JP2022076573A - 複合めっき材およびその製造方法 - Google Patents

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宏人 成枝
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Hirotaka Kotani
有紀也 加藤
Yukiya Kato
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Yuki Takahashi
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Abstract

【課題】銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、炭素粒子の脱落が少ない複合めっき材およびその製造方法を提供する。【解決手段】銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜が形成され、この銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層の表面の炭素粒子が占める割合が20面積%以下であり、表層の表面に粘着力4.02N/10mmの粘着テープを貼り付けた後に剥がしたときに、粘着テープに付着した炭素粒子が占める割合が、粘着テープの貼り付け面の面積に対して10面積%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、複合めっき材およびその製造方法に関し、特に、スイッチやコネクタなどの摺動接点部品などの材料として使用される複合めっき材およびその製造方法に関する。
従来、スイッチやコネクタなどの摺動接点部品などの材料として、摺動過程における加熱による銅や銅合金などの導体素材の酸化を防止するために、導体素材に銀めっきを施した銀めっき材が使用されている。
しかし、銀めっきは、軟質で摩耗し易く、一般に摩擦係数が高いため、摺動により剥離し易いという問題がある。この問題を解消するため、耐熱性、磨耗性、潤滑性などに優れた黒鉛やカーボンブラックなどの炭素粒子のうち、黒鉛粒子を銀マトリクス中に分散させた複合材の皮膜を電気めっきにより導体素材上に形成して耐摩耗性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、黒鉛粒子の分散に適した湿潤剤が添加されためっき浴を使用することにより、黒鉛粒子を含む銀めっき皮膜を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、ゾル-ゲル法によって炭素粒子を金属酸化物などでコーティングして、銀と炭素粒子の複合めっき液中における炭素粒子の分散性を高め、めっき皮膜中に複合化する炭素粒子の量を増大する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、特許文献1~3の方法により製造された複合めっき材は、摩擦係数が比較的高く、接点や端子の高寿命化に対応することができないという問題があり、特許文献1~3の方法により製造された複合めっき材よりも炭素粒子の含有量や表面の炭素粒子が占める割合を増大させて、さらに優れた耐摩耗性の複合めっき材を提供することが望まれている。
このような複合めっき材を製造する方法として、酸化処理を行った炭素粒子を添加したシアン系銀めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる皮膜を素材上に形成する方法(例えば、特許文献4参照)、酸化処理を行った炭素粒子を添加した銀めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜を素材上に形成した後、銀めっきを行うことにより、銀めっき皮膜を複合めっき皮膜上に形成する方法(例えば、特許文献5参照)などが提案されている。
特開平9-7445号公報(段落番号0005-0007) 特表平5-505853号公報(第1-2頁) 特開平3-253598号公報(第2頁) 特開2006-37225号公報(段落番号0009) 特開2007-254876号公報(段落番号0009)
しかし、特許文献4の方法により製造した複合めっき材をスイッチやコネクタなどの摺動接点部品などの材料として使用すると、複合めっき材をプレス加工する際に、表層の炭素粒子が脱落し、この脱落した炭素粒子により、(その摺動接点部品などを使用した)電子機器の短絡が生じる可能性がある。
また、特許文献5の方法により製造した複合めっき材をスイッチやコネクタなどの摺動接点部品などの材料として使用した場合でも、複合めっき材をプレス加工する際に、表層の炭素粒子が脱落するのを十分に防止することができず、この脱落した炭素粒子により、(その摺動接点部品などを使用した)電子機器の短絡が生じる可能性がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、炭素粒子の脱落が少ない複合めっき材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜を素材上に形成し、複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜を形成し、この銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層の表面の炭素粒子が占める割合を20面積%以下にし、表層の表面に粘着力4.02N/10mmの粘着テープを貼り付けた後に剥がしたときに、粘着テープに付着した炭素粒子が占める割合を、粘着テープの貼り付け面の面積に対して10面積%以下にすることにより、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、炭素粒子の脱落が少ない複合めっき材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による複合めっき材は、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜が形成され、この銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層の表面の炭素粒子が占める割合が20面積%以下であり、表層の表面に粘着力4.02N/10mmの粘着テープを貼り付けた後に剥がしたときに、粘着テープに付着した炭素粒子が占める割合が、粘着テープの貼り付け面の面積に対して10面積%以下であることを特徴とする。
この複合めっき材において、複合めっき皮膜の厚さが0.8~25μmであるのが好ましく、銀めっき皮膜の厚さが0.1~5μmであるのが好ましい。また、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量が0.3~10質量%であるのが好ましく、複合めっき材の摩擦係数が0.9以下であるのが好ましい。さらに、素材が銅または銅合金からなるのが好ましく、複合めっき皮膜と素材との間にニッケルめっき皮膜が形成されているのが好ましい。
また、本発明による複合めっき材の製造方法は、炭素粒子を添加した銀めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜を素材上に形成した後、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行い、この処理後の複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜を形成することを特徴とする。
この複合めっき材の製造方法において、炭素粒子の一部を除去する処理が、複合めっき皮膜の表面を超音波洗浄する処理であるのが好ましい。この場合、超音波洗浄が20~100kHzで1~300秒間行われるのが好ましい、また、炭素粒子の一部を除去する処理が、複合めっき皮膜の表面を電解洗浄する処理でもよい。この場合、電解洗浄が1~30A/dmで10~300秒間行われるのが好ましい。また、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率が35~85%であるのが好ましい。また、炭素粒子が平均粒径0.5~15μmの黒鉛粒子であるのが好ましく、複合材からなる皮膜を形成する前に、素材上にニッケルめっき皮膜を形成するのが好ましい。
また、本発明による端子は、上記の複合めっき材を材料として用いたことを特徴とする。
さらに、本発明による端子の製造方法は、上記の複合めっき材を端子の形状に曲げ加工することを特徴とする。
なお、本明細書中において、「平均粒径」とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)をいう。
本発明によれば、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、炭素粒子の脱落が少ない複合めっき材を製造することができる。
本発明による複合めっき材の実施の形態では、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜が形成され、この銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層の表面の炭素粒子が占める割合が20面積%以下(好ましくは0.1~20面積%、さらに好ましくは0.2~18面積%)であり、表層の表面に粘着力4.02N/10mmの粘着テープを貼り付けた後に剥がしたときに、粘着テープに付着した炭素粒子が占める割合が、(粘着テープに炭素粒子が付着していないときに0面積%、粘着テープの貼り付け面の全面に隙間なく炭素粒子が付着しているときに100面積%とすると)粘着テープの貼り付け面の面積に対して10面積%以下である。表層の表面の炭素粒子が占める割合が20面積%を超えると、複合めっき材からの炭素粒子の脱落が多くなる。
複合めっき皮膜の厚さは、0.8~25μmであるのが好ましく、1~20μmであるのが好ましい。複合めっき皮膜の厚さが0.8μm未満であると、複合めっき材の耐摩耗性が十分でない場合があり、25μmを超えると、銀の量が多くなり、複合めっき材の製造コストが高くなる。また、銀めっき皮膜の厚さは、0.1~5μmであるのが好ましく、0.15~4μmであるのがさらに好ましい。銀めっき皮膜の厚さが0.1μm未満であると、炭素粒子の脱落を抑制する効果が十分でなく、5μmを超えると、銀の量が多くなり、複合めっき材の製造コストが高くなる。また、複合めっき材の耐熱性を向上させるために、複合めっき皮膜と素材との間に(好ましくは厚さ0.3~5μmの)ニッケルめっき皮膜を形成してもよい。また、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量は、耐摩耗性の観点から、0.3~10質量%であるのが好ましく、0.4~5質量%であるのがさらに好ましい。
複合めっき材の素材は、銅または銅合金からなるのが好ましい。この銅合金として、導電性と耐摩耗性などの観点から、Si(ケイ素)、Fe(鉄)、Mg(マグネシウム)、P(リン)、Ni(ニッケル)、Sn(錫)、Co(コバルト)、Zn(亜鉛)、Be(ベリリウム)、Pb(鉛)、Te(テルル)、Ag(銀)、Zr(ジルコニウム)、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)およびTi(チタン)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、残部としてCuと不可避不純物とからなる合金を使用するのが好ましい。この銅合金中のCuの含有量は、85質量%以上であるのが好ましく、92質量%以上であるのがさらに好ましく、95質量%以上であるのが最も好ましく、99.95質量%以下であるのが好ましい。
なお、本発明による複合めっき材の実施の形態から切り出した試験片を平板状試験片(評価試料)とするとともに、40mm×10mm×0.2mmのCu-Ni-Sn-P合金からなる板材(1.0質量%のNiと0.9質量%のSnと0.05質量%のPを含み、残部がCuである銅合金の板材)にインデント加工として内側R=1.0mmの半球状の打ち出し加工をした素材に2質量%のSbを含有する厚さ20μmのAgSbめっき皮膜が形成された(ビッカース硬さHVが180の)AgSbめっき材をインデント付き試験片(圧子)とし、摺動摩耗試験機により、平板状試験片にインデント付き試験片を一定の荷重2Nで押し当てながら、往復摺動動作(摺動距離10mm、摺動速度3mm/s)を継続して、平板状試験片の磨耗状態を確認する磨耗試験を行うことにより、耐摩耗性の評価を行ったときに、3,000回の往復摺動動作後に、素材が露出することがないのが好ましい。また、上記の往復摺動動作中に水平方向にかかる力を測定してその平均値Fを算出し、平板状試験片とインデント付き試験片との間の動摩擦係数(μ)をμ=F/Nから算出すると、動摩擦係数が0.9以下であるのが好ましく、0.01~0.8であるのがさらに好ましい。
また、本発明による複合めっき材の製造方法の実施の形態では、炭素粒子を添加した銀めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜を(好ましくは銅または銅合金からなる)素材上に形成した後、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行い、この処理後の複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜を形成する。
この複合めっき材の製造方法において、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子の一部を除去する処理として、超音波洗浄、電解洗浄、高圧洗浄、バフ処理などの処理を行うことができるが、複合めっき皮膜の表面を超音波洗浄または電解洗浄する処理を行うのが好ましい。超音波洗浄の場合、20~100kHzで1~300秒間行われるのが好ましく、25~50kHzで2~270秒間行われるのがさらに好ましい。電解洗浄の場合、1~30A/dmで10~300秒間行われるのが好ましく、2~25A/dmで20~270秒間行われるのがさらに好ましい。また、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率は、複合めっき材からの炭素粒子の脱落を防止する観点から、35~85%であるのが好ましく、40~80%であるのがさらに好ましい。また、複合めっき皮膜の厚さは、0.8~25μmであるのが好ましく、1.0~20μmであるのがさらに好ましい。また、銀めっき皮膜の厚さは、0.1~5μmであるのが好ましく、0.15~4μmであるのがさらに好ましい。
炭素粒子は、複合めっき材の耐摩耗性の観点から、黒鉛粒子であるのが好ましく、この黒鉛粒子の平均粒径は、0.5~15μmであるのが好ましく、1~10μmであるのがさらに好ましい。また、この炭素粒子を酸化処理することにより、炭素粒子の表面に吸着している親油性有機物を除去するのが好ましい。このような親油性有機物として、アルカンやアルケンなどの脂肪族炭化水素や、アルキルベンゼンなどの芳香族炭化水素が含まれる。炭素粒子の酸化処理として、湿式酸化処理の他、Oガスなどによる乾式酸化処理を使用することができるが、量産性の観点から湿式酸化処理を使用するのが好ましく、湿式酸化処理によって表面積が大きい炭素粒子を均一に処理することができる。湿式酸化処理の方法としては、炭素粒子を水中に懸濁させた後に適量の酸化剤を添加する方法などを使用することができる。酸化剤としては、硝酸、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、過硫酸カリウム、過塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を使用することができる。炭素粒子に付着している親油性有機物は、添加された酸化剤により酸化されて水に溶けやすい形態になり、炭素粒子の表面から適宜除去されると考えられる。また、この湿式酸化処理を行った後、ろ過を行い、さらに炭素粒子を水洗することにより、炭素粒子の表面から親油性有機物を除去する効果をさらに高めることができる。炭素粒子の酸化処理により、炭素粒子の表面から脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素などの親油性有機物を除去することができ、300℃加熱ガスによる分析によれば、酸化処理後の炭素粒子を300℃で加熱して発生したガス中には、アルカンやアルケンなどの親油性脂肪族炭化水素や、アルキルベンゼンなどの親油性芳香族炭化水素が殆ど含まれてない。酸化処理後の炭素粒子中に脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素が若干含まれていても、炭素粒子を銀めっき液に分散させることができるが、炭素粒子中に分子量160以上の炭化水素が含まれず且つ炭素粒子中の分子量160未満の炭化水素の300℃加熱発生ガス強度(パージ・アンド・トラップ・ガスクロマトグラフ質量分析強度)が5,000,000以下になるのが好ましい。
(複合めっき皮膜を形成する際と銀めっき皮膜を形成する際に使用する)銀めっき液としてスルホン酸系銀めっき液を使用するのが好ましく、このスルホン酸系銀めっき液は、溶媒中に銀イオンとスルホン酸イオンを含み、光沢剤などの添加剤を含んでもよい。このスルホン酸系銀めっき液の溶媒として、(錯体化した)銀イオンの溶解性、この銀めっき液中のその他の成分の溶解性、環境への負荷を小さくすることを考慮して、水(または主として水)からなる溶媒を使用するのが好ましく、水とアルコールの混合溶媒を使用してもよい。この銀めっき液中のAg濃度は、5~150g/Lであるのが好ましく、10~120g/Lであるのがさらに好ましく、20~100g/Lであるのが最も好ましい。銀めっき液中のAg濃度が5g/L未満であると、電流効率が悪くなる場合があり、所望の厚さの複合めっき皮膜を得ることができない場合がある。一方、銀めっき液中のAg濃度を150g/Lより高くしても、めっき効率が飽和して、銀めっき液のコストが高くなる。また、銀めっき液中のスルホン酸の濃度は、30~90g/Lであるのが好ましく、40~80g/Lであるのがさらに好ましい。銀めっき液中のスルホン酸の濃度が30g/L未満であると、銀めっきの際にアノードとして使用するAg電極板のAgが溶出し難くなり、銀めっき液中のAg濃度が低下して、めっき効率が低下する場合がある。一方、銀めっき液中のスルホン酸の濃度を90g/Lより高くしても、めっき効率が飽和して、銀めっき液のコストが高くなる。このスルホン酸系銀めっき液に含まれるスルホン酸銀として、メタンスルホン酸銀、アルカノールスルホン酸銀、フェノールスルホン酸銀などを使用することができる。
また、(複合めっき皮膜を形成するために)銀めっき液に添加する炭素粒子の量は、10~100g/Lであるのが好ましく、15~95g/Lであるのがさらに好ましく、20~90g/Lであるのが最も好ましい。銀めっき液中の炭素粒子の量が10g/L未満であると、複合めっき皮膜中の炭素粒子の含有量を十分に多くすることができないおそれがあり、100g/Lより多くしても、複合めっき皮膜中の炭素粒子の含有量を多くすることはできない。
また、複合めっき皮膜や銀めっき皮膜を形成する際の電気めっきを電流密度0.5~10A/dmで行うのが好ましく、1~8A/dmで行うのがさらに好ましく、2~7A/dmで行うのが最も好ましい。電流密度が低過ぎると、複合めっき皮膜や銀めっき皮膜の形成が遅くなって効率的でない場合があり、電流密度が高過ぎると、複合めっき皮膜や銀めっき皮膜の外観にムラが生じる場合がある。
本発明による複合めっき材の製造方法の実施の形態に使用する素材は、銅または銅合金からなるのが好ましい。この銅合金として、導電性と耐摩耗性などの観点から、Si(ケイ素)、Fe(鉄)、Mg(マグネシウム)、P(リン)、Ni(ニッケル)、Sn(錫)、Co(コバルト)、Zn(亜鉛)、Be(ベリリウム)、Pb(鉛)、Te(テルル)、Ag(銀)、Zr(ジルコニウム)、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)およびTi(チタン)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、残部としてCuと不可避不純物とからなる合金を使用するのが好ましい。この銅合金中のCuの含有量は、85質量%以上であるのが好ましく、92質量%以上であるのがさらに好ましく、95質量%以上であるのが最も好ましく、99.95質量%以下であるのが好ましい。
本発明による複合めっき材の製造方法の実施の形態のように、炭素粒子を添加した銀めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、銀層中に炭素粒子が分散した複合材からなる皮膜が素材上に形成され、表面の炭素粒子が占める割合が多く、耐摩耗性に優れた複合めっき材を製造することができる。また、複合材からなる皮膜の表面の炭素粒子の一部(脱落し易い炭素粒子)を除去する処理(好ましくは複合めっき皮膜の表面を超音波洗浄または電解洗浄する処理)を行い(脱落し易い炭素粒子を少なくし)、その後、(炭素粒子の脱落を防止するために)複合めっき皮膜上に(さらに)銀めっき皮膜を形成することにより、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、(表層の表面に粘着力4.02N/10mmの粘着テープを貼り付けた後に剥がしたときに、粘着テープに付着した炭素粒子が占める割合が粘着テープの貼り付け面の面積に対して10面積%以下の)炭素粒子の脱落が極めて少ない複合めっき材を製造することができる。
なお、素材上にめっき皮膜が形成されためっき材を使用して(スイッチやコネクタなどの)摺動接点部品などの端子を製造する場合、素材を端子の形状に曲げ加工した後にめっき皮膜を形成して端子を製造する方法(後めっきによる製造方法)と、素材上にめっき皮膜を形成した後に端子の形状に曲げ加工して端子を製造する方法(先めっきによる製造方法)があるが、端子の生産性の観点では、先めっきによる端子の製造方法が望ましい。このような先めっきによる端子の製造方法として、帯板状の複合めっき材を搬送ロールにより搬送しながら端子を製造する場合には、搬送ロールの表面に複合めっき皮膜中の炭素粒子が付着し、この搬送ロールに付着した炭素粒子が複合めっき材に転写されたり、搬送ロールに付着した炭素粒子の塊による押さえ込みによって複合めっき材が潰される可能性がある。しかし、上述した実施の形態の複合めっき材を搬送しながら摺動接点部品などの端子を製造する場合、複合めっき材を連続的に搬送するロールの表面への炭素粒子の付着が極めて起こり難く、炭素粒子の塊による押さえ込みによって複合めっき材が潰される可能性が極めて小さくなる。また、上述した実施の形態の複合めっき材から製造した摺動接点部品などの端子を使用する際に、摺動により複合めっき材の表層の銀めっき皮膜は摩耗するが、その下に形成された複合めっき皮膜により優れた耐摩耗性を発揮することができる。さらに、上述した実施の形態の複合めっき材から製造した摺動接点部品などの端子では、摺動により銀めっき皮膜が摩耗しても、複合めっき材の表面から炭素粒子の脱落が少ないので、端子の接続時の挿抜により炭素粒子が脱落して電子機器の短絡が生じる可能性も極めて小さくなる。
以下、本発明による複合めっき材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、炭素粒子として平均粒径5μmの人造黒鉛粒子(日本黒鉛工業株式会社製のPAG-3000)を用意した。この炭素粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製のMT3000II)により測定した。この炭素粒子100gを1.6Lの純水中に添加し、この混合溶液を攪拌しながら50℃に昇温させた。この混合溶液に水酸化カリウム3.3gを含む水溶液25mLを添加して、5分間攪拌した。次に、この混合溶液に酸化剤として過硫酸カリウム34gを含む水溶液0.6Lを徐々に添加した後、2時間攪拌して酸化処理を行い、その後、ろ紙によりろ別を行ない、水洗を行った。このような酸化処理により、炭素粒子に付着していた炭化水素などの疎水性物質を除去した。
また、素材として厚さ0.2mmのCu-Ni-Sn-P合金からなる板材(1.0質量%のNiと0.9質量%のSnと0.05質量%のPを含み、残部がCuである銅合金の板材)(DOWAメタルテック株式会社製のNB109EH)を用意し、この素材をカソード、Ni電極板をアノードとして使用して、スルファミン酸ニッケルと45g/Lのホウ酸を含む(ニッケル濃度80g/Lの)水溶液からなるニッケルめっき浴中において、マグネチックスターラー(アズワン株式会社製のREXIM RS-1DN、幅38.1mmで高さ15.8mmの十字攪拌子)により450rpmで攪拌しながら、液温55℃、電流密度6A/dmで43秒間電気めっき(Niめっき)を行って、素材上に下地層としてNiめっき皮膜を形成した。このNiめっき皮膜の厚さを蛍光X線膜厚計(株式会社日立ハイテクサイエンス製のFT110A)で測定したところ、0.5μmであった。
次に、Niめっき皮膜を形成した素材をカソード、(チタンのメッシュ素材を白金めっきした)チタン白金メッシュ電極板をアノードとして使用し、錯化剤としてスルホン酸を含むスルホン酸系(非シアン系)Agストライクめっき液(大和化成株式会社製のダインシルバーGPE-ST)中において、450rpmで攪拌しながら、液温25℃、電流密度5A/dmで60秒間電気めっき(Agストライクめっき)を行った。
また、錯化剤としてスルホン酸を含むAg濃度30g/Lのスルホン酸系(非シアン系)銀めっき液(大和化成株式会社製のダインシルバーGPE-PL)に、上記の酸化処理を行った炭素粒子を添加して攪拌することにより分散(懸濁)させて、50g/Lの炭素粒子と30g/LのAgを含むスルホン酸系銀めっき液を用意した。
次に、上記のAgストライクめっきした素材をカソード、Ag電極板をアノードとして使用して、上記の炭素粒子を添加したスルホン酸系銀めっき液中において、450rpmで撹拌しながら、温度25℃、電流密度3A/dmで115秒間電気めっきを行い、銀めっき層中に炭素粒子を含有する複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)を素材上に形成した。この複合めっき皮膜(の中央部分の直径0.2mmの範囲)の厚さを蛍光X線膜厚計(株式会社日立ハイテクサイエンス製のFT110A)で測定したところ、2.3μmであった。なお、蛍光X線膜厚計では、炭素粒子のC原子の検出が困難であり、Ag原子を検出して皮膜の厚さを求めているが、本明細書中において、この厚さを複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)の厚さとした。
次に、この複合めっき皮膜を超音波洗浄器(アズワン株式会社製のUSK-5)により純水中において28kHzで240秒間超音波洗浄して、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行った後、純水で洗浄し、エアブローで乾燥して、複合めっき皮膜形成材を作製した。なお、この複合めっき皮膜形成材の表面を観察することにより、この(表面の炭素粒子の一部を除去した)複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率(面積%))を算出した。この(表面の炭素粒子の一部を除去した)複合めっき皮膜の表面の炭素粒子の面積率は、試験片の表面に卓上電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製のTM4000Plus)により加速電圧5kVで電子線を照射して反射電子検出器から得られた(倍率1000倍の)反射電子組成(BSE)像を、画像解析アプリケーション(画像編集・加工ソフトGIMP2.10.12)を使用して、(全ピクセルのうち最も高い輝度を255、最も低い輝度を0とすると、輝度が127以下のピクセルが黒、輝度が127を超えるピクセルが白になるように)階調を二値化し、銀の部分(白い部分)と炭素粒子の部分(黒い部分)に分離して、画像全体のピクセル数Xに対する炭素粒子の部分のピクセル数Yの比Y/Xとして算出した。その結果、(表面の炭素粒子の一部を除去した)複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は、12.1面積%であった。なお、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜形成材について、同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出したところ、48.3面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は、36.2面積%(=48.3面積%-12.1面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は、74.9%(=(48.3-12.1)面積%×100/48.3面積%)であった。
次に、上記の(表面の炭素粒子の一部を除去した)複合めっき皮膜形成材をカソード、Ag電極板をアノードとして使用して、錯化剤としてスルホン酸を含むAg濃度30g/Lのスルホン酸系(非シアン系)銀めっき液(大和化成株式会社製のダインシルバーGPE-PL)中において、450rpmで撹拌しながら、温度25℃、電流密度3A/dmで95秒間電気めっきを行い、上記の(表面の炭素粒子の一部を除去した)複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜を形成して複合めっき材を作製した。この複合めっき材の(表面の炭素粒子の一部を除去した)複合めっき皮膜と銀めっき皮膜(の中央部分の直径0.2mmの範囲)の合計の厚さを蛍光X線膜厚計(株式会社日立ハイテクサイエンス製のFT110A)で測定し、(表面の炭素粒子の一部を除去した)複合めっき皮膜の厚さを差し引いて、銀めっき皮膜の厚さを算出したところ、1.9μmであった。なお、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を上記と同様の方法により求めたところ、0.9面積%であった。
このようにして得られた複合めっき材(素材を含む)から切り出した(5mm×5mmの大きさで約5gの重量の)試料をAgおよびCの分析用にそれぞれ用意し、一方の試料を溶解して試料中の銀含有量(X質量%)を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES)(株式会社日立ハイテクサイエンス製のSPS5100)によって求めるとともに、他方の試料中の炭素含有量(Y質量%)を微量炭素・硫黄分析装置(株式会社堀場製作所製のEMIA-810W)を用いて赤外線吸収法によって求め、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量をY/(X+Y)として算出したところ、0.6質量%であった。なお、素材として使用したCu-Ni-Sn-P合金からなる板材中には、AgとCが含まれないか、極微量であるため、AgとCが含まれないとの前提で、表層中の炭素含有量を算出した。
また、40mm×10mm×0.2mmのCu-Ni-Sn-P合金からなる板材(1.0質量%のNiと0.9質量%のSnと0.05質量%のPを含み、残部がCuである銅合金の板材)(DOWAメタルテック株式会社製のNB109EH)にインデント加工として内側R=1.0mmの半球状の打ち出し加工をした素材を用意し、この素材を使用してAgSbめっき液(60g/Lの銀と100g/Lのシアン化ナトリウムを含む水溶液にニッシンブライトN(日進化成株式会社製)を50mL/Lになるように添加しためっき液)中において液温15℃、電流密度1.5A/dmで1800秒間電気めっき(Ag-Sbめっき)を行って、2質量%のSbを含有する厚さ20μmのAg-Sbめっき皮膜が形成された(ビッカース硬さHVが180の)AgSbめっき材を作製した。
上記の複合めっき材から切り出した試験片を平板状試験片(評価試料)とするとともに、上記のAgSbめっき材をインデント付き試験片(圧子)とし、摺動摩耗試験機(株式会社山崎精機研究所製のCRS-G2050-DWA)により、平板状試験片にインデント付き試験片を一定の荷重2Nで押し当て(すなわち垂直抗力を2Nに保ち)ながら、往復摺動動作(摺動距離10mm、摺動速度3mm/s)を3,000回継続して、平板状試験片の摩耗状態を確認する摩耗試験を行うことにより、耐摩耗性の評価を行った。その結果、3,000回の往.復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、上記の3,000回の往復摺動動作の各々の往路の中央部において水平方向にかかる力Fを測定し、平板状試験片とインデント付き試験片との間の動摩擦係数(μ)をμ=F/N(Nは垂直抗力)から算出したところ、その平均値は0.7であった。
また、上記の3,000回の往復摺動動作中の往路の摺動距離の半分まで移動したときに四端子法で測定した接触抵抗の平均値を平均接触抵抗として求めたところ、1.4mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材の表面に粘着テープ(ニチバン株式会社製のセロテープ(登録商標)CT-18(粘着力4.02N/10mm))を貼り付けた後に粘着テープを剥して、粘着テープに付着した炭素粒子をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製のVK-X100)により1000倍(視野143μm×110μm)で観察した画像を、画像解析アプリケーション(画像編集・加工ソフトGIMP2.10.12)を使用して、(全ピクセルのうち最も高い輝度を255、最も低い輝度を0とすると、輝度が160以下のピクセルが黒、輝度が160を超えるピクセルが白になるように)階調を二値化し、粘着テープの部分(白い部分)と炭素粒子の部分(黒い部分)に分離して、画像全体のピクセル数Xに対する炭素粒子の部分のピクセル数Yの比Y/Xを、視野中において炭素が占める面積率(炭素付着率)として算出した。その結果、炭素付着率は0.9面積%であった。
[実施例2]
下地層としてのニッケルめっき皮膜を形成せず、炭素粒子として平均粒径3μmの人造黒鉛粒子(日本黒鉛工業株式会社製のPAG-4500)を使用し、複合めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を275秒間とし、銀めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を25秒間とした以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を得た。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)と銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、複合めっき皮膜の厚さは5.5μm、銀めっき皮膜の厚さは0.5μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、面積率は23.0面積%、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は61.9面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は38.9面積%(=61.9面積%-23.0面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は62.8%(=(61.9-23.0)面積%×100/61.9面積%)であった。また、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を実施例1と同様の方法により求めたところ、12.0面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量を算出したところ、1.8質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.3であり、平均接触抵抗は1.0mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、0.1面積%であった。
[実施例3]
下地層としてのニッケルめっき皮膜を形成せず、複合めっき皮膜を形成する際に使用する銀めっき液に添加する炭素粒子の量を80g/Lとし、複合めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を245秒間とし、銀めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を70秒間とし、超音波洗浄の代わりに、脱脂洗浄剤(ヘンケルジャパン株式会社製のBONDERITE C-AK PZ)10質量%を純水に溶かした電解液中において、SUS304からなるアノード板を使用し、複合めっき皮膜を形成した素材をカソード板として使用し、5A/dmで30秒間電解洗浄して、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行った以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を作製した。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)と銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、複合めっき皮膜の厚さは4.9μm、銀めっき皮膜の厚さは1.4μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、面積率は26.1面積%、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は60.0面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は33.9面積%(=60.0面積%-26.1面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は56.5%(=(60.0-26.1)面積%×100/60.0面積%)であった。また、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を実施例1と同様の方法により求めたところ、2.0面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量を算出したところ、1.5質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.3であり、平均接触抵抗は1.3mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、0面積%であった。
[実施例4]
下地層としてのニッケルめっき皮膜を形成せず、複合めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を245秒間とし、銀めっき皮膜を形成する際の電流密度を6A/dmとして電気めっき時間を90秒間とした以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を得た。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)と銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、複合めっき皮膜の厚さは4.9μm、銀めっき皮膜の厚さは3.5μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、面積率は30.1面積%、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は63.4面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は33.3面積%(=63.4面積%-30.1面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は52.5%(=(63.4-30.1)面積%×100/63.4面積%)であった。また、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を実施例1と同様の方法により求めたところ、0.4面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量を算出したところ、1.2質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.3であり、平均接触抵抗は1.2mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、0.1面積%であった。
[実施例5]
下地層としてのニッケルめっき皮膜を形成せず、複合めっき皮膜を形成する際に使用する(炭素粒子を添加した)銀めっき液中のAgの量を80g/Lとし、複合めっき皮膜を形成する際の電流密度を6A/dmとして電気めっき時間を260秒間とした以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を得た。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)と銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、複合めっき皮膜の厚さは10.6μm、銀めっき皮膜の厚さは1.9μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、面積率は29.0面積%、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は67.9面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は38.9面積%(=67.9面積%-29.0面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は57.3%(=(67.9-29.0)面積%×100/67.9面積%)であった。また、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を実施例1と同様の方法により求めたところ、2.2面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量を算出したところ、1.5質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.4であり、平均接触抵抗は1.0mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、1.1面積%であった。
[実施例6]
下地層としてのニッケルめっき皮膜を形成せず、複合めっき皮膜を形成する際に使用する銀めっき液に添加する炭素粒子の量を30g/Lとし、複合めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を900秒間とし、銀めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を45秒間とした以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を得た。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)と銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、複合めっき皮膜の厚さは18.0μm、銀めっき皮膜の厚さは0.9μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、面積率は27.1面積%、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は72.6面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は45.5面積%(=72.6面積%-27.1面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は62.7%(=(72.6-27.1)面積%×100/72.6面積%)であった。また、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を実施例1と同様の方法により求めたところ、4.4面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量を算出したところ、2.4質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.3であり、平均接触抵抗は1.1mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、0.8面積%であった。
[実施例7]
下地層としてのニッケルめっき皮膜を形成せず、複合めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を260秒間とし、銀めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を10秒間とした以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を得た。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)と銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、複合めっき皮膜の厚さは5.2μm、銀めっき皮膜の厚さは0.2μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、面積率は26.3面積%、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は63.1面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は36.8面積%(=63.1面積%-26.3面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は58.3%(=(63.1-26.3)面積%×100/63.1面積%)であった。また、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を実施例1と同様の方法により求めたところ、17.2面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量を算出したところ、1.9質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.3であり、平均接触抵抗は1.3mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、3.6面積%であった。
[実施例8]
下地層としてのニッケルめっき皮膜を形成せず、炭素粒子として平均粒径2.3μmの鱗片状黒鉛粒子(日本黒鉛工業株式会社製のUTC-1)を使用し、複合めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を75秒間とし、銀めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を25秒間とした以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を得た。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)と銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、複合めっき皮膜の厚さは1.5μm、銀めっき皮膜の厚さは0.5μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、面積率は18.1面積%、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は52.4面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は34.3面積%(=52.4面積%-18.1面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は65.5%(=(52.4-18.1)面積%×100/52.4面積%)であった。また、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を実施例1と同様の方法により求めたところ、7.5面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量を算出したところ、0.5質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.3であり、平均接触抵抗は0.8mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、0.3面積%であった。
[比較例1]
下地層としてのニッケルめっき皮膜を形成せず、複合めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を260秒間とし、銀めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を80秒間とし、超音波洗浄を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を作製した。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)と銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、複合めっき皮膜の厚さは5.2μm、銀めっき皮膜の厚さは1.6μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、(表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行わなかった)複合めっき材の面積率は60.3面積%であった。また、この複合めっき材表層の表面の炭素粒子の面積率を実施例1と同様の方法により求めたところ、31.0面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量を算出したところ、1.7質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.4であり、平均接触抵抗は0.8mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、20面積%であった。
[比較例2]
下地層としてのニッケルめっき皮膜と、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)を形成せず、銀めっき皮膜を形成する際の電気めっき時間を1100秒間とし、超音波洗浄を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、銀めっき材を作製した。
得られた銀めっき材について、実施例1と同様の方法により、銀めっき皮膜の厚さを求めたところ、22.0μmであった。
また、得られた銀めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出があり、耐摩耗性に劣っていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は1.3であり、平均接触抵抗は1.1mΩと低かった。
また、得られた銀めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、0面積%であった。
[比較例3]
下地層としてのニッケルめっき皮膜、銀めっき皮膜を形成せず、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)を形成する際の電気めっき時間を270秒間とし、超音波洗浄を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を作製した。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜の厚さを求めたところ、5.4μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、(表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行わなかった)複合めっき材の面積率は62.0面積%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜からなる表層中の炭素含有量を算出したところ、2.4質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.3であり、平均接触抵抗は1.4mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、82面積%であった。
[比較例4]
下地層としてのニッケルめっき皮膜、銀めっき皮膜を形成せず、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜)を形成する際の電気めっき時間を235秒間とした以外は、実施例1と同様の方法により、複合めっき材を作製した。
得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜(Ag-Cめっき皮膜の厚さを求めたところ、4.7μmであった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)を算出した。その結果、面積率は36.4面積%、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行う前の複合めっき皮膜の表面の炭素粒子が占める面積の割合(面積率)は68.7面積%であり、表面の炭素粒子の一部を除去する処理による面積率の変化は32.3面積%(=68.7面積%-36.4面積%)、その面積率の変化率(表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率)は47.0%(=(68.7-36.4)面積%×100/68.7面積%)であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、複合めっき皮膜からなる表層中の炭素含有量を算出したところ、2.0質量%であった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、耐摩耗性の評価を行い、動摩擦係数の平均値を算出し、平均接触抵抗を求めた。その結果、3,000回の往復摺動動作後に素材の露出はなく、耐摩耗性に優れていることがわかった。また、動摩擦係数の平均値は0.3であり、平均接触抵抗は0.8mΩと低かった。
また、得られた複合めっき材について、実施例1と同様の方法により、炭素付着率を算出したところ、13%面積であった。
これらの実施例および比較例のめっき材の製造条件および特性について表1~表3に示す。
Figure 2022076573000001
Figure 2022076573000002
Figure 2022076573000003

Claims (17)

  1. 銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜が素材上に形成され、複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜が形成され、この銀めっき皮膜と複合めっき皮膜とからなる表層の表面の炭素粒子が占める割合が20面積%以下であり、表層の表面に粘着力4.02N/10mmの粘着テープを貼り付けた後に剥がしたときに、粘着テープに付着した炭素粒子が占める割合が、粘着テープの貼り付け面の面積に対して10面積%以下であることを特徴とする、複合めっき材。
  2. 前記複合めっき皮膜の厚さが、0.8~25μmであることを特徴とする、請求項1に記載の複合めっき材。
  3. 前記銀めっき皮膜の厚さが、0.1~5μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の複合めっき材。
  4. 前記複合めっき皮膜と前記銀めっき皮膜とからなる表層中の炭素含有量が0.3~10質量%であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の複合めっき材。
  5. 前記複合めっき材の摩擦係数が0.9以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の複合めっき材。
  6. 前記素材が銅または銅合金からなることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の複合めっき材。
  7. 前記複合めっき皮膜と前記素材との間にニッケルめっき皮膜が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の複合めっき材。
  8. 炭素粒子を添加した銀めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、銀層中に炭素粒子を含有する複合材からなる複合めっき皮膜を素材上に形成した後、表面の炭素粒子の一部を除去する処理を行い、この処理後の複合めっき皮膜上に銀めっき皮膜を形成することを特徴とする、複合めっき材の製造方法。
  9. 前記炭素粒子の一部を除去する処理が、前記複合めっき皮膜の表面を超音波洗浄する処理であることを特徴とする、請求項8に記載の複合めっき材の製造方法。
  10. 前記超音波洗浄が、20~100kHzで1~300秒間行われることを特徴とする、請求項9に記載の複合めっき材の製造方法。
  11. 前記炭素粒子の一部を除去する処理が、前記複合めっき皮膜の表面を電解洗浄する処理であることを特徴とする、請求項8に記載の複合めっき材の製造方法。
  12. 前記電解洗浄が、1~30A/dmで10~300秒間行われることを特徴とする、請求項11に記載の複合めっき材の製造方法。
  13. 前記表面の炭素粒子の一部を除去する処理による炭素粒子の除去率が、35~85%であることを特徴とする、請求項8乃至12のいずれかに記載の複合めっき材の製造方法。
  14. 前記炭素粒子が、平均粒径0.5~15μmの黒鉛粒子であることを特徴とする、請求項8乃至13のいずれかに記載の複合めっき材の製造方法。
  15. 前記複合材からなる皮膜を形成する前に、前記素材上にニッケルめっき皮膜を形成することを特徴とする、請求項8乃至14のいずれかに記載の複合めっき材の製造方法。
  16. 請求項1乃至7のいずれかに記載の複合めっき材を材料として用いたことを特徴とする、端子。
  17. 請求項1乃至7のいずれかに記載の複合めっき材を端子の形状に曲げ加工することを特徴とする、端子の製造方法。


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