JP2021043553A - 低酸素環境用警報システム及び低酸素環境形成装置 - Google Patents

低酸素環境用警報システム及び低酸素環境形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】室内の酸素濃度について安全性を確保しながら不必要な警報の発生を抑制することが可能な低酸素環境用警報システムを提供する。【解決手段】低酸素環境用警報システムは、室内へ低酸素空気を供給する空気供給部と、前記室内の酸素濃度を検知する酸素濃度検知部とを備えた低酸素環境形成装置の前記空気供給部から前記低酸素空気が供給される前記室内について、酸素濃度の警報設定値を設定するものであって、前記室内の酸素濃度が上昇するように前記低酸素環境形成装置の運転状態が第1運転状態から第2運転状態へ切り替わる時に、前記酸素濃度の警報設定値を、前記第1運転状態の警報設定値から前記第2運転状態の警報設定値へ変更する間に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度よりも小さい値として経時的に更新する警報値変更部を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、低酸素環境用警報システム及びこれを備えた低酸素環境形成装置に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、通常の空気よりも酸素濃度が低い低酸素空気をトレーニング室等の所定の室内へ供給する装置が知られている。この装置は、対象の室内において所望の低酸素環境を形成することができるため、例えば高地トレーニングや高地環境下における様々な研究等に用いることができる。
特許文献1には、低酸素空気をトレーニング室内へ供給する特殊組成空気供給装置が記載されている。この特殊組成空気供給装置は、圧縮機と、圧縮機から吐出された圧縮空気の一部を用いて窒素又は酸素を製造する窒素/酸素製造装置と、圧縮機から吐出された圧縮空気の残部と窒素/酸素製造装置で製造された窒素又は酸素とを混合するバッファータンクとを備えている。この装置によれば、バッファータンクにおいて所望の酸素濃度に調整された低酸素空気が、トレーニング室内へ供給される。
特開平10−216455号公報
特許文献1等に記載される低酸素環境形成装置では、酸欠事故等を防止する保安対策として、室内の酸素濃度について警報値が設定され、室内の酸素濃度が当該警報値を下回った時に警報を発生させるのが通常である。ここで、室内の酸素濃度が上昇するように装置の運転状態が切り替わる場合、例えば室内への低酸素空気の供給を停止して換気する場合や室内の酸素濃度設定値が上がる場合等において、不必要な警報が発生してしまうことがある。すなわち、上記運転状態の切替直後においては、室内の酸素濃度が上昇途中にあるため切替後の警報設定値に満たず、室内の酸素濃度が警報値よりも低いという状況が一時的に発生し得るため、不必要な警報が発生してしまう場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、室内の酸素濃度について不必要な警報の発生を抑制することが可能な低酸素環境用警報システム及びこれを備えた低酸素環境形成装置を提供することである。
本発明の一局面に係る低酸素環境用警報システムは、室内へ低酸素空気を供給する空気供給部と、前記室内の酸素濃度を検知する酸素濃度検知部とを備えた低酸素環境形成装置の前記空気供給部から前記低酸素空気が供給される前記室内について、酸素濃度の警報設定値を設定するものである。この低酸素環境用警報システムは、前記室内の酸素濃度が上昇するように前記低酸素環境形成装置の運転状態が第1運転状態から第2運転状態へ切り替わる時に、前記酸素濃度の警報設定値を、前記第1運転状態の警報設定値から前記第2運転状態の警報設定値へ変更する間に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度よりも小さい値として経時的に更新する警報値変更部を備えている。
このシステムによれば、室内の酸素濃度が上昇するように低酸素環境形成装置の運転状態が切り替わる時に、室内の酸素濃度についての警報設定値が、酸素濃度検知部により検知される酸素濃度よりも小さい値として経時的に更新される。このため、低酸素環境形成装置の運転状態の切替と同時に当該警報設定値を第1運転状態の警報設定値から第2運転状態の警報設定値へ直ちに変更する場合と異なり、室内の酸素濃度の上昇中に酸素濃度の検知値が警報設定値を下回るのを抑制することができる。したがって、本システムによれば、低酸素環境形成装置の運転状態の切替時における不必要な警報の発生を抑制することが可能になる。
本発明における「低酸素空気」とは、通常の空気よりも酸素濃度が低い空気を意味する。
上記低酸素環境用警報システムにおいて、前記警報値変更部は、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値を超えた時に、前記酸素濃度の警報設定値の経時的な更新を停止すると共に前記第2運転状態の警報設定値を有効にしてもよい。
この構成によれば、警報設定値の経時的な更新により不必要な警報の発生を抑制しつつ、一定の警報設定値に基づく通常の酸素濃度監視体制へ移行することができる。
上記低酸素環境用警報システムは、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値に到達する前において、警告を発生する警告発生部をさらに備えていてもよい。前記警告発生部は、前記空気供給部から前記室内への前記低酸素空気の供給が停止する前記第2運転状態へ前記低酸素環境形成装置の運転状態が切り替わる時に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が予め定められた前記第2運転状態の警報設定値に到達する前において警告を発生してもよい。
この構成によれば、上昇中の酸素濃度が警報設定値に到達する前において不必要な警報の発生を抑制すると共に、酸素濃度が警報設定値に満たない状態であることを知らせることができる。
本発明の他の局面に係る低酸素環境用警報システムは、室内へ低酸素空気を供給する空気供給部と、前記室内の酸素濃度を検知する酸素濃度検知部とを備えた低酸素環境形成装置の前記空気供給部から前記低酸素空気が供給される前記室内について、酸素濃度の警報設定値を設定するものである。この低酸素環境用警報システムは、前記室内の酸素濃度が上昇するように前記低酸素環境形成装置の運転状態が第1運転状態から第2運転状態へ切り替わる時に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値に到達するまでの間に警告を発生する警告発生部と、前記低酸素環境形成装置の運転状態が前記第1運転状態から前記第2運転状態へ切り替わる時に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値を超えることに基づいて、前記第2運転状態の警報設定値を前記酸素濃度の警報設定値として有効にする警報値変更部と、を備えている。
この低酸素環境用警報システムによれば、室内の酸素濃度が上昇するように低酸素環境形成装置の運転状態が第1運転状態から第2運転状態へ切り替わる時に、酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が第2運転状態の警報設定値を超えることに基づいて当該第2運転状態の警報設定値を室内の酸素濃度の警報設定値として有効にする。このため、低酸素環境形成装置の運転状態の切替と同時に第2運転状態の警報設定値を当該警報設定値として直ちに有効にする場合と異なり、室内の酸素濃度の上昇中に酸素濃度の検知値が警報設定値を下回るのを抑制することができる。したがって、低酸素環境形成装置の運転状態の切替時における不必要な警報の発生を抑制することが可能になる。しかも、酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が第2運転状態の警報設定値に到達するまでの間に警告を発生することにより、室内の酸素濃度が上昇中であって第2運転状態の警報設定値に満たない状態であることを知らせることができる。
上記低酸素環境用警報システムにおいて、前記警告発生部は、前記空気供給部から前記室内への前記低酸素空気の供給が停止する前記第2運転状態へ前記低酸素環境形成装置の運転状態が切り替わる時に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が予め定められた前記第2運転状態の警報設定値に到達する前において警告を発生してもよい。
上記低酸素環境用警報システムは、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値に到達する前において、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が所定の時間内上昇しない時に警報を発生する警報発生部をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、低酸素環境形成装置の運転状態の切替後に室内の酸素濃度が上昇傾向にない時に警報を発生することにより、装置異常を速やかに把握することが可能になる。
上記低酸素環境用警報システムにおいて、前記警報値変更部は、前記室内の酸素濃度が低下するように前記低酸素環境形成装置が前記第1運転状態から第3運転状態へ切り替わる時に、前記第3運転状態の酸素濃度設定値よりも小さい警報設定値を算出し、前記酸素濃度の警報設定値を前記第1運転状態の警報設定値から前記第3運転状態の警報設定値へ直接切り替えるように構成されていてもよい。
室内の酸素濃度が低下するように低酸素環境形成装置の運転状態が切り替わる時は、酸素濃度の上昇時のように不必要な警報発生の問題は生じない。このため、第1運転状態の警報設定値から第3運転状態の警報設定値へ直接切り替えることにより、複雑な制御処理等を行う必要もなく、一定の警報設定値に基づく通常の酸素濃度監視体制を継続することができる。
本発明のさらに他の局面に係る低酸素環境形成装置は、室内へ低酸素空気を供給する空気供給部と、前記室内の酸素濃度を検知する酸素濃度検知部と、前記室内について酸素濃度の警報設定値を設定する上記低酸素環境用警報システムと、を備えている。
この低酸素環境形成装置によれば、室内の酸素濃度が上昇するように運転状態を切り替える時に、上昇中の室内の酸素濃度の検知値が警報設定値を下回るのを抑制することができる。したがって、運転状態の切替時における不必要な警報の発生を抑制することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、室内の酸素濃度について不必要な警報の発生を抑制することが可能な低酸素環境用警報システム及びこれを備えた低酸素環境形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る低酸素環境形成装置の構成を模式的に示す図である。 上記低酸素環境形成装置における低酸素空気発生部の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1に係る低酸素環境用警報システムの機能を説明するためのブロック図である。 上記低酸素環境用警報システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る低酸素環境用警報システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る低酸素環境用警報システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態4に係る低酸素環境用警報システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態5に係る低酸素環境用警報システムの動作を説明するためのフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る低酸素環境形成装置及び低酸素環境用警報システムを詳細に説明する。
(実施形態1)
<低酸素環境形成装置>
まず、本発明の実施形態1に係る低酸素環境形成装置1の構成を、図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態に係る低酸素環境形成装置1は、トレーニング室100内の空間100Aへ低酸素空気を供給し、当該空間100Aに高地トレーニング用の低酸素環境を形成する装置である。低酸素環境形成装置1は、空気供給部10と、換気部20と、酸素濃度検知部30と、制御部40と、低酸素環境用警報システム2(図3参照)とを主に備えている。
空気供給部10は、トレーニング室100内へ低酸素空気を供給するものである。図1に示すように、空気供給部10は、空気圧縮機11と、低酸素空気発生部12と、混合部17と、これらを互いに接続する空気経路とを主に有している。
空気圧縮機11は、例えばトレーニング室100に併設された機械室101内に設置されており、機械室101内へ取り込まれた原料空気(通常の酸素濃度の空気)を圧縮し、圧縮された原料空気を吐出する。空気圧縮機11は、原料空気の吸込口11A及び吐出口11Bをそれぞれ有しており、吐出口11Bが原料空気経路13により低酸素空気発生部12の入口15Aに接続されている。
低酸素空気発生部12は、膜分離方式によって、空気圧縮機11より圧送された原料空気から低酸素空気を発生させるものであり、図2に示される構成を有している。図2に示すように、本実施形態における低酸素空気発生部12は、中空糸膜等の複数の気体分離膜14と、当該複数の気体分離膜14が収容される容器15と、当該容器15内において気体分離膜14の両端をそれぞれ固定する一対の膜固定部16とを有している。気体分離膜14は、窒素よりも酸素が膜壁を透過し易い性質を有する膜である。
容器15は、図2に示すように一方向に長い形状を有しており、長さ方向の一方側の端部に原料空気A0の入口15Aが設けられていると共に、長さ方向の他方側の端部に低酸素空気A1の出口15Bが設けられている。また、容器15の側部のうち長さ方向の中央よりも入口15A側の部位には、高酸素空気A2の出口15Cが設けられている。
入口15Aから容器15内に流入した原料空気A0は、気体分離膜14の一方端側の開口から膜の中空部内へ流入し、当該気体分離膜14の他方端側へ向かって中空部内を流れる。この間、原料空気A0中の主に酸素が膜壁を通過して中空部の外へ流出することにより原料空気A0の酸素濃度が低下し、低酸素空気A1が発生する。そして、気体分離膜14の他方端側の開口から低酸素空気A1が中空部の外へ流出し、当該低酸素空気A1が出口15Bを通じて容器15の外へ取り出される。また気体分離膜14の膜壁を通過した原料空気A0は、高酸素空気A2として、出口15Cを通じて容器15の外へ取り出される。
図1に示すように、混合部17は、低酸素空気と原料空気とを混合する低酸素混合部17Aと、高酸素空気と原料空気とを混合する高酸素混合部17Bとを有している。より具体的には、低酸素混合部17Aは、低酸素経路18により低酸素空気発生部12の出口15Bに接続されていると共に、低酸素側バイパス経路13Aにより原料空気経路13に接続されている。
これにより、低酸素空気発生部12で発生した低酸素空気が低酸素経路18を通じて低酸素混合部17Aへ供給されると共に、空気圧縮機11から吐出された原料空気の一部が低酸素側バイパス経路13Aを通じて低酸素混合部17Aへ供給される。また低酸素経路18及び低酸素側バイパス経路13Aには、流量調整弁18A,13AAがそれぞれ設置されている。これらの流量調整弁18A,13AAの開度によって低酸素混合部17Aへ供給される低酸素空気及び原料空気の流量をそれぞれ調整し、低酸素空気の酸素濃度を調整することができる。
図1に示すように、高酸素混合部17Bは、高酸素経路19により低酸素空気発生部12の出口15Cに接続されていると共に、高酸素側バイパス経路13Bにより原料空気経路13に接続されている。これにより、出口15Cから取り出された高酸素空気が高酸素経路19を通じて高酸素混合部17Bへ供給されると共に、空気圧縮機11から吐出された原料空気の一部が高酸素側バイパス経路13Bを通じて高酸素混合部17Bへ供給される。高酸素経路19及び高酸素側バイパス経路13Bには、流量調整弁19A,13BBがそれぞれ設置されている。これらの流量調整弁19A,13BBの開度によって高酸素混合部17Bへ供給される高酸素空気及び原料空気の流量をそれぞれ調整し、高酸素空気の酸素濃度を調整することができる。
図1に示すように、空気供給部10は、低酸素混合部17Aとトレーニング室100とを接続する低酸素空気供給経路21をさらに有している。低酸素混合部17Aにおいて酸素濃度が調整された低酸素空気は、低酸素空気供給経路21を通じてトレーニング室100内の空間100Aへ供給される。
また空気供給部10は、高酸素混合部17Bから流出した高酸素空気が流れる高酸素空気供給経路22をさらに有している。当該高酸素空気供給経路22は、例えばトレーニング室100やトレーニング室100内外に設置された高酸素マスク(図示しない)等に接続されている。
トレーニング室100に低酸素空気を供給する時は、高酸素空気は高酸素排気弁19AAを開くことにより排気される。一方、トレーニング室100に高酸素空気を供給する時は、低酸素空気は低酸素排気弁18AAを開くことにより排気される。しかしこれに限定されず、高酸素混合部17Bから流出した高酸素空気が常に排気されてもよい。
換気部20は、トレーニング室100内の空間100Aへ通常の酸素濃度の空気(外気)を取り入れて、当該空間100Aを換気するものである。本実施形態における換気部20は、ダンパーや換気扇等により構成されており、例えばトレーニング室100の壁や天井等に設けられている。
酸素濃度検知部30は、トレーニング室100内の酸素濃度を検知するセンサ(酸素濃度計)である。本実施形態における酸素濃度検知部30は、所定の時間間隔でトレーニング室100内の酸素濃度を検知し、その検知濃度に応じた信号を制御部40へ出力する。また当該信号は、酸素濃度表示計(図示しない)へも出力される。
制御部40は、低酸素環境形成装置1の各種動作を制御する機器、例えばコンピュータである。具体的には、制御部40は、空気圧縮機11の起動及び停止を切り替え、流量調整弁18A,13AA,19A,13BBの各開度を変更し、また換気部20を構成するダンパーの開度を変更する(又は換気部20を構成する換気扇の作動及び停止を切り替える)。
これにより、低酸素環境形成装置1の運転状態は、空気供給部10が作動する低酸素運転と、空気供給部10が停止し且つ換気部20が作動する一般運転と、空気供給部10及び換気部20が共に停止する運転停止との間で切り替わる。低酸素運転では、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度と酸素濃度設定値とに基づいて流量調整弁18A,13AAの開度が制御部40により制御され、トレーニング室100内の酸素濃度が当該酸素濃度設定値(通常の酸素濃度よりも低い値)に近づくように、所定の酸素濃度の低酸素空気がトレーニング室100内へ供給される。
一般運転では、空気供給部10によるトレーニング室100内への低酸素空気の供給が停止された状態で室内の換気が行われるため、トレーニング室100内の酸素濃度は通常の酸素濃度に近づく。また運転停止では、空気供給部10によるトレーニング室100内への低酸素空気の供給及びトレーニング室100内の換気がいずれも停止されるが、トレーニング室100の出入口等からの外気の侵入により、トレーニング室100内の酸素濃度は通常の酸素濃度に近づく。
<低酸素環境用警報システム>
次に、本実施形態に係る低酸素環境用警報システム2の構成を、図3に基づいて説明する。低酸素環境用警報システム2は、トレーニング室100内について酸素濃度の警報設定値を設定するシステムであり、コンピュータにより構成されている。図3に示すように、低酸素環境用警報システム2は、データ蓄積部41と、データ判定部42と、警報値変更部43と、警報発生部44と、警告発生部45とを主に備えている。データ蓄積部41は、メモリ等の記憶装置により構成されている。データ判定部42、警報値変更部43、警報発生部44及び警告発生部45は、上記低酸素環境用警報システム2を構成するコンピュータの中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)により実行される各機能である。
データ蓄積部41は、酸素濃度検知部30から出力される検知データを受信し、蓄積する。データ判定部42は、データ蓄積部41に蓄積された検知データ群を参照し、所定のタイミングで検知された酸素濃度と、当該所定のタイミングの1回前のタイミングで検知された酸素濃度との大小関係を判定する。
警報値変更部43は、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇するように低酸素環境形成装置1の運転状態が第1運転状態から第2運転状態へ切り替わる時に、トレーニング室100内についての酸素濃度の警報設定値を、第1運転状態の警報設定値から第2運転状態の警報設定値へ変更する間に、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度よりも小さい値として経時的に更新する。本実施形態では、警報値変更部43は、低酸素環境形成装置1の運転状態が低酸素運転(第1運転状態)から一般運転(第2運転状態)へ切り替わる時に、当該警報設定値を、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度よりも小さい値として経時的に更新する。
低酸素運転の警報設定値は、当該低酸素運転の酸素濃度設定値よりも小さい値として設定される。また一般運転の警報設定値は、低酸素運転の警報設定値よりも大きい値であり、例えば18%(体積%)である。また本実施形態における警報値変更部43は、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が一般運転の警報設定値(18%)を超えた時に、警報設定値の経時的な更新を停止すると共に一般運転の警報設定値を有効にする。
警報発生部44は、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が一般運転の警報設定値(18%)に到達する前において、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が所定の時間内維持され又は低下した時に警報を発生する。具体的には、データ判定部42による判定の結果、所定のタイミングで検知された酸素濃度が当該所定のタイミングの1回前のタイミング(前回のタイミング)で検知された酸素濃度と同じ又はそれよりも小さい場合に警報を発生する。
警告発生部45は、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が一般運転の警報設定値(18%)に到達する前において、警告を発生する(注意喚起を促す)。
以下、低酸素環境用警報システム2の動作の一例を、図4のフローチャートに従って説明する。本実施形態では、低酸素環境形成装置1の運転状態が低酸素運転から一般運転へ切り替わる場合を説明する。
はじめに、トレーニング室100内の酸素濃度が所定の酸素濃度設定値(例えば15%)になるように、低酸素運転が実行されている。この時、低酸素運転の警報設定値は、当該酸素濃度設定値よりも小さい値として設定されており、これが有効な状態となっている。
この状態で、まず、制御部40が空気圧縮機11を停止させると共に、換気部20を作動させる(ステップS10)。これにより、トレーニング室100内への低酸素空気の供給が停止し、当該トレーニング室100内の酸素濃度が換気によって通常の酸素濃度(約21%)に向かって上昇する。そして、空気圧縮機11の停止後も、酸素濃度検知部30はトレーニング室100内の酸素濃度を検知し(ステップS20)、その検知データがデータ蓄積部41(図3)に蓄積される。
次に、データ判定部42(図3)は、データ蓄積部41に蓄積された検知データを参照し、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇傾向にあるか否かについて判定する(ステップS30)。具体的には、データ判定部42は、上記ステップS20のタイミングで検知された酸素濃度と、当該タイミングの1回前のタイミングで検知された酸素濃度(空気圧縮機11の停止前に検知された酸素濃度)とを比較し、これらの大小関係を判定する。そして、前者が後者よりも大きい時は、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇傾向にあると判定され(ステップS30のYES)、それ以外の時(酸素濃度が変わらない時又は酸素濃度が低下する時)は、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇傾向にないと判定される(ステップS30のNO)。
上記ステップS30においてトレーニング室100内の酸素濃度が上昇傾向にないと判定された時は、警報発生部44(図3)が低酸素空気漏れの警報を発生する(ステップS40)。一方、上記ステップS30においてトレーニング室100内の酸素濃度が上昇傾向にあると判定された時は、警報値変更部43が、トレーニング室100内についての酸素濃度の警報設定値を、低酸素運転の警報設定値から上記ステップS20で酸素濃度検知部30により検知された酸素濃度よりも小さい値に更新する(ステップS50)。具体的には、警報値変更部43は、上記ステップS20で酸素濃度検知部30により検知された酸素濃度よりも小さい値を算出し、その算出値を警報設定値として有効化する。
そして、上記ステップS20〜S50による警報設定値の経時的な更新を、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が一般運転の警報設定値(18%)を超えるまで継続する。そして、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が一般運転の警報設定値を超えた時に(ステップS60のYES)、警報設定値の更新を停止すると共に一般運転の警報設定値を有効にする(ステップS70)。
また本実施形態では、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が一般運転の警報設定値に到達する前において、すなわち上記ステップS20〜S50の繰り返しによる警報設定値の更新を行っている間に、警告発生部45(図3)が警告を発生する(ステップS90)。具体的には、警告発生部45から警告表示部(図示しない)へ警告発生信号を送信し、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇中であるが一般運転の警報設定値よりも低い低酸素状態であることを注意喚起として知らせる。そして、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が一般運転の警報設定値に到達した後に、当該警告を解除する(ステップS80)。
以後、一般運転の警報設定値(18%)に基づいて、トレーニング室100内の酸素濃度を酸素濃度検知部30により継続的に監視する。そして、検知された酸素濃度が当該警報設定値を下回った時は、警報発生部44が低酸素空気漏れの警報を発生し、これと同時に外気導入をさらに行ってもよい。
以上の通り、本実施形態に係る低酸素環境用警報システム2によれば、低酸素環境形成装置1の運転状態が低酸素運転から一般運転へ切り替わる時に、トレーニング室100内についての酸素濃度の警報設定値が、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度よりも小さい値として経時的に更新されるため、トレーニング室100内の酸素濃度の上昇中に酸素濃度の検知値が警報設定値を下回るのを抑制することができる。したがって、低酸素運転から一般運転への切替と同時に当該警報設定値を低酸素運転の警報設定値から一般運転の警報設定値へ直ちに変更する場合と異なり、不必要な警報の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、換気部20の作動開始と共に低酸素空気の供給を停止する場合を説明したが、これに限定されない。外気の導入によりトレーニング室100内の酸素濃度が18%に到達した後に、当該トレーニング室100内への低酸素空気の供給が停止されてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る低酸素環境用警報システムの動作を、図5のフローチャートに従って説明する。上記実施形態1では、低酸素環境形成装置1の運転状態が低酸素運転から一般運転へ切り替わる時に酸素濃度の警報設定値を更新する場合を説明したが、実施形態2では低酸素運転において酸素濃度設定値を上げる時に警報設定値を更新する場合を説明する。以下、上記実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
まず、制御部40がトレーニング室100内の酸素濃度設定値を上げる(ステップS11)。本実施形態では、一例として、第1酸素濃度設定値(例えば15%)に基づいてトレーニング室100内の酸素濃度を制御する第1低酸素運転(第1運転状態)から、第1酸素濃度設定値よりも大きい第2酸素濃度設定値(例えば18%)に基づいてトレーニング室100内の酸素濃度を制御する第2低酸素運転(第2運転状態)へ、低酸素環境形成装置1の運転状態が切り替わる。これにより、制御部40によって流量調整弁18A(図1)の開度が減少し(又は流量調整弁13AAの開度が増加し)、トレーニング室100内の酸素濃度が時間と共に上昇する。
そして、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が第2低酸素運転の警報設定値を超えるまでの間、上記実施形態1と同様に警報設定値の更新が行われる(ステップS21,S31,S41,S51)。また本実施形態では、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が第2低酸素運転の警報設定値に到達する前において、すなわち上記ステップS21〜S51の繰り返しによる警報設定値の更新を行っている間に、警告発生部45(図3)が警告を発生する(ステップS91)。具体的には、警告発生部45から警告表示部(図示しない)へ警告発生信号を送信し、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇中であるが第2低酸素運転の警報設定値よりも低い低酸素状態であることを注意喚起として知らせる。
第2低酸素運転の警報設定値は、第2酸素濃度設定値よりも小さい値であり、且つ第1低酸素運転の警報設定値よりも大きい値である。またステップS41で警報を発生させた場合には、それと同時にトレーニング室100内への低酸素空気の供給を停止すると共に当該トレーニング室100内への外気導入(換気)を行ってもよい。そして、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が第2低酸素運転の警報設定値を超えた時に(ステップS61のYES)、上記実施形態1と同様に警報設定値の更新が停止され、第2低酸素運転の警報設定値が有効とされ(ステップS71)、警告発生部45による警告が解除される(ステップS81)。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る低酸素環境用警報システムについて説明する。実施形態3に係る低酸素環境用警報システムは基本的に上記実施形態2と同様であるが、警報値変更部43が、トレーニング室100内の酸素濃度が低下するように低酸素環境形成装置1が第1運転状態から第3運転状態へ切り替わる時に、第3運転状態の酸素濃度設定値よりも小さい警報設定値を算出し、警報設定値を第1運転状態の警報設定値から第3運転状態の警報設定値へ直接切り替える点で異なっている。
ここで、第1運転状態は、上記実施形態2と同様に、第1酸素濃度設定値(例えば15%)に基づいてトレーニング室100内の酸素濃度を制御する第1低酸素運転である。また第3運転状態は、第1酸素濃度設定値よりも小さい第3酸素濃度設定値(例えば13%)に基づいてトレーニング室100内の酸素濃度を制御する第3低酸素運転である。すなわち、本実施形態では、低酸素運転中に酸素濃度設定値を第1酸素濃度設定値から第3酸素濃度設定値へ下げる場合を説明する。
図6のフローチャートの通り、まず、制御部40がトレーニング室100内の酸素濃度設定値を第1酸素濃度設定値から第3酸素濃度設定値へ下げる(ステップS12)。これにより、制御部40によって流量調整弁18Aの開度が増加し(又は流量調整弁13AAの開度が減少し)、トレーニング室100内の酸素濃度が時間と共に低下する。
次に、第3低酸素運転の警報設定値を算出する(ステップS22)。具体的には、警報値変更部43が、第3酸素濃度設定値(例えば13%)よりも小さい値を警報設定値として算出する。その後、警報値変更部43が、酸素濃度の警報設定値を、第1低酸素運転の警報設定値から上記ステップS22で算出された第3低酸素運転の警報設定値へ直接切り替える(ステップS32)。
このように、トレーニング室100内の酸素濃度が低下するように低酸素環境形成装置1の運転状態が切り替わる場合には、酸素濃度の警報設定値を第1低酸素運転の警報設定値から第3低酸素運転の警報設定値へ直接切り替えても、不必要な警報の問題は生じない。このため、警報設定値を経時的に更新するための演算処理等も不要になる。
また本実施形態において、酸素濃度設定値の変更後にトレーニング室100内の酸素濃度が一定時間低下しない場合や酸素濃度が上昇する場合には、警報発生部44が低酸素機器異常の警報を発生する。この場合、警報発生と同時に低酸素機器(空気供給部10)が停止され、トレーニング室100内へ外気が導入される。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る低酸素環境用警報システムについて説明する。本実施形態に係る低酸素環境用警報システムは、基本的に上記実施形態1に係る低酸素環境用警報システム2と同様の構成を備えるものであるが、警報値変更部43の動作が異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
本実施形態における警報値変更部43(図3)は、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇するように低酸素環境形成装置1の運転状態が第1運転状態(運転停止)から第2運転状態(低酸素運転)へ切り替わる時に、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が第2運転状態の警報設定値を超えることに基づいて、第2運転状態の警報設定値をトレーニング室100内についての酸素濃度の警報設定値として有効にする。
一方、警告発生部45及び警報発生部44は、基本的に上記実施形態1と同様に機能する。すなわち、警告発生部45は、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇するように低酸素環境形成装置1の運転状態が第1運転状態(運転停止)から第2運転状態(低酸素運転)へ切り替わる時に、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が第2運転状態の警報設定値に到達するまでの間に警告を発生する。また警報発生部44は、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が第2運転状態の警報設定値に到達する前において、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が所定の時間内上昇しない時(変化しない時又は低下した時)に警報を発生する。
以下、本実施形態に係る低酸素環境用警報システムの動作を、図7のフローチャートに従って説明する。本実施形態では、低酸素環境形成装置1を運転停止(第1運転状態)から低酸素運転(第2運転状態)へ切り替える場合を説明する。より具体的には、運転停止中にトレーニング室100内の酸素濃度が通常の酸素濃度まで戻っておらず(例えば15%)、低酸素運転の酸素濃度設定値がその運転停止中のトレーニング室100内の酸素濃度よりも高い値(例えば18%)である場合を説明する。
まず、制御部40が空気圧縮機11を起動させる(ステップS13)。そして、制御部40により流量調整弁18A,13AAの開度が調整され、酸素濃度が調整された低酸素空気がトレーニング室100内へ供給される。これにより、トレーニング室100内の酸素濃度が、運転停止時の酸素濃度(例えば15%)から低酸素運転の酸素濃度設定値(例えば18%)に向かって上昇する。
次に、酸素濃度検知部30がトレーニング室100内の酸素濃度を検知し(ステップS23)、データ判定部42が、上記ステップS23のタイミングで検知された酸素濃度が低酸素運転の警報設定値以下であるか否かを判定する(ステップS33)。そして、当該酸素濃度が低酸素運転の警報設定値以下である場合には(ステップS33のYES)、警告発生部45による警告(注意喚起)を開始し、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇中であるが低酸素運転の警報設定値よりも低い低酸素状態であることを注意喚起する(ステップS43)。
酸素濃度検知部30は、トレーニング室100内の酸素濃度の上昇中に一定の時間間隔で酸素濃度を検知し(ステップS53)、その検知データがデータ蓄積部41(図3)に蓄積される。そして、データ判定部42は、データ蓄積部41に蓄積された検知データを参照し、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇傾向にあるか否かを判定する(ステップS63)。具体的には、データ判定部42は、上記ステップS53のタイミングで検知された酸素濃度と上記ステップS23のタイミングで検知された酸素濃度とを比較し、これらの大小関係を判定する。そして、前者が後者よりも大きい時は、酸素濃度が上昇傾向にあると判定され(ステップS63のYES)、それ以外の時(酸素濃度が変化しない時又は酸素濃度が低下する時)は、酸素濃度が上昇傾向にないと判定される(ステップS63のNO)。
上記ステップS63において酸素濃度が上昇傾向にないと判定された時は、警報発生部44が警報を発生する(ステップS73)。この時、異常時対応として、トレーニング室100内への低酸素空気の供給を停止し、換気部20によりトレーニング室100内へ外気を導入してもよい。一方、上記ステップS63において酸素濃度が上昇傾向にあると判定された時は、警報は発生せず、警告のみ継続して発生する。
上記ステップS53,S63,S83により酸素濃度の時間変化を監視し、これを、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が低酸素運転の警報設定値を超えるまで継続する。ここで、低酸素運転の警報設定値は、低酸素運転の酸素濃度設定値(例えば18%)よりも小さい値として設定される。そして、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が低酸素運転の警報設定値を超えた時に(ステップS83のYES)、低酸素運転の警報設定値を有効化し(ステップS93)、その後警告発生部45による警告を解除する(ステップS103)。以後、低酸素運転の警報設定値に基づく通常の酸素濃度監視体制に入る。
また上記ステップS23のタイミングで検知された酸素濃度が低酸素運転の警報設定値を超えている場合には(ステップS33のNO)、当該低酸素運転の警報設定値を有効化し(ステップS113)、その後当該警報設定値に基づく通常の酸素濃度監視体制に入る。
以上の通り、本実施形態に係る低酸素環境用警報システムによれば、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇するように低酸素環境形成装置1が運転停止から低酸素運転へ切り替わる時に、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が低酸素運転の警報設定値を超えることに基づいて、当該低酸素運転の警報設定値をトレーニング室100内の酸素濃度の警報設定値として有効にする。このため、低酸素環境形成装置1の運転状態の切替と同時に低酸素運転の警報設定値を直ちに有効化する場合と異なり、トレーニング室100内の酸素濃度の上昇中に酸素濃度の検知値が警報設定値を下回るのを抑制することができる。したがって、低酸素環境形成装置1の運転状態の切替時における不必要な警報の発生を抑制することができる。しかも、酸素濃度検知部30により検知される酸素濃度が低酸素運転の警報設定値に到達するまでの間に警告を発生することにより、トレーニング室100内の酸素濃度が上昇中であって低酸素運転の警報設定値に満たない状態であることを確実に知らせることができる。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5に係る低酸素環境用警報システムについて説明する。実施形態5に係る低酸素環境用警報システムは基本的に上記実施形態4と同様であるが、警報値変更部43が、トレーニング室100内の酸素濃度が低下するように低酸素環境形成装置1が第1運転状態から第3運転状態へ切り替わる時に、第3運転状態の酸素濃度設定値よりも小さい警報設定値を算出し、第1運転状態の警報設定値から第3運転状態の警報設定値へ直接切り替える点で異なっている。
ここで、第1運転状態は、上記実施形態4と同様に、運転停止中であってトレーニング室100内の酸素濃度が通常の酸素濃度まで戻っていない状態である(例えば15%)。また第3運転状態は、当該運転停止中のトレーニング室100内の酸素濃度よりも小さい酸素濃度設定値(例えば13%)に基づいてトレーニング室100内の酸素濃度を制御する低酸素運転である。
図8のフローチャートの通り、まず、制御部40が空気圧縮機11を起動させる(ステップS14)。そして、制御部40により流量調整弁18A,13AAの開度が調整され、酸素濃度が調整された低酸素空気がトレーニング室100内へ供給される。これにより、トレーニング室100内の酸素濃度が、運転停止中の酸素濃度(例えば15%)から低酸素運転の酸素濃度設定値(例えば13%)に向かって低下する。
次に、警報値変更部43が低酸素運転の警報設定値を算出する(ステップS24)。具体的には、警報値変更部43が、酸素濃度設定値(例えば13%)よりも小さい値を警報設定値として算出する。その後、警報値変更部43が、運転停止時の警報設定値(例えば18%)から上記ステップS24で算出された低酸素運転の警報設定値へ直接切り替える(ステップS34)。以後、低酸素運転の警報設定値に基づいてトレーニング室100内の酸素濃度を監視しつつ低酸素運転が行われる。
(その他実施形態)
ここで、本発明のその他実施形態を説明する。
上記実施形態1では、低酸素運転から一般運転へ切り替わる場合を説明したが、低酸素運転から運転停止へ切り替わる場合、運転停止から一般運転へ切り替わる場合、一般運転から運転停止へ切り替わる場合及び一般運転を継続する場合においても、同様に警報設定値の経時的な更新が行われてもよい。
上記実施形態4では、運転停止から低酸素運転へ切り替わる場合を説明したが、一般運転から低酸素運転へ切り替わる場合に同様の制御が行われてもよい。
上記実施形態1において、警告発生部45が省略されてもよい。
上記実施形態1では、トレーニング室100内へ低酸素空気を供給する場合を説明したが、例えば試験室等、トレーニング室100以外の他の対象室内へ低酸素空気を供給する場合にも本発明を適用することができる。
上記実施形態1では、膜分離方式によって低酸素空気A1を発生させる場合を説明したが、他の方式によって低酸素空気A1を発生させてもよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 低酸素環境形成装置
2 低酸素環境用警報システム
10 空気供給部
30 酸素濃度検知部
43 警報値変更部
44 警報発生部
45 警告発生部
100 トレーニング室

Claims (8)

  1. 室内へ低酸素空気を供給する空気供給部と、前記室内の酸素濃度を検知する酸素濃度検知部とを備えた低酸素環境形成装置の前記空気供給部から前記低酸素空気が供給される前記室内について、酸素濃度の警報設定値を設定する低酸素環境用警報システムであって、
    前記室内の酸素濃度が上昇するように前記低酸素環境形成装置の運転状態が第1運転状態から第2運転状態へ切り替わる時に、前記酸素濃度の警報設定値を、前記第1運転状態の警報設定値から前記第2運転状態の警報設定値へ変更する間に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度よりも小さい値として経時的に更新する警報値変更部を備えた、低酸素環境用警報システム。
  2. 前記警報値変更部は、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値を超えた時に、前記酸素濃度の警報設定値の経時的な更新を停止すると共に前記第2運転状態の警報設定値を有効にする、請求項1に記載の低酸素環境用警報システム。
  3. 前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値に到達する前において、警告を発生する警告発生部をさらに備えた、請求項1又は2に記載の低酸素環境用警報システム。
  4. 室内へ低酸素空気を供給する空気供給部と、前記室内の酸素濃度を検知する酸素濃度検知部とを備えた低酸素環境形成装置の前記空気供給部から前記低酸素空気が供給される前記室内について、酸素濃度の警報設定値を設定する低酸素環境用警報システムであって、
    前記室内の酸素濃度が上昇するように前記低酸素環境形成装置の運転状態が第1運転状態から第2運転状態へ切り替わる時に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値に到達するまでの間に警告を発生する警告発生部と、
    前記低酸素環境形成装置の運転状態が前記第1運転状態から前記第2運転状態へ切り替わる時に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値を超えることに基づいて、前記第2運転状態の警報設定値を前記酸素濃度の警報設定値として有効にする警報値変更部と、を備えた、低酸素環境用警報システム。
  5. 前記警告発生部は、前記空気供給部から前記室内への前記低酸素空気の供給が停止する前記第2運転状態へ前記低酸素環境形成装置の運転状態が切り替わる時に、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が予め定められた前記第2運転状態の警報設定値に到達する前において警告を発生する、請求項3又は4に記載の低酸素環境用警報システム。
  6. 前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が前記第2運転状態の警報設定値に到達する前において、前記酸素濃度検知部により検知される酸素濃度が所定の時間内上昇しない時に警報を発生する警報発生部をさらに備えた、請求項1〜5のいずれか1項に記載の低酸素環境用警報システム。
  7. 前記警報値変更部は、前記室内の酸素濃度が低下するように前記低酸素環境形成装置が前記第1運転状態から第3運転状態へ切り替わる時に、前記第3運転状態の酸素濃度設定値よりも小さい警報設定値を算出し、前記酸素濃度の警報設定値を前記第1運転状態の警報設定値から前記第3運転状態の警報設定値へ直接切り替える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の低酸素環境用警報システム。
  8. 室内へ低酸素空気を供給する空気供給部と、
    前記室内の酸素濃度を検知する酸素濃度検知部と、
    前記室内について酸素濃度の警報設定値を設定する請求項1〜7のいずれか1項に記載の低酸素環境用警報システムと、を備えた、低酸素環境形成装置。
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