JP2021041516A - 回転主軸の回転振れ制御方法および主軸装置 - Google Patents

回転主軸の回転振れ制御方法および主軸装置 Download PDF

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Abstract

【課題】転がり軸受の転動体と保持器の公転運動に基づく回転主軸の回転振れがワークの加工面品位に与える影響を低減する。【解決手段】回転主軸104の回転により生じる振動の回転主軸104の中心軸線Oに関する半径方向成分と、回転主軸104の回転を検出し、受信した半径方向成分と回転信号とに基づき、回転主軸104の回転とは同期しない転がり軸受106の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸104の振動成分を抽出し、抽出した振動成分と同じ周波数で位相のずれた駆動信号を生成し、該駆動信号に基づいて、主軸頭ハウジング102に取り付けた加振器122を駆動する。【選択図】図1

Description

本発明は、先端に工具またはワークを装着する工作機械の回転主軸の回転振れの制御方法および主軸装置に関する。
フライス盤、旋盤、マシニングセンタ、研削盤等の工作機械の分野では、従来より回転主軸の振動を抑制して加工精度を高めることが行われている。例えば、特許文献1には、加工に際して回転主軸に作用する外力によって生じる振動に基づき主軸頭の根元部位に作用する圧縮応力を加速度センサによって検出し、その情報に基づいて振幅を求め、該振幅に基づいて圧電素子を作動させて主軸頭に応力を生じさせることで振動を抑制するようにした工作機械の主軸頭が記載されている。
特開2000−158282号公報
工作機械の回転主軸を回転可能に支持するために転がり軸受が広く用いられている。こうした転がり軸受は、内側軌道輪(インナーレース)と外側軌道輪(アウターレース)の間に保持される玉(ボール)やころ(ローラ)のような転動体は、転動体同士の衝接を防止するために保持器(ケージ)によって保持されている。転動体と保持器は、一体として内側軌道輪および外側軌道輪に対して独立して公転するので、この公転運動によって、回転主軸の回転には同期していない振動が発生し、それにより、回転主軸は、その中心軸線周りに回転振れすることが知られている。回転主軸の回転に同期する振動は、回転系のアンバランスに起因するので、バランスを厳密に取ることで低減することができる。最近の精密加工分野では、高い加工面品位が要求されることがあり、厳密にバランス取りした主軸装置を用いても所望の加工面品位が得られないことがある。これは転動体と保持器の公転運動に起因する振動と考えられるが、この回転主軸の回転に同期しない振動の影響を低減する方法がなかった。特許文献1の発明でも、こうした転動体と保持器の公転運動に基づく回転主軸の回転振れは低減することができない。一方、転動体そのものをなくした流体軸受で回転主軸を支持する方法もあるが、支持剛性が劣るという問題がある。
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、転がり軸受を用いて高い支持剛性を確保し、かつ、転動体と保持器の公転運動に基づく回転主軸の回転振れが加工面品位に与える影響を低減した回転主軸の回転振れ制御方法および主軸装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明によれば、転がり軸受によって主軸頭ハウジングに回転支持された回転主軸を有する工作機械の回転主軸の回転振れ制御方法において、前記回転主軸の回転により生じる振動の前記回転主軸の中心軸線に関する半径方向成分、または軸線方向成分を検出し、前記回転主軸の回転信号を受信し、検出した前記半径方向成分または軸線方向成分と、受信した前記回転信号とに基づき、前記回転主軸の回転とは同期しない前記転がり軸受の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸の半径方向または軸線方向の振動成分を抽出し、抽出した振動成分と同じ周波数で位相のずれた半径方向または軸線方向の駆動信号を生成し、前記駆動信号に基づいて、前記主軸頭ハウジングに回転主軸の半径方向または軸線方向に取り付けた加振器をそれぞれ駆動する回転主軸の回転振れ制御方法が提供される。
更に本発明によれば、転がり軸受によって主軸頭ハウジングに回転支持された回転主軸を有する工作機械の主軸装置において、前記回転主軸の回転により生じる振動の前記回転主軸の中心軸線に関する半径方向成分、または軸線方向成分を検出する振動検出器と、前記回転主軸の回転を検出し回転信号を出力する回転検出器と、検出した前記半径方向成分または軸線方向成分と、受信した前記回転信号とに基づき、前記回転主軸の回転とは同期しない前記転がり軸受の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸の半径方向または軸線方向の振動成分を抽出する抽出部と、抽出した振動成分と同じ周波数で位相のずれた半径方向または軸線方向の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号に基づいて、前記主軸頭ハウジングを回転主軸の半径方向または軸線方向に加振する加振器とを具備する主軸装置が提供される。
本発明によれば、検出した回転主軸の回転により生じる振動の回転主軸の中心軸線に関する半径方向成分と、受信した回転信号とに基づき、回転主軸の回転とは同期しない転がり軸受の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸の振動成分を抽出し、抽出した振動成分と同じ周波数で位相のずれた駆動信号を生成し、該駆動信号に基づいて、主軸頭ハウジングに取り付けた加振器を駆動するようにしたので、回転主軸の回転振れ(回転非同期振れ)によるワークの加工面品位に与える影響が低減される。これによって、工作機械の回転主軸を支持剛性の高い転がり軸受で支持しても、ワークの加工面品位を流体軸受並みに向上させることができる。
回転振れ制御装置を備えた本発明の好ましい実施形態による主軸装置の略図である。 転がり軸受の略図である。 信号調整回路に設定するゲインおよび位相差、ならびに、調整器に設定するバンドパスフィルタの通過周波数帯域の上限(上遮断周波数)および下限(下遮断周波数)となる、回転主軸の回転により生じる振動の周波数の割合を決定するための方法の一例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1において、主軸装置100は、主軸頭ハウジング102に回転可能に支持された回転主軸104を具備している。回転主軸104は、その先端側(図1では下側)を一対の転がり軸受106、108により、そして後端側(図1では上側)を転がり軸受110により、中心軸線O周りに回転可能に主軸頭ハウジング102に支持されている。転がり軸受106、108、110は玉軸受やころ軸受とすることができる。本実施形態では、回転主軸104の先端側を回転支持する転がり軸受106、108は、アンギュラコンタクト玉軸受、後端側を回転支持する転がり軸受110は、ラジアル玉軸受となっている。
主軸頭ハウジング102内には、回転主軸104を回転駆動する駆動モータが組み込まれている。該駆動モータは、主軸頭ハウジング102の内周面に固定されたステータ112と、該ステータ112に対面するように、回転主軸104の外周面に固定されたロータ114とを含む。
主軸装置100は、また、種々のセンサを含む。該センサは、中心軸線Oに関して半径方向の回転主軸104の変位を検出する変位センサ118と、回転主軸104の回転周波数を検出する回転検出器としての回転センサ120を含むことができる。
変位センサ118は、工具Tの近くに設けるのが好ましい。例えば、回転主軸104の先端側で主軸頭ハウジング102に取り付けることができる。図示する実施形態では、振動検出器としての変位センサ118は、主軸頭ハウジング102の外表面、特に先端面に取り付けられているが、主軸頭ハウジング102内に取り付けたり、或いは、主軸頭ハウジング102に埋設してもよい。変位センサ118は、好ましくはレーザ変位センサや静電容量変位センサのような非接触式センサである。
回転主軸104の先端部には、工具ホルダ116を介してエンドミルのような回転切削工具Tを装着することができる。回転主軸104を回転させた状態で、主軸装置100を例えばX軸、Y軸、Z軸の直交3軸方向の送り軸装置(図示せず)とNC装置(図示せず)によって加工プログラムに従いテーブル130に取り付けたワークWに対して相対的に移動させることによって、工具TによりワークWを所望形状に加工するようにできる。
回転主軸104を主軸頭ハウジング102に回転可能に支持する軸受に本実施形態のように転がり軸受を用いる場合、こうした転がり軸受は、内側軌道輪と外側軌道輪の間に保持される玉やころのような転動体は、転動体同士が衝接することを防止するために保持器によって保持されている。
図2を参照すると、回転主軸104を先端側で主軸頭ハウジング102に回転可能に支持する転がり軸受106、108に用いことができるアンギュラコンタクト玉軸受の一例が図示されている。アンギュラコンタクト玉軸受300は、回転主軸104のような軸体Sに嵌合する内側軌道輪302と、主軸頭ハウジング102のような支持体Hの内周面に嵌合する外側軌道輪304との間に玉のような複数の転動体306が保持されている。複数の転動体306は、保持器308によって互いに衝接しないように保持されている。軸体Sが回転する間、複数の転動体306は、周方向に互いに相対位置が固定された状態で、保持器308とともに、内側軌道輪302および外側軌道輪304に対して回転(公転運動)する。
転動体306と保持器308は、一体として内側軌道輪302および外側軌道輪304に対して独立して公転するので、転動体306と保持器308の公転によって、軸体Sの回転には同期していない振動(保持器振動)が発生する。保持器振動は、主として軸体Sの中心軸線Oに関する半径方向Orに発生する。このとき、軸体Sは、軸体Sの回転に同期しない保持器振動に基づき中心軸線O周りに回転振れする(回転非同期振れ)。
また、保持器振動の周波数は、基本的には内外軌道輪の回転速度差、転動体径、転動体ピッチ径、および内外軌道輪302、304に対する転動体306の接触角αによって決まり、一例では軸体Sの回転の周波数の概ね40%〜50%程度となる。保持器振動の周波数は、更に、アンギュラコンタクト玉軸受300の温度等によって予圧Pが変化し、それに伴って接触角が変化することによって変化する。
主軸装置100は、更に、主軸頭ハウジング102に加振力を印加するボイスコイルモータ122を備えている。ボイスコイルモータ122は、例えば、回転主軸104の先端側で主軸頭ハウジング102に取り付けることができる。図示する実施形態では、ボイスコイルモータ122は、主軸頭ハウジング102の外表面、特に側面に取り付けられているが、主軸頭ハウジング102内に取り付けたり、或いは、主軸頭ハウジング102に埋設してもよい。ボイスコイルモータ122は、少なくとも生じ得る回転非同期振れの周波数と振幅に見合う周波数と振幅で駆動可能な往復直動モータであり、ボイスコイル(図示せず)に連結され直線方向に案内される往復動部材(図示せず)とを含むことができる。
図示する実施形態では、回転センサ120は、主軸頭ハウジング102の外表面、特に後端面に取り付けられているが、主軸頭ハウジング102内に取り付けるようにしてもよい。回転センサ120は、例えば、ロータリエンコーダとすることができる。回転センサ120は、また、電磁式または光学式回転センサとしてもよい。
主軸装置100は、また、回転主軸104の回転振れ制御装置10を備えている。回転振れ制御装置10は、バンドパスフィルタ12、信号調整回路14およびアンプ16を含んでいる。回転振れ制御装置10、また、調整器18を含んでいてもよい。バンドパスフィルタ12は、変位センサ118から信号を受信し、該信号から特定周波数帯の信号を抽出し、信号調整回路14へ出力する。
信号調整回路14は、バンドパスフィルタ12で抽出された信号のゲインおよび位相を調整し、該駆動信号をアンプ16へ出力する。アンプ16は、信号調整回路14からの駆動信号に基づいて、ボイスコイルモータ122へ駆動電流を出力する。
以下、本実施形態の作用を説明する。
回転主軸104が回転する間、変位センサ118は、中心軸線Oに関する回転主軸104の半径方向の変位を検出し、バンドパスフィルタ12へ出力する。調整器18は、回転主軸104の回転速度または回転周波数である回転信号を回転センサ120から受信し、該回転信号に基づきバンドパスフィルタ12の通過周波数帯域を決定する。バンドパスフィルタ12は、変位センサ118の信号から調整器18によって決定された通過周波数帯域内の信号を抽出し、これを回転主軸104の回転とは同期しない転がり軸受106、108、110の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸104の振動成分(回転非同期振れ)として、信号調整回路14へ出力する。
信号調整回路14は、バンドパスフィルタ12からの信号に基づき、該信号と同じ周波数でゲインは調整され、位相のずれた信号を生成し、これを駆動信号としてアンプ16へ出力する。その際、信号調整回路14に入力される回転非同期振れに対する、信号調整回路14から出力される駆動信号のゲインや、位相差は事前に実験等により求め、信号調整回路14に設定するようにできる。
アンプ16は、信号調整回路14からの駆動信号に基づいて、駆動電流をボイスコイルモータ122へ出力し、ボイスコイルモータ122が、駆動信号と同じ周波数、同じ位相の加振力を主軸頭ハウジング102へ印加する。信号調整回路14への入力信号と出力信号の位相差、つまり、回転主軸104の半径方向の変位の時間的変化(回転振れ)と、ボイスコイルモータ122による加振力との間の位相差は、例えば180°とすることができる。位相差を180°とすることによって、信号調整回路14からは、変位センサ118からの信号の逆位相の信号が生成され、従って、ボイスコイルモータ122によって、回転主軸104の回転振れに対して逆位相の加振力が主軸頭ハウジング102に印加される。これにより、回転主軸104の回転非同期振れによる、テーブル130に対する回転主軸104の半径方向の変位量が低減される。刻々の変位信号に基づいて刻々の加振力を制御しているので、時間経過と共に変化する軸受状態に応じて適切な加振力を印加できる。
既述の実施形態では、変位センサ118は、回転主軸104の回転により生じる振動の半径方向成分を検出する検出部として作用する。バンドパスフィルタ12は、回転主軸104の回転とは同期しない転がり軸受106、108の転動体および保持器の公転周期に起因する回転主軸104の振動成分である回転振れを抽出する抽出部として作用する。調整器18は、回転主軸104の回転周波数に基づいてバンドパスフィルタ12の通過周波数帯域を調整する通過周波数帯域調整部として作用する。
信号調整回路14は、抽出した振動成分と同じ周波数で位相のずれた駆動信号を生成する駆動信号生成部として作用する。アンプ16は、駆動信号に基づいて、ボイスコイルモータ122を駆動する駆動電流を生成する駆動電流生成部として作用する。ボイスコイルモータ122は、駆動電流によって主軸頭ハウジング102に加振力を印加する加振器として作用する。ボイスコイルモータ122に限らず、駆動電流によって動作する他の形式のアクチュエータを用いた加振器でもよい。
既述の実施形態では、回転振れ制御装置10において、抽出部は、一般的に市販されているバンドパスフィルタによって形成することができる。通過周波数帯域調整部としての調整器18は、回転主軸104の回転速度を示す回転信号を受信し、該回転信号に基づいて一定の周波数帯域を決定し、該周波数帯域を抽出部としてのバンドパスフィルタ12に出力するアナログ回路によって形成することができる。バンドパスフィルタ12は、通過周波数帯域幅が一定で、中心周波数を調整できるタイプでもよい。
抽出部、駆動信号生成部および通過周波数帯域調整部は、CPU(中央演算素子)、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)のようなメモリ装置、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)のような記憶デバイス、出入力ポート、および、これらを相互接続する双方向バスを含むコンピュータ装置および関連するソフトウェアから構成するようにしてもよい。回転振れ制御装置10は、また、主軸装置100を組み込んだマシニングセンタのような工作機械の機械制御装置(図示せず)の一部として構成してもよい。
調整器18は、回転センサ120からの回転信号に基づき、バンドパスフィルタ12を通過させる変位センサ118からの信号の上限(上遮断周波数)と下限(下遮断周波数)を決定する。調整器18は、例えば、回転主軸104の回転周波数の50%を通過周波数帯域の上限とし、回転周波数の40%を下限として決定し、バンドパスフィルタ12へ出力するようにできる。あるいは、バンドパスフィルタの中心周波数を決定するタイプでもよい。
また、図1では、変位センサ118は、回転主軸104の中心軸線Oに垂直なX軸方向の変位を測定するように図示されているが、本発明は、これに限定されず、中心軸線OとX軸の双方に垂直なY軸方向の変位、或いは、X軸とY軸の2方向の変位を測定するようにしてもよい。その場合、ボイスコイルモータ122は、Y軸方向、或いは、X軸とY軸の2方向に加振力を印加するようにできる。X軸とY軸の2方向の変位を測定し、X軸とY軸の2方向に加振力を印加する場合、X軸用とY軸用の2組の回転振れ制御装置10を備えるようにできる。
更には、X軸とY軸の2方向の変位を測定して、これを足し合わせてバンドパスフィルタ12へ入力し、バンドパスフィルタ12で抽出した振動成分に基づいて信号調整回路14から駆動信号を生成し、該駆動信号に基づいて駆動電流を生成し、該駆動電流によって、X軸およびY軸に対して所定の方向に配置された一つのボイスコイルモータ122を駆動するようにしてもよい。
信号調整回路14に設定するゲインや、位相差の最適値は、例えば、図3に示すように、図1の実施形態に、工具Tの半径方向の変位を測定する変位センサ200をワークWを取り付けるテーブル130上に設け、変位センサ200からの信号をバンドパスフィルタ202を通してパーソナルコンピュータ204に入力し、工具Tの半径方向の変位をモニタしながら、実験的に事前に決定することができる。各種工具Tについてデータベース化しておき、実加工時にデータベースの値を引き出す。
既述の実施形態では、調整器18は、バンドパスフィルタの通過周波数帯域の上限が、回転主軸104の回転周波数の50%(第1の割合)、そして下限が40%(第2の割合)になるように決定する旨説明したが、通過周波数帯域の上限と下限を決定する回転主軸104の回転周波数に対する第1と第2の割合(パーセンテージ)は、次のようにして決定する。まず、転がり軸受106、108の構成部品の寸法から、理論的な転動体の公転周期を演算する。次いで、変位センサ118の信号を予めパーソナルコンピュータ204に入力して、高連フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを用いて変位信号の周波数応答と、先の演算結果から主軸回転非同期振れの成分を特定する。主軸回転非同期振れの周波数は、転がり軸受106、108の半径方向の予圧、軸線方向の予圧、潤滑の状態、回転主軸104の熱変形、実加工中であれば切削抵抗の大小等により、起動してからの時間経過と共に変化する。周波数応答曲線を観察しながらこのときの主軸回転非同期振れの周波数の最大値と最小値を実験的に求めて上記の第1と第2の割合を決定する。
本発明は、図3の予備実験装置の説明からわかるように、ワークWの加工面品位を決定する、テーブル130と工具Tとの間の主軸回転非同期振れに起因する相対的な変位を、回転主軸104を内蔵している主軸頭ハウジング102ごと加振することによって低減するものである。回転主軸104と主軸頭ハウジング102との間の主軸回転非同期振れ自体を低減するものではない。従って、既存の工作機械の主軸装置にボイスコイルモータ122等の加振器や、変位センサ118を後付けすれば、本発明の主軸装置100を実現することができる。尚、回転主軸104の振動成分を変位センサ118に代えて、主軸頭ハウジング112に加速度センサを取り付けて検出することもできる。また、回転主軸104の先端にワークWを取り付ける旋盤であっても、切削するための工具Tを研削砥石にした研削盤にも適用可能である。
変位センサ118に代えて主軸頭ハウジング112に加速度センサを取り付けた場合、加速度センサの検出信号をバンドパスフィルタ12、信号調整回路14、アンプ16を通してボイスコイルモータ122を駆動することによって同様に回転非同期振れの影響を低減できる。このとき、予め記憶したデータベースを用いず、刻々の加速度センサで検出した回転非同期の振れ成分が低減するように信号調整回路14によってゲインと位相調整を行うことができる。軸受や回転主軸の熱変形によって接触角αが微妙に変化して、回転非同期振れの周波数や大きさが変化しても、それに追従してボイスコイルモータを駆動できる。更に、加速度センサを主軸頭ハウジング102の軸線方向の振動成分を検出する方向に取り付け、ボイスコイルモータを主軸頭ハウジング102を軸線方向に加振できるように取り付け、このときの加速度センサの検出信号をバンドパスフィルタ12、信号調整回路14、アンプ16を通して、ボイスコイルモータを駆動すれば、軸線方向の回転非同期振れの影響を同様に低減することができる。もちろん、主軸頭ハウジング102に対する回転主軸104の軸線方向の変位を測定する非接触変位センサを設けて、主軸頭ハウジング102の軸線方向に設けた加振器を駆動することによって、軸線方向の回転非同期振れの影響を低減することができる。
10 制御装置
12 バンドパスフィルタ
14 信号調整回路
16 アンプ
18 調整器
100 主軸装置
102 主軸頭ハウジング
104 回転主軸
106 軸受
108 軸受
118 変位センサ
120 回転センサ
122 ボイスコイルモータ

Claims (8)

  1. 転がり軸受によって主軸頭ハウジングに回転支持された回転主軸を有する工作機械の回転主軸の回転振れ制御方法において、
    前記回転主軸の回転により生じる振動の前記回転主軸の中心軸線に関する半径方向成分、または軸線方向成分を検出し、
    前記回転主軸の回転信号を受信し、
    検出した前記半径方向成分または軸線方向成分と、受信した前記回転信号とに基づき、前記回転主軸の回転とは同期しない前記転がり軸受の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸の半径方向または軸線方向の振動成分を抽出し、
    抽出した振動成分と同じ周波数で位相のずれた半径方向または軸線方向の駆動信号を生成し、
    前記駆動信号に基づいて、前記主軸頭ハウジングに回転主軸の半径方向または軸線方向に取り付けた加振器をそれぞれ駆動することを特徴とした回転主軸の回転振れ制御方法。
  2. 前記回転信号の周波数に対する所定の第1の割合の周波数を上限とし、第2の割合の周波数を下限とし、前記上限と下限の間の周波数帯域内の前記半径方向成分を前記転がり軸受の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸の振動成分として抽出するようにした請求項1に記載の回転主軸の回転振れ制御方法。
  3. 前記抽出した振動成分と位相のずれた駆動信号は、前記抽出した振動成分に対して正負を反転したものである請求項1に記載の回転主軸の回転振れ制御方法。
  4. 転がり軸受によって主軸頭ハウジングに回転支持された回転主軸を有する工作機械の主軸装置において、
    前記回転主軸の回転により生じる振動の前記回転主軸の中心軸線に関する半径方向成分、または軸線方向成分を検出する振動検出器と、
    前記回転主軸の回転を検出し回転信号を出力する回転検出器と、
    検出した前記半径方向成分または軸線方向成分と、受信した前記回転信号とに基づき、前記回転主軸の回転とは同期しない前記転がり軸受の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸の半径方向または軸線方向の振動成分を抽出する抽出部と、
    抽出した振動成分と同じ周波数で位相のずれた半径方向または軸線方向の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動信号に基づいて、前記主軸頭ハウジングを回転主軸の半径方向または軸線方向に加振する加振器と、
    を具備することを特徴とした主軸装置。
  5. 前記回転主軸の半径方向の回転振れを制御する場合、前記振動検出器、前記抽出部、前記駆動信号生成部、および前記加振器は、前記回転主軸の中心軸線に垂直な2方向にそれぞれ設ける請求項4に記載の主軸装置。
  6. 前記抽出部は、前記回転信号の周波数に対する所定の第1の割合の周波数を上限とし、第2の割合の周波数を下限とし、前記上限と下限の間の周波数帯域内の前記半径方向成分を前記転がり軸受の転動体保持器の回転周期に起因する回転主軸の振動成分として抽出するバンドパスフィルタである請求項4または5に記載の主軸装置。
  7. 前記振動検出器は、前記主軸頭ハウジングに対する前記回転主軸の中心軸線に関する半径方向または軸線方向の変位を検出する非接触変位センサである請求項4に記載の主軸装置。
  8. 前記振動検出器は、前記主軸頭ハウジングの前記回転主軸の中心軸線に関する半径方向または軸線方向の振動加速度を検出する加速度センサである請求項4に記載の主軸装置。
JP2019167615A 2019-09-13 2019-09-13 回転主軸の回転振れ制御方法および主軸装置 Active JP7416374B2 (ja)

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