JP2021042577A - 畳 - Google Patents

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隼人 島田
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Abstract

【課題】位置による衝撃緩和性能のバラツキが小さい畳を提供する。【解決手段】畳10は、板材11と、板材11の裏面側に積層されたクッション材12とからなる積層体14を含む。板材11の中央部の厚さは、板材11の周縁部の厚さよりも小さい。【選択図】図1

Description

本開示は、畳に関する。
高齢者が、住宅や施設内で転倒して骨折等し、そのまま病床につく事例が多く報告されている。そのため、それらで敷設される床材には、優れた衝撃緩和性能を有することのニーズが高まっている。これに対し、例えば、特許文献1〜4には、衝撃緩和性能を高めるための改良が加えられた床材が開示されている。
特開2011−190673号公報 特開2011−190674号公報 特開2016−199994号公報 特開2016−216928号公報
畳は所定の大きさを有するが、その中の位置(中央付近、周縁付近等)によって衝撃緩和性能にバラツキが生じることがある。このようなバラツキは、小さいことが望ましい。
本開示の課題は、位置による衝撃緩和性能のバラツキが小さい畳を提供することである。
本願の畳は、板材と、板材の裏面側に積層されたクッション材とからなる積層体を含み、板材の中央部の厚さは、板材の周縁部の厚さよりも小さい。
本開示の畳によると、位置による衝撃緩和性能のバラツキが小さい。
図1は、本開示の第1の実施形態の畳について、積層構造を説明する図である。 図2は、図1の畳に用いる板材を模式的に示す平面図である。 図3は、図2におけるIII-III線における断面を示す図である。 図4は、本開示の第2の実施形態の畳について、積層構造を説明する図である。
(第1の実施形態)
以下、本開示の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の畳10の断面を模式的に示す図である。
畳10は、板材11と、板材11の裏面側に積層されたクッション材12と、板材11の表面側に積層された化粧材13とを備える。
ここで、図1は、各部材の積層の状態を示すものであり、板材11を均一な厚さに示している。しかし、板材11の中央部の厚さは、板材11の周縁部の厚さよりも小さくなっている。これを図2及び図3に示す。
図2は、板材11を表面側(化粧材13が積層される側)から見た平面図である。また、図3は、図2におけるIII-III線による断面図である。図2及び図3に示す通り、本実施形態において板材11の平面形状は正方形であり、裏面側に平面形状が円形の凹部11aを有している。凹部11aの中心と板材11の中心とは一致しており、また、III-III線は凹部11aの中心を通る線である。
凹部11aが形成されていることによって、板材11の中央部の厚さt0は、周縁部の厚さt1よりも小さくなっている。尚、凹部11aは、例えば球面の一部であるような形状であっても良い。このように、板材11の厚さは、周縁部側から中央部側に向かって連続的に薄くなっていることが好ましい。
このような板材11を用いて形成された本実施形態の畳10は、その平面形状内において、位置による衝撃緩和性能のバラツキが小さい。
衝撃緩和性能のバラツキをより小さくする観点から、板材11の中央部の厚さt0と、周縁部の厚さt1との差(t1−t0)は、周縁部の厚さt1に対して5%以上であることが好ましく、8%以上であることがより好ましく、また、25%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。言い換えると、中央部の厚さt0は、周縁部の厚さt1に対して95%以下であることが好ましく、92%以下であることがより好ましく、また、75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
また、衝撃緩和性能のバラツキをより小さくする観点から、板材11の厚さの変化は緩やかで且つ板材11の広い範囲にわたるものであることが好ましい。このために、凹部11aの幅(平面図における寸法)が、板材11の幅に対して、75%以上である部分を有することが好ましく、85%以上である部分を有することがより好ましい。本実施形態では、円形である凹部11aの直径が、正方形である板材11の一辺の寸法の75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
但し、凹部11aの平面図における形状は、円には限らない。例えば正方形であって、その各辺が板材11の各辺と平行になっていても良い。この場合、凹部11aは高さがt1−t0の四角錐状になっていても良い。
また、板材11の厚さは、図3に例示するように連続的に変化することが好ましいが、段階的な変化とすることも可能である。
ここで、板材11の構成素材としては、例えば、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(中見掛け密度繊維板、以下「MDF」という。)、インシュレーションボード(軟質繊維板)、ハードボード(硬質繊維板)、合板、高粱ボード、樹脂発泡ボード等が挙げられる。板材11は、これらのうちのいずれかの単一材、又は、複数の複合材で構成されていることが好ましく、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、これらのうちのMDFを含んで構成されていることが好ましい。
板材11の周縁部における厚さt1は、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、好ましくは4.0mm以上15.0mm以下、より好ましくは4.0mm以上7.0mm以下である。
板材11の曲げ弾性率は、500MPa以上4000MPa以下であるが、エネルギーが局部的にクッション材12に伝えられるのを回避するとともに、クッション材12で効率的にエネルギーを吸収し、それにより優れた衝撃緩和性能を得る観点から、好ましくは1500MPa以上3800MPa以下、より好ましくは3000MPa以上3600MPa以下である。この曲げ弾性率は、板材11の構成素材が樹脂の場合、JISK71
71:2016に基づいて測定されるものであり、板材11の構成素材が木材の場合、JIS Z2101:2009に基づいて測定される曲げヤング係数である。
クッション材12の構成素材としては、例えば、不織布、合成繊維フェルト、天然繊維フェルトなどの繊維構造体;合成樹脂発泡材、ゴム発泡材などの発泡材等が挙げられる。クッション材12は、これらのうちのいずれかの単一材、又は、複数の複合材で構成されていることが好ましく、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、これらのうちの不織布を含んで構成されていることが好ましく、ボード型不織布を含んで構成されていることがより好ましく、ボード型不織布のみで構成されていることが更に好ましい。
ボード型不織布は、例えば、ポリエステル等の高融点の第1材料と、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の低融点の第2材料とで形成されたコンジュゲート繊維のステープルファイバのウェブに、加熱スチームを噴射して第2材料間を溶着させることにより製造することができる。コンジュゲート繊維は、第1材料の内層と第2材料の外層とを有するシースコア型であってもよく、また、第1材料と第2材料とを貼り合わせたサイドバイサイド型であってもよい。市販のボード型不織布としては、例えば、クラレクラフレックス社製のフェリベンディが挙げられる。
クッション材12は、複数の構成素材を積層一体化した積層体、具体的には、例えば複数枚の不織布の積層体で構成されていてもよい。この場合、複数の構成素材の接合手段としては、例えば、ホットメルト接着剤、両面粘着テープ、接着シート、液体接着剤などを用いて接着する化学的接合手段;縫い合わせによる縫着、タッカーによる鋲打などの機械的接合手段が挙げられる。複数の構成素材は、化学的接合手段のみにより接合されていてもよく、機械的接合手段のみにより接合されていてもよく、化学的接合手段及び機械的接合手段が組み合わされて接合されていてもよい。また、複数の構成素材は、縁部又は隅部だけが接合され、中央部分が非接合とされていてもよい。
クッション材12の厚さは、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、好ましくは8.0mm以上20mm以下、より好ましくは10mm以上15mm以下である。
クッション材12の圧縮弾性率は、1.0MPa以上2.5MPa以下であるが、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、好ましくは1.2MPa以上2.3MPa以下、より好ましくは1.4MPa以上2.0MPa以下である。この圧縮弾性率は、JISK71
81:2011に基づいて測定されるものである(以下、同様)。
クッション材12の目付は、例えば400g/m以上800g/m以下である。クッション材12の見掛け密度は、例えば0.030g/cm以上0.070g/cm以下である。
板材11とクッション材12との接合手段としては、例えば、ホットメルト接着剤、両面テープ、接着シート、液体接着剤などを用いて接着する化学的接合手段;縫い合わせによる縫着、タッカーによる鋲打などの機械的接合手段が挙げられる。板材11とクッション材12とは、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、中央部分を含んで化学的接合手段の接着により接合されていることが好ましい。その一方、板材11とクッション材12とは、同様の観点から、中央部分が機械的接合手段により接合されていないことが好ましい。また、板材11とクッション材12とは、縁部又は隅部だけが接合され、中央部分が非接合とされていてもよい。
板材11とクッション材12との積層体の表面側の圧縮弾性率は、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、好ましくは2.0MPa以上15.0MPa以下、より好ましくは3.0MPa以上6.0MPa以下である。
板材11の表面側に積層される化粧材13としては、例えば、畳表、樹脂製シート、又は合成繊維や天然繊維の織物フローリング、カーペット、絨毯等が挙げられる。畳表としては、天然イ草製畳表、和紙製畳表、樹脂製畳表等を用いることができる。樹脂製畳表を用いる場合、樹脂としては、塩化ビニル、ポリプロピレン等を用いることができ、また、炭酸カルシウム等の無機材料が配合されていても良い。
化粧材13の厚さは、耐久性等の表面性能を得る観点から、好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは15.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下である。
化粧材13と板材11とは、化学的接合手段及び/又は機械的接合手段により接合されていることが好ましい。また、化粧材13と板材11とは、縁部又は隅部だけが接合され、中央部分が非接合とされていてもよい。
次に、畳10のJIS A5917:2018の床の硬さ試験に準じて測定される表面の硬さ(以下「第1G値」という。)は、好ましくは50G以下、より好ましくは45G以下である。畳10のJISA6519:2013の床の硬さ試験に準じて測定される表面の硬さ(以下「第2G値」という。)も、好ましくは50G以下、より好ましくは45G以下である。これらの第1G値及び第2G値は、頭部モデルを測定対象に自由落下させて衝突したときの加速度を、測定対象の表面の硬さとしたものである。従来、これらの第1G値及び第2G値が50G以下である床材は知られていない。
畳10の第1G値と第2G値との差は、好ましくは10G以下、より好ましくは5G以下である。前者では、5回の落下試行における第3回から第5回の測定値の平均であり、後者では、1回の落下試行での測定値である。通常、落下試行を繰り返すと、衝撃緩和性能は低下するので、第1G値よりも第2G値の方が小さくなる。したがって、第1G値と第2G値との差が小さいということは、落下試行を繰り返しても衝撃緩和性能が維持されることを意味する。従来、これらの第1G値と第2G値との差が10G以下である床材は知られていない。
(第2の実施形態)
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。図14は、本実施形態の畳20について、周縁部の断面を模式的に示す図である。
板材11と、板材11の裏面側に積層されたクッション材12(以下、第1のクッション材12とも呼ぶ)と、板材11の表面側に積層された化粧材13とを備えることについては、第1の実施形態における畳10と同様である。
化粧材13は、畳20の周縁部において、板材11及び第1のクッション材12の積層体の側端部及び裏側面の一部まで伸び、折り返し部13aとなっている。尚、このような折り返し部13aは、第1の実施形態の畳10において設けても良い。
本実施形態の畳20は、畳10の構成に加えて、以下の構成を有する。まず、板材11と化粧材13との間に、第2のクッション材26が積層されている。また、化粧材13に対して、裏側に裏打ちシート25が積層されている。裏打ちシート25は、化粧材13の折り返し部13aにも形成されている。
また、第1のクッション材12の裏面(板材11とは反対側)に、第3のクッション材27が積層されている。本実施形態では、第3のクッション材27は、化粧材13及び裏打ちシート25を合わせた厚さと同等の厚さを有し、且つ、折り返し部13aと端部同士が並ぶように(従って、重なること無しに)設けられている。
更に、第3のクッション材27を覆い、且つ、第3のクッション材27の少なくとも一部を覆うように、防水シート28が形成されている。これにより、第3のクッション材27と折り返し部13aとの境界は防水シート28により覆われている。また、防水シート28の端部を覆うように、防水シート28と折り返し部13aとにわたってテープ材29が貼り付けられている。
第2のクッション材26の構成素材としては、例えば、不織布、合成繊維フェルト、天然繊維フェルトなどの繊維構造体;合成樹脂発泡材、ゴム発泡材などの発泡材;ゴム板、樹脂板などのエラストマー板;紙等が挙げられる。第2のクッション材26は、これらのうちのいずれかの単一材、又は、複数の複合材で構成されていることが好ましい。第2のクッション材26は、第1の実施形態において説明したボード型不織布を含んで構成されていてもよい。
第2のクッション材26の厚さは、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、第1のクッション材12の厚さよりも薄いことが好ましく、具体的には、好ましくは0.5mm以上20.0mm以下、より好ましくは2.0mm以上8.0mm以下である。第2のクッション材26の圧縮弾性率は、歩行性能や使用時の柔らかさを得る観点から、具体的には、好ましくは0.5MPa以上2.5MPa以下、より好ましくは1.0MPa以上2.0MPa以下である。
第2のクッション材26の目付は、例えば50g/m以上300g/m以下である。第2のクッション材26の見掛け密度は、例えば0.020g/cm以上0.150g/cm以下である。
板材11と第2のクッション材26とは、化学的接合手段及び/又は機械的接合手段により接合されていることが好ましい。また、板材11と第2のクッション材26とは、縁部又は隅部だけが接合され、中央部分が非接合とされていてもよい。
化粧材13としては、第1の実施形態の化粧材13と同様のものと用いてもよい。
裏打ちシート25は、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂製シートであってもよく、発泡シートでもよい。また、裏打ちシート25は、防水性のシートであることが好ましく、化粧材13と裏打ちシートが接着されていることがより好ましい。これにより、化粧材13が汚れた場合には畳20を水洗することができる。
また、第3のクッション材27としては、第2のクッション材26と同様の材料からなっていても良い。第3のクッション材27の厚さは、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、第1のクッション材12の厚さよりも薄いことが好ましく、具体的には、好ましくは0.5mm以上20.0mm以下、より好ましくは2.0mm以上4.0mm以下である。第3のクッション材25の圧縮弾性率は、優れた衝撃緩和性能を得る観点から、第1のクッション材12の圧縮弾性率よりも高いことが好ましく、具体的には、好ましくは5.0MPa以上10.0MPa以下、より好ましくは6.0MPa以上8.0MPa以下である。
また、防水シート28としては、防水性の裏打ちシート25と同様の構成であっても良い。テープ材29として、樹脂製のテープ等を用いることができる。
本実施形態の畳20においても、第1G値は、好ましくは50G以下、より好ましくは45G以下である。また、第2G値は、好ましくは50G以下、より好ましくは45G以下である。さらに、第1G値と第2G値との差は、好ましくは10G以下、より好ましくは5G以下である。
図4においても板材11を均一な厚さに示しているが、第1の実施形態の畳10と同様に、板材11の厚さは、周縁部から中央部に向かって緩やかに薄くなっている。これは、図2及び図3に示したのと同様である。
このような板材11を用いて形成された本実施形態の畳20についても、その平面形状内において、位置による衝撃緩和性能のバラツキが小さい。
(畳)
以下の実施例1〜6及び比較例1〜4の床材を作成した。尚、それぞれの構成は表1にも示す。
<実施例1>
板材として、厚さが7.0mmのMDF(曲げ弾性率:3200MPa)を準備した。当該板材について、一方の面(裏側面)から研削して凹部を形成し、中央部における厚さt0を6.4mmとした。板材の周縁部には研削されずに元の厚さの部分があり、これを周縁部厚さt1とする。
第1クッション材として、不織布積層体を作製した。具体的には、ポリエステルの内層とエチレン−ビニルアルコール共重合体の外層とを有するコンジュゲート繊維のステープルファイバのウェブに、加熱スチームを噴射して製造されたボード型不織布(フェリベンディ クラレクラフレックス社製、厚さ4mm)3枚を、ホットメルト接着剤を介して積層一体化した。作製した不織布積層体は、厚さが12.0mm(圧縮弾性率:1.7MPa、目付:600g/m、見掛け密度:0.050g/cm)であった。
化粧材として、樹脂製の模造藺草で形成された厚さが2.0mmの畳表(目付:838g/m、見掛け密度:0.42g/cm)の裏面側に、厚さが2.0mmの粘着加工が施された緩衝材のポリエチレン発泡シート(圧縮弾性率:14MPa、目付:255g/m、見掛け密度:0.13g/cm)をラミネート加工で積層一体化した積層体を作成した。当該積層体は、厚さ:4.0mm、目付:1093g/m、見掛け密度:0.27g/cmであった。
板材の裏側面(研削を行った側の面)に第1クッション材を非接着で積層すると共に、その隅部をタッカーにより接合した。また、
この板材と第1クッション材との積層体の表面側の圧縮弾性率は4.7MPaであった。
次いで、板材の表側面(第1の実施形態とは反対側の面)に、ポリエチレン発泡シートが接触するように化粧材を非接着で積層するとともに、その隅部をタッカーで接合することにより、総厚さが24.4mmの床材(畳)を作製し、それを実施例1とした。尚、総厚さについて、中央部の厚さt0を用いて算出している。
<実施例2>
第1クッション材として、厚さ:9mm(厚さ3mmのボード型不織布3枚を一体化した構成)、目付:450g/cmの不織布積層体を用いた他は実施例1と同様にして、総厚さ19.4mmの床材を作製し、これを実施例2とした。第1のクッション材の材料については、実施例1と同様である。
<実施例3>
第2の実施例の構成に加えて、第2のクッション材を用いる床材を作製した。第2クッション材としては、ボード型不織布を用いた。具体的には、ポリエステルの内層とエチレン−ビニルアルコール共重合体の外層とを有するコンジュゲート繊維のステープルファイバのウェブに、加熱スチームを噴射して製造された厚さが2.0mmのボード型不織布(フェリベンディ クラレクラフレックス社製、圧縮弾性率:1.6MPa、目付:100g/m、見掛け密度:0.050g/cm)である。
第2のクッション材は、板材と化粧材との間に積層した。つまり、板材の表面側に第2のクッション材を非接着で積層し、当該第2のクッション材の表面側にポリエチレンシートが接触するように化粧材を積層し、タッカーで接合した。作製した床材の総厚さは21.4mmであった。
<実施例4>
第1の実施例の構成に加えて、第2のクッション材を用いる床材を作製した。第2のクッション材としては、ポリエステル繊維製の厚さが2.0mmの不織布(目付:240g/m、見掛け密度:0.12g/cm)を用いた。
第2のクッション材は、板材と化粧材との間に積層した。つまり、板材の表面側に第2のクッション材を非接着で積層し、当該第2のクッション材の表面側にポリエチレンシートが接触するように化粧材を積層し、タッカーで接合した。
また、第1のクッション材は、板材の裏面側にホットメルト接着剤を用いて接着して積層した。作製した床材の総厚さは24.4mmであった。
<実施例5>
第1のクッション材の厚さ及び目付の他は実施例4と同様にして、実施例5の床材を作製した。つまり、実施例4では、厚さ:12mm、目付:600g/m、の第1のクッション材を用いている。これに対し、実施例5では、同様の材料からなる厚さ:9mm、目付:450g/m、の第1のクッション材を用いる。この第1のクッション材は、実施例2において用いた第1のクッション材と同じである。
実施例5においても、板材と第1のクッション材とはホットメルト接着剤により接着して接合した。作製した床材の総厚さは、21.4mmであった。
<実施例6>
第1のクッション材の厚さ及び目付が異なることと、第3のクッション材を用いることの他は実施例4と同様にして、実施例6の床材を作製した。
実施例6の第1のクッション材は、実施例4のクッション材と同様の材料からなり、厚さ:8mm、目付:400g/mである。
また、第1のクッション材の裏面側に、第3のクッション材をホットメルト接着剤により接着して積層した。第3のクッション材としては、ポリエステル繊維製の厚さが4.0mmの不織布(圧縮弾性率:6.8MPa、目付:480g/m、見掛け密度:0.12g/cm)を用いた。作製した床材の総厚さは24.4mmであった。
<比較例1>
板材として、厚さが4mmで均一である(つまり、実施例の板材では行った裏面側の研削をしておらず、中央部の厚さt0及び周縁部の厚さt1が共に4mmである)MDFを用いた。第1のクッション材としては、実施例1と同様の厚さ:12mm、目付600g/cmの不織布積層体を用いた。第1のクッション材は、実施例4と同様にホットメルト接着剤により板材の表面側に接着して積層した。
また、第2のクッション材として、実施例3と同様のボード型不織布を用いた。
他の点では実施例1と同様にして、比較例1の床材を作製した。床材の総厚さは22mmであった。
<比較例2>
第2のクッション材として、実施例3と同様のボード型不織布を用いた他は、比較例1と同様にして、比較例2の床材を作製した。床材の総厚さは22mmであった。
<比較例3>
板材として、厚さが4mmで均一であるアルミ合板を用いたこと、及び、第1のクッション材として、厚さ:9mm、目付:450g/cmの不織布積層体(実施例2の第1のクッション材と同様のもの)を用いたことの他は、比較例2と同様にして、比較例3の床材を作製した。床材の総厚さは、19mmであった。
Figure 2021042577
(試験方法)
実施例1〜6及び比較例1〜3のそれぞれの床材について、JISA5917:2018の床の硬さ試験に準じて第1G値を測定した。また、JIS A6519:2013の床の硬さ試験に準じて第2G値を測定した。そして、第1G値と第2G値との差を算出した。これらの結果についても、表1に示している。
表1に示す通り、実施例1〜6では、第1G値及び第2G値が50以下(更には45以下)であり、且つ、第1G値と第2G値との差が5G以下であって、非常に優れた衝撃緩和性能を有する。
また、実施例1の畳は2枚作製し、それぞれ任意の5カ所についてG値を測定した。測定結果を表2に示す。同様に、比較例1の畳も2枚作製してそれぞれ任意の5カ所についてG値を測定した。この結果も表2に示す。
Figure 2021042577
表2に示す通り、G値は、測定の位置によってバラツキを生じる。しかしながら、比較例1の場合、数値の範囲(最大値と最小値との差)は23、標準偏差は8.0であるのに対して、実施例1の場合、数値の範囲は11、標準偏差は3.2である。つまり、G値のバラツキは明らかに実施例1の方が小さい。つまり、中央部側に向かって厚さが小さくなる板材を用いた実施例1の方が、均一な厚さの板材を用いた比較例1よりも、床材の衝撃緩和性能の位置によるバラツキが小さくなっている。
本開示の床材によると、衝撃緩和性能のバラツキが小さいので、衝撃緩和のための床材として有用である。
10 畳
11 板材
11a 凹部
12 クッション材(第1のクッション材)
13 化粧材
14 積層体
20 畳
25 裏打ちシート
26 第2のクッション材
27 第3のクッション材
28 防水シート
29 テープ材

Claims (7)

  1. 板材と、前記板材の裏面側に積層されたクッション材とからなる積層体を含む畳であって、
    前記板材の中央部の厚さは、前記板材の周縁部の厚さよりも小さいことを特徴とする畳。
  2. 請求項1において、
    前記板材の厚さは、周縁部側から中央部側に向かって連続的に薄くなっていることを特徴とする畳。
  3. 請求項1又は2において、
    前記板材における中央部の厚さt0と、周縁部の厚さt1との差(t1−t0)は、周縁部の厚さt1に対して5%以上で且つ25%以下であることを特徴とする畳。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
    前記板材の表面側に、化粧材が備えられていることを特徴とする畳。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つにおいて、
    前記板材の裏面側に凹部を有することにより、前記板材における中央部の厚さt0は周縁部の厚さt1よりも小さいことを特徴とする畳。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つにおいて、
    JIS A 5917:2018の床の硬さ試験に準じて測定される表面の硬さが50G以下であることを特徴とする畳。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つにおいて、
    JIS A5917:2018の床の硬さ試験に準じて測定される表面の硬さと、JIS A6519:2013の床の硬さ試験に準じて測定される表面の硬さとの差が10G以下であることを特徴とする畳。
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