JP2005159941A - エコーキャンセル制御装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エコー状態の変化に応じて、エコーキャンセラの動作、動作停止を、より適切に制御することができるようにする。
【解決手段】自局の送話音声が電話回線を通して他局から戻ってくる回線エコー信号についての信号減衰量と遅延時間についての評価基準データを保持する基準データ保持手段と、回線エコーの信号減衰量を算出する回線エコー減衰量算出手段と、回線エコーの遅延時間を算出する回線エコー遅延時間算出手段と、エコーキャンセル手段からのエコーキャンセルされた受話音声信号と、エコーキャンセルされていない受話音声信号とのいずれか一方を、選択制御信号に応じて、選択出力として選択する選択手段とを設ける。算出された回線エコー減衰量および算出された回線エコー遅延時間と、評価基準データとに基づいて、選択手段に供給する選択制御信号を生成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、自局(送話側の自電話端末やゲートウエイなど)からの送話音声が電話回線を通して他局(受話側の電話端末やゲートウエイなど)から戻ってくる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセル手段を使用するかどうかの制御をするエコーキャンセル制御装置および方法に関する。
従来から、例えばIP(Internet Protocol)電話端末やVoIP(Voice over Internet Protocol)方式のゲートウエイにおいては、自局から送出された送話音声が、他局側の2線−4線変換回路の不都合により、遅延を伴って自局に戻ってくる回線エコーを削除するためにエコーキャンセラが使用されている。
従来のエコーキャンセラは、いかに早く学習して回線エコーを削除するか、あるいは周囲雑音がある場所でも機能できるか、双方向で同時に話している場合や単音が入ったときでも誤動作しないか、などに工夫が凝らされている。しかし、いずれもエコーキャンセルとしては、完全とは言えず、状況によっては誤動作によりハウリングが発生することがあったり、回線エコーが僅かであった場合には、エコーキャンセラを働かせない方がかえって話しやすくなったりすることがある。
そこで、従来から、エコーキャンセラを働かせるかどうかを制御することが提案されている。例えば、特許文献1(特開平11−289280号公報)には、残留エコーが所定の値に減衰して定常状態に収束する過程で残留エコーが所定の値以下になるまでの時間を測定し、その測定結果が所定の値以上になったときにエコーキャンセラの動作を停止させるようにすることが記載されている。
また、特許文献2(特開2002−164818号公報)には、入力エコー量を測定し、測定された入力エコー量の増減量に基づいて、エコーキャンセラの動作、動作停止を制御するようにすることが記載されている。
また、2線−4線変換回路が使用されないIP電話同士の内線通話の場合には、回線エコーが発生しないので、エコーキャンセラは不要であることにかんがみ、特許文献3(特開2002−135815号公報)には、IP−PBXに収容される内線IP電話機同士の通話の場合には、IP−PBXからエコーキャンセルを停止モードにして通話するようにし、それ以外の公衆回線網(PSTN網)やIP網を介して他局と通話をするときには、エコーキャンセラを動作モードにして通話する、などきめ細かい条件を設定して対応するようにするエコー制御方式が提案されている。
上記で挙げた特許文献は、次の通りである。
特開平11−289280号公報 特開2002−164818号公報 特開2002−135815号公報
しかしながら、自局以外との通話においては、使用回線がアナログ回線であるのか、ISDN(Integrated Service Digital Network;総合デジタル通信網)回線であるのか、また、自局側がISDN回線であっても相手側はアナログ回線であるのか、などの回線状況によって、回線エコー状態はまちまちである。また、相手に転送される場合では、回線エコー状態が変化することもある。
したがって、以上のような回線使用状況などの変化によって、まちまちになるエコー状態の変化に応じて、エコーキャンセラの動作、動作停止を制御できることが重要であるが、従来の場合には、万全とは言えないという問題がある。
この発明は、以上の点にかんがみ、エコー状態の変化に応じて、エコーキャンセラの動作、動作停止を、より適切に制御することができるようにすることを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
自局の送話音声が電話回線を通して他局から戻ってくる回線エコー信号についての信号減衰量および遅延時間についての評価基準データを保持する基準データ保持手段と、
受話音声信号から前記回線エコー信号をキャンセルするエコーキャンセル手段と、
前記回線エコーの信号減衰量を算出する回線エコー減衰量算出手段と、
前記回線エコーの遅延時間を算出する回線エコー遅延時間算出手段と、
前記エコーキャンセル手段からのエコーキャンセルされた受話音声信号と、エコーキャンセルされていない受話音声信号とのいずれか一方を、選択制御信号に応じて出力する出力選択手段と、
前記回線エコー減衰量算出手段で算出された前記回線エコー減衰量および前記回線エコー遅延時間算出手段で算出された前記回線エコー遅延時間と、前記基準データ保持手段に保持されている評価基準データとに基づいて、前記出力選択手段に供給する前記選択制御信号を生成する評価演算手段と、
を備えるエコーキャンセル制御装置を提供する。
上述の構成の請求項1の発明においては、例えば、予め、回線エコーの減衰量と遅延時間とを変化させて、回線エコーについて予め主観評価を行ない、エコーキャンセル手段(エコーキャンセラ)を動作させた方が良いか、エコーキャンセルをかけないほうが良いかの閾値の最適値を求めておく。そして、基準データ保持手段により、その求めたものを評価基準データとして保持部に保持する。
そして、実際の運用に当たっては、回線エコー減衰量算出手段で回線エコーの信号減衰量を算出すると共に、回線エコー遅延時間算出手段で回線エコーの遅延時間を算出し、評価演算手段に供給する。
評価演算手段では、算出された回線エコー減衰量および回線エコー遅延時間と、前記基準データ保持手段に保持されている評価基準データとを比較評価して、その評価結果に基づいて選択制御信号を生成する。そして、生成した選択制御信号により、出力選択手段が制御され、エコーキャンセルされた受話音声信号と、エコーキャンセルされていない受話音声信号とのいずれか適切な一方が選択される。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のエコーキャンセル制御装置において、
前記エコーキャンセル手段は、
前記送話音声信号から前記疑似回線エコー信号を生成する適応フィルタ手段と、前記適応フィルタ手段からの前記疑似回線エコー信号と、前記受話音声信号との誤差に基づいて、前記適応フィルタ手段に供給するフィルタ係数を算出する適応アルゴリズム演算手段と、
からなり、
前記回線エコー減衰量算出手段および前記回線エコー遅延時間算出手段は、前記適応アルゴリズム演算手段からの前記フィルタ係数から、前記回線エコー減衰量および前記遅延時間を算出する
ことを特徴とする。
この請求項2の発明においては、エコーキャンセル手段が適応フィルタ手段および適応アルゴリズム演算手段により構成されると共に、回線エコー減衰量算出手段および回線エコー遅延時間算出手段は、適応アルゴリズム演算手段からの前記フィルタ係数から、回線エコー減衰量および遅延時間を算出する。したがって、請求項2の発明によれば、構成が簡単なエコーキャンセル制御装置を実現することができる。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のエコーキャンセル制御装置において、
前記基準データ保持手段は、書き替え可能な記憶部を備え、発生する回線エコーについて前記回線エコーの信号減衰量および前記回線エコーの遅延時間をパラメータとして評価を行なった結果に基づいて定められた評価基準データが前記記憶部に書き込まれる
ことを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、基準データ保持手段は、書き替え可能な記憶部を有しており、この記憶部に、実際の使用環境に応じて算出および設定された評価基準データを書き込むことができるので、使用環境に応じた適切なエコーキャンセル制御が可能となる。
この発明によれば、エコー状態の変化に応じて、エコーキャンセラの動作、動作停止を、より適切に制御することができるエコーキャンセル制御装置および方法を提供することができる。
また、請求項2の発明によれば、構成が簡単なエコーキャンセル制御装置を実現することができる。
また、請求項3の発明によれば、実際の使用環境に応じて算出および設定された評価基準データを用いることができるので、使用環境に応じた適切なエコーキャンセル制御が可能となる。
以下、この発明によるエコーキャンセル制御装置および方法の実施形態を、IP電話端末に適用した場合を例にとって、図を参照しながら説明する。
図1は、この発明の実施形態が適用されたIP電話端末のブロック図である。この実施形態のIP電話端末は、LAN(Local Area Network)に接続するためのLANインターフェース1と、マイクロコンピュータを含む制御回路2と、テンキーや種々の機能ボタンなどを備えるキー操作部3と、DSP(Digital Signal Processor)で構成されるエコーキャンセル制御装置部10と、コーデック回路4と、送話器5と、受話器6と、アンプ7および8とからなる。送話器5と受話器6とは、ハンドセット9内に設けられている。この発明によるエコーキャンセル制御装置および方法の実施形態は、エコーキャンセル制御装置部10に適用されている。
制御回路2は、着信や発信、その他の制御を行なう。キー操作部3は、ユーザからの発信操作、番号入力操作、着信の応答操作などのキー操作入力を制御回路2に供給する。制御回路2は、このキー操作入力に応じた制御動作を行なう。また、制御回路2は、起動時に評価用基準データをエコーキャンセル制御装置部10のレジスタに書き込む。
コーデック回路4は、アンプ7を通じて送られてくる送話器5で収音された送話音声信号を、デジタル送話音声信号に変換してエコーキャンセル制御装置部10に出力する。コーデック回路4は、また、エコーキャンセル制御装置部10からのデジタル受話音声信号を、受話器6から放音するためのアナログ音声信号に変換する。
送話音声は、送話器5で収音されて音声信号にされ、アンプ7を通じてコーデック回路4に供給され、デジタル送話音声信号に変換される。このコーデック回路4からのデジタル送話音声信号は、エコーキャンセル制御装置部10を通じて制御回路2に供給される。そして、制御回路2は、デジタル送話音声信号をLANインターフェース1を通じてLANに送出する。
LANインターフェース1を通じて受信されるデジタル受話音声信号は、制御回路2を通じてエコーキャンセル制御装置部10に供給されて、後述するように、適切にエコーキャンセルがなされる。そして、このエコーキャンセル制御装置部10からのデジタル受話音声信号は、コーデック回路4に供給され、前述したようにアナログ音声信号に変換される。そして、コーデック回路4からのアナログ音声信号がアンプ8を通じて受話器6に供給され、受話音声が放音される。
[エコーキャンセル制御装置部10の説明]
図1に示すように、この実施形態のエコーキャンセル制御装置部10は、適応FIR(Finite Impulse Response)フィルタ101と、適応アルゴリズム演算部102と、誤差検出回路を構成する減算回路103と、基準データレジスタ104と、評価演算部105と、出力選択回路106とからなる。この実施形態では、これらの回路は、全て、前述したように、DSP内においてハードウエアとソフトウエア処理とにより構成されている。
適応FIRフィルタ101は、コーデック回路4からのデジタル送話音声信号から、疑似回線エコー信号を生成し、減算回路103に供給する。減算回路103は、制御回路2を通じて、このエコーキャンセル制御装置部10に入力されるデジタル受話音声信号から、適応FIRフィルタ101からの疑似回線エコー信号を減算する。したがって、減算回路103からは、デジタル受話音声信号から疑似回線エコー信号が減算されてキャンセルされた信号が得られる。
減算回路103の出力信号は、適応アルゴリズム演算部102に供給されると共に、出力選択回路106の一方の入力端に供給される。適応アルゴリズム演算部102は、減算回路103の出力信号のうちの、デジタル受話音声信号に含まれる回線エコー信号と、適応FIRフィルタ101からの疑似回線エコー信号との誤差に応じて、適応FIRフィルタ101に供給するフィルタ係数を生成し、生成したフィルタ係数を適応FIRフィルタ101に供給すると共に、評価演算部105に供給する。
評価演算部105は、図1に示すように、回線エコー減衰量算出部107と、回線エコー遅延時間算出部108と、比較評価部109とを、機能手段として備える。回線エコー減衰量算出部107は、後述するように、適応アルゴリズム演算部102からのフィルタ係数から回線エコーの信号減衰量(以下、回線エコー減衰量という)を算出し、算出した回線エコー減衰量を比較評価部109に供給する。また、回線エコー遅延時間算出部107は、後述するように、適応アルゴリズム演算部102からのフィルタ係数から回線エコー信号の遅延時間(以下、回線エコー遅延時間という)を算出し、算出した回線エコー遅延時間を比較評価部109に供給する。
比較評価部109には、基準データレジスタ104からの評価用基準データが供給される。この基準データレジスタ104には、予め、制御回路2により、回線エコー減衰量と回線エコー遅延時間とをパラメータとして、エコーキャンセル手段(エコーキャンセラ)を動作させた方が良いか、エコーキャンセルをかけないほうが良いかの閾値を示す評価用基準データの最適値が書き込まれている。
ここで、この評価用基準データは、予め、回線エコー減衰量と回線エコー遅延時間とをパラメータとして変化させて、回線エコーについて主観評価を行ない、その主観評価の結果により、最適値として設定されたものである。この例では、この評価用基準データは、制御回路2が内部に持っているこの評価用基準データを、エコーキャンセル制御装置部10の基準データレジスタ104に書き込むようにしたが、呼制御サーバからLANインターフェース1を通じて、システム内のIP電話端末に評価用基準データを送るようにし、そのデータを書き込むようにしてもよい。
図2は、この主観評価に基づく評価用基準データの一例を示すもので、縦軸方向を回線エコー減衰量とし、横軸方向を回線エコー遅延時間としたものである。この図2において、塗りつぶして示した領域は、エコーキャンセラを働かせない方が良い領域である。基準データレジスタ104には、例えば、この図12の、回線エコー減衰量と回線エコー遅延時間との組み合わせについて、エコーキャンセラを動作させた方が良いか、エコーキャンセルをかけないほうが良いかの閾値のテーブルデータを書き込むようにする。このように、基準データレジスタ104の評価用基準データは、IP電話端末の実際の使用環境における主観評価に基づいて設定される。
評価演算部105の比較評価部109は、回線エコー減衰量算出部107からの回線エコー減衰量および回線エコー遅延時間算出部108からの回線エコー遅延時間と、基準データレジスタ104からの評価用基準データとを比較して、算出した回線エコー減衰量および回線エコー遅延時間が、図2において斜線を付して示した領域にあるか否かを判定する。そして、その判定結果により出力選択回路106に供給する選択制御信号を生成する。
出力選択回路106は、減算回路103からのエコーキャンセルされたデジタル受話音声信号と、制御回路2からのエコーキャンセルされないデジタル受話音声信号との、いずれか一方を、評価演算部105から供給される選択制御信号に応じて、出力するように選択制御する。
比較評価部109において、回線エコー減衰量算出部107および回線エコー遅延時間算出部108で算出された回線エコー減衰量および回線エコー遅延時間が、図2において斜線を付して示した領域にあると判定されたときには、出力選択回路106は、選択制御信号により、制御回路2からのエコーキャンセルされないデジタル受話音声信号を出力するように制御される。
また、比較評価部109において、回線エコー減衰量算出部107および回線エコー遅延時間算出部108で算出された回線エコー減衰量および回線エコー遅延時間が、図2において斜線を付して示した領域以外の領域にあると判定されたときには、出力選択回路106は、選択制御信号により、減算回路103からの回線エコーキャンセルされたデジタル受話音声信号を出力するように制御される。
次に、適応FIRフィルタ101および適応アルゴリズム演算部102を用いた回線エコーキャンセルの動作および回線エコー減衰量および遅延時間の算出について、さらに説明する。
適応FIRフィルタ101は、図3に示すように、入力送話音声信号x(k)に対して直列に接続される複数個の1サンプル遅延回路21からなるシフトレジスタと、入力送話音声信号x(k)および各遅延回路21の出力信号にフィルタ係数を乗算する複数個の係数乗算回路22と、複数個の係数乗算回路22の出力の総和を算出する総和算出回路23とを備え、総和算出回路23の出力信号を、適応FIRフィルタ101の出力信号y(k)として減算回路103に供給する構成を備える。
各タップの係数乗算回路22で用いるフィルタ係数h(0)、h(1)、h(2)・・・h(N−1)(NはFIRフィルタのタップ数)のそれぞれは、適応アルゴリズム演算部102で生成されて、供給されてくる。
デジタル送話音声信号x(k)は適応FIRフィルタ101に供給されると、複数個の遅延素子21で構成されるシフトレジスタにおいて順次に転送される。例えば、デジタル送話音声信号x(k)のサンプリング周波数が8kHzである場合には、このシフトレジスタにより125μ秒×N以前までのデータが蓄積される。
これと同時に、送話音声信号は電話回線を通じて他局側に送られ、遅延を伴って戻ってくるが、図3に示すように、これを未知系200として考え、戻ってくる信号をz(k)とする。
適応FIRフィルタ101では、各タップの係数乗算回路22において、シフトレジスタを構成する各遅延素子21からのデータに対して、各タップのフィルタ係数h(0)、h(1)、h(2)・・・h(N−1)を、それぞれ乗算し、総和算出回路23で、その乗算結果を合計して、疑似回線エコー信号としての出力信号y(k)として出力する。
そして、減算回路103において、未知系200として回線から戻ってくる信号z(k)と減算され、その誤差信号e(k)(=z(k)−y(k))が適応アルゴリズム演算部102に供給される。
適応アルゴリズム演算部102では、例えば最小自乗平均法などを使用して、適応FIRフィルタ101に供給する各タップのフィルタ係数を更新してゆく。そして、適応アルゴリズム演算部102からの各タップのフィルタ係数が一定値に収束すると、未知系200が同定されたことになり、適応FIRフィルタ102を含む回路がエコーキャンセラとして機能するものである。
そして、適応FIRフィルタ101、適応アルゴリズム演算部102および減算回路103からなる回路が未知系200を同定したとき、回線エコー減衰量L(dB)は、各タップのフィルタ係数の合計の逆数の対数表示として表わすことができる。すなわち、
L(dB)=10log(1/({h(0)}+{h(1)}+{h(2)}
・・・+{h(N−1)}))
……(式1)
と表わすことができる。
そこで、回線エコー減衰量算出部107では、適応アルゴリズム演算部102からのフィルタ係数h(0)、h(1)、h(2)・・・h(N−1)が一定値に収束したとき、そのときのフィルタ係数を用いて、前記(式1)の演算を行なうことにより、そのときの回線エコー減衰量を算出する。
また、回線エコー遅延時間は、適応FIRフィルタ101、適応アルゴリズム演算部102および減算回路103からなる回路が未知系200を同定したとき、収束した各タップのフィルタ係数h(0)、h(1)、h(2)・・・h(N−1)を、フィルタ係数h(0)から順次に検索したとき、図4に示すように、ノイズレベルを考慮して定めた一定値を、最初に超えた値となるフィルタ係数のタップ番号d(d=0,1,2・・・)を検出することにより、算出することができる。
すなわち、図4の例であれば、回線エコー遅延時間DLは、
DL=Ts×d ……(式2)
として算出することができる。ここで、Tsは、送受するデジタル音声信号のサンプリング周期である。
そこで、回線エコー遅延時間算出部108では、適応アルゴリズム演算部102からのフィルタ係数h(0)、h(1)、h(2)・・・h(N−1)が一定値に収束したとき、そのときのフィルタ係数の値を、前述のように検索して、ノイズレベルを考慮して定めた一定値を、最初に超えた値となるフィルタ係数のタップ番号dを検出し、検出したタップ番号dを用いて、(式2)の演算をすることにより、回線エコー遅延時間DLを算出する。
以上のようにして、この実施形態によれば、適応FIRフィルタを用いたエコーキャンセラを用いると共に、回線エコー減衰量および回線エコー遅延時間を、適応FIRフィルタに供給するフィルタ係数を用いて算出するようにする構成であるので、これらの回線エコー減衰量および回線エコー遅延時間を別個のDSPを用いて算出する場合に比べて簡単な構成となる。
[変形例および他の実施形態]
上述の実施形態は、この発明をIP電話端末に適用した場合であるが、この発明は、IP方式のゲートウエイにも適用することができる。
また、上述の実施形態では、評価用基準データは、制御回路2からDSP内の基準データレジスタ104に書き込むようにしたが、書き込み用の治具を用いて基準データレジスタに書き込むように構成しても勿論よい。
また、DSPは適応アルゴリズム演算部からのフィルタ係数を出力するものとして構成し、基準データレジスタ104、評価演算部105および出力選択回路106の部分は、DSPの外部に構成するようにしても良い。
また、出力選択回路106の部分は、DSPの外部に構成すると共に、評価演算部105の出力を外部に導出するように構成してもよい。さらに、評価演算部105のうちの、回線エコー減衰量算出部107および回線エコー遅延時間算出部108はDSP内に設けるとともに、比較評価部109と、基準データレジスタ104をDSPの外部に設ける構成とすることもできる。
また、以上の実施形態では、回線エコーキャンセラは、適応FIRフィルタを用いて構成するようにしたが、この構成に限定されるものではなく、種々のエコーキャンセラを用いることができる。したがって、回線エコー減衰量算出回路や回線エコー遅延時間算出回路も、適応FIRフィルタに供給されるフィルタ係数から算出するものに限定されるわけではなく、種々の算出方法を用いることができることは言うまでもない。
また、上述の実施形態では、回線エコーキャンセル制御装置部10は、DSPにより構成するようにしたが、DSPを用いた構成に限られるものではないことは言うまでもない。
この発明によるエコーキャンセル制御装置の実施形態が適用されたIP電話装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態において使用される評価用基準データの例を説明するための図である。 実施形態の適応FIRフィルタを用いた回線エコーキャンセル制御装置の構成および動作を説明するための図である。 実施形態において、回線エコー遅延時間の算出方法を説明するための図である。
符号の説明
10…エコーキャンセラ制御装置部
101…適応FIRフィルタ
102…適応アルゴリズム演算部
103…減算回路
104…基準データレジスタ
105…評価演算部
106…出力選択回路
107…回線エコー減衰量算出部
108…回線エコー遅延時間算出部
109…比較評価部

Claims (6)

  1. 自局の送話音声が電話回線を通して他局から戻ってくる回線エコー信号についての信号減衰量および遅延時間についての評価基準データを保持する基準データ保持手段と、
    受話音声信号から前記回線エコー信号をキャンセルするエコーキャンセル手段と、
    前記回線エコーの信号減衰量を算出する回線エコー減衰量算出手段と、
    前記回線エコーの遅延時間を算出する回線エコー遅延時間算出手段と、
    前記エコーキャンセル手段からのエコーキャンセルされた受話音声信号と、エコーキャンセルされていない受話音声信号とのいずれか一方を、選択制御信号に応じて出力する出力選択手段と、
    前記回線エコー減衰量算出手段で算出された前記回線エコー減衰量および前記回線エコー遅延時間算出手段で算出された前記回線エコー遅延時間と、前記基準データ保持手段に保持されている評価基準データとに基づいて、前記出力選択手段に供給する前記選択制御信号を生成する評価演算手段と、
    を備えるエコーキャンセル制御装置。
  2. 請求項1に記載のエコーキャンセル制御装置において、
    前記エコーキャンセル手段は、
    前記送話音声信号から前記疑似回線エコー信号を生成する適応フィルタ手段と、前記適応フィルタ手段からの前記疑似回線エコー信号と、前記受話音声信号との誤差に基づいて、前記適応フィルタ手段に供給するフィルタ係数を算出する適応アルゴリズム演算手段と、
    からなり、
    前記回線エコー減衰量算出手段および前記回線エコー遅延時間算出手段は、前記適応アルゴリズム演算手段からの前記フィルタ係数から、前記回線エコー減衰量および前記遅延時間を算出する
    ことを特徴とするエコーキャンセル制御装置。
  3. 請求項1に記載のエコーキャンセル制御装置において、
    前記基準データ保持手段は、書き替え可能な記憶部を備え、発生する回線エコーについて前記回線エコーの信号減衰量および前記回線エコーの遅延時間をパラメータとして評価を行なった結果に基づいて定められた評価基準データが前記記憶部に書き込まれる
    ことを特徴とするエコーキャンセル制御装置。
  4. 自局の送話音声が電話回線を通して他局から戻ってくる回線エコー信号についての信号減衰量と遅延時間についての評価基準データを保持部に保持する基準データ保持ステップと、
    前記回線エコーの信号減衰量を算出する回線エコー減衰量算出ステップと、
    前記回線エコーの遅延時間を算出する回線エコー遅延時間算出ステップと、
    前記回線エコー減衰量算出ステップで算出された前記回線エコー減衰量および前記回線エコー遅延時間算出ステップで算出された前記回線エコー遅延時間と、前記保持部に保持されている評価基準データとに基づいて、エコーキャンセル手段によりエコーキャンセルされた受話音声信号と、エコーキャンセルされていない受話音声信号とのいずれを出力するかを評価する評価演算ステップと、
    前記評価ステップでの評価結果に応じて、エコーキャンセルされた受話音声信号と、エコーキャンセルされていない受話音声信号とのいずれか一方を選択する選択ステップと、
    を備えるエコーキャンセル制御方法。
  5. 請求項4に記載のエコーキャンセル制御方法において、
    前記エコーキャンセル手段は、
    前記送話音声信号から前記疑似回線エコー信号を生成する適応フィルタ手段と、前記適応フィルタ手段からの前記疑似回線エコー信号と、前記受話音声信号との誤差に基づいて、前記適応フィルタ手段に供給するフィルタ係数を算出する適応アルゴリズム演算手段と、
    からなり、
    前記回線エコー減衰量算出ステップおよび前記回線エコー遅延時間算出ステップでは、前記適応アルゴリズム演算手段からの前記フィルタ係数から、前記回線エコー減衰量および前記遅延時間を算出する
    ことを特徴とするエコーキャンセル制御方法。
  6. 請求項4に記載のエコーキャンセル制御方法において、
    前記保持部は、書き替え可能な記憶手段で構成されると共に、
    発生する回線エコーについて前記回線エコーの信号減衰量および前記回線エコーの遅延時間をパラメータとして評価を行なう評価工程と、
    前記評価工程での前記評価の結果に基づいて定められた評価基準データを前記保持部に書き込む工程と
    を備えることを特徴とするエコーキャンセル制御方法。
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US8335311B2 (en) 2005-07-28 2012-12-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Communication apparatus capable of echo cancellation

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