JP2004177038A - 室圧制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対象室1に対する給気量と排気量との収支を調整して対象室1の室圧pを目標室圧psに調整する室圧制御手段6B,9A,9Bを備える室圧制御システムにおいて、室圧制御手段6B,9A,9BでのハンチングHの発生を検出して、そのハンチング発生時に室圧制御手段6B,9A,9Bの動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するシステム保全手段11を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は室圧制御システムに関し、詳しくは、対象室に対する給気量と排気量との収支を調整して対象室の室圧を目標室圧に調整する室圧制御手段を備える室圧制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の室圧制御システムでは、対象室に通じる風路(ダクト)の外部開口に作用する屋外風圧の変動の影響や、隣接する対象室間のドアの開閉の影響など、何らかの原因で室圧制御手段にハンチングが生じて、対象室の室圧や対象室に通じる風路の風路圧が通常時の安定値(制御目標値の近傍)を中心に大きな振幅で振動的に変動する圧力異常振動が発生することがあるが、このハンチングは隣接する対象室間の室圧逆転を招いて室内汚染を招く原因になるなど、システムの運転上で種々の障害の要因になることから、従来、この種のハンチングの発生時には、システム管理者が人為操作によりシステムの各部を調整してハンチングを抑止することで、あるいはまた、人為操作によりシステムの運転を緊急停止することで、システムの保全を図るようにしていた(適当な先行技術文献がない)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、室圧制御手段のハンチングは発生原因が多様で発生時期が全く不明であり、また、このハンチングを人為操作によるシステム各部の調整により抑止するには技量と手間を要し、このため従来、この種のシステムではシステム管理者の負担が大きい問題があった。
【0004】
また、システムの各部を調整してハンチングを抑止するのに手間取ったり、巧く抑止することができない為に、ハンチングによる種々の障害を回避できずに招いてしまうこともあり、ハンチング発生時にシステムの運転を緊急停止するにしても、その緊急停止によって対象室での生産作業などに支障を来たす問題があった。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的なシステム構成を採ることにより、上記問題を効果的に解消する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1に係る発明は室圧制御システムに係り、その特徴は、
対象室に対する給気量と排気量との収支を調整して対象室の室圧を目標室圧に調整する室圧制御手段を備える室圧制御システムにおいて、
前記室圧制御手段でのハンチングの発生を検出して、そのハンチング発生時に前記室圧制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するシステム保全手段を設けてある点にある。
【0007】
つまり、室圧制御手段のハンチングは一種の共振現象であるから、ハンチングの発生時には室圧制御手段の動作特性をその時の特性から変更して共振条件の成立領域から外してやれば、そのハンチングを効果的に抑止することができる。
【0008】
そして、上記構成によれば、システム保全手段が室圧制御手段でのハンチングの発生を検出して、その検出に基づき、ハンチングの発生時に同システム保全手段が室圧制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更することから、発生したハンチングを自動的に抑止することができ、これにより、従前に比べ、システム管理者の負担を大幅に軽減し得るとともに、室圧制御手段のハンチングによるシステム運転上の種々の障害を効果的に回避でき、また、システムの緊急停止のために対象室での生産作業などに支障を来たすといったことも効果的に回避することができる。
【0009】
なお、請求項1に係る発明の実施において、室圧制御手段の動作特性を変更するのに、具体的な変更対象は、例えば室圧制御手段で採用するPID制御の各種係数、あるいは、室圧制御手段によるダンパ開度調整やファン出力調整における調整速度など、室圧制御手段の動作特性を変化させ得るもので、その動作特性の変化により室圧制御手段のハンチングを抑制し得るものであれば、どのようなものであってもよい。
【0010】
〔2〕請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記動作特性を特定する特性データを書き換え操作の可能な状態で格納する格納手段を設け、
前記システム保全手段を、前記格納手段に格納された特性データに基づき、前記ハンチング発生時に前記室圧制御手段の動作特性を現行の特性から、前記格納手段に格納された特性データにより特定される特性へ変更する構成にしてある点にある。
【0011】
つまり、この構成によれば、室圧制御手段のハンチングを抑止するのに有効なハンチング抑止用の動作特性を予め検証して、そのハンチング抑止用の特性を特定する特性データを格納手段に書き込み格納しておけば、室圧制御手段でのハンチングの発生時において、システム保全手段による前述の特性変更により室圧制御手段の動作特性が、それまでの特性から格納手段に格納の特性データにより特定される特性(すなわち、上記ハンチング抑止用の特性)へ変更されるから、例えば、ハンチング発生時のシステム保全手段による特性変更において、ハンチングの抑止に有効な特性を順次模索しながら特性変更を実施する形態を採るに比べ、室圧制御手段で発生したハンチングを一層迅速かつ確実に抑止することができる。
【0012】
〔3〕請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
最新のシステム状態を示すシステム状態データを最古記録データへ上書きする形態で逐次書き込み記録するエンドレス記憶手段を設け、
前記システム保全手段を、前記ハンチング発生時に前記エンドレス記憶手段による新たなシステム状態データの書き込み記録を停止する構成にしてある点にある。
【0013】
つまり、この構成によれば、室圧制御手段でのハンチングの発生時に、上記エンドレス記憶手段による新たなシステム状態データの書き込み記録がシステム保全手段により停止されることで、その停止によりエンドレス記憶手段に残された最近一定時間の記録データに基づき、ハンチングの発生に至るまでのシステム状態の推移を検討してハンチングの発生原因を的確に究明することができ、そして、その発生原因の究明により室圧制御手段におけるハンチングの再発防止を適切に図ることができる。
【0014】
そしてまた、最新のシステム状態を示すシステム状態データを最古記録データへ上書きする形態で逐次書き込み記録するエンドレス記憶手段を採用することにより、新たなシステム状態データを常に追加書き込みする形態で逐次書き込み記録する方式の記憶手段を用いるに比べ、採用の記憶手段を小さな記録容量のもので済ませながらシステムの継続運転に対応することができ、その分、システムコストを安価にするとともに、システム構成機器を小型化することができる。
【0015】
〔4〕請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記室圧制御手段を構成するのに、複数の前記対象室を給気側又は排気側の主風路に対し分岐風路を介し並列に接続して、それら分岐風路の夫々にダンパを介装するとともに、
前記対象室の検出室圧と目標室圧との偏差に応じ前記ダンパの開度を個別に調整して前記対象室の室圧を個別に目標室圧に調整するダンパ制御手段を前記対象室の夫々に装備し、
前記システム保全手段として、前記ダンパ制御手段でのハンチングの発生を個別に検出してハンチング発生時にそのダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ個別に変更する個別保全手段を、前記ダンパ制御手段の夫々に装備してある点にある。
【0016】
つまり、この構成では、いずれかのダンパ制御手段でハンチングが生じたとき、そのダンパ制御手段に装備の個別保全手段が、ハンチングを生じたダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更して、そのダンパ制御手段のハンチングを抑止することにより、複数のダンパ制御手段の全てが相互干渉で波及的にハンチング状態に至ってしまうこと(すなわち、室圧制御手段の全体がハンチング状態になること)を防止することができ、これにより、室圧制御手段のハンチングによるシステム運転上の種々の障害を効果的に回避することができる。
【0017】
そしてまた、上記構成によれば、ハンチング発生の検出、及び、動作特性の変更を各ダンパ制御手段について個別に行う個別保全手段を複数のダンパ制御手段の夫々に装備してシステム保全手段を構成するから、例えば、一つのダンパ制御手段で発生したハンチングの検出情報をシステム保全手段の中央部に伝送して、その検出情報に基づき中央部からの操作信号で複数のダンパ制御手段夫々の動作特性を変更するといった形式を採るに比べ、システムに付帯装備する通信手段を簡素にすることができ、その分、システムの構築を容易にすることができて、システムコストも安価にすることができる。
【0018】
〔5〕請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記室圧制御手段を構成するのに、前記対象室に対する給気側又は排気側の接続風路にファンとダンパを直列に介装するとともに、
前記対象室の検出室圧と目標室圧との偏差に応じ前記ダンパの開度を調整して前記対象室の室圧を目標室圧に調整するダンパ制御手段、及び、前記接続風路の検出風路圧と目標風路圧との偏差に応じ前記ファンの出力を調整して前記接続風路の風路圧を目標風路圧に調整するファン制御手段を設け、
前記システム保全手段として、前記ダンパ制御手段でのハンチングの発生を検出してハンチング発生時に前記ダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するダンパ制御側の個別保全手段、及び、前記ファン制御手段でのハンチングの発生を検出してハンチング発生時に前記ファン制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するファン制御側の個別保全手段を、前記ダンパ制御手段及び前記ファン制御手段の夫々に対して個別に装備してある点にある。
【0019】
つまり、この構成では、ダンパ制御手段でハンチングが生じたとき、そのダンパ制御手段に装備のダンパ制御側の個別保全手段がダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更して、ダンパ制御手段のハンチングを抑止することにより、また、ファン制御手段でハンチングが生じたときには、そのファン制御手段に装備のファン制御側の個別保全手段がファン制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更して、ファン制御手段のハンチングを抑止することにより、ダンパ制御手段(請求項4に係る発明の並行実施では複数のダンパ制御手段)とファン制御手段との両方が相互干渉で波及的にハンチング状態に至ってしまうこと(すなわち、室圧制御手段の全体がハンチング状態に至ること)を防止することができ、これにより、室圧制御手段のハンチングによるシステム運転上の種々の障害を効果的に回避できる。
【0020】
そしてまた、上記構成によれば、請求項4に係る発明と同様、ハンチング発生の検出、及び、動作特性の変更をダンパ制御手段とファン制御手段とについて個別に行うダンパ制御側及びファン制御側の個別保全手段をダンパ制御手段とファン制御手段との夫々に装備してシステム保全手段を構成するから、例えば、ダンパ制御手段ないしファン制御手段で発生したハンチングの検出情報をシステム保全手段の中央部に伝送して、その検出情報に基づき中央部からの操作信号でダンパ制御手段及びファン制御手段の動作特性を変更するといった形式を採るに比べ、システムに付帯装備する通信手段を簡素にすることができ、その分、システムの構築を容易にすることができて、システムコストも安価にすることができる。
【0021】
〔6〕請求項6に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記室圧制御手段を構成するのに、複数の前記対象室を給気側又は排気側の主風路に対し分岐風路を介し並列に接続して、それら分岐風路の夫々にダンパを介装するとともに、
前記対象室の検出室圧と目標室圧との偏差に応じ前記ダンパの開度を個別に調整して前記対象室の室圧を個別に目標室圧に調整するダンパ制御手段を前記対象室の夫々に装備し、
前記システム保全手段を、前記ダンパ制御手段の夫々でのハンチングの発生を検出してハンチング発生時にそれらダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ一括に変更する構成にしてある点にある。
【0022】
つまり、この構成によれば、いずれかのダンパ制御手段でハンチングが生じたとき、システム保全手段が、未だハンチングの発生に至っていないダンパ制御手段も含め複数のダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ一括に変更するから、それら複数のダンパ制御手段の全てが相互干渉で波及的にハンチング状態に至ってしまうこと(室圧制御手段の全体がハンチング状態に至ること)を極めて効果的に防止することができ、これにより、室圧制御手段のハンチングによるシステム運転上の種々の障害を一層効果的に回避することができる。
【0023】
〔7〕請求項7に係る発明は、請求項1〜3又は6のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記室圧制御手段を構成するのに、前記対象室に対する給気側又は排気側の接続風路にファンとダンパを直列に介装するとともに、
前記対象室の検出室圧と目標室圧との偏差に応じ前記ダンパの開度を調整して前記対象室の室圧を目標室圧に調整するダンパ制御手段、及び、前記接続風路の検出風路圧と目標風路圧との偏差に応じ前記ファンの出力を調整して前記接続風路の風路圧を目標風路圧に調整するファン制御手段を設け、
前記システム保全手段を、前記ダンパ制御手段及び前記ファン制御手段の夫々でのハンチングの発生を検出してハンチング発生時にそれらダンパ制御手段及びファン制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ一括に変更する構成にしてある点にある。
【0024】
つまり、この構成によれば、ダンパ制御手段でハンチングが生じたとき、システム保全手段が、未だハンチングの発生に至っていないファン制御手段も含めダンパ制御手段とファン制御手段との両方の動作特性を現行の特性から別の特性へ一括に変更し、また、ファン制御手段でハンチングが生じたときにも、システム保全手段が、未だハンチングの発生に至っていないダンパ制御手段も含めダンパ制御手段とファン制御手段との両方の制御動作特性を現行の特性から別の特性へ一括に変更するから、それらダンパ制御手段(請求項6に係る発明の並行実施では複数のダンパ制御手段)とファン制御手段との両方が相互干渉で波及的にハンチング状態に至ってしまうこと(室圧制御手段の全体が制御ハンチング状態に至ること)を極めて効果的に防止することができ、これにより、室圧制御手段のハンチングによるシステム運転上の種々の障害を一層効果的に回避することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は複数の対象室1に対する空調システムを示し、2は給気ファンFsを介装した給気側主風路、3は排気ファンFrを介装した排気側主風路であり、各対象室1は給気側分岐風路2aを介して給気側主風路2に対し並列に接続するとともに、排気側分岐風路3aを介して排気側主風路3に対し同じく並列に接続してある。また、4は対象室1への供給空気を温湿度調整する空調機である。
【0026】
Vsは給気側分岐風路2aの夫々に介装した給気側ダンパ、5は給気側分岐風路2aの通風量qsを検出する通風量センサ、6Aは給気側ダンパVsを制御する給気側ダンパ制御器であり、これら給気側ダンパ制御器6Aは、通風量センサ5による検出通風量qsと中央制御器CCから指定される目標通風量qssとの偏差Δqsに応じ給気側ダンパVsの開度を個別に調整して各給気側分岐風路2aの通風量qs(すなわち、各対象室1の換気風量)を個別に目標通風量qssに調整する給気側ダンパ制御を実行する。
【0027】
Vrは排気側分岐風路3aの夫々に介装した排気側ダンパ、7は対象室1の室圧p(具体的には基準圧力と室内圧力との差圧)を検出する室圧センサ、6Bは排気側ダンパVrを制御する排気側ダンパ制御器であり、これら排気側ダンパ制御器6Bは、室圧センサ7による検出室圧pと中央制御器CCから指定される目標室圧psとの偏差Δpに応じ排気側ダンパVrの開度を個別に調整して各対象室1の室圧pを個別に目標室圧psに調整する排気側ダンパ制御を実行する。
【0028】
8aは給気側主風路2の風路圧fsを検出する給気側圧力センサ、9Aは給気ファンFsを制御する給気側ファン制御器であり、この給気側ファン制御器9Aは、給気側圧力センサ8aによる検出風路圧fsと中央制御器CCから指定される給気側目標風路圧fssとの偏差Δfsに応じインバータ制御により給気ファンFsの出力を調整して給気側主風路2の風路圧fsを給気側目標風路圧fssに調整する給気側ファン制御を実行する。
【0029】
8bは排気側主風路3の風路圧frを検出する排気側圧力センサ、9Bは排気ファンFrを制御する排気側ファン制御器であり、この排気側ファン制御器9Bは、排気側圧力センサ8bによる検出風路圧frと中央制御器CCから指定される排気側目標風路圧frsとの偏差Δfrに応じインバータ制御により排気ファンFrの出力を調整して排気側主風路3の風路圧frを排気側目標風路圧frsに調整する排気側ファン制御を実行する。
【0030】
10A,10Bは中央制御器CCにおける給気側及び排気側の風路圧調整部であり、給気側の風路圧調整部10Aは、給気側ダンパ制御器6Aによる前記の給気側ダンパ制御において給気側ダンパVsが所定の適正開度状態(本実施形態では図2に示す如く上下限値x1,x2ともに中間開度値に設定してある給気側の目標中間開度範囲Xの範囲内に全ての給気側ダンパVsの開度a1〜a3が入っている状態)になるように、給気側ダンパVs夫々の検出開度a1〜a3に応じ給気側目標風路圧fssを変更する給気側の風路圧調整制御を実行する。
【0031】
また、排気側の風路圧調整部10Bは、給気側と同様、排気側ダンパ制御器6Bによる前記の排気側ダンパ制御において排気側ダンパVrが所定の適正開度状態(本実施形態では同図2に示す如く上下限値y1,y2ともに中間開度値に設定してある排気側の目標中間開度範囲Yの範囲内に全ての排気側ダンパVrの開度b1〜b3が入っている状態)になるように、排気側ダンパVr夫々の検出開度b1〜b3に応じ排気側目標風路圧frsを変更する排気側の風路圧調整制御を実行する。
【0032】
つまり、本実施形態では、給気側分岐風路2aの通風量qsを調整する給気側ダンパ制御の実施下において、上記の如き給気側の風路圧調整制御及び給気側ファン制御により給気側ダンパVsの開度a1〜a3が全て給気側の目標中間開度範囲X(ダンパ特性上で風量調整機能に優れた開度範囲)に入るようにすることで、その給気側ダンパ制御による通風量調整(対象室1に対する換気風量調整)を感度面及び精度面で良好に行なえるようにする。
【0033】
また同様に、対象室1の室圧pを調整する排気側ダンパ制御の実施下において、上記の如き排気側の風路圧調整制御及び排気側ファン制御により排気側ダンパVrの開度b1〜b3が全て排気側の目標中間開度範囲Y(ダンパ特性上で室圧調整機能に優れた開度範囲)に入るようにすることで、その排気側ダンパ制御による室圧調整を感度面及び精度面で良好に行なえるようにする。
【0034】
給気側の風路圧調整制御において給気側の風路圧調整部10Aは、具体的には、給気側ダンパVsの検出開度a1〜a3のうち最大のものが給気側の目標中間開度範囲Xを大開度側に逸脱しているとき給気側目標風路圧fssを上昇側に変更し、給気側ダンパVsの検出開度a1〜a3のうち最小のものが給気側の目標中間開度範囲Xを小開度側に逸脱しているとき給気側目標風路圧fssを低下側に変更し、給気側ダンパVsの検出開度a1〜a3が全て給気側の目標中間開度範囲Xの範囲内にあるとき(図2に示す状態)には給気側目標風路圧fssを現状値に維持する。
【0035】
すなわち、給気側ダンパVsの検出開度a1〜a3のうち最大のものが給気側の目標中間開度範囲Xを大開度側に逸脱しているときは、給気側目標風路圧fssを上昇側へ変更することにより、給気側ファン制御上で給気ファンFsの出力を上昇側に調整させて、この上昇側へのファン出力調整に対し給気側ダンパ制御上で給気側ダンパVsの夫々が閉じ側に開度調整されるようにし、また逆に、給気側ダンパVsの検出開度a1〜a3のうち最小のものが給気側の目標中間開度範囲Xを小開度側に逸脱しているときは、給気側目標風路圧fssを低下側へ変更することにより、給気側ファン制御上で給気ファンFsの出力を低下側に調整させて、この低下側へのファン出力調整に対し給気側ダンパ制御上で給気側ダンパVsの夫々が開き側に開度調整されるようにし、これにより、給気側ダンパVsの開度a1〜a3が全て給気側の目標中間開度範囲Xに入るように(すなわち、給気側ダンパVsが適正開度状態になるように)する。
【0036】
一方、排気側の風路圧調整制御において排気側の風路圧調整部10Bは、具体的には、排気側ダンパVrの検出開度b1〜b3のうち最大のものが排気側の目標中間開度範囲Yを大開度側に逸脱しているとき排気側目標風路圧frsを低下側に変更し、排気側ダンパVrの検出開度b1〜b3のうち最小のものが排気側の目標中間開度範囲Yを小開度側に逸脱しているとき排気側目標風路圧frsを上昇側に変更し、排気側ダンパVrの検出開度b1〜b3が全て排気側の目標中間開度範囲Yの範囲内にあるとき(図2に示す状態)には排気側目標風路圧frsを現状値に維持する。
【0037】
すなわち、排気側ダンパVrの検出開度b1〜b3のうち最大のものが排気側の目標中間開度範囲Yを大開度側に逸脱しているときは、排気側目標風路圧frsを低下側へ変更することにより、排気側ファン制御上で排気ファンFrの出力を上昇側に調整させて、この上昇側へのファン出力調整に対し排気側ダンパ制御上で排気側ダンパVrの夫々が閉じ側に開度調整されるようにし、また逆に、排気側ダンパVrの検出開度b1〜b3のうち最小のものが排気側の目標中間開度範囲Yを小開度側に逸脱しているときは、排気側目標風路圧frsを上昇側へ変更することにより、排気側ファン制御上で排気ファンFrの出力を低下側に調整させて、この低下側へのファン出力調整に対し排気側ダンパ制御上で排気側ダンパVrの夫々が開き側に開度調整されるようにし、これにより、排気側ダンパVrの開度b1〜b3が全て排気側の目標中間開度範囲Yに入るように(すなわち、排気側ダンパVrが適正開度状態になるように)する。
【0038】
図1及び図3に示す如く、排気側のダンパ制御器6B、並びに、給気側及び排気側のファン制御器9A,9Bの夫々には、それらの調整対象である状態値X(排気側ダンパ制御器6Bについては室圧p、給気側ファン制御器9Aについては給気側主風路2の風路圧fs、排気側ファン制御器9Bについては排気側主風路3の風路圧fr)が図4に示す如く正常時の安定値gs′を中心に大きな振幅で振動的に変動するハンチングHの発生が各制御器6B,9A,9B(すなわち、圧力系のローカル制御器)においてあったとき、そのハンチングHの発生を個別に検出するとともに、その検出に基づいてハンチング発生時にハンチング抑止処理を個別に実行するダンパ制御側及びファン制御側の個別保全部11を装備してあり、また、中央制御器CCには、それら圧力系のローカル制御器6B,9A,9BのいずれかにおいてハンチングHの発生が検出されたとき、ハンチングが発生した制御器6B,9A,9Bにおける個別保全部11からの信号hを受けて警報を発するとともに、データ保存処理を実行する中央保全部12を装備してある。
【0039】
そして、ダンパ制御側及びファン制御側の個別保全部11の夫々は、具体的には、対応する圧力系ローカル制御器6B,9A,9BでのハンチングHの発生を次の(イ)〜(ハ)の判定処理により検出するとともに、ハンチング抑止処理として次の(ニ)の処理を実行する構成にしてある(図4,図5参照)
【0040】
(イ)対応センサS(排気側ダンパ制御器6Bについては室圧センサ7、給気側ファン制御器9Aについては給気側圧力センサ8a,排気側ファン制御器9Bについては排気側圧力センサ8b)による対象状態値Xの測定において、その測定値g(検出室圧p、検出風路圧fs,fr)の最近設定時間T内における平均値Σg/T(いわゆる時間移動平均)を逐次演算し、その演算した測定値gについての平均値Σg/Tを各時点における対象状態値Xの安定値gs′(=Σg/T)とする。
【0041】
(ロ)各時点における上記測定値gと安定値gs′との偏差Δgの大きさを示す値として、その偏差Δgの絶対値│Δg│(=│g−gs′│)を逐次演算するとともに、その絶対値│Δg│の最近設定時間内T′内における平均値Σ│Δg│/T′(時間移動平均)を逐次演算し、その演算した絶対値│Δg│についての平均値Σ│Δg│/T′を各時点における判定用値K(=Σ│Δg│/T′)とする。
【0042】
(ハ)各時点において、その時の判定用値K(正値)と設定閾値Ks(正値)とを大小比較し、その比較結果として判定用値Kが設定閾値Ksよりも大きい状態(K>Ks)が設定閾時間Tsにわたって継続したとき、対応の圧力系ローカル制御器6B,9A,9BにおいてハンチングHが発生したと判定し、中央制御器CCのハンチング対応部12に対し検出信号hを発信する。
【0043】
(ニ)また、上記の如くハンチングHであると判定したとき、ハンチング抑止処理として、対応の圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bにおける制御係数を、それまで採用していた通常時用の制御係数から格納部rに予め書き込み格納してあるハンチング抑止用の制御係数に切り換え、これにより、対応する圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bの動作特性をそれまでの特性から別の特性へ変更してハンチングHの抑止を図る。
【0044】
一方、中央制御器CCにおける中央保全部12は、上記検出信号hを受信すると、警報を発するとともに、データ保存処理として次の(ホ)の処理を実行する構成にしてある。
【0045】
(ホ)中央制御器CCに装備したエンドレス記憶手段13が、給気側及び排気側のダンパ制御器6A,6Bやファン制御器9A,9Bから送信される最新のシステム状態データD(具体的には、検出通風量qs,検出室圧p、ダンパ開度a1〜a3,b1〜b3,検出風路圧fs,frなど)を最古記録データへの上書き形態で逐次書き込み記録するデータ記録処理を継続して実行しているのに対し、いずれかの圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bにおける個別保全部11から上記の検出信号hを受けると、エンドレス記憶手段13による新たなシステム状態データDの書き込み記録を停止し、その時点でエンドレス記憶手段13に記録されている最近一定時間のシステム状態データD(すなわち、ハンチングHの発生過程を示すシステム状態データ)を保存する。
【0046】
つまり、給気側主風路2や排気側主風路3の外部開口に作用する屋外風圧の変動の影響や、隣接する対象室間のドアの開閉の影響など、何らかの外乱要因により、いずれかの圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bが実施する制御(すなわち、測定値gに基づき状態値Xを目標値gs(ps,fss,frs)に調整する制御)において前記のハンチングHが発生すると、相互干渉により、それら制御器6B,9A,9Bが実施する全ての制御についてハンチングHが波及的に発生し、この為に、各対象室1の室圧pを目標室圧psに調整することはもとより、各対象室1の室圧上下関係を室内清浄度維持などのために要求される最低限の必要関係に保つことさえ難しくなる事態を招く虞があるが、本実施形態の空調システムでは、圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bの夫々に装備したダンパ制御側ないしファン制御側の個別保全部11により、各圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bが実施する制御において、ハンチングHの発生を個別に検出するとともに、その検出時に上記のハンチング抑止処理を個別に実行することで、それら圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bが実施する全ての制御についてハンチングHが波及的に発生する事態に至るのを未然に防止するようにしてある。
【0047】
また、いずれかの圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bが実施する制御においてハンチングHの発生が検出されたとき、中央制御器CCにおけるエンドレス記憶手段13への新たなシステム状態データDの書き込み記録を停止して、その時点でエンドレス記憶手段13に記録されているシステム状態データDを保存することにより、その保存データDの解析をもってハンチングHの発生原因を解明できるようにしてある。
【0048】
なお、中央制御器CCは、空調目的の変更指令があると、給気側ダンパ制御器6Aに対して指定する目標通風量qssや排気側ダンパ制御器6Bに対して指定する目標室圧psを新たな空調目的に応じた値に変更し、また、空調システムの起動時には、給気側ファン制御器9Aに対して指定する給気側目標風路圧fss、及び、排気側ファン制御器9Bに対して指定する排気側目標風路圧frsを常圧から必要圧へ漸次的に変更するとともに、給気側ダンパ制御器6Aに対して指定する目標通風量qssを0から空調目的に応じた必要通風量へ漸次的に変更し、逆に、空調システムの停止時には、給気側ファン制御器9Aに対して指定する給気側目標風路圧fss、及び、排気側ファン制御器9Bに対して指定する排気側目標風路圧frsを定常運転中の必要圧から常圧へ漸次的に変更するとともに、給気側ダンパ制御器6Aに対して指定する目標通風量qssを定常運転中の空調目的に応じた必要通風量から0へ漸次的に変更する。
【0049】
また、各圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bにおける個別保全部11は、ハンチング抑止処理として圧力系ローカル制御器6B,9A,9Bにおける制御係数を通常時用の制御係数から予め格納部rに書き込み格納されているハンチング抑止用の制御係数に切り換えるにあたり、その切り換えの為に測定値gと目標値gsとの偏差が急増するなどの制御状況の急変が生じることを回避し得る切り換え方式(いわゆるバンプレス方式)をもって制御係数の切り換えを行う構成にしてある。
【0050】
そしてまた、上記格納部rは、それに格納する制御係数の書き換え操作が可能な構成にしてあり、各圧力系ローカル制御器6B,9A,9BのハンチングHを抑止するのに有効なハンチング抑止用の制御係数を予め検証して、そのハンチング抑止用の制御係数をシステムの試運転の際や点検の際などに格納部rに書き込み格納するようにしてある。
【0051】
〔別の実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
【0052】
前述の実施形態では、状態値Xの測定値gと安定値gs′との偏差Δgの大きさを示す値の最近設定時間T′内における平均値を判定用値Kとしたが、これに代え、状態値Xの測定値gと安定値gs′との偏差Δgの大きさを示す値の最近設定時間T′内における積分値を判定用値Kとしてもよい。
【0053】
また、測定値gと安定値gs′との偏差Δgの大きさを示す値は、偏差Δgの絶対値に限られるものではなく、偏差Δgの2乗値や偏差Δgの2乗平方根値、また場合によっては、それら偏差Δgの絶対値や偏差Δgの2乗値などに負の符号を付した値などであってもよい。
【0054】
前述の実施形態では、測定値gの最近設定時間T内における平均値を、判定用値Kの算出に用いる安定値gs′としたが、測定値gに基づく自動制御をもって目標値gsに調整する制御値を対象状態値Xとする場合において、その目標値gsを判定用値Kの算出に用いる安定値gs′とするなど、判定用値Kの算出に用いる安定値gs′は固定値であってもよい。
【0055】
判定用値Kと設定閾値Ksとの比較に基づきハンチングHか否かを判定するのに、前述の実施形態では、判定用値Kが設定閾値KsをハンチングHの発生側に超えた状態が設定閾時間Tsにわたって継続したときハンチングHであると判定する判定形態を採用したが、対象状態値Xの変動特性によっては、判定用値Kが設定閾値KsをハンチングHの発生側に超えたときハンチングHであると判定する判定形態(判定用値Kと設定閾値Ksとの単純な絶対値比較)を採用してもよい。
【0056】
また、判定用値Kの最近設定時間内における平均値が設定閾値KsをハンチングHの発生側に超えたときハンチングHであると判定する判定形態や、判定用値Kの最近設定時間内における平均値が設定閾値KsをハンチングHの発生側に超えた状態が設定閾時間にわたって継続したときハンチングHであると判定する判定形態を採用してもよく、対象状態値Xの変動特性に応じて適当な判定形態を採用すればよい。
【0057】
そしてまた、室圧制御手段でのハンチングHの発生を検出するのに、その検出方式は、上記の如き判定用値Kと設定閾値Ksとの比較に基づく方式に限られるものではなく、例えば、測定値gが目標値gsから遠ざかる方向で設定閾値を反復的に逸脱する回数が設定閾時間の時間内に設定複数回数に至ったとき、ハンチングHであると判定する方式を採用するなど、種々の検出方式を採用することができる。
【0058】
前述の実施形態では、室圧制御手段の動作特性を特定する特性データとして、室圧制御手段における制御係数を格納手段(格納部r)に格納するようにし、そして、ハンチングHの発生時には室圧制御手段における制御係数を現行の制御係数から格納手段rに格納の制御係数に切り換える(すなわち、室圧制御手段の動作特性を現行の特性から格納手段に格納の制御係数によって特定される特性に変更する)ようにしたが、格納手段rに格納する特性データはPID制御などの制御係数に限らず、室圧制御手段の特性を特定するものであれば、どのようなものであってもよく、また、場合によっては、特性データを格納する格納手段rを省略して、ハンチングHの発生時には室圧制御手段における制御係数などを単純に所定の規準に従って変更する方式(すなわち、室圧制御手段の動作特性を所定の規準に従って変更する方式)を採るようにしてもよい。
【0059】
前述の実施形態では、室圧制御手段を給気ファンFs及び排気ファンFrの出力調整、並びに、給気側ダンパVs及び排気側ダンパVrの開度調整により、対象室1に対する給気量と排気量との収支を調整して、対象室1の室圧pを目標室圧psに調整する構成にしたが、対象室1に対する給気量と排気量との収支を調整して対象室1の室圧pを目標室圧psに調整する室圧制御手段の具体的構成は、これに限らず、どのようなものであってもよい。
【0060】
また、前述の実施形態では、対象室1の検出室圧pと目標室圧psとの偏差Δpに応じ排気側ダンパVrの開度をダンパ制御手段6Bにより調整することで、対象室1の室圧pを目標室圧psに調整する方式を採用したが、場合によっては、対象室1の検出室圧pと目標室圧psとの偏差Δpに応じ給気側ダンパVsの開度をダンパ制御手段により調整することで、対象室1の室圧pを目標室圧psに調整する方式を採用してもよい。
【0061】
前述の実施形態では、室圧制御手段でのハンチングHの発生を検出してハンチング発生時に室圧制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するシステム保全手段を装備するのに、請求項4,5に係る発明の実施として、ダンパ制御手段(排気側ダンパ制御器6B)でのハンチングHの発生を個別に検出してハンチング発生時にそのダンパ制御手段6Bの動作特性を現行の特性から別の特性へ個別に変更するダンパ制御側の個別保全手段(個別保全部11)、及び、ファン制御手段(給気側及び排気側のファン制御器9A,9B)でのハンチングHの発生を検出してハンチング発生時にファン制御手段9A,9Bの動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するファン制御側の個別保全手段(個別保全部11)を、ダンパ制御手段6B及びファン制御手段9A,9Bの夫々に対して個別に装備する構成にしたが、これに代え、請求項6,7に係る発明の実施として、システム保全手段を、複数のダンパ制御手段(排気側ダンパ制御器6B)並びにファン制御手段(給気側及び排気側のファン制御部9A,9B)の夫々でのハンチングHの発生を検出してハンチング発生時にそれらダンパ制御手段6B及びファン制御手段9A,9Bの動作特性を現行の特性から別の特性へ一括に変更する構成にしてもよい。
【0062】
また、前述の実施形態では、給気側分岐風路2aの通風量qs(対象室1の換気風量)を調整するダンパ制御手段(給気側ダンパ制御器6A)については、システム保全手段による動作特性の変更を実施しない構成にしたが、場合によっては、この通風量調整側のダンパ制御手段6Aについても、そのダンパ制御手段6Aでのハンチングの発生を検出して、そのハンチング発生時にダンパ制御手段6Aの動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調システムの全体構成図
【図2】風路圧(ファン出力)の調整形態を説明する図
【図3】圧力系ローカル制御器のブロック図
【図4】ハンチング、及び、判定用値の推移を示すグラフ
【図5】フローチャート
【符号の説明】
1 対象室
3 主風路,接続風路
3a 分岐風路
6B ダンパ制御手段
9B ファン制御手段
11 システム保全手段,個別保全手段
13 エンドレス記憶手段
D システム状態データ
Fr ファン
fr 風路圧
frs 目標風路圧
H ハンチング
p 室圧
ps 目標室圧
r 格納手段
Vr ダンパ
Claims (7)
- 対象室に対する給気量と排気量との収支を調整して対象室の室圧を目標室圧に調整する室圧制御手段を備える室圧制御システムであって、
前記室圧制御手段でのハンチングの発生を検出して、そのハンチング発生時に前記室圧制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するシステム保全手段を設けてある室圧制御システム。 - 前記動作特性を特定する特性データを書き換え操作の可能な状態で格納する格納手段を設け、
前記システム保全手段を、前記格納手段に格納された特性データに基づき、前記ハンチング発生時に前記室圧制御手段の動作特性を現行の特性から、前記格納手段に格納された特性データにより特定される特性へ変更する構成にしてある請求項1記載の室圧制御システム。 - 最新のシステム状態を示すシステム状態データを最古記録データへ上書きする形態で逐次書き込み記録するエンドレス記憶手段を設け、
前記システム保全手段を、前記ハンチング発生時に前記エンドレス記憶手段による新たなシステム状態データの書き込み記録を停止する構成にしてある請求項1又は2記載の室圧制御システム。 - 前記室圧制御手段を構成するのに、複数の前記対象室を給気側又は排気側の主風路に対し分岐風路を介し並列に接続して、それら分岐風路の夫々にダンパを介装するとともに、
前記対象室の検出室圧と目標室圧との偏差に応じ前記ダンパの開度を個別に調整して前記対象室の室圧を個別に目標室圧に調整するダンパ制御手段を前記対象室の夫々に装備し、
前記システム保全手段として、前記ダンパ制御手段でのハンチングの発生を個別に検出してハンチング発生時にそのダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ個別に変更する個別保全手段を、前記ダンパ制御手段の夫々に装備してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の室圧制御システム。 - 前記室圧制御手段を構成するのに、前記対象室に対する給気側又は排気側の接続風路にファンとダンパを直列に介装するとともに、
前記対象室の検出室圧と目標室圧との偏差に応じ前記ダンパの開度を調整して前記対象室の室圧を目標室圧に調整するダンパ制御手段、及び、前記接続風路の検出風路圧と目標風路圧との偏差に応じ前記ファンの出力を調整して前記接続風路の風路圧を目標風路圧に調整するファン制御手段を設け、
前記システム保全手段として、前記ダンパ制御手段でのハンチングの発生を検出してハンチング発生時に前記ダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するダンパ制御側の個別保全手段、及び、前記ファン制御手段でのハンチングの発生を検出してハンチング発生時に前記ファン制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ変更するファン制御側の個別保全手段を、前記ダンパ制御手段及び前記ファン制御手段の夫々に対して個別に装備してある請求項1〜4のいずれか1項に記載の室圧制御システム。 - 前記室圧制御手段を構成するのに、複数の前記対象室を給気側又は排気側の主風路に対し分岐風路を介し並列に接続して、それら分岐風路の夫々にダンパを介装するとともに、
前記対象室の検出室圧と目標室圧との偏差に応じ前記ダンパの開度を個別に調整して前記対象室の室圧を個別に目標室圧に調整するダンパ制御手段を前記対象室の夫々に装備し、
前記システム保全手段を、前記ダンパ制御手段の夫々でのハンチングの発生を検出してハンチング発生時にそれらダンパ制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ一括に変更する構成にしてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の室圧制御システム。 - 前記室圧制御手段を構成するのに、前記対象室に対する給気側又は排気側の接続風路にファンとダンパを直列に介装するとともに、
前記対象室の検出室圧と目標室圧との偏差に応じ前記ダンパの開度を調整して前記対象室の室圧を目標室圧に調整するダンパ制御手段、及び、前記接続風路の検出風路圧と目標風路圧との偏差に応じ前記ファンの出力を調整して前記接続風路の風路圧を目標風路圧に調整するファン制御手段を設け、
前記システム保全手段を、前記ダンパ制御手段及び前記ファン制御手段の夫々でのハンチングの発生を検出してハンチング発生時にそれらダンパ制御手段及びファン制御手段の動作特性を現行の特性から別の特性へ一括に変更する構成にしてある請求項1〜3又は6のいずれか1項に記載の室圧制御システム。
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