JP6885216B2 - 装飾シート及び該装飾シートを用いた容器 - Google Patents

装飾シート及び該装飾シートを用いた容器 Download PDF

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Description

本発明は、装飾シート及び該装飾シートを用いた容器に関する。
従来から、包装容器の意匠性を向上させるために、紙基材上に金属光沢を有するフィルムを貼り合わせた装飾シートが用いられている。また、該装飾シートにエンボス加工を施し、表面に模様を形成することも行われている。
例えば、特許文献1には、紙基材上に接着剤層、金属蒸着層、及び絵柄印刷層を有する金属蒸着転写印刷物(装飾シート)が開示されており、特許文献2には、紙基材上に接着剤層、及び金属蒸着層を有する金属蒸着紙(装飾シート)が開示されている。
特開平8−99455号公報 特開2006−27244号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の装飾シートは、紙基材上に接着剤層を介して金属蒸着層が積層されているため、紙基材表面の凹凸が緩和され難く、高度な金属光沢感が得られないという問題があった。
さらに、特許文献1及び2の装飾シートは、装飾シートを構成する各層の間の密着性が十分ではなく、抜き加工時に端部が毛羽立ちやすいという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、高度な金属光沢感を有するとともに、層間密着性に優れた装飾シート、及び該装飾シートを用いた容器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の[1]〜[2]を提供する。
[1]紙基材上に、粒子を含有する平滑化層、アンカーコート層、熱可塑性樹脂層、金属膜を備えたプラスチックフィルムをこの順に有する、装飾シート。
[2]上記[1]に記載の装飾シートを用いてなる容器。
本発明によれば、高度な金属光沢感を有するとともに、層間密着性に優れた装飾シート、及び、該装飾シートを用いた容器を提供することができる。
本発明の装飾シートの一実施形態を示す断面図である。
[装飾シート]
本発明の装飾シートは、紙基材上に、粒子を含有する平滑化層、アンカーコート層、熱可塑性樹脂層、金属膜を備えたプラスチックフィルムをこの順に有するものである。
図1は、本発明の装飾シートの一実施形態を示す断面図である。図1の装飾シート10は、紙基材1上に、粒子を含有する平滑化層2、アンカーコート層3、熱可塑性樹脂層4、金属膜を備えたプラスチックフィルム5をこの順に有している。また、図1において、金属膜を備えたプラスチックフィルム5は、プラスチックフィルム5A上に金属膜5Bを有している。また、図1において、金属膜を備えたプラスチックフィルム5は、プラスチックフィルム5A側が熱可塑性樹脂層4側を向くように配置されている。
<紙基材>
紙基材は、紙からなり、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものであれば特に限定されない。例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒または未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。また、紙基材は、前述した紙を複数層重ねたものであってもよい。
紙基材の厚みTは、好ましくは110〜860μm、より好ましくは260〜640μmである。また、紙基材の坪量は、好ましくは80〜600g/m、より好ましくは230〜550g/mである。上記範囲内とすることで、装飾シートの強度及び加工適性のバランスを良好にすることができる。
本明細書において、装飾シートを構成する各層の厚みは、例えば、装飾シートを垂直方向に切断した断面の断面写真を撮像し、該断面写真に基づいて測定した20箇所の厚みの平均値とする。
なお、本明細書において「AA〜BB」とは、「AA以上BB以下」のことをいう。以下、同様である。
<平滑化層>
紙基材上には粒子を含有する平滑化層が形成される。
紙基材は、パルプを主原料として、さらに填料及び結着剤等を添加した組成物を抄紙し、加工することにより製造される。紙基材の主原料であるパルプは、紙基材の面内に隙間なく配置されるわけではなく、面内に均等な密度で配置されるわけではない。このため、紙基材の表面は、少なからず凹凸を有することになる。
平滑化層は、第一に、紙基材の凹凸を緩和する役割を有する。
粒子は、有機粒子及び無機粒子から選ばれる1種以上を用いることができる。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アンチモン、ジルコニア、チタニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリンクレー(カオリナイト)、クレー、モンモリロナイト等からなる粒子が挙げられる。
これら粒子の中では、紙基材の地色の隠蔽性、耐熱性及び耐擦傷性の観点から無機粒子が好ましい。また、無機粒子の中では、チタニア、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムは隠蔽性に優れており、カオリンクレー(カオリナイト)、クレー、モンモリロナイト等の層状粘度鉱物は、紙基材の凹凸を緩和しやすい点で優れている。
以上のことから、粒子としては、チタニア、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムの何れか1種以上と、層状粘度鉱物とを混合して用いることが好ましい。
粒子の形状は球形でも不定形でもよいが、紙基材の地色の隠蔽性の観点からは不定形が好ましい。また、紙基材の凹凸の緩和の観点からは、層状の形状であることが好ましい。
粒子の平均粒子径は特に限定されないが、粒子径が小さすぎると紙基材の地色を隠蔽し難くなり、粒子径が大き過ぎると平滑化層の表面が平滑になり難くなる。このため、粒子の平均粒子径は、0.5〜5.0μmであることが好ましく、0.6〜2.0μmであることがより好ましい。
本明細書において、平均粒子径は、溶液中に分散した粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を体積累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
平滑化層中には、粒子の他にバインダー樹脂を含むことが好ましい。
バインダー樹脂は特に限定されないが、スチレンブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、澱粉(未変性澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等)、ポリビニルアルコール、カゼイン等の樹脂が挙げられる。
平滑化層中において、粒子とバインダー樹脂との質量比は9:1〜7:3であることが好ましい。バインダー樹脂3に対して粒子を7以上とすることにより、紙基材の地色を隠蔽しやすくできるとともに、アンカーコート層塗布液の浸透性を向上させ、平滑化層とアンカーコート層との密着性を良好にしやすくできる。また、バインダー樹脂1に対して粒子を9以下とすることにより、紙基材に対する平滑化層の密着性を良好にしやすくするとともに、平滑化層が脆くなることを抑制できる。
平滑化層の厚みTは、3〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。Tを5μm以上とすることにより、紙基材の凹凸を緩和しやすくでき、Tを40μm以下とすることにより、装飾シートの取り扱い性、加工適性を良好にしやすくできる。
平滑化層の表面のJIS B0601:1994のカットオフ値0.8mmの算術平均粗さRaは、0.25〜0.80μmであることが好ましく、0.30〜0.70μmであることがより好ましい。
Raを0.25μm以上とすることにより、平滑化層とアンカーコート層との密着性をより良好にすることができ、Raを0.80μm以下とすることにより、金属光沢感をより高めることができる。
Ra及び後述するRaは、異物や欠陥のない20箇所の測定値の平均値とする。
平滑化層は、平滑化層を構成する成分を含む平滑化層形成用塗布液を紙基材上に塗布、乾燥することにより形成できる。なお、Raを小さくするために、紙基材に平滑化層形成用塗布液を塗布するコーターは、ブレードコーター(ブレードで塗工液をかき落として塗工面を形成するコーター)、または、キャストコーター(鏡面ロールを押し当てて光沢を有する塗工面を形成するコーター)が好ましい。
また、平滑化層形成用塗布液の溶媒は、紙基材に溶剤臭が残留するのを抑制するため、水、アルコールを用いることが好ましい。なお、平滑化層形成用塗布液中には、分散剤、消泡剤等の添加剤を含有させてもよい。
<アンカーコート層>
アンカーコート層は、平滑化層と熱可塑性樹脂層との間に位置して、平滑化層、アンカーコート層及び熱可塑性樹脂層の3層間の密着性を良好にする役割を有する。
アンカーコート層は、平滑化層への浸透性を良好にするため、水系のアンカーコート剤を調製し、該アンカーコート剤を塗布、乾燥することにより形成することが好ましい。
水系アンカーコート剤の形態としては、エマルジョン及び水溶液が挙げられるが、平滑化層との密着性の観点から水溶液であることが好ましい。すなわち、アンカーコート層は、水溶性樹脂を含むことが好ましい。
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール;ポリエチレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド;ポリアクリルアミド等のアミド系樹脂、ポリエチレンイミン等のアミノ系樹脂が挙げられる。
上述した水溶性樹脂の中ではアミノ系樹脂が好ましく、ポリエチレンイミンがより好ましい。
アミノ系樹脂は、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、エポキシ基等と反応可能なアミノ基を有しており、多くの化合物と反応しやすいことから、平滑化層及び熱可塑性樹脂層との密着性を良好にしやすくできる。例えば、平滑化層のバインダー樹脂として例示した澱粉、平滑化層の粒子として例示した層状粘度鉱物は、水酸基を有するためアミノ系樹脂のアミノ基と反応し得ると考えられる。
また、平滑化層は粒子の割合が多いため塗膜が脆くなりやすいが、平滑化層中にアミノ系樹脂が浸透することにより、平滑化層のバインダー樹脂及び/又は粒子とアミノ系樹脂とが反応し、平滑化層の塗膜強度を高めることが期待できる点でも好ましい。
さらに、アミノ系樹脂の中でもポリエチレンイミンは疎水基であるエチレン基を有するため、熱可塑性樹脂層との密着性を良好にしやすくできる。
アンカーコート層の厚みTは、0.01〜0.5μmであることが好ましく、0.1〜0.4μmであることがより好ましい。
を0.01μm以上とすることにより、平滑化層、アンカーコート層及び熱可塑性樹脂層の3層間の密着性を良好にしやすくでき、Tを0.5μm以下とすることにより、装飾シートの耐水性が不足することを抑制できる。
<熱可塑性樹脂層>
熱可塑性樹脂層は、アンカーコート層と金属膜を備えたプラスチックフィルムとの間に位置して、アンカーコート層、熱可塑性樹脂層及び金属膜を備えたプラスチックフィルムの3層間の密着性を良好にする役割を有する。また、熱可塑性樹脂層によって、装飾シートの金属光沢感を高めることができる。
熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂は特に限定されないが、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの中でも環境への負荷の観点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂の中では、柔らかく加工適性に優れるポリエチレン系樹脂が好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂は、上述したアンカーコート層の水溶性樹脂としてポリエチレンイミンを用いた場合、エチレン同士が共通することによって密着性を良好にしやすい点で好適である。
ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。これらの中でも、シール適性、加工適性等の観点から低密度ポリエチレンが好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂は、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、4−メチルペンテン−1等のエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体であってもよいし、その他のモノマー成分等で変性されているものであってもよい。
熱可塑性樹脂は、密着性を良好にする観点から反応基を含むことが好ましい。即ち、熱可塑性樹脂層は、反応基含有熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。また、反応基含有熱可塑性樹脂は、反応基含有ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、反応基含有ポリエチレン系樹脂であることがより好ましい。
反応基としては、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基等が挙げられる。
アンカーコート層の水溶性樹脂としてアミノ系樹脂を用いた場合、反応基含有熱可塑性樹脂の反応基は、水酸基、カルボキシ基、カルボニル基及びエポキシ基であることが好ましく、エポキシ基であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂層の厚みTは、好ましくは10〜70μm、より好ましくは12〜50μmである。Tを10μm以上とすることで、紙基材表面の凹凸を緩和しやすくすることができるため、優れた金属光沢感を発現しやすくすることができる。また、Tを70μm以下とすることで、装飾シートの加工適性を良好にしやすくできる。
熱可塑性樹脂層は、単層で構成されていてもよく、2層以上の複数の層で構成されていてもよい。熱可塑性樹脂層が2層以上で構成されている場合、各層の合計厚みを上記Tとする。
熱可塑性樹脂層の厚みTと、平滑化層の表面の算術平均粗さRaとの比[T/Ra]は、20〜70であることが好ましく、30〜60であることがより好ましい。
[T/Ra]を20以上とすることにより、紙基材の凹凸を緩和しやすくすることができ、[T/Ra]を70以下とすることにより、装飾シートの加工適性を良好にしやすくできる。
<金属膜を備えたプラスチックフィルム>
金属膜を備えたプラスチックフィルムは、プラスチックフィルム上に金属膜を有する基本構成からなる。
金属膜を備えたプラスチックフィルムは、そのプラスチックフィルムを熱可塑性樹脂層側に向けて配置しても良いし、熱可塑性樹脂層とは反対側に向けて配置してもよい。プラスチックフィルムを熱可塑性樹脂層側に向けて配置した場合、金属光沢感を良好にしやすい点で好適である。一方、プラスチックフィルムを熱可塑性樹脂層とは反対側に向けて配置した場合、金属膜の耐久性を良好にできる点で好適である。
なお、金属膜を備えたプラスチックフィルムは、金属膜及びプラスチックフィルム以外の層を有していてもよい。例えば、プラスチックフィルムと金属膜との間に後述する印刷層を有していてもよい。
<<プラスチックフィルム>>
プラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66等のポリアミド系樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらプラスチックフィルムの中でも、耐熱性、強度及び寸法安定性の観点から、ポリエステル系樹脂からなるプラスチックフィルム(ポリエステルフィルム)が好ましく、その中でも、二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。
また、エステル化反応は平衡反応であるため、ポリエステル系樹脂は少なからず水酸基を含む。このため、ポリエステルフィルムを用いた場合において、上記熱可塑性樹脂層がエポキシ基含有熱可塑性樹脂を含む場合、ポリエステルフィルムの水酸基と、熱可塑性樹脂層のエポキシ基とが反応することにより、熱可塑性樹脂層とポリエステルフィルムとの密着性が良好になることが期待できる。
金属膜を備えたプラスチックフィルムを構成するプラスチックフィルムの厚みTは、8〜30μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。Tを8μm以上とすることで、連続加工適性を保つことができ、また、熱可塑性樹脂層を形成する際の歪による変形に耐性が生じることで、装飾シートの平面性を高めることができる。また、Tを8μm以上とすることで、金属膜を備えたプラスチックフィルムのプラスチックフィルム側を熱可塑性樹脂層側に向けて配置した際に、紙基材の凹凸を緩和し、金属光沢感を良好にしやすくできる。また、Tを30μm以下とすることで、真空系での金属膜を加工する際の巻き長さを大きくできることから、コストアップを防ぐとともに、加工適性を良好にしやすくできる。
<<金属膜>>
金属膜は、装飾シートの意匠性を高めることを目的として設けられる。
金属膜を構成する金属としては、インジウム、スズ、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金、白金、真鍮、クロム及び亜鉛等の金属、並びに、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、インジウム、スズ、アルミニウム、亜鉛及びこれらの合金から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
金属膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。これらの中でも蒸着法が好ましい。すなわち、金属膜は金属蒸着膜であることが好ましい。
金属膜の厚みは、通常50〜200nm程度である。
<印刷層>
本発明では、装飾シートの意匠性を高めたり製品情報等を表示したりする観点から、印刷層を設けてもよい。印刷層を形成する厚み方向の位置は、例えば、平滑化層とアンカーコート層との間、アンカーコート層と熱可塑性樹脂層との間、熱可塑性樹脂層と金属膜を備えたプラスチックフィルムとの間、プラスチックフィルムと金属膜との間、金属膜を備えたプラスチックフィルムの熱可塑性樹脂層とは反対側が挙げられる。
印刷層は、全面を被覆する着色層(いわゆるベタ着色層)であってもよいし、文字、数字、図形、記号、風景、人物、動物、キャラクター等のパターン層であってもよいし、これらを組み合わせたものであってもよい。
印刷層の形成に用いられるインキとしては、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダー樹脂としては特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
印刷層の厚みは、実施形態に合わせて適宜選択すればよく、好ましくは0.5〜10.0μm、より好ましくは0.7μm〜5.0μmである。
<装飾シートの物性等>
装飾シートの金属膜側の表面のJIS B0601:1994のカットオフ値0.8mmの算術平均粗さRaは、0.40μm以下であることが好ましく、0.30μm以下であることがより好ましく、0.20μm以下であることがさらに好ましく、0.16μm以下であることがよりさらに好ましい。
Raを0.40μm以下とすることにより、金属光沢感を良好にしやすくできる。Raの下限は特に限定されないが、ブロッキング抑制の観点から、0.05μm以上であることが好ましく、0.10μm以上であることがより好ましい。
装飾シートの総厚みは、取り扱い性及び加工適性の観点から、200〜800μmであることが好ましく、300〜600μmであることがより好ましい。
[容器]
本発明の容器は、上述した本発明の装飾シートを用いてなるものである。
容器としては、特に制限されることなく、飲料容器、食品容器、薬品容器等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
1.測定及び評価
実施例及び比較例の装飾シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
1−1.算術平均粗さRa
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所株式会社製)を用いて、下記の条件で、装飾シートの金属膜表面のJIS B0601:1994のカットオフ値0.8mmの算術平均粗さRaを測定した。また、装飾シートの中間体である紙基材上に平滑化層を形成してなる積層体(後述する積層体A1及びB1)の平滑化層表面のJIS B0601:1994のカットオフ値0.8mmの算術平均粗さRaを測定した。明細書本文の記載に従い、20箇所の測定を行い、その平均値を各装飾シートのRa及びRaとした。結果を表1に示す。
<条件>
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
1−2.金属光沢感
装飾シートの金属膜側から目視により観察した。金属光沢感が良好であるものを3点、どちらとも言えないものを2点、金属光沢感が不足しているものを1点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
<評価基準>
A:平均点が2.5以上
B:平均点が1.5以上2.5未満
C:平均点が1.5未満
1−3.密着性
装飾シートを100枚重ねて、トムソン刃を用いて打ち抜き加工を行った。切断面を目視で観察し、毛羽立ちが殆ど観察されないものを「A」、毛羽立ちが目立つものを「C」とした。
2.装飾シートの作製
[実施例1]
両表層に漂白パルプを用いてなる紙基材A(厚み350μm)上に、下記処方の平滑化層形成用塗布液をブレードコーターにより塗布し、乾燥して、厚み5μmの平滑化層を形成した積層体A1を得た。
<平滑化層形成用塗布液>
・カオリンクレー 50質量部
・軽質炭酸カルシウム 50質量部
・分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム) 0.4質量部
・バインダー樹脂1 2質量部
(ヒドロキシエチルエーテル化澱粉)
・バインダー樹脂2 12質量部
(スチレンブタジエン系樹脂)
・増粘剤(カルボキシメチルセルロース) 0.4質量部
・潤滑剤(ステアリン酸カルシウム) 1質量部
・溶媒(水、アルコール) 60質量部
次いで、平滑化層上に、ポリエチレンイミン水溶液を塗布、乾燥し、厚み0.2μmのアンカーコート層を形成した積層体A2を得た。
次いで、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に真空蒸着法により形成されたアルミニウムからなる厚み100nmの金属膜を形成し、積層体A3を得た。
次いで、積層体A2のアンカーコート層側の面と、積層体A3のポリエチレンテレフタレートフィルム側の面とを向かい合わせ、この間に、押出しラミネート法により、エポキシ基を含有する低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:ノバテックLC605Y)を熱溶融させて厚み20μmの熱可塑性樹脂層を形成し、実施例1の装飾シートを得た。
[実施例2]
紙基材として、両表層に未晒パルプを用いてなる紙基材B(厚み380μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の装飾シートを得た。なお、Raの測定に用いた積層体B1は、前記紙基材B上に平滑化層を形成した積層体のことである。
[比較例1]
積層体A1の平滑化層側の面と、積層体A3のポリエチレンテレフタレートフィルム側の面とを向かい合わせ、この間に、押出しラミネート法により、エポキシ基を含有する低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:ノバテックLC605Y)を熱溶融させて厚み20μmの熱可塑性樹脂層を形成し、比較例1の装飾シートを得た。(※実施例1の装飾シートからアンカーコート層を除いた構成が比較例1の装飾シートの構成である。)
[比較例2]
前記紙基材B上に、平滑化層を設けることなく、ポリエチレンイミン水溶液を塗布、乾燥し、厚み0.2μmのアンカーコート層を形成した積層体B2を得た。
積層体B2のアンカーコート層側の面と、積層体A3のポリエチレンテレフタレートフィルム側の面とを向かい合わせ、この間に、押出しラミネート法により、エポキシ基を含有する低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:ノバテックLC605Y)を熱溶融させて厚み20μmの熱可塑性樹脂層を形成し、比較例2の装飾シートを得た。
[比較例3]
積層体A3のポリエチレンテレフタレートフィルム側の面に、二液硬化型のポリウレタン系接着剤を塗布、乾燥し、厚み3μmの接着剤層を形成した積層体A4を得た。
次いで、積層体A1の平滑化層側の面と、積層体A4の接着剤層側の面とを向かい合わせて両積層体をラミネートして、比較例3の装飾シートを得た。
Figure 0006885216
表1の結果から、実施例1〜2の装飾シートは、高度な金属光沢感を有するとともに、層間密着性に優れることが確認できる。
本発明の装飾シートは、金属光沢感及び層間密着性に優れるため、意匠性に優れた容器を作製するのに有用である。
1:紙基材
2:平滑化層
3:アンカーコート層
4:熱可塑性樹脂層
5:金属膜を備えたプラスチックフィルム
5A:プラスチックフィルム
5B:金属膜
10:装飾シート

Claims (9)

  1. 紙基材上に、粒子を含有する平滑化層、アンカーコート層、熱可塑性樹脂層、金属膜を備えたプラスチックフィルムをこの順に有
    前記熱可塑性樹脂層の厚みT が10〜70μmであり、
    前記平滑化層の表面のJIS B0601:1994のカットオフ値0.8mmの算術平均粗さをRa とする場合、前記T と前記Ra との比[T /Ra ]が20〜70である、装飾シート。
  2. 前記Raが0.25〜0.80μmである請求項1に記載の装飾シート。
  3. 前記金属膜を備えたプラスチックフィルムを構成するプラスチックフィルムの厚みTが8〜30μmである請求項1又は2に記載の装飾シート。
  4. 前記アンカーコート層がポリエチレンイミンを含む請求項1〜の何れか1項に記載の装飾シート。
  5. 前記熱可塑性樹脂層がポリオレフィン系樹脂を含む請求項1〜の何れか1項に記載の装飾シート。
  6. 前記熱可塑性樹脂が反応基含有熱可塑性樹脂を含む請求項1〜の何れか1項に記載の装飾シート。
  7. 前記反応基含有熱可塑性樹脂が反応基含有ポリオレフィン樹脂である請求項に記載の装飾シート。
  8. 前記金属膜を備えたプラスチックフィルムのプラスチックフィルム側を前記熱可塑性樹脂層側に向けて配置してなる請求項1〜の何れか1項に記載の装飾シート。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の装飾シートを用いてなる容器。
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