JP2021050369A - めっき付き金属基材及びその製造方法並びに電気接点材料 - Google Patents

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正靖 笠原
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颯己 葛原
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Abstract

【課題】本発明は、金属基材の粗面化処理およびめっき層の粗面化処理を経ることなく凹凸が調整された金属表面を有し、摺動性および導電性に優れためっき付き金属基材及びその製造方法、並びにこれを有する電気接点用端子を提供する。【解決手段】本発明に係るめっき付き金属基材(1)は、金属基材(2)と、金属基材(2)上に形成された下地めっき層(3)と、下地めっき層(3)上に形成された表層めっき層(4)と、を備える。下地めっき層(3)は、電気めっき可能な金属(5)と、金属(5)中に分散状態で配置された、炭素と酸素とを有する有機物の繊維(6)と、を有し、表層めっき層(4)の導電性が、下地めっき層(3)の導電性よりも高い。【選択図】図1

Description

本発明は、めっき付き金属基材及びその製造方法並びに電気接点用部材に関する。さらに詳しくは、薬品および粗面加工等による金属基材および下地めっき層への粗面化処理を必要とせずに表層めっき層の凹凸を容易に調製可能であり、摺動性および導電性に優れためっき付き金属基材及びその製造方法、並びに該めっき付き金属基材を備える電気接点材料に関する。
一般に、金属基材は、導電性等の材料特性が優れていることから、様々な用途で幅広く使用されている。例えば、銅板に、銀(Ag)をはじめとする貴金属類、錫(Sn)などのめっき層を設けた金属基材は、金属基材による優れた導電性及び強度と、めっき層による良好な電気接触特性とを兼ね備えた高性能導体として各種の接点、スイッチ、端子などの電気接点部材に広く用いられている。
一方、繰返しの挿抜、摺動を伴う電気接点材料は、摺動性(耐摩耗性)に優れることが望まれる。このような電気接点材料の摺動性を大きく向上させるため、一般に、金属基材の表面に、薬品によるエッチング、粗面化したワークロールを用いた加工及び研磨等による粗面化処理が行われる。また、金属基材に下地めっき層が設けられている場合、下地めっき層の粗面化処理として、金属基材と同様に薬品によるエッチング、めっき金属の酸化が知られている。
特許文献1には、粗面化したワークロールを用いた表面加工、研磨ベルトを用いた表面加工によりめっき用金属板を粗面化し、粗面化した金属板上へめっき層を形成することで、表面の凹凸が調整されためっき層を有する接続部品用材料が得られることが開示されている。しかしながら、このような粗面化処理においては、発生した研磨粉を除去するための洗浄工程が追加で必要となり、製造コストの上昇と共に、研磨屑を含む廃液が大量に発生する問題がある。
特許文献2には、基材上に下地めっき層を形成した後、薬品処理により下地めっき層の粗面化を行うことで、表面の凹凸が調整された下地めっき層を有するめっき材が得られることが開示されている。しかしながら、下地めっき層を粗面化する場合においても、粗面化処理工程が追加で必要になり、製造コストの上昇と共に、粗面化に使用した薬品を含む廃液が大量に発生する問題がある。
特許文献3には、下地めっき層に黒化処理等の酸化処理を行うにより粗面化されためっき層を形成することが開示されている。しかしながら、下地めっき層に酸化処理を施すと、接触抵抗が大きくなり、電気接点材料に必要な接触抵抗(導電性)を得ることができない。また、特許文献4に開示されているように、下地めっきの粗面化として、単純にめっき条件を変更する技術も知られているが、このような場合、特定のめっき浴にしか適用できないため、汎用性に乏しい。そのため、上述したような追加の粗面化処理を必要とせずに、めっき層の表面粗さを容易に調製することができ、金属基材に優れた摺動性を付与できる技術が望まれている。
国際公開第2015/178156号 特開2017−14589号公報 特許第4698708号公報 国際公開第2010/104274号
上記事情に鑑み、本発明は、金属基材の粗面化処理およびめっき層の粗面化処理を経ることなく凹凸が調整された金属表面を有し、摺動性および導電性に優れためっき付き金属基材及びその製造方法、並びに電気接点用端子を提供することを目的とする。
本発明者らは、炭素と酸素を有する有機物の繊維を含む複合めっき膜を下地めっき層として金属基材上に形成することで、表面が粗いめっき層を得ることができるため、金属基材の粗化処理、下地めっき層の粗化処理を必要とせずに、表層の凹凸を容易に調整できるとの知見を得た。これにより、金属基材の最表面に優れた摺動性を付与することができ、さらに、導電性の高い材料を用いて金属基材の表層めっき層を形成することより、摩擦係数の小さく、導電性にも優れた電気接点材料を得ることができることを見出した。
本発明の態様は、金属基材と、前記金属基材上に形成された下地めっき層と、前記下地めっき層上に形成された表層めっき層と、を備えるめっき付き金属基材であって、前記下地めっき層が、電気めっき可能な金属と、前記電気めっき可能な金属中に分散状態で配置された、炭素および酸素を有する有機物の繊維と、を有し、前記表層めっき層の導電性が、前記下地めっき層の導電性よりも高い、めっき付き金属基材である。
本発明の態様は、前記下地めっき層に含まれる有機物の繊維の平均質量割合が、0.02質量%以上10質量%以下である、めっき付き金属基材である。
本発明の態様は、前記下地めっき層の平均厚さが、0.1μm以上2.0μm以下であり、前記表層めっき層の平均厚さが、0.3μm以上3.0μm以下である、めっき付き金属基材である。
本発明の態様は、前記めっき付き金属基材の表面に100gfの荷重で鋼球を摺動子として使用する往復摺動試験において、摺動回数20〜50回の範囲内の条件下での動摩擦係数の最大値が0.35μk以上0.7μk以下である、めっき付き金属基材である。
本発明の態様は、前記電気めっき可能な金属が、銅、銅合金、ニッケル又はニッケル合金である、めっき付き金属基材である。
本発明の態様は、前記有機物の繊維が、セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、又はキチン繊維とキトサン繊維との複合繊維である、めっき付き金属基材である。
本発明の態様は、前記表層めっき層が、銀、スズ及び金からなる群から選択される金属のめっき層である、めっき付き金属基材である。
本発明の態様は、前記めっき付き金属基材を備える電気接点材料である。
本発明の態様は、前記下地めっき層を金属基材上に形成した後、前記下地めっき層上に前記表層めっき層を形成する、前記めっき付き金属基材の製造方法である。
本発明によれば、下地めっき層として、炭素および酸素を有する有機物の繊維が電気めっき可能な金属中に分散された状態で配置されている複合めっき膜が、金属基材上に形成されている。そのため、金属基材の粗面化処理、めっき層の粗面化処理を経ることなく、所望の凹凸に調整された金属表面を得ることができる。このようにして、金属基材の最表面に設けられる表層めっき層に所望の摺動性が付与される。また、表層めっき層が、導電性が高い金属を用いて形成されている。その結果、摺動性と導電性に優れためっき付き金属基材を提供することができる。また、このようなめっき付き金属基材を電気接点材料に用いることにより、高い電気伝導性を有し、摺動性に優れる電気接点材料を形成することができる。その結果、電気接点の摺動により生じ得る故障を抑制することができ、電気接点材料の製品寿命が向上する。
図1は、本発明のめっき付き金属基材の一実施態様を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係るめっき付き金属基材は、金属基材と、金属基材上に形成された下地めっき層と、下地めっき層上に形成された表層めっき層と、を備えている。下地めっき層は、電気めっき可能な金属と、電気めっき可能な金属中に分散状態で配置された、炭素および酸素を有する有機物の繊維と、を有している。図1に、本実施形態の一例を示す。図1に示されるように、本実施形態に係るめっき付き金属基材1は、金属基材2上に配置された下地めっき層3と、下地めっき層3上に配置された表層めっき層4とを備えている。下地めっき層3は、金属(マトリックス金属)5と、金属5中に分散状態で配置された有機物の繊維6とを有し、所定量の有機物の繊維6が下地めっき層3の表面に露出して存在している(図示せず)。金属基材2に、このような下地めっき層3が形成されることで、金属基材2に粗面化された金属表面が形成され、使用した金属基材2の表面粗さに依存せずに、また、粗面化のための薬品処理、追加加工を必要とせずに粗面化された金属表面を得ることができる。尚、図1において、有機物の繊維6は、便宜上、楕円状の形状で示している。
下地めっき層3上には、さらに表層めっき層4が形成されている。表層めっき層4には、下地めっき層3の粗面化された金属表面に依存して、下地めっき層3とほぼ同等の表面粗さを有する粗面化された金属表面が形成される。そのため、金属基材2の最表面に設けられている表層めっき層4に所望の摺動性が付与される。また、めっき付き金属基材1を電気接点材料に使用する場合、対象物と接する表層めっき層4は下地めっき層3よりも高い導電性を有していることが好ましい。そのため、表層めっき層4の導電性が、下地めっき層3の導電性よりも高いことにより、めっき付き金属基材1に優れた導電性が付与され、電気伝導性を向上させることができる。
めっき付き金属基材1が有するめっき層は、下地めっき層3と表層めっき層4の2層に限らず、他のめっき層がさらに積層されていてもよい。例えば、下地めっき層3と金属基材2の間、または下地めっき層3と表層めっき層4との間に、他のめっき層が存在していてもよい。また、下地めっき層3および表層めっき層4のそれぞれは一層に限らず、2層以上が形成されていてもよい。
<金属基材>
金属基材の材料は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定される。金属基材の材料として、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、炭素鋼、ステンレス合金などが挙げられ、特に、銅および銅合金が好ましい。金属基材の厚さは、特に限定されるものではないが、金属基材に下地めっき層が形成しやすく、金属基材に所定の強度を付与する観点から0.020mm以上3.0mm以下であることが好ましい。また、金属基材の形状については、特に制限はなく、例えば、箔、薄板又は厚板のような板材、線材、棒材、管材、角材等のような種々の形状が挙げられる。
<下地めっき層>
下地めっき層は、有機物の繊維と電気めっき可能な金属との複合めっき膜であり、金属基材の表面よりも粗面化された金属表面を有する。下地めっき層には、電気めっき可能な金属中に有機物の繊維が分散状態で配置されており、下地めっき層の表面付近にも一定量の有機物の繊維が分散されている。そのため、下地めっき層の表面に適度な凹凸が付与され、下地めっき層に粗面化された金属表面が形成される。このような下地めっき層を表層めっき層の下地として用いることで、下地めっき層を用いない場合に比べて、表層めっき層の動摩擦係数を低減できる。
下地めっき層の平均厚さは、特に制限はないが、0.05μm以上2.5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2.0μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上2.0μm以下であることがさらに好ましい。特に、下地めっき層の平均厚さの下限値が0.1μm以上であることにより金属基材からの金属の過度な拡散を防止することができるため、下地めっき層の耐久性が増大する。これにより、下地めっき層に含まれる有機物の繊維の分散状態がより強固に保たれるため、金属表面の粗面化作用が表層めっき層にも有効に発揮され、摺動性が向上する。また、下地めっき層の平均厚さの上限値が2.5μm以下であることにより、下地めっき層の厚さが厚すぎることに起因する生産コストの増大を抑制できる。特に、下地めっき層の平均厚さの上限値が2.0μm以下であることにより、下地めっき層の表面付近に有機物の繊維を適切に分散させることができるため、金属表面の粗面化作用が表層めっき層に有効に発揮され、摺動性が向上する。
下地めっき層の平均厚さは、例えば、めっき付き金属基材を樹脂包理させた後、下地めっき層の厚さ方向の断面の形成、研磨による断面加工を経て、走査型電子顕微鏡を用いて測定できる。厚さの測定は、断面の任意の3ヶ所で行い、その平均値を厚さ(平均厚さ)として算出することができる。尚、下地めっき層の平均厚さを測定する際、その厚さには、下地めっき層の金属と、表層めっき層の金属または金属基材の金属との混在により形成され得る介在層の厚さは含まれない。
(金属)
下地めっき層に含まれる金属は、電気めっき可能な金属であり、マトリックス金属として有機物の繊維を分散させる。このような金属として、例えば、ニッケル(Ni)、ニッケル合金、銅(Cu)、銅合金、パラジウム(Pd)、パラジウム合金、銀(Ag)、銀合金、錫(Sn)、錫合金、金(Au)、金合金、コバルト(Co)、コバルト合金、亜鉛(Zn)、亜鉛合金、鉄(Fe)、鉄合金、ロジウム(Rh)およびロジウム合金等が挙げられ、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、錫、錫合金、銀、銀合金、金および金合金が好ましい。これらの中でも、ニッケル、銅、銀、錫及び金がより好ましく、下地めっき層の金属として安価であると共に、電気接点材料の金属基材として一般に用いられ、金属基材からの金属の拡散防止性能に優れたニッケルおよび銅が特に好ましい。参考として、表1〜表5に、ニッケル、銅、銀、錫及び金のめっき浴組成並びにめっき条件の例を示す。
Figure 2021050369
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(有機物の繊維)
有機物の繊維は、炭素と酸素を有する有機物の繊維であり、生体由来の繊維であることが好ましい。ここで、有機物とは、炭素と酸素を含む化合物のうち、単位構造の複数回の繰り返しによって得られる高分子材料を意味し、好ましくは生体由来の高分子材料である。生体由来の繊維としては、セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、またはキチン繊維とキトサン繊維との複合繊維を使用することが好ましい。このような繊維の中でも、環境負荷が少なくかつ材料コストが安価であることから、工業的には、セルロース繊維を使用することが好ましく、セルロースミクロフィブリル又はその誘導体を使用することがより好ましい。
セルロースミクロフィブリルは、セルロース分子鎖が数十本束となってできた微細な繊維であり、セルロース繊維は、このセルロースミクロフィブリルがさらに束となって構成されている。セルロース繊維の直径は、数十μmであるのに対し、セルロースミクロフィブリルの直径は、数nm〜0.1μmである。セルロースミクロフィブリル又はその誘導体は、分散性(親水性)、他物質との親和性、微粒子の捕捉・吸着などに優れる特性を有している。また、キチン繊維、キトサン繊維またはこれらの複合繊維は、吸着能に優れるだけでなく、誘導体の形成により親水化処理を容易に行うことができる。
有機物の繊維は短繊維であることが好ましく、マトリックス金属中に短繊維が分散状態、特に均一な分散状態で配置されていることがより好ましい。これにより、下地めっき層は、安定した高い強度を得ることができる。また、短繊維のサイズとしては、直径が4〜10nm、長さが5〜10μmであることが好ましい。
さらに、特定方向の強度(特に引張強度)を有効に高める場合には、有機物の繊維、特に短繊維は、マトリックス金属中に一方向に揃った状態で分散されていることが好ましい。一方、強度(特に引張強度)を異方性なく均一に高める場合には、有機物の繊維、特に短繊維は、マトリックス金属中にランダム方向に配列した状態で分散されていることが好ましい。
有機物の繊維、特にセルロース繊維は、軟化温度(220〜230℃)が金属の融点よりも低い。そのため、従来の公知の加圧鋳造法または焼結法によって、金属が溶融する温度まで有機物の繊維、特に、セルロース繊維を加熱する場合、セルロース繊維が熱分解してしまい、マトリックス金属中に、セルロース繊維が取り込まれた下地めっき層を製造することができない。一方、セルロース繊維は、親水性であるため、水溶液(特に酸性水溶液)としての各種金属のめっき液にセルロース繊維を添加すると、セルロース繊維は、めっき液中において凝集することなく分散させることが可能である。次いで、セルロース繊維が分散されているめっき液中で電気めっき(分散めっき)を行うことにより、セルロース繊維が、特に熱分解等の特性変化を生じることなく、マトリックス金属中に分散状態で配置させることができる。このようにして、下地めっき層に有機物の繊維が分散状態で配置される。
下地めっき層に含まれる有機物の繊維の平均質量割合は、0.01質量%以上11質量%以下の範囲であることが好ましく、0.02質量%以上10質量%以下の範囲であることがより好ましい。また、平均質量割合の下限値は0.025質量%以上であることがさらに好ましく、平均質量割合の上限値は9質量%以下であることがさらに好ましい。特に、平均質量割合が0.02質量%以上であることにより、有機物の繊維による金属の補強効果が高まり、さらには、摺動性をより向上させることができる。また、一般的に、めっき層を電気めっき法で形成する場合、一定量以上の不純物(ここでは金属以外の材料である有機物の繊維)がめっき液に含まれると、めっき液の組成が崩れ、金属が析出しにくくなるため、下地めっき層の作製が困難になるおそれがある。一方、有機物の繊維は下地めっき層中に分散された状態で配置されることにより、金属表面の粗面化作用が適切に発揮される。有機物の繊維の平均質量割合が10質量%以下であることにより、金属の析出と下地めっき層における有機物の繊維の分散とが、バランスよく保たれ、下地めっき層の表面付近にも有機物の繊維が適切に分散される。そのため、金属表面の粗面化作用が表層めっき層により有効に発揮され、摺動性が向上する。また、マトリックス金属中に含まれる有機物の繊維の割合の増大に起因する下地めっき層の導電性の過度の低下を抑制することができ、特に、平均質量割合が9質量%以下であることにより、導電性の低下の抑制作用をより高めることができる。
<表層めっき層>
表層めっき層は、電気めっき可能な金属のめっき膜であり、金属基材の表面よりも粗面化された金属表面を有する。上述のように、下地めっき層には、粗面化された金属表面が形成されているため、下地めっき層の表面特性に依存して、下地めっき層上に形成される表層めっき層にも同様に粗面化された金属表面が形成される。また、表層めっき層の材料として、導電性の高い金属を用いることにより、表層めっき層に高い導電性を付与できる。このように、下地めっき層上に、導電性が高い金属を用いて表層めっき層を形成することにより、導電性と摺動性に優れためっき付き基材を得ることができる。
このような表層めっき層を形成する金属材料として、ニッケル(Ni)、ニッケル合金、銅(Cu)、銅合金、パラジウム(Pd)、パラジウム合金、銀(Ag)、銀合金、錫(Sn)、錫合金、金(Au)、金合金、コバルト(Co)、コバルト合金、亜鉛(Zn)、亜鉛合金、鉄(Fe)、鉄合金、ロジウム(Rh)およびロジウム合金等が挙げられ、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、錫、錫合金、銀、銀合金、金および金合金が好ましい。これらの中でも、電気接点材料として、優れた導電率と接触抵抗・はんだ濡れ性をバランスよく実現できる、銀、錫および金がさらに好ましい。特に、接触抵抗に優れる錫の使用が最適である。表層めっき層に使用し得るめっき液の例として、例えば、上述の表1〜表5に示されるニッケル、銅、銀、錫及び金のめっき浴組成並びにめっき条件が挙げられる。
表層めっき層の平均厚さは、特に制限はないが、0.2μm以上3.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以上3.0μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上2.5μm以下であることがさらに好ましい。特に、表層めっき層の平均厚さの下限値が0.3μm以上であることにより下地めっき層からの金属の過度な拡散を防止することができ、表層めっき層と下地めっき層との接合界面がより強固に保たれる。これにより、下地めっき層が示す金属表面の粗面化作用が表層めっき層にも有効に発揮され、摺動性が向上する。また、下地めっき層の平均厚さの上限値が3.0μm以下であることにより、表層めっき層の厚さが厚すぎることに起因する生産コストの増大を抑制できる。また、下地めっき層の表面特性が表層めっき層に適切に依存し得るため、金属表面の粗面化作用が有効に発揮され、摺動性が向上する。
表層めっき層の平均厚さは、例えば、めっき付き金属基材を樹脂包理させた後、表層めっき層の厚さ方向の断面の形成、研磨による断面加工を経て、走査型電子顕微鏡を用いて測定できる。厚さの測定は、断面の任意の3ヶ所で行い、その平均値を厚さ(平均厚さ)として算出することができる。尚、表層めっき層の平均厚さを測定する際、その厚さには、下地めっき層の金属と表層めっき層の金属との混在により形成され得る介在層の厚さは含まれない。
表層めっき層の表面粗さは、算術平均粗さSaとして、触針式の表面粗さ計を用いて測定できる。その際、表層めっき層の表面において任意の4か所にて測定を行い、その平均値を算出して算術平均粗さSaを求めることができる。表層めっき層の表面粗さ(算術平均粗さSa)は、0.7μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。また、表層めっき層の表面粗さ(算術平均粗さSa)の下限値は、0.2μm以上であることが好ましい。
<摺動性>
めっき付き金属基材は、摺動時の摩耗による表層めっき層層の厚さの減少を低減するため、摺動性をあらわす動摩擦係数が低いことが好ましい。このような動摩擦係数として、例えば、めっき付き金属基材の表面に100gfの荷重で鋼球を摺動子として使用する往復摺動試験において、摺動回数20〜50回の範囲内の条件下での動摩擦係数の最大値が0.35μk以上0.7μk以下であること好ましく、0.65μk以下であることがより好ましく、0.60μk以下であることがさらに好ましい。
<めっき付き金属基材の製造方法>
めっき付き金属基材は、例えば、電気めっき法によって形成することが好ましい。めっき付き金属基材のめっき層を、電気めっき法によって形成する場合、めっき付き金属基材は、下地めっき層および表層めっき層のめっき層と、めっき層が形成された表面をもつ金属基材とで構成された表面処理材として機能する。この場合、下地めっき層を金属基材上に形成した後、下地めっき層上に表層めっき層を形成する。このような表面処理材において、めっき層は、金属基材上に積層された表面処理被膜であることが好ましい。
一方、上述の実施形態では、めっき付き金属基材のめっき層を、電気めっき法により製造する場合について説明しているが、有機物の繊維の材料特性が変化しない温度(例えば200℃以下)でめっき付き金属基材のめっき層を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。めっき層の他の製造方法として、例えば、無電解めっき法が挙げられる。
<めっき付き金属基材の用途>
本実施形態のめっき付き金属基材は、摺動性の向上の実現を図ることができ、その上、優れた導電性を示すため、様々な技術分野で種々の製品に適用することができる。例えば、金属基材としての銅板上に、銅と有機物の繊維とを用いて下地めっき層を形成し、下地めっき層上に錫めっきを用いて表層めっき層を形成しためっき付き金属基材(表面処理銅板)は、コネクタの構成部品である電気接点材料、例えば電気接点用端子として使用できる。このようなめっき付き金属基材を備える電気接点用端子は、導電性が高く摺動性を有する電気接点材料として有効である。さらに、コネクタの小型化に対応した、電気接点用端子の小型化、薄肉化、高強度化を図ることもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
次に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜2、5〜7)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、表6に示す金属と、有機物の繊維として表6に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を形成した。なお、セルロース繊維は、直径が約20nm、長さが数μmの株式会社スギノマシン製のセルロース繊維を使用した。下地めっき層は、表2に示す銅めっき浴に、セルロース繊維を銅めっき浴に対して0.01〜30体積%程度添加し、攪拌して銅めっき浴中に分散させた後、セルロース繊維が分散した状態の銅めっき浴中で、表2に示すめっき条件で電気銅めっきを行い、平均厚さが1.0μmになるように下地めっき層を作製した。
その後、表4に示す錫めっき浴とめっき条件にて平均厚さが2.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
下地めっき層および表層めっき層の各平均厚さの測定は、めっき付き金属基材を樹脂包理させた後、下地めっき層および表層めっき層のそれぞれのめっき層の厚さ方向の断面の形成、研磨による断面加工を経て、走査型電子顕微鏡を用いて各めっき層の厚さを測定した。測定は、各めっき層における断面の任意の3ヶ所で行い、その平均値を平均厚さとして算出した。
下地めっき層中に含まれる有機物の繊維の平均質量割合については、下地めっき層の質量に対する、下地めっき層を硝酸にて溶解した後に残る残留物の質量の比率から求めた。下地めっき層の質量は、45cm×15cm長の区画でめっき付き金属基材片を3片採取し、表層めっき層をエッチングにより除去した後に重層測定を行い、金属基材の厚さ・密度から算出した金属基材の質量を差し引くことで算出できる。残留物の質量は、表層めっき層をエッチングにより除去した後に質量測定を行った各試料片を20質量%硝酸溶液中に浸漬して金属を溶解し、次いで、残留物を含む硝酸溶液を2500rpmにて10分間遠心分離することで残留物を分離・回収し、回収物を乾燥させた後にその質量を測定することで算出した。測定は、めっき付き金属基材片に形成された下地めっき層の任意の3ヶ所から採取した供試材で行い、平均値を平均質量割合として算出した。
(実施例3)
下地めっき層中に含まれるセルロース繊維の平均質量割合が2%、平均厚さが0.05μmとなるように下地めっき層を形成した以外は実施例1〜2、5〜7と同様の方法でめっき付き金属基材を作製した。
(実施例4)
下地めっき層中に含まれるセルロース繊維の平均質量割合が2%、平均厚さが2.5μmとなるように下地めっき層を形成した以外は実施例1〜2、5〜7と同様の方法でめっき付き金属基材を作製した。
(実施例8)
下地めっき層中に含まれるセルロースの平均質量割合が3%、平均厚さが0.1μmとなるように下地めっき層を形成した以外は実施例1〜2、5〜7と同様の方法でめっき付き金属基材を作製した。
(実施例9)
下地めっき層中に含まれるセルロースの平均質量割合が3%、平均厚さが2.0μmとなるように下地めっき層を形成した以外は実施例1〜2、5〜7と同様の方法でめっき付き金属基材を作製した。
(実施例10)
実施例1〜2、5〜7と同様の方法で、厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、銅と、有機物の繊維として表6に示す平均質量割合で配合されたキトサン繊維とを含む下地めっき層を形成した。なお、キトサン繊維は、直径が約20nm、長さが数μmの株式会社スギノマシン製のキトサン繊維を使用した。
(比較例1)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、表2に示す銅めっき浴とめっき条件で電気銅めっきを行い、平均厚さが1.0μmになるように有機物の繊維を含んでいない下地めっき層を形成した。さらに、表4に示す錫めっき浴とめっき条件にて平均厚さが2.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(実施例11)
表1に示すニッケルめっき条件、及び表6に示すセルロース繊維の平均質量割合以外は、実施例1〜2、5〜7と同様の方法で、厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、ニッケルと、有機物の繊維として表6に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を形成した。
その後、表3に示す銀めっき浴とめっき条件にて平均厚さが2.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(実施例12)
表層めっき層の平均厚さが0.2μmとなるように形成したこと以外は実施例11と同様の方法でめっき付き金属基材を作製した。
(実施例13)
表層めっき層の平均厚さが3.5μmとなるように形成したこと以外は実施例11と同様の方法でめっき付き金属基材を作製した。
(比較例2)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、表1に示すニッケルめっき浴とめっき条件で電気ニッケルめっきを行い、平均厚さが1.0μmになるように有機物の繊維を含んでいない下地めっき層を形成した。さらに、表3に示す銀めっき浴とめっき条件にて平均厚さが2.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(実施例14)
表1に示すニッケルめっき条件、及び表6に示すセルロース繊維の平均質量割合以外は、実施例1〜2、5〜7と同様の方法で、厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、ニッケルと、有機物の繊維として表6に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を、平均厚さが1.5μmになるように形成した。
その後、表5に示す金めっき浴とめっき条件にて平均厚さが1.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(比較例3)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、表1に示すニッケルめっき浴とめっき条件で電気ニッケルめっきを行い、平均厚さが1.5μmになるように有機物の繊維を含んでいない下地めっき層を形成した。さらに、表5に示す金めっき浴とめっき条件にて膜厚が1.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(実施例15)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、表1に示すニッケルめっき浴とめっき条件で電気ニッケルめっきを行い、ニッケルめっき皮膜の厚さが0.5μmになるようにニッケルめっき付き銅板を形成した。さらに、ニッケルめっき付き銅板上に、銅と、有機物の繊維として表6に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を、平均厚さが1.0μmになるよう形成した。
その後、表4に示す錫めっき浴とめっき条件にて平均厚さが2.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(実施例16)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、ニッケルと、有機物の繊維として表6に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を、平均厚さが1.0μmになるよう形成した。
その後、表2に示す銅めっき浴とめっき条件で電気銅めっきを行い、平均厚さが0.5μmになるように下地めっき層上に表層めっき層の第1層として銅めっき層を形成した。さらに、表4に示す錫めっき浴とめっき条件で電気錫めっきを行い、平均厚さが2.0μmとなるように銅めっき層上に表層めっき層の第2層として錫めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(実施例17)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、銅と、有機物の繊維として表7に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を平均厚さが1.0μmになるように形成した。
その後、表4に示す錫めっき浴とめっき条件で電気錫めっきを行い、平均厚さが2.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(比較例4)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、銅と、有機物の繊維として表7に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を平均厚さが1.0μmになるように形成し、表層めっき層を有していないめっき付き金属基材を作製した。
(実施例18)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、ニッケルと、有機物の繊維として表7に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を平均厚さが1.0μmになるように形成した。
その後、表3に示す銀めっき浴とめっき条件で電気銀めっきを行い、平均厚さが2.0μmとなるように下地めっき層上に表層めっき層を形成し、めっき付き金属基材を作製した。
(比較例5)
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、ニッケルと、有機物の繊維として表7に示す平均質量割合で配合されたセルロース繊維とを含む下地めっき層を平均厚さが1.0μmになるように形成し、表層めっき層を有していないめっき付き金属基材を作製した。
実施例1〜16および比較例1〜3で作製しためっき付き金属基材について、動摩擦係数を以下の方法で測定した。また、実施例17〜18および比較例4〜5で作製しためっき付き金属基材については、接触抵抗を以下の方法で測定した。
<動摩擦係数の測定>
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、表6に示す各めっき層が形成された供試材をそれぞれ3枚作製した。作製した各3枚の供試材において、R=1.0mmの凸部を加工した供試材と同じめっき層構成を有する摺動子を用いて摺動試験を行った。具体的には、摺動試験装置(HEIDON Type:14FW、新東科学株式会社製)を用いて、動摩擦係数測定を行った。測定条件は、摺動距離:10mm、摺動速度:100mm/分、摺動回数:往復50回、荷重100gfである。動摩擦係数は、摺動回数20〜50回の範囲における動摩擦係数の最大値で評価した。
<接触抵抗の測定>
厚さ0.3mmの銅板(C1100)上に、表7に示す各めっき層が形成された供試材を作製した。作製した供試材に対して、R=5.0mmの銀製プローブを荷重2Nにて接触させ、通電電流10mAにて接触抵抗値を測定した。測定は供試材の任意の3ヶ所に対して行い、その平均値を算出した。
Figure 2021050369
Figure 2021050369
表6の結果から、下地めっき層に、銅と有機物の繊維としてセルロース繊維が配合されている実施例1〜9は、セルロース繊維を含んでいない下地めっき層を使用した比較例1に比べていずれも動摩擦係数が小さく、摺動性に優れていた。その中でも、セルロース繊維の平均質量割合が0.02%以上10%以下の範囲であり、下地めっき層の平均厚さが0.1μm以上2.0μm以下である実施例5〜9では、動摩擦係数が0.60以下であり、摺動性がより優れていた。
下地めっき層に含まれる有機物の繊維がキトサン繊維である実施例10も同様に、動摩擦係数が顕著に小さく、摺動性に優れていた。
下地めっき層に、ニッケルと有機物の繊維としてセルロース繊維が配合されている実施11〜13と、セルロース繊維を含んでいない下地めっき層を使用した比較例2とを比較すると、実施例11〜13は、比較例2に比べていずれも動摩擦係数が小さく、摺動性に優れていた。その中でも、表層めっき層の平均厚さが0.3μm以上3.0μm以下である実施例11では、動摩擦係数が0.50であり、摺動性がより優れていた。
表層めっき層のめっき材料として金めっきを使用している実施例14と比較例3とを比較すると、実施例14も、比較例3に比べて動摩擦係数が小さく、摺動性に優れていた。
金属基材として、ニッケルめっきが施されている実施例15、表層めっき層が銅めっき層と錫めっき層の積層である実施例16も同様に、動摩擦係数が小さく、摺動性に優れていた。
また、表7の結果から、下地めっき層にさらに表層めっき層を設けることにより、めっき付き金属基材の接触抵抗が顕著に低下し、導電性に優れるめっき付き金属基材を提供することができた。
1 めっき付き金属基材
2 金属基材
3 下地めっき層
4 表層めっき層
5 金属(マトリックス金属)
6 有機物の繊維

Claims (9)

  1. 金属基材と、
    前記金属基材上に形成された下地めっき層と、
    前記下地めっき層上に形成された表層めっき層と、を備え、
    前記下地めっき層が、電気めっき可能な金属と、前記電気めっき可能な金属中に分散状態で配置された、炭素および酸素を有する有機物の繊維と、を有し、
    前記表層めっき層の導電性が、前記下地めっき層の導電性よりも高いことを特徴とするめっき付き金属基材。
  2. 前記下地めっき層に含まれる有機物の繊維の平均質量割合が、0.02質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載のめっき付き金属基材。
  3. 前記下地めっき層の平均厚さが、0.1μm以上2.0μm以下であり、
    前記表層めっき層の平均厚さが、0.3μm以上3.0μm以下である、請求項1又は2に記載のめっき付き金属基材。
  4. 前記めっき付き金属基材の表面に100gfの荷重で鋼球を摺動子として使用する往復摺動試験において、摺動回数20〜50回の範囲内の条件下での動摩擦係数の最大値が0.35μk以上0.7μk以下である、請求項1乃至3までのいずれか1項に記載のめっき付き金属基材。
  5. 前記電気めっき可能な金属が、銅、銅合金、ニッケル又はニッケル合金である、請求項1乃至4までのいずれか1項に記載のめっき付き金属基材。
  6. 前記有機物の繊維が、セルロース繊維、キチン繊維、キトサン繊維、又はキチン繊維とキトサン繊維との複合繊維である、請求項1乃至5までのいずれか1項に記載のめっき付き金属基材。
  7. 前記表層めっき層が、銀、スズ及び金からなる群から選択される金属のめっき層である、請求項1乃至6までのいずれか1項に記載のめっき付き金属基材。
  8. 請求項1乃至7までのいずれか1項に記載のめっき付き金属基材を備える電気接点材料。
  9. 前記下地めっき層を金属基材上に形成した後、前記下地めっき層上に前記表層めっき層を形成する、請求項1乃至7までのいずれか1項に記載のめっき付き金属基材の製造方法。
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