JP2021045792A - はんだ合金、ソルダペースト、はんだボール、ソルダプリフォーム、はんだ継手、および回路 - Google Patents

はんだ合金、ソルダペースト、はんだボール、ソルダプリフォーム、はんだ継手、および回路 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたヒートサイクル特性を有し、Cu食われが抑制され、黄色変化が抑制され、さらにはソルダペーストの経時的な粘度上昇を抑制するはんだ合金、ソルダペースト、はんだボール、ソルダプリフォーム、はんだ継手、および回路を提供する。【解決手段】はんだ合金は、質量%で、Ag:2.8〜4%、Bi:1.5〜6%、Cu:0.8〜1.2%、As:0.0040〜0.025%、残部Snからなる合金組成を有し、As濃化層を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、はんだ合金、ソルダペースト、はんだボール、ソルダプリフォーム、はんだ継手、および回路に関する。
従来、テレビ、ビデオ、携帯電話、パソコン等の所謂「民生用電子機器」に多く使用されているはんだ合金は、Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金である。このはんだ合金は、フラックスやはんだ付け装置の改良で問題なく使用されており、民生用電子機器の耐用年数期間中の通常の使用時に剥離するような問題は発生していない。
民生用電子機器では、はんだ継手の耐久試験としてヒートサイクル試験を採用している。民生用電子機器で多く採用しているヒートサイクル試験は、3.2×1.6×0.6(mm)の大きさのチップ抵抗部品をプリント基板にはんだ付けして、はんだ継手を−40℃、+85℃の各温度に30分間保持する加熱・冷却の繰り返しを500サイクル行う。その後に、導体間の通電状態の測定を行い、通電していれば合格という程度のものである。
ところで自動車にもプリント基板に電子部品をはんだ付けした、つまり実装した電子回路(以下、「車載電子回路」という。)が搭載されており、車載電子回路でもヒートサイクル試験を行っている。車載電子回路で採用されるヒートサイクル試験は、後述するが、前述の民生用電子機器でのヒートサイクル試験では考えられないほど、非常に過酷な条件で行われる。ヒートサイクル特性に優れたはんだ合金は、例えば特許文献1〜3に示すように多数提案されている。
また、前述のはんだ合金は、主成分がSnであるためにはんだ合金の表面が酸化すると酸化膜であるSnO被膜を形成して黄色に変化する。SnO被膜の膜厚が厚くなるほど、はんだ表面の黄色度は高くなる。はんだ合金の表面が黄色に変化していて金属光沢を失うと、はんだ合金の画像認識の自動処理の際にはんだ合金が検出されず、実際には存在しているはんだ合金が認識されないことがある。
従来の表面の黄色変化を抑制したはんだ材料としては、例えば特許文献4には、Sn含有量が40質量%以上の合金からなる金属材料またはSn含有量が100質量%である金属材料からなるはんだ層と、はんだ層の表面を被覆する被覆層を備えた直径が1〜1000μmの球体であり、被覆層は、はんだ層の外側にSnO膜が形成され、SnO膜の外側にSnO膜が形成され、被覆層の厚さは、0nmより大きく4.5nm以下であるはんだ材料が開示されている。このはんだ材料は、SnO膜を形成することにより、はんだ材料表面の黄色変化を抑制している。
特開平5−228685号公報 特開平9−326554号公報 特開2000−349433号公報 特許第5807733号
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているはんだ合金では、車載電子回路のはんだ継手に現在求められるようなヒートサイクル試験を行ったときに充分なヒートサイクル特性を示すものはなかった。実際、上述の民生用電子機器で採用されているヒートサイクル試験より過酷な条件である−55℃〜+125℃のヒートサイクルを1500サイクル行うヒートサイクル試験を行ったところ、いずれも満足する結果が得られなかった。
例えば、はんだ合金のヒートサイクル特性は、現在行われているバルクでの試験、例えば、引張強度試験、クリープ試験、疲労試験では評価ができない。はんだ継手のヒートサイクル特性を評価するには、実際に部品を実装したプリント基板のヒートサイクル試験を行うことが妥当であるといわれている。特に、車載電子回路では、−55℃〜+125℃の加熱・冷却サイクルで、少なくとも1500サイクル、さらに好ましくは3000サイクルという非常に過酷なヒートサイクル試験において、所定のシェア強度を有していることが求められる。しかし、従来のはんだ合金では、この基準を満足できるものはなかった。
ところで、車載電子回路は、エンジン、パワーステアリング、ブレーキ等を電気的に制御する機器に使用されており、自動車の走行にとって非常に重要な保安部品となっている。このため、車載電子回路は、長期間にわたって故障がなく安定した状態で稼働できるものでなければならない。特に、エンジン制御用の車載電子回路は、エンジン近傍に設置されているものもあり、使用環境としてはかなり厳しい。実際、このような車載電子回路が設置されるエンジン近傍は、エンジンの回転時には100℃以上という高温となり、エンジンの停止時には、寒冷地であれば冬季に−30℃以下という低温になる。従って、車載電子回路はエンジンの回転と停止の繰り返しで−30℃以下〜+100℃以上というヒートサイクルに曝される。
車載電子回路が、そのように温度が大きく変化する環境(以下、ヒートサイクル環境という。)に長期間置かれると、はんだとプリント基板がそれぞれ熱膨張・収縮を起こす。しかしながら金属のはんだ合金と樹脂製のプリント基板では熱膨張率が相違するため、両方にストレスがかかる。このとき樹脂製のプリント基板は伸縮するため問題はないが、金属のはんだ合金は長期間の膨張・収縮により金属疲労を起こして、長期間経過後には、クラックが入って破断することがあった。
つまり、金属疲労は長期間のストレスで起こるため、車載電子回路では、新車の使用開始後しばらくは問題がなくても、長期間にわたり走行すると、はんだ継手のはんだ合金が剥離してしまうことも考えられる。この原因は、はんだ継手がヒートサイクル環境において、破断するほどでもないがシェア強度が弱くなっているところに、路面から受ける大きな衝撃やエンジンから受ける連続した小さな振動により剥離してしまうことによる。
従って、車載電子回路に用いるはんだ合金には、ヒートサイクル環境において、優れたヒートサイクル特性を示すものが要求されている。ここで、車載電子回路のはんだ付けとして、民生用電子機器にすでに用いられているSn−3Ag−0.5Cuのはんだ合金を用いるのが好ましいとも思われる。しかし、このはんだ合金は過酷なヒートサイクル環境に対して充分なヒートサイクル特性を有していないため、自動車のように高温度と低温度との差が非常に大きい厳しいヒートサイクル環境となるところには使用し難い。
また、通常のはんだ付けでははんだ継手を構成するはんだ合金が複数回溶融し、修正工程では通常のはんだ付け温度よりはんだ継手の温度が高温となる。このため、基板や部品のCuが溶解する、所謂Cu食われが起こる。特に、前述のSn主成分のはんだ合金ではCuの溶解が速く基板や部品のCuが浸食される。
さらに、ヒートサイクル特性やCu食われに加えて、はんだ合金表面における黄色変化の抑制効果は、はんだ合金の画像認識の自動処理において重要な要素である。しかし、特許文献4に記載のはんだ材料は、SnO膜を形成するために、高エネルギー状態のプラズマ照射等が必要であり、製造工程が複雑となってしまう。
これに加えて、電子機器の基板への電子部品の接合・組立てにおいては、ソルダペーストを使用したはんだ付けがコスト面及び信頼性の面で有利である。ソルダペーストの基板への塗布は、例えば、メタルマスクを用いたスクリーン印刷により行われる。ソルダペーストの印刷性を確保するために、ソルダペーストの粘度は適度である必要がある。
ここで、黄色変化が抑制されたはんだ粉末を用いた場合、濡れ性が向上するように、ソルダペーストに用いる活性剤の含有量を増加したり高活性のものを使用することができる。しかし、活性剤などにより濡れ性を向上させようとすると、ソルダペーストの粘度が経時的に上昇してしまう。このため、ヒートサイクル特性、黄色変化の抑制効果に加えて、ソルダペーストに用いた際の増粘抑制効果をも同時に満たすことは、従来のはんだ合金では達成し得ず、更なる検討が必要であった。
ここに、本発明の課題は、優れたヒートサイクル特性を有し、Cu食われが抑制され、黄色変化が抑制され、さらにはソルダペーストの経時的な粘度上昇を抑制するはんだ合金、ソルダペースト、はんだボール、ソルダプリフォーム、はんだ継手、および回路を提供することである。
本発明者は、従来のヒートサイクル特性に優れているといわれているはんだ合金では車載電子回路用として、更なる高信頼性を満足できず、更なる改良の必要なことを知った。したがって、本発明者は、各種組成および組織のはんだ合金について、実際に、電子部品を実装したプリント基板を使い、ヒートサイクル試験後の電子部品と基板とのシェア強度を測定した。その結果、特定組成のはんだ合金、特に、析出復元型固溶体組織をもった合金が、ヒートサイクル試験によるシェア強度の劣化抑制に効果のある知見が得られた。
すなわち、本発明は、固溶元素を含有するSn−Ag−Cu系はんだ合金であって、且つ、室温では過飽和固溶体、もしくは、固溶元素が析出した固溶体からなる合金組織を有し、ヒートサイクル環境における高温時には、低温で析出した固溶元素がSnマトリックス中に再固溶する固溶体からなる合金組織を有するはんだ合金である。
本発明によれば、ヒートサイクル環境での使用中のはんだ合金のシェア強度を著しく改善できる。
本明細書では、本発明合金の備える上述のような合金組織を、高温下および室温下の場合も含めて、また、固溶体または過飽和固溶体からなる合金組織の場合も含めて、包括的に「析出物復元型固溶体組織」と言う。
図1は、本発明にかかる合金の高温度、低温度環境下での温度変化に伴う組織変化の説明図である。十分な固溶限が確保できる高温状態ではSnマトリックス中にBiが固溶し固溶体を呈する。しかし、状態図上ではこれが冷却されるとBiの析出が起こり、更に、Biの様にSn中に多く固溶する元素はその析出物は簡単に粗大化し、Bi自信はSnの機械的特性にほとんど寄与しないはずである。
しかしながら、本発明では、有限の時間で高温低温環境を繰り返し負荷するヒートサイクル試験では、一旦、高温下でSnに固溶したBiは冷却時においても、粗大に析出することなく、過飽和固溶体、もしくは、走査型電子顕微鏡では観察できないほどの過飽和固溶体からの微細な析出物としてSn中に存在することが判明した。しかし、Bi含有量が少ないと室温で過飽和固溶体もしくは、過飽和固溶体からの微細な析出物としてBiは存在できないため、ヒートサイクル試験でのクラック進展は抑制できない。一方、Biが多すぎると、凝固初期のBi偏析により、クラックの進展が著しく早くなる場合がある。本発明の場合、合金組成を調整することで常に室温で過飽和となる割合でBiが配合されているから、ヒートサイクル環境が冷却段階に入るとただちに過飽和固溶体となる。
−55℃および+125℃の各温度に30分保持するヒートサイクルにおいて上述のような「析出物復元型固溶体組織」を呈するということは予想外であった。状態図においては常に平衡状態を考えているため、本発明にかかる合金組成を持ったはんだ合金が、いずれも室温や低温環境でBiの粗大化が進行されることは予測できる。しかし、上述のように加熱30分、冷却30分というヒートサイクルを1500から3000サイクル繰り返した後にも、Biの粗大化を抑制でき、更に、過飽和固溶体、もしくは、過飽和固溶体からの微細な析出物としてBiがSn中に存在し続けることは予想外であった。そして、それによって、これまで考えられなかったような優れた作用効果が発揮されることも全くの予想外であった。
更に、凝固初期の粗大なBiに関しても、−55℃〜+125℃の500サイクルで各30分のヒートサイクル試験をすることで、室温においても過飽和固溶体、もしくは、過和固溶体からの微細な析出物としてBiをSn中に分散させることができ、ヒートサイクルなどの熱負荷を付与することで、はんだ継手の信頼性が向上することも予想外であった。
ここに、本発明における過飽和固溶体からのBiの析出と、凝固の際の偏析による粗大なBiの偏析とではその効果は異なる。前者ではSnマトリックス中に過飽和固溶体もしくは、過飽和固溶体からの微細な析出物として、均一に微細なBiが存在することで、機械的強度が向上する。一方後者では、最終凝固部、結晶粒界、そしてデンドライトアーム間に、それぞれ、固溶元素であるBiが粗大に偏析するため、転移の移動を抑制して強度を改善する効果は期待できない。このような「凝固偏析型合金組織」は上述の「析出物復元型固溶体組織」とは、その生成機構、冶金学的組織、作用効果の点からも明確に区別される。
換言すれば、本発明にあっては、そのようなBiの偏析が生じないようにはんだ合金を調製する必要がある。具体的には、Bi含有量を調整したり、合金調製時に当たって急冷凝固を行う。あるいは、はんだ付けに際しても溶融はんだの急速凝固を行うことやパワーデバイスの様に熱負荷が大きな基板実装に使用し、導通時に熱処理を行う。また熱負荷の小さい部品に関しては一旦、125℃で50〜300時間の熱処理を行い凝固偏析で発生した粗大なBiを過飽和固溶体や過飽和固溶体からの微細な析出物に改善するなどの手段が好ましい。さらにデンドライト結晶の成長は排除するのが好ましい。
更に、本発明者らは、Sn−Ag−Cu共晶近傍の合金ではCu含有量により信頼性が変化することを突き止めた。すなわち、Cu含有量が0.8質量%以上ではんだ合金として信頼性が改善されることが見出された。これと共に、所定量のCuがBiと共存することで、電子部品を実装した車載電子回路に求められるヒートサイクル特性を満足することが確認された。
本明細書に言う「車載電子回路に求められるヒートサイクル特性」は、一般には自動車使用時に経験されるヒートサイクル環境においても長期間安定して使用できるということである。具体的には、はんだ継手を−55℃および+125℃の各温度に30分保持するヒートサイクル試験を行ったとき、はんだ継手に1500サイクル経過後もクラックの貫通が見られない特性を言う。
このように、本発明にかかる析出物復元型固溶体組織によれば、以下の理由によりヒートサイクル後のシェア強度が改善されると推察される。固溶体が冷却されると、マトリックス中の固溶限を超過した固溶元素が過飽和固溶体による通常の固溶体では得られない程度の固溶体硬化や、過飽和固溶体から微細に析出する析出強化が発揮される。これらにより、ヒートサイクル後のシェア強度が改善される。このシェア強度改善理由は、金属間化合物の析出による強度改善効果と同様であるが、金属間化合物ではヒートサイクルの進行と共に微細な針状結晶から塊状結晶の化合物となり、強度改善効果が著しく低下する。
しかしながら、上記「析出物復元型固溶体組織」における過飽和固溶体や過飽和固溶体から析出したBiでは、固溶元素がヒートサイクル環境の高温時には再度固溶する。一方、室温や低温では、再度、Biは過飽和固溶体や過飽和固溶体から微細に析出するBiとしてSnマトリックス中に析出する。したがって、上記析出物復元型固溶体組織によれば、熱疲労の進行によらず、過飽和固溶体や過飽和固溶体から析出したBiによる強度改善効果が期待できる。つまり、過飽和固溶体や過飽和固溶体から析出したBiの組織は、ヒートサイクル環境での使用中に繰り返し復元されるため、強度改善効果が半永久的に持続するのである。したがって、ヒートサイクル環境下におけるシェア強度の劣化を抑制でき、ヒートサイクル特性を向上させることができる。
Cu含有量が1.5質量%ではBiを含有しない場合でも車載電子回路用として満足するヒートサイクル特性が得られる。しかし、液相線温度が250℃を超過するため、実装が困難である。本発明において、一般のプリント基板を対象としたはんだ合金ではCu含有量の上限は1.2質量%までである。好ましくは1.0質量%以下である。
一般に、はんだ合金のマトリックス中に金属間化合物が存在すると、ヒートサイクル特性が向上するといわれている。本発明者らは、金属間化合物が存在しているはんだ合金のヒートサイクル特性について鋭意研究を行った結果、金属間化合物が存在していても、その形状や大きさ、分布状況によってヒートサイクル特性が大きく左右される知見を得た。例えば、金属間化合物が針状結晶であると、クラックが発生した場合、この結晶があたかもコンクリート中の鉄筋の役目をしてクラックの進行を抑制する。しかしながら、その後ヒートサイクル環境での使用が続くと、この針状結晶が球状となって、しかもそれが数μm程度に粗大化すると、ヒートサイクル特性に寄与しなくなる。
また、本発明者らは、ヒートサイクル環境において、はんだ継手のはんだ合金にクラックが発生すると、クラックの進行方向に存在している金属間化合物はクラックの応力により球状化するとともに粗大化する知見を得た。そのため粗大化した金属間化合物は、もはやクラックの進行を抑制できなくなる。
ここで、Sn主成分のはんだ合金において、AgやCuを含有する場合、Snマトリックス中に形成される金属間化合物であるAgSnやCuSnの微細な針状結晶が粗大化して粒状結晶になる。このメカニズムは以下のように推察される。
AgSnやCuSnは微細な結晶状態では、Snマトリックスとの界面面積が非常に大きく、界面エネルギーの総和が非常に高い状態となっている。一方で、自然現象では高エネルギー状態から低エネルギー状態に反応が進行するため、AgSnやCuSnとSnマトリックスとの界面面積が小さくなる。つまり金属間化合物は、微細な針状結晶から大きな球状結晶に変化することとなる。このような金属間化合物の粗大化はヒートサイクル環境における高温時に起きやすく、この変化が進行すると、もはや金属間化合物によるヒートサイクル特性の改善効果は期待できない。ちなみに、金属間化合物の粗大化は比較的応力が負荷されにくいフィレット先端部では殆ど発生せず、応力が集中するチップ部品の底部のようなはんだ継手で顕著である。そしてクラックが発生した場合は、金属間化合物の球状化と粗大化がクラックの進行方向に沿って起こり、粗大化した金属間化合物はクラックの進行を止められなくなる。
一方、本発明にかかる「析出物復元型固溶体組織」においても上述のような金属間化合物が少なければ、クラックの進展を抑制することが困難である。このため、少なくともAgSnやCuSnとSnの共晶組織の体積が40%以上を占める必要があり、Ag含有量は2.5%以上、Cu含有量は0.8%以上必要である。Ag含有量は2.8%以上、Cu含有量は0.9%以上が好ましい。
本発明者の知見によると、本発明にかかる析出物復元型合金組織におけるBiの作用効果は次の通りである。
本発明にかかるBiを固溶した固溶体、および、Bi過飽和固溶体、さらにBi微細析出物を含有する固溶体によれば、いずれの形態でも、はんだ合金のヒートサイクル特性が向上する。ここに、固溶体は、溶媒金属の結晶格子の間の安定位置に溶質原子が割り込んだり、溶媒と溶質の原子が共通の結晶格子点を相互に置換したものである。本発明に係るはんだ合金ではSnマトリックス中にBiが固溶するが、溶媒原子であるSnと溶質原子であるBiは、大きさが違うため歪みを起こして硬化する。ここで、過飽和固溶体からBiが析出する場合を考えると、はんだ合金が完全に凝固したときには過飽和固溶体として凝固するが、その後の温度低下に伴い、固溶限を超過したBiが微細に析出し、そのときの析出物とSnマトリックス間の格子歪みにより硬化し、ヒートサイクル特性が向上する。
従って、Snマトリックス中に微細な金属間化合物が存在するとともにSnにBiが固溶し、さらに、過飽和固溶体からBiが析出するするはんだ合金は、これらの相乗作用により、さらにヒートサイクル特性が向上するのである。
しかしながら、車載電子回路が前述のようにヒートサイクル環境に曝されて、はんだ合金中の金属間化合物が大きく球状化することにより、金属間化合物によるクラック抑制の効果が低減する。ここで、Biを固溶したSnマトリックス自体、および、過飽和固溶体から微細なBiを析出したSnマトリックスがヒートサイクル特性向上の効果を有していれば、クラックの進行を抑制することができる。微細な金属間化合物が粗大化するまではクラック抑制効果は十分にあることから、クラック進展を抑制させる効果を持続させるためには、少なくともAgSnやCuSnとSnの共晶組織の体積が40%以上を占める必要がある。この体積率は、Ag含有量は2.8%以上、Cu含有量は0.8%以上で実現できる。Ag含有量は3.0%以上、Cu含有量は0.9%以上が好ましい。
特に、Biは125℃ではSnマトリックス中に12質量%以上固溶する。このため、本発明におけるBi含有量では、室温に戻ると過飽和固溶体となり、Biの微細な析出物は熱疲労とは関係なく存在し、AgSnやCuSnなどの金属間化合物の様に、ヒートサイクルの経過と共にはんだ合金の強度改善効果が低下することはない。
従って、Sn主成分のはんだ合金ではんだ付けしたものをヒートサイクル環境に置いた場合、Snマトリックス中に金属間化合物が存在するとともに、Biが固溶していると、それらの相乗効果により、初期のうちは優れたヒートサイクル特性を維持する。そしてヒートサイクル環境に長期間置かれて金属間化合物が大きな球状となり、例え、はんだ継手のはんだにクラックが発生したとしても、Biを固溶したSnマトリックスがクラックの進行を抑制する。このため、はんだ継手が完全に剥離するまでの寿命が延びる。
このようにSnマトリックス中にBiを固溶させたはんだ合金では、例えば−55℃〜+125℃の各温度に30分間、1500サイクルまたは3000サイクル曝すという民生用電子機器では考えられない非常に過酷なヒートサイクル環境に置いても、Snマトリックス中に存在するBiが固溶し、また、過飽和固溶体からの微細Biの析出物により優れたヒートサイクル特性を維持できる。特に、Biは、はんだ付け初期には凝固偏析により一部粗大に析出することがある。そのような場合であってもBi含有のはんだ合金ではんだ付けしたものをヒートサイクル環境に置くと、ヒートサイクル環境初期に粗大であったBiが時間の経過とともに徐々に微細になり、ヒートサイクル特性が向上する。しかし、好ましくは、当初よりBiの凝固偏析は可及的少量とする。
さらに、本発明者らは、前述のように優れたヒートサイクル特性およびCu食われの抑制が図られたSn−Ag−Cu−Biはんだ合金において、黄色変化を抑制する元素として、敢えて、種々の元素の中からAsを微量添加することを試みた。Snを主成分とするはんだ合金では前述のようにSnO膜を形成することが知られており、また、Asを含有するはんだ合金は通常は濡れ性が劣化するとされていた。しかしながら、予想外にも、Asを含有するSn−Ag−Cu−Bi−Asはんだ合金は、ヒートサイクル特性に優れ、Cu食われが抑制され、これらに加えて、はんだ合金の表面にAs濃化層が形成されることで黄色変化が抑制されるとともに優れた増粘抑制効果が得られる知見が得られ、本発明は完成された。
ここに、本発明は次の通りである。
(1)質量%で、Ag:2.8〜4%、Bi:1.5〜6%、Cu:0.8〜1.2%、As:0.0040〜0.025%、残部がSnからなる合金組成を有し、As濃化層を有し、As濃化層の存在は以下の判定基準により確認されるものであり、As濃化層は、はんだ合金の最表面からSiO換算の深さで2×D1(nm)までの領域であり、As濃化層のSiO換算の厚みが0.5〜8.0nmであることを特徴とするはんだ合金。
(判定基準)
5.0mm×5.0mmの大きさのサンプルにおいて、任意の700μm×300μmのエリアを選定し、イオンスパッタリングを併用したXPS分析を行う。サンプル1個につき1つのエリアを選定し、3つのサンプルについてそれぞれ1回ずつ、合計3回の分析を行う。全3回の分析の全てにおいてS1>S2となる場合、As濃化層が形成されていると判断する。
ここで、
S1:XPS分析のチャートにおいて、SiO換算の深さが0〜2×D1(nm)の領域におけるAsの検出強度の積分値
S2:XPS分析のチャートにおいて、SiO換算の深さが2×D1〜4×D1(nm)の領域におけるAsの検出強度の積分値
D1:XPS分析のチャートにおいて、O原子の検出強度が最大となったSiO換算の深さ(Do・max(nm))より深い部分において、O原子の検出強度が最大検出強度(Do・maxにおける強度)の1/2の強度となる最初のSiO換算の深さ(nm)。
(2)合金組成は、下記(1)式および(2)式を満たす、上記(1)に記載のはんだ合金。
0.39≦1000×As/(Ag+Cu+Bi)≦0.71 (1)
0.67≦1000×As/Bi≦2.67 (2)
(1)式および(2)式中、As、Ag、Cu、およびBiは各々はんだ合金中での含有量(質量%)を表す。
(3)はんだ合金が析出物復元型固溶体組織を備える、上記(1)または上記(2)に記載のはんだ合金。
(4)合金組成は、更に、質量%で、Ni、FeおよびCoの少なくとも1種を合計量で0.005〜0.05%含有する、上記(1)〜上記(3)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
(5)合金組成は、更に、質量%で、Ni:0.02〜0.04%含有する、上記(1)〜上記(4)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
(6)合金組成は、更に、質量%で、P、GeおよびGaの少なくとも1種を合計量で、0.0002〜0.02%含有する、上記(1)〜上記(5)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
(7)合金組成は、更に、質量%で、In:1%以下含有する、上記(1)〜上記(6)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
(8)合金組成は、更に、質量%で、Zn:1%以下含有する、上記(1)〜上記(7)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
(9)パワーモジュールに用いられることを特徴とする上記(1)〜上記(8)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
(10)上記(1)〜上記(9)のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだ粉末とフラックスからなるソルダペースト。
(11)上記(1)〜上記(9)のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだボール。
(12)上記(1)〜上記(9)のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるソルダプリフォーム。
(13)上記(1)〜上記(9)のいずれか1項に記載のはんだ合金から形成されたはんだ継手。
(14)上記(13)に記載のはんだ継手を有する回路。
本発明におけるヒートサイクル試験は、プリント基板のはんだ付けパターン(1.6×1.2(mm))に鉛フリーのソルダペーストを150μmの厚さで印刷塗布し、3.2×1.6×0.6(mm)のチップ抵抗部品を載せて、ピーク温度が245℃のリフロー炉ではんだ付けし、その後、該チップ抵抗部品が実装されたプリント基板を−55℃〜+125℃にそれぞれ30分ずつ保持する操作を1サイクルとして、1500サイクル行うことである。
本発明において、「ヒートサイクル特性に優れている」とは、上述のヒートサイクル試験後にプリント基板上のチップ抵抗部品に、接合強度試験機で横から水平方向に力を掛けてチップ抵抗部品を剥がし取り、そのときの強度が平均で20N(ニュートン)以上、最小値が15N以上であるとき、ヒートサイクル特性に優れているとする。
図1は、本発明において利用する「析出物復元型固溶体組織」の模式的説明図である。 図2は、はんだボール表面のXPS分析のチャートである。 図3は、はんだボール表面のXPS分析のチャートである。 図4は、はんだボール表面のXPS分析のチャートである。
本発明を以下により詳しく説明する。本明細書において、はんだ合金組成に関する「%」は、特に指定しない限り「質量%」である。
1.はんだ合金
(1) Ag:2.8〜4%
Agは、Snと金属間化合物AgSnを形成してヒートサイクル特性向上に寄与する。またAgは濡れ性を良好にするとともに、Snの液相線温度を低下させる効果がある。Ag含有量が2.8%よりも少ないと、ヒートサイクル特性が低下する。Ag含有量の下限は2.8%以上であり、好ましくは3.0%以上である。
一方Ag含有量が4%よりも多くなると、添加したほどのヒートサイクル特や濡れ性の向上を期待できないばかりでなく、液相線温度が上昇し、はんだ付け性が低下する。更に、高価なAgの含有量が多くなることは経済的に好ましいものではない。Ag含有量は4%以下であり、好ましくは3.5%以下であり、より好ましくは3.4%以下であり、更に好ましくは3.3%以下である。
(2) Bi:1.5〜6%
Bi含有量の上限は6%以下であるが、Biをこれよりも多く含有すると、はんだ付け時にBiの凝固偏析により生じたSn−Bi共晶組織が多く晶出する。このため、ヒートサイクル環境下では、BiがSnに固溶せず、マトリックス中に晶出した過剰のBiが粗大化し、かえってヒートサイクル特性を低下させる。Bi含有量の上限は、好ましくは5.5%以下であり、より好ましくは5.0%未満であり、さらに好ましくは4.0%以下である。
一方Bi含有量が1.5%より少ないと常温での固溶限過飽和固溶体からのBi析出が殆ど期待できず、目標のヒートサイクル特性を満足できない。つまり、Biの固溶体と過飽和固溶体からの析出の相互作用により、ヒートサイクル特性が大きく改善されるのである。Bi含有量の下限は、好ましくは2.0%以上であり、より好ましくは2.5%以上である。
(3) Cu:0.8〜1.2%
Cuは、実装基板のCu回路や電子部品のCu電極の溶解を防止するために必要である。通常のはんだ付けでははんだ継手が複数回溶融し、修正工程では通常のはんだ付け温度よりはんだ継手の温度が高温となり、基板や部品のCuが溶解するというCu食われが起こる。特に、Sn主成分のはんだ合金ではCuの溶解が速く基板や部品のCuが浸食される。
本発明ではCuを含有させることでそのようなCu食われを防止する。
一方、半導体素子やセラミック基板のNiめっきにおいて、めっき厚が薄い場合はSn主成分のはんだ合金を使って、はんだ付けを行うとNiの溶解が激しくNiめっき下地のメタルが露出し、Niめっきのバリア層としての機能が失われる。
特に、車載電子回路では安全上重要な実装基板や電子部品が多く、はんだ付け時に断線や電子部品の機能低下は完全に防ぐ必要があり、電極等のCuの溶解を防ぐことは重要である。更に、Cu含有量はヒートサイクル環境におけるシェア強度劣化を抑制する効果もあり、特に、Bi含有量が5%より少ない場合はCu含有量が0.8%未満では信頼性が車載電子回路の基準まで達しない。Cu食われを防ぐためにはCu含有量の下限は0.8%以上であることが必要であり、好ましくは0.9%以上である。
しかしながらCu含有量が1.2%を超えると液相線温度が240℃を超えるため、はんだ付け温度を高くしなければならなくなり、電子部品やプリント基板をかえって熱損傷させてしまう。好ましいCu含有量の上限は1.2%以下であり、好ましくは1.0%以下である。
(4) As:0.0040〜0.025%
Asははんだ合金の表面にAs濃化層を形成するため、黄色変化を抑制する。また、ソルダペースト中に本発明に係るはんだ合金をはんだ粉末として添加すると増粘抑制効果を発揮することができる元素である。As含有量の下限は、Asを含有する効果が十分に発揮するようにするため、0.0040%以上にする必要がある。一方、Asが0.025%を超えると濡れ性が劣ることがある。As含有量の上限は、0.025%以下であり、好ましくは0.020%以下であり、より好ましくは0.010%以下である。
本発明においてAsを含有することにより形成されるAs濃化層とは、As濃度が、はんだ材料中の平均As濃度(はんだ合金の質量に対するAsの質量の割合)より高い領域をいい、具体的にははんだ合金の最表面からSiO換算の深さで2×D1(nm)までの領域であり、後述の判定基準により存在を確認することができる。As濃化層は、はんだ合金の表面側の少なくとも一部に存在していることが好ましく、表面全体を覆っていることが好ましい。
本発明のようにAsを含有することによりAs濃化層が形成されると、黄色変化が抑制されるとともにソルダペーストの粘度の経時変化が抑制できる理由は明らかでないが、以下のように推察される。粘度上昇は、SnやSn酸化物とソルダペースト(フラックス)に含まれる活性剤等の各種添加剤との間で生じる反応により、塩が形成されたり、はんだ粉末が凝集すること等によって引き起こされると考えられる。本発明に係るはんだ合金のように表面にAs濃化層が存在すると、はんだ粉末とフラックスの間にAs濃化層が介在することになり、上述のような反応が起こりにくくなるため、上記の効果が同時に発現すると推察される。
(4−1) As濃化層の判定基準
5.0mm×5.0mmの大きさのサンプル(はんだ材料が板状でない場合には、5.0mm×5.0mmの範囲にはんだ材料(はんだ粉末、はんだボール等)を隙間なく敷き詰めたもの)において、任意の700μm×300μmのエリアを選定し、イオンスパッタリングを併用したXPS分析を行う。サンプル1個につき1つのエリアを選定し、3つのサンプルについてそれぞれ1回ずつ、合計3回の分析を行った。全3回の分析の全てにおいてS1≧S2となる場合、As濃化層が形成されていると判断する。
ここで、S1、S2及びD1の定義は以下の通りである。
S1::上述のサンプルについて行ったXPS分析のチャートにおいて、SiO換算の深さが0〜2×D1(nm)の領域におけるAsの検出強度の積分値
S2:XPS分析のチャートにおいて、SiO換算の深さが2×D1〜4×D1(nm)の領域におけるAsの検出強度の積分値
D1:XPS分析のチャートにおいて、O原子の検出強度が最大となったSiO換算の深さ(Do・max(nm))より深い部分において、O原子の検出強度が最大検出強度(Do・maxにおける強度)の1/2の強度となる最初のSiO換算の深さ(nm)。
上記のAs濃化層の判定基準の詳細な条件は、実施例の記載に従う。本発明に係るはんだ合金のように、表面がAs濃化層を有することにより、はんだ合金の黄色変化を抑制するとともにソルダペーストの粘度上昇を抑制することができる。
(4−2) As濃化層の厚み
As濃化層の厚み(SiO換算)は、0.5〜8.0nmであり、0.5〜4.0nmがより好ましく、0.5〜2.0nmが最も好ましい。As濃化層の厚みが上記範囲内であれば、黄色変化が抑制され、濡れ性に優れたはんだ材料が得られる。
(4−3) 黄色度
本発明において、はんだ合金のL*a*b*表色系における黄色度b*は、0〜10.0が好ましく、3.0〜5.7がより好ましく、3.0〜5.0が最も好ましい。はんだ材料のL*a*b*表色系における黄色度b*が上記範囲内であれば、黄色度が低く、はんだが金属光沢を有するため、はんだ継手の画像認識の自動処理の際に、はんだ継手が的確に検出される。
本発明において、黄色度b*は、CM−3500d2600d型分光測色計(コニカミノルタ社製)を使用して、D65光源、10度視野において、JIS Z 8722:2009「色の測定方法−反射及び透過物体色」に準じて分光透過率を測定して、色彩値(L*、a*、b*)から求めることができる。
(5) (1)式および(2)式
本発明に係るはんだ合金は(1)式および(2)式を満たすことが好ましい。
0.39≦1000×As/(Ag+Cu+Bi)≦0.71 (1)
0.67≦1000×As/Bi≦2.67 (2)
(1)式および(2)式中、As、Ag、Cu、およびBiは各々はんだ合金中での含有量(質量%)を表す。
本発明に係るはんだ合金は、Ag、Bi、Cu、およびAsに関して各々上述のような添加理由を有する。ただ、本発明の目的は、ヒートサイクル特性の向上、Cu食われの抑制、黄色変化の抑制、およびソルダペーストの増粘抑制と多義に渡る。このため、これらを同時に満たすとともに各々の目的を、更に十分に、達成するには、(1)式および(2)式を満たすことが好ましい。
(1)式の下限はより好ましくは0.43以上であり、さらに好ましくは0.44以上であり、特に好ましくは0.45以上であり、最も好ましくは0.48以上である。(1)式の上限はより好ましくは0.70以下であり、さらに好ましくは0.69以下であり、特に好ましくは0.67以下であり、最も好ましくは0.65以下である。
(2)式の下限はより好ましくは0.80以上であり、さらに好ましくは0.89以上であり、特に好ましくは1.00以上である。(2)式の上限はより好ましくは2.00以下であり、さらに好ましくは1.60以下であり、特に好ましくは1.33以下である。
(6) Ni、Fe、およびCoからなる群から選んだ1種以上を合計で0.005〜0.05%、Ni:0.02〜0.04%
本発明に係るはんだ合金は、ヒートサイクル特性をさらに向上させるとともに、はんだ自体の機械的強度、Cu食われの抑制などの特性を向上させる目的で、Ni、Fe、およびCoからなる群から選んだ1種以上を合計で0.005〜0.05%含有することもできる。これらの元素が合計で0.005%以上であると上記特性向上効果は十分に現れる。合計で0.05%以下であると液相線温度の上昇を抑えることができる。Ni含有量は好ましくは0.02〜0.04%であり、Fe含有量は好ましくは0.01〜0.05%であり、Co含有量は好ましくは0.008〜0.05%である。特に、本発明に係るはんだ合金では、Niを単独で0.02〜0.04%含有することが好ましい。
(7)P、Ge、およびGaからなる群から選んだ1種以上を合計量で0.0002〜0.02%
さらに、本発明に係るはんだ合金は、はんだ合金の酸化を防止してはんだ合金の変色を抑制するAsの効果を助長するために、P、Ge、およびGaからなる群から選んだ1種以上を合計量で0.0002〜0.02%含有することもできる。これらの含有量が合計量で0.0002%以上であると酸化防止の効果が発揮される。合計量で0.02%以下であると、はんだ付け性を阻害しない。P含有量は好ましくは0.0002〜0.015%であり、Ge含有量は好ましくは0.003〜0.015%であり、Ga含有量は好ましくは0.003〜0.015%である。
(8)In:1%以下、Zn:1%以下
本発明に係るはんだ合金は、InやZnを必要により含有してもよい。Inははんだ合金の溶融温度を低下させる。In含有量が1%以下であると、BiとInの双方による凝固偏析が抑制され、125℃以下ではんだ合金が部分的に溶融することを回避することができる。125℃での高温下でSnマトリックス中にInとBiとが濃化したSnの液相が存在しなければ、強度は余り変わらず、延性、いわゆる伸びも大きく低下しない。そのため、Sn−Ag−Bi−Cu−Asはんだ合金に対するIn含有量は、好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.8%以下である。
Znは酸化が激しい一方で、金属との反応性を高めるため、不活性雰囲気中でのはんだ付け性を良好にする。Znは、Sn−Ag−Bi−Cu―Asはんだ合金に対して、含有量が抑えられると液相線温度が大きく上昇しないため、その含有量は好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.2%以下である。
(9)残部:Sn
本発明に係るはんだ合金の残部はSnである。前述の元素の他に不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物を含有する場合であっても、前述の効果に影響することはない。
2.ソルダペースト
本発明に係るソルダペーストは、本実施形態のはんだ粉末とフラックスとを含む。
(1)フラックスの成分
ソルダペーストに使用されるフラックスは、有機酸、アミン、アミンハロゲン化水素酸塩、有機ハロゲン化合物、チキソ剤、ロジン、溶剤、界面活性剤、ベース剤、高分子化合物、シランカップリング剤、着色剤の何れか、または2つ以上の組み合わせで構成される。
有機酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、プロピオン酸、2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、ジグリコール酸、チオグリコール酸、ジチオグリコール酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等が挙げられる。
アミンとしては、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−エチル−4′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、エポキシ−イミダゾールアダクト、2−メチルベンゾイミダゾール、2−オクチルベンゾイミダゾール、2−ペンチルベンゾイミダゾール、2−(1−エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2−ノニルベンゾイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−tert−オクチル−6′−tert−ブチル−4′−メチル−2,2′−メチレンビスフェノール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2′−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1−(1′,2′−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−(2,3−ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−[(2−エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6−ビス[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]−4−メチルフェノール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩は、アミンとハロゲン化水素を反応させた化合物であり、アミンとしては、エチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられ、ハロゲン化水素としては、塩素、臭素、ヨウ素の水素化物が挙げられる。
有機ハロゲン化合物としては、trans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、トリアリルイソシアヌレート6臭化物、1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール等が挙げられる。
チキソ剤としては、ワックス系チキソ剤、アマイド系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤等が挙げられる。ワックス系チキソ剤としては例えばヒマシ硬化油等が挙げられる。アマイド系チキソ剤としては、モノアマイド系チキソ剤、ビスアマイド系チキソ剤、ポリアマイド系チキソ剤が挙げられ、具体的には、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド、飽和脂肪酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、不飽和脂肪酸アマイド、p−トルエンメタンアマイド、芳香族アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、飽和脂肪酸ビスアマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイド、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド、芳香族ビスアマイド、飽和脂肪酸ポリアマイド、不飽和脂肪酸ポリアマイド、芳香族ポリアマイド、置換アマイド、メチロールステアリン酸アマイド、メチロールアマイド、脂肪酸エステルアマイド等が挙げられる。ソルビトール系チキソ剤としては、ジベンジリデン−D−ソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール等が挙げられる。
ベース剤としてはノニオン系界面活性剤、弱カチオン系界面活性剤、ロジン等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、脂肪族アルコールポリオキシエチレン付加体、芳香族アルコールポリオキシエチレン付加体、多価アルコールポリオキシエチレン付加体等が挙げられる。
弱カチオン系界面活性剤としては、末端ジアミンポリエチレングリコール、末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、脂肪族アミンポリオキシエチレン付加体、芳香族アミンポリオキシエチレン付加体、多価アミンポリオキシエチレン付加体が挙げられる。
ロジンとしては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等の原料ロジン、並びに該原料ロジンから得られる誘導体が挙げられる。該誘導体としては、例えば、精製ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物等が挙げられ、二種以上を使用することができる。また、ロジン 系樹脂に加えて、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、及び変性キシレン樹脂から選択される少なくとも一種以上の樹脂をさらに含むことができる。変性テルペン樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等を使用することができる。変性テルペンフェノール樹脂としては、水添テルペンフェノール樹脂等を使用することができる。変性スチレン樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等を使用することができる。変性キシレン樹脂としては、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等が挙げられる。
溶剤としては、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。アルコール系溶剤としてはイソプロピルアルコール、1,2−ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,2′−オキシビス(メチレン)ビス(2−エチル−1,3−プロパンジオール)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ビス[2,2,2−トリス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテル、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エリトリトール、トレイトール、グアヤコールグリセロールエーテル、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール等が挙げられる。グリコールエーテル系溶剤としては、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール類、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド等が挙げられる。
(2)フラックスの含有量
フラックスの含有量は、ソルダペーストの全質量に対して5〜95%であることが好ましく、5〜15%であることがより好ましい。この範囲であると、はんだ粉末に起因する増粘抑制効果が十分に発揮される。
(3)はんだ粉末
本発明に係るソルダペーストで用いるはんだ粉末は、球状粉末であることが好ましい。球状粉末であることによりはんだ合金の流動性が向上する。
また、はんだ合金が球状粉末である場合、JIS Z 3284−1:2014における粉末サイズの分類(表2)において記号1〜8に該当するサイズ(粒度分布)を有していると、微細な部品へのはんだ付けが可能となる。粒子状はんだ材料のサイズは、記号4〜8に該当するサイズであることがより好ましく、記号5〜8に該当するサイズであることがより好ましい。真球度は0.90以上が好ましく、0.95以上がより好ましく、0.99以上が最も好ましい。
本発明において、球状粉末であるはんだ合金の球径及び真球度は、最小領域中心法(MZC法)を用いるCNC画像測定システム(ミツトヨ社製のウルトラクイックビジョンULTRA QV350−PRO測定装置)を使用して測定する。実施形態において、真球度とは真球からのずれを表し、例えば500個の各ボールの直径を長径で割った際に算出される算術平均値であり、値が上限である1.00に近いほど真球に近いことを表す。
(4)ソルダペーストの製造方法
本発明に係るソルダペーストは、当業界で一般的な方法により製造される。まず、はんだ粉末の製造は、溶融させたはんだ材料を滴下して粒子を得る滴下法や遠心噴霧する噴霧法、バルクのはんだ材料を粉砕する方法等、公知の方法を採用することができる。滴下法や噴霧法において、滴下や噴霧は、粒子状とするために不活性雰囲気や溶媒中で行うことが好ましい。そして、上記各成分を加熱混合してフラックスを調製し、フラックス中に上記はんだ粉末を導入し、攪拌、混合して製造することができる。
3.はんだボール
本発明に係るはんだ合金は、はんだボールとして使用することができる。はんだボールとして使用する場合は、本発明に係るはんだ合金を、当業界で一般的な方法である滴下法を用いてはんだボールを製造することができる。また、はんだボールを、フラックスを塗布した1つの電極上にはんだボールを1つ搭載して接合するなど、当業界で一般的な方法で加工することによりはんだ継手を製造することができる。はんだボールの粒径は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上であり、特に好ましくは30μm以上である。はんだボールの粒径の上限は好ましくは3000μm以下であり、より好ましくは1000μm以下であり、さらに好ましくは600μm以下であり、特に好ましくは300μm以下である。
4.ソルダプリフォーム
本発明に係るはんだ合金は、プリフォームとして使用することができる。プリフォームの形状としては、ワッシャ、リング、ペレット、ディスク、リボン、ワイヤー等が挙げられる。
5.はんだ継手
本発明に係るはんだ合金は、2種以上の各種部材を接合する継手として使用することができる。本発明に係るはんだ合金は、例えば100℃以上の高温時にはBi含有固溶体、必要により一部金属間化合物が分散しているBi含有固溶体として所用の強度を発揮する。一方、例えば25℃以下という低温ではBi過飽和固溶体により、またはBiの析出強化により所用の強度を発揮する。このような機能を備えたはんだ継手はこれまで見られなかった。
6.回路
本発明に係る回路は電気回路であり、上記で説明したはんだ継手を備えるため、優れた信頼性を必要とする車載電子回路、特に、ハイブリッド半導体回路であることが好ましい。また、はんだ合金を含む本発明は、パワーモジュールに使用することもできる。
パワーモジュールやセラミックス基板や金属基板を使用したハイブリッド半導体回路は、入力電源の電圧や電流や周波数を変換する機能が主要である。その入力電源は、高出力のリチウムイオン電池や、自動車や二輪車に使用される鉛蓄電池や、自動車や電車などのモータによる発電や送電線や、100Vから220Vの家庭用電源である。
本発明に係る回路は、これらの入力電源を変換することでモータの駆動部を稼動させ、自動車のヘッドライトのような大電力を必要とするヘッドライトを点灯させ、さらに、モータ制動時に電磁コイルから発生する電池を変換し、リチウム電池や鉛蓄電池に充電する。そのため、回路内での発熱量が多い。また、電子回路形成上必須の抵抗やコンデンサなどのチップ部品も、3216サイズのような大型な部品が使用される。したがって、これらの電子回路では、プリント基板とのはんだ継手がヒートサイクルによって破壊され易い。
パワーモジュールは、その電子回路内にパワートランジスタを使用した回路で、電源回路などに用いられる。放熱板などが配置されることが多く、大電流が流れるので、その配線は太く、はんだ継手の面積が広いのが特徴である。
ハイブリッド半導体回路は、混成集積回路とも言い、配線と抵抗やコンデンサなどを形成したセラミックス基板に半導体チップを付けたものである。このような電子回路は、一世代前の集積回路であるが、シリコンウエハを使用した集積回路は熱に弱いという欠点を有しているので、大電流が流れ、また熱に強いハイブリッド半導体回路は、車載用としてはまだ用いられている。このようなハイブリッド半導体回路では、使用されるチップ部品も大型のものが用いられる。
7.はんだ合金の形成方法
本発明に係るはんだ合金の製造方法に限定はなく、原料金属を溶融混合することにより製造することができる。
はんだ合金中にAs濃化層を形成する方法にも限定はない。As濃化層の形成方法の一例としては、はんだ材料を酸化雰囲気(空気や酸素雰囲気)中で加熱することが挙げられる。加熱温度に限定はないが、例えば、40〜200℃とすることができ、50〜80℃であってもよい。加熱時間にも限定はなく、例えば、数分〜数日間、好ましくは数分〜数時間とすることができる。十分な量のAs濃化層を形成するためには、加熱時間は10分以上、さらには20分以上とすることが好ましい。前述のはんだ粉末、はんだボール、ソルダプリフォームも例えばこの加熱処理を行うことによりAs濃化層が形成される。
本発明に係るはんだ合金は、その原材料として低α線材を使用することにより低α線合金を製造することができる。このような低α線合金は、メモリ周辺のはんだバンプの形成に用いられるとソフトエラーを抑制することが可能となる。
表1〜5の実施例及び比較例に記載のはんだ合金(質量%)を用いて、1.表面As濃化層、2.ヒートサイクル特性、3.Cuくわれ、4.増粘抑制、5.黄色化抑制を評価した。
1.表面As濃化層
表面As濃化層は、XPS(X線光電分光法:X−ray Photoelectron Spectroscopy)による深さ方向分析を用いて以下の様に評価した。
(分析条件)
・分析装置:微小領域X線光電子分光分析装置(クレイトス・アナリティカル社製AXIS Nova)
・分析条件:X線源 AlKα線、X線銃電圧 15kV、X線銃電流値 10mA、分析エリア 700μm×300μm
・スパッタ条件:イオン種 Ar+、加速電圧 2kV、スパッタリングレート 0.5nm/min(SiO換算)
・サンプル:カーボンテープを貼ったステージ上に、表1〜5に示す合金組成を有するはんだ粉末を隙間なく平坦に敷き詰めたものを3つ用意し、サンプルとした。ただし、サンプルの大きさは5.0mm×5.0mmとした。はんだ粉末は、平均粒径が21μmであり、JIS Z3284−1:2014の粉末サイズ分類(表2)の5に該当するものを用い、大気中において乾燥装置を用いて60℃で30分間加熱して得られた。比較例25および比較例26のみ加熱処理を行わないはんだ粉末を用いた。
(評価手順)
5.0mm×5.0mmの大きさのサンプルの中から、任意の700μm×300μmのエリアを選定し、イオンスパッタリングを行いながらSn、O及びAsの各原子についてXPS分析を行い、XPS分析のチャートを得た。サンプル1個につき1つのエリアを選定し、3つのサンプルについてそれぞれ1回ずつ、合計3回の分析を行った。
XPS分析により得られたチャートの一例を図2〜4に示す。図2〜4は、同一のサンプルについて縦軸の検出強度(cps)のスケールを変更したものであり、横軸はスパッタ時間から算出したSiO換算の深さ(nm)である。XPS分析のチャートにおいては、縦軸は、検出強度(cps)であり、横軸は、スパッタ時間(min)又はスパッタ時間からSiO標準試料のスパッタエッチングレートを用いて算出したSiO換算の深さ(nm)のいずれかから選択できるが、図2〜4においては、XPS分析のチャートにおける横軸を、スパッタ時間からSiO標準試料のスパッタエッチングレートを用いて算出したSiO換算の深さ(nm)とした。
そして、各サンプルのXPS分析のチャートにおいて、O原子の検出強度が最大となったSiO換算の深さをDo・max(nm)とした(図3参照)。そして、Do・maxより深い部分において、O原子の検出強度が、最大検出強度(Do・maxにおける強度)の1/2の強度となる最初のSiO換算の深さをD1(nm)とした。
次いで、各サンプルのXPS分析のチャートにおいて、最表面から深さ2×D1までの領域(SiO換算の深さが0〜2×D1(nm)の領域)におけるAsの検出強度の積分値(S1)と、深さ2×D1からさらに2×D1だけ深い部分までの領域(SiO換算の深さが2×D1〜4×D1(nm)の領域)におけるAsの検出強度の積分値(S2)(図4参照)とを求め、その比較を行った。
そして、以下の基準に基づいて評価を行った。
・全3回の測定の全てにおいてS1>S2となる
:As濃化層が形成されている(○)
・全3回の測定のうちの2回以下の回数でS1>S2となる
:As濃化層が形成されていない(×)
2.ヒートサイクル特性
「1.表面As濃化層」で得られたはんだ粉末を、下記組成のフラックスと加熱攪拌することでソルダペーストとした。
はんだ粉末:89質量%
フラックス :11質量%
フラックス組成:
重合ロジン 55質量%
水素添加ヒマシ油 7質量%
ジフェニルグアニジン HBr 1質量%
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル 37質量%
サイズが、150mm×140mm、厚さが1.6mmの6層FR−4のガラスエポキシ基板内のはんだ付けパターン(1.6×1.2(mm))に大きさが3.2×1.6×0.6(mm)のチップ抵抗部品をはんだ付けした。はんだ付けは、150μm厚のメタルマスクを用いて、ソルダペーストを電極部分に印刷後、ピーク温度が245℃に設定したリフロー炉で加熱した。その後、該チップ抵抗部品が実装されたプリント基板を、−55℃と+125℃にそれぞれ30分ずつ保持する条件に設定したヒートサイクル槽に投入し、1500サイクルと3000サイクル繰り返すヒートサイクル環境に曝した後の実装基板を試験試料とした。
該試験試料のチップ抵抗部品に対して、シェア強度試験装置を用い、せん断速度5mm/min.でチップ抵抗部品を剥がし取り、そのときの剥離強度(N:ニュートン)を測定した。試験試料数は各15〜20個行った。
ヒートサイクル試験では主にクラックの発生によりシェア強度は低下するが、クラックの進行が激しいほどシェア強度は低くなる。このヒートサイクル試験ではクラックが完全に貫通すると、その強度は10N以下となる。1500サイクルのヒートサイクル試験では、平均で30N以上、且つ最小値が20N以上のシェア強度があれば、クラックが完全にはんだ継手を貫通しておらず、信頼性の面では充分であるので「〇」と評価した。そしてさらに厳しい条件である3000サイクルにおいても平均で30N以上、且つ最小値が20N以上のシェア強度があれば、さらに長期間信頼性を約束できるものとなるので「〇〇」と評価した。
3.Cu食われ
容量15kgの小型噴流はんだ槽中に各合金を投入し、260℃の溶融状態にする。そして噴流はんだ槽の噴流口からの噴流高さが5mmになるように調整する。
本試験で使用する試験試料は、銅配線の厚さが35μmのFR−4ガラスエポキシ基板を適宜な大きさに裁断したものである。
試験方法は、試験試料の銅配線面にプリフラックスを塗布し、約60秒間予備加熱して基板温度を約120℃にする。その後、該試験試料を噴流はんだ槽の噴流口から2mm上部に置いて、噴流している溶融はんだ中に3秒間浸漬する。この工程を繰り返し行い、試験試料の銅配線のサイズが半減するまでの浸漬回数を測定する。車載電子回路の信頼性を考慮すると、浸漬回数が4回以上でも半減しないものでなければならない。浸漬回数が4回で半減しないものを「〇」、3回以下で半減したものを「×」とした。
4.増粘抑制
上記「2.ヒートサイクル特性」と同様にして得られたソルダペーストについて、JIS Z 3284−3:2014の「4.2 粘度特性試験」に記載された方法に従って、回転粘度計(PCU−205、株式会社マルコム製)を用い、回転数:10rpm、測定温度:25℃にて、粘度を12時間測定し続けた。そして、初期粘度(撹拌30分後の粘度)と12時間後の粘度とを比較し、以下の基準に基づいて増粘抑制効果の評価を行った。
12時間後の粘度 ≦ 初期粘度×1.2 :経時での粘度上昇が小さく良好(○)
12時間後の粘度 > 初期粘度×1.2 :経時での粘度上昇が大きく不良(×)
5.黄色化抑制
表1〜5に示す合金組成を有するはんだボール(球径0.3mm)を大気中において乾燥装置を用いて60℃で30分間加熱処理した後、空気雰囲気、200℃の恒温槽中で2時間加熱した。L*a*b*表色系における黄色度b*について、加熱前及び加熱後のはんだボールの測定を行い、加熱後のb*から加熱前のb*を引いた増加量(Δb*)を算出した。比較例25および比較例26のみ加熱処理を行わないはんだボールを用いて恒温槽に導入した。
黄色度b*は、CM−3500d2600d型分光測色計(コニカミノルタ社製)を使用して、D65光源、10度視野において、JIS Z 8722:2009「色の測定方法−反射及び透過物体色」に準じて分光透過率を測定して、色彩値(L*、a*、b*)から求めた。なお、色彩値(L*、a*、b*)は、JIS Z 8781−4:2013の規格に基づいている。
Δb*の値がΔb*(基準)の70%以下である:○(良好)
Δb*の値がΔb*(基準)の70%より大きい:×(不可)
6.総合評価
上記全ての試験が「〇」又は「◎」の場合に「〇」、いずれかの試験一つでも「×」があれば「×」とした。
評価結果を表1〜5に示す。
Figure 2021045792
Figure 2021045792
Figure 2021045792
Figure 2021045792
Figure 2021045792
表1〜5に示す結果からも分かるように、実施例のはんだ合金は、ヒートサイクル特性に優れているばかりでなく、Cu食われが発生せず、As濃化層を有するために黄色変化も起こらず、増粘抑制をも同時に示した。
一方、ヒートサイクル特性に優れているといわれている従来例のはんだ合金では、車載電子回路で要求されるヒートサイクル特性、Cu食われ、黄色変化、増粘抑制の少なくとも1つを満足しなかった。比較例25および比較例26は、加熱処理を行わなかったためにAs濃化層が形成せず、黄色化抑制効果および増粘抑制効果を示さなかった。
なお、比較例24はAs含有量が多く濡れ性が劣り、はんだ継手を形成することができず、ヒートサイクル特性およびCu食われの評価を行うことができなかった。

Claims (14)

  1. 質量%で、Ag:2.8〜4%、Bi:1.5〜6%、Cu:0.8〜1.2%、As:0.0040〜0.025%、残部がSnからなる合金組成を有し、As濃化層を有し、前記As濃化層の存在は以下の判定基準により確認されるものであり、前記As濃化層は、はんだ合金の最表面からSiO換算の深さで2×D1(nm)までの領域であり、前記As濃化層のSiO換算の厚みが0.5〜8.0nmであることを特徴とするはんだ合金。
    (判定基準)
    5.0mm×5.0mmの大きさのサンプルにおいて、任意の700μm×300μmのエリアを選定し、イオンスパッタリングを併用したXPS分析を行う。サンプル1個につき1つのエリアを選定し、3つのサンプルについてそれぞれ1回ずつ、合計3回の分析を行う。全3回の分析の全てにおいてS1>S2となる場合、As濃化層が形成されていると判断する。
    ここで、
    S1:XPS分析のチャートにおいて、SiO換算の深さが0〜2×D1(nm)の領域におけるAsの検出強度の積分値
    S2:XPS分析のチャートにおいて、SiO換算の深さが2×D1〜4×D1(nm)の領域におけるAsの検出強度の積分値
    D1:XPS分析のチャートにおいて、O原子の検出強度が最大となったSiO換算の深さ(Do・max(nm))より深い部分において、O原子の検出強度が最大検出強度(Do・maxにおける強度)の1/2の強度となる最初のSiO換算の深さ(nm)。
  2. 前記合金組成は、下記(1)式および(2)式を満たす、請求項1に記載のはんだ合金。
    0.39≦1000×As/(Ag+Cu+Bi)≦0.71 (1)
    0.67≦1000×As/Bi≦2.67 (2)
    前記(1)式および(2)式中、As、Ag、Cu、およびBiは各々前記はんだ合金中での含有量(質量%)を表す。
  3. 前記はんだ合金が析出物復元型固溶体組織を備える、請求項1または2に記載のはんだ合金。
  4. 前記合金組成は、更に、質量%で、Ni、FeおよびCoの少なくとも1種を合計量で0.005〜0.05%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のはんだ合金。
  5. 前記合金組成は、更に、質量%で、Ni:0.02〜0.04%含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ合金。
  6. 前記合金組成は、更に、質量%で、P、GeおよびGaの少なくとも1種を合計量で、0.0002〜0.02%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のはんだ合金。
  7. 前記合金組成は、更に、質量%で、In:1%以下含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のはんだ合金。
  8. 前記合金組成は、更に、質量%で、Zn:1%以下含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のはんだ合金。
  9. パワーモジュールに用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のはんだ合金。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだ粉末とフラックスからなるソルダペースト。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだボール。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるソルダプリフォーム。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のはんだ合金から形成されたはんだ継手。
  14. 請求項13に記載のはんだ継手を有する回路。

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