには、InGaN、AlGaN、InAlGaN等の窒化物半導体が用いられてもよく、1種の窒化物半導体の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造が用いられてもよい。また、バリア層120Bには、InAlN、InAlGaN、AlN等の窒化物半導体が用いられてもよく、1種の窒化物半導体の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造が用いられてもよい。
また、バリア層120B上にキャップ層を設ける場合には、キャップ層として、例えば、バリア層120Bを覆うようにGaN層を設けることができる。これにより、バリア層120Bが保護される。このほか、キャップ層として、ゲート電極150の直下に位置するように、p型不純物を含有するGaN(p型GaN)、又はInGaNを設けることもできる。ゲート電極150の直下にp型GaNが設けられると、その固定電荷により、ゲート電極150の下方のチャネル層120Aとバリア層120Bとの接合界面の伝導帯が押し上げられ、2DEGの生成が抑えられる。ゲート電極150の直下にInGaNが設けられると、それに発生するピエゾ分極により、ゲート電極150の下方のチャネル層120Aとバリア層120Bとの接合界面の伝導帯が押し上げられ、2DEGの生成が抑えられる。ゲート電極150の直下にp型GaN又はInGaNが設けられることで、所謂ノーマリオフ型のHEMTが実現される。
また、ゲート電極150、ソース電極130及びドレイン電極160に用いる金属の種類及び層構造は上記の例に限定されるものではなく、それらの形成方法も上記の例に限定されるものではない。ゲート電極150、ソース電極130及びドレイン電極160にはそれぞれ、単層構造が用いられてもよいし、積層構造が用いられてもよい。ソース電極130及びドレイン電極160の形成時には、それらの電極用金属の形成によってオーミック接続が実現されるようであれば、必ずしも上記のような熱処理が行われることを要しない。ゲート電極150の形成時には、その電極用金属の形成後、更に熱処理が行われてもよい。
また、ゲート電極150をソース電極130に近付けて配置するか、或いはソース電極130をゲート電極150に近付けて配置する、いわゆる非対称構造を採用し、ゲート電極150とドレイン電極160との間の電界の緩和、耐圧の向上が図られてもよい。
また、上記図11及び図12には、メタルマスク180を用いて基板110に孔111を形成した後、そのメタルマスク180を除去する例を示したが、孔111の形成後、メタルマスク180を除去せずに残すこともできる。基板110の裏面110bに残されるメタルマスク180は、例えば、グランド(GND)電位とされるGNDプレーン層や、半導体装置100の裏面電極等として利用することができる。基板110の裏面110bにメタルマスク180を残す場合には、上記図17に示したシード層142の形成後、上記図19に示した配線140の形成を行えばよく、上記図18、図20及び図21に示した工程を省略することができる。
また、ここでは、基板110にSiC基板を用いる例を示したが、電界効果トランジスタの機能を持つ構造部に窒化物半導体が用いられていれば、他の基板材料が用いられてもよい。基板110は、半絶縁性であってもよいし、導電性であってもよい。基板110には、半絶縁性SiC基板、導電性SiC基板、Si基板、サファイヤ基板、GaN基板、ダイヤモンド基板等を用いることができる。
上記のような半導体装置100のビア配線構造では、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に2つの孔121が設けられ、それによって残存部122が形成される。これにより、接続部付近における配線140の、ソース電極130側への熱膨張による変形が、残存部122によって抑えられる。
ここで、基板110の孔111内の残存部122は、孔111外の窒化物半導体層120から連続する部位である。窒化物半導体層120は、基板110上に結晶成長されるため、基板110との密着性は良く、また、窒化物半導体層120は、それ自体が硬質で機械的強度が高い。基板110の孔111内に、このような窒化物半導体層120の残存部122に設けられることで、接続部付近の配線140の、ソース電極130側への熱膨張による変形が、残存部122で押え込まれるか或いは小さく抑えられる。
これにより、窒化物半導体層120の孔121の内壁面と配線140との間、若しくは窒化物半導体層120の表面120aとソース電極130との間、又はそれらの両方において、剥離が効果的に抑えられる。そのような剥離に起因した歩留まりの低下、品質の低下が抑えられる、半導体装置100が実現される。
また、上記のような半導体装置100のビア配線構造では、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に対し、ソース電極130に達する2つの孔121が形成され、それら2つの孔121内に配線140が形成される。たとえ2つの孔121のうちのいずれか一方で配線140とソース電極130との接続不良が生じたとしても、残りの一方で配線140とソース電極130との接続が確保されていれば、それらの間の電気的な接続は実現される。半導体装置100では、加熱時の配線140の変形に起因した剥離による歩留まりの低下が抑えられるほか、配線140とソース電極130との間の接続不良による歩留まりの低下も抑えられる。
以上述べた半導体装置100において、孔121の個数、形状及び配置は、上記のものに限定されない。複数の孔121が設けられることで残存部122が形成され、それによって配線140のソース電極130側への変形、それによる配線140やソース電極130の剥離が抑えられるものであれば、各種個数、形状及び配置で複数の孔121を設けることができる。この場合、複数の孔121は、必ずしも互いに同じ形状(外形及びサイズ)であることを要しない。
また、以上述べた半導体装置100では、基板110の孔111の内面、及び窒化物半導体層120の複数の孔121の内面に沿って、配線140となるAu等の金属を設ける構造、所謂コンフォーマルビア構造の例を示した。このほか、孔111内及び複数の孔121内に、Cu等の金属を充填した構造、所謂フィルドビア構造が採用されてもよい。フィルドビア構造とされる場合にも、窒化物半導体層120に複数の孔121を設けることで形成される残存部122により、孔121内に充填される金属について、上記同様、加熱時のソース電極130側への熱膨張による変形を抑える効果が得られる。
また、以上述べた半導体装置100では、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に、ソース電極130に達する複数の孔121を設ける例を示した。このほか、窒化物半導体層120の表面120aに、ソース電極130から外側へ引き出された電極をエッチングストッパーとして別途設け、当該電極に達するように複数の孔121を設けてもよい。
以上、第1及び第2の実施の形態で述べたような構成を有する半導体装置1,100等は、各種電子装置に適用することができる。一例として、上記のような構成を有する半導体装置を、半導体パッケージ、力率改善回路、電源装置及び増幅器に適用する場合について、以下に説明する。
[第3の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、半導体パッケージへの適用例を、第3の実施の形態として説明する。
図22は第3の実施の形態に係る半導体パッケージの一例について説明する図である。図22には、半導体パッケージの一例の要部平面図を模式的に示している。
図22に示す半導体パッケージ200は、ディスクリートパッケージの一例である。半導体パッケージ200は、例えば、上記第2の実施の形態で述べた半導体装置100、半導体装置100が搭載されたリードフレーム210、及びそれらを封止する樹脂220を含む。
半導体装置100は、リードフレーム210のダイパッド210a上にダイアタッチ材等(図示せず)を用いて搭載される。半導体装置100には、上記ゲート電極150に接続されたパッド150a、ソース電極130に接続されたパッド130a、及びドレイン電極160に接続されたパッド160aが設けられる。パッド150a、パッド130a及びパッド160aはそれぞれ、Al等のワイヤ230を用いてリードフレーム210のゲートリード211、ソースリード212及びドレインリード213に接続される。ゲートリード211、ソースリード212及びドレインリード213の各一部が露出するように、リードフレーム210とそれに搭載された半導体装置100及びそれらを接続するワイヤ230が、樹脂220で封止される。
例えば、上記第2の実施の形態で述べたような半導体装置100が用いられ、図22に示すような構成を有する半導体パッケージ200が得られる。上記のように、半導体装置100では、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に複数の孔121が設けられ、それによって残存部122が形成される。この残存部122により、半導体装置100の加熱時にも、接続部付近の配線140のソース電極130側への熱膨張による変形、それによる配線140若しくはソース電極130又はそれらの両方の剥離が抑えられる。これにより、配線140やソース電極130の剥離に起因した歩留まりの低下、品質の低下が抑えられる、半導体装置100が実現される。このような半導体装置100が用いられ、高品質の半導体パッケージ200が実現される。
[第4の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、力率改善回路への適用例を、第4の実施の形態として説明する。
図23は第4の実施の形態に係る力率改善回路の一例について説明する図である。図23には、力率改善回路の一例の等価回路図を示している。
図23に示す力率改善(Power Factor Correction;PFC)回路300は、スイッチ素子310、ダイオード320、チョークコイル330、コンデンサ340、コンデンサ350、ダイオードブリッジ360及び交流電源370(AC)を含む。
PFC回路300において、スイッチ素子310のドレイン電極と、ダイオード320のアノード端子及びチョークコイル330の一端子とが接続される。スイッチ素子310のソース電極と、コンデンサ340の一端子及びコンデンサ350の一端子とが接続される。コンデンサ340の他端子とチョークコイル330の他端子とが接続される。コンデンサ350の他端子とダイオード320のカソード端子とが接続される。また、スイッチ素子310のゲート電極には、ゲートドライバが接続される。コンデンサ340の両端子間には、ダイオードブリッジ360を介して交流電源370が接続され、コンデンサ350の両端子間から直流電源(DC)が取り出される。
例えば、このような構成を有するPFC回路300のスイッチ素子310に、上記第2の実施の形態で述べたような半導体装置100が用いられる。上記のように、半導体装置100では、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に複数の孔121が設けられ、それによって残存部122が形成される。この残存部122により、半導体装置100の加熱時にも、接続部付近の配線140のソース電極130側への熱膨張による変形、それによる配線140若しくはソース電極130又はそれらの両方の剥離が抑えられる。これにより、配線140やソース電極130の剥離に起因した歩留まりの低下、品質の低下が抑えられる、半導体装置100が実現される。このような半導体装置100が用いられ、高品質のPFC回路300が実現される。
[第5の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、電源装置への適用例を、第5の実施の形態として説明する。
図24は第5の実施の形態に係る電源装置の一例について説明する図である。図24には、電源装置の一例の等価回路図を示している。
図24に示す電源装置400は、高圧の一次側回路410及び低圧の二次側回路420、並びに一次側回路410と二次側回路420との間に設けられるトランス430を含む。一次側回路410には、上記第4の実施の形態で述べたようなPFC回路300、及びPFC回路300のコンデンサ350の両端子間に接続されたインバータ回路、例えば、フルブリッジインバータ回路440が含まれる。フルブリッジインバータ回路440には、複数(ここでは一例として4つ)のスイッチ素子441、スイッチ素子442、スイッチ素子443及びスイッチ素子444が含まれる。二次側回路420には、複数(ここでは一例として3つ)のスイッチ素子421、スイッチ素子422及びスイッチ素子423が含まれる。
例えば、このような構成を有する電源装置400の、一次側回路410に含まれるPFC回路300のスイッチ素子310、及びフルブリッジインバータ回路440のスイッチ素子441〜444に、上記第2の実施の形態で述べたような半導体装置100が用いられる。例えば、電源装置400の、二次側回路420のスイッチ素子421〜423には、シリコンを用いた通常のMIS(Metal Insulator Semiconductor)型FETが用いられる。上記のように、半導体装置100では、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に複数の孔121が設けられ、それによって残存部122が形成される。この残存部122により、半導体装置100の加熱時にも、接続部付近の配線140のソース電極130側への熱膨張による変形、それによる配線140若しくはソース電極130又はそれらの両方の剥離が抑えられる。これにより、配線140やソース電極130の剥離に起因した歩留まりの低下、品質の低下が抑えられる、半導体装置100が実現される。このような半導体装置100が用いられ、高品質の電源装置400が実現される。
[第6の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、増幅器への適用例を、第6の実施の形態として説明する。
図25は第6の実施の形態に係る増幅器の一例について説明する図である。図25には、増幅器の一例の等価回路図を示している。
図25に示す増幅器500は、ディジタルプレディストーション回路510、ミキサー520、ミキサー530及びパワーアンプ540を含む。
ディジタルプレディストーション回路510は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー520は、非線形歪みが補償された入力信号SIと交流信号とをミキシングする。パワーアンプ540は、入力信号SIが交流信号とミキシングされた信号を増幅する。増幅器500では、例えば、スイッチの切り替えにより、出力信号SOをミキサー530で交流信号とミキシングしてディジタルプレディストーション回路510に送出することができる。増幅器500は、高周波増幅器、高出力増幅器として使用することができる。
例えば、このような構成を有する増幅器500のパワーアンプ540に、上記第2の実施の形態で述べたような半導体装置100が用いられる。上記のように、半導体装置100では、基板110の孔111内の窒化物半導体層120に複数の孔121が設けられ、それによって残存部122が形成される。この残存部122により、半導体装置100の加熱時にも、接続部付近の配線140のソース電極130側への熱膨張による変形、それによる配線140若しくはソース電極130又はそれらの両方の剥離が抑えられる。これにより、配線140やソース電極130の剥離に起因した歩留まりの低下、品質の低下が抑えられる、半導体装置100が実現される。このような半導体装置100が用いられ、高品質の増幅器500が実現される。
上記半導体装置100等を適用した各種電子装置(上記第3〜第6の実施の形態で述べた半導体パッケージ200、PFC回路300、電源装置400及び増幅器500等)は、各種電子機器に搭載することができる。例えば、コンピュータ(パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、サーバ等)、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、センサ、カメラ、オーディオ機器、測定装置、検査装置、製造装置といった、各種電子機器に搭載することができる。
1,1A,1B,100 半導体装置
2 熱
3 剥離
10,110 基板
10a,20a,110a,120a 表面
10b,110b 裏面
11,21,21A,21B,111,121 孔
11a,11b,11c,11d 縁部
20,120 窒化物半導体層
22,122 残存部
30 電極
40,40a,40b,131,140,140a,140b,151,161 配線
120A チャネル層
120B バリア層
130 ソース電極
130a,150a,160a パッド
132,142,162 シード層
150 ゲート電極
160 ドレイン電極
170 パッシベーション膜
180 メタルマスク
180a,181a,182a 開口部
181,182 レジストマスク
200 半導体パッケージ
210 リードフレーム
210a ダイパッド
211 ゲートリード
212 ソースリード
213 ドレインリード
220 樹脂
230 ワイヤ
300 PFC回路
310,421,422,423,441,442,443,444 スイッチ素子
320 ダイオード
330 チョークコイル
340,350 コンデンサ
360 ダイオードブリッジ
370 交流電源
400 電源装置
410 一次側回路
420 二次側回路
430 トランス
440 フルブリッジインバータ回路
500 増幅器
510 ディジタルプレディストーション回路
520,530 ミキサー
540 パワーアンプ

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板の第1面に設けられた窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層の、前記基板とは反対側の第2面に設けられた第1電極と、
    前記基板の、前記第1電極との対向位置に設けられ、前記基板を貫通し、前記窒化物半導体層に達する第1孔と、
    前記第1孔内の前記窒化物半導体層に設けられ、前記窒化物半導体層を貫通し、前記第1電極に達する複数の第2孔と、
    前記第1孔内及び前記複数の第2孔内に設けられ、前記第1電極に接続された配線と
    を含むことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1孔内の前記窒化物半導体層は、平面視で、前記第1孔の第1縁部から、前記複数の第2孔のうちの一対の間を通って、前記第1孔の前記第1縁部とは異なる第2縁部まで延在する第1部位を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1部位は、平面視で、ライン状に延在することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1部位は、平面視で、前記第1孔の中心を通ることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
  5. 前記窒化物半導体層の前記第2面の、前記第1電極とは異なる位置に設けられた第2電極と、
    前記窒化物半導体層の前記第2面の、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられたゲート電極と
    を含み、
    前記窒化物半導体層は、
    第1窒化物半導体を含有するチャネル層と、
    前記チャネル層に積層され、前記第1窒化物半導体とは異なる第2窒化物半導体を含有するバリア層と
    を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 基板と、
    前記基板の第1面に設けられた窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層の、前記基板とは反対側の第2面に設けられた第1電極と
    を有する構造体に対し、
    前記基板の、前記第1電極との対向位置に、前記基板を貫通し、前記窒化物半導体層に達する第1孔を形成する工程と、
    前記第1孔内の前記窒化物半導体層に、前記窒化物半導体層を貫通し、前記第1電極に達する複数の第2孔を形成する工程と、
    前記第1孔内及び前記複数の第2孔内に、前記第1電極に接続される配線を形成する工程と
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 基板と、
    前記基板の第1面に設けられた窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層の、前記基板とは反対側の第2面に設けられた第1電極と、
    前記基板の、前記第1電極との対向位置に設けられ、前記基板を貫通し、前記窒化物半導体層に達する第1孔と、
    前記第1孔内の前記窒化物半導体層に設けられ、前記窒化物半導体層を貫通し、前記第1電極に達する複数の第2孔と、
    前記第1孔内及び前記複数の第2孔内に設けられ、前記第1電極に接続された配線と
    を含む半導体装置を備えることを特徴とする電子装置。
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