JP2004274681A - エコーキャンセル装置、エコーキャンセル方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

エコーキャンセル装置、エコーキャンセル方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Kenichi Taniguchi
賢一 谷口
Naoto Kawasaki
直人 川▲崎▼
Hideaki Sasaki
秀昭 佐々木
Junichi Koga
淳一 古賀
Kensuke Yamashita
賢祐 山下
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Abstract

【課題】ダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じでもダブルトーク検出精度が高く、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となるエコーキャンセル装置を提供する。
【解決手段】マイクロフォン10で収音したときにスピーカ9の出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定手段48と、伝達関数推定手段48で推定を行うためのフィルタ手段49と、マイクロフォンからの信号からフィルタ手段49による信号を減算して減算信号を得る減算手段51と、フィルタ手段49の係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリ手段50と、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出手段47と、遠端話者からの音声を減衰させてスピーカへ出力させる第一の減衰手段52と、近端話者の音声を減算手段51から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰手段53とを有する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置、および、そのエコーキャンセル装置におけるエコーキャンセル方法、ならびに、そのエコーキャンセル方法を実行するためのプログラム、ならびに、そのプログラムを実行するための記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スピーカフォン方式電話等の音声ハンズフリー装置において、ハウリングやエコーを防止するためにエコーキャンセル技術がある。このエコーキャンセル技術によれば、スピーカから出力された音声が部屋等の空間を通ってマイクロフォンに入力された音声(エコー)から、その空間を擬似的に模擬した伝達関数とスピーカへ出力した音声とを畳み込んだ信号を差し引くことにより、あたかもエコーがないようにすることができる。
【0003】
以下に、従来のエコーキャンセル技術について(特許文献1)を用いて説明する。図6は従来のエコーキャンセル装置を示す機能ブロック図である。
【0004】
図6において、1はスピーカフォン方式電話等における受話音声(遠端話者からの音声)を再生するスピーカ、2は送話音声(近端話者からの音声)を拾うマイクロフォン、3は直接伝搬経路を経たエコーを消去する第一のエコーキャンセル部、4は第一のエコーキャンセル部3の出力信号を用いてダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出部、5は間接伝搬経路を経たエコーを消去する第二のエコーキャンセル部である。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−48547号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のエコーキャンセル装置では、スピーカ1からの音量を大きくした場合にダブルトークの判定精度が下がり、特に受話音声(遠端話者音声:スピーカから出力される音声)と送話音声(近端話者音声:マイクロフォンに入力される音声)の音声パワー比が同じ場合はダブルトークを検出できなくなるという問題点を有していた。また、環境騒音によってエコーキャンセラの性能を十分活用できず安定性に欠けることもあり、その結果、第一のエコーキャンセル部3の学習タイミングの設定が困難であり、通話開始時等において不安定な挙動をしめし、ハウリングが発生することを完全に避けることは難しく、自動復旧できず通話が停止してしまう問題点を有していた。
【0007】
このエコーキャンセル装置、エコーキャンセル方法、プログラムおよび記録媒体では、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮することができることが要求されている。
【0008】
本発明は、これらの要求を満たすため、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮することができるエコーキャンセル装置、および、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮するためのエコーキャンセル方法、ならびに、そのエコーキャンセル方法を実行するためのプログラム、ならびに、そのプログラムを実行するための記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のエコーキャンセル装置は、遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置であって、中央演算処理装置は、マイクロフォンで収音したときにスピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定手段と、伝達関数推定手段で推定を行うためのフィルタ手段と、マイクロフォンからの信号からフィルタ手段による信号を減算して減算信号を得る減算手段と、フィルタ手段の係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリ手段と、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出手段と、遠端話者からの音声を減衰させてスピーカへ出力させる第一の減衰手段と、近端話者の音声を減算手段から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰手段とを有する構成を備えている。
【0010】
これにより、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮することができるエコーキャンセル装置が得られる。
【0011】
上記課題を解決するために本発明のエコーキャンセル方法は、遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置におけるエコーキャンセル方法であって、マイクロフォンで収音したときにスピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定ステップと、伝達関数推定ステップで推定を行うためのフィルタステップと、マイクロフォンからの信号からフィルタステップにおける信号を減算して減算信号を得る減算ステップと、フィルタステップにおける係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリステップと、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出ステップと、遠端話者からの音声を減衰させてスピーカへ出力させる第一の減衰ステップと、近端話者の音声を減算信号から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰ステップとを有する構成を備えている。
【0012】
これにより、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮するためのエコーキャンセル方法が得られる。
【0013】
上記課題を解決するために本発明のプログラムは、上記エコーキャンセル方法の各ステップを実行するためのプログラムである構成を備えている。
【0014】
これにより、上記エコーキャンセル方法を実行するためのプログラムが得られる。
【0015】
上記課題を解決するために本発明の記録媒体は、上記プログラムを実行するためのコンピュータで読み取り可能な記録媒体である構成を備えている。
【0016】
これにより、上記プログラムを実行するための記録媒体が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載のエコーキャンセル装置は、遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置であって、中央演算処理装置は、マイクロフォンで収音したときにスピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定手段と、伝達関数推定手段で推定を行うためのフィルタ手段と、マイクロフォンからの信号からフィルタ手段による信号を減算して減算信号を得る減算手段と、フィルタ手段の係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリ手段と、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出手段と、遠端話者からの音声を減衰させてスピーカへ出力させる第一の減衰手段と、近端話者の音声を減算手段から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰手段とを有することとしたものである。
【0018】
この構成により、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮することができるという作用を有し、さらに、最悪ハウリングが発生した場合でも利用者が通話を継続でき、安定した全二重通話を実現することができるという作用を有する。
【0019】
請求項2に記載のエコーキャンセル方法は、遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置におけるエコーキャンセル方法であって、マイクロフォンで収音したときにスピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定ステップと、伝達関数推定ステップで推定を行うためのフィルタステップと、マイクロフォンからの信号からフィルタステップにおける信号を減算して減算信号を得る減算ステップと、フィルタステップにおける係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリステップと、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出ステップと、遠端話者からの音声を減衰させてスピーカへ出力させる第一の減衰ステップと、近端話者の音声を減算信号から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰ステップとを有することとしたものである。
【0020】
この構成により、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮することができるという作用を有し、さらに、最悪ハウリングが発生した場合でも利用者が通話を継続でき、安定した全二重通話を実現することができるという作用を有する。
【0021】
請求項3に記載のプログラムは、請求項2に記載されたエコーキャンセル方法の各ステップを実行するためのプログラムであることとしたものである。
【0022】
この構成により、上記プログラムを実行するコンピュータを用いることにより、請求項2に記載されたエコーキャンセル方法を任意の場所で任意の時間に実行することができるという作用を有する。
【0023】
請求項4に記載の記録媒体は、請求項3に記載されたプログラムを実行するためのコンピュータで読み取り可能な記録媒体であることとしたものである。
【0024】
この構成により、コンピュータで読み取り可能な記録媒体からプログラムを読み取ることにより、請求項3に記載されたプログラムを任意の場所で任意の時間に実行することができるという作用を有する。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を用いて説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるエコーキャンセル装置の基本構成を示すブロック図である。
【0027】
図1において、6は電話回線とのインタフェースを有する電話回路装置、7はアナログ電気信号である受話音声電気信号をデジタル電気信号に変換するA/D変換装置、8はデジタル電気信号をアナログ電気信号へ変換するD/A変換装置、9はD/A変換装置8からのアナログ電気信号を音声に変換するスピーカ、10は音声をアナログ電気信号に変換するマイクロフォン、11はマイクロフォン10からのアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するA/D変換装置、12はデジタル電気信号をアナログ電気信号(送話音声電気信号)に変換するD/A変換装置、13はA/D変換装置7およびA/D変換装置11から得られたデジタル電気信号に対してデジタル信号処理を行い、その演算結果をD/A変換装置8およびD/A変換装置12に出力する中央演算処理装置、14は中央演算処理装置13を動作させるためのプログラムが記憶されているROM(Read Only Memory)、15は前記ROM14に記憶されているプログラムに従って中央演算処理装置13が動作する際に使用するRAM(Random Access Memory)である。
【0028】
図2は、図1の中央演算処理装置13における機能実現手段(プログラムによって機能が実現される手段)を示す機能ブロック図であり、スピーカフォン方式電話におけるエコーキャンセル方法を示す。本機能はROM14に記録されているプログラムの概略を示している。
【0029】
図2において、16はスピーカフォン方式電話等において、エコーキャンセル装置の動作を制御するために遠端話者の発話、近端話者の発話およびダブルトーク(遠端話者と近端話者の同時発話)を検出する話者検出手段、17は正規化LMS(Least Mean Square)方式等に代表される最急降下法によりスピーカ9とマイクロフォン10との間の空間の伝達関数を推定する伝達関数推定手段、18は直接エコー成分の伝達関数と受話音声との畳み込み演算を行う直接エコーフィルタ手段、19は間接エコー成分の伝達関数と受話音声との畳み込み演算を行う間接エコーフィルタ手段、20は減算手段である。
【0030】
このように構成されたエコーキャンセル装置について、その概略動作を説明する。スピーカ9から放射された音声は空間を介してマイクロフォン10にエコーとして入力され、閉ループが構成され、エコーキャンセル処理を行わなければ最悪ハウリングが発生してしまう。また、スピーカ9から放射された音声は、直接マイクロフォン10へ入力される直接エコー成分と、空間内の壁、床、天井等の物体によって反射された後にマイクロフォン10に入る間接エコー成分に分類できる。
【0031】
図3は、図2の中央演算処理装置13の動作を示すフローチャートであり、スピーカフォン方式電話におけるエコーキャンセル方法を示す。
【0032】
図3において、エコーキャンセル処理を開始すると(S1)、話者検出手段16が遠端話者発話、近端話者発話、ダブルトークを判定し(S2)、遠端話者発話ならば伝達関数推定手段17がNLMS等のアルゴリズムを用いて直接波成分伝達関数推定(S3)および間接波成分伝達関数推定(S4)を行い、直接エコーフィルタ手段18は推定結果と受話音声との畳み込み演算を行い(S5)、間接エコーフィルタ手段19は推定結果と受話音声との畳み込み演算を行い(S6)、マイクロフォン10からの送話音声と畳み込み演算結果とを減算手段20を用いて減算して直接エコー成分と間接エコー成分を除去する(S7)。
【0033】
これにより、伝達関数推定の高速化と高精度化を両方実現したエコーキャンセル処理が可能である。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、直接エコーフィルタ手段18により推定結果と受話音声との畳み込み演算を行い、間接エコーフィルタ手段19により推定結果と受話音声との畳み込み演算を行い、マイクロフォン10からの送話音声と畳み込み演算結果とを減算手段20を用いて減算して直接エコー成分と間接エコー成分を除去するようにしたので、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度を高くすることができ、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度を高くすることができる。
【0035】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2によるエコーキャンセル装置の中央演算処理装置13を示す機能ブロック図であり、スピーカフォン方式電話におけるエコーキャンセル方法を示す。本実施の形態によるエコーキャンセル装置の基本構成は図1の構成である。また、本機能はROM14に記録されているプログラムの概略を示している。
【0036】
図4において、47はハウリングの発生を検出するハウリング検出手段、48は正規化LMS方式等に代表される最急降下法により伝達関数を推定する伝達関数推定手段、49は推定した伝達関数と受話音声との畳み込み演算を行うフィルタ手段、50は推定した伝達関数を記憶しておくバックアップメモリ手段、51は減算手段、52はスピーカ9への信号に対し任意の減衰を与える第一の減衰手段、53は相手への信号に対し任意の減衰を与える第二の減衰手段、54、55はスイッチである。
【0037】
図5は、図4の中央演算処理装置13の動作を示すフローチャートである。
【0038】
図5において、スピーカフォン方式の電話機等の電源を投入すると(S11)、スピーカ9からエコーキャンセラの伝達関数推定用に音声もしくはホワイトノイズ等を出力し(S12)、これに基づいて伝達関数推定手段48が伝達関数を推定する。ここで第二の減衰手段53ではエコーキャンセル学習中の音声を遠端話者に出さないように減衰しておく。推定された伝達関数からハウリングが発生しやすい周波数帯域を算出した後に(S13)、通常の通話を開始する(S14)。減算手段51の減算出力結果をモニタリングし、伝達関数推定手段48の推定精度が高く、収束状況が安定しているならば(S15)、フィルタ手段49で利用している伝達関数推定結果をスイッチ55をオンにしてバックアップメモリ手段50にコピーする(S16)。ハウリング検出手段47がステップS13で算出した周波数にてハウリングを検出したならば(S17)、遠端話者発話時またはダブルトーク時はマイクロフォン10からの入力音声に対して第二の減衰手段53で一定の減衰を与え、また、近端話者発話時またはダブルトーク時はスピーカ9への出力音声に対して第一の減衰手段52で一定の減衰を与える(S18)。バックアップメモリ手段50からスイッチ54をオンにして安定学習結果の伝達関数を読み出した(S19)伝達関数を初期値として伝達関数推定手段48が再学習を開始し(S20)、学習が完了したならばスピーカ9への出力とマイクロフォン10からの入力に挿入していた第二の減衰手段53による減衰を解除し、通常使用に復帰する(S21)。
【0039】
これにより、ハウリングが発生した場合でも高速かつ安定に復旧できるエコーキャンセル装置を用いたスピーカフォン方式電話が実現可能となる。
【0040】
以上のように本実施の形態によれば、マイクロフォンで収音したときにスピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定手段48と、伝達関数推定手段48で推定を行うためのフィルタ手段49と、マイクロフォン10からの信号からフィルタ手段49による信号を減算して減算信号を得る減算手段51と、フィルタ手段49の係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリ手段50と、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出手段47と、遠端話者からの音声を減衰させてスピーカ9へ出力させる第一の減衰手段52と、近端話者の音声を減算手段から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰手段53とを有することにより、スピーカ9からの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮することができ、さらに、最悪ハウリングが発生した場合でも利用者が通話を継続でき、安定した全二重通話を実現することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に記載のエコーキャンセル装置によれば、遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置であって、中央演算処理装置は、マイクロフォンで収音したときにスピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定手段と、伝達関数推定手段で推定を行うためのフィルタ手段と、マイクロフォンからの信号からフィルタ手段による信号を減算して減算信号を得る減算手段と、フィルタ手段の係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリ手段と、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出手段と、遠端話者からの音声を減衰させてスピーカへ出力させる第一の減衰手段と、近端話者の音声を減算手段から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰手段とを有することにより、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮することができるという有利な効果が得られ、さらに、最悪ハウリングが発生した場合でも利用者が通話を継続でき、安定した全二重通話を実現することができるという有利な効果が得られる。
【0042】
請求項2に記載のエコーキャンセル方法によれば、遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置におけるエコーキャンセル方法であって、マイクロフォンで収音したときにスピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定ステップと、伝達関数推定ステップで推定を行うためのフィルタステップと、マイクロフォンからの信号からフィルタステップにおける信号を減算して減算信号を得る減算ステップと、フィルタステップにおける係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリステップと、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出ステップと、遠端話者からの音声を減衰させてスピーカへ出力させる第一の減衰ステップと、近端話者の音声を減算信号から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰ステップとを有することにより、スピーカからの音量を大きくした場合でもダブルトークの判定精度が高く、受話音声と送話音声の音声パワー比が同じ場合でもダブルトーク検出精度が高く、また、環境騒音適応した話者検出およびダブルトーク検出が可能となり、通話開始時から良好なエコーキャンセル性能を発揮することができるという有利な効果が得られ、さらに、最悪ハウリングが発生した場合でも利用者が通話を継続でき、安定した全二重通話を実現することができるという有利な効果が得られる。
【0043】
請求項3に記載のプログラムによれば、請求項2に記載されたエコーキャンセル方法の各ステップを実行するためのプログラムであることにより、そのプログラムを実行するコンピュータを用いることにより、請求項2に記載されたエコーキャンセル方法を任意の場所で任意の時間に実行することができるという有利な効果が得られる。
【0044】
請求項4に記載の記録媒体によれば、請求項3に記載されたプログラムを実行するためのコンピュータで読み取り可能な記録媒体であることにより、コンピュータで読み取り可能な記録媒体からプログラムを読み取れば、請求項3に記載されたプログラムを任意の場所で任意の時間に実行することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるエコーキャンセル装置の基本構成を示すブロック図
【図2】図1の中央演算処理装置における機能実現手段を示す機能ブロック図
【図3】図2の中央演算処理装置の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2によるエコーキャンセル装置の中央演算処理装置を示す機能ブロック図
【図5】図4の中央演算処理装置の動作を示すフローチャート
【図6】従来のエコーキャンセル装置を示す機能ブロック図
【符号の説明】
6 電話回路装置
7、11 A/D変換装置
8、12 D/A変換装置
9 スピーカ
10 マイクロフォン
13 中央演算処理装置
14 ROM
15 RAM
16 話者検出手段
17 伝達関数推定手段
18 直接エコーフィルタ手段
19 間接エコーフィルタ手段
20 減算手段
47 ハウリング検出手段
48 伝達関数推定手段
49 フィルタ手段
50 バックアップメモリ手段
51 減算手段
52 第一の減衰手段
53 第二の減衰手段

Claims (4)

  1. 遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置であって、
    前記中央演算処理装置は、前記マイクロフォンで収音したときに前記スピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定手段と、前記伝達関数推定手段で推定を行うためのフィルタ手段と、前記マイクロフォンからの信号から前記フィルタ手段による信号を減算して減算信号を得る減算手段と、前記フィルタ手段の係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリ手段と、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出手段と、遠端話者からの音声を減衰させて前記スピーカへ出力させる第一の減衰手段と、近端話者の音声を前記減算手段から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰手段とを有することを特徴とするエコーキャンセル装置。
  2. 遠端話者からの受話音声等の音声を出力するスピーカと、近端話者等の音声が入力されるマイクロフォンと、全体を制御する中央演算処理装置とを有するエコーキャンセル装置におけるエコーキャンセル方法であって、
    前記マイクロフォンで収音したときに前記スピーカの出力が部屋の残響による伝達関数を推定する伝達関数推定ステップと、前記伝達関数推定ステップで推定を行うためのフィルタステップと、前記マイクロフォンからの信号から前記フィルタステップにおける信号を減算して減算信号を得る減算ステップと、前記フィルタステップにおける係数を定期的に記憶しておくバックアップメモリステップと、遠端話者側からの信号からハウリングを検出するハウリング検出ステップと、遠端話者からの音声を減衰させて前記スピーカへ出力させる第一の減衰ステップと、近端話者の音声を前記減算信号から遠端話者に減衰させて伝える第二の減衰ステップとを有することを特徴とするエコーキャンセル方法。
  3. 請求項2に記載されたエコーキャンセル方法の各ステップを実行するためのプログラム。
  4. 請求項3に記載されたプログラムを実行するためのコンピュータで読み取り可能なことを特徴とする記録媒体。
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US9591123B2 (en) 2013-05-31 2017-03-07 Microsoft Technology Licensing, Llc Echo cancellation
US9913026B2 (en) 2014-08-13 2018-03-06 Microsoft Technology Licensing, Llc Reversed echo canceller
CN113225574A (zh) * 2021-04-28 2021-08-06 北京达佳互联信息技术有限公司 信号处理方法及装置

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