JP2021040514A - グリセルアルデヒド代謝促進剤 - Google Patents
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Abstract
Description
このような考えから、多くの糖代謝中間体(3−デオキシグルコソン、グリオキサール、メチルグリオキサールに着目し、それらの生成を阻害することを目的とする、たんぱく質の抗糖化組成物が開示されている(特許文献1)。
すなわち、本発明の課題は、グリセルアルデヒド代謝促進剤およびグリセルアルデヒド代謝促進剤を含有する飲食物を提供することである。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[2]に関する。
[1]ポリコサノールを含有するグリセルアルデヒド代謝促進剤。
[2]上記[1]に記載のグリセルアルデヒド代謝促進剤を含有する飲食物。
また、本発明のグリセルアルデヒド代謝促進剤によれば、細胞障害性を有すると指摘されているGlycer−AGEs産生の原因物質であるグリセルアルデヒドの代謝を促進するため、体内でのGlycer−AGEsの産生又は蓄積を抑制することができる。
本発明のグリセルアルデヒド代謝促進剤は、炭素数24〜36の高級脂肪族アルコールを含むポリコサノールを有効成分として含有する。
本発明ポリコサノールに含まれる高級脂肪族アルコールとしては、通常炭素数24〜36の1価および2価の飽和アルコールが挙げられる。具体的には、たとえば、テトラコサノール(C24)、ヘキサコサノール(C26)、オクタコサノール(C28)、トリアコンタノール(30)、ドトリアコンタノール(C32)、テトラトリアコンタノール(C34)、ヘキサトリアコンタノール(C36)などが挙げられる。これら高級脂肪族アルコールは単独物でも、複数含む組成物でもいずれでもかまわない。
本発明のポリコサノールは、天然ワックスより分離精製したものが好ましく用いられる。天然ワックスとしては、炭素数24〜36の高級脂肪族アルコールを構成成分として含む天然ワックスであれば特に限定されないが、好ましくは高含量の高級脂肪族アルコールを構成成分として有するワックスが挙げられる。たとえば、植物起源のワックスとしては米ぬかワックス(ライスワックス)、さとうきびワックス、カルナウバワックス、小麦ワックスなどが挙げられ、動物起源のワックスとしては、蜜蝋、マッコウ鯨油、羊毛脂などが挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種を用いることができる。米ぬかワックス(ライスワックス)、さとうきびワックス、カルナウバワックス、蜜蝋は一般的に流通しており、入手が容易であるため好ましい。また、米ぬかワックスおよびさとうきびワックスは、米、米油、砂糖などの生産において副産物として大量に発生するため、安価であり特に好ましい。天然由来の高級脂肪族アルコールは、そのままで本発明に使用できるので、実施に適している。
グリセルアルデヒドは生体内では解糖系の中間体として生成するグリセルアルデヒド−3−リン酸が、非酵素的な脱リン酸化を受けて生成されると考えられている。グリセルアルデヒドは、分子内にリン酸基を有しないため、蓄積すると細胞膜を通過して細胞外に輸送、漏出し、細胞外のたんぱく質と非酵素的に反応してGlycer−AGEsを生成することになる。Glycer−AGEsの生成を抑制するためには、グリセルアルデヒドが体内に多量に蓄積しないことが重要となる。
トリオキナーゼは、細胞内でのグリセルアルデヒドとグリセルアルデヒド―3リン酸との平衡に係わる酵素であり、この酵素の活性を高めることで、グリセルアルデヒドの代謝を促進し、グリセルアルデヒド―3リン酸に変換することができる。本発明のグリセルアルデヒド代謝促進剤は、トリオキナーゼによるグリセルアルデヒドのリン酸化の活性を高めることができるものである。
高級脂肪族アルコールは、一般に水に溶解し難いので、これを乳化して本発明のグリセルアルデヒド代謝促進剤に使用してもかまわない。乳化剤としては、特に限定はないが、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンなどを使用することができる。
また、製剤化に際し必要に応じて、賦形剤等の添加剤を加えることができる。たとえば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、界面活性剤、増粘剤、コーティング剤、pH調整剤、抗酸化剤、甘味料、保存料、着色料、香料等を単独、若しくはこれらを目的によって組み合わせて使用することができる。添加剤は特に限定されないが、たとえば、乳糖、結晶セルロース、ステアリン酸カルシウム、ゼラチン、グリセリン脂肪酸エステル、キサンタンガム、セラック、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸等を添加してもよい。添加剤の含有量は特に限定されず、添加剤の総量として、たとえば99.99〜10質量%、好ましくは99.9〜30質量%、より好ましくは99〜50質量%である。
[試験試料]
試験試料は米ぬか由来のポリコサノールである「コメコサノール(商品名、日油株式会社製)」を用いた。試験に使用したコメコサノールはポリコサノール(高級脂肪族アルコール)を80質量%以上含有するものであり、組成を表1に示す。
ブタ腎臓細胞株LLC−PK1を用いてグリセルアルデヒド代謝測定試験を行った。培養培地は抗生物質を含むM199培地に3%仔牛胎児血清の濃度で加えたものとした。培養条件は37℃、5%CO2とした。
24well Plateに細胞を播種し、コンフルエント状態まで培養後、培養液によりポリコサノールを以下に示す倍率で希釈した培地で3日間培養した。72時間培養後に培地を除去し、PBSで洗浄後、細胞を回収した。
1)コントロール群 ポリコサノール無添加
2)ポリコサノール 15μg/ml
3)ポリコサノール 30μg/ml
4)ポリコサノール 60μg/ml
5)ポリコサノール 120μg/ml
回収した細胞を0.5mLのLysis Buffer(10mMマレイン酸、1mM EDTA、pH5.6)に溶解してCell Lysateを調製した。96well black plateにLysate溶液、最終濃度400μMとなるようにグリセルアルデヒド及び、所定量のグリセルアルデヒド定量キット試薬(コスモ・バイオ株式会社)を添加し、37℃で2時間反応させた。反応後、プレートリーダー(インフィニットM200 PRO、TECAN社製)で蛍光値の上昇率を測定することで、トリオキナーゼ活性を測定した。
Cell Lysate中の細胞量をDNA定量キット(コスモ・バイオ株式会社)のプロトコルに従い、DNA量を測定した。トリオキナーゼ活性をDNA量で除すことで1細胞あたりのトリオキナーゼ酵素活性を算出した。
トリオキナーゼ活性測定に使用した試薬の組成を表2に示す。
試験結果を図1に示す。図1のグラフの縦軸は、ポリコサノール無添加のブタ腎臓細胞のトリオキナーゼ活性を100としたときの相対値を表している。ポリコサノールを添加した細胞ではポリコサノールの濃度依存的にトリオキナーゼ活性が上昇しており、ポリコサノールがトリオキナーゼを活性化し、グリセルアルデヒド代謝を促進していることがわかった。
以下に示す表3〜6の処方で、ポリコサノールを含有する、錠剤、ソフトカプセル、清涼飲料水、ヨーグルトを常法に従って製造した。なお、ポリコサノールとして、表1の組成の「コメコサノール(商品名、日油株式会社製)」を使用した。
表3に記載の配合で、常法に従って錠剤を得た。本発明のグリセルアルデヒド代謝促進剤を含有する錠剤を製造することができた。
表4に記載の配合で、常法に従ってソフトカプセルを得た。本発明のグリセルアルデヒド代謝促進剤を含有するソフトカプセルを製造することができた。
表5に記載の配合で、常法に従って清涼飲料水を得た。本発明のグリセルアルデヒド代謝促進剤を含有する清涼飲料水を製造することができた。
表6に記載の配合で、常法に従ってヨーグルトを得た。本発明のグリセルアルデヒド代謝促進剤を含有するヨーグルトを製造することができた。
Claims (2)
- ポリコサノールを含有するグリセルアルデヒド代謝促進剤。
- 請求項1記載のグリセルアルデヒド代謝促進剤を含有する飲食物。
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JP2011231095A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-11-17 | Koyo Sangyo Co Ltd | 2型糖尿病改善剤及びそれを含有する飲食物 |
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