上記目的を達成するため、本発明の特徴は、上下方向の延びる箱状に形成された個室本体の外壁の一部に同個室本体内に人が出入りするための出入り口を備えたユニットトイレに用いられる目隠し機構であって、出入り口に対する人の出入り方向である個室本体の前後方向に沿って棒状に延びる固定支持棒体と、個室本体における前側部分に設けられて固定支持棒体における一方の端部側を支持する前側支持具と、個室本体における後側部分に設けられて固定支持棒体における他方の端部側を支持する後側支持具と、出入り口よりも張り出した張出位置と同張出位置よりも出入り口側の収納位置とに位置させるように固定支持棒体に対して伸縮自在または折り畳み自在に連結された棒状の可動支持棒体と、可動支持棒体の先端部に下方に向かって棒状に延びて連結された起立支持棒体と、可動支持棒体および起立支持棒体からなる支持棒体に設けられて出入り口への視線を遮る板状またはシート状の目隠し体とを備えていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、目隠し機構は、個室本体における前側部分および後側部分に前側支持具および後側支持具をそれぞれ介して固定支持棒体が支持されているとともに、この固定支持棒体に可動支持棒体および起立支持棒体が直接的または間接的に支持されるため、目隠し体を支持する可動支持棒体および起立支持棒体からなる支持棒体を安定的に設置することができる。また、この目隠し機構は、可動支持棒体を収容した状態においても支持棒体の安定性を向上させることができるため、ユニットトイレの運搬時における安定性を向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記目隠し機構において、支持棒体、前側支持具および後側支持具は、出入り口に対して左右の側方にそれぞれ設けられていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、目隠し機構において、支持棒体、前側支持具および後側支持具は、出入り口に対して左右の側方にそれぞれ設けられているため、ユニットトイレの設置現場の状況に適した左側または右側、さらには左右両方の可動支持棒体を使用して目隠し機構を機能させることができる。また、目隠し機構は、左右両方の可動支持棒体を使用した場合に左右の可動支持棒体および/または起立支持棒体間に目隠し体を架設することで出入り口の前方の上方および/または出入り口に対向して目隠し体を配置することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記目隠し機構において、さらに、左右の支持棒体同士を互いに連結する棒状に形成されて可動支持棒体および起立支持棒体とともに支持棒体を構成する架設支持棒体を備え、目隠し体は、支持棒体に設けられていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、目隠し機構は、左右の支持棒体同士を互いに連結する棒状に形成されて可動支持棒体および起立支持棒体とともに支持棒体を構成する架設支持棒体を備えているため目隠し体を架設支持棒体を含めて取り付けることができ、目隠し体の取り付けバリエーションを豊富にすることができるとともに目隠し体の取付状態を安定化させることもできる。なお、架設支持棒体は、可動支持棒体および起立支持棒体のうちの少なくとも一方に取り付けることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記目隠し機構において、起立支持棒体は、可動支持棒体に対して屈曲自在に連結されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、目隠し機構は、起立支持棒体が可動支持棒体に対して屈曲自在に連結されているため、ユニットトイレの設置現場の状況に適した角度で起立支持棒体を設置できる。また、目隠し機構は、起立支持棒体を可動支持棒体に対して屈曲させることで起立支持棒体をコンパクトに収納できるほか、収納する位置など収納の自由度を広げることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記目隠し機構において、起立支持棒体は、可動支持棒体に連結する上側起立支持棒体と、上側起立支持棒体に対して可動的に連結された下側起立支持棒体とを備えることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、目隠し機構は、起立支持棒体は可動支持棒体に連結する上側起立支持棒体と、上側起立支持棒体に対して可動的に連結された下側起立支持棒体とを備えているため、ユニットトイレの設置現場の状況に適した長さ、位置または姿勢で起立支持棒体を設置できる。また、目隠し機構は、下側起立支持棒体を上側起立支持棒体に対して可動させることで起立支持棒体をコンパクトに収納できるほか、収納の位置など収納の自由度を広げることができる。なお、下側起立支持棒体は、上側起立支持棒体に対して伸縮、屈曲または回転して可動的に連結することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記目隠し機構において、目隠し体は、支持棒体に対して着脱自在なシート状に形成されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、目隠し機構は、目隠し体が支持棒体に対して着脱自在なシート状に形成されているため、目隠しの仕様に応じた大きさおよび位置で目隠しを行うことができる。また、目隠し機構は、支持棒体から取り外すことでユニットトイレの運搬時における振動または騒音を抑えることができるとともに安全性を高めることができる。この場合、目隠し体は、支持棒体から取り外した際に丸めるまたは折り畳むことでコンパクトに収納することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記目隠し機構において、固定支持棒体は、可動支持棒体を出没自在に収容する筒状に形成されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、目隠し機構は、固定支持棒体が可動支持棒体を出没自在に収容する筒状に形成されているため、可動支持棒体の張出位置および収納位置への位置決め作業を行い易くすることができるとともに可動支持棒体をコンパクトに収納することができる。
また、本発明は目隠し機構の発明として実施できるばかりでなく、この目隠し機構を備えたユニットトイレの発明としても実施できるものである。
具体的には、ユニットトイレは、上下方向の延びる箱状体に形成されて同箱状体の内部に便器を備える個室本体と、個室本体の外壁の一部に同個室本体内に人が出入りするために形成された出入り口と、請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載した目隠し機構とを備えるとよい。これによれば、ユニットトイレは、上記目隠し機構と同様の作用効果を期待することができる。
以下、本発明に係る目隠し機構および同目隠し機構を備えたユニットトイレの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るユニットトイレ100の構成を概略的に示す斜視図である。また、図2は、図1に示したユニットトイレ100が備える目隠し機構120の外観構成の概略を拡大して示す部分拡大図である。このユニットトイレ100は、主として屋外において下水道工事を伴わずに設置、移動または撤去ができる簡易設置型のトイレである。
(ユニットトイレ100の構成)
ユニットトイレ100は、主として、個室本体101と目隠し機構120とを備えて構成されている。個室本体101は、人が用を足すための空間を形成する小屋状の建物であり、主として、外壁102、屋根104、便器105、床および便槽をそれぞれ備えて構成されている。
外壁102は、便器105の四方を囲って個室空間を形成するための部品であり、金属製または樹脂製の複数(本実施形態においては4つ)の板材を互いに連結して構成されている。より具体的には、外壁102は、図示上下方向に延びる長方形状の4つの板材を平面視で方形状の筒状に連結して構成されている。これにより、外壁102は、1つの前面102a、2つの側面102bおよび1つの背面で構成されている。
前面102aは、ユニットトイレ100の正面側の壁面を構成する部分である。この前面102aには、出入り口103が設けられている。側面102bは、前面102aに対して左右の側方にそれぞれ設けられてユニットトイレ100の左右の壁面をそれぞれ構成する部分である。これらの各側面102bには、目隠し機構120がそれぞれ設けられている。
背面は、前面102aに便器105を介して対向配置されてユニットトイレ100の背面側の壁面を構成する部分である。なお、図1においては、図示左側の側面102bおよび背面はそれぞれ隠れており図示されていない。
出入り口103は、人が個室本体101内に出入りするための開口部であり、前面102aの左右方向の中央部に上下方向に延びる長方形状に形成されている。この出入り口103には、出入り口103を開閉自在に塞ぐ扉103aが設けられている。なお、ユニットトイレ100は、扉103aを省略して常に開放状態とすることもできる。
屋根104は、個室本体101内における天井部分を構成する板状の部品であり、周縁部が下垂して形成されている。この屋根104は、外壁102を構成する各壁面の上端部の外側を覆うように外壁102上に被せられた状態で設けられている。この場合、屋根104は、外壁102の背面側を基点として前面102a側が上下方向に昇降して天井高が変化するように構成されている。
便器105は、使用者が腰掛けた姿勢で排泄した屎尿を受け止めて図示しない便槽に導くための器であり、樹脂材、金属材またはセラミック材を上方に向かって開口した器状に形成して構成されている。この便器105は、外壁102によって囲まれた個室本体101内における床面上に設置されている。なお、便器105は、本実施形態においては、使用者が腰掛けた姿勢で排泄する洋式便器で構成しているが、使用者がしゃがんだ状態で排泄する和式便器で構成してもよいことは当然である。また、便器105は、図1においては、二点鎖線で示している。
床面は、外壁102によって囲まれた個室本体101内において便器105およびこの便器105を使用する使用者をそれぞれ支持するように水平に形成されている。また、便槽は、便器105によって導かれた屎尿を一時的に貯留するための容器であり、前記床面の下方に形成された空洞部で構成されている。これらの床面および便槽は、図1において外壁102によって隠れており図示されていない。
このユニットトイレ100は、運搬車両110上に積み込まれている。運搬車両110は、運転席および助手席が1つの屋根で覆われた運転室111と荷物を載置する荷台112とが一体的に形成された四輪自動車である。この場合、荷台112は、平面視で長方形状の水平な床面の三方の周縁部に傾倒自在に起立した低い高さの壁状のアオリ112aが形成されている。すなわち、運搬車両110は、本実施形態においては一般的なトラック型の軽自動車(所謂、軽トラック)である。そして、ユニットトイレ100は、運搬車両110の荷台112上に出入り口103が運搬車両110の側方に面する向きで載置されている。なお、図2においては、運搬車両110の図示を省略している。
目隠し機構120は、図2ないし図6にそれぞれ示すように、固定支持棒体121を備えている。固定支持棒体121は、個室本体101に対して可動支持棒体122を支持するための部品であり、金属材または樹脂材を棒状に形成して構成されている。本実施形態においては、固定支持棒体121は、内部が空洞の円筒状に形成されている。この固定支持棒体121は、個室本体101における左右の各側面102bに水平な姿勢で前側支持具126および後側支持具128によって取り付けられている。
この場合、各固定支持棒体121は、各側面102bにおける屋根104に近い上部部分に水平な姿勢でそれぞれ取り付けられている。また、各固定支持棒体121は、本実施形態においては、側面102bの高さ方向に直交する個室本体101の前後方向の長さ(幅方向の長さ)と略同じ長さに形成されているが、この前後方向の長さよりも短く形成されていてもよいし、この前後方向の長さよりも長く形成されていてもよい。
可動支持棒体122は、個室本体101の前方に張り出して目隠し体150を直接的または間接的に支持する部品であり、金属材または樹脂材を内部が空洞の円筒状に形成して構成されている。この場合、可動支持棒体122の長さは、目隠し体150の設置位置および範囲を考慮して適宜設定されるが、本実施形態においては、大人の肩幅の2〜3倍の長さに形成されている。
この可動支持棒体122における一方の端部は、第1ヒンジ継手123を介して固定支持棒体121の先端部に水平方向に対して下方に屈曲自在に連結されている。また、可動支持棒体122における他方の端部には、第2ヒンジ継手124および支持棒保持体125をそれぞれ介して起立支持棒体130が水平姿勢の可動支持棒体122に対して下方に屈曲自在に連結されている。なお、固定支持棒体121および可動支持棒体122は、本実施形態においては、内部が空洞の円筒状にそれぞれ形成されているが内部が中実に形成されていてもよいことは当然である。
支持棒保持体125は、起立支持棒体130を保持するための部品であり、第2ヒンジ継手124から延びる円筒体の先端部に起立支持棒体130の上側起立支持棒体131が摺動自在に貫通する円筒体を有して構成されている。
前側支持具126は、固定支持棒体121における一方側の端部付近を支持する部品であり、金属製または樹脂製のパイプ材で構成されている。この前側支持具126は、左右の各側面102bにおける前面102a側の壁面に個室本体101の上下方向に延びる向きで固定的に取り付けられている。そして、前側支持具126は、上端部で固定支持棒体121における前記一方側の端部付近を支持するとともに、下端部側に支持棒留めホルダ127aを介して起立支持棒体130を支持している。
支持棒留めホルダ127aは、支持棒留めホルダ127bとともに起立支持棒体130を着脱自在に保持する部品であり、金属製または樹脂製の2つの半円筒体が互いに隣接配置された形状に形成されている。より具体的には、支持棒留めホルダ127aは、前側支持具126および起立支持棒体130における下側起立支持棒体132をそれぞれ構成するパイプ材がそれぞれ嵌合する2つのU字状の嵌合部が互いに隣接して一体的に形成されている。
支持棒留めホルダ127bは、支持棒留めホルダ127aとともに起立支持棒体130を着脱自在に保持する部品であり、金属製または樹脂製の板状体に1つの半円筒体が設けられて構成されている。この場合、支持棒留めホルダ127bを構成する1つの半円体は、起立支持棒体130における上側起立支持棒体131を構成するパイプ材が嵌合する1つのU字状に形成されている。この支持棒留めホルダ127bは、個室本体101における前面102aと側面102bとの角部分に跨った状態で固定的に設けられている。
後側支持具128は、固定支持棒体121における他方側の端部付近を支持する部品であり、金属製または樹脂製のパイプ材で構成されている。この後側支持具128は、左右の各側面102bにおける前面102aとは反対側の背面(図示せず)側の壁面に個室本体101の上下方向に延びる向きで固定的に取り付けられている。そして、この後側支持具128は、上端部で固定支持棒体121における前記他方側の端部付近を支持している。
起立支持棒体130は、水平姿勢の可動支持棒体122の先端部から下垂してユニットトイレ100の下方の設置面上に起立して可動支持棒体122を支持するとともに、目隠し体150を直接的または間接的に支持する部品であり、金属材または樹脂材を内部が空洞の円筒状に形成して構成されている。したがって、起立支持棒体130は、個室本体101の設置面である運搬車両110の荷台112および運搬車両110が配置されている地面Gにそれぞれ届く長さに形成されている。この起立支持棒体130は、主として、上側起立支持棒体131と下側起立支持棒体132とで構成されており、全体として伸縮自在に形成されている。
上側起立支持棒体131は、前記支持棒保持体125を介して可動支持棒体122に連結されるとともに下側起立支持棒体132に長さ調整リング133を介して連結される部品であり、金属製または樹脂製のパイプ材で構成されている。この上側起立支持棒体131は、支持棒保持体125に摺動自在に貫通するとともに下側起立支持棒体132内に収容されるように下側起立支持棒体132よりも小径に形成されている。また、図示左側の側面102b(図示せず)に設けられた上側起立支持棒体131および図示右側の側面102bに設けられた上側起立支持棒体131には、架設支持棒体140の上側架設支持棒体141が架設された状態で取り付けられている。
下側起立支持棒体132は、ユニットトイレ100の下方の地面Gで起立して上側起立支持棒体131を同軸上で支持する部品であり、金属製または樹脂製のパイプ材で構成されている。この場合、下側起立支持棒体132は、上側起立支持棒体131よりも太い外径で形成されている。また、下側起立支持棒体132は、上側起立支持棒体131が挿し込まれる先端部に長さ調整リング133が設けられている。また、図示左側の側面102b(図示せず)に設けられた下側起立支持棒体132および図示右側の側面102bに設けられた下側起立支持棒体132には、架設支持棒体140の下側架設支持棒体142が架設された状態で取り付けられている。
長さ調整リング133は、下側起立支持棒体132に対して上側起立支持棒体131をスライド変位が可能な状態と不能な固定状態とを切り替える部品であり、下側起立支持棒体132における上側起立支持棒体131が挿し込まれる側の先端部にネジ嵌合している。したがって、作業者は、この長さ調整リング133を回動操作してネジ嵌合を弛めることにより下側起立支持棒体132内から上側起立支持棒体131を引き出しまたは挿し込み可能にすることができるとともに、ネジ嵌合を締め付けることで下側起立支持棒体132に対する上側起立支持棒体131の突出量を固定することができる。
架設支持棒体140は、左右2つ起立支持棒体130間にそれぞれ架設されて目隠し体150を直接的または間接的に支持する部品であり、金属材または樹脂材を内部が空洞の円筒状に形成して構成されている。この架設支持棒体140は、主として、上側架設支持棒体141と下側架設支持棒体142とで構成されている。
上側架設支持棒体141は、左右2つの起立支持棒体130における各上側起立支持棒体131の上端部間に架設される部品であり、金属製または樹脂製のパイプ材で構成されている。この上側架設支持棒体141の両端部には、左右2つの各上側起立支持棒体131の各上端部に着脱自在に嵌合して両者を連結する上側連結具143がそれぞれ設けられている。
下側架設支持棒体142は、左右2つの起立支持棒体130における各下側起立支持棒体132間に架設される部品であり、金属製または樹脂製のパイプ材で構成されている。この下側架設支持棒体142の両端部には、左右2つの各下側起立支持棒体132に着脱自在に嵌合して両者を連結する下側連結具144がそれぞれ設けられている。
上側連結具143は、図5に示すように、上側架設支持棒体141を上側起立支持棒体131に連結するための部品であり、上側起立支持棒体131に嵌合して締め付ける円筒状のロック機構を備えて構成されている。下側連結具144は、下側架設支持棒体142を下側起立支持棒体132に連結するための部品であり、下側起立支持棒体132の外周部に嵌め込まれる半円筒体状に形成されている。
目隠し体150は、可動支持棒体122、起立支持棒体130および架設支持棒体140にそれぞれ取り付けられて個室本体101の出入り口103への目隠し機構120の外部からの視線を遮るための部品であり、樹脂材または布材を透明または半透明のシート状に形成して構成されている。本実施形態においては、目隠し体150は、架設支持棒体140における上側架設支持棒体141と下側架設支持棒体142との間の幅で図示左側の起立支持棒体130から図示右側の起立支持棒体130を介して個室本体101における図示右側の側面102bの縁部に達する長さの平面視で長方形状に形成されている。また、この目隠し体150には、目隠し体連結具151が設けられている。
目隠し体連結具151は、目隠し体150を可動支持棒体122、起立支持棒体130および架設支持棒体140にそれぞれ着脱自在に取り付けるための部品である。本実施形態においては、目隠し体連結具151は、長方形状に形成された目隠し体150の4つの縁部のうちの3つの縁部に沿って複数形成された貫通孔を貫通した状態で可動支持棒体122、起立支持棒体130または架設支持棒体140に貫通する金属製または樹脂製の円環体で構成されている。この目隠し体連結具151は、円環体の一部が弾性的に分断するように形成されており、目隠し体150、可動支持棒体122、起立支持棒体130および架設支持棒体140に対して着脱できるように形成されている。
(ユニットトイレ100の作動)
次に、このように構成したユニットトイレ100の作動について説明する。ユニットトイレ100を運搬車両110で輸送する作業者は、個室本体101を荷台112上に載置してロープまたは金具などからなる固定具(図示せず)で固定して輸送を行う。この場合、作業者は、ユニットトイレ100における目隠し機構120を収納状態とする(図1および図2参照)。
具体的には、作業者は、目隠し体150および架設支持棒体140をそれぞれ可動支持棒体122および起立支持棒体130からそれぞれ取り外した状態で可動支持棒体122を第1ヒンジ継手123を介して下方に折り曲げる。これにより、起立支持棒体130は、個室本体101の側面102bに隣接する位置に配置される。すなわち、可動支持棒体122は、収納位置に位置決めされる。
次に、作業者は、起立支持棒体130を第2ヒンジ継手124を介して個室本体101における背面側に折り曲げる。これにより、起立支持棒体130は、上側起立支持棒体131が運搬車両110の荷台112上に起立した状態で位置するとともに、この上側起立支持棒体131の上方に下側起立支持棒体132が起立した状態で配置される。この場合、作業者は、長さ調整リング133を弛めて上側起立支持棒体131の荷台112側への突出量を調整して上側起立支持棒体131の先端部が荷台112上に載置される、または荷台112の上方に浮いた状態で位置するように上側起立支持棒体131の突出量を調整することができる。
次に、作業者は、起立支持棒体130における下側起立支持棒体132を支持棒留めホルダ127aに嵌め込むとともに上側起立支持棒体131を支持棒留めホルダ127bに嵌め込んで保持させる。これにより、起立支持棒体130は、個室本体101の側面102bに固定される。作業者は、このような可動支持棒体122および起立支持棒体130の折り畳み作業および起立支持棒体130の固定作業を左右2つの目隠し機構120についてそれぞれ行う。これにより、作業者は、目隠し機構120を収納状態とすることができる。
なお、作業者は、目隠し体150を架設支持棒体140から分離して折り畳むまたは丸めて保管してもよいし、架設支持棒体140に取り付けた状態で折り畳むまたは丸めて架設支持棒体140とともに保管してもよい。これらの目隠し体150および架設支持棒体140は、個室本体101の近傍に配置または個室本体101内に保管することができる。
次に、作業者は、運搬車両110を運転してユニットトイレ100を設置場所に輸送する。この場合、目隠し機構120は、前側支持具126および後側支持具128を備えているため、長尺の固定支持棒体121における両端部付近を支持することでユニットトイレ100の運搬時における目隠し機構120全体の安定性を向上させることができる。
次に、作業者は、ユニットトイレ100の設置場所にて目隠し機構120をセッティングする(図6参照)。具体的には、作業者は、まず、運搬車両110の荷台112における個室本体101の出入り口103が面するアオリ112aを下方に倒して下垂する状態とする。
次に、作業者は、図3に示すように、個室本体101に設けられた左右の目隠し機構120における一方の目隠し機構120における起立支持棒体130を支持棒留めホルダ127a,支持棒留めホルダ127bからそれぞれ外した後、可動支持棒体122を第1ヒンジ継手123を介して上方に折り曲げて水平姿勢にする。これにより、起立支持棒体130は、個室本体101の前方に可動支持棒体122の長さ分だけ離れた位置に配置される。すなわち、起立支持棒体130は、張出位置に延びる状態で配置される。
次に、作業者は、起立支持棒体130を第2ヒンジ継手124を介して下方側に折り曲げる。これにより、起立支持棒体130は、下側起立支持棒体132が運搬車両110が配置されている地面G上に位置するとともに、この下側起立支持棒体132の上方に上側起立支持棒体131が同軸上で起立した状態で配置される。そして、この場合、作業者は、可動支持棒体122が水平状態となるように起立支持棒体130の長さを調整する。
具体的には、作業者は、上側起立支持棒体131を支持棒保持体125内を摺動させて下側起立支持棒体132の下端部を地面Gに突き立てる。この場合、作業者は、下側起立支持棒体132を嵌合させることができる孔部を有した錘160を別途用意して、この錘160を介して下側起立支持棒体132の下端部を地面Gに突き立てる。なお、作業者は、錘160を省略して下側起立支持棒体132の下端部を直接地面Gに突き立てることもできる。
また、作業者は、起立支持棒体130の現状の長さで可動支持棒体122が水平状態でない場合には、長さ調整リング133を弛めて下側起立支持棒体132に対する上側起立支持棒体131の上方への突出量を調整することで可動支持棒体122を水平状態とすることができる。この場合、作業者は、長さ調整リング133を締め付けることで上側起立支持棒体131の突出量を固定して可動支持棒体122の水平状態を固定することができる。次に、作業者は、個室本体101に設けた左右の目隠し機構120における他方の目隠し機構120についても同様の手順で可動支持棒体122を水平状態に固定する。
次に、作業者は、図4に示すように、架設支持棒体140を用意して起立支持棒体130に取り付ける。具体的には、作業者は、図5に示すように、左右の2つの起立支持棒体130における2つの上側起立支持棒体131の上端部間に架設支持棒体140における1つの上側架設支持棒体141を上側連結具143を介して架設する。この場合、作業者は、上側架設支持棒体141を起立支持棒体130の上側起立支持棒体131に嵌合する支持棒保持体125よりも上方の位置または下方の位置に取り付けることができる。なお、上側架設支持棒体141は、上側連結具143を可動支持棒体122に取り付け可能に形成することで2つの可動支持棒体122間に取り付けることもできる。
次に、作業者は、左右の2つの起立支持棒体130における2つの下側起立支持棒体132間に架設支持棒体140における1つの下側架設支持棒体142を下側連結具144を介して架設する。これにより、個室本体101の左右の側面102bにそれぞれ設けられた2つの目隠し機構120が架設支持棒体140によって互いに連結される。
次に、作業者は、図6に示すように、目隠し体150を用意して可動支持棒体122、起立支持棒体130および架設支持棒体140にそれぞれ取り付ける。具体的には、作業者は、目隠し体150を架設支持棒体140の上側架設支持棒体141に目隠し体連結具151を介して取り付けた後、この目隠し体150を図示左側の起立支持棒体130で個室本体101側に折り曲げて図示左側の可動支持棒体122に目隠し体連結具151を介して取り付ける。これにより、目隠し体150は、上側架設支持棒体141および図示左側の起立支持棒体130からL字状に吊り下がった状態で取り付けられる。
次に、作業者は、架設支持棒体140の下側架設支持棒体142および図示右側の起立支持棒体130に対してそれぞれ目隠し体連結具151を介して取り付ける。これにより、目隠し体150は、個室本体101の出入り口103の前方および図示左側にそれぞれ壁状に形成されて目隠し体150の外側から出入り口103に対する視線を遮ることができる。すなわち、作業者は、ユニットトイレ100の設置場所にて目隠し機構120をセッティングすることができる。
なお、この場合、目隠し体150は、個室本体101および固定支持棒体121に対して何ら固定されていない。したがって、作業者は、目隠し体150における個室本体101に隣接する縁部を両面テープ、磁石、面ファスナ、フックまたはロープなどの固定具(図示せず)を用いて個室本体101および/または固定支持棒体121に固定することができる。また、作業者は、運搬車両110の荷台112上に載置された個室本体101の出入り口103の前方の地面G上に階段170を設置することでユニットトイレ100の使用者の出入り口103に対する進入または退出を容易にすることができる。
ユニットトイレ100で用を足す使用者は、ユニットトイレ100に対して運搬車両110における後端部側から目隠し機構120の内側に進入して荷台112上の個室本体101内に出入り口103を介して出入りする。また、使用者または前記作業者は、風が強い場合または目隠し体150の使用が不要な場合など目隠し体150を使用しない場合には、目隠し体150と図示右側の起立支持棒体130との連結を解消して目隠し体150を図示左側の起立支持棒体130側にカーテンのようにスライドさせることによって目隠し体150を図示左側の起立支持棒体130に束ねることができる。なお、使用者または作業者は、個室本体101側の目隠し体150についても図示左側の起立支持棒体130側にカーテンのようにスライドさせることによって目隠し体150を図示左側の起立支持棒体130に束ねることができる。
次に、ユニットトイレ100を撤去する場合には、作業者は、左右の各目隠し機構120を収納状態にする。この目隠し機構120の収納作業は前記した通りであるため、説明は省略する。また、作業者は、荷台112における前記下垂させたアオリ112aを起立させる。これにより、作業者は、ユニットトイレ100を積載した運搬車両110を移動させることができる。なお、本実施形態においては、作業者は、ユニットトイレ100を運搬車両110の荷台112上に載置した状態で目隠し機構120をセッティングしたが、ユニットトイレ100を荷台112上から地面G上に降ろして目隠し機構120をセッティングすることもできる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、目隠し機構120は、個室本体101における前側部分および後側部分に前側支持具126および後側支持具128をそれぞれ介して固定支持棒体121が支持されているとともに、この固定支持棒体121に可動支持棒体122および起立支持棒体130が直接的または間接的に支持されるため、目隠し体150を支持する可動支持棒体122および起立支持棒体130からなる支持棒体を安定的に設置することができる。また、この目隠し機構120は、可動支持棒体122を収容した状態においても支持棒体の安定性を向上させることができるため、ユニットトイレ100の運搬時における安定性を向上させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、各変形例の説明においては、上記実施形態と同様の部分については同じ符号を付して重複する説明は省略する。
例えば、上記実施形態においては、目隠し体150は、個室本体101の出入り口103の前方および図示左側方にそれぞれ設けた。しかし、目隠し体150は、個室本体101の出入り口103への視線を遮るように設けられていればよい。すなわち、目隠し体150は、個室本体101の出入り口103に対して前方、左右の側方および上方のうちの少なくとも1つに設けられていればよい。したがって、目隠し体150は、例えば、図7に示すように、個室本体101の出入り口103の前方および図示右側方にそれぞれ設けることができる。
また、上記実施形態においては、目隠し体150は、シート状に形成した。しかし、目隠し体150は、個室本体101の出入り口103への視線を遮るように設けられていればよい。したがって、目隠し体150は、樹脂製、金属製または木製の板状体で構成することもできる。また、目隠し体150は、架設支持棒体140に取り付ける場合においては着脱自在に取り付けるほかに着脱不能に固定的に取り付けることもできる。
また、上記実施形態においては、起立支持棒体130は、可動支持棒体122に対して支持棒保持体125を介して連結するように構成した。これにより、起立支持棒体130は、可動支持棒体122よりも上方に突出して延びることができるため、目隠し体150の設置位置のバリエーションを増やすことができる。しかし、起立支持棒体130は、可動支持棒体122に対して可動的または固定的に連結されていればよい。
したがって、ユニットトイレ100は、例えば、図8および図9にそれぞれ示すように、起立支持棒体130を可動支持棒体122に対して第2ヒンジ継手124を介して連結して構成することができる。この場合、起立支持棒体130は、上側起立支持棒体131の先端部を可動支持棒体122の先端部に第2ヒンジ継手124を介して連結する。これによれば、起立支持棒体130は、上記実施形態のように可動支持棒体122内を摺動しない。これにより、作業者は、可動支持棒体122に対して起立支持棒体130の変位方向が第2ヒンジ継手124による屈曲方向に限定されるため、目隠し機構120の設置作業または収納作業を行い易くすることができる。
また、ユニットトイレ100は、例えば、図10および図11にそれぞれ示すように、起立支持棒体130を可動支持棒体122に対して直角方向に下垂する向きに固定的に連結して構成することができる。この場合、可動支持棒体122は、可動支持棒体122および起立支持棒体130の上側起立支持棒体131がそれぞれ嵌合する2つの筒状体が互いに直交する方向に繋がった正面視でT字状の連結具129によって固定的に連結される。
また、可動支持棒体122は、固定支持棒体121内に出没自在に収納されるように構成することができる。すなわち、可動支持棒体122は、円筒状に形成された固定支持棒体121内に引き出しまたは挿し込み可能に形成されて突出量が伸縮するように構成することができる。したがって、図10および図11に示す目隠し機構120においては、第1ヒンジ継手123および第2ヒンジ継手124は不要である。
また、この目隠し機構120においては、固定支持棒体121と可動支持棒体122とは、ロープ180で連結するとよい。ロープ180は、可動支持棒体122が固定支持棒体121内から抜けて外れることを防止するための部品であり、金属製または樹脂製の線材で構成されている。
また、前側支持具126には、収納状態の起立支持棒体130を着脱自在に保持する支持棒留めホルダ127cが設けられている。この場合、支持棒留めホルダ127cは、起立支持棒体130が張出位置に位置した場合において起立支持棒体130の保持部分が下方に下垂するように第1ヒンジ継手123および第2ヒンジ継手124とう同様のヒンジが設けられている。また、この目隠し機構120においては、架設支持棒体140の上側架設支持棒体141を左右の2つの可動支持棒体122に連結している。
このように構成した図10および図11にそれぞれ示すユニットトイレ100によれば、作業者は、可動支持棒体122を固定支持棒体121内に対して出し入れすることで可動支持棒体122および起立支持棒体130を張出位置または収納位置にそれぞれ配置することができる。この場合、目隠し機構120は、ユニットトイレ100の設置環境に応じて可動支持棒体122の引き出し量を調整することで任意の位置の張出位置で起立支持棒体130を設置することができる。
また、ユニットトイレ100は、個室本体101の左右の側面102bにそれぞれ設けられた各目隠し機構120における可動支持棒体122同士または起立支持棒体130同士を上側架設支持棒体141で互いに連結することによって左右の可動支持棒体122を固定支持棒体121に対して一体的に出し入れすることができる。なお、図8ないし図11に示した目隠し機構120においては、目隠し体150の図示を省略している。
また、上記実施形態においては、目隠し機構120は、個室本体101の左右の側面102bにそれぞれ設けた。しかし、目隠し機構120は、個室本体101の左右の側方における少なくとも一方に設けられていればよい。したがって、目隠し機構120は、個室本体101の左側にのみまたは右側にのみ設けるようにしてもよい。また、目隠し機構120は、個室本体101における側面102bに代えてまたは加えて屋根104に設けることもできる。
また、上記実施形態においては、起立支持棒体130は、上側起立支持棒体131と下側起立支持棒体132とで構成することで全体として伸縮自在に構成した。しかし、起立支持棒体130は、長さが不変の固定長で構成することもできる。また、起立支持棒体130は、上側起立支持棒体131と下側起立支持棒体132とを第1ヒンジ継手123(または第2ヒンジ継手124)で屈曲自在に連結して構成することもできる。
上記実施形態においては、目隠し機構120は、架設支持棒体140を備えて構成した。すなわち、架設支持棒体140は、可動支持棒体122および起立支持棒体130とともに本発明に係る支持棒体を構成する。この場合、目隠し体150は、支持棒体を構成する架設支持棒体140、可動支持棒体122および起立支持棒体130のうちの少なくとも1つに取り付けられていればよい。しかし、目隠し機構120は、架設支持棒体140を省略して構成することもできる。すなわち、この場合、本発明に係る支持棒体は、可動支持棒体122および起立支持棒体130によって構成される。また、架設支持棒体140は、上側架設支持棒体141および下側架設支持棒体142のうちの少なくとも一方で構成することができる。