JP2010189344A - 血中アセトアルデヒド低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた血中アセトアルデヒド低減効果を発揮し、且つ安全に使用することができて、飲酒により生じる吐き気、悪心、めまいなどの二日酔いの症状の発現を防止又は軽減し、また、アルコールによる肝機能障害を防止又は軽減するのに有用な血中アセトアルデヒド低減剤、さらには血中アセトアルデヒド低減用飲食品を提供する。
【解決手段】炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択される1種又は2種以上を有効成分として含有させ、血中アセトアルデヒド低減剤及び血中アセトアルデヒド低減用飲食品とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、血中アセトアルデヒド低減剤に関し、より詳しくは、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールを有効成分として含む血中アセトアルデヒド低減剤に関する。
2001年度に全国の医療機関で行われた人間ドックの受診者のうち、「異常なし」と判定されたのは14.5%にとどまり、過去最低を更新した(非特許文献1)。項目別では、「肝機能が異常」と判定された受診者が全体の26.6%で、1988年当時の約3倍に増加した。このほか「高コレステロール」24.9%、「肥満」20.3%、「高中性脂肪」15.3%と、生活習慣と関係の深い項目において何らかの異常を指摘された受診者が、いずれも過去最高の比率となった。
日々の飲酒と肝機能との関係に対しては、社会的関心が高く、一般的に、健康診断時のγ−GTPなど、肝機能を表す指標についての認知度は高い。実際、日本人間ドック学会の2001年のデータでは、受診者の4人に1人が肝機能の異常を指摘され、肝機能に関する関心はますます高くなっている(非特許文献2)。もともと日本人を含む黄色人種(モンゴロイド)は白色人種(コーカソイド)と比べると、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)2は不活性型が多く、アセトアルデヒドを酸化する能力が低い。このことは日本人に下戸が多いとされる最大の原因であり、また、日本人にアルコール性の肝機能障害が多い要因となっている。
近年、飲酒時の肝機能の改善や、二日酔いの軽減のために、ウコン(クルクミン)やシジミ汁などの食品成分の有効性が注目されている。たとえば、大豆加工物を用いたアルコール吸収代謝調整剤(特許文献1)、生薬成分と大豆サポニン及び塩化カルニチンを有効成分とするアルコール吸収抑制剤(特許文献2)など、体内へのアルコールの吸収を抑制することによるものが開示されている。
また、過度の飲酒による、いわゆる二日酔いの症状(吐き気、不快感、悪心、めまいなど)は、体内に残留するアルコール代謝産物のアセトアルデヒド等であることが知られており、血中アセトアルデヒド濃度を低減させる医薬品等の研究が進められてきた。その中でも、食経験のある天然植物に由来する成分に関しては、その安全性等の面から特に注目されるところであった。L−テアニンを有効成分としたアセトアルデヒド毒性の抑制剤(特許文献3)のように、飲酒により体内で作られたアセトアルデヒドの有害性を抑制しようとするものや、直接的に飲酒後のアルコール代謝を改善し、速やかに血中アセトアルデヒドを分解させる成分として、カフェインとカテキンを有効成分とした体内アセトアルデヒド代謝促進剤及びその製造方法(特許文献4)、オタネニンジン抽出成分を有効成分とした血中アルコール濃度低下作用組成物(特許文献5)、葛花処理物を有効成分とするアルコール代謝物濃度上昇抑制剤(特許文献6)などが報告されている。このように、食品成分についてアセトアルデヒド代謝促進効果が報告されている。
一方、天然の動植物性ワックスから分離した高級脂肪族アルコールの混合物であるポリコサノールなどの、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールについて、肝機能改善作用を有すること、特に脂質代謝機能改善作用により血中コレステロールや中性脂質を低減させることが、ヒトにおける試験により報告されている。しかし、アルコール代謝により発生したアセトアルデヒドの代謝に及ぼす効果に関しては知られていない。
特開2001−226277号公報 特開平3−264534号公報 特許第3793239号公報 特許第3875733号公報 特許第3228534号公報 特開2006−131610号公報
2001年度(社)日本病院会の集計 日本人間ドック学会01年資料
そこで本発明においては、優れた血中アセトアルデヒド低減効果を発揮し、かつ安全に使用することができる、血中アセトアルデヒド低減剤、さらには血中アセトアルデヒド低減用飲食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を進めた結果、新たにポリコサノールが血中アセトアルデヒドの分解促進効果を有するという新知見を得た。かかる新知見に基づき、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上を有効成分として含有させることにより、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の[1]〜[9]に関する。
[1]炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上を有効成分として含有する、血中アセトアルデヒド低減剤。
[2]炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールが、動物性ワックス及び植物性ワックスから分離した高級脂肪族アルコールよりなる群から選択される、上記[1]に記載の血中アセトアルデヒド低減剤。
[3]炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上を有効成分として含有する、血中アセトアルデヒド低減用飲食品。
[4]炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールが、動物性ワックス及び植物性ワックスから分離した高級脂肪族アルコールよりなる群から選択される、上記[3]に記載の飲食品。
[5]保健機能食品又は栄養補助食品である、上記[3]又は[4]に記載の飲食品。
[6]保健機能食品が特定保健用食品又は栄養機能食品である、上記[5]に記載の飲食品。
[7]炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上が、1食あたりの摂取単位の量含有された状態で包装又は充填されてなる、上記[5]又は[6]に記載の飲食品。
[8]血中アセトアルデヒドを低減させるための、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上の使用。
[9]炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上の成分と、当該成分が血中アセトアルデヒド低減作用を有することを記載した記載物を含む、商業的パッケージ。
本発明の血中アセトアルデヒド低減剤又は血中アセトアルデヒド低減用飲食品によれば、飲酒時に生成し、体内に有害な影響を与える血中アセトアルデヒドを有効に低減させることができる。その結果、飲酒により生じる吐き気、悪心、めまいなどの二日酔いの症状の発現を防止し、又はかかる症状を軽減し、また、アルコールによる肝機能障害を防止又は軽減することができる。
図1は、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールの血中アセトアルデヒドの低減効果を示す図であり、本発明の実施例1の血中アセトアルデヒド低減剤を服用した場合、及び服用しない場合における飲酒後の血中アセトアルデヒド濃度の変化を示す。
本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤は、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上を有効成分として含有する。
<高級脂肪族アルコール>
本発明において用いる高級脂肪族アルコールは、化学的に合成することもできるが、天然ワックスより分離精製したものを用いるのが好ましい。天然ワックスとしては、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールを構成成分として含む天然ワックスであれば特に限定されないが、動物、植物、微生物由来のワックスが挙げられ、好ましくは高含量の長鎖脂肪族アルコールを構成成分として有するワックスが挙げられる。たとえば、植物起源のワックスとしては、米糠ワックス(ライスワックス)、さとうきびワックス、カルナウバワックス、カンデリラワックス、ホホバ油、木ろう、小麦ワックス、とうもろこしワックス、パームワックスなどが挙げられ、動物起源のワックスとしては、ビーズワックス(蜜蝋)、マッコウ鯨油、羊毛脂などが挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種を用いることができる。米糠ワックス(ライスワックス)、さとうきびワックス、カンデリラワックス、木ろう、カルナウバワックス、蜜蝋は一般的に流通しており、入手が容易であるため好ましい。また、米糠ワックス及びさとうきびワックスは、米、米油、砂糖などの生産において副産物として大量に発生するため、安価であり特に好ましい。したがって、本発明で用いられる高級脂肪族アルコールとしては、前記のワックスを分解して得られるもので、通常炭素数22〜36の1価および2価の飽和アルコールが挙げられる。具体的には、たとえば、ドコサノール(C22、炭素数を示す。以下、同じ)、テトラコサノール(C24)、ヘキサコサノール(C26)、オクタコサノール(C28)、ノナコサノール(C29)、ミリシルアルコール(C30)、メリシルアルコール(C31)、ラクセリルアルコール(C32)、セロメリシルアルコール(C33)、テトラトリアコンタノール(C34)、ペンタトリアコンタノール(C35)、ヘキサトリアコンタノール(C36)、ドコサン1,2−ジオール(C22)、テトラコサン1,2−ジオール(C24)、ドコサン1,3−ジオール(C22)、トリコサン1,3−ジオール(C23)、テトラコサン1,3−ジオール(C24)などが挙げられる。
本発明においては、これらより1種を精製し、純品として使用できるし、また、これらより選択した2種以上を混合して使用することもできる。天然物由来の高級脂肪族アルコール混合物は、そのままで本発明に使用できるので、実施に適している。かかる高級脂肪族アルコール混合物としては、通常、ワックス中に高級脂肪族アルコールが60%以上含まれるものが用いられ、好ましくは、75%以上含有するものが用いられる。代表的な天然由来のワックスの組成を表1にまとめて示す。
Figure 2010189344
かかる高級脂肪族アルコールは、天然ワックスの加水分解反応等により得ることができる。加水分解反応の方法としては、アルカリ触媒等を用いた化学反応法、リパーゼ等の油脂加水分解酵素を用いた生化学反応法等が用いられる。前記加水分解反応により高級脂肪酸塩等と高級脂肪族アルコールが生成する。これらの分離は、ヘキサン、アセトン、エタノール、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセライド)等の有機溶剤と水との液液分配法により容易になし得る。また、高級脂肪族アルコール分子内の水酸基に、一度、エチル基、メチル基等を修飾し、蒸留により分離した後、修飾基を除去する方法もあるが、本発明において用いる高級脂肪族アルコールは、いずれの方法で得られたものでもよい。なお、本発明においては、天然の動植物性ワックスから前記の方法により分離された高級脂肪族アルコールの混合物であるポリコサノールが好ましく用いられる。
また、上記により得られるポリコサノールの中でも、米糠から得られる高級脂肪族アルコール混合物は、原料の入手が容易かつ安価なので、本発明における使用に特に適している。本発明において用いる高級脂肪族アルコールの形態としては、平均粒子径1〜500μmである粉体が、使用したときの吸収性が高く好ましい。さらに、平均粒子径1〜10000nmである乳化液として使用すると、吸収性に優れ、より好ましい。なお、前記の平均粒子径は、動的光散乱法(ホモダイン方式)によって求めた値である。
本発明の血中アセトアルデヒド低減剤は、常法にしたがって製剤化することができるが、経口用製剤とすることが好ましい。剤形としては、固形状、半固形状、液状のいずれをも選択することができる。たとえば、粉剤、散剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、糖衣剤、ゲル剤、カプセル剤、チュアブル剤等の固形状製剤、ゼリー剤、スラリー剤等の半固形状製剤、乳剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤等の液状製剤が挙げられ、医薬的に許容されるキャリアーを含んでもよい。このようなキャリアーとしては、水、医薬的に許容される有機溶剤、グリセリン、プロピレングリコール等の液状キャリアー、マクロゴール等の親水性キャリアー、ワセリン、パラフィン、ラノリン、カカオ脂等の油脂性キャリアー、ゼラチンカプセル、マイクロカプセル、リポソーム等が挙げられる。また、本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤には、製剤化に際し必要に応じて、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、界面活性剤、増粘剤、コーティング剤、pH調整剤、抗酸化剤、嬌味剤、防腐剤、着色剤、香味剤等を添加することができる。
上記賦形剤としては、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース及びその誘導体、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、デキストリン等のデンプン及びその誘導体、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等の天然高分子化合物、ブドウ糖、マルトース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール等の糖及びその誘導体、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の無機塩類などが挙げられる。
上記結合剤としては、グアーガム、合成ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸、高分子ポリビニルピロリドン、乳糖などが、上記滑沢剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000などが、上記崩壊剤としては、アジピン酸、ステアリン酸カルシウム、白糖などが挙げられる。
上記界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、大豆レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステルなどが、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ゼラチンなどが、コーティング剤としては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、カラメル、カルナウバロウ、セラック、白糖、プルランなどが挙げられる。
pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが、抗酸化剤としては、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE、没食子酸プロピルなどが、嬌味剤としては、アスパルテーム、カンゾウエキス、サッカリンなどが挙げられ、防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチルなどが、着色剤としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カルミン、食用青色1号、食用黄色4号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用赤色2号、銅クロロフィリンナトリウムなどが、香味剤としては、オイゲノール、バニリン、メントールなどが挙げられる。
本発明の血中アセトアルデヒド低減剤に含まれる高級脂肪族アルコールの含有量は、上記のような剤形や、服用させる被験者の性別、年齢、体重等に応じて適宜選択することができるが、たとえば、本実施例で得られた値を用いて、以下の2つの一般則から算定したヒトの適正摂取量をもとに設定することもできる。一般則(1)によると、動物実験で、1%混餌を用いて効果が確認された場合、前記の摂取量は、動物の体重kg当たり1gに相当する。一般則(2)によると、ラットやマウスでの体重1kgの有効量の約1/50がヒトでの適正用量である。つまり1%混餌の場合、60kgのヒトに換算すると適用量は1.2gとなる。これらの一般則によれば、本発明の血中アセトアルデヒド低減剤における高級脂肪族アルコールの1日の摂取量は、0.001〜10g、好ましくは0.01〜3gとなるように設定することになる。本発明においては、前記の量の高級脂肪族アルコールを1回で摂取させてもよく、また数回に分けて摂取させてもよい。また、本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤は、飲酒前又は飲酒後のいずれに摂取させてもよい。ただし、本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤又は低減用飲食品の効果を考えると、飲酒前か飲酒後に、1日あたりの摂取量を1回で摂取させることが好ましい。さらに好ましくは、継続的に摂取することにより、その効果はより発揮される。
本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤は、医薬品に限らず、そのまま、又は一般に飲食品に用いられる添加剤を加えて、血中アセトアルデヒドを低減させるための飲食品としても提供され得る。飲食品の形態に特に制限はなく、一般の加工食品のほか、特定保健用食品、栄養機能食品等の保健機能食品や、栄養補助食品などとすることができる。これらは、たとえば粉末状食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル状食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等の形態として提供され得る。
上記添加剤としては、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等が挙げられる。
本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤を加工食品として提供する場合、有効成分である炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールの1種又は2種以上の粉末等をそのまま食材に混合したり、又は、液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状の食品、たとえば、飲料、茶、スープ、ゼリー、ヨーグルト、アイスクリーム、シャーベット、フローズンヨーグルト、プリン、ドレッシング、マヨネーズ、ふりかけ、味噌、醤油、焼肉のたれ等の調味料、麺類、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ジャム、牛乳、クリーム、バターやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、菓子類の原材料として加工して用いたりすることが挙げられる。
本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤を飲食品として提供する場合、上記した添加剤や、ビタミン類、ミネラル類、動植物や魚介類の油脂類、タンパク質、糖質などの他の栄養分を必要に応じて加えて、当業者が通常行う方法により製造することができる。
本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤を飲食品として提供する場合は、有効成分である炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択される1種又は2種以上の含有量は、飲食品の種類、形態、利用目的、摂取態様等に応じて適宜設定することができる。上記した2つの一般則から算定した、本発明の実施例から推測されるヒトの適正摂取量をもとに設定してもよい。
飲食品が特定保健用食品、栄養機能食品等の保健機能食品や、栄養補助食品である場合には、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択される1種又は2種以上が、上記により設定された1食あたりの摂取単位量含まれる状態で、1食分ずつ包装された形態や、1食あたりの摂取単位量の前記高級脂肪族アルコールが懸濁あるいは溶解した飲料が、1食あたりの飲み切りの形態で瓶等に充填された形態で提供され得る。本発明においては、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択される1種又は2種以上は、1日あたりの摂取量を1回で摂取させることが好ましいことから、かかる量、たとえば0.001〜10g、好ましくは0.01〜3gの高級脂肪族アルコールを含有するように、1食分として包装又は充填されることが好ましい。
上述したように、本発明においては、血中のアセトアルデヒドを低減させるために、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択される1種又は2種以上を使用することを特徴とする。前記高級脂肪族アルコールは、医薬品製剤や飲食品の形態で用いることができ、用いる剤形や被験者の性別、年齢、活性型ALDH2の誘導度等により、上記において適宜設定された量を使用することができる。
また、本発明においては、炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択される1種又は2種以上の成分と、当該成分が血中アセトアルデヒド低減作用を有することを記載した記載物を含む、商業的パッケージを提供する。前記商業的パッケージに含まれる記載物には、本発明に係る血中アセトアルデヒド低減剤又は血中アセトアルデヒド低減用飲食品の作用及び効果の他、1日あたりの服用又は摂取量、服用又は摂取の方法、服用又は摂取の際の注意事項なども記載され得る。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実験によって得られたデータは、STUDENT T−TESTを用いて有意差検定を行った。
[実施例1]
炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールとして、コメコサノール(商品名)(日油株式会社製)を含有する血中アセトアルデヒド低減剤を調製した。コメコサノールは米糠由来で、コメコサノール中の83%が炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールである。このコメコサノール10重量%と乳糖80重量%、及びセルロース10重量%を混合して打錠し、200mgの錠剤を成型した(コメコサノール20mg配合)。
今回使用したコメコサノールの組成を表2に示す。
Figure 2010189344
実施例1の血中アセトアルデヒド低減剤について、心身ともに健康な平均年齢41.4±8.0歳の成人男性8名による試験を行った。試験に際して、ヘルシンキ宣言に則り、被験者にはインフォームドコンセントを実施し、日油株式会社倫理委員会の承認を得て、監督医師の元で次の通り試験を実施した。
実施例1の錠剤を1日当たり2錠、6週間にわたり被験者に摂取してもらった(炭素数22〜36の高級脂肪族アルコール量としては、33.2mg/日)。被験者には、15分間で体重60kg当たり25度の焼酎100mL(エタノールとして1単位の酒量)を100mLの水で割って飲酒させた。飲酒終了後90分及び180分後に採血を行った。飲酒後180分の採血までに補給できる水分量を400mLとして、飲酒時からの総水分摂取量を500mLと規定した。飲酒前と、飲酒後90分後及び180分後に採取した血液について、ビー・エム・エル株式会社に委託して、血中アセトアルデヒド量の測定を行った。測定精度に関し、血中アセトアルデヒドについては、5μmol/Lが検出限界で、それ以下は測定不可であった。なお、比較のため、実施例1の血中アセトアルデヒド低減剤を服用しないで同様に飲酒し、同様に採血して得た血液について、血中アセトアルデヒド量を測定した。結果を図1に示す。
図1には、血中にアセトアルデヒドが検出できた被験者のアセトアルデヒド値の平均値及び標準偏差を示した。実施例1の血中アセトアルデヒド低減剤を服用した被験者においては、飲酒後90分で8名中5名が検出限界以下となり、180分後には、被験者全員が検出限界以下であった。一方、実施例1の血中アセトアルデヒド低減剤を服用しない場合には、飲酒後180分後においても血中アセトアルデヒドが検出され、実施例1を服用した場合との間に、p<0.01で有意差を認めた。
本発明は、飲酒時に生成し、体内に有害な影響を与える血中アセトアルデヒドを有効に低減させることができ、飲酒により生じる吐き気、悪心、めまいなどの二日酔いの症状の発現を防止し、又はかかる症状を軽減し、また、アルコールによる肝機能障害を防止又は軽減するのに有用な血中アセトアルデヒド低減剤、及び血中アセトアルデヒド低減用飲食品を提供するものである。

Claims (2)

  1. 炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上を有効成分として含有する、血中アセトアルデヒド低減剤。
  2. 炭素数22〜36の高級脂肪族アルコールよりなる群から選択した1種又は2種以上を有効成分として含有する、血中アセトアルデヒド低減用飲食品。
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