JP2021034607A - 熱電変換デバイスおよび製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッケージで封止され、性能低下しにくい熱電変換モジュールを簡便に提供する。【解決手段】熱電変換デバイスは、第一基板及び第二基板の一方から引き出されたリード線15を有する熱電変換モジュールと、リード線が外部に引き出された状態で熱電変換モジュールを気密状態で収容するパッケージとを備える。パッケージは、第一金属箔21と、第二金属箔22と、熱電変換モジュールの周囲において第一金属箔と第二金属箔とを気密に接合する樹脂部23とを有する。リード線は、第一金属箔と第二金属箔との間を通ってパッケージの外部に引き出されている。樹脂部は、第一金属箔または第二金属箔に接する第一樹脂層230と、第一樹脂層とリード線との間に配置された第二樹脂層240とを有し、第二樹脂層の150℃における貯蔵弾性率は、第一樹脂層の150℃における貯蔵弾性率よりも低い。【選択図】図6

Description

本発明は、熱電変換モジュールがパッケージで封止された熱電変換デバイス、およびこの熱電変換デバイスの製造方法に関する。
熱電変換モジュールとして、熱電材料のペルチェ効果を利用した冷却モジュールや、熱電材料のゼーベック効果を利用した発電モジュール等が知られている。熱電変換モジュールの用途の拡大などに伴い、熱電変換モジュールの使用環境も多様化している。熱電変換モジュールは、熱電材料が酸化したり腐食したりすると性能が低下する。
特許文献1には、熱電材料の酸化や腐食を防止可能な熱電変換モジュールが開示されている。この熱電変換モジュールは、低温側基板を覆う金属製冷却板と、高温側基板を覆う金属製蓋体とから構成されるパッケージで気密に封止された構成を有する。特許文献1に記載の熱電変換モジュールは、熱電材料が外部環境に接触しないため、耐環境性に優れる。
特開2006−49872号公報
特許文献1に係る熱電変換モジュールでは、金属製冷却板と金属製蓋体とが溶接等の手段で接合されている。したがって、この熱電変換モジュールでは、金属製冷却板と金属製蓋体とが熱的に接続されているため、低温側基板と高温側基板との間に温度差がつきにくい。その結果、冷却性能や発電性能が大幅に低下する。
特許文献1に係る熱電変換モジュールでは、リード線が金属製蓋体から引き出されている。リード線及び金属製蓋体はいずれも金属で形成されているため、リード線と金属製蓋体とを電気的に絶縁し、かつリード線と金属製蓋体とを気密に封止するための構成が必要となる。つまり、この熱電変換モジュールは、製造プロセスが煩雑であり、製造コストが高い。
上記事情を踏まえ、本発明は、パッケージで封止され、性能低下しにくい熱電変換モジュールを簡便に提供できる技術を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、第一基板と第二基板との間に複数の熱電素子が配列され、第一基板及び第二基板の一方から引き出されたリード線を有する熱電変換モジュールと、リード線が外部に引き出された状態で熱電変換モジュールを気密状態で収容するパッケージとを備える熱電変換デバイスである。
パッケージは、熱電変換モジュールの第一基板側を覆う第一金属箔と、熱電変換モジュールの第二基板側を覆う第二金属箔と、熱電変換モジュールの周囲において第一金属箔と第二金属箔とを気密に接合する樹脂部とを有する。リード線は、第一金属箔と第二金属箔との間を通ってパッケージの外部に引き出されている。樹脂層は、第一金属箔または第二金属箔に接する第一樹脂層と、第一樹脂層とリード線との間に配置された第二樹脂層とを有する。第二樹脂層の150℃における貯蔵弾性率は、第一樹脂層の150℃における貯蔵弾性率よりも低い。
本発明の第二の態様は、本発明の熱電変換デバイスの製造方法である。この製造方法では、第二の熱硬化性接着剤からなる第二シートを使ってリード線を挟み、第二シートを、第一の熱硬化性接着剤からなる第一シートで挟み、第一金属箔と第二金属箔との間に熱電変換モジュールを収容し、第一シートおよび第二シートを、熱電変換モジュールの周囲かつ第一金属箔と第二金属箔との間に配置し、第一金属箔と第二金属箔との間の空間を真空状態としつつ、第一シートおよび第二シートに熱および圧力を加えて第一金属箔と第二金属箔とを接合する。
第二の熱硬化性接着剤の硬化前の流動性は、第一の熱硬化性接着剤の硬化前の流動性よりも高い。
本発明によれば、パッケージで封止され、性能低下しにくい熱電変換モジュールを簡便に提供できる。
本発明の一実施形態に係る熱電変換デバイスを示す斜視図である。 上記熱電変換デバイスを一部透過させて示す斜視図である。 図1のI−I線における断面図である。 図1のII−II線における断面図である。 図1のIII−III線における断面図である。 図5の一部を示す部分拡大図である。 同熱電変換デバイスの製造方法の一過程を示す図である。 同熱電変換デバイスの製造方法の一過程を示す図である。 同熱電変換デバイスの変形例を示す断面図である。
本発明の一実施形態について、図1から図9を参照して説明する。図面には、必要に応じて相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。各軸において、矢印が延びる方向を「正方向」、正方向と逆の方向を「負方向」と称する。
[熱電変換デバイスの全体構成]
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る熱電変換デバイス1の斜視図である。図3は、熱電変換デバイス1の図1のI−I線に沿った断面図である。図4は、熱電変換デバイス1の図1のII−II線に沿った断面図である。
熱電変換デバイス1は、熱電変換モジュール10とパッケージ20とを備え、熱電変換モジュール10がパッケージ20によって気密に封止された構成を有する。図2では、パッケージ20を破線で示し、パッケージ20を透過させて内部の熱電変換モジュール10を示している。
熱電変換モジュール10は、熱電変換デバイス1の本体を構成する。パッケージ20は、熱電変換モジュール10を気密に封止している。
(熱電変換モジュール10)
本実施形態の熱電変換モジュール10は、低温側基板である第一基板12と、高温側基板である第二基板13と、熱電素子11と、リード線15とを具備する。第一基板12及び第二基板13は相互に対向して配置されている。熱電素子11は、複数対のP型及びN型熱電素子から構成され、第一基板12と第二基板13との間に配列されている。リード線15は、一対の導電線として構成され、それぞれ第一基板12に接合されている。
第一基板12および第二基板13は、それぞれXY平面に平行な矩形状の平板として構成される。第一基板12および第二基板13は、耐熱性に優れる絶縁体材料で形成されている。第一基板12および第二基板13の熱伝導性が高いほど熱電変換モジュール10の熱電変換効率が向上するため、第一基板12および第二基板13は熱伝導率が高い材料によって薄く形成されていることが好ましい。第一基板12および第二基板13を形成する材料としては、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミック材料を用いることができる。更に、第一基板12および第二基板13は、いわゆるフレキシブル基板などの、樹脂を基材として用いた基板であってもよい。
第一基板12および第二基板13には、電極14が形成されている。第一基板12においては、図2における上側の面(Z軸正方向側の面)に電極14が形成されている。第二基板13においては、図2の下側の面(Z軸負方向側の面)に電極14が形成されている。したがって、第一基板12の電極14と第二基板13の電極14とがZ軸方向に対向している。電極14は、導電性材料で形成され、第一基板12および第二基板13上において、それぞれ一対の熱電素子11を電気的に接続している。電極14は、第一基板12と第二基板13との間ですべての熱電素子11を直列接続するようにパターニングされている。
第一基板12および第二基板13の電極14は、例えば、金(Au)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、銅(Cu)や、これらの合金などを用いて構成することができる。第一基板12および第二基板13は、単層構造であってもよいし、複数の金属材料を組み合わせた複層構造であってもよい。
第一基板12および第二基板13における電極14の形成方法は、特定の方法に限定されず、公知の方法から適宜選択可能である。
一例として、電極14は、第一基板12および第二基板13に対して金属めっき処理を施すことにより形成できる。電極14の形成には、必要に応じて多層めっきを用いることができる。金属めっき処理は、第一基板12および第二基板13が切り出される前のウエハの段階で行うことができる。
更に、第一基板12および第二基板13は、銅で形成された電極14が直接接合されたDBC(Direct Bonded Copper)基板であってもよい。
熱電素子11は、P型の熱電素子とN型の熱電素子とで構成される。熱電変換デバイス1の熱電変換モジュール10は、リード線15が接続されるY軸方向の2隅を除き、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ10列に配列された49対の熱電素子11を有する。すなわち、第一基板12と第二基板13との間には、49個のP型の熱電素子と、49個のN型の熱電素子とが交互に配列されている。
熱電素子11は熱電材料により形成されている。P型の熱電素子はP型熱電材料により形成され、N型の熱電素子はN型熱電材料により形成されている。熱電素子11を形成する熱電材料としては、例えば、比較的低温で良好な性能を示すビスマス−テルル系熱電材料を例示できる。その他にも、ハーフホイスラー系熱電材料、シリサイド系熱電材料、鉛−テルル系熱電材料、シリコン−ゲルマニウム系熱電材料、スクッテルダイト系熱電材料、テトラヘドライト系熱電材料等を使用できる。
リード線15は、第一基板12のY軸方向の2隅に接合され、Y軸方向に引き出されている。つまり、リード線15は、第一基板12における熱電素子11が配置されていない2ヶ所において電極14に接続されている。したがって、各リード線15は、Y軸方向に隣接する熱電素子11に電極14を介して電気的に接続されている。リード線15の第一基板12への接合には、例えば、はんだ、ろう材、導電性ペーストなどの公知の接合材を使用できる。
以上のような構成により、熱電変換モジュール10では、一対のリード線15間において、すべての熱電素子11が直列接続されている。
熱電変換モジュールの構成は、上述した熱電変換モジュール10の構成には限られず、熱電変換デバイス1の用途などに応じて様々に変更できることは勿論である。例えば、熱電素子11の数や配列、第一基板12および第二基板13の形状などについて、上記の構成から適宜変更を加えることが可能である。また、第一基板12および第二基板13は複数の基板で構成されてもよい。
(パッケージ20)
パッケージ20は、第一金属箔21と、第二金属箔22と、樹脂部23とを具備する。第一金属箔21は、熱電変換モジュール10の図3における下面(Z軸負方向の面)に配置され、熱電変換モジュール10の第一基板12側を覆っている。第二金属箔22は、熱電変換モジュール10の図3における上側の面(Z軸正方向側の面)に配置され、熱電変換モジュール10の第二基板13側を覆っている。樹脂部23は、熱電変換モジュール10の平面視における周囲に設けられ、第一金属箔21と第二金属箔22とを接合するとともに、第一金属箔21と第二金属箔22との間を気密に封止している。
第一金属箔21の外縁部には、熱電素子11に隣接する位置までZ軸正方向に延びる側壁部21aと、側壁部21aの上端部からX軸正方向及びY軸正方向に延びるフランジ部21bとが設けられている。第二金属箔22の外縁部には、熱電素子11に隣接する位置までZ軸負方向に延びる側壁部22aと、側壁部22aの下端部からX軸正方向及びY軸正方向に延びるフランジ部22bとが設けられている。
このような構成により、第一金属箔21のフランジ部21bと第二金属箔22のフランジ部22bとが、熱電変換モジュール10のZ軸方向の中間位置においてZ軸方向に対向している。樹脂部23は、第一金属箔21のフランジ部21bと第二金属箔22のフランジ部22bとの間に配置され、第一金属箔21と第二金属箔22との間を気密に接続している。
熱電変換デバイス1では、第二金属箔22に側壁部22aを設けることにより、樹脂部23を第二基板13からZ軸負方向に離して配置することができる。これにより、熱電変換デバイス1の使用時において、使用中に高温となる第二基板13の熱が樹脂部23に加わりにくくなるため、樹脂部23が損傷を受けにくくなる。このため、熱電変換デバイス1では、高い耐久性及び信頼性が得られる。
また、パッケージ20では、フランジ部21b、22bを設けることにより、各金属箔21、22の樹脂部23による接合面積を広く確保することができる。これにより、金属箔21、22が樹脂部23を介してより良好に接続されるため、熱電変換デバイス1の耐久性及び信頼性が向上する。
このような観点から、フランジ部21b,22bのX軸方向及びY軸方向における寸法L(図3参照)は、ある程度大きいことが好ましい。具体的には、寸法Lが2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることが更に好ましい。
図4に示すように、樹脂部23には、熱電変換モジュール10のリード線15をパッケージ20の外側に引き出すための挿通部23aが設けられている。リード線15は、第一基板12から挿通部23aの高さまで引き出され、挿通部23aにおいて樹脂部23の機密状態を保持しつつ貫通している。これにより、熱電変換デバイス1では、熱電変換モジュール10のリード線15のみがパッケージ20の外側に露出している。このように、パッケージ20では、第一金属箔21および第二金属箔22の封止と、リード線15の引き出しとを樹脂部23において一括して行うことができる。これにより、熱電変換デバイス1の製造コストを低減することができる。
図5は、図1のIII−III線における断面図であり、フランジ部21bおよび22bならびに樹脂部23の断面を示している。図6は、図5の一点鎖線で示す領域を拡大して示す部分断面図であり、特に挿通部23aの断面を拡大して示している。
樹脂部23は、第一金属箔21または第二金属箔22に接する第一樹脂層230と、第一樹脂層230とリード線15との間に配置された第二樹脂層240とを備える。図6に示すように、挿通部23aを貫通するリード線15の周囲は、少なくともリード線15の長手方向における一部において全周を第二樹脂層240に囲まれている。
第二樹脂層240は、第一樹脂層230よりも柔軟である。具体的には、第一樹脂層230の貯蔵弾性率は、第二樹脂層240の貯蔵弾性率よりも高い。例えば、熱硬化後の150℃における貯蔵弾性率を、第一樹脂層230において4Mpa超7Mpa以下、第二樹脂層240において0.1Mpa以上4Mpa以下とできる。
第一樹脂層230および第二樹脂層240は、いずれも熱硬化性の接着剤が高温で硬化されることにより形成されている。硬化される前の状態においては、第二樹脂層240の方が第一樹脂層230よりも流動性が高い。
本実施形態では、第二樹脂層となる第二の熱硬化性接着剤をリード線15の周囲に配置するため、第二の熱硬化性接着剤がリード線15の形状に良好に追従してリード線15の周囲を囲む。このとき、第一樹脂層となる第一の熱硬化性接着剤が第二の熱硬化性接着剤の周囲に配置されているため、第二の熱硬化性接着剤が際限なく広がらずにリード線15の周囲に留まる。その結果、リード線15の周囲が隙間なく封止された状態で第二樹脂層240が形成され、第二樹脂層240の周囲に第一樹脂層230が形成される。
上述した第一の熱硬化性接着剤と第二の熱硬化性接着剤とは、ベースの樹脂が同一であることが好ましい。この場合、熱硬化の過程において、第一樹脂層230と第二樹脂層240とが境界部において相溶し、明確な界面を生じなくなる。その結果、界面によって気密性が低下することを防止できる。
第一の熱硬化性接着剤および第二の熱硬化性接着剤として、熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、およびオルガノポリシロキサンを含有する電子部品用接着剤組成物を好適に使用できる。この組成物は、シート状とすることもでき、後述する製造方法にも使用しやすい。
上述したように、リード線15は、挿通部23aにおいてその全周を第一樹脂層230と第二樹脂層240とを有する樹脂部23によって被覆されている。さらに、樹脂部23がリード線15を第一金属箔21および第二金属箔22からなるフランジ部21bおよび22bから隔てている。このため、熱電変換デバイス1では、リード線15が各金属箔21、22と接触することによるショートが好適に防止される。
(熱伝達層31、32)
図3および図4に示すように、熱電変換デバイス1は、熱伝達層31および32を具備する。熱伝達層31は、第一基板12と第一金属箔21との間に設けられ、第一基板12及び第一金属箔21に密着している。熱伝達層32は、第二基板13と第二金属箔22との間に設けられ、第二基板13及び第二金属箔22に密着している。熱伝達層31および32は、各基板と、それに対向する金属箔との間の熱抵抗を低減することにより、基板と金属箔との間の熱伝達性を向上させる。
熱伝達層31、32は、本実施形態の熱電変換デバイス1に必須でないため、省略されてもよい。
上記の構成を備える熱電変換デバイス1の製造方法の一例について説明する。
まず、図7に示すように、熱電変換モジュール10のリード線15を、第二の熱硬化性接着剤で形成された2枚のシート(第二シート)101で挟む(ステップA)。このとき、図7に示すように、2本のリード線15を同一のシート101で挟んでもよいし、各リード線を独立したシートで挟んでもよい。
前者は作業が簡便になる利点がある。後者は、シート101が高価である等の場合に、シート101の総面積を抑制してコストを低減できる利点がある。あるいは、1枚のシート101を折り曲げてその間にリード線15を挟んでもよい。
次に、シート101をヒートシール機に挟み、熱および圧力をかける(ステップB)。シート101を構成する第二の熱硬化性接着剤は流動性が高いため、ステップBにおいてリード線15の周囲を隙間なく取り囲む。さらに、第二の熱硬化性接着剤が流動して軟化前のシート101に生じていたいリード線15の厚みによる段差を吸収する結果、ステップB後のシート101の上面および下面は概ね平坦となる。
ステップBにおける熱および圧力の条件は、例えば150℃、0.20MPa、10秒とできる。熱および圧力が過剰となると、第二の熱硬化性接着剤が流れ出してリード線の一部が覆われなくなることがある点に留意する。
ステップBにおいて、シート101の厚さを、リード線15の厚みと同程度とすると、段差を吸収しやすい。
並行して、金属箔を成形してフランジ部を有する第一金属箔21および第二金属箔22を用意する。さらに、第一の熱硬化性接着剤で形成された枠状のシート(第一シート)102を2枚用意する。シート102の枠形状は、第一金属箔21および第二金属箔22のフランジ部の形状と概ね一致している。シート102の枠幅は、フランジ部の幅以下とするのが好ましい。
次に、第一金属箔21のフランジ部21b上にシート102を1枚配置する。さらに、図8に示すように、第一金属箔21のフランジ部21bで囲まれた領域に熱電変換モジュール10を配置し、リード線15に取り付けられたシート101をシート102上に配置して、リード線15の一部をフランジ部22bの外側に位置させる。
さらに、シート101を覆うようにもう一枚のシート102をフランジ部21b上に配置し、その上から第二金属箔22を、フランジ部21bとフランジ部22bとが対向するように配置する。これにより、熱電変換モジュール10は、リード線15の一部を除き、第一金属箔21と第二金属箔22との間に収容される(ステップC)。
このとき、リード線15が配置された辺と反対側の辺において、シート101と一方のシート102との間に離型紙を挟んでおく。
次に、フランジ部21bおよび22bを挟んで熱および圧力を加え、フランジ部21bとフランジ部22bとの間に位置するシート101および102を流動させ、その後硬化させる。
第一金属箔21および第二金属箔22の平面視における四辺のうち、リード線15に取り付けられたシート101が配置された辺P1における熱および圧力の条件は、例えば150℃、0.092MPa、10秒とできる。
リード線15および離型紙がなく、シート102のみが配置された辺P2およびP3の熱および圧力の条件は、例えば150℃、0.3MPa、20秒とできる。
辺P1、P2、P3において、シート101および102が硬化されると、熱電変換モジュール10の仮パッケージングが完了する(ステップD)。
ステップDにおいて、リード線15が配置された辺P1では、シート101が軟化した第二の熱硬化性接着剤が、シート102が軟化した第一の熱硬化性接着剤によって広がりを抑えられつつ、リード線15の周囲を隙間なく封止する。その結果、第一樹脂層230および第二樹脂層240を有する樹脂部23が形成されて第一金属箔21と第二金属箔22とが接合される。第一の熱硬化性接着剤と第二の熱硬化性接着剤とが同質の樹脂からなる場合は、明確な界面を有さずに一体となった第一樹脂層230および第二樹脂層240が形成される。
辺P2およびP3では、第一の熱硬化性接着剤が硬化した第一樹脂層230のみからなる樹脂部により、第一金属箔21と第二金属箔22とが接合される。
残る辺P4は、離型紙(不図示)により、シート101と一方のシート102とが接合されていない状態が維持される。以降の説明において、この辺P4を「開放辺」と称する。
次に、形成された隙間が塞がらないように離型紙を外して開放辺P4を真空シール機に接続し、不活性ガスで置換しつつ熱電変換モジュール10が収容された空間の真空引きを行う(ステップE)。不活性ガスとして、窒素が使用できる。真空引きの条件は、例えば−95kPaとできる。
最後に、真空引き状態を保持しながら開放辺P4のフランジ部21bおよび22bを挟んで熱および圧力を加えながら離型紙を除去する(ステップF)。開放辺P4の熱および圧力の条件は、例えば150℃、0.3MPa、30秒とできる。
開放辺P4の樹脂部が接合されて封止されると、パッケージ20内に熱電変換モジュール10が真空パッケージされた熱電変換デバイス1が完成する。
上述の方法により製造された熱電変換デバイス1は、熱電変換モジュール10が真空パッケージされているため、環境耐性が高く、熱電変換モジュール10の性能が低下しにくい。
また、パッケージ20の外部に引き出されたリード線15の周囲を封止する樹脂部23は、第一樹脂層230と第二樹脂層240を含み、硬化前の流動性が相対的に高い第二樹脂層240がリード線15の周囲に位置し、硬化前の流動性が相対的に低い第一樹脂層230が第二樹脂層240の周囲に配置され、第二樹脂層240の流動範囲を制限している。その結果、リード線15の周囲に隙間が生じにくく、パッケージ20内の真空状態が好適に維持される。さらに、リード線15と第一金属箔21および第二金属箔22との距離も樹脂部23により適正に保持され、リード線とパッケージの金属箔との絶縁状態も良好に保持される。
さらに、本実施形態の製造方法によれば、ステップAにおいて、リード線15を第二樹脂層となる第二シート101を使って挟むため、リード線15の周囲に第二樹脂層を簡便に形成できる。
第一樹脂層および第二樹脂層を形成する接着剤の両方をシートとすることで、パッケージの周縁に均一に熱硬化性接着剤を配置できる。その結果、接着剤の過不足によるはみだしや引け等の不具合が発生せず、簡便に製造できる。
なお、ステップAにおいて、第二シート101と第一シート102とでリード線15が挟まれてもよい。この場合も、シート101が軟化した第二の熱硬化性接着剤の流動性が高いため、リード線15の周囲全体に第二樹脂層240が形成される。この場合、シート101がリード線15の片側のみに配置されるため、リード線15の断面形状を円形としたり、矩形の断面形状の頂点部分をシート102と接触させたりして、リード線15とシート102との接触面積を小さくするのが好ましい。
上述した製造方法では、第一金属箔および第二金属箔の両方が成型されている例を説明したが、第一金属箔および第二金属箔の一方が平坦であってもよい。この場合、図9に示す変形例の様に、使用中に高温とならない側の第一基板12に接する第一金属箔21を平坦にすると、使用中に高温となる第二基板13から樹脂部23をより遠ざけることができ、熱電変換デバイスの耐久性及び信頼性を更に向上できる。
本実施形態の熱電変換デバイスについて、実施例および比較例を用いてさらに説明する。本発明の技術思想は、実施例および比較例の具体的内容により何ら限定されない。
(熱電変換モジュール)
第一基板12のサイズを幅(X軸方向)40mm、長さ(Y軸方向)32mm、高さ(Z軸方向)2mmとし、第二基板13のサイズを幅(X軸方向)40mm、長さ(Y軸方向)35mm、高さ(Z軸方向)2mmとした。熱電素子11は、ビスマス−テルル系熱電材料で形成した。
熱伝達層31としてシリコングリスを、熱伝達層32としてグラファイトシートを、それぞれ使用した。
リード線15の断面形状は、厚さ50μm、幅2mmの略長方形であった。
(パッケージ)
第一金属箔21および第二金属箔22として、厚さ80μmのアルミニウム箔を使用した。下側の第一金属箔21は上述した変形例の様に平坦とし、第二金属箔22のみを成型した。
シート101として、東レ株式会社製の接着シート ファルダ(登録商標) TSA−18(厚さ50μm)を使用した。シート101の150℃における粘度は、733パスカル秒(Pa・s)である。
シート102として、東レ株式会社製 ファルダ TSA−16(厚さ50μm)を使用した。シート102の150℃における粘度は、4701Pa・sである。
(実施例1)
上述の材料を使い、上述した製造方法にて実施例1の熱電変換デバイスを作製した。ステップAの詳細、接合条件、および真空引き条件は以下の通りとした。
ステップA リード線15を2枚のシート101で挟む
ステップB 接合条件 150℃、0.20MPa、10秒
ステップD 接合条件
リード線が配置された辺 150℃、0.092MPa、10秒
他の2辺 150℃、0.3MPa、20秒
ステップE 真空引き条件 −95kPa
ステップF 接合条件 150℃、0.3MPa、30秒
(実施例2)
ステップAにおいて、下側のシート101を同一サイズのシート102に変更した。それ以外は実施例1と同様の手順で実施例2の熱電変換デバイスを作製した。
(実施例3)
ステップAにおいて、上側のシート101を同一サイズのシート102に変更した。それ以外は実施例1と同様の手順で実施例3の熱電変換デバイスを作製した。
(比較例1)
ステップAにおいて、両側のシート101を同一サイズのシート102に変更した。それ以外は実施例1と同様の手順で比較例1の熱電変換デバイスを作製した。比較例1においては、樹脂部に第二樹脂層240が存在しない。
(比較例2)
ステップAにおいて、上側のシート101を同一サイズのシート102に変更し、ステップDにおいて、下側のシート102を同一サイズのシート101に変更した。それ以外は実施例1と同様の手順で比較例2の熱電変換デバイスを作製した。比較例2においては、第二樹脂層240の下側に第一樹脂層230が存在しない。
(比較例3)
ステップAにおいて、下側のシート101を同一サイズのシート102に変更し、ステップDにおいて、上側のシート102を同一サイズのシート101に変更した。それ以外は実施例1と同様の手順で比較例3の熱電変換デバイスを作製した。比較例3においては、第二樹脂層240の上側に第一樹脂層230が存在しない。
(比較例4)
ステップDにおいて、両側のシート102を同一サイズのシート101に変更した。それ以外は実施例1と同様の手順で比較例4の熱電変換デバイスを作製した。比較例4においては、樹脂部に第一樹脂層230が存在しない。
実施例および比較例の熱電変換デバイスについて、以下の評価を行った。
(真空状態の持続性評価)
熱電変換デバイスを24時間放置し、第一金属箔および第二金属箔の表面外観を評価した。評価は以下の2通りとした。
OK:第一金属箔および第二金属箔に、収容された熱電変換モジュールの形状を視認できる。
NG:第一金属箔および第二金属箔の少なくとも一方において、収容された熱電変換モジュールの形状を視認できない。
(リード線とパッケージとの絶縁性評価)
デジタルマルチメーターの端子をリード線15と第一金属箔21、およびリード線15と第一金属箔21に接触させ、導通の有無を確認した。評価は以下の2通りとした。
OK:上記のいずれも絶縁されている。
NG:上記のいずれかが導通している。
結果を表1に示す。
Figure 2021034607
表1に示すように、いずれの実施例も、真空状態の持続性と、リード線とパッケージとの絶縁性とが両立されていた。
比較例1では、製造直後は真空状態であったものの、真空状態の持続性は十分でなかった。これは、リード線の周囲に形成された第一樹脂層の硬化前の流動性が低いため、リード線の周囲が十分封止されなかったことによるものと考えられた。
比較例2から4では、リード線とパッケージとの絶縁性が十分確保できなかった。これは、少なくとも一方の金属箔側において、第二樹脂層と金属箔との間に第一樹脂層が存在しないことにより、リード線と金属箔との間に、樹脂部が十分存在しない部位が生じることによると考えられた。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。以下にいくつか変更を例示するが、これらはすべてではなく、それ以外の変更も可能である。これらの変更が2以上適宜組み合わされてもよい。
・パッケージにおいて、第一金属箔と第二金属箔とは必ずしも別個である必要はない。一枚の金属箔を折り曲げて第一金属箔および第二金属箔が形成されてもよい。
・第二樹脂層は、第一金属箔と第二金属箔との間に位置するリード線をすべて覆わなくてもよい。第一金属箔と第二金属箔との間において、リード線の長手方向の少なくとも一部において第二樹脂層がリード線を全周にわたり覆っていれば、真空状態を好適に維持できる。
・リード線が樹脂等で被覆され、パッケージ内部における電気的短絡が防止されてもよい。
1 熱電変換デバイス
10 熱電変換モジュール
11 熱電素子
12 第一基板
13 第二基板
15 リード線
20 パッケージ
21 第一金属箔
22 第二金属箔
23 樹脂部
101 シート(第二シート)
102 シート(第一シート)
230 第一樹脂層
240 第二樹脂層

Claims (5)

  1. 第一基板と第二基板との間に複数の熱電素子が配列され、前記第一基板及び前記第二基板の一方から引き出されたリード線を有する熱電変換モジュールと、
    前記リード線が外部に引き出された状態で前記熱電変換モジュールを気密状態で収容するパッケージと、
    を備え、
    前記パッケージは、
    前記熱電変換モジュールの前記第一基板側を覆う第一金属箔と、
    前記熱電変換モジュールの前記第二基板側を覆う第二金属箔と、
    前記熱電変換モジュールの周囲において前記第一金属箔と前記第二金属箔とを気密に接合する樹脂部と、を有し、
    前記リード線は、前記第一金属箔と前記第二金属箔との間を通って前記パッケージの外部に引き出されており、
    前記樹脂部は、
    前記第一金属箔または前記第二金属箔に接する第一樹脂層と、
    前記第一樹脂層と前記リード線との間に配置された第二樹脂層とを有し、
    前記第二樹脂層の150℃における貯蔵弾性率が、前記第一樹脂層の150℃における貯蔵弾性率よりも低い、
    熱電変換デバイス。
  2. 前記第一樹脂層の150℃における貯蔵弾性率が、4Mpaより大きく7Mpa以下であり、
    前記第二樹脂層の150℃における貯蔵弾性率が、0.1Mpa以上4Mpa以下である、
    請求項1に記載の熱電変換デバイス。
  3. 前記第二樹脂層が、前記リード線の長手方向における少なくとも一部において、前記リード線の周囲を囲んでいる、請求項1に記載の熱電変換デバイス。
  4. 前記第一樹脂層および前記第二樹脂層が、熱硬化型のエポキシ樹脂を主成分とする、
    請求項1に記載の熱電変換デバイス。
  5. 請求項1に記載の熱電変換デバイスの製造方法であって、
    第二の熱硬化性接着剤からなる第二シートを使って前記リード線を挟み、
    前記第二シートを、第一の熱硬化性接着剤からなる第一シートで挟み、
    前記第一金属箔と前記第二金属箔との間に前記熱電変換モジュールを収容し、
    前記第一シートおよび前記第二シートを、前記熱電変換モジュールの周囲かつ前記第一金属箔と前記第二金属箔との間に配置し、
    前記第一金属箔と前記第二金属箔との間の空間を真空状態としつつ、前記第一シートおよび前記第二シートに熱および圧力を加えて前記第一金属箔と前記第二金属箔とを接合し、
    前記第二の熱硬化性接着剤の硬化前の流動性は、前記第一の熱硬化性接着剤の硬化前の流動性よりも高い、
    熱電変換デバイスの製造方法。
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