JP2021038375A - 樹脂発泡シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高発泡成形が可能であり、外観が良く、柔軟性を有しつつ、高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有し、製造コストも安価である樹脂発泡シートを提供する。【解決手段】ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、下式1の構造を含む高分子(A)と、を含む樹脂組成物を、発泡させてなる樹脂発泡シートであって、前記樹脂発泡シートは、JISK6796:1998に準拠して測定したゲル分率が10〜45質量%であることを特徴とする、樹脂発泡シート。(式1)R1−Si−O−R2[式1中のR1は、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基、R2は、アルキル基、又は、下式2の構造を有する基である。](式2)−Si−R3[式2中のR3は、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基である。]【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂発泡シート及びその製造方法に関する。
電子機器や電子機器に用いられる部品等の精密機器の衝撃吸収剤として用いられる発泡シートは、電子機器等の小型化に伴い、薄型化及び高性能化が求められている。一般に発泡体としては、ウレタン樹脂等の樹脂が用いられているが、ウレタン樹脂は熱硬化性であるため、リサイクル性があまり高くない。一方、熱可塑性のオレフィン樹脂は、リサイクル性が高いことに加え、低発泡から高発泡までの発泡倍率の自由度が高く、柔軟で、クッション性や断熱性に優れた発泡シートを提供できる点で有用な材質である。オレフィン樹脂を用いた発泡シートは、機械特性及び耐熱性を向上させるため、架橋して用いられる。
また、車両用燃料計や飲料水タンクのゲージ、その他流体を使用する精密機器等の流路を開閉するフロートバルブ等の多様な用途に、極めて微細な気泡をもって発泡した樹脂発泡成形品が求められている。微細な気泡の樹脂発泡成形品を製造する方法として、超臨界流体とした二酸化炭素(CO)を利用するバッチ式の発泡方法が用いられる。特に、発泡シートは、厚みが5mm以下であるため、気泡の大きさには制限を受けやすく、発泡体の密度や機械的な特性等を調整するためには、微細な気泡が得られる超臨界流体を利用する発泡方法が好ましく用いられる。
特許文献1には、約10から150kg/mの密度を有する特定のオレフィン共重合体の軟質発泡体(シート状のものを含む)と、その製造方法について、開示されている。
特許文献2には、有機過酸化物架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A)と有機過酸化物分解型結晶性オレフィン樹脂(B)とからなり、これらゴム(A)と樹脂(B)の混練り反応によって得られる分岐したゴム状オレフィン系軟質樹脂(C)であって、そのミクロ凝集構造において、有機過酸化物架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A)が連続相として存在しているとともに、有機過酸化物分解型結晶性オレフィン樹脂(B)が不連続相として存在していることを特徴とする発泡成形用樹脂組成物を発泡させることにより、高発泡倍率であり、柔軟で、クッション性や断熱性に優れた発泡成形体が得られることが開示されている。
特許文献3には、有機過酸化物架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A)と有機過酸化物分解型結晶性オレフィン樹脂(B)とが相溶化手段を用いて混練り反応されることによって得られ、そのミクロ凝集構造において、前記有機過酸化物架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A)が連続相として存在するとともに、この連続相の中に前記有機過酸化物分解型結晶性オレフィン樹脂(B)が不連続相として存在し、かつ、そのゲル分率(138℃沸騰キシレンで3時間抽出の不溶分の重量百分率)が10〜80%であるゴム状オレフィン系軟質樹脂(C)から構成される発泡成形用樹脂組成物を発泡させることにより、3倍発泡以下(発泡してないものも含めて)で、適正な発泡倍率の射出成形により成形体を形成することができることが開示されている。更に、得られた発泡体は、最終的にダンパー開閉板とフランジ間や筐体と蓋間、またセパレーター間等で圧縮され、薄くて巾狭な所で局部的に押さえられたり、組み付けられたり、またこれらが3次元で用いられても、充分柔軟に圧縮率がとれ(撓みがなく)、かつ必要とされる機能面(耐透気性や耐透湿性や耐熱性)でも、その品質の均質性・耐久性を保ち得ることが開示されている。
特許文献4には、有機過酸化物架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A)と有機過酸化物分解型結晶性オレフィン樹脂(B)との混練り反応によって得られ、そのミクロ凝集構造において、前記有機過酸化物架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A)と前記有機過酸化物分解型結晶性オレフィン樹脂(B)とが互いに入り組んだ混在状態をなしているゴム状オレフィン系軟質樹脂(C)を発泡して得られた発泡体が、高発泡で、柔軟で、クッション性や断熱性に優れた射出発泡成形体を得ることのできることが開示されている。
特許文献5には、エチレン単位及び/又はα−オレフィン単位を含み、これらの配合量の合計量が0.1〜20重量%であるプロピレン系共重合体のシラン変性体を含む発泡用樹脂組成物を発泡して得られた発泡体が、発泡倍率が高く、セル直径が小さく、表面外観が良好な発泡シートが得られることが開示されている。
特表2008−538377号公報 特開2005−133045号公報 特開2006−307069号公報 特開2006−307070号公報 特開2017−179251号公報
特許文献1及び2に提案されている発泡体は、それぞれ優れた特徴は有するものの、高弾性率、高伸長性、高剥離強度等の機械特性を求めることは困難であった。
また、特許文献3及び4に提案されている発泡体は、架橋性の原材料を架橋させることが前提であり、所定のゲル分率を達成するために、過酸化物を用いる方法、電子線照射、硫黄加硫、シラン架橋等の公知の方法を用いることができるとしている。過酸化物(実施例において使用されている)、硫黄加硫を用いる方法は、微細な気泡を得ることを目的として超臨界流体を利用する発泡方法を用いた場合には、発泡が過酸化物によって妨げられ、十分な発泡をなし得ず、高発泡成形ができないおそれがあった。また、電子線照射を用いると、ポリプロピレン樹脂等の主骨格が切断される場合があり、発泡体は十分な機械特性を得ることができないおそれがあった。さらに、電子線照射のための設備も必要となり、製造工程が煩雑となり、製造コストも高くなるおそれがあった。また、シラン架橋を用いる場合には、シラン架橋剤を架橋させるため、水、温水、水蒸気等と接触させる工程が必要となり、製造工程が煩雑になり、製造コストも高くなるおそれがあった。また、水、温水、水蒸気等の水分と接触される場合には、発泡成形前の押し出し機内部で架橋が完了してしまう場合があり、水分管理が煩雑であった。
また、特許文献5に提案されている発泡体は、実施例の記載によれば、有機過酸化物を添加する必要があり、微細な気泡を得ることを目的として超臨界流体を利用する発泡方法を用いた場合には、発泡が有機過酸化物によって妨げられ、十分な発泡をなし得ず、高発泡成形ができないおそれがあった。さらに、架橋を促すため、水、温水、水蒸気等と接触させる工程が必要となり、水分管理が必要で、製造工程が煩雑になり、製造コストも高くなるおそれがあった。
発明者らは、鋭意研究を行い、ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、特定の構造を有する化合物を含む樹脂発泡シートであって、そのゲル分率が10%以上である樹脂発泡シートが、高発泡成形が可能であり、柔軟性を有しつつ、高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する発泡体シートが得られ、製造コストも安価であることを見出し、さらに前記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は下記の通りである。
本発明(1)は、
ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、下式1の構造を複数含む高分子(A)と、を含む樹脂発泡シートであって、
前記樹脂発泡シートは、JIS K6796:1998に準拠して測定したゲル分率が10〜45質量%以上であることを特徴とする、樹脂発泡シートである。
(式1)
−Si−O−R
式1中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基、Rは、アルキル基、又は、下式2の構造を有する基である。
(式2)
−Si−R
式2中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基である。
本発明(2)は、
前記樹脂発泡シートは、JIS K7112:1999に準じて測定した密度が、45〜650kg/mであることを特徴とする、前記発明(1)の樹脂発泡シートである。
本発明(3)は、
前記樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂の質量を100質量部とした場合に、シラン架橋剤を20〜50質量部含むことを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の樹脂発泡シートである。
本発明(4)は、
前記Rの繰返し構造が、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又はポリプロピレンのいずれかであることを特徴とする、前記発明(1)〜(3)のいずれかの樹脂発泡シートである。
本発明(5)は、
前記Rの繰返し構造が、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又はポリプロピレンのいずれかであることを特徴とする、前記発明(1)〜(4)のいずれかの樹脂発泡シートである。
本発明(6)は、
前記発明(1)〜(5)のいずれかの樹脂発泡シート製造方法であって、
前記樹脂発泡シートの製造方法は、
ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、下式1の構造を複数含む高分子(A)と、をドライブレンドして樹脂組成物を形成する混合工程と、
前記樹脂組成物を超臨界発泡させ樹脂発泡シートを得る発泡工程と、を含み、
前記樹脂組成物又は前記樹脂発泡シートを、水、温水、水蒸気に接触させる工程を含まないことを特徴とする、樹脂発泡シートの製造方法である。
(式1)
−Si−O−R
式1中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基、Rは、アルキル基、又は、下式2の構造を有する基である。
(式2)
−Si−R
式2中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基である。
本発明によれば、高発泡成形が可能であり、外観が良く、柔軟性を有しつつ、高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有し、製造コストも安価である樹脂発泡シートを提供することが可能となる。
図1は、180度剥離強度の測定方法を示す説明図である。
以下に、本発明の樹脂発泡シートについて詳述する。
<<<樹脂発泡シート>>>
ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、下式1の構造を複数含む高分子(A)と、を含む樹脂組成物を、発泡させてなることを特徴とする、樹脂発泡シートである。
(式1)
−Si−O−R
式1中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基、Rは、アルキル基、又は、下式2の構造を有する基である。
(式2)
−Si−R
式2中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基である。
また、本発明の樹脂発泡シートは、JIS K6796:1998「架橋ポリエチレン製(PE−X)管及び継手−ゲル含量の測定による架橋度の推定」に記載のゲル含量の測定方法に準拠して測定したゲル分率が、10〜45質量%であり、13.0〜40.0質量%であることが好ましい。樹脂発泡シートのゲル分率がかかる範囲にある場合には、樹脂発泡シートは、高発泡成形が可能であり、外観が良く、柔軟性を有しつつ、高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有するものとすることができる。
また、本発明の樹脂発泡シートの、JIS K7112:1999「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準じて測定した密度は、特に限定されないが、例えば、1〜1000kg/mとすることができ、10〜900kg/mが好ましく、20〜800kg/mがより好ましく、25〜750kg/mが更に好ましく、45〜650kg/mが更により好ましく、57〜650kg/mが特に好ましく、60〜100kg/mが最も好ましい。樹脂発泡シートの密度が、かかる範囲にある場合には、高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができる。
また、本発明の樹脂発泡シートの180度剥離強度試験で測定した剥離強度は、特に限定されないが、例えば、その下限値は0.1N/cm以上、0.5N/cm以上、1N/cm以上、1.5N/cm以上、2.0N/cm以上、2.5N/cm以上とすることができ、その上限値は、50N/cm以下、30N/cm以下、15N/cm以下とすることができる。本発明の樹脂発泡シートの180度剥離強度試験で測定した剥離強度が、かかる範囲にある場合は、柔軟性を有しつつ、高い高弾性率、高伸長性、高剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができる。
本発明の樹脂発泡シートの180度剥離強度の測定方法について説明する。樹脂発泡シートを、150mm長さ×10mm幅、厚み0.1〜2mm程度(好ましくは、1mm厚)に成形し、その一方の表面に250mm長さ×20mm幅に成形した25μm厚のPETフィルムを、樹脂発泡シートがはみ出ない様に貼り合わせ、評価試料とする。貼り合わせの際、樹脂発泡シートの長手方向の端部と、PETフィルムの長手方向の端部が10mm以上離れるように貼り合わせる。さらに、300mm長さ×50mm幅×5mm厚のSUS304BA仕上板に、評価試料の樹脂発泡シートの全面がSUS板と接するように貼り付ける。貼り合わせ作業は、23℃×50%RHの環境下で2kgのローラーを1往復して行う。続いて、評価試料を23℃×50%RHの環境下に30分間静置し、養生する。測定は、評価試料を上面として、PETフィルムを、測定装置に固定する。ロードセルを備え付けたチャッキング治具を用いて、評価試料のPETフィルムの長手方向の一方の端部をチャッキングし、チャッキング治具を180度剥離方向に略水平に移動させて、剥離試験を行う(図1参照)。この際のロードセルによる応力の平均値を剥離強度として測定する。ただし、剥離強度の算出に際しては、樹脂発泡シートの剥離開始直後に現れる初期ピーク値はノイズとして取り除く。より具体的には、剥離強度は、樹脂発泡シートの剥離開始時点から剥離距離が20mmとなる時点までの測定データを取り除き、剥離距離20mm〜120mmまでの100mm間についての、0.01sec間隔で測定された試験力の平均値に基づいて算出するものとする。試験は、23℃×50%RHの環境下で、チャッキング治具の移動速度を、1000mm/minとして行う。
本発明の樹脂発泡シートは、独立気泡、連続気泡、さらには、半連続気泡のいずれであってもよい。ここで、半連続気泡とは、独立気泡と連続気泡が混在するものをいい、その分布や構成比率は限定されない。
本発明の樹脂発泡シートのセル(気泡)の平均セル径は、特に限定されないが、例えば、1〜500μmとすることができる。平均セル径は、走査顕微鏡を用いて撮影した樹脂発泡シートの断面画像について、画像中の無作為に選んだ20個のセルについて、市販のソフトを用いて、セルの面積を算出し、円の面積とすることで、直径を算出したものの平均値とした。
本発明の樹脂発泡シートは、スキン層と呼ばれる表皮層を有していてもよい。スキン層は、樹脂組成物を硬化・成形する際に、金型を用いる場合の金型、フィルム状に塗工する場合のフィルムや塗工器具等に接触した表面に形成される、気泡の分布密度が特に高い層である。また、スキン層が不要な場合には、割り加工を行って、スキン層を排除して用いることができる。
<<<樹脂発泡シートの原料(樹脂組成物)>>>
本発明にかかる樹脂発泡シートの原料(樹脂組成物)について説明する。
本発明にかかる樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、式1の構造を複数含む高分子(A)と、を含むことを特徴とする。
なお、ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、高分子(A)とは、異なる化合物である。より具体的には、高分子(A)は、後述する式1の構造を有する化合物であり;ポリオレフィン樹脂は、式1の構造を有さず、且つ、熱可塑性エラストマーに該当しない化合物であり;共重合体は、式1の構造を有さず、且つ、熱可塑性エラストマー以外のポリオレフィン樹脂に該当しない化合物である。
<<ポリオレフィン樹脂>>
本発明にかかるポリオレフィン樹脂は、特に限定されず、公知のポリオレフィン樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、及びこれら相互のポリマーブレンドを挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのいずれでもよく、ポリプロピレンは、アタクチック、イソタクチック、シンジオタクチック、ランダムなどのいずれでもよい。これらのうち、高発泡成形性の観点から、ポリプロピレンが好ましい。さらに、外観が良く、柔軟性を有しつつ、より高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができるため、ホモポリプロピレンが、より好ましい。また、特に伸長性や外観に優れる樹脂発泡シートを得ることができるため、ランダムポリプロピレンが、更に好ましい。ランダムポリプロピレンは、プロピレンと、プロピレン以外のα−オレフィン(例えばエチレン)等と、のランダム共重合体である。ランダムポリプロピレンは、構成モノマー中のプロピレン含有量が、50質量%以上、75質量%以上、90質量%以上、95質量%以上又は99質量%以上等のものを使用することができる。ランダムポリプロピレンは、発泡体の製造に使用される公知のランダムポリプロピレンを使用することができる。
なお、本願において、エラストマーに分類されるポリオレフィン樹脂は、後述する熱可塑性エラストマー樹脂に含まれ、共重合体として扱うものとする。
本発明にかかるポリオレフィン樹脂の数平均分子量は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されない。ポリオレフィン樹脂の数平均分子量は、例えば、10,000以上3,000,000以下とすることができる。ポリオレフィン樹脂の数平均分子量は、ゲルパーエミッションクロマトグラフィー法によって測定することができる。
本発明にかかるポリオレフィン樹脂のメルトマスフローレート(以下、MFRと略す場合がある)は、主にポリプロピレンの場合には、ガス抜けがなく、発泡が容易なことから、230℃、2.16kgfにおいて0.1〜5g/10minが好ましく、0.3〜2g/10minがさらに好ましい。メルトフローレートは、JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」によって測定することができる。
<<共重合体>>
本発明にかかる共重合体は、複数種類の重合性モノマーが共重合したものである限りにおいて、特に限定されない。共重合体としては、熱可塑性エラストマーが好ましく、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレンとメタクリル酸との共重合体(EMAA)等のエチレン系熱可塑性エラストマー;エチレン・プロピレン・ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)等のエチレン−プロピレン系熱可塑性エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、これらを水添したポリスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー;ポリアミド共重合体;熱可塑性ポリウレタン(TPU)共重合体;アクリル共重合体が挙げられる。これらは、単独又は、複数を組み合せて用いることができる。これらのうちポリオレフィン樹脂との相溶性の観点から、EPM、EPDM、SEBS等が好ましい。ポリオレフィンと相溶性の高い共重合体を用いることで、外観が良く、柔軟性を有しつつ、より高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができる。
共重合体の数平均分子量は、本願発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されないが、押出成形により高発泡倍率の発泡体を得る観点から、樹脂組成物の粘度が高い方が好ましいため、25万以上であることが好ましく、30万以上であることがより好ましい。一方、重量平均分子量の上限値については特に規定するものではないが、概ね100万以下とすることができる。なお、ここでの数平均分子量は、ゲルパーエミッションクロマトグラフィー法によって測定することができる。
<<高分子(A)>>
本発明にかかる高分子(A)は、下式1の構造を有する限りにおいて、特に限定されない。高分子(A)は、1種類又は複数種類を組み合せて用いることができる。
(式1)
−Si−O−R
式1中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基、Rは、アルキル基、又は、下式2の構造を有する基である。
(式2)
−Si−R
式2中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基である。
は、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基であり、特に限定されない。Rとしては、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又はポリプロピレンが、ケイ素に付加した構造とすることができる。また、Rは、これらを、1種類、又は、複数種類含むことができる。これらのうち、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が、外観が良く、柔軟性を有しつつ、より高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができるため、好ましい。
は、アルキル基、又は、式2の構造を有する基である。アルキル基としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されず、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等とすることができる。
は、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基であり、特に限定されない。Rとしては、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又はポリプロピレンとすることができる。Rは、これらを、1種類、又は、複数種類含むことができる。なお、RとRとは、同一の構造でもよく、異なる構造でもよい。これらのうち、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が、外観が良く、柔軟性を有しつつ、より高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができるため、好ましい。
高分子(A)は、Rがアルキル基であるもの同士を樹脂組成物中で反応させ、シラン架橋させて調製してもよいし、Rが式2の構造を有するものを添加してもよい。従って、本発明の発泡樹脂シートのゲル分は、高分子(A)がシラン架橋したものであると推測される。本発明にかかるポリオレフィン樹脂及び共重合体は、架橋反応に寄与しないものと推測される。この様な架橋構造とすることで、発泡が阻害されず、外観が良く、柔軟性を有しつつ、より高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができる。
高分子(A)のメルトマスフローレイトは、特に限定されないが、例えば、190℃、2.16kgfの測定条件下で、0.1〜3.0g/10min.とすることができ、0.3〜1.5g/10min.が好ましい。高分子(A)のメルトマスフローレイトが、かかる範囲にある場合には、剥離強度に優れた樹脂発泡シートを得ることができる。
本分子(A)のメルトマスフローレイトは、JIS K7210−1:2014『プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方−第1部:標準的試験方法』に準拠して測定することができる。
高分子(A)は、市販品を用いることができる。
<<その他添加物>>
本発明にかかる樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、その他の添加物を含むことができる。その他の添加物としては、公知のものを用いることができ、その他の添加物としては、例えば、難燃剤、充填剤、触媒、結晶核剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、発泡核剤、分散剤、抗菌剤、導電剤、界面活性剤等の他の添加剤を挙げることができる。
<難燃剤>
本発明にかかる難燃剤としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、公知のものを用いることができる。難燃剤としては、例えば、デガブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジフェニルエーテルなどのハロゲン化ジフェニルエーテル;
ハロゲン化ポリカーボネートなどのハロゲン化合物;
三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウムなどの無機化合物;
トリアジン環含有化合物;金属水酸化物;リン酸エステル系難燃剤;縮合リン酸エステル系難燃剤;ホスフェート系難燃剤;無機リン系難燃剤;ジアルキルホスフィン酸塩;シリコーン系難燃剤;金属酸化物;ホウ酸化合物;膨張性黒鉛等を挙げることができる。これらの難燃剤は、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
<充填剤>
本発明にかかる充填剤としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、公知のものを用いることができる。充填剤としては、例えば、黒鉛、アルミナ、メラミン等を挙げることができる。これらの充填剤は、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
<触媒>
本発明にかかる触媒としては、公知のものを用いることができるが、シラン架橋触媒を好適に用いることができる。シラン架橋触媒は、高分子(A)のRがアルキル基であるもの同士を樹脂組成物中で反応させ、シラン架橋させる場合に用いることができる。シラン架橋を促進する触媒は、有機金属化合物系の架橋触媒を用いることができ、例えば、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、カプリル酸亜鉛、チタン酸テトラブチルエステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
シラン架橋触媒は、市販のものを用いてもよい。市販のシラン架橋触媒としては、例えば三菱化学社の「LZ033」、「LZ013」、「LZ015H」等が挙げられ、これらの中で、高発泡成形が可能であるため、「LZ033」が好ましい。なお、市販のシラン架橋触媒としては、樹脂成分と共に成型されるペレットとして提供されるものを用いてもよい。
シラン架橋触媒の配合量としては、Rがアルキル基である高分子(A)の配合量100質量部に対して、0.01質量部以上とすることができ、0.1質量部がより好ましい。一方、シラン架橋触媒の配合量の上限としては、同様に、20質量部以下とすることができ、10質量部以下が好ましい。シラン架橋触媒の配合量が、かかる範囲にある場合には、シラン架橋性ポリオレフィンの架橋を十分促進し、局所的な架橋が発生しないため、押出成型性の低下、外観の悪化等が起こらない。
<結晶核剤>
本発明にかかる結晶核剤としては、特に限定されないが、例えば、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ヒドロキシ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム、リン酸ビス(4−tブチル−フェニル)ナトリウム、メチレンビス(2,4−ジtブチル−フェニル)ホスフェートナトリウム塩、ロジン酸カリウム、ロジン酸マグネシウム、N,N’ −ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、N,N’,N” −トリス(2−メチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−1,2,3−トリイルカルボキサミド等が挙げられる。これらは単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。これらの結晶核剤として市販されているものを用いてもよく、市販品としては、新日本理化株式会社のゲルオールや株式会社ADEKAのアデカスタブNA11等を挙げることができる。
このような結晶核剤を用いることにより、ポリオレフィンマトリックスの結晶化温度を高温側にシフトさせ、より細かな気泡の発泡体を得ることができる。
結晶核剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物全体に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.2質量%以下であることがより好ましい。結晶核剤の配合量がかかる範囲にある場合には、より細やかな気泡の発泡体を得ることができるため、高発泡性を達成できる。
<顔料>
本発明にかかる顔料としては、樹脂組成物の発泡倍率を低下させない限りにおいて、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、イソインドリンイエロー、モノアゾレッド、ガンマキナクリドン、銅フタロシアニンブルー等を挙げることができる。
<酸化防止剤>
本発明にかかる酸化防止剤としては、樹脂組成物の発泡倍率を低下させない限りにおいて、特に限定されず、公知のものを使用することができる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等を挙げることができる。
また、酸化防止剤は市販されているものを用いることができ、市販品としては、例えば、フェノール系酸化防止剤として株式会社ADEKA社製アデカスタブAO−60やBASFジャパン株式会社製イルガノックス1010等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
酸化防止剤の配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂の配合量を100質量部とした場合の、酸化防止剤の一般的な配合量としては、0.1〜0.2質量部である。
<発泡核剤>
本発明にかかる発泡核剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。発泡核剤としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、チタニア、酸化亜鉛、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等の酸化物、複合酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属水酸化物等を挙げることができ、これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
本発明にかかる発泡核剤の配合量としては、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂の配合量を100質量部とした場合の、発泡核剤の一般的な配合量は1〜10質量部である。
<分散剤>
本発明にかかる分散剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。分散剤としては、例えば、酸無水物基を有する高分子化合物、酸無水物基を有する低分子化合物、シランカップリング剤をあげることができ、酸無水物基としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水クエン酸等;高分子化合物とポリエチレン、ポリプロピレン等;低分子化合物としては、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、ヘキサデシルグルタル酸無水物及びオクタデシルグルタル酸無水物等;シランカップリング剤としては、イソシアネートシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン、ビニルシラン及びメタクリルシラン等;を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
<抗菌剤>
本発明にかかる抗菌材としては、特に限定されないが、無機化合物系抗菌剤、有機化合物系抗菌剤を用いることができる。無機化合物系抗菌剤としては、例えば、銀や銅などの金属をゼオライトやリン酸ジルコニウム等の無機化合物に担持させたもの、酸化亜鉛や酸化チタンなどの金属酸化物等を挙げることができる。また、有機化合物系抗菌剤としてはは、イミダゾール系抗菌剤、チアゾリン系抗菌剤およびアニオン性高分子と第4級アンモニウム塩との塩等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
<界面活性剤>
本発明にかかる界面活性剤は、特に限定されず、その用途に合わせて選択することができ、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。これらのうち、ノニオン性界面活性剤が、他の配合物の作用に影響を与えにくいため、好適に用いられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミンまたはその不飽和誘導体;ポリオキシエチレンアルキルアルキレンジアミンまたはその不飽和誘導体を挙げることができ、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。ポリオキシエチレンアルキルアミンまたはその不飽和誘導体は、必要なHLBを得るために、5〜15個のオキシエチレン単位からなるポリオキシエチレン(POE)鎖と、アルキル基および/または相当する不飽和炭化水素基とを分子中に有する界面活性剤であり、POEドデシルアミン、POEミリスチルアミン、POEパルミチルアミン、POEステアリルアミン、POEオレイルアミン、ヤシ油、牛脂のような天然油脂に由来する炭化水素基を有する混合POE炭化水素アミン等を例示することができる。また、ポリオキシエチレンアルキルアルキレンジアミンまたはその不飽和誘導体としては、POEステアリルプロピレンジアミン、POE牛脂炭化水素プロピレンジアミン等を挙げることができる。
本発明にかかる界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂の配合量を100質量部とした場合に、0.1〜10質量部とすることができる。
本発明にかかる導電剤は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。導電剤としては、例えば、導電性カーボンブラック、銅粉、ニッケル粉、酸化スズ、グラフェン、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。
<<<<樹脂発泡シートの製造方法>>>>
本発明の樹脂発泡樹脂シートの製造方法の好適例について以下に説明する。即ち、以下の記載は、本発明において樹脂発泡シートの製造方法を限定するものではない。樹脂組成物混合工程(単に混合工程とも表現する)と、発泡工程と、を含み、樹脂組成物又は樹脂発泡シートを、水、温水、水蒸気に接触させる工程を含まない。樹脂組成物又は樹脂発泡シートを、水、温水、水蒸気に接触させる工程を含む場合には、専用の製造設備が必要となり、工程が煩雑になる。
また、本発明の発泡樹脂シートの製造方法としては、他の工程を含むことができる。
ここで、本発明において水蒸気とは、水蒸気及び過熱水蒸気を含み、飽和水蒸気、即ち、空気中に含まれる水蒸気を含まない。従って、例えば、常温常圧の環境下において、本発明の樹脂組成物を静置した場合においても、水、温水、水蒸気に接触させたとはしないものとする。
また、本発明において、「水、温水、水蒸気等に接触させた」とは、本発明にかかる樹脂組成物及び樹脂発泡シートを、水、温水、水蒸気等に直接接触させることを意味し、接触方法としては、特に限定されず、例えば、容器内の水または温水に、樹脂組成物及び樹脂発泡シートを浸漬する場合、樹脂組成物及び樹脂発泡シートに対し、水、温水、水蒸気を噴霧する場合、水蒸気雰囲気下に樹脂組成物及び樹脂発泡シートを配置し、水、温水、水蒸気等に曝露する場合等を挙げることができる。一方で、水、温水、水蒸気等が不可避的に樹脂組成物及び樹脂発泡シートに接触する場合(例えば、結露による水が付着してしまう場合や反応生成物として水が発生してしまう場合等)については、「水、温水、水蒸気等に接触させた」ものとは見なさない。
<<<樹脂組成物混合工程>>>
樹脂組成物混合工程は、上述した各原料であるポリオレフィン樹脂と、共重合体と、下式1の構造を複数含む高分子(A)と、をドライブレンドにて混合し、樹脂組成物を得る工程である。
(式1)
−Si−O−R
式1中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基、Rは、アルキル基、又は、下式2の構造を有する基である。
(式2)
−Si−R
式2中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基である。
より詳細には、樹脂組成物の各成分を単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の樹脂混合機械に投入し、溶融混合によって樹脂組成物を得る。樹脂組成物はペレット化したものを用いることが好適である。その他の成分についても、本工程で混合することができる。ここでドライブレンドとは、実質的に水を含まない混合方法である。
<<共重合体の配合量>>
本発明にかかる共重合体の配合量としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂の配合量を100質量部とした場合に、1〜50質量部とすることができ、10〜40質量部が好ましい。共重合体の配合量が、かかる範囲にある場合には、外観が良く、柔軟性を有しつつ、より高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができる。
<<高分子(A)の配合量>>
本発明にかかる高分子(A)の配合量としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂の配合量を100質量部とした場合に、10〜50質量部とすることができ、20〜50質量部が好ましく、20〜45質量部がより好ましい。高分子(A)の配合量が、かかる範囲にある場合には、外観が良く、柔軟性を有しつつ、より高い、弾性率、伸長性、剥離強度等の機械特性を有する樹脂発泡シートを得ることができる。
<<<発泡工程>>>
本発明にかかる発泡成形工程は、前述した樹脂組成物混合工程で得られた樹脂組成物を、押出機を用いて溶融可塑化した後に、発泡剤として超臨界状態の不活性ガスを含浸させた後、この不活性ガスが含浸されたオレフィン系樹脂組成物を減圧しながら押出成形することで、樹脂発泡シートを得る工程である。
<<発泡方法>>
一般に、樹脂組成物の発泡方法としては、化学発泡剤を使用する方法、超臨界発泡等があるが、より細かいセルを形成する(セル径を小さくする)ために、本形態では、超臨界発泡を用いて発泡を行うことが好ましい。以下、発泡工程についてより詳細に説明する。
<<発泡剤>>
本工程では、まず、溶融した樹脂組成物に対して発泡剤として、超臨界状態の不活性ガスを含浸する。より詳細には、本工程では、発泡剤として標準状態(JIS Z8703で規定される標準状態)で気体である物質を用い、この物質の超臨界状態が維持される条件下にて、溶融した樹脂組成物に前記物質を超臨界状態で含浸させる。
標準状態で気体である物質としては、標準状態で気体であれば、特に限定されないが、好適には、不活性ガスを用いる。ここで用いる不活性ガスとしては、二酸化炭素、窒素等のガスを用いることができるが、これらのうち二酸化炭素を用いることが好ましい。発泡剤として二酸化炭素の方が好ましいのは、窒素が樹脂組成物に比較的少量しか含浸できないのに対し、二酸化炭素は樹脂組成物に多量に含浸することができるからである。発泡剤である不活性ガスを樹脂組成物に多量に含浸させることができれば、樹脂組成物の発泡倍率を高めることができるため、高発泡倍率の樹脂発泡シートを得ることができるためである。また、二酸化炭素の方が窒素よりも分子の大きさが大きいため、樹脂組成物から抜け難いという理由もある。
<<発泡剤の含浸方法>>
発泡剤の含浸方法としては、例えば、樹脂組成物が溶融可塑化された後、溶融ゾーン付近に設けられたインジェクションノズルよりガス供給機により昇圧され超臨界状態になった不活性ガス等の発泡剤を押出機内に吐出し、溶融された樹脂組成物中に溶解させる。このような超臨界状態では、溶融樹脂への溶解度がより増大し、高濃度での発泡剤の混入が可能となる。この結果、急激な圧力降下時には、発泡剤が高濃度であるために気泡核の発生が多くなる。さらには、分子レベルで溶け込んだ物質(発泡剤)が気化するため、できる気泡が微細となる。その結果、その気泡核が成長してできる気泡の密度が、気孔率が同じであっても他の状態の場合より大きくなる。このように、超臨界状態の不活性ガス等の発泡剤を押出機中に導入して、溶融した樹脂組成物に溶解させることで発泡剤が樹脂組成物に溶解した状態とする。
<<超臨界の条件>>
ここで、超臨界状態の不活性ガスを発泡剤として用いることにより、発泡体の平均セル径を微細化できるが、平均セル径を微細化するための超臨界の条件としては、以下の通りである。不活性ガスが二酸化炭素の場合には、圧力を7.3MPa以上かつ温度を31℃以上としなければならない。圧力に関しては8MPa以上とすることがより好ましく、9MPa以上とすることがさらに好ましい。二酸化炭素の圧力上限は特に限定されないが、例えば、20MPa以下とすることが現実的である。二酸化炭素の温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物が熱分解しない程度の温度を設定することができ、例えば、300℃である。また、不活性ガスが窒素の場合には、圧力を3.4MPa以上かつ温度を−147℃以上とすることで超臨界状態が担保される。
<<減圧及び押出し成形>>
次に、前記発泡剤を含浸させた樹脂組成物を減圧して樹脂発泡シートを得る。言い換えると、標準状態で気体である物質を含浸した樹脂組成物を、当該物質の超臨界状態が維持されない条件下に配することにより、樹脂組成物を発泡させる。例えば、押出機の中で溶融した樹脂組成物に対して超臨界状態の不活性ガスを導入し、所定の超臨界条件で(例えば、不活性ガスが二酸化炭素の場合、温度31℃以上、かつ圧力7.3MPa以上の状態として)、ダイ口から吐出して大気圧まで急激に減圧し、冷却することにより小さくきめの細かいセルを有する樹脂発泡シートを得ることができる。なお、例えば、不活性ガスが二酸化炭素の場合、温度を31℃以上、かつ圧力を7.3MPa以上とすることにより、二酸化炭素が超臨界状態を保つことができるため、樹脂組成物と超臨界二酸化炭素とが均一に混合される。
また、樹脂組成物と超臨界状態の不活性ガスとの混合において、大気解放されて上記の圧力以下とならないように2台以上を連結した押出機(タンデム型押出機)を使用し、混合押出処理する工程ライン長をより長くして、混合物の温度を低下させる等して温度調整を行うことが好適である。発泡直前の樹脂組成物は、当該組成物の流動点付近の温度を有することが好適である。温度を低く保つことにより、発泡前後での圧力差が大きくなり、気泡成長核が多数発生して、きめの細かいセルを有する樹脂発泡体シートを得ることができる。また、発泡後、樹脂組成物をより速やかに冷却し、固化させることができる。そのため、気泡の成長を早期に止めることができ、平均セル径が小さい樹脂発泡シートを得やすくなる。
押出機におけるダイ構造は、特に限定されず、Tダイ、サーキュラーダイが挙げられる。これらの中でも、厚みが均一な樹脂発泡シートが得られるため、サーキュラーダイが好適である。サーキュラーダイを用いた場合には円筒状の発泡体が得られるが、一辺を切開することでシート状に成形できる。このようにして、押出成形の際に、Tダイを選択することにより直接的、又は、サーキュラーダイを選択することにより円筒状の発泡体を経て、長尺シート状発泡体を連続成形することができる。
以上のように、樹脂組成物に、標準状態で気体である物質(例えば不活性ガス)を高圧下で溶解させることで、分子レベルで均一に気泡核を分散させた後、常圧下で圧力が解放されると、内部から発泡し微細な気泡が形成される。すなわち、樹脂組成物の圧力下における溶解度差を利用することで微細な気泡が形成される。なお、発泡させる際、圧力を解放しさえすればよく、単に押出成形機から樹脂組成物を押し出すだけで当該樹脂組成物に印加される圧力が大気圧程度まで低下するため、減圧装置が不要となる。
上述した様に成形後の樹脂発泡シートに対し、割り加工を行い、表皮層を除去したり、厚みを調整したりすることができる。割り加工後の樹脂発泡シートの厚みは、特に限定されないが、0.5mm以上とすることが可能である。
また、成形後の樹脂発泡シートに対し、熱ロールを用いて、圧延することもできる。この際、熱ロールの温度は、特に限定されないが、例えば、110〜160℃に加熱して行うことができる。熱ロール後の樹脂発泡シートの厚みは、0.05mm以上とすることができる。
<<<<樹脂発泡シートの用途>>>>
本発明の樹脂発泡シートの用途としては、特に限定されないが、例えば、液晶パネルやOLEDパネル等の電子機器や電子機器内に設置される電子機器部品の衝撃吸収材として、また、車両用燃料計や飲料水タンクのゲージ、その他流体を使用する精密機器等の流路を開閉するフロートバルブ等のシール材(ガスケット等)として用いることができる。また発泡体としての断熱性やクッション性を活かしたシートとして、特に、保冷のため、又は、保温剤に用いる樹脂発泡シートの用途に用いることができる。また、積層することで、高密度化し、高い剥離強度を必要とする両面テープの基材(心材)として用いることができる。
<樹脂発泡シートの作製>
各実施例及び比較例の樹脂組成物を表の配合量で作製した。各樹脂組成物を日本製鋼所製2軸押出機で溶融・調製し、超臨界二酸化炭素を温度31℃以上、圧力7.3MPa以上の条件で含浸させた後、溶融材料を押出して、樹脂発泡シートを作製した。作製した樹脂発泡シートは、厚さ2mmであり、表皮層を有するものであった。その後、割り加工により表皮層を取り除き、厚さ1mmの樹脂発泡シートとし、また熱ロールで圧延して1mm以下に成形加工したものを各実施例及び比較例の樹脂発泡シートとした。実施例6の樹脂発泡シートは、実施例3の樹脂発泡シートを、130℃の熱ロールで圧延して作製した。
下記に各原料を示す。
(原料)
・ポリオレフィン樹脂
ホモポリプロピレン(H−PP)MFR0.5g/10min.(230℃、2.16kg)
ランダムポリプロピレン(R−PP)MFR0.5g/10min.(230℃、2.16kg)
・共重合体
EPM樹脂:組成比 エチレン/ジエン=64/5.4、油展量 40phr、ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)51
SEBS樹脂1:組成比 スチレン/エチレン・ブチレン比=18/82、MFR4.5g/10min.(230℃、2.16kg)
SEBS樹脂2:組成比 スチレン/エチレン・ブチレン比=42/58、MFR0.8g/10min.(230℃、2.16kg)
・高分子(A)
低密度PE系高分子1
MFR1.7g/10min.(190℃、2.16kg)
密度0.87g/cm
低密度PE系高分子2
MFR0.9g/10min.(190℃、2.16kg)
密度0.92g/cm
なお、低密度PE系高分子1および低密度PE系高分子2は、R−Si−O−Si−Rとする架橋構造を有する、網目状の高分子である。
・触媒
金属触媒:三菱化成社製リンクロン LZ033
<評価方法>
(ゲル分率)
各実施例及び比較例の樹脂発泡シートのゲル分率は、JIS K6796:1998「架橋ポリエチレン製(PE−X)管及び継手−ゲル含量の測定による架橋度の推定」に記載のゲル含量の測定方法に準拠して測定した。結果を表に示した。
(密度の測定)
各実施例及び比較例の樹脂発泡シートの密度は、JIS K7112:1999「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」の水中置換法に準じて測定した。結果を表に示した。
(引張弾性率)
各実施例及び比較例の樹脂発泡シートの引張弾性率は、JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン試験方法」に準じて測定した。結果を表に示した。
(引張伸び)
各実施例及び比較例の樹脂発泡シートの引張伸びは、JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン試験方法」に準じて測定した。また、引張伸び評価は、下記判定基準に従って行った。結果を表に示した。
判定基準
◎:引張伸びが150%以上
〇:引張伸びが100%以上150%未満
△:引張伸びが100%未満
(圧縮硬度、柔軟性評価)
各実施例及び比較例の樹脂発泡シートの圧縮硬度は、JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン試験方法」に準じて測定した。結果を表に示した。柔軟性評価は、例えば、下記判定基準に従って行うことができる。
判定基準
〇:圧縮硬度が、0.1MPa未満
△:圧縮硬度が、0.1MPa以上
(圧縮永久歪)
各実施例及び比較例の樹脂発泡シートの引張伸びは、JIS K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン試験方法」に準じて測定した。結果を表に示した。表中「−」は、発泡不良によって測定ができなかったものを示す。
(剥離強度、剥離性評価)
各実施例と比較例の樹脂発泡シートを、150mm長さ×10mm幅に成形し、その一方の表面に250mm長さ×20mm幅に成形した25μm厚のPETフィルムを、樹脂発泡シートがはみ出ない様に貼り合わせ、評価試料とした。各樹脂発泡シートの厚みは、0.1〜2mm程度である。貼り合わせの際、樹脂発泡シートの長手方向の端部と、PETフィルムの長手方向の端部が10mm以上離れるように貼り合わせた。さらに、300mm長さ×50mm幅×5mm厚のSUS304BA仕上板に、評価試料の樹脂発泡シートの全面がSUS板と接するように貼り付けた。貼り合わせ作業は、23℃×50%RHの環境下で行い、貼り合わせは、2kgのローラーを1往復して行った。続いて、評価試料を23℃×50%RHの環境下に30分間静置し、養生した。
測定は、評価試料を上面として、PETフィルムを、測定装置に固定した。ロードセルを備え付けたチャッキング治具を用いて、評価試料のPETフィルムの長手方向の一方の端部をチャッキングし、チャッキング治具を180度剥離方向に略水平に移動させて、剥離試験を行った。この際、ロードセルによる応力の平均値を剥離強度として測定した。試験は、23℃×50%RHの環境下で、チャッキング治具の移動速度を、1000mm/minとして行った。
なお、本願において、評価試料と、被着体(PETフィルム又はSUS304BA仕上板)との界面で剥離せず、評価試料が厚み方向に分裂した場合(凝集破壊の場合)について得られた応力の平均値を、剥離強度とする。また、剥離性評価は、下記判定基準に従って行った。結果を表に示した。
判定基準
◎:剥離強度が5N/cm以上
〇:剥離強度が3N/cm以上5N/cm未満
△:剥離強度が1.5N/cm以上3N/cm未満
×:剥離強度が1.5N/cm未満
(成形性評価)
各実施例及び比較例の樹脂発泡シートの成形性の評価は、目視で観察し、下記の判定基準に従って行った。結果を表に示した。
判定基準
〇:発泡成形に支障なし
△:破泡、収縮気味だか成形可
×:破泡、収縮により発泡に支障あり
(外観性評価)
各実施例及び比較例の樹脂発泡シートの外観性の評価は、目視で観察し、下記の判定基準に従って行った。結果を表に示した。
判定基準
〇:コルゲート模様が存在しない
△:コルゲート模様が少し(使用時に無視できる程度)存在する
×:コルゲート模様が多く(使用に差し障る程度)存在する
(総合評価)
各実施例及び比較例の総合評価を下記評価基準に基づいて評価した。結果を表に示した。
判定基準
○:伸び、外観、剥離強度等に非常に優れる
△:剥離強度等に優れるが、外観が比較的劣る
×:剥離強度、伸び、外観等に劣る
(評価結果)
以上の結果から本発明の効果が理解できる。
1 剥離強度測定装置
10 評価試料(発泡体シート)
11 SUS304BA仕上板
12 PETフィルム(厚み25μm)

Claims (6)

  1. ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、下式1の構造を含む高分子(A)と、を含む樹脂組成物を、発泡させてなる樹脂発泡シートであって、
    前記樹脂発泡シートは、JIS K6796:1998に準拠して測定したゲル分率が10〜45質量%であることを特徴とする、樹脂発泡シート。
    (式1)
    −Si−O−R
    式1中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基、Rは、アルキル基、又は、下式2の構造を有する基である。
    (式2)
    −Si−R
    式2中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基である。
  2. 前記樹脂発泡シートは、JIS K7112:1999に準じて測定した密度が、45〜650kg/mであることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂発泡シート。
  3. 前記樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂の配合量を100質量部とした場合に、前記高分子(A)の配合量が20〜50質量部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂発泡シート。
  4. 前記Rの繰返し構造が、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又はポリプロピレンのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂発泡シート。
  5. 前記Rの繰返し構造が、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又はポリプロピレンのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂発泡シート。
  6. 樹脂発泡シートの製造方法であって、
    前記樹脂発泡シートの製造方法は、
    ポリオレフィン樹脂と、共重合体と、下式1の構造を複数含む高分子(A)と、をドライブレンドして樹脂組成物を形成する混合工程と、
    前記樹脂組成物を超臨界発泡させ樹脂発泡シートを得る発泡工程と、を含み、
    前記樹脂組成物又は前記樹脂発泡シートを、水、温水、水蒸気に接触させる工程を含まないことを特徴とする、樹脂発泡シートの製造方法。
    (式1)
    −Si−O−R
    式1中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基、Rは、アルキル基、又は、下式2の構造を有する基である。
    (式2)
    −Si−R
    式2中のRは、繰返し構造を含む炭化水素骨格を有する基である。
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