JP6026148B2 - No産生促進組成物およびそれを含有する冷え性改善剤 - Google Patents

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本発明は、経口摂取可能なNO産生促進組成物およびそれを含有する冷え性改善剤に関するものである。
NO(一酸化窒素)はL−アルギニンが酸化されL−シトルリンになる際に産生され、その反応はNO合成酵素(NO Synthase:NOS)によって触媒される。NO産生は生体内の様々な組織、細胞種で観察されるが、恒常的にNOを産生、放出する代表的な細胞種が血管内皮細胞である。血管内皮細胞で産生されるNO(血管内皮性NO)が内皮由来血管弛緩因子(EDRF)であることが報告されている(非特許文献1,2参照)。したがって、血管内皮細胞での自発的かつ十分量のNO産生を促進する化合物やeNOS活性化作用を有する化合物は、血管内皮機能を改善し、血流障害、動脈硬化、高脂血症、虚血性心疾患や各種臓器での循環不全等の血管内皮機能低下に起因する疾患等に対して優れた治療剤になると考えられる。それゆえ、従来NO産生促進作用を有する化合物の探索が行われ、種々のNO産生促進剤が提案されている。
ケイヒ(桂皮)は、クスノキ科クスノキ属の植物トンキンニッケイ(学名Cinnamomum cassia)、アンナンニッケイ(学名Cinnamomum obtussifolium)、セイロンニッケイ(学名Cinnamomum verum)などの樹皮を乾燥したものであり、香辛料としてはシナモンと称される。ケイヒは生薬として古くから使用されており、毛細血管の血行促進による冷え性改善効果を有すると言われている。
黒酢は、鹿児島県霧島市で古くから製造され、もっぱら調味料として用いられていた。近年、黒酢の脂質代謝改善作用、赤血球変形能改善作用、血圧調節作用、血糖調節作用、抗酸化作用など様々な作用が報告され、人々の健康志向の高まりとともに黒酢を希釈して飲用されるようになっている。特許文献1,2には、黒酢が血液流動性改善作用を有することが記載されている。
本願出願人は、過去に卵白加水分解物が血流改善作用を有すること(特許文献3)、NO産生促進作用を有すること(特許文献4)を見出し、特許出願している。しかし、卵白加水分解物とケイヒおよび/または黒酢とを併用することは行われておらず、その効果も予測できなかった。
特開2003−73296号公報 特開2011−57579号公報 特開2007−51090号公報 特開2011−173817号公報
Nature, 1987, 327, 524-526 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1987, 84, 9265-9269
本発明は、より高いNO産生促進活性を有し、特に冷え性改善効果が期待できる素材を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の各発明を包含する。
[1](1)アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼおよび/またはバチルス属菌由来のプロテアーゼを用いて卵白を分解して得られる卵白加水分解物と、(2)ケイヒおよび/または黒酢を有効成分として含有することを特徴とするNO産生促進組成物。
[2]前記アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼがアスペルギルス・ニガー由来の酸性プロテアーゼであり、前記バチルス属菌由来のプロテアーゼがバチルス・ズブチリス由来の中性プロテアーゼ、バチルス・ズブチリス由来のアルカリ性プロテアーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラス由来の中性プロテアーゼから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]に記載のNO産生促進組成物。
[3]前記卵白加水分解物100質量部に対して、ケイヒを5〜200質量部および/または黒酢を固形分として100〜2000質量部含有することを特徴とする前記[1]または[2]に記載のNO産生促進組成物。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のNO産生促進組成物を含有することを特徴とする冷え性改善剤。
本発明によれば、高いNO産生促進活性を有し、冷え性改善効果が期待できるNO産生促進組成物を提供することができる。
異なるプロテアーゼを用いて調製した卵白加水分解物をeNOS安定発現細胞に作用させ、NO産生量を比較した結果を示す図である。 複数のプロテアーゼを用いて調製した卵白加水分解物をeNOS安定発現細胞に作用させ、NO産生量を比較した結果を示す図である。 卵白加水分解物によるNO産生促進活性の濃度依存性を検討した結果を示す図である。 eNOS安定発現細胞にケイヒと卵白加水分解物とを組み合わせて作用させ、NO産生量を比較した結果を示す図である。 NOS安定発現細胞に黒酢と卵白加水分解物とを組み合わせて作用させ、NO産生量を比較した結果を示す図である。
本発明は、以下の(1)および(2)を有効成分として含有するNO産生促進組成物を提供する。
(1)アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼおよび/またはバチルス属菌由来のプロテアーゼを用いて卵白を分解して得られる卵白加水分解物
(2)ケイヒおよび/または黒酢
アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼは特に限定されないが、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の酸性プロテアーゼなどが挙げられる。バチルス属菌由来のプロテアーゼは特に限定されないが、例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus subtills)由来の中性プロテアーゼ、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtills)由来のアルカリ性プロテアーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来の中性プロテアーゼ、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来の中性プロテアーゼなどが挙げられる。
これらのプロテアーゼは酵素製剤として市販されており、本発明のNO産生促進組成物に用いる卵白加水分解物を得るために、市販の酵素製剤を好適に用いることができる。例えば、アスペルギルス・ニガー由来の酸性プロテアーゼとしては、商品名「ニューラーゼA」(天野エンザイム株式会社)、商品名「スミチームAP」(新日本化学工業株式会社)、商品名「オリエンターゼ20A」(エイチビィアイ株式会社)、商品名「デナプシン2P」(ナガセケムテックス株式会社)、商品名「プロテアーゼYP−SS」(ヤクルト薬品工業株式会社)などが挙げられる。
バチルス・ズブチリス由来の中性プロテアーゼとしては、商品名「プロテアーゼN「アマノ」G」(天野エンザイム株式会社)、「オリエンターゼ90N」、「オリエンターゼ10NL」、「ヌクレイシン」(いずれも商品名、エイチビィアイ株式会社)などが挙げられる。バチルス・ズブチリス由来のアルカリ性プロテアーゼとしては、商品名「プロレザーFG−F」(天野エンザイム株式会社)、商品名「オリエンターゼ22BF」(エイチビィアイ株式会社)などが挙げられる。バチルス・ステアロサーモフィラス由来の中性プロテアーゼとしては、商品名「プロテアーゼS「アマノ」G」(天野エンザイム株式会社)、商品名「サモアーゼPC10F」(天野エンザイム株式会社)などが挙げられる。バチルス・アミロリクエファシエンス由来の中性プロテアーゼとしては、「プロチンSD−NY−10」、「プロチンSD−PC−10F」(いずれも商品名、天野エンザイム株式会社)、商品名「ニュートラーゼ」(ノボザイムズジャパン株式会社)などが挙げられる。
本発明のNO産生促進組成物に用いる卵白加水分解物は、アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼおよびバチルス属菌由来のプロテアーゼから選択される少なくとも1種以上を用いて得られるものであれば、これら以外の酵素を併用して得られるものでもよい。併用する酵素としては、例えばパパイン、トリプシン、リゾプス属菌由来ペプチダーゼ(例えば、商品名「ペプチダーゼR」(天野エンザイム株式会社製)等)などが挙げられる。例えば、パパインを併用することにより、作業性を向上させることができ、リゾプス属菌由来ペプチダーゼを併用することにより、卵白加水分解物の呈味を改善することができる。
卵白加水分解物の原料となる卵白は、大量入手の容易な鶏卵の卵白(例えば、卵白液、凍結卵白液、卵白粉末等)が好ましく用いられるが、ウズラ、アヒル、ガチョウ、ダチョウ等の卵の卵白を用いることもできる。なお、卵白は、酵母(イースト)などを用いて脱糖処理したものが好ましく用いられる。脱糖処理は、例えば、卵白液をクエン酸などでpH7程度に調整した後、卵白液に対して0.1〜0.5質量%程度のイーストを添加し、30〜40℃で1〜6時間保持することで行うことができる。また、市販の脱糖卵白を用いてもよい。
卵白加水分解物の調製方法は特に限定されない。例えば、卵白100質量部(固形分)に、必要に応じて酸またはアルカリを加えて酵素の至適pHに調整した後、アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼおよび/またはバチルス属菌由来のプロテアーゼを0.01〜5質量部(対卵白固形分)添加し、酵素の至適温度で0.5〜24時間反応を行うことにより調製することができる。反応終了後、加熱などにより酵素失活処理を行ってから、固液分離して液部を回収し、適宜乾燥粉末化することが好ましい。なお、回収した液部は必要に応じて活性炭で脱色処理してもよい。
上記例示の調製方法において、パパインまたはトリプシンを併用する場合は、アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼおよび/またはバチルス属菌由来のプロテアーゼを作用させる前に、卵白100質量部(固形分)に対して0.01〜5質量部のパパインおよび/またはトリプシンを添加し、所定時間(通常0.5〜4時間)作用させることが好ましい。また、リゾプス属菌由来ペプチダーゼを併用する場合は、アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼおよび/またはバチルス属菌由来のプロテアーゼを作用させた後に、卵白100質量部(固形分)に対して0.01〜5質量部のリゾプス属菌由来ペプチダーゼを添加し、所定時間(通常0.5〜8時間)作用させることが好ましい。
ケイヒは、クスノキ科クスノキ属の植物トンキンニッケイ(学名Cinnamomum cassia)、アンナンニッケイ(学名Cinnamomum obtussifolium)、セイロンニッケイ(学名Cinnamomum verum)などの樹皮を乾燥したものである。本発明のNO産生促進組成物に用いるケイヒの品種、産地、樹皮の保存状態等は特に限定されない。本発明のNO産生促進組成物に用いるケイヒとしては、樹皮部をミキサーなどで粉砕したもの、ケイヒ乾燥粉末などが好適である。粉砕方法、粉末化方法は特に限定されず、公知の方法を適宜選択して用いることができる。また、ケイヒエキス、ケイヒエキス粉末なども本発明のケイヒとして好適に用いることができる。エキスの抽出方法は特に限定されず、溶媒抽出法、超臨界流体抽出法、加温加圧抽出法などの公知の方法を用いることができる。ケイヒ乾燥粉末、ケイヒエキス等は市販されており、このような市販品を好適に用いることができる。
黒酢は、食酢品質表示基準(農林水産省告示第1507号平成20年10月16日改正参照)により定義されるものであり、米黒酢と大麦黒酢とからなる。このうち、米黒酢については、「穀物酢のうち、原材料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いて精白したものを除く。以下この項において同じ。)又はこれに小麦若しくは大麦を加えたもののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、かつ、発酵及び熟成によって褐色又は黒褐色に着色したものをいう。」と定義され、大麦黒酢は、「穀物酢のうち、原材料として大麦のみを使用したもので、大麦の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、かつ、発酵及び熟成によって褐色又は黒褐色に着色したものをいう。」と定義されている。本発明に用いる黒酢は、米黒酢および大麦黒酢のいずれでもよい。黒酢から水分を除去した濃縮黒酢(黒酢エキスとも称される)、これを乾燥させた濃縮黒酢粉末などの種々の形態の黒酢が市販されており、これらの市販品を好適に用いることができる。
本発明のNO産生促進組成物において、上記各有効成分の配合割合は特に限定されない。ケイヒは、卵白加水分解物100質量部に対して5〜200質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましく、20〜150質量部がさらに好ましく、30〜120質量部がさらに好ましく、50〜100質量部が特に好ましい。黒酢は固形分として卵白加水分解物100質量部に対して100〜2000質量部が好ましく、200〜1500質量部がより好ましく、300〜1200質量部がさらに好ましく、500〜1000質量部が特に好ましい。
黒酢の固形分は、公知の方法で測定することができる。例えば、試料10mLを、あらかじめ秤量した径50mmのガラス秤量管または平底白金皿に量り取り、水浴上で蒸発乾固し、さらに水を加えて蒸発乾固する操作を3回繰り返した後、105℃で恒量に達するまで乾燥して秤量し、試料容量に対する百分比を固形分とする方法が挙げられる。ただし、これに限定されるものではない。
本発明のNO産生促進組成物は、医薬品、医薬部外品、飲食品などとして使用することができる。本発明のNO産生促進組成物を含有する医薬品は、各種の経口投与形態を有する製剤とすることができる。固形製剤としては、例えば散在、顆粒剤、錠剤、タブレット剤、丸剤、カプセル剤、チュアブル剤などが挙げられる。液体製剤としては、乳剤、液剤、シロップ剤などが挙げられる。
固形製剤は、本発明のNO産生促進組成物の有効成分に、薬学的に許容される担体や添加物を配合して調製される。例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、デンプン、マンニットのような賦形剤;アラビアゴム、ゼラチン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースのような結合剤;カルメロース、デンプンのような崩壊剤;無水クエン酸、ラウリン酸ナトリウム、グリセロールのような安定剤などが配合される。さらに、ゼラチン、白糖、アラビアゴム、カルナバロウなどでコーティングしたり、カプセル化したりしてもよい。
また、液体製剤は、本発明のNO産生促進組成物の有効成分を、例えば、水、エタノール、グリセリン、単シロップ、またはこれらの混液などに、溶解または分散させることにより調製される。これらの製剤には、甘味料、防腐剤、粘滑剤、希釈剤、緩衝剤、着香剤、着色剤のような添加剤が添加されていてもよい。
本発明のNO産生促進組成物を含有する飲食品は、各種の飲食品の形態で提供することができる。飲食品には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品等が含まれる。本発明に好適な飲食品は特に限定されないが、栄養補助食品(サプリメント)として用いることが好ましい。
本発明の飲食品は、食品に通常用いられる賦形剤または添加物を配合して、錠剤、タブレット剤、丸剤、顆粒剤、散剤、粉剤、カプセル剤、水和剤、乳剤、液剤、エキス剤、またはエリキシル剤などの剤型に調製することができる。食品に通常用いられている賦形剤としては、シロップ、アラビアゴム、ショ糖、乳糖、粉末還元麦芽糖、セルロース糖、マンニトール、デキストラン、デンプン類、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドンのような結合剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ポリエチレングリコールのような潤滑剤;ジャガイモ澱粉のような崩壊剤;ラウリル硫酸ナトリウムのような湿潤剤などが挙げられる。添加剤としては、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などが挙げられる。
また、本発明の飲食品は、一般の飲料、食品、調味料等の形態であってもよい。飲料としては、スポーツ飲料、ドリンク剤、乳飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、炭酸飲料、野菜飲料、茶飲料、コーヒー飲料、アルコール飲料などが挙げられる。食品としては、麺類、パン粉のような穀物加工品;味噌のような豆類加工品;米粉、小麦粉、きな粉のような粉類;即席麺、即席スープのような乾燥食品;スープ、カレーのようなレトルト食品;クッキー、ビスケット、スナック、ゼリー、ガム、グミ、飴、チョコレート、アイスクリームのような菓子などが挙げられる。調味料としては、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング、しょうゆ、ソース、つゆ、たれなどが挙げられる。
本発明の飲食品における有効成分の含有量は、乾燥質量に換算して、通常約1質量%以上とすればよく、約10質量%以上が好ましく、約20質量%以上がより好ましい。また、本発明のNO産生促進組成物の推奨摂取量は、摂取者の健康状態、年齢、体重などによって異なるが、有効成分を乾燥重量に換算した1日摂取量が、例えば約0.1〜50g、好ましくは約1〜30gとなる量とすればよい。
本発明は、上記本発明のNO産生促進組成物を含有する冷え性改善剤を提供する。本発明の冷え性改善剤には、上記本発明のNO産生促進組成物以外に、ショウガ、L−シトルリン、高麗人参、ヒハツ、カンカ、ニンニク、トウガラシ、サンショウ、ポリフェノール、ビタミンE、ビタミンP等を含むことができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:プロテアーゼの検討−1〕
(1)卵白加水分解物の調製
表1に示すプロテアーゼ(表中「酵素」)を用いて脱糖卵白液32g(固形分約2.4g)を酵素処理し、卵白加水分解物を調製した。表1に記載の各条件で酵素反応を行った後、反応液を加熱(90℃、10分間)して酵素を失活させ、濾過して液部を回収し、乾燥粉末化してサンプル1〜7を得た。
(2)eNOS安定発現細胞株の作製
ウシ血管内皮細胞(BAEC、Cell Systems社)から常法にしたがってcDNAを調製し、これを鋳型としてウシ由来eNOS遺伝子(全長)をクローニングした。クローニングしたeNOS遺伝子(全長)を、プラスミドベクターpcDNA3.1(+)(invitrogen社)のマルチクローニングサイトのEcoRIサイトへ挿入した。このベクターをヒト胎児腎臓細胞(HEK293、理化学研究所)に、「FuGENE 6 Transfection Reagent」(商品名、Roche社製)を用いてトランスフェクションした後、薬剤(G418、ナカライテスク社)選抜を行い、eNOSを安定的に発現する細胞株(B36株)を取得した。このB36株において、抗ヒトeNOS抗体(R&D SYSTEMS, Inc.)を用いたウエスタンブロッティングおよび免疫染色を行い、ほぼすべての細胞で安定的にeNOSが発現していることを確認した。また、通常のヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)よりもeNOS発現量が増加していることも確認した。
(3)卵白加水分解物のNO産生促進活性の評価
上記(1)で得られたサンプル1〜7、または酵素処理していない脱糖卵白をPBS(−)にそれぞれ溶解し(濃度:1000μg/mL)サンプル溶液を調製した。コントロールにはPBS(−)を用いた。
上記(2)で作製したeNOS発現細胞(B36株)を24ウェルプレートに播種し、3日間前培養した後、アルギニン(100μM)を含むPBS(−)を用いて洗浄を行った。続いて、サンプル溶液またはPBS(−)を各ウェルに250μL添加して15分間反応させた。反応後、cell lysis bufferを加えて細胞を溶解し、培養上清および細胞を破砕して得られた細胞破砕液の混合液をNO産生量の測定に供した。NO産生量の測定には、「NO/NO Assay Kit−FX」(商品名、株式会社同仁化学研究所製)を用いた。コントロール(PBS(−))のNO産生量を1として、各サンプルのNO産生量の相対比を算出した。
結果を図1に示した。図1から明らかなように、サンプル1、3、4はコントロールの2倍以上のNOを産生し、サンプル2、5、6、7はコントロールの5倍以上のNOを産生した。この結果から、使用する酵素によって得られる卵白加水分解物のNO産生促進の程度は異なるものの、酵素分解により得られる卵白加水分解物は、NO産生を促進することが明らかとなった。
〔実施例2:プロテアーゼの検討−2〕
(1)卵白加水分解物の調製
表2に示す複数のプロテアーゼ(表中「酵素」)を併用して酵素処理を行い、卵白加水分解物を調製した。なお、パパイン処理後にpHを8に調整し、その後はpHを調整せずに酵素処理を行った。表2に記載の各条件で酵素反応を行った後、反応液を加熱(90℃、10分間)して酵素を失活させ、濾過して液部を回収し、乾燥粉末化してサンプル8〜10を得た。得られたサンプル8〜10のNO産生量を実施例1と同様の方法で測定し、コントロール(PBS(−))に対する相対比を算出した。
結果を図2に示した。図2から明らかなように、複数の酵素を併用して調製した卵白加水分解物は、コントロールの2倍以上のNOを産生した。この結果から、複数の酵素を併用して調製した卵白加水分解物は、NO産生を促進することが明らかとなった。
〔実施例3:卵白加水分解物によるNO産生促進活性の検討〕
(1)卵白加水分解物の調製
脱糖卵白液1000g(固形分約100g)に、表3に示す5種類のプロテアーゼ(表中「酵素」)を順次添加して酵素処理を行い、卵白加水分解物を調製した。なお、パパイン処理後に反応液のpHを8に調整し、その後はpH調整を行わず酵素処理を行った。酵素反応終了後、酵素を失活させ、濾過して液部を回収した。得られた液部を活性炭で脱色処理し、噴霧乾燥して卵白加水分解物52gを得た。この卵白加水分解物を100、500、または1000μg/mLとなるようにPBS(−)に溶解して卵白加水分解物溶液を調製し、実施例1と同様の方法で各サンプルのNO産生量を測定し、コントロール(PBS(−))に対する相対比を算出した。
結果を図3に示した。図3から明らかなように、卵白加水分解物は濃度依存的にNO産生量を増加させた。なお、有意差検定にはt検定を用いた。
〔実施例4:ケイヒおよび卵白加水分解物によるNO産生の検討〕
ケイヒは日本粉末薬品株式会社製「ケイヒエキスパウダーV」を購入して使用した。卵白加水分解物は実施例3で調製した卵白加水分解物を使用した。NO産生量の測定は、実施例1と同様の方法で行った。卵白加水分解物は、卵白加水分解物のPBS(−)溶液を終濃度1000μg/mLとなるように添加した。ケイヒは、「ケイヒエキスパウダーV」をPBS(−)に溶解した後ろ過してケイヒ溶液を調製し、終濃度100、500、または1000μg/mLとなるように添加した。コントロールにはPBS(−)を用いた。有意差検定にはt検定を用いた。
結果を図4に示した。図4からわかるように、ケイヒを単独で添加すると、濃度依存的にNO産生量を増加させた。また、ケイヒと卵白加水分解物を併用した場合には、ケイヒ500μg/mLおよびケイヒ1000μg/mLの条件において、それぞれを単独で添加した場合より有意にNO産生量を増加させた。この結果から、ケイヒと卵白加水分解物とを組み合わせることにより、NO産生量を相乗的に増加させることが明らかとなった。
〔実施例5:黒酢および卵白加水分解物によるNO産生の検討〕
黒酢はサントレック株式会社製「濃縮黒酢粉末」を購入して使用した。「濃縮黒酢粉末」は、液体の黒酢を約10倍濃縮し、乾燥させたものである。卵白加水分解物は実施例3で調製した卵白加水分解物を使用した。NO産生量の測定は、実施例1と同様の方法で行った。卵白加水分解物は、卵白加水分解物のPBS(−)溶液を終濃度1000μg/mLとなるように添加した。黒酢は、「濃縮黒酢粉末」をPBS(−)に溶解した後ろ過して黒酢溶液を調製し、濃縮黒酢粉末濃度として終濃度が100、500、または1000μg/mLとなるように添加した。コントロールにはPBS(−)を用いた。有意差検定にはt検定を用いた。
結果を図5に示した。図5からわかるように、黒酢を単独で添加すると、濃度依存的にNO産生量を増加させた。また、黒酢と卵白加水分解物を併用した場合には、濃縮黒酢500μg/mLおよび濃縮黒酢1000μg/mLの条件において、それぞれを単独で添加した場合より有意にNO産生量を増加させた。この結果から、黒酢と卵白加水分解物とを組み合わせることにより、NO産生量を相乗的に増加させることが明らかとなった。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

Claims (4)

  1. (1)アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼおよび/またはバチルス属菌由来のプロ
    テアーゼを用いて卵白を分解して得られる卵白加水分解物と、(2)ケイヒおよび/また
    は黒酢を有効成分として含有することを特徴とするNO産生促進組成物(但し、冷え性改善用組成物である場合を除く)
  2. 前記アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼがアスペルギルス・ニガー由来の酸性プロ
    テアーゼであり、前記バチルス属菌由来のプロテアーゼがバチルス・ズブチリス由来の中
    性プロテアーゼ、バチルス・ズブチリス由来のアルカリ性プロテアーゼ、バチルス・ステ
    アロサーモフィラス由来の中性プロテアーゼから選ばれる少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1に記載のNO産生促進組成物。
  3. 前記卵白加水分解物100質量部に対して、ケイヒを5〜200質量部および/または
    黒酢を固形分として100〜2000質量部含有することを特徴とする請求項1または2
    に記載のNO産生促進組成物。
  4. 前記卵白加水分解物100質量部に対して、黒酢を固形分として500〜1000質量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のNO産生促進用組成物。
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