JP2021041571A - 合成紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、高い剛度を有し、かつ薄膜化が可能な合成紙を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示は、無機物質粉末と第1の熱可塑性樹脂とを有する基材層と、上記基材層の少なくとも一方の主面上に配置され、第2の熱可塑性樹脂と異方性無機フィラーとを有する剛度補強層と、を有する合成紙を提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図1

Description

本開示は、合成紙に関する。
現在、非常に多くの合成紙が開発されており、無機物質粉末及び樹脂を含有する合成紙が、従来のプラスチックフィルムに無機物質粉末を配合することにより生産されている。特に、無機物質粉末のなかでも炭酸カルシウムは、原料の石灰石が地球上に極めて豊富に存在するため、どこでも容易に且つ安価に入手できる。そのため、炭酸カルシウムを高配合して、紙状の薄膜シートとしたものが環境に優しい紙として提案されている(特許文献1)。
特許文献2には、熱可塑性樹脂と炭酸カルシウム粉末とを含有するシート状の基材の表面に、表面改質層やインクジェット用のインク需要層等の機能層を積層した積層フィルムが記載されている。
特開平11−277623号公報 特許6095694号公報
このように、無機物質粉末及び樹脂を含有する合成紙が多く生産されているが、無機物質粉末及び樹脂を含有する合成紙は、剛度(コシ)が低く、給排紙適性などの印刷作業性や、製品としての取り扱い性に劣る場合があった。包装用紙として使用した場合には、剛度が低いためたるみ易く、包装物の外観を損なう場合があった。合成紙を厚膜化することで剛度は向上するものの、重量が増加し、紙の代替品としては不適切であった。
本開示は、上記問題に鑑みてなされた発明であり、高い剛度を有し、かつ薄膜化が可能な合成紙を提供することを主目的とする。
本開示は、無機物質粉末と第1の熱可塑性樹脂とを有する基材層と、上記基材層の少なくとも一方の主面上に配置され、第2の熱可塑性樹脂と異方性無機フィラーとを有する剛度補強層と、を有する合成紙を提供する。
本開示によれば、薄く、かつ、高い剛度を有し、印刷用紙や包装用紙として好適な合成紙を提供することができる。
本開示の合成紙の一例を示す概略断面図である。 本開示の合成紙の別の一例を示す概略断面図である。 本開示の合成紙の別の一例を示す概略断面図である。 実施例1に示す合成紙の剛度強化層内に含まれる異方性無機フィラーの状態を示す断面SEMである。 実施例1に示す合成紙の断面の全層の光学写真像である。
以下、本開示の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
また、本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
上述したように、従来の無機物質粉末及び樹脂を含有する合成紙は、剛度(コシ)が低く、給排紙適性等の印刷作業性に劣る場合があり、特に、1枚1枚印刷する枚葉式オフセット印刷においては、紙が送れない等の問題が発生する場合があった。また、合成紙が使用された冊子が垂れ下がる等の製品としての取り扱い性にも劣る場合があり、包装用紙として使用した場合には、剛度が低いためたるみ易く、包装物の外観を損なう場合もあった。
合成紙を厚膜化することで剛度は向上するものの、無機物質粉末を及び樹脂を含む合成紙は比重が比較的高いため、合成紙の全体の重量が増加し、頁数の多い印刷物に採用することは難しく、紙の代替品としては不適切な場合があった。
さらに、無機物質粉末及び樹脂を含有する合成紙は、印刷特性が悪く、また表面が脆く、例えば接着テープを貼付した後に剥がした場合、凝集破壊が生じてしまうといった課題もある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、無機物質粉末と熱可塑性樹脂とを有する基材層の少なくとも一方の主面上に、異方性無機フィラーを含有する剛度補強層を設けることで、剛度が高く、薄膜化が可能であり、印刷特性等の不具合が無く、取り扱い性が良好で、印刷用紙や包装用紙等として好適な合成紙となることを見出した。
以下、本開示の合成紙について詳述する。
本開示の合成紙は、無機物質粉末と第1の熱可塑性樹脂とを有する基材層と、上記基材層の少なくとも一方の主面上に配置され、第2の熱可塑性樹脂と異方性無機フィラーとを有する剛度補強層とを有することを特徴とするものである。
図1は、本開示の合成紙を例示する概略断面図である。本開示の合成紙10は、基材層1と、基材層1の主面上に配置された剛度補強層2とを有する。図1においては、剛度補強層2は、基材層1の両方の主面上に配置されている。基材層1は、無機物質粉末と、第1の熱可塑性樹脂とを有し、剛度補強層2は、第2の熱可塑性樹脂と異方性無機フィラー3とを有する。
このような本開示の合成紙であれば、異方性を有するフィラーである異方性無機フィラーを剛度補強層内に含むことから、合成紙が高い剛度を有するものとなる。
1.剛度補強層
本開示における剛度補強層は、異方性無機フィラーと、第2の熱可塑性樹脂とを含む層である。上記剛度補強層は、異方性無機フィラーが含有されていることにより高い剛度を合成紙に付与する機能を有する。剛度補強層は、基材層の一方または両方の主面上に積層される。以下、剛度補強層に含まれる各成分について詳述する。
(1)異方性無機フィラー
本開示における異方性無機フィラーは、形状異方性を有する無機フィラーであり、その形の長径、短径又は厚みがほぼ同じである球状、立方体等の正多面体状を除く形状であって、板状、針状、楕円球状等の形状を有するフィラーを意味する。本開示において、異方性無機フィラーは、板状または針状のフィラーが好ましく、中でも板状のフィラーであることが好ましい。効果的に合成紙の剛度を向上させることができるからである。
本明細書において「板状」とは、平面板、曲面板等を意味し、これらを組み合わせた形状であってもよいが、平面板であることが好ましい。なお、平面視形状は、特に限定されない。また、厚さが一定であるものであってよいし、異なるものであってもよい。「針状」とは、直線状であって、断面形状が、円形、楕円形、多角形、不定形等とすることができる。さらに、一端側から他端側に向かって、厚さが変化するものであってもよいし、一定であるものであってもよい。
本開示における異方性無機フィラーは、最長長さ(長径)が、剛度補強層の厚みよりも大きいものが好ましい。異方性無機フィラーの長径が剛度補強層の厚みよりも大きいことで、合成紙の製造過程における押出成形時に、異方性無機フィラーが剛度補強層内で水平方向に配向しやすくなり、剛度が高い合成紙を確実に得ることができるために好ましい。
なお、本開示において、長径とは、板状であれば、平面視形状で最も長い径、もしくは最も長い対角線を示すものであり、針状であれば、その長さを示すものとする。
具体的には、異方性無機フィラーの長径は、上記剛度補強層の膜厚を1とした場合、1.1〜20の範囲内、特に1.2〜10の範囲内であることが好ましい。上記下限値より長径が大きいことにより、剛度補強層を成形した際に、剛度補強層内で剛度補強層の表面に対し、異方性無機フィラーを略平行に配向させることが可能となり、合成紙の剛度の向上をより効果的に行うことができるからである。一方、上記上限値より長径を短くすることにより、合成紙表面の平滑性を確保することが可能となる。
このような異方性無機フィラーの長径の具体的な長さとしては、11μm以上であることが好ましく、中でも、12μm以上であることが好ましい。一方、200μm以下であることが好ましく、中でも、180μm以下であることが好ましい。
上記下限値以上であることにより、より効果的に剛度の向上を図ることが可能となる。一方、上記上限値以下であることにより、剛度補強層表面における異方性無機フィラーの突出を抑制することが可能となり、合成紙の表面平滑性が良好とすることができる。
本開示における異方性無機フィラーは、厚みと長径との比が、1:2〜1:500であるものを使用することができ、好ましくは、1:3〜1:400である。このような高いアスペクト比を有する異方性無機フィラーであれば、合成紙の押出成形時に、異方性無機フィラーが剛度補強層内で水平方向に配向しやすく、合成紙の剛度の向上を効果的に行うことができるため好ましい。
異方性無機フィラーの厚み、長径等は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて任意数(例えば50個)のフィラーの形状を観察し、これらのフィラーの厚みや長径を測定し、平均した値として求めることができる。
異方性無機フィラーとしては、金属や無機化合物のフィラーが挙げられ、具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、硝酸アルミニウム、酸化亜鉛、塩基性硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、二硝化チタン、硫酸カルシウムなどのウィスカー、ウォラストナイト、アルミニウム、チタン、銅等の金属、真鍮、ステンレス等の合金等からなる無機系繊維状充填剤、ガラスフレーク、金属箔、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、板状酸化鉄、板状炭酸カルシウム、板状水酸化アルミニウム等が挙げられる。
中でも、ガラス繊維およびガラスフレークがコスト面において好ましく、板状であることからガラスフレークが特に好ましい。また、本開示における異方性無機フィラーは、上記で例示したフィラーが表面処理されたものであってもよい。
異方性無機フィラーは、剛度補強層中に3質量%以上20質量%以下、中でも、5質量%以上18質量%以下含まれていることが好ましい。
上記の下限値以上であれば、合成紙の剛度を確実に高くすることができ、上記の上限値以下であれば、合成紙の外観が良好となるため好ましい。
(2)第2の熱可塑性樹脂
第2の熱可塑性樹脂としては、一般的な熱可塑性樹脂を用いることができる。
中でも、第2の熱可塑性樹脂のメルトマスフローレート(MFR)が、0.3g/10分以上、15g/10分以下であることが好ましく、0.4g/10分以上、10g/10分以下であることがより好ましい。MFRが上記の範囲の樹脂を用いることにより、製膜性が良好であり、合成紙の製造が容易である。
なお、本開示におけるMFRは、ポリエチレン樹脂の場合はJIS K7210により測定した190℃、荷重2.16kg、比重0.9における値をいう。但し、ポリプロピレン樹脂のMFRについては、同じくJIS K7210による、230℃、荷重2.16kg、比重0.9におけるMFRの値のことを言うものとする。
本開示においては、合成紙の製造の容易さ、および、合成紙の剛度の観点から、第2の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が好ましく、中でも、ポリプロピレン樹脂、およびポリエチレン樹脂を好ましく使用することができる。
合成紙の剛度の観点からは、ポリプロピレン樹脂が好ましいが、合成紙への成形性や合成紙とした際の柔軟性等の観点からはポリエチレン樹脂が好ましい。本開示においては、中でもポリプロピレン樹脂にポリエチレン樹脂を混合した樹脂を用いることが好ましい。
ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との混合比は、重量比で、1:1〜10:1の範囲内とすることが好ましい。
本開示において用いらえるポリエチレン樹脂は、合成紙の強度等の観点から、高密度ポリエチレン樹脂が好適に用いられる。
本開示における剛度補強層においては、上記第2の熱可塑性樹脂と上記異方性無機フィラーとの重量比が、97:3〜80:20の範囲で混合することが好ましい。
(3)他の材料
本開示における剛度補強層は、上述した異方性無機フィラーおよび第2の熱可塑性樹脂以外にも種々の材料を含むものであってもよい。
例えば、合成紙の用途に応じて白色顔料を含んでもよい。白色顔料を含むことにより、合成紙表面の白色度が増し、印刷用紙としてより一層好適なものとなる。剛度補強層が基材層の両主面上に配置されている場合、白色顔料は一方の剛度補強層に含まれていてもよいし、両方の剛度補強層に含まれていてもよい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタン等が挙げられる。また、剛度補強層中の、白色顔料の含有量は、分散安定性の観点から、上記第2の熱可塑性樹脂と上記異方性無機フィラーとの合計含有量100重量部に対して、30重量部以下であることが好ましい。
酸化チタンは耐候性の観点から光触媒活性が低いルチル型が好適に用いられ、この中でもアルミやシリコン等の無機物で表面処理を施したものがさらに好適に用いられる。なお、白色顔料については必ずしも剛度補強層中に含む必要はなく、場合により基材層に含んでもよい。
また、耐候性の改善を目的に紫外線吸収剤、酸化防止剤等を剛度補強層に添加してもよい。これらは従来の樹脂フィルム、樹脂シートに一般的に使用されているものが好適に利用される。
(4)その他
剛度補強層の膜厚は、特に限定されないが、4μm以上、20μm以下が好ましく、中でも、5μm以上、15μm以下が好ましい。
上記の下限値以上であれば、合成紙の剛度を十分に高くすることができ、上記の上限値以下であれば、異方性無機フィラーが層内で水平方向に配向しやすくなり、かつ、合成紙を軽量化できるため好ましい。
2.基材層
本開示における基材層は、無機物質粉末と、第1の熱可塑性樹脂と、を含むものである。
(1)無機物質粉末
本開示における無機物質粉末としては、合成紙の製造に従来使用されている無機物質粉末を用いることができる。無機物質粉末としては、等方性を有する無機フィラー、又は異方性が低い無機フィラーであって、例えば、球状充填材、不定形充填材等が使用され得るものである。
具体的には、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、シリカ、クレー、カオリン、および水酸化アルミニウム等が挙げられる。本開示においては、コスト等の観点から炭酸カルシウムが好適に用いられる。なお、基材層中への分散性向上のために、その表面を常法に従い改質してもよい。
上記無機物質粉末は、上述したように等方性を有する無機フィラー、又は異方性が低い無機フィラーが用いられる。具体的には、上記無機物質粉末の厚みと長径との比が、1:1〜1:2であるものが好ましく、1:1〜1:1.5の範囲内のものが特に好ましい。
無機物質粉末の平均粒子径は、無機物質粉末が基材層から大きな粒子が離脱するのを防ぐために、15μm以下のものを使用するのが好ましい。特に、その粒径分布において、粒子径50μm以上の粒子を含有しないことが好ましい。上記の値以下の平均粒子径であれば、さらに、成膜時のピンホール、破れ等の欠陥を発生させることなく良好な膜を得ることができる。他方、粒子が細かくなり過ぎると、熱可塑性樹脂と混練した際に粘度が著しく上昇し、薄膜材料の製造が困難になるとともに、作成した薄膜材料の表面の平滑性が高くなりすぎる。そのため、その平均粒子径は0.5μm以上とすることが好ましい。
なお、本発明における無機物質粉末の粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した、積算%の分布曲線から得られる50%粒子径(d50)である。
本開示に用いられる無機物質粉末は、基材層中に40質量%以上70質量%以下、中でも、50質量%以上65質量%以下含まれていることが好ましい。上記の下限値以上であれば、合成紙の強度が高くかつ安価となり、上記の上限値以下であれば、熱可塑性樹脂と混錬した際の粘度上昇を抑制でき、製膜性が容易となるため好ましい。また、無機物質粉末による重量増加を抑制することができるため好ましい。
(2)第1の熱可塑性樹脂
本開示に用いられる第1の熱可塑性樹脂としては、上述した「1.剛度補強層 (2)第2の熱可塑性樹脂」と同様のものを用いることができる。第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂とは、同一であっても良いし、異なっていてもよい。
本開示における基材層は、上記熱可塑性樹脂と上記無機物質粉末との重量比が、18:82〜50:50の範囲で混合することが好ましい。このように基材層は無機物質粉末を高配合とすることで、合成紙を安価で製造することができる。
(3)他の材料
基材層には、上記した第1の熱可塑性樹脂と無機物質粉末の他に滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色用顔料、分散剤、帯電防止剤、難燃剤等の中から選ばれる1種以上の補助剤を添加することができる。補助剤の配合率は、上記第1の熱可塑性樹脂と無機物質粉末との合計含有量100質量%に対して、10質量%以下であることが好ましい。
(4)その他
基材層の膜厚は、特に限定されないが、50μm以上、130μm以下が好ましく、中でも、70μm以上、100μm以下が好ましい。
上記の下限値以上であれば、合成紙の強度を十分に高くすることができ、上記の上限値以下であれば、合成紙の重量増加を抑制できるため好ましい。
3.その他
本開示の合成紙は、上述のように、基材層と、基材層の少なくとも一方の主面上に配置された剛度補強層とを有する。合成紙の構成は、合成紙の用途によって選択されるが、図1に示されるような剛度補強層2、基材層1、および剛度補強層2がこの順に積層された2種3層構造や、図2に示されるような剛度補強層2、および基材層1がこの順に積層された2種2層構造が挙げられる。
本開示の合成紙としては、取り扱い性の観点から、基材層の両主面上に剛度補強層が配置された3層構造を有することが好ましい。図3は、図1に示される合成紙の両表面に配置された剛度補強層2に白色顔料4が添加されている合成紙10を示す。
剛度補強層と基材層の膜厚比は、2層構造の場合には剛度補強層:基材層=5:95〜20:80、3層構造の場合には、剛度補強層:基材層:剛度補強層=5:90:5〜15:70:15、であることが好ましい。
本開示の合成紙の膜厚は、使用の目的に応じて異なるが、膜厚を130μm以下、中でも、80μm〜130μmの範囲内とすることができる。
上記の値以下であれば、重量増加を確実に抑制することができ、ページ数の多い印刷物向けの印刷用紙として使用することができる。また、本開示の合成紙は、剛度補強層を含むことにより、膜厚が上記の値以下と薄くても高い剛度を有するものとなる。
本開示の合成紙は、高い剛度を有する。具体的には、JIS−P8143に準じたクラークこわさ試験機法による臨界長さ(cm)が、厚みが130μm以下の合成紙において、13cm以上、特には、14cm以上となる剛度を達成することができる。
クラークこわさ試験機としては、クラーク剛度試験機 No.2047(熊谷理機工業株式会社)を使用することができる。
また、本開示の合成紙の少なくとも一方の表面上に、機能層を設けることで、幅広い用途に対応できる積層フィルムとすることができる。機能層としては、例えば、インク受容層、帯電防止層、金属層、印刷着色層、接着剤層等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらのなかから複数選択して積層することもできる。
4.合成紙の製造方法
本開示の合成紙は、上述した基材層用の、無機物質粉末と、第1の熱可塑性樹脂とを含む基材層用原料、および、上述した剛度補強層用の、第2の熱可塑性樹脂と、異方性無機フィラーとを含む剛度補強層用原料を準備し、基材層用原料および剛度補強層原料をそれぞれ混練し、Tダイ方式押出成形機で共押出成形することにより製造することができる。
5.用途
本開示の合成紙は、冊子、ポスター、パンフレット等の印刷用紙、包装用紙、化粧シート基材として使用することができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して、本開示をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜2)
基材層原料として、炭酸カルシウムを高配合したマスターバッチ(ポリプロピレンと炭酸カルシウムの合計重量100wt%に対して炭酸カルシムを70wt%含み、MFR=1.0であるマスターバッチ)を準備した。
基材層の主面上に形成するスキン層(剛度補強層)の原料として、下記ガラスフレークA(8質量%)と、酸化チタン(20質量%)と、下記ポリプロピレン(PP):下記高密度ポリエチレン(HDPE)=1:1(質量比)である熱可塑性樹脂とを含むスキン層原料を準備した。
溶融混錬した基材層原料と、スキン層原料とを、下記表1に記載の膜厚となるようにTダイ方式押出成形機で共押出成形することにより合成紙を得た。
・ガラスフレークA(平均長径16μm、平均厚さ5μm、製品名:REF−016(日本板硝子(株)製))
・酸化チタン(平均粒径0.21μm、製品名PF−691(石原産業(株)製)
・ポリプロピレン MFR=1.0
・高密度ポリエチレン MFR=0.37
実施例1の合成紙は、基材層の両主面上にスキン層が配置された2種3層構造(総膜厚100μm)であり、スキン層:基材層:スキン層=10:80:10の膜厚比であった。実施例2の合成紙は、基材層の主面上にスキン層が配置された2種3層構造(総膜厚90μm)であり、スキン層:基材層:スキン層=10:80:10の膜厚比であった。
実施例1において剛度強化層内に含まれる異方性無機フィラーの状態を断面SEMにて評価した。図4に示すようにフィラーの厚さが長径の1/3以下であり、水平方向に配向していることが示されている。
なお、図5は実施例1の合成紙の断面の全層の光学写真像である。図5に示す通り、剛度強化層は基材層の上下に位置しており、それぞれ全層厚の10%の厚さを有していることが確認できる。
(実施例3)
実施例1で使用したガラスフレークAの代わりに、ガラスフレークB(平均長径=160μm、平均厚さ5μm、製品名:REF−160(日本板硝子(株)製))を用いた以外は、実施例1と同様にして、2種3層構造(総膜厚100μm)であり、スキン層:基材層:スキン層=10:80:10の膜厚比の合成紙を得た。
(比較例1〜2)
基材層原料として、実施例と同様のものを準備した。基材層の両主面上に配置するスキン層の原料として、質量比が上記ポリプロピレン(PP):下記高密度ポリエチレン(HDPE)=1:1に加えて白色顔料を20質量%含む熱可塑性樹脂を含むスキン層原料を準備した。次いで、実施例と同様に、溶融混錬した基材層原料と剛度補強層原料とを、下記表1に記載の膜厚となるようにTダイ方式押出成形機で共押出成形した。
比較例1の合成紙は、基材層の両主面上にスキン層が配置された2種3層構造(総膜厚100μm)であり、スキン層:基材層:スキン層=10:80:10の膜厚比であった。
比較例2の合成紙は、基材層の両主面上にスキン層が配置された2種3層構造(総膜厚200μm)であり、スキン層:基材層:スキン層=10:80:10の膜厚比であった。
[剛度評価]
実施例1〜3、比較例1〜2の合成紙について、JIS−P8143に準じたクラークこわさ試験機法による臨界長さ(cm)を、クラーク剛度試験機 No.2047(熊谷理機工業株式会社)を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021041571
表1に示されるように、スキン層として異方性フィラーを含む剛度強化層を有する合成紙は、膜厚が100μmと薄くても剛度が高いものとなった(実施例1〜3)。一方、比較例1のように、スキン層に異方性フィラーを含まない合成紙は、剛度に劣るものであった。また、比較例2のように剛度を上げるために合成紙の膜厚を厚くした場合、重量が増加した。
[遮蔽性評価]
印刷用紙としての適正評価のため、実施例1〜3、比較例1〜2の合成紙の全光線透過率を、JIS K7361−1:1997に準拠して、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、縦5cm×横5cmの大きさに切り出した光学フィルムに対して3回測定を行い、3回測定して得られた値の算術平均値として計算して、印刷用紙として使用可能であることが確認された。
Figure 2021041571
1 … 基材層
2 … 剛度補強層
3 … 異方性無機フィラー
4 … 白色顔料
10 … 合成紙

Claims (3)

  1. 無機物質粉末と第1の熱可塑性樹脂とを有する基材層と、
    前記基材層の少なくとも一方の主面上に配置され、第2の熱可塑性樹脂と異方性無機フィラーとを有する剛度補強層と、
    を有する合成紙。
  2. 前記異方性無機フィラーは、板状又は針状であり、厚みと長径との長さ比が、1:2〜1:500であることを特徴とする請求項1に記載の合成紙。
  3. 前記異方性無機フィラーの長径が、前記剛度補強層の厚みよりも大きいことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の合成紙。
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