JP2006279191A - エコーキャンセラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダブルトーク状態をより正確に検出して、エコーパス推定の精度の劣化を防止する。これにより、残留エコーを減少させて、エコーキャンセラに対する信頼性を向上させる。
【解決手段】 疑似エコーy´を生成してエコーキャンセル処理を行うと共に疑似エコーの生成時に用いるフィルタ係数の更新動作を行う適応フィルタ109と、ダブルトーク状態を検出したとき適応フィルタ109でのフィルタ係数の更新動作を停止させるダブルトーク検出部108とを備えたエコーキャンセラ100である。ダブルトーク検出部108で用いるフィルタ係数αを、入力側及び出力側の音声信号のパワー包絡を用いて更新するパワー包絡適応フィルタ104を備え、ダブルトーク検出部108が、パワー包絡適応フィルタ104で更新されたフィルタ係数αを用いてダブルトークを検出する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば電話システムにおけるハイブリッド回路で起こる回線エコーや、音響の回り込みにより発生する音響エコー等のエコーを消去するエコーキャンセラに関するものである。
現在、インターネットのネットワークを利用した音声通信(VoIP:Voice over Internet Protocol)が盛んに行われている。このインターネットでの音声通信に対して、既存の公衆網ではエコーと自分の声とのずれが数ms単位しかないため支障がない。即ち、既存の公衆網の様に、遅延のごく少ないネットワークでは、ハイブリッド回路や受話空間で発話側に回り込んでしまうエコーがあっても、会話に支障がなかった。
しかし、VoIPによる音声通信の場合、ネットワークの伝送遅延が100ms単位で発生するため、エコーがあると会話に支障をきたしてしまう。そこで、この発話側に返ってしまうエコーを除去するために広く用いられているのが、エコーキャンセラである。
エコーキャンセラは、適応フィルタを備え、遠端話者からの受信信号に対して畳み込み演算を行い、エコー信号と推定された疑似エコー信号を生成している。適応フィルタは、エコー経路の推定インパルス応答のタップ係数を有している。そして、エコーを含んだ近端入力信号から、上記疑似エコー信号を減算することによりエコーを除去している。
エコーキャンセラの適応フィルタには一般的には学習同定法のアルゴリズムが用いられている。このような例としては非特許文献1がある。
金田豊著、「適応フィルタの概要」、日本音響学会誌48巻7号、P.489〜492、1992年。
ところで、上記学習同定法などの適応アルゴリズムを適用しているエコーキャンセラにおいて、遠端話者と近端話者とが同時に通話している状態(以下、この状態のことをダブルトーク状態という)では、適応フィルタの係数を乱す。そのため、従来のエコーキャンセラでは、ダブルトーク検出器を設けて、このダブルトーク検出器がダブルトーク状態と判断したときは、適応フィルタの係数更新動作を停止させ、エコーパス推定の誤学習による劣化を防いでいる。
しかし、従来のダブルトーク検出器では、遠端話者からの受信信号と近端音声信号のレベルを比較することによってダブルトーク判定を実施していたため、その判定が誤ることがあった。例えば、近端音声信号の成分のうち、エコー信号のレベルに対して近端話者からの送信信号が小さい場合は、近端話者からの送信信号の有無を判断することが難しくなる。このため、近端話者からの送信信号が含まれているにも関わらず、近端話者からの送信信号がエコー信号のレベルよりも小さいために、従来のダブルトーク検出器がダブルトーク状態と判定できなくて、エコーパス推定の誤学習を招くという問題があった。
本発明のエコーキャンセラは、上記課題を解決するために、ダブルトーク状態の検出をより正確に行えるダブルトーク検出手段を具備するものである。具体的には、ダブルトーク検出手段で用いるフィルタ係数を、入力側及び出力側の音声信号のパワー包絡を用いて更新するフィルタ係数更新手段を備え、ダブルトーク検出手段が、上記フィルタ係数更新手段で更新されたフィルタ係数を用いてエコーパス減衰量を算出すると共に当該エコーパス減衰量を用いてダブルトークを検出する機能を備えたものである。
上記フィルタ係数更新手段は、Rout端の音声信号のパワー包絡を算出するRoutパワー包絡算出部と、当該Routパワー包絡算出部で算出したパワー包絡を格納するRoutパワー包絡格納部と、Sin端の音声信号のパワー包絡を算出するSinパワー包絡算出部と、上記Routパワー包絡格納部に格納されたRoutパワー包絡を入力として上記Sin端の音声信号のパワー包絡を予測すると共に上記Sinパワー包絡算出部で算出したSinパワー包絡から上記予測パワー包絡を差し引いてエラーパワー包絡を算出し、当該エラーパワー包絡と上記Routパワー包絡とを基に上記フィルタ係数を更新するパワー包絡適応フィルタとを備え、上記ダブルトーク検出手段が、上記パワー包絡適応フィルタで更新されたフィルタ係数を用いてダブルトークを検出するものである。
上記ダブルトーク検出手段は、上記Rout端の音声信号の瞬時パワーを取得するRout瞬時パワー取得部と、上記Sin端の音声信号の瞬時パワーを取得するSin瞬時パワー取得部と、ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出部とを備え、上記ダブルトーク検出部が、上記パワー包絡適応フィルタで更新したフィルタ係数を用いてエコーパス減衰量を算出すると共に、当該エコーパス減衰量と、上記Rout瞬時パワー取得部で取得したRout瞬時パワーと、上記Sin瞬時パワー取得部で取得したSin瞬時パワーとを用いてダブルトークを検出するものである。
また、上記ダブルトーク検出手段には、当該ダブルトーク検出手段で求めたエコーパス減衰量を調整するエコーパス減衰量調整部を備え、当該エコーパス減衰量調整部が、上記ダブルトーク検出手段で求めたエコーパス減衰量の下落幅が小さくなる方向に調整することが望ましい。
ダブルトーク状態をより正確に検出することができるようになり、エコーパス推定の精度の劣化を防止して、残留エコーを減少させることができる。この結果、エコーキャンセラに対する信頼性が向上する。
以下に、本発明の実施形態に係るエコーキャンセラについて説明する。
本発明は、ダブルトークの検出性能をより正確に行えるダブルトーク検出器を具備することで、ダブルトーク状態であるにも関わらずフィルタの係数更新動作を行うことによって発生するエコーパス推定の制度の劣化を防止して、残留エコーを減少させることができるエコーキャンセラを提供するものである。本発明は、具体的には、エコーキャンセラのRout端パワー包絡と、Rout端パワー包絡から得た予測パワー包絡をSin端パワー包絡から差し引いたエラーパワー包絡とを用いてフィルタ係数を更新し、その適応フィルタのフィルタ係数からエコーパス減衰量を求めることで、ダブルトークを精度良く検出することができ、エコーパス推定の精度の劣化を防止できるものである。
なお、本実施形態においては、エコーキャンセラとして回線エコーキャンセラを例に挙げて説明していくが、音響エコーキャンセラ等の他のエコーキャンセラにも適用することができる。
[第1実施形態]
本実施形態のエコーキャンセラ100を図1に示す。図1は本発明の第1実施形態に係るエコーキャンセラの全体構成を示すブロック図である。
電話機15は、ハイブリッド回路14を介して電話網に接続されている。さらに、エコーキャンセラ100は、ハイブリッド回路14と電話網との間に介在されている。電話機15は、ハイブリッド回路14とエコーキャンセラ100を介して電話網に接続され、この電話網を介して通話相手の電話機(図示せず)と接続される。ハイブリッド回路14は、電話網に存在する4線−2線変換回路であり、インピーダンス不整合によるエコーの発生源となっている。エコーキャンセラ100は、電話機15に対向する図示しない別の電話機側に戻るエコー信号を消去するものである。
エコーキャンセラ100は、疑似エコーを生成してエコーキャンセル処理を行うと共に上記疑似エコーの生成時に用いるフィルタ係数の更新動作を行うエコーキャンセル手段と、ダブルトーク状態を検出したとき上記エコーキャンセル手段でのフィルタ係数の更新動作を停止させるダブルトーク検出手段と、上記ダブルトーク検出手段で用いるフィルタ係数を、入力側及び出力側の音声信号のパワー包絡を用いて更新するフィルタ係数更新手段とを備えて構成されている。
上記フィルタ係数更新手段は、ダブルトーク検出手段でダブルトークを検出するときに用いるフィルタ係数を更新するための手段である。このフィルタ係数更新手段は、Rout端子11の音声信号のパワー包絡を算出するRoutパワー包絡算出部101と、このRoutパワー包絡算出部101で算出したパワー包絡を格納するRoutパワー包絡格納部103と、Sin端子12の音声信号のパワー包絡を算出するSinパワー包絡算出部102と、フィルタ係数を更新するパワー包絡適応フィルタ104と、Sinパワー包絡算出部102のSinパワー包絡からパワー包絡適応フィルタ104の予測パワー包絡を差し引く加算器105とから構成されている。以下、各部について説明する。
Routパワー包絡演算部101は、Rin端子10からの遠端話者音声信号xを入力とし、遠端話者音声信号のパワー包絡値routPを算出する部分である。パワー包絡値は、例えば、10msの音声信号を1フレームとした場合、1フレームあたりの音声信号サンプルの振幅値xを2乗和して算出するものとする(式1参照)。なおここでは、式1で示す方法を例に挙げて説明していくが、これに限定されるものではない。パワー包絡が得られる方法であれば、他の方法を用いても良い。例えば、音声信号の絶対値の総和から求めてもよい。ただし、Sinパワー包絡演算部102と同じ方法でなければならない。
Figure 2006279191
L:1フレームあたりのサンプル数(例えば10ms分の音声信号サンプル数)
n:サンプルの番号(時刻に相当)

Sinパワー包絡演算部102は、近端音声信号y(エコー信号x’と近端話者信号vを含む)を入力とし、近端音声信号のパワー包絡値sinPを算出する部分である。パワー包絡値は、例えば、10msの音声信号を1フレームとした場合、1フレームあたりの音声信号サンプルの振幅値yを2乗和して算出するのとする(式2参照)。なおここでは、式2で示す方法を例に挙げて説明していくが、これに限定するものではない。上記Routパワー包絡演算部101の場合と同様に、パワー包絡が得られる方法であれば、他の方法を用いても良い。例えば、音声信号の絶対値の総和から求めてもよい。ただし、Routパワー包絡演算部101と同じ方法でなければならない。
Figure 2006279191
L:1フレームあたりのサンプル数(例えば10ms分の音声信号サンプル数)
n:サンプルの番号(時刻に相当)

Routパワー包絡格納部103は、Rout端子11とSin端子12間の対応すべきエコー消去領域分のRoutパワー包絡値routPを格納するキューである。例えば、エコーの消去領域を100msまでとしたい場合は、routPを10フレーム分(1フレームは10msとする)格納するキューroutP_queを用意する。この時、畳み込み区間Dの値は10となる。
パワー包絡適応フィルタ104は、Routパワー包絡キューroutP_queを入力とし、パワー包絡適応フィルタ係数αで畳み込み演算を行うことによって、予測パワー包絡predictPを生成する適応フィルタである(式3参照)。
Figure 2006279191
n:時刻(パワー包絡算出毎にインクリメント)
D:畳み込み区間

加算器105は、Sinパワー包絡sinPから、予測パワー包絡predictPを差し引き、エラーパワー包絡errPを出力する(式4参照)。
Figure 2006279191
n:時刻(パワー包絡算出毎にインクリメント)

パワー包絡適応フィルタ104には、FIRフィルタが用いられており、このFIRフィルタのフィルタ係数は、Routパワー包絡キューroutP_queと加算器105の出力信号であるエラーパワー包絡errPをもとに、学習同定法等の公知のアルゴリズムによりパワー包絡適応フィルタ係数αの更新動作(式5参照)を行い、予測パワー包絡predictPを生成する。更新されたパワー包絡適応フィルタ係数αは、ダブルトーク検出部108でのダブルトーク状態の検出の際に用いられる。パワー包絡適応フィルタ104のフィルタ係数αの更新は、Rout端のパワーが予め設けておいた有音、無音との閾値(例えば、−40dB)に相当する値より大きい場合であり、且つRout端のパワーがSin端のパワーより大きい場合にだけ動作する。これ以外の状態、即ちRout端のパワーが閾値より小さい場合であったり、Rout端のパワーがSin端のパワーより小さい場合には、パワー包絡適応フィルタの係数更新動作は停止させる。
Figure 2006279191
n:時刻(パワー包絡算出毎にインクリメント)
μ:ステップゲイン
D:畳み込み区間

ダブルトーク検出手段は、上記フィルタ係数更新手段で更新されたフィルタ係数を用いてエコーパス減衰量を算出すると共にこのエコーパス減衰量を用いてダブルトークを検出するための手段である。このダブルトーク検出手段は、Rout端子11の音声信号の瞬時パワーを取得するRout瞬時パワー取得部106と、Sin端子12の音声信号の瞬時パワーを取得するSin瞬時パワー取得部107と、ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出部108とを備えて構成されている。以下、各部について説明する。
Rout瞬時パワー取得部106は、遠端話者音声信号xを入力とし、瞬時パワーp_routを求める部分である。瞬時パワーp_routは、遠端話者音声信号xの振幅値を2乗し、対数軸をとることによって求める(式6参照)。なおここでは、式6で示す方法を例に挙げて説明するが、瞬時パワーと近似値が得られる方法であれば、これに限定するものでない。例えば、式7で示すように、音声信号の絶対値から求めてもよい。
Figure 2006279191
Figure 2006279191
Sin瞬時パワー取得部107は、近端音声信号yを入力とし、瞬時パワーp_sinを求める部分である。瞬時パワーp_sinは、近端音声信号yの振幅値を2乗じ、対数軸をとることによって求める(式8参照)。なおここでは、式8で示す方法を例に挙げて説明するが、瞬時パワーと近似値が得られる方法であれば、これに限定するものでない。例えば、式9で示すように、音声信号の絶対値から求めてもよい。
Figure 2006279191
Figure 2006279191
ダブルトーク検出部108は、パワー包絡適応フィルタ104のフィルタ係数α、Rout瞬時パワーp_rout、Sin瞬時パワーp_sinを入力とし、ダブルトーク状態の有無を判定する部分である。このダブルトーク検出部108は、パワー包絡適応フィルタ104で更新したフィルタ係数を用いてエコーパス減衰量を算出すると共に、このエコーパス減衰量と、Rout瞬時パワー取得部106で取得したRout瞬時パワーと、Sin瞬時パワー取得部107で取得したSin瞬時パワーとを用いてダブルトークを検出する。
まず初めに、Rout端子11とSin端子12間のエコーパス減衰量AECHOを求める。フィルタ係数の和をとった値が1.0の場合は、ハイブリッド回路14で信号が減衰することなく遠端話者側にエコーとして全反射することを示す。これを基にすると、エコーパス減衰量は式10を用いて求めることができる。なお、Routパワー包絡演算部101、Sinパワー包絡演算部102において、パワー包絡を音声信号の絶対値の総和から求めた場合は、式11によって求められる。
Figure 2006279191
Figure 2006279191
次に、求めたエコーパス減衰量AECHO、Rout瞬時パワーp_rout、Sin瞬時パワーp_sinを用いて、ダブルトーク状態の判定を行う。Rout瞬時パワーp_routに予め有音、無音との閾値(例えば、−40dB)を設けておき(式12参照)、式12と式13の条件を満たす場合は、ダブルトーク状態であると判定する。逆に、式12と式14の条件を満たす場合は、遠端話者音声信号が入力されたRinシングルトーク状態であると判定する。ダブルトーク状態と判定した時はダブルトーク判定フラグDFを1とし、Rinシングルトーク状態と判定した時はダブルトーク判定フラグDFを0とする。このダブルトーク判定フラグDF信号は適応フィルタ109に出力される。
Figure 2006279191
Figure 2006279191
Figure 2006279191
エコーキャンセル手段は、疑似エコーを生成してエコーキャンセル処理を行うと共に疑似エコーの生成時に用いるフィルタ係数の更新動作を行う部分である。このエコーキャンセル手段は、適応フィルタ109と、加算器110とから構成されている。
適応フィルタ109は、遠端話者音声信号xを入力とし、疑似エコーy’を生成する一般的なエコーキャンセラで用いられている適応フィルタである。一般的にFIRフィルタが用いられており、このフィルタ係数は、適応フィルタ109への遠端話者音声信号xと加算器110の出力信号である残留エコー信号zをもとに、学習同定法等の公知のアルゴリズムにより適応フィルタ係数の更新動作を開始し疑似エコーy’を生成する。このとき、適応フィルタ係数の更新動作は、ダブルトーク状態で停止させる必要がある。このため、ダブルトーク検出部108から出力されたダブルトーク判定フラグDFを入力とし、DF=1(ダブルトーク状態)の場合は適応フィルタの係数更新動作を停止する。
加算器110は、Sin端子12に入力される近端音声信号yから、疑似エコーy’を差し引くことによってエコー信号x’を消去する部分である。

[動作]
以上のように構成されたエコーキャンセラ100は、次のように動作してエコーをキャンセルする。
まず、Routパワー包絡演算部101が遠端話者音声信号xを基にパワー包絡値routPを算出する。また、Sinパワー包絡演算部102が近端音声信号yを基にパワー包絡値sinPを算出する。Routパワー包絡演算部101で算出されたパワー包絡値routPはRoutパワー包絡格納部103に格納される。
パワー包絡適応フィルタ104では、Routパワー包絡格納部103からのRoutパワー包絡キューroutP_queを入力とし、パワー包絡適応フィルタ係数αで畳み込み演算を行って、予測パワー包絡predictPを生成し、加算器105に出力する。
加算器105では、パワー包絡適応フィルタ104からの予測パワー包絡predictPと、Sinパワー包絡演算部102からのパワー包絡値sinPとが入力され、Sinパワー包絡sinPから予測パワー包絡predictPが差し引かれて、エラーパワー包絡errPがパワー包絡適応フィルタ104に出力される。
パワー包絡適応フィルタ104では、Routパワー包絡キューroutP_queとエラーパワー包絡errPをもとに、フィルタ係数αの更新動作が行われ、予測パワー包絡predictPが生成されると共に、更新されたパワー包絡適応フィルタ係数αがダブルトーク検出部108に出力される。
ダブルトーク検出手段では、次のように動作する。
まず、Rout瞬時パワー取得部106で、遠端話者音声信号xを基に瞬時パワーp_routが求める。また、Sin瞬時パワー取得部107で、近端音声信号yを基に瞬時パワーp_sinを求める。
ダブルトーク検出部108では、パワー包絡適応フィルタ104のフィルタ係数α、Rout瞬時パワーp_rout、Sin瞬時パワーp_sinを入力とし、ダブルトーク状態の有無を判定する。ここでは、まずパワー包絡適応フィルタ104で更新したフィルタ係数を用いてエコーパス減衰量AECHOを算出する。次いで、このエコーパス減衰量AECHOと、Rout瞬時パワー取得部106で取得したRout瞬時パワーと、Sin瞬時パワー取得部107で取得したSin瞬時パワーとを用いて上記式によってダブルトークを検出する。ここで、ダブルトーク状態と判定した時は、ダブルトーク判定フラグDFを1とし、Rinシングルトーク状態と判定した時はダブルトーク判定フラグDFを0として、このダブルトーク判定フラグDF信号を適応フィルタ109に出力される。
このとき、適応フィルタ109では、DF=1(ダブルトーク状態)の場合は適応フィルタの係数更新動作を停止する。DF=0(シングルトーク状態)の場合は適応フィルタの係数更新動作を開始する。
[効果]
以上のように、パワー包絡適応フィルタ104が、Routパワー包絡キューroutP_queを用いてSin端パワー包絡を予測し、Sinパワー包絡演算部102のSinパワー包絡sinPから予測パワー包絡predictPを差し引いて得たエラーパワー包絡errPとRoutパワー包絡キューroutP_queを用いてフィルタ係数を更新して、この更新されたフィルタ係数をダブルトーク検出部108で用いるため、学習動作が進み収束した場合、正確なエコーパス減衰量を求めることができる。そして、この正確なエコーパス減衰量を用いて、ダブルトーク判定を実施することによって、ダブルトークを精度良く検出することができ、エコーパス推定の精度の劣化を防止でき、残留エコーを減少させることができる。
この結果、エコーキャンセラ100に対する信頼性を向上させることができる。

[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るエコーキャンセラ200について、図2を基に説明する。
エコーキャンセラ200は、電話機15に対向する図示しない別の電話機側に戻るエコー信号を消去するものである。ハイブリッド回路14は、電話網に存在する4線−2線変換回路であり、インピーダンス不整合によるエコーの発生源となっている。エコーキャンセラ200を構成する、Routパワー包絡演算部101、Sinパワー包絡演算部102、Routパワー包絡格納部103、パワー包絡適応フィルタ104、加算器105、Rout瞬時パワー取得部106、Sin瞬時パワー取得部107、適応フィルタ109及び加算器110は、上述した第1実施形態と同様の部材であり、同様に動作する。
ダブルトーク検出部201は、パワー包絡適応フィルタ104内のフィルタ係数α、Rout瞬時パワーp_rout、Sin瞬時パワーp_sinを入力とし、ダブルトーク状態の有無を判定する部分である。このダブルトーク検出部201は、基本的には、第1実施形態で具備しているダブルトーク検出部108と同様の動作をするが、求めたエコーパス減衰量AECHOをそのまま用いるのではなく、調整したエコーパス減衰量AECHO’を用いてダブルトークを判定するところに違いがある。このため、エコーパス減衰量AECHOを調整するAECHO調整部202を設けた。
AECHO調整部202は、エコーパス減衰量AECHOを入力とし、エコーパス減衰量AECHOの値が小さくなる方向の速度を遅くする部分である。1フレーム前のエコーパス減衰量AECHO_oldと現フレームのエコーパス減衰量AECHOを比較して、設計者が任意に設けた閾値(ここでは、2dBとする)より小さくなった場合(式15参照)は、エコーパス減衰量を設計者が任意に設けた速度(ここでは、0.1dB/フレーム)で下落幅を調整する。調整したエコーパス減衰量をAECHO’とする(式16参照)。ここで例として挙げた2dBより大きい下落幅は、ダブルトーク状態になりパワー包絡適応フィルタ104が誤学習してしまったことによるものと考えられる。
AECHO_old−AECHO>2 ・・・(式15)
AECHO_old−0.1=AECHO’ ・・・(式16)
逆に、式15が成立しない場合は、エコーパス減衰量AECHOをそのまま調整したAECHO’とする。
ダブルトーク検出部201は、調整したAECHO’、Rout瞬時パワーp_rout、Sin瞬時パワーp_sinを用いて、ダブルトーク状態の判定を行う。
Rout瞬時パワーp_routに予め有音、無音との閾値(例えば、−40dB)を設けておき(式12参照)、式12と式17の条件を満たす場合は、ダブルトーク状態であると判定する。逆に、式12と式18の条件を満たす場合は、遠端話者音声信号が入力されたRinシングルトーク状態であると判定する。
Figure 2006279191
Figure 2006279191
ダブルトーク状態と判定した時はダブルトーク判定フラグDFを1とし、Rinシングルトーク状態と判定した時はダブルトーク判定フラグDFを0として、適応フィルタ109に出力する。
これ以外の動作は、上述した第1実施形態の動作と同様である。
[効果]
ダブルトーク状態の時、パワー包絡適応フィルタ104の更新停止が遅れ、フィルタ係数αが乱れた場合においても、エコーパス減衰量の算出誤りを軽減することができる。
これにより、より高い精度でダブルトークを検出することができ、エコーパス推定の精度の劣化を防止でき、残留エコーを減少させることができる。
本発明の第1実施形態に係るエコーキャンセラの全体構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るエコーキャンセラの全体構成を示すブロック図である。
符号の説明
10:Rin端子、11:Rout端子、12:Sin端子、14:ハイブリッド回路、15:電話機、100:エコーキャンセラ、101:Routパワー包絡算出部、102:Sinパワー包絡算出部、103:Routパワー包絡格納部、104:パワー包絡適応フィルタ、105:加算器、106:Rout瞬時パワー取得部、107:Sin瞬時パワー取得部、108:ダブルトーク検出部、109:適応フィルタ、110:加算器、200:エコーキャンセラ、201:ダブルトーク検出部、202:AECHO調整部。

Claims (4)

  1. 疑似エコーを生成してエコーキャンセル処理を行うと共に上記疑似エコーの生成時に用いるフィルタ係数の更新動作を行うエコーキャンセル手段と、ダブルトーク状態を検出したとき上記エコーキャンセル手段でのフィルタ係数の更新動作を停止させるダブルトーク検出手段とを備えたエコーキャンセラであって、
    上記ダブルトーク検出手段で用いるフィルタ係数を、入力側及び出力側の音声信号のパワー包絡を用いて更新するフィルタ係数更新手段を備え、
    上記ダブルトーク検出手段が、上記フィルタ係数更新手段で更新されたフィルタ係数を用いてエコーパス減衰量を算出すると共に当該エコーパス減衰量を用いてダブルトークを検出する機能を備えたことを特徴とするエコーキャンセラ。
  2. 請求項1に記載のエコーキャンセラにおいて、
    上記フィルタ係数更新手段が、
    Rout端の音声信号のパワー包絡を算出するRoutパワー包絡算出部と、
    当該Routパワー包絡算出部で算出したパワー包絡を格納するRoutパワー包絡格納部と、
    Sin端の音声信号のパワー包絡を算出するSinパワー包絡算出部と、
    上記Routパワー包絡格納部に格納されたRoutパワー包絡を入力として上記Sin端の音声信号のパワー包絡を予測すると共に上記Sinパワー包絡算出部で算出したSinパワー包絡から上記予測パワー包絡を差し引いてエラーパワー包絡を算出し、当該エラーパワー包絡と上記Routパワー包絡とを基に上記フィルタ係数を更新するパワー包絡適応フィルタとを備え、
    上記ダブルトーク検出手段が、上記パワー包絡適応フィルタで更新されたフィルタ係数を用いてダブルトークを検出することを特徴とするエコーキャンセラ。
  3. 請求項2に記載のエコーキャンセラにおいて、
    上記ダブルトーク検出手段が、上記Rout端の音声信号の瞬時パワーを取得するRout瞬時パワー取得部と、上記Sin端の音声信号の瞬時パワーを取得するSin瞬時パワー取得部と、ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出部とを備え、
    上記ダブルトーク検出部が、上記パワー包絡適応フィルタで更新したフィルタ係数を用いてエコーパス減衰量を算出すると共に、当該エコーパス減衰量と、上記Rout瞬時パワー取得部で取得したRout瞬時パワーと、上記Sin瞬時パワー取得部で取得したSin瞬時パワーとを用いてダブルトークを検出することを特徴とするエコーキャンセラ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエコーキャンセラにおいて、
    上記ダブルトーク検出手段で求めたエコーパス減衰量を調整するエコーパス減衰量調整部を備え、
    当該エコーパス減衰量調整部が、上記ダブルトーク検出手段で求めたエコーパス減衰量の下落幅が小さくなる方向に調整することを特徴とするエコーキャンセラ。

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