JP6631991B2 - 光沢紙およびその製造方法 - Google Patents
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基材層と下塗り層と光沢層をこの順に含む光沢紙であって、
総厚みが90μm以下である。
基材層と下塗り層と光沢層をこの順に含む光沢紙の製造方法であって、
該基材層の上に該下塗り層の材料を塗布して乾燥させて該下塗り層を形成し、
該下塗り層の上に該光沢層の材料を塗布し、該光沢層の材料が湿潤状態にあるときに、該光沢層の材料の塗布面上にフィルムの平滑面を貼り合せて乾燥させて、該下塗り層の上に該光沢層を形成し、
該フィルムを剥離する。
基材層と下塗り層と光沢層をこの順に含む光沢紙の製造方法であって、
該基材層の上に該下塗り層の材料を塗布して乾燥させて該下塗り層を形成し、
フィルムの平滑面上に該光沢層の材料を塗布し、該光沢層の材料が湿潤状態にあるときに、該光沢層の材料の塗布面を該下塗り層と貼り合せて乾燥させて、該下塗り層の上に該光沢層を形成し、
該フィルムを剥離する。
本発明の光沢紙は、基材層と下塗り層と光沢層をこの順に含む。本発明の光沢紙は、基材層と下塗り層と光沢層をこの順に含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を含み得る。好ましくは、本発明の光沢紙は、基材層と下塗り層と光沢層からなり、且つ、基材層と下塗り層と光沢層をこの順に含む。
基材層の材料としては、光沢紙の基材として採用し得るものであって本発明の効果を損なわないものであれば、任意の適切な材料を採用し得る。このような基材層の材料としては、例えば、上質紙、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、クラフト紙、グラシン紙、キャストコート紙、樹脂含浸紙、合成繊維紙等の紙類;PET、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレンなど)等の樹脂からなるフィルム;などが挙げられる。基材層の材料は、1種のみであってもよいし、2層以上の積層体であってもよい。
本発明の光沢紙において、下塗り層は、基材層と光沢層との間に備えられる。本発明の光沢紙が下塗り層を有することにより、光沢層を薄くすることが可能となる。また、本発明の光沢紙が下塗り層を有することにより、光沢層表面に印刷を施した場合の印刷インキのセット性(受理性)が向上し得る。
本発明の光沢紙において、光沢層は、下塗り層から見て基材層の反対側に備えられる。本発明の光沢紙が光沢層を有することにより、本発明の光沢紙が高い光沢度を発現できる。また、本発明の光沢紙が光沢層を有することにより、本発明の光沢紙が優れた耐ブロッキング性を発現できる。
本発明の光沢紙の製造方法は、基材層と下塗り層と光沢層をこの順に含む光沢紙の製造方法である。本発明の製造方法で得られる光沢紙は、好ましくは、項目≪1.光沢紙≫で説明した光沢紙である。本発明の製造方法で得られる光沢紙に含まれる基材層は、項目<1−1.基材層>で説明した基材層である。本発明の製造方法で得られる光沢紙に含まれる下塗り層は、項目<1−2.下塗り層>で説明した下塗り層である。本発明の製造方法で得られる光沢紙に含まれる光沢層は、項目<1−3.光沢層>で説明した光沢層である。
測定サンプル50の平らな表面上に水滴60をたらし、図2に示す角度θを測定し、水との接触角とした。
吸油量は、JIS K−5101−13−1および−2に基づいて測定した。
携帯用光沢計(日本電気工業株式会社製、PG−3D型)を用い、JIS Z8741の光学条件に基づいて、光沢層面と60度および20度のそれぞれの角度をもって光沢紙の長手方向(流れ方向、MD方向)に光をあて、光沢度を測定した。
光沢度計PG−1M(日本電色工業製)を用いて測定した。
UVインキで印刷し、インキの密着性と裏移りを確認した。具体的には、UVインキで印刷したサンプルの印刷面に、ポリエステル粘着テープ(日東ポリエステル粘着テープ31B、厚み=25μm)を、該サンプルの流れ方向と平行になるように、貼り合せ部分の長さが10cmで掴みしろの長さが3cm以上(合計で13cm以上)となるように、SN−版画ゴムローラー1号を3往復して貼り合せた。このまま30秒間放置した後、貼り合せたポリエステル粘着テープの掴みしろを持ち、180°反対方向に素早く引き剥がした。この試験を2回行った。
評価は下記の基準で行った。
○:サンプルが破れるかポリエステル粘着テープが剥がれる。
×:サンプルからインキが剥がれテープに転写される。
硝子板に水を1滴たらし、2cm×3cmにカットしたサンプルの光沢層面を水滴に重ねた。100g/cm2の荷重をかけ、40℃×15時間の環境にさらした後、水滴を付着させた硝子板に光沢層面が接着していないか確認した。
○:接着していなかった。
×:接着していた。
(下塗り層の材料の調製)
焼成カオリン(吸油量=110g/100g):100gを、分散剤としてのポリカルボン酸塩(花王製、商品名:ポイズ 520):10gを用いて、水に分散させ、スラリー(1)を調製した。
次に、スラリー(1):ラテックス(Tg=0℃のメチレン−ブタジエンラテックス)=80:20(固形分換算、重量比)となるように配合し、下塗り層の材料である下塗り塗料(1)を調製した。
(光沢層の材料の調製)
疎水性樹脂(アクリル系樹脂、水との接触角=90度)とコロイダルシリカ(アニオン性、粒径=50μm、吸油量=100g/100g)とワックス(融点=120℃のステアリン酸亜鉛)を、50:40:10(固形分換算、重量比)となるように配合し、光沢層の材料である光沢塗料(1)を調製した。
(光沢紙の製造)
基材層としての上質紙(坪量=50g/cm2、厚み=52μm)の片面に、下塗り塗料(1)を、DRY塗工量で15g/m2塗布し、100℃で2分乾燥させ、基材層の上に下塗り層(厚み=12μm)を形成した。形成した下塗り層の上に、光沢塗料(1)を、DRY塗工量で1g/m2塗布し、光沢塗料(1)が湿潤状態にあるときに該塗布面上にフィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)の平滑面を貼り合せ、100℃で2分乾燥させ、該下塗り層の上に光沢層(厚み=0.8μm)を形成した。その後、フィルムを剥離し、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(1)を得た。
結果を表1に示した。
(下塗り層の材料の調製)
炭酸カルシウム(吸油量=45g/100g):100gを、分散剤としてのポリカルボン酸塩(花王製、商品名:ポイズ 520):10gを用いて、水に分散させ、スラリー(2)を調製した。
次に、スラリー(2):ラテックス(Tg=0℃のメチレン−ブタジエンラテックス)=8:2(固形分換算、重量比)となるように配合し、下塗り層の材料である下塗り塗料(2)を調製した。
(光沢層の材料の調製)
実施例1と同様に行い、光沢層の材料である光沢塗料(2)を調製した。
(光沢紙の製造)
実施例1と同様に行い、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(2)を得た。
結果を表1に示した。
(下塗り層の材料の調製)
酸化チタン(吸油量=20g/100g):100gを、分散剤としてのポリカルボン酸塩(花王製、商品名:ポイズ 520):10gを用いて、水に分散させ、スラリー(3)を調製した。
次に、スラリー(3):ラテックス(Tg=0℃のメチレン−ブタジエンラテックス)=8:2(固形分換算、重量比)となるように配合し、下塗り層の材料である下塗り塗料(3)を調製した。
(光沢層の材料の調製)
実施例1と同様に行い、光沢層の材料である光沢塗料(3)を調製した。
(光沢紙の製造)
実施例1と同様に行い、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(3)を得た。
結果を表1に示した。
(下塗り層の材料の調製)
焼成カオリン(吸油量=110g/100g):50gと酸化チタン(吸油量=20g/100g):50gを、分散剤としてのポリカルボン酸塩(花王製、商品名:ポイズ 520):10gを用いて、水に分散させ、スラリー(4)を調製した。
次に、スラリー(3):ラテックス(Tg=0℃のメチレン−ブタジエンラテックス)=8:2(固形分換算、重量比)となるように配合し、下塗り層の材料である下塗り塗料(4)を調製した。
(光沢層の材料の調製)
実施例1と同様に行い、光沢層の材料である光沢塗料(4)を調製した。
(光沢紙の製造)
実施例1と同様に行い、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(4)を得た。
結果を表1に示した。
(下塗り層の材料の調製)
炭酸カルシウム(吸油量=45g/100g):50gと酸化チタン(吸油量=20g/100g):50gを、分散剤としてのポリカルボン酸塩(花王製、商品名:ポイズ 520):10gを用いて、水に分散させ、スラリー(5)を調製した。
次に、スラリー(5):ラテックス(Tg=0℃のメチレン−ブタジエンラテックス)=8:2(固形分換算、重量比)となるように配合し、下塗り層の材料である下塗り塗料(5)を調製した。
(光沢層の材料の調製)
実施例1と同様に行い、光沢層の材料である光沢塗料(5)を調製した。
(光沢紙の製造)
実施例1と同様に行い、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(5)を得た。
結果を表1に示した。
(下塗り層の材料の調製)
焼成カオリン(吸油量=110g/100g):50gと酸化チタン(吸油量=20g/100g):50gを、分散剤としてのポリカルボン酸塩(花王製、商品名:ポイズ 520):10gを用いて、水に分散させ、スラリー(6)を調製した。
次に、スラリー(6):ラテックス(Tg=0℃のメチレン−ブタジエンラテックス)=8:2(固形分換算、重量比)となるように配合し、下塗り層の材料である下塗り塗料(6)を調製した。
(光沢層の材料の調製)
実施例1と同様に行い、光沢層の材料である光沢塗料(6)を調製した。
(光沢紙の製造)
実施例1と同様に行い、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(6)を得た。
結果を表1に示した。
(下塗り層の材料の調製)
実施例4と同様に行い、下塗り層の材料である下塗り塗料(7)を調製した。
(光沢層の材料の調製)
疎水性樹脂(アクリル系樹脂、水との接触角=90度)と粉体シリカ(粒径=2μm、吸油量=150g/100g)とワックス(融点=120℃のステアリン酸亜鉛)を、50:40:10(固形分換算、重量比)となるように配合し、光沢層の材料である光沢塗料(7)を調製した。
(光沢紙の製造)
実施例4と同様に行い、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(7)を得た。
結果を表1に示した。
(下塗り層の材料の調製)
実施例4と同様に行い、下塗り層の材料である下塗り塗料(7)を調製した。
(光沢層の材料の調製)
疎水性樹脂(アクリル系樹脂、水との接触角=90度)と粉体シリカ(粒径=2μm、吸油量=150g/100g)を、55:45(固形分換算、重量比)となるように配合し、光沢層の材料である光沢塗料(8)を調製した。
(光沢紙の製造)
実施例4と同様に行い、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(8)を得た。
結果を表1に示した。
市販の厚み=93μmのキャストコート紙を光沢紙(C1)とした。
結果を表1に示した。
光沢紙の製造において、基材層の上に下塗り層を形成した後に、別途、フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)の平滑面上に光沢塗料(1)をDRY塗工量で1g/m2塗布し、該光沢塗料(1)が湿潤状態にあるときに、該光沢塗料(1)の塗布面を、形成した下塗り層と貼り合せ、100℃で2分間乾燥させ、該下塗り層の上に光沢層を形成し、その後、フィルムを剥離し、総厚みが65μm(基材層の厚み=52μm、下塗り層の厚み=12μm、光沢層の厚み=0.8μm)の光沢紙(9)を得た以外は、実施例1と同様に行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
基材層 10
下塗り層 20
光沢層 30
測定サンプル 50
水滴 60
Claims (8)
- 基材層と下塗り層と光沢層をこの順に含む光沢紙であって、
該下塗り層が無機顔料を含み、
総厚みが20μm〜70μmである、
光沢紙。 - 前記無機顔料の吸油量が60g/100g以上である、請求項1に記載の光沢紙。
- 前記光沢層が疎水性樹脂を含む、請求項1または2に記載の光沢紙。
- 前記光沢層が無機粒子を含む、請求項1から3までのいずれかに記載の光沢紙。
- 前記無機粒子の吸油量が80g/100g以上である、請求項4に記載の光沢紙。
- 前記下塗り層の厚みが1μm〜30μmである、請求項1から5までのいずれかに記載の光沢紙。
- 前記光沢層の厚みが0.1μm〜10μmである、請求項1から6までのいずれかに記載の光沢紙。
- 前記光沢層面の光沢度が、角度60度で75%以上であり、角度20度で30%以上である、請求項1から7までのいずれかに記載の光沢紙。
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