JP2021036634A - 伝搬遅延時間推定装置及びプログラム、並びに、エコーキャンセラ、エコーキャンセルプログラム及びエコーキャンセル方法 - Google Patents

伝搬遅延時間推定装置及びプログラム、並びに、エコーキャンセラ、エコーキャンセルプログラム及びエコーキャンセル方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ネットワーク上の送受話装置以外の装置でエコーキャンセルして送受話装置の小型化や省電力化を実現する。【解決手段】本発明は、2線4線変換回路を備える対向装置との間の伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定装置において、ネットワークにおける往復伝搬遅延時間を計測する第1の遅延時間計測手段と、対向装置に、特徴を有する音声特徴信号を送信し、処理後の対向装置からの受信信号と、音声特徴信号との相関関係により検出したエコー成分の遅延時間を計測する第2の遅延時間計測手段と、往復伝搬遅延時間と遅延時間とに基づいて、装置内遅延時間を推定する装置内遅延時間推定手段と、装置内遅延時間と推定時の往復伝搬遅延時間とに基づいて伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定手段とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、伝搬遅延時間推定装置及びプログラム、並びに、エコーキャンセラ、エコーキャンセルプログラム及びエコーキャンセル方法に関し、例えば、ネットワークに接続している送受話端末以外の他の装置上でエコーキャンセルするエコーキャンセラ及び伝搬遅延時間推定装置に適用し得る。
例えば、従来の音声通信系において、ハイブリッド回路を搭載する送受話装置には、ハイブリッドエコーを除去するためのエコーキャンセラが設けられている。
近年、電話端末と接続している送受話装置については小型化や省電力化などが要求されており、これまで送受話装置が搭載しているエコーキャンセルを行なうリソースを省いて、ネットワーク上のリモート装置が、通話相手に向けて送信される信号からエコー成分を除去することが求められている。
特許文献1には、ネットワーク上のリモート装置がエコーキャンセル処理を行なうことが開示されている。具体的には、送受話装置が、同時刻の送話信号と受話信号とをネットワーク上のリモート装置に送信する。リモート装置は、同時刻の送話信号と受話信号とからエコーパス情報を求めて、受話信号によるエコーレプリカを生成し、送話信号からエコーレプリカを消去してエコーキャンセルを行なう。その後、送受話装置の代わりに、リモート装置がエコーキャンセル後の音声信号を対話者の端末に送信する。
通常、送受話装置が行なうエコーキャンセル処理を、ネットワーク上のリモート装置で実施できるので、送受話装置の負担を軽減できる。
特開2014−036291号公報
従来、エコーキャンセラを搭載した送受話装置は、ハイブリッド回路のエコー反射点と、音声信号をパケット化する箇所との伝搬遅延時間が非常に小さかったが、ネットワーク上にエコーキャンセラを設けることになると、エコーキャンセラとエコー反射点との間の距離が長くなる。また、エコーキャンセラとエコー反射点との間にIP網が介在する場合、IP網における信号の揺らぎや遅延が生じ得るので、エコーキャンセラとエコー反射点との間の伝搬遅延時間を推定することが難しくなり、エコー除去が難しくなる。
上述した特許文献1の記載技術は、送受話装置が、同時刻の送話信号と受話信号との双方をリモート装置に送信しなければならず、一般の音声通信系の送受話装置にはない工程が必要となり、一般の音声通信系における汎用的な送受話装置には使用できない。
そのため、ネットワークに接続している送受話装置以外の他の装置がエコーキャンセルを実施し、送受話装置の小型化や省電力化を実現できる伝搬遅延時間推定装置及びプログラム、並びに、エコーキャンセラ、エコーキャンセルプログラム及びエコーキャンセル方法が求められている。
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、ネットワークを介して、2線4線変換回路を備える対向装置との間の伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定装置において、(1)ネットワークを介して対向装置に確認信号を送信し、対向装置から応答信号を受信するまでの上記ネットワークにおける往復伝搬遅延時間を計測する第1の遅延時間計測手段と、(2)ネットワークを介して対向装置に、特徴を有する音声特徴信号を送信し、対向装置内での処理後に、対向装置から受信した受信信号と、音声特徴信号との相関関係により検出したエコー成分の遅延時間を計測する第2の遅延時間計測手段と、(3)第1の遅延時間計測手段による往復伝搬遅延時間と、第2の遅延時間計測手段による遅延時間とに基づいて、対向装置内の装置内遅延時間を推定する装置内遅延時間推定手段と、(4)装置内遅延時間と、推定時に、第1の遅延時間計測手段により計測された往復伝搬遅延時間とに基づいて、その時点における対向装置との間の伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明は、ネットワークを介して、2線4線変換回路を備える対向装置との間の伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定プログラムにおいて、コンピュータを、(1)ネットワークを介して対向装置に確認信号を送信し、対向装置から応答信号を受信するまでのネットワークにおける往復伝搬遅延時間を計測する第1の遅延時間計測手段と、(2)ネットワークを介して対向装置に、特徴を有する音声特徴信号を送信し、対向装置内での処理後に、対向装置から受信した受信信号と、音声特徴信号との相関関係により検出したエコー成分の遅延時間を計測する第2の遅延時間計測手段と、(3)第1の遅延時間計測手段による往復伝搬遅延時間と、第2の遅延時間計測手段による遅延時間とに基づいて、対向装置内の装置内遅延時間を推定する装置内遅延時間推定手段と、(4)装置内遅延時間と、推定時に、第1の遅延時間計測手段により計測された往復伝搬遅延時間とに基づいて、その時点における対向装置との間の伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定手段として機能させることを特徴とする。
第3の本発明は、2線4線変換回路を備える第1の送受話装置が接続するネットワーク上に配置されたエコーキャンセラにおいて、(1)ネットワークを介して、第1の送受話装置との間の往復伝搬遅延時間を推定する、第1の本発明に係る伝搬遅延時間推定装置である伝搬遅延時間推定手段と、(2)第1の送受話装置と対向する第2の送受話装置から受信した音声信号に、伝搬遅延時間を付与する遅延付与手段と、(3)第2の送受話装置からの音声信号をネットワークを介して第1の送受話装置に送信され、第1の送受話装置内での処理後、第1の送受話装置からネットワークを介して受信した受信音声信号と、伝搬遅延時間の付与後の音声信号とに基づいて、エコーレプリカを生成するエコーレプリカ生成手段と、(4)第1の送受話装置から受信した受信信号からエコーレプリカを減算してエコー成分を除去するエコー成分除去手段とを備えることを特徴とする。
第4の本発明は、2線4線変換回路を備える第1の送受話装置が接続するネットワーク上に配置されたエコーキャンセルプログラムにおいて、コンピュータを、(1)ネットワークを介して、第1の送受話装置との間の往復伝搬遅延時間を推定する、第1の本発明の伝搬遅延時間推定装置である伝搬遅延時間推定手段と、(2)第1の送受話装置と対向する第2の送受話装置から受信した音声信号に、伝搬遅延時間を付与する遅延付与手段と、(3)第2の送受話装置からの音声信号をネットワークを介して第1の送受話装置に送信され、第1の送受話装置内での処理後、第1の送受話装置からネットワークを介して受信した受信音声信号と、伝搬遅延時間の付与後の音声信号とに基づいて、エコーレプリカを生成するエコーレプリカ生成手段と、(4)第1の送受話装置から受信した受信信号からエコーレプリカを減算してエコー成分を除去するエコー成分除去手段として機能させることを特徴とする。
第5の本発明は、2線4線変換回路を備える第1の送受話装置が接続するネットワーク上に配置されたエコーキャンセル方法において、(1)第1の本発明の伝搬遅延時間推定装置である伝搬遅延推定手段が、ネットワークを介して、第1の送受話装置との間の往復伝搬遅延時間を推定し、(2)遅延付与手段が、第1の送受話装置と対向する第2の送受話装置から受信した音声信号に、伝搬遅延時間を付与し、(3)エコーレプリカ生成手段が、第2の送受話装置からの音声信号をネットワークを介して第1の送受話装置に送信され、第1の送受話装置内での処理後、第1の送受話装置からネットワークを介して受信した受信音声信号と、伝搬遅延時間の付与後の音声信号とに基づいて、エコーレプリカを生成し、(4)エコー成分除去手段が、第1の送受話装置から受信した受信信号からエコーレプリカを減算してエコー成分を除去することを特徴とする。
本発明によれば、ネットワークに接続している送受話装置以外の他の装置がエコーキャンセルを実施し、送受話装置の小型化や省電力化を実現できる。
第1の実施形態に係るリモート装置に搭載されるエコーキャンセラの内部構成を示す内部構成図である。 第1の実施形態に係る音声通信系の全体的な構成を示す全体構成図である。 第1の実施形態に係る伝搬遅延時間推定部の内部構成の一例を示す内部構成図である。 第2の実施形態に係る音声通信系の全体的な構成を示す全体構成図である。
(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る伝搬遅延時間推定装置及びプログラム、並びに、エコーキャンセラ、エコーキャンセルプログラム及びエコーキャンセル方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図2は、第1の実施形態に係る音声通信系の全体的な構成を示す全体構成図である。
図2において、音声通信系10は、リモート装置1、送受話装置2、送受話装置3、近端側電話端末4−1、遠端側電話端末4−2、近端側ネットワーク(以下では、「第1の回線網」とも呼ぶ。)7、遠端側ネットワーク(以下では、「第2の回線網」とも呼ぶ。)6を有する。
以下では、送受話装置2のハイブリッド回路21にて回線エコーが発生するものとする。エコーパス(エコー経路)に接続されている送受話装置2を「近端側送受話装置」と呼び、これに対向する送受話装置3を「遠端側送受話装置」と呼んで説明する。
音声通信系10では、近端側送受話装置2が近端側ネットワーク7と接続しており、遠端側送受話装置3が遠端側ネットワーク6と接続している。リモート装置1は、近端側ネットワーク7と遠端側ネットワーク6と接続している。近端側送受話装置2と遠端側送受話装置3との間で通信する音声信号(音声パケット)は、近端側ネットワーク7、リモート装置1、遠端側ネットワーク6を介して授受される。
近端側ネットワーク7は、例えば、固定電話回線網(PSTN)や、既に事業者により敷設されているレガシーのIP網や、これらを組み合わせた網などを適用できる。この実施形態では、IP網である場合を例示する。遠端側ネットワーク6は、例えばインターネットなどに代表されるIP網である。いずれにしても、音声通信系10は、近端側ネットワーク7を、IP網である遠端側ネットワーク6と相互接続することを想定する。
この実施形態では、IP網としての近端側ネットワーク7と、IP網としての遠端側ネットワーク6との間にリモート装置1を介在させて音声通信を行なう場合を想定して説明する。
近端側電話端末4−1は、近端話者が使用するものであり、近端側送受話装置2と接続している。遠端側電話端末4−2は、近端話者の対向話者である遠端話者が使用するものであり、遠端側送受話装置3と接続している。近端側電話端末4−1及び遠端側電話端末4−2は、例えば固定電話機、ソフトフォンなどを適用できる。
遠端側送受話装置3は、遠端側電話端末4−2と遠端側ネットワーク6と接続可能であり、遠端側電話端末4−2との音声通信を行なうものである。遠端側送受話装置3は、1又は複数の遠端側電話端末4−2と接続可能である。なお、遠端側送受話装置3には、従来の送受話装置と同様に、ハイブリッド回路31と、エコキャンセラ32とが搭載されている場合を例示している。
近端側送受話装置2は、近端側電話端末4−1と近端側ネットワーク7とに接続可能であり、近端側電話端末4−1の音声通信を行なう。近端側送受話装置2は、近端側電話端末4−1と接続する加入者線(2線式)と中継線(4線式)との間を変換するハイブリッド回路(2線−4線変換回路)21が設けられている。遠端側からの信号が、ハイブリッド回路21を介して近端側電話端末4−1に到達すると、ハイブリッド回路21のインピーダンス不整合により、当該信号の一部がハイブリッド回路21で反射し、これにより回り込みエコーが発生する。
リモート装置1は、近端側ネットワーク7及び遠端側ネットワーク6に接続可能であり、近端側ネットワーク7と遠端側ネットワーク6との間で授受される信号を相互変換して送受信する。
リモート装置1には、近端側ネットワーク7を介して、近端側から遠端側に向けて送信された信号(以下では、「近端信号」とも呼ぶ。)が入力し、その入力された信号に含まれるエコー信号(エコー成分)を除去するエコーキャンセラ装置11が設けられている。
この実施形態では、近端側送受話装置2にはエコーキャンセラが搭載されていない場合を例示しており、これの代わりに対向者との間にエコーキャンセル処理を行なうため、リモート装置1にエコーキャンセラ装置11を設けている。したがって、近端側送受話装置2のエコーキャンセラを廃することができるため、近端側送受話装置2を、より小型化でき、かつ、省電力化することが可能となる。
エコーキャンセラ装置11には、ハイブリッド回路21と近端側電話端末4−1との間の2線伝送路を介してエコー経路で反射し、さらに2線伝送路を介して戻ってきたエコー信号が近端側ネットワーク7を介して入力する。エコーキャンセラ装置11は、近端側ネットワーク7を介して、入力したエコー信号を、ハイブリッド回路21から送出された近端信号から除去する。エコーキャンセラ装置11は、遠端側から近端側に向けた遠端信号に基づいて、適応フィルタなどを用いてエコーレプリカ(推定エコー信号)生成し、生成したエコーレプリカを用いてエコー信号を除去する。
(A−1−2)エコーキャンセラ
図1は、第1の実施形態に係るリモート装置1に搭載されるエコーキャンセラ装置11の内部構成を示す内部構成図である。
図1において、エコーキャンセラ装置11は、伝搬遅延時間推定部51、順序入替/重複検出部52、減算部53、装置内遅延時間保持部54、エコーレプリカ生成部55、遅延付加部56を有する。
エコーキャンセラ装置11は、例えば情報処理装置に搭載されるものである。エコーキャンセラ装置11は、例えば、専用ボードとして構築されたものであっても良く、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)へのエコー経路遅延測定プログラムの書き込みによって実現されたものであっても良く、CPUと、CPUが実行するソフトウェア(例えば、伝搬遅延推定プログラム、エコーキャンセルプログラムなど)によって実現されたものであっても良いが、機能的には、図1で表すことができる。
[伝搬遅延時間推定部]
伝搬遅延時間推定部51は、近端側送受話装置2と遠端側送受話装置3との間の音声通信開始時に、近端側ネットワーク7を介して、当該近端側送受話装置2とエコーキャンセラ装置11との間の往復伝搬遅延時間を測定し、当該往復伝搬遅延時間を用いて、近端側ネットワーク7を介して、近端側送受話装置2から反射して戻ってくるエコー信号の遅延時間(伝搬遅延時間)を推定する。
図1において、伝搬遅延時間推定部51は、往復伝搬遅延時間計測部511、伝搬遅延時間計測部512、装置内遅延時間推定部513、遅延時間推定部514とを有する。
<往復伝搬遅延時間計測部>
往復伝搬遅延時間計測部511は、近端側ネットワーク7を介した近端側送受話装置2とエコーキャンセラ装置11との間の往復伝搬遅延時間を計測する。例えば、往復伝搬遅延時間計測部511は、pingなどを適用できる。具体的には、往復伝搬遅延時間計測部511は、近端側ネットワーク7を介して、近端側送受話装置2を宛先としてping信号を送信し、近端側送受話装置2のping応答でping信号が戻ってきた往復時間(ラウンドトリップ時間)を計測する。ping機能は、多くの通信機器に搭載されていることが多く、近端側送受話装置2の通信インターフェース部23にもping機能が存在し、ping応答することが期待できる。なお、往復伝搬遅延時間計測部511による計測は、音声通信が実施されている期間に限定されず、常時かつ複数回実施する。
<伝搬遅延時間計測部>
伝搬遅延時間計測部512は、近端側ネットワーク7を介して、エコー成分を検出することが可能な音声特徴信号を近端側送受話装置2に送信し、近端側送受話装置2から戻ってきたエコー信号と、当該音声特徴信号との相関関係によりエコー成分を検出し、音声特徴信号に基づくエコー信号の伝搬遅延時間を計測する。
ここで、音声特徴信号は、例えばパルス波形のようなエコー成分を検出しやすい特徴形状をもつ音声信号とすることができる。音声特徴信号は、特徴形状を有するものであれば、様々な音声信号を用いることができ、計測時に生成したものであっても良いし、事前にサンプル波形として保持しているものでも良い。また、エコーキャンセラ装置11が受信した、遠端側から近端側に向けて送出された音声信号(遠端話者の音声信号)から特徴的な音声信号を抽出したものでもよい。いずれにしても音声特徴信号は、近端側送受話装置2のハイブリッド回路21で反射して、発生したエコーが近端側ネットワーク7を介して戻ってきたときに、エコー成分として検出可能な特徴形状を持つものとすることができる。
また、伝搬遅延時間計測部512は、近端側送受話装置2と遠端側送受話装置3との間の音声通信の開始時又は開始直後に、極短時間のみ音声特徴信号を、近端側送受話装置2に送信する。
<装置内遅延時間推定部>
装置内遅延時間推定部513は、往復伝搬遅延時間計測部511により計測された往復伝搬遅延時間と、伝搬遅延時間計測部512により計測された遅延時間とに基づいて、近端側送受話装置2内の遅延時間を導出する。
この近端側送受話装置2内の遅延時間を「装置内遅延時間」とも呼ぶ。装置内遅延時間Dの導出方法の一例(概念)を以下に説明する。
[装置内遅延時間D]=[遅延時間D]−[往復伝搬遅延時間Trtt]…(1)
式(1)において、往復伝搬遅延時間Trttは、伝搬遅延時間計測部512が音声特徴信号を用いて計測した遅延時間Dと同じタイミング(同時刻)で、往復伝搬遅延時間計測部511が計測した往復伝搬遅延時間である。
伝搬遅延時間計測部512により計測された遅延時間Dは、音声特徴信号が近端側ネットワーク7を介して近端側送受話装置2に到達し、ハイブリッド回路21で反射し、エコー信号が発生し、その後、近端側ネットワーク7を介して戻ってくるまでの遅延時間である。
これに対して、往復伝搬遅延時間計測部511により計測される往復伝搬遅延時間Trttは、同時刻に、近端側送受話装置2とエコーキャンセラ装置11との間の近端側ネットワーク7における往復伝搬遅延時間である。近端側ネットワーク7では揺らぎや遅延が生じ得るので、往復伝搬遅延時間Trttは、変動し得る遅延時間といえる。したがって、往復伝搬遅延時間Trttは遅延時間Dと同時刻に計測する。なお、変動し得る往復伝搬遅延時間Trttについては、過去数回計測した往復伝搬遅延時間の平均をとるなどして得た時間でもよい。
式(1)に従って導出された装置内遅延時間Dは、近端側送受話装置2の装置内処理に係る遅延時間となる。換言すると、近端側送受話装置2に音声特徴信号が到達し、これに由来するエコー信号の近端側送受話装置2内の遅延時間とも言える。
装置内遅延時間推定部513は、導出した装置内遅延時間を、装置内遅延時間保持部54に与えて保持させる。装置内遅延時間Dは変動がないものと捉えることができるので、その後のエコー信号の伝搬遅延時間を推定する際にも、当該近端側送受話装置2の装置内遅延時間を使用することが可能である。
換言すると、装置内遅延時間推定部513は、近端側送受話装置2と遠端側送受話装置3との間の音声通信開始毎に、当該近端側送受話装置2に関する装置内遅延時間を導出しても良いし、装置内遅延時間保持部54に保持されている当該近端側送受話装置2に関する装置内遅延時間を使用するときには、当該装置内遅延時間を導出しないようにしてもよい。
<遅延時間推定部>
遅延時間推定部514は、近端側送受話装置2と遠端側送受話装置3との間の音声通信が開始すると、当該近端側送受話装置2の装置内遅延時間と、往復伝搬遅延時間計測部511により計測された往復伝搬遅延時間とに基づいて、伝搬遅延時間を推定する。この推定した伝搬遅延時間は、遅延付加部56に与えられる。
前記装置内遅延時間については、伝搬遅延時間を推定する時点で、改めて、装置内遅延時間推定部513が導出したものでもよいし、装置内遅延時間保持部54に保持されている当該近端側送受話装置2の装置内遅延時間を使用しても良い。装置内遅延時間保持部54に保持されている装置内遅延時間を用いることで、音声通信毎に実施しなくなるので、処理負荷を軽減できる。
伝搬遅延時間の推定方法の一例(概念)を以下に説明する。
[伝搬遅延時間D]=[装置内遅延時間D]+[往復伝搬遅延時間Trtt]…(2)
式(2)において、往復伝搬遅延時間Trttは、上述したように近端側ネットワーク7における揺らぎ遅延などで変動し得るので、伝搬遅延時間Dを推定する時点と同じタイミングで計測される。なお、変動し得る往復伝搬遅延時間Trttについては、過去数回計測した往復伝搬遅延時間の平均をとるなどして得た時間でもよい。
伝搬遅延時間Dは、遅延付加部56で、遠端側から近端側に向けて送信されて音声信号(遠端話者の音声信号)に付与する遅延時間である。後述するように、遠端側から近端側に向けて送信されて音声信号は、伝搬遅延時間Dが付与されて、エコーレプリカ生成部55に与えられる。
なお、伝搬遅延時間Dの導出方法は、式(2)に限定されない。実際には誤差が生じ得ることを考慮して、ある程度少なめの伝搬遅延時間を付加してもよい。例えば、式(2)の右辺で、所定時間を減算する等してもよい。
[伝搬遅延時間推定部の内部構成の一例]
図3は、第1の実施形態に係る伝搬遅延時間推定部51の内部構成の一例を示す内部構成図である。なお、伝搬遅延時間推定部51の内部構成は、図3に限定されない。
図3において、往復伝搬遅延時間計測部511は、近端側ネットワーク7を介して、近端側送受話装置2を宛先とする確認信号(例えばping信号)を送信する確認信号送信部61と、近端側ネットワーク7を介して近端側送受話装置2から応答があった確認信号(ping信号)を受信する確認信号受信部62と、受信した確認信号に基づいて、往復伝搬遅延時間を計測する往復伝搬遅延時間計測部63を有する。
計測された往復伝搬遅延時間は、装置内遅延時間推定部513及び又は遅延時間推定部514に与えられる。
伝搬遅延時間計測部512は、音声特徴信号記憶部71、音声特徴信号送信部72、遅延時間測定部73、遅延付加部74、レベル比較部75、相関分析部76を有する。
音声特徴信号記憶部71は、例えばパルス波形などのような特徴形状を有するパターン形状を記憶する。なお、上述したように、音声特徴信号は生成されてもいし、遠端話者の音声信号から抽出したものでよい。ここでは、説明を容易にするために、事前に特徴的なパターン形状が保持されている場合を例示している。
音声特徴信号送信部72は、近端側送受話装置2と遠端側送受話装置3との音声通信開始時又は直後に、当該近端側送受話装置2を宛先として音声特徴信号を送信する。
遅延時間測定部73は、近端側ネットワーク7を介して、近端側送受話装置2が送出されてきた近端信号(音声特徴信号、エコー信号が含まれる信号)を受信し、当該近端信号と、近端側送受話装置2宛に送信した音声特徴信号とに基づいて遅延時間を求め、遅延付加部74に与える。この遅延時間を求める方法は、様々な方法を適用できる。例えば、所定時間内において、近端信号の特徴的なピーク発生時刻と、音声特徴信号の特徴的なピーク発生時刻との差分値を求める方法としても良い。又例えば、近端信号と音声特徴信号との相互相関により求めてもよい。
遅延付加部74は、遅延時間測定部73で求まった遅延時間を音声特徴信号に付与して、レベル比較部75に与える。すなわち、遅延時間測定部73で求まった遅延時間だけ、近端側送受話装置2宛に送信した音声特徴信号を遅延される。
レベル比較部75は、近端側送受話装置2が送出されてきた近端信号と、近端側送受話装置2宛に送信した音声特徴信号とのパワー(レベル)を比較して、両者の比に相当する信号を音声特徴信号に乗算して相関分析部76に与える。つまり、遅延時間及びレベルが正規化された音声特徴信号が相関分析部76に与えられる。
相関分析部76は、近端側送受話装置2が送出されてきた近端信号と、近端側送受話装置2宛に送信した音声特徴信号との相関関係に基づいて、エコー成分を検出する。このとき、ハイブリッド回路21の特徴データが記憶されており、特徴データとの相関関係によりエコー成分が検出されるようにしてもよい。エコー成分が検出されると、その時点の遅延時間が、装置内遅延時間推定部513及び又は遅延時間推定部514に与えられる。
なお、装置内遅延時間推定部513は、上述したように、往復伝搬遅延時間計測部511により計測された往復伝搬遅延時間と、伝搬遅延時間計測部512により計測された遅延時間とに基づいて、当該近端側送受話装置2内の遅延時間を導出する。
遅延時間推定部514は、当該近端側送受話装置2の装置内遅延時間と、往復伝搬遅延時間計測部511により計測された往復伝搬遅延時間とに基づいて、伝搬遅延時間を推定して、遅延付加部56に与える。
[装置内遅延時間保持部]
装置内遅延時間保持部54は、伝搬遅延時間推定部51により計測された装置内遅延時間を保持する。例えば、近端側送受話装置2が複数の近端側電話端末4−1を収容している場合には、その通話する近端側電話端末4−1毎に装置内遅延時間を保持するようにしてもよい。より具体的には、近端側電話端末4−1の識別情報と、伝搬遅延時間推定部51により計測された装置内遅延時間とを対応付けて保持する。
[遅延付加部]
遅延付加部56は、伝搬遅延時間推定部51により推定された伝搬遅延時間を、遠端側ネットワーク6を介して受信した、遠端側から近端側に向けて送出される遠端話者の音声信号に付加し、エコーレプリカ生成部55に与える。
その時点での近端側ネットワーク7における遅延を考慮した伝搬遅延時間を、遠端話者の音声信号に付与してエコーレプリカ生成部55に与えるため、リモート装置1に搭載したエコーキャンセラ装置11でも、エコーレプリカ生成部55でのエコーテイルの時間長を長くしなくても、近端側送受話装置2内にエコーキャンセルを搭載したときと同程度の処理量でエコーレプリカを生成できる。
換言すると、揺らぎ遅延が生じ得る近端側ネットワーク7を介することで、往復伝搬遅延時間が長くなるので、エコーテイルの時間長が長くなり、それに伴い、適応フィルタの適応フィルタ長を大きくし、処理量が増大することが考えられる。しかし、このように、伝搬遅延時間を遠端話者の音声信号に付与することで、エコーの予測に係るエコーテイルの時間長を、近端側送受話装置2内にエコーキャンセルを搭載したときと同程度にしてエコーレプリカを生成できる。
なお、遅延付加部56は、到着保証部561を有しており、到着保証部561は、遠端側ネットワーク6において遠端側から近端側に向けて送信されてきた信号の順序を正したり、又は重複する信号を廃棄したりする。例えば、到着保証部561は、音声信号のフレーム番号に基づいて、遠端側ネットワーク6から受信した信号の順序の乱れを正す。
[順序入替/重複検出部]
順序入替/重複検出部52は、近端側ネットワーク7を介して、近端側から遠端側に向けて送信される近端信号を入力し、近端信号を減算部53に出力する。ここで、近端側ネットワーク7がIP網などであるときには、近端側ネットワーク7において揺らぎや遅延が生じ得る。そのような場合、順序入替/重複検出部52は、近端側ネットワーク7から受信した信号に、揺らぎや遅延が生じているときには、順序入替や重複に関する入替/重複情報を、エコーレプリカ生成部55に報告する。これにより、エコーレプリカ生成部55では、入替/重複情報に基づいて、遠端側から近端側に向けた信号の順序を正し、エコーレプリカを生成することができる。
[エコーレプリカ生成部]
エコーレプリカ生成部55は、例えば適応フィルタなどを有しており、エコーレプリカ(疑似エコー)信号を生成するものである。例えば、エコーレプリカ生成部55は、遅延付加部56を通じて、遠端側ネットワーク6を介して入力した遠端側から受信した受信信号を適応フィルタに入力して、エコーレプリカ(疑似エコー)信号を形成し、そのエコーレプリカ信号を減算部53に出力する。なお、エコーレプリカ信号の生成方法は、特に限定されず、様々な手法を広く適用できる。
[減算部]
減算部53は、近端側ネットワーク7を介して、近端話者から遠端話者に向けて送出された近端信号が入力されると、近端信号からエコーレプリカを減算し、エコー成分を除去する。減算部53において除去しきれずに残っているエコー成分を含む除去後信号は、エコーレプリカ生成部55の適応フィルタにフィードバックされ、エコーレプリカ生成部55における適応フィルタの係数更新に寄与される。これにより、エコーレプリカの精度が向上する。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係るエコーキャンセラ装置11における処理動作を、図面を参照しながら説明する。
図2において、近端側送受話装置2と遠端側送受話装置3との間で音声信号(音声データ)の相互通信が開始されると、エコーキャンセラ装置11の伝搬遅延時間推定部51では、当該近端側送受話装置2とエコーキャンセラ装置11との間の伝搬遅延時間の推定処理が実施される。
伝搬遅延時間推定部51では、往復伝搬遅延時間計測部511によって、近端側ネットワーク7を介した近端側送受話装置2とエコーキャンセラ装置11との間の往復伝搬遅延時間が計測される。往復伝搬遅延時間は、常時かつ複数回計測される。
また、伝搬遅延時間推定部51では、伝搬遅延時間計測部512によって、近端側送受話装置2を宛先とする音声特徴信号が、近端側ネットワーク7を介して、近端側送受話装置2に送信され、近端側送受話装置2から戻ってきた信号と、当該音声特徴信号との相関関係によりエコー成分を検出し、音声特徴信号に基づく伝搬遅延時間が計測される。
そして、装置内遅延時間推定部513によって、往復伝搬遅延時間計測部511により計測された往復伝搬遅延時間と、伝搬遅延時間計測部512により計測された遅延時間とに基づいて、当該近端側送受話装置2に関する装置内遅延時間が導出される。この装置内遅延時間は、装置内遅延時間保持部54に保持される。
その後、遠端側電話端末4−2において遠端話者の音声が入力されると、遠端話者の音声信号(音声データ)が遠端側送受話装置3のハイブリッド回路31を通り、音声信号を含むパケットが遠端側ネットワーク6に送信される。
遠端話者の音声信号を含むパケットは、遠端側ネットワーク6を介してリモート装置1に受信され、当該パケットに含まれる音声信号がエコーキャンセラ装置11の遅延付加部56に入力する。
また同時に、音声信号を含むパケットは、伝搬遅延時間推定部51を経由して近端側ネットワーク7に送信され、近端側ネットワーク7を介して近端側送受話装置2に受信される。そして音声信号がハイブリッド回路21に入力する。その後、音声信号が、近端側送受話装置2のハイブリッド回路21を通り、近端側電話端末4−1に与えられ、近端側電話端末4−1から音声が出力される。
ハイブリッド回路21では、音声信号の一部が反射し、エコー経路で発生したエコーが、近端側電話端末4−1から入力する音声信号に混ざり、近端側送受話装置2の装置内を通って、エコーを含む音声信号を有するパケットが近端側ネットワーク7に送信される。そして、当該パケットは、近端側ネットワーク7を介してリモート装置1に受信され、エコーを含む音声信号がエコーキャンセラ装置11に入力する。
エコーキャンセラ装置11では、エコーを含む音声信号が伝搬遅延時間推定部51を経由して、順序入替/重複検出部52に入力し、順序入替/重複検出部52によって、音声信号の順序や重複に関して確認される。音声信号の順序が誤っていたり、重複が生じているときには、その検出結果がエコーレプリカ生成部55に報告される。なお、重複している場合、重複している信号を廃棄してもよい。
一方、エコーキャンセラ装置11の伝搬遅延時間推定部51では、遅延時間推定部514によって、当該近端側送受話装置2の装置内遅延時間と、往復伝搬遅延時間計測部511により計測された往復伝搬遅延時間とに基づいて、伝搬遅延時間が推定される。
そして、推定した伝搬遅延時間が遅延付加部56に与えられる。遅延付加部56では、受信していた遠端側送受話装置3からの音声信号に、通知された遅延時間を付与した後、エコーレプリカ生成部55に音声信号を与える。
エコーレプリカ生成部44では、遅延付加部56により伝搬遅延時間を付与した、遠端側送受話装置3からの音声信号と、近端側送受話装置2からの音声信号が入力され、近端側送受話装置2のハイブリッド回路21で発生するエコーを予測してエコーレプリカを生成する。
生成されたエコーレプリカは、順序入替/重複検出部52から報告された検出結果に基づき順序入替/重複に対応するように順序入替などが正された後、減算部53に出力される。そして、順序入替/重複検出部52から出力されるエコーを含む音声信号から、エコーレプリカを減算して、音声信号に含まれるエコー成分が除去される。
エコーキャンセル後の音声信号を含むパケットは遠端側ネットワーク6へ送信される。また、エコーキャンセル後の音声信号は、エコーレプリカ生成部55へフィードバックされ、エコーパス情報の更新に使用される。
遠端側ネットワーク6へ送信された、エコーキャンセル後の音声信号を含むパケットは、遠端側送受話装置3で受信されて、音声信号がハイブリッド回路31を通り、遠端側電話端末4−2から音声が出力される。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、送受話装置にエコーキャンセラを設けなくても、近端側ネットワークと遠端側ネットワークとに接続する装置(リモート装置)にエコーキャンセラを設けることで、音声信号に含まれるエコーを除去することができる。これにより、送受話装置はエコーキャンセルを行うためのリソースを省くことができ、送受話装置の小型化や省電力化が可能となる。
また、第1の実施形態によれば、遅延付加部によって、エコーキャンセラと近端側送受話装置との間の伝搬遅延時間だけ、遠端側からの音声信号を遅延させて、エコーレプリカ生成部に与えることで、エコーテイル長を長くせずとも良く、近端側送受話装置にエコーキャンセラを配備した場合とさほど変わらない処理量でエコーレプリカ生成を作成できる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る伝搬遅延時間推定装置及びプログラム、並びに、エコーキャンセラ、エコーキャンセルプログラム及びエコーキャンセル方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図4は、第2の実施形態に係る音声通信系の全体的な構成を示す全体構成図である。
図4において、第2の実施形態の音声通信系10Aは、第1の実施形態の図2と同様にリモート装置1にエコーキャンセラ装置11が存在することに加え、近端側送受話装置2内にエコーキャンセラ22が存在する系である。
汎用的な送受話装置には、エコーキャンセラが内蔵されているものも多く、通常は、図4に例示するような音声通信系となる。つまり、ここでは、エコーキャンセラが多段接続されるような系を想定している。
一般的なエコーキャンセラのアルゴリズムは、このような多段接続状態においてもエコーをキャンセルすることが可能である。近端側送受話装置2内のエコーキャンセラ22の性能が低く、十分にエコーキャンセルできていない場合などにおいて、リモート装置1のエコーキャンセラ装置11は補助的なエコーキャンセルとして動作することができる。
ここで、エコーキャンセラ装置11の伝搬遅延時間推定部51では、伝搬遅延時間計測部512による伝搬遅延時間を計測する際に、近端側送受話装置2内のエコーキャンセラ22による悪影響が懸念される。
伝搬遅延時間計測部512による伝搬遅延時間が実施される音声通信開始直後は、エコーキャンセラ装置11のエコーパス情報の学習が不完全であり、エコー成分を除去できない。
仮に、図4に例示するように、近端側送受話装置2内にエコーキャンセラ22が備わっている場合においても、伝搬遅延時間計測部512による伝搬遅延時間を計測する時点では、近端側送受話装置2のエコーキャンセラ22でもエコーを打ち消すことができず、エコー信号がエコーキャンセラ装置11まで伝わることになる。したがって、図4に例示する多段接続の場合でも、基本的には、第1の実施形態で説明した伝搬遅延時間推定部51による処理が有効に機能することが期待できる。
しかし、エコーキャンセラが多段接続される系で生じ得る悪影響を、より効果的に回避できるようにすることが要求される。
そこで、第2の実施形態では、近端側送受話装置2に搭載されるエコーキャンセラ22が、自装置(エコーキャンセラ22)のエコーキャンセル機能を無効化する無効化制御部221を有する。
エコーキャンセラ22の無効化制御部221は、近端側ネットワーク7を介して、エコーキャンセラ装置11の伝搬遅延時間推定部51が送出した音声特徴信号を検出したときに、一時的に又は常時、自装置(エコーキャンセラ22)のエコーキャンセル機能を無効化する。
このとき、例えば、エコーキャンセラ装置11と近端側送受話装置2との間で、音声特徴信号に関する情報を共有しておき、エコーキャンセラ22側においても、音声特徴信号の特徴形状を認識可能としてもよい。
また、無効期間は、伝搬遅延時間計測部512による伝搬遅延時間の計測時間に相当する時間としてもよいし、常時自己のエコーキャンセル機能を無効としてもよい。
これにより、少なくとも、エコーキャンセラ装置11の伝搬遅延時間推定部51による伝搬遅延時間の導出処理を有効に機能させることができる。つまり、エコーキャンセラが多段接続する系であっても、第1の実施形態で説明した効果を有効に機能させることが期待できる。
(B−2)第2の実施形態の効果
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した効果に加えて、既存の送受話装置を用いた場合においても、エコーキャンセラを使用することが可能である。
(C)他の実施形態
上述した第1及び第2の実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
(C−1)上述した各実施形態では、本発明の伝搬遅延時間推定部を、電話回線における回線エコーを消去するエコーキャンセラに適用した例について説明したが、音響エコー(例えば、会議システムなどでスピーカとマイク間の音響結合で発生するエコー)を消去するエコーキャンセラに適用しても良い。
(C−2)上述した各実施形態では、伝搬遅延時間推定部を、エコーキャンセラに適用した例について説明したが、ある信号を送出して反射されて戻ってくるまでの伝搬遅延時間を測定するシステムなどにも適用可能である。
(C−3)伝搬遅延時間推定部51における伝搬遅延時間計測部512の構成は、第1の実施形態で説明した構成に限らない。伝搬遅延時間計測部512が、近端側送受話装置宛に音声特徴信号を送信し、戻ってきた信号と、その音声特徴信号に基づいてエコー成分を検出し、エコー成分の遅延時間を計測できる構成であれば、様々な構成をとることができる。
10…音声通信系、1…リモート装置、2…近端側送受話装置、3…遠端側送受話装置、4−1…近端側電話端末、4−2…遠端側電話端末、6…遠端側ネットワーク7…近端側ネットワーク、
11…エコーキャンセラ装置、51…伝搬遅延時間推定部、511…往復伝搬遅延時間計測部、512…伝搬遅延時間計測部、513…装置内遅延時間推定部、514…遅延時間推定部、52…順序入替/重複検出部、53…減算部、54…装置内遅延時間保持部、55…エコーレプリカ生成部、56…遅延付加部。

Claims (7)

  1. ネットワークを介して、2線4線変換回路を備える対向装置との間の伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定装置において、
    上記ネットワークを介して上記対向装置に確認信号を送信し、上記対向装置から応答信号を受信するまでの上記ネットワークにおける往復伝搬遅延時間を計測する第1の遅延時間計測手段と、
    上記ネットワークを介して上記対向装置に、特徴を有する音声特徴信号を送信し、上記対向装置内での処理後に、上記対向装置から受信した受信信号と、上記音声特徴信号との相関関係により検出したエコー成分の遅延時間を計測する第2の遅延時間計測手段と、
    上記第1の遅延時間計測手段による上記往復伝搬遅延時間と、上記第2の遅延時間計測手段による上記遅延時間とに基づいて、上記対向装置内の装置内遅延時間を推定する装置内遅延時間推定手段と、
    上記装置内遅延時間と、推定時に、上記第1の遅延時間計測手段により計測された上記往復伝搬遅延時間とに基づいて、その時点における上記対向装置との間の上記伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定手段と
    を備えることを特徴とする伝搬遅延時間推定装置。
  2. 上記装置内遅延時間を保持する装置内遅延時間保持手段を備え、
    上記伝搬遅延時間推定手段が、上記装置内遅延時間保持手段に保持されている上記装置内遅延時間を用いて、上記対向装置との間の上記伝搬遅延時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の伝搬遅延時間推定装置。
  3. ネットワークを介して、2線4線変換回路を備える対向装置との間の伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    上記ネットワークを介して上記対向装置に確認信号を送信し、上記対向装置から応答信号を受信するまでの上記ネットワークにおける往復伝搬遅延時間を計測する第1の遅延時間計測手段と、
    上記ネットワークを介して上記対向装置に、特徴を有する音声特徴信号を送信し、上記対向装置内での処理後に、上記対向装置から受信した受信信号と、上記音声特徴信号との相関関係により検出したエコー成分の遅延時間を計測する第2の遅延時間計測手段と、
    上記第1の遅延時間計測手段による上記往復伝搬遅延時間と、上記第2の遅延時間計測手段による上記遅延時間とに基づいて、上記対向装置内の装置内遅延時間を推定する装置内遅延時間推定手段と、
    上記装置内遅延時間と、推定時に、上記第1の遅延時間計測手段により計測された上記往復伝搬遅延時間とに基づいて、その時点における上記対向装置との間の上記伝搬遅延時間を推定する伝搬遅延時間推定手段と
    して機能させることを特徴とする伝搬遅延時間推定プログラム。
  4. 2線4線変換回路を備える第1の送受話装置が接続するネットワーク上に配置されたエコーキャンセラにおいて、
    上記ネットワークを介して、上記第1の送受話装置との間の往復伝搬遅延時間を推定する、請求項1又は2に記載の伝搬遅延時間推定装置である伝搬遅延時間推定手段と、
    上記第1の送受話装置と対向する第2の送受話装置から受信した音声信号に、上記伝搬遅延時間を付与する遅延付与手段と、
    上記第2の送受話装置からの上記音声信号を上記ネットワークを介して上記第1の送受話装置に送信され、上記第1の送受話装置内での処理後、上記第1の送受話装置から上記ネットワークを介して受信した受信音声信号と、上記伝搬遅延時間の付与後の上記音声信号とに基づいて、エコーレプリカを生成するエコーレプリカ生成手段と、
    上記第1の送受話装置から受信した上記受信信号から上記エコーレプリカを減算してエコー成分を除去するエコー成分除去手段と
    を備えることを特徴とするエコーキャンセラ。
  5. 上記第1の送受話装置からの上記受信信号の順序及び又は重複を検出する順序/重複検出手段を備え、
    上記エコーレプリカ手段が、上記順序/重複検出手段による検出結果に応じて、上記エコーレプリカの順序を整合させ、整合後の上記エコーレプリカを上記エコー成分除去手段に出力する
    ことを特徴とする請求項4に記載のエコーキャンセラ。
  6. 2線4線変換回路を備える第1の送受話装置が接続するネットワーク上に配置されたエコーキャンセルプログラムにおいて、
    コンピュータを、
    上記ネットワークを介して、上記第1の送受話装置との間の往復伝搬遅延時間を推定する、請求項1又は2に記載の伝搬遅延時間推定装置である伝搬遅延時間推定手段と、
    上記第1の送受話装置と対向する第2の送受話装置から受信した音声信号に、上記伝搬遅延時間を付与する遅延付与手段と、
    上記第2の送受話装置からの上記音声信号を上記ネットワークを介して上記第1の送受話装置に送信され、上記第1の送受話装置内での処理後、上記第1の送受話装置から上記ネットワークを介して受信した受信音声信号と、上記伝搬遅延時間の付与後の上記音声信号とに基づいて、エコーレプリカを生成するエコーレプリカ生成手段と、
    上記第1の送受話装置から受信した上記受信信号から上記エコーレプリカを減算してエコー成分を除去するエコー成分除去手段と
    して機能させることを特徴とするエコーキャンセルプログラム。
  7. 2線4線変換回路を備える第1の送受話装置が接続するネットワーク上に配置されたエコーキャンセル方法において、
    請求項1又は請求項2に記載の伝搬遅延時間推定装置である伝搬遅延推定手段が、上記ネットワークを介して、上記第1の送受話装置との間の往復伝搬遅延時間を推定し、
    遅延付与手段が、上記第1の送受話装置と対向する第2の送受話装置から受信した音声信号に、上記伝搬遅延時間を付与し、
    エコーレプリカ生成手段が、上記第2の送受話装置からの上記音声信号を上記ネットワークを介して上記第1の送受話装置に送信され、上記第1の送受話装置内での処理後、上記第1の送受話装置から上記ネットワークを介して受信した受信音声信号と、上記伝搬遅延時間の付与後の上記音声信号とに基づいて、エコーレプリカを生成し、
    エコー成分除去手段が、上記第1の送受話装置から受信した上記受信信号から上記エコーレプリカを減算してエコー成分を除去する
    ことを特徴とするエコーキャンセルプログラム。
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