JP2021032520A - 空気調和機及びその配管取出口閉塞板 - Google Patents

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Abstract

【課題】空調能力が高く、大規模空間を効率的に冷房または暖房することができ、容易な配管施工で筐体の配管取出口が閉塞された移動型の空気調和機を提供する。【解決手段】車輪を有する移動可能な架台40に載置され冷媒配管28を介して接続された室内ユニット10及び室外ユニット20と、それらの配管取出口17、27に取り付けられた配管取出口閉塞板30と、を具備し、配管取出口閉塞板30は、室内ユニット10または室外ユニット20の筐体の外面に接着された閉塞シートと、閉塞シートの外面に接着されたカバー板と、を有し、冷媒配管28を通す配管孔部が形成されており、配管孔部を分開して冷媒配管を挟むよう取り付けられた2つの分割された部分から構成されている。これにより、配管取出口17、27の間隙を塞ぐことができ、その閉塞を剥がすことなく空気調和機1を搬送して大規模空間を効率的に冷房または暖房することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、室内機と室外機を一体化した移動可能なスポット空調用の空気調和機、及び空気調和機の配管取出口に取り付けられる配管取出口閉塞板に関する。
従来、冷凍サイクルを利用する空気調和機において、蒸発器と凝縮器を一体的に備えて移動可能とした構成が知られている。
例えば、特許文献1には、枠体内に、冷媒を圧縮する圧縮機と、高温のガス状冷媒が送られるコンデンサと、液化した冷媒が減圧器を介して送られるエバポレータと、を設け、エバポレータで気化した冷媒が圧縮機に戻される冷凍サイクルを有する一体形の空気調和機が開示されている。
また例えば、特許文献2には、扁平な箱を垂直に立てたような本体の内部に互いの間を冷媒が循環する蒸発器と凝縮器を備え、送風機の駆動に従って外部から吸い込んだ空気を蒸発器との熱交換で冷却し、この冷却された空気を外部に吹き出す冷風機が開示されている。
また、従来技術の室内機と室外機を有する一般的な空気調和機では、室外ユニットの筐体にノックアウトホールを設け、このノックアウトホールを開口して冷媒配管や電源ケーブル等を挿通する冷媒配管取出口を形成することが知られている。
例えば、特許文献3には、室外ユニットの筺体の前面側に配置される前面パネルと、その前面パネルと底板との間に配置されるパネル部材と、を備え、このパネル部材の前板部及び底板部にそれぞれノックアウトホールを設けることが開示されている。
また例えば、特許文献4には、空気調和機の室外機の筐体側面に形成され、略同心円の複数のピッチ円上にそれぞれ配置されたスリットからなるノックアウト構造が開示されている。
特開2005−214537号公報 特開2008−170115号公報 特開2011−158149号公報 特開2013−88090号公報
しかしながら、上記した従来技術の移動式の空気調和機では、大きな空調能力を発揮し、且つ容易に移動できる使い易さを得るために、改善すべき点があった。
具体的には、スポット空調用の空気調和機は、通常の空気調和機を設置することが難しい大空間、例えば、工場、作業場、倉庫、体育館等において、作業者等の近傍に冷風や温風を送り作業空間を効率良く冷房または暖房するために用いられる。
そのため、空気調和機には、大空間を強力に冷却または加熱可能な優れた空調能力が必要である。また、空気調和機は、冷房や暖房を必要とする作業空間の変化に対応して移動できるよう、設置や移動が容易であることが求められている。
特許文献1や特許文献2に開示された従来技術のように、1つの枠体の内部に冷却用及び加熱用の熱交換器や送風機を配置する構成では、熱交換器を大型化しても、その熱交換器を流れる空気の流路を広く確保することが難しい。そのため、上記の従来技術の構成では、熱交換器及び送風機を大型化し、且つ空気流量を増やして、空調能力を増大させることが難しかった。
また、上記した従来技術の空気調和機では、空調能力を増大させるために熱交換器及び送風機を大型化すると、空気調和機が大型化し、空気調和機の搬送が難しくなるという問題点があった。
また、特許文献3や特許文献4に開示された従来技術のように、筐体のノックアウトホールを開いて配管取出口を形成し、そこに冷媒配管を通す構成では、配管取出口に間隙が生ずるという問題点があった。即ち、冷媒配管と配管取出口周面との間に間隙ができ、その間隙から空気調和機の筐体内に虫やネズミ、塵埃等が侵入してしまう恐れがあった。また、その間隙から空気調和機の筐体内に余計な空気が流入する恐れがあり、その余計な空気の流入によって筐体内に結露が生じ、筐体からの水漏れが懸念される。
また、冷媒配管が挿通された後、配管取出口の冷媒配管の周囲を塞ぐ環状のカバー材を取り付ける方法もあるが、その様な環状のカバー材は、冷媒配管を接続する工程の前に冷媒配管に予め嵌め付けておく必要がある。即ち、冷媒配管を接続した後に、新たなカバー材を取り付けて配管取出口を塞ぐことはできなかった。
また、パテ等を利用して配管取出口の間隙を塞ぐことも行われていたが、そのパテ等を塗り付けて間隙を塞ぐ作業は容易ではない。
また、スポット空調用の空気調和機として、冷媒配管を接続した後に移動が必要な冷凍空調機では、移動時の振動によって配管取出口を塞ぐカバー材やパテ等が剥がれてしまうという問題点もあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空調能力が高く、大規模空間を効率的に冷房または暖房することができ、容易な配管施工で筐体の配管取出口が閉塞された移動型の空気調和機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、取り付け作業が容易で、冷媒配管施工後に冷媒配管周りの配管取出口の間隙を塞ぐことができ、振動等によっても外れ難い配管取出口閉塞板を提供することにある。
本発明の空気調和機は、車輪を有する移動可能な架台と、前記架台に載置された室内ユニットと、前記架台に載置され前記室内ユニットに冷媒配管を介して接続された室外ユニットと、前記室内ユニットまたは前記室外ユニットの少なくとも一方の配管取出口に取り付けられた配管取出口閉塞板と、を具備し、前記配管取出口閉塞板は、前記室内ユニットまたは前記室外ユニットの筐体の外面に接着された閉塞シートと、前記閉塞シートの外面に接着されたカバー板と、を有し、前記閉塞シートと前記カバー板には、前記冷媒配管を通す配管孔部が形成されており、前記配管取出口閉塞板は、前記配管孔部を分開して前記冷媒配管を挟むよう取り付けられた2つの分割された部分から構成されていることを特徴とする。
また、本発明の空気調和機の配管取出口閉塞板は、空気調和機の配管取出口に取り付けられる配管取出口閉塞板であって、前記空気調和機の筐体の外面に接着される閉塞シートと、前記閉塞シートの外面に接着されているカバー板と、を有し、前記閉塞シートと前記カバー板には、前記空気調和機の冷媒配管を通す配管孔部が形成されており、前記配管孔部を分開するよう2つの部分に分割可能であることを特徴とする。
本発明の空気調和機によれば、車輪を有する移動可能な架台と、架台に載置された室内ユニットと、架台に載置され冷媒配管を介して室内ユニットに接続された室外ユニットと、を具備する。このような構成により、空調能力の高い大面積の熱交換器を好適な形態で配置して大容量の空気を効率良く流すことができる。そして、空調能力の大きい空気調和機を搬送して大規模空間を効率的に冷房または暖房することができる。
また、本発明の空気調和機は、室内ユニットまたは室外ユニットの少なくとも一方の配管取出口に取り付けられた配管取出口閉塞板を具備する。配管取出口閉塞板により配管取出口における冷媒配管までの間隙を塞ぐことができ、配管取出口の間隙から筐体内にネズミ、虫、その他塵埃等が侵入することを防止することができる。また、配管取出口の間隙から筐体内に空気が流入することを防止し、筐体内における結露や、その結露による水漏れを抑止することができる。
配管取出口閉塞板は、室内ユニットまたは室外ユニットの筐体の外面に接着された閉塞シートと、閉塞シートの外面に接着されたカバー板と、を有する。これにより、空気調和機の搬送する際の振動等によって配管取出口閉塞板が筐体の外面から外れてしまうことを防止することができる。
そして、閉塞シートとカバー板には、冷媒配管を通す配管孔部が形成されており、配管取出口閉塞板は、配管孔部を分開して冷媒配管を挟むよう取り付けられた2つの分割された部分から構成されている。このような構成により、分割された配管取出口閉塞板を冷媒配管施工の後に容易に取り付けて配管取出口を完全に塞ぐことができる。
また、本発明の空気調和機によれば、前記閉塞シートは可撓性を有し、前記閉塞シートに形成されている前記配管孔部は、前記カバー板に形成されている前記配管孔部よりも小さく、前記冷媒配管を覆う配管部材の外周に接触しても良い。これにより、配管取出口を完全に閉塞することができる。
また、本発明の空気調和機によれば、前記閉塞シートの内面は、両面接着シートによって前記筐体の外面に接着されていても良い。これにより、空気調和機の筐体に配管取出口閉塞板を取り付ける作業が容易になる。また、空気調和機を移動する際の振動等によって配管取出口閉塞板が外れることのない十分な接合強度を得ることができる。
また、本発明の空気調和機の配管取出口閉塞板によれば、空気調和機の配管取出口に取り付けられる配管取出口閉塞板であって、空気調和機の筐体の外面に接着される閉塞シートと、閉塞シートの外面に接着されているカバー板と、を有し、閉塞シートとカバー板には、空気調和機の冷媒配管を通す配管孔部が形成されており、配管孔部を分開するよう2つの部分に分割可能であることを特徴とする。これにより、作業負担が小さい容易な取り付け作業で配管取出口閉塞板を取り付けることができ、冷媒配管周りの配管取出口の間隙を塞ぐことができる。そして、振動等によっても外れ難い接合強度が得られる。また、空気調和機に冷媒配管が取り付けられた後であっても、配管取出口閉塞板を取り付けて配管取出口の間隙を塞ぐことができる。
また、本発明の空気調和機の配管取出口閉塞板によれば、前記閉塞シートは可撓性を有し、前記閉塞シートに形成されている前記配管孔部は、前記カバー板に形成されている前記配管孔部よりも小さく、前記冷媒配管を覆う配管部材の外周に接触可能であっても良い。これにより、容易な作業で冷媒配管周りの配管取出口の間隙を全て塞ぐことができる。
また、本発明の空気調和機の配管取出口閉塞板によれば、前記閉塞シートの内面には、前記閉塞シートを前記筐体に接着する両面接着シートが接着されていても良い。これにより、施工時に別途接着剤等を準備することなく、空気調和機の筐体に配管取出口閉塞板を容易且つ強固に接着することができる。
本発明の実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る空気調和機の配管取出口近傍を示す透視図である。 本発明の実施形態に係る配管取出口閉塞板の正面図である。 本発明の実施形態に係る配管取出口閉塞板の右側面断面図である。 本発明の実施形態に係る配管取出口閉塞板の背面図である。 本発明の実施形態に係る配管取出口閉塞板の分割した状態を示す正面図である。 本発明の他の実施形態に係る配管取出口閉塞板の正面図である。 本発明の他の実施形態に係る配管取出口閉塞板の分割した状態を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態に係る空気調和機を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気調和機1の概略構成を示す図である。図1に示すように、空気調和機1は、移動可能なスポット空調用の装置であり、架台40の上に載置された室内ユニット10と室外ユニット20とを有する。空気調和機1は、室内ユニット10と室外ユニット20を一体化した移動可能な強力スポットエアコンである。
室内ユニット10は、主として利用側の空気を冷却または加熱して供給する装置である。室内ユニット10は、一般的なパッケージエアコンの室内機に相当する構成を有する。
具体的には、室内ユニット10は、金属板材等から形成された略箱状の筐体であるハウジング11を有し、ハウジング11の内部に冷凍サイクルを構成する部品である室内熱交換器12と室内送風ファン13が設けられている。
室外ユニット20は、主として排気側の空気に対して放熱または吸熱する装置である。室外ユニット20は、一般的なパッケージエアコンの室外機に相当する構成を有する。
具体的には、室外ユニット20は、金属板材等から形成された略箱状の筐体であるハウジング21を有し、ハウジング21の内部に冷凍サイクルを構成する部品である室外熱交換器22と室外送風ファン23が設けられている。
室内ユニット10の室内熱交換器12は、冷媒配管28を介して室外ユニット20の室外熱交換器22に連結されている。詳しくは、室内熱交換器12及び室外熱交換器22は、低圧の冷媒を圧縮して高圧にする図示しない圧縮機、高圧の冷媒を膨張させて低圧にする図示しない膨張弁、冷媒配管28及びその他の図示しない冷媒配管等を介して接続されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路を構成している。冷凍サイクルで用いられる冷媒としては、例えば、HFC冷媒等が採用される。
室内ユニット10のハウジング11には、室外ユニット20につながる冷媒配管28が挿通される配管取出口17が形成されている。配管取出口17は、例えば、ノックアウトホールである。配管取出口17は、冷媒配管28が挿通された状態で配管取出口閉塞板30によって閉塞されている。
室外ユニット20のハウジング21には、室内ユニット10につながる冷媒配管28が挿通される配管取出口27が形成されている。配管取出口27は、例えば、ノックアウトホールである。配管取出口27は、冷媒配管28が挿通された状態で配管取出口閉塞板30によって閉塞されている。
室内ユニット10のハウジング11には、空気を吸引する開口部である吸込口15と、空気を吹き出す開口部である吹出口16が形成されている。吸込口15には、外部から吸い込まれた空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器12が設けられている。これにより、例えば、冷房運転の際には、外部から吸い込まれた空気は、室内熱交換器12内で蒸発する冷媒によって冷却される。
吹出口16には、室内熱交換器12と熱交換したハウジング11内の空気を外側に吹き出す室内送風ファン13が設けられている。室内送風ファン13は、例えば、プロペラファン等であり、図示しないモータによって回転駆動される。
本実施形態に係る空気調和機1では、特に強力な室内送風ファン13が装着されている。具体的には、室内送風ファン13は、吹出口16から風速5m/sで空気を吹き出す強力な送風能力を有している。これにより、大規模作業場において直進性の強い爆風を遠くまで届けることができ、作業する空間を狙ってその作業空間のみを効率良く冷房または暖房することができる。
また、吹出口16には、室内送風ファン13によって送られる空気の流れ方向を調整するための風向ガイド14が設けられている。風向ガイド14は、室内送風ファン13の外周を囲む、例えば、略円筒状の形態を成す外周部を有する。風向ガイド14の外周部に囲まれた内部は空気が流れる吹出口16につながる開口となっており、そこには空気の流れを調整する図示しない可変式の風向調整板が設けられている。このような構成により、室内熱交換器12で冷却または加熱された空気を、それを必要とする作業空間に向けて効率良く流すことができる。
室外ユニット20のハウジング21には、空気を吸引する開口部である吸込口25と、空気を吹き出す開口部である吹出口26が形成されている。吸込口25には、外部から吸い込まれた空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器22が設けられている。これにより、例えば、冷房運転の際には、室外熱交換器22内の冷媒は、吸込口25から流入する空気によって冷却される。換言すれば、吸込口25から吸い込まれた空気は、室外熱交換器22内の冷媒と熱交換して加熱される。
吹出口26には、室外熱交換器22と熱交換したハウジング21内の空気を外側に吹き出す室外送風ファン23が設けられている。室外送風ファン23は、例えば、プロペラファン等であり、図示しないモータによって回転駆動される。室外送風ファン23は、例えば、2つ設けられており、室外ユニット20の室外熱交換器22側の側面の上下に配置されている。
また、吹出口26には、室外送風ファン23によって送られる空気の吹き出し方向を調整するための風向ガイド24が設けられている。風向ガイド24は、室外送風ファン23の外周を囲むような、例えば、略四角形状の形態を成す外枠部を有し、金属板材料や樹脂製板材料等から形成されている。上下方向に分けて2つ配置された室外送風ファン23に対応して、風向ガイド24は上下に一対配置されている。
風向ガイド24の左右の側面部には、一対の把手29が設けられている。把手29は、移動時に空気調和機1を支持する搬送用の把手部材である。把手29は、例えば、金属材料または樹脂材料等から形成され、略コ字状の形態を成し、その両端部が風向ガイド24の側面部に固定されている。把手29の中央近傍は、作業者が把持可能な把持部となる。
架台40は、室内ユニット10及び室外ユニット20を一体的に支える台である。架台40は、例えば、山形鋼、溝形鋼、その他の鋼材等から形成されている。架台40の下部には、外周が上面視で略矩形枠状の形態を成す基台41が形成されている。室外ユニット20は、基台41の上部に固定されている。
架台40には、室内ユニット10を設置する室内ユニット設置台42が形成されている。室内ユニット設置台42は、室内ユニット10の底部を室外ユニット20の底部よりも高い位置で支持できるよう、基台41の上部から上方に突出するよう形成されている。
基台41の上部に室内ユニット設置台42が設けられることにより、室内ユニット10は高い位置に固定される。また、室内ユニット10の上面部と、室外ユニット20の上面部とは、略同じ高さになる。このように室内ユニット10が高い位置に設けられることにより、室内ユニット10の吹出口16の位置が高くなり、空調用の冷風や温風を作業空間に対して広く効率的に吹き流すことができる。
室内ユニット設置台42の上部には、ドレンパン43が設けられている。ドレンパン43は、室内ユニット10の室内熱交換器12に付着して滴下する水分を受け止めて図示しない配水管に排水するための部材である。ドレンパン43が設けられることにより、室内ユニット10の室内熱交換器12から滴下する水分を集めて好適に排水することができ、作業空間に水分が飛散することを防止することができる。
基台41の下部の角部近傍には、車輪45が設けられている。車輪45は、例えば、ゴム車輪等を有するキャスタであり、一方の端辺側が所定の一方向に向かって移動可能な固定車、他方の端辺側が方向変更可能な自在車であっても良い。車輪45が設けられることにより、架台40は、室内ユニット10及び室外ユニット20を一体的に支持した状態で移動可能に構成される。
室内ユニット10と室外ユニット20は、それぞれが空気を吸引する吸込口15と吸込口25を対向させるように架台40上に設けられている。即ち、室内ユニット10と室外ユニット20は、室内熱交換器12側と室外熱交換器22側が対向するよう配設されている。
換言すれば、室内ユニット10と室外ユニット20は、それぞれが逆方向に空気を吹き出すよう、室内ユニット10の吹出口16と室外ユニット20の吹出口26が逆方向を向くよう配設されている。
上記のように、室内ユニット10と室外ユニット20が、吸込口15と吸込口25を対向させて、逆方向に空気を吹き出すよう吹出口16と吹出口26が逆方向を向くよう配設されることにより、大規模工場や物流倉庫等に対する効率的な空気調和が実現する。
即ち、室内ユニット10の吹出口16から冷却または加熱された空気を空調対象の作業領域に効率良く強力に吹き付けることができる。そして、室内ユニット10の吹出口16に対して反対側を向く室外ユニット20の吹出口26から、空調用の排熱空気を、空気調和を必要とする空間から離れた空間に吐き出すことができる。
図2は、空気調和機1の室外ユニット20の配管取出口27近傍を示す透視図である。
図2に示すように、冷媒配管28が挿通された配管取出口27には、配管取出口閉塞板30が取り付けられている。
具体的には、配管取出口閉塞板30は、室外ユニット20のハウジング21の外面に接着された閉塞シート34と、閉塞シート34の外面に接着されたカバー板31と、を有する。
閉塞シート34には、冷媒配管28を通す配管孔部36が形成されており、カバー板31には、冷媒配管28を通す配管孔部33が形成されている。配管取出口閉塞板30は、配管孔部33、36内に冷媒配管28を通した状態でハウジング21に固定されている。
配管取出口27の冷媒配管28との間隙は、配管取出口閉塞板30の閉塞シート34によって塞がれている。これにより、配管取出口27の間隙からハウジング21内にネズミや虫、塵埃、空気、その他が侵入することを防止することができる。
閉塞シート34は、ハウジング21の外面に強固に接着されており、閉塞シート34の外面にはカバー板31が強固に接着されている。このような構成により、閉塞シート34の損傷が防止されると共に、空気調和機1を搬送する際の振動等によって配管取出口閉塞板30がハウジング21の外面から外れてしまうことを防止することができる。
なお、図1に示す室内ユニット10のハウジング11についても同様に、ハウジング11の冷媒配管28が挿通された配管取出口17には、配管取出口閉塞板30が取り付けられ、閉塞シート34によって閉塞されていても良い。
図3は、配管取出口閉塞板30の正面図である。
図3を参照して、配管取出口閉塞板30のカバー板31は、金属または合成樹脂等の板材から形成され、略四角形状の平板形態をなしている。カバー板31の略中央、即ち配管取出口閉塞板30の略中央には、略円形状の配管孔部33が形成されている。
配管取出口閉塞板30の閉塞シート34は、ポリエチレンフォーム材、ポリウレタンフォーム材等の可撓性を有する発泡樹脂材料等から形成されており、略四角形状の平板形態をなす。閉塞シート34の略中央、即ち配管取出口閉塞板30の略中央には、略長円形状の配管孔部36が形成されている。
カバー板31に形成されている配管孔部33及び閉塞シート34に形成されている配管孔部36は、冷媒配管28(図2参照)を通す開口である。配管取出口閉塞板30は、配管孔部33、36内に冷媒配管28を通した状態でハウジング11(図1参照)またはハウジング21(図1参照)に固定されている。
閉塞シート34の配管孔部36は、カバー板31の配管孔部33よりも小さい開口であり、冷媒配管28を覆う配管部材の外周に接触する形態である。これにより、閉塞シート34によって冷媒配管28周囲の配管取出口17、27(図1参照)の間隙が覆われて塞がれる。
このように、配管取出口17、27の冷媒配管28との間隙は、配管取出口閉塞板30の閉塞シート34によって塞がれている。これにより、配管取出口27の間隙からハウジング21内にネズミや虫、塵埃、空気等が侵入することを防止することができる。
図4は、配管取出口閉塞板30の右側面断面図である。図4において、右側が配管取出口閉塞板30を取り付けるハウジング11またはハウジング21側である。
図4に示すように、カバー板31と閉塞シート34との間には、両面接着シート37が設けられている。両面接着シート37により、カバー板31と閉塞シート34が強固に接着されている。これにより、振動等によってカバー板31と閉塞シート34が外れてしまうことが防止され、配管取出口閉塞板30が外れない空気調和機1(図1参照)の移動が可能となる。
図5は、配管取出口閉塞板30の背面図である。
図4及び図5を参照して、閉塞シート34の内面、即ち図1に示す室外ユニット20のハウジング21または室内ユニット10のハウジング11に貼付される側の面には、両面接着シート38が接着されている。
両面接着シート38は、その両主面に強い接着力を有し、一主面は閉塞シート34に接着されており、他の主面はハウジング11、21の外面に強固に接着される。これにより、振動等によって配管取出口閉塞板30が外れてしまうことのない十分な接合強度が得られ、配管取出口17(図1参照)または配管取出口27(図1参照)を閉塞する配管取出口閉塞板30が剥離することなく空気調和機1を移動することができる。
また、配管取出口閉塞板30をハウジング11、21に接着する工程の前においては、両面接着シート38は、一主面が閉塞シート34に接着されており、他の主面、即ちハウジング11、21に接着される面、が図示しない保護シートで覆われている。
これにより、配管取出口17、27を閉塞する作業工程において、保護シートを剥がして両面接着シート38をハウジング11、21の外面に押し付ける容易な作業により配管取出口閉塞板30を取り付けることができる。
なお、配管取出口閉塞板30には、配管取出口閉塞板30をハウジング11、21に固定するための図示しないボルト孔が形成されていても良い。配管取出口閉塞板30は、両面接着シート38でハウジング11、21に接着され、且つボルト止めされることにより、更に強固に固定される。これにより、配管取出口閉塞板30の外れを防止することができる。
図6は、配管取出口閉塞板30の分割した状態を示す正面図である。
図6に示すように、配管取出口閉塞板30は、配管孔部33、36を共に分開して、冷媒配管28(図1参照)を挟むようにしてハウジング11(図1参照)またはハウジング21(図2参照)に取り付けられるよう、2つに分割された部分から構成されている。
具体的には、カバー板31は、その中央線に沿って、即ち配管孔部33の中央線に沿って、2つに分断されている。閉塞シート34も同様に、その中央線に沿って、即ち配管孔部36の中央線に沿って、2つに分断されている。カバー板31と閉塞シート34の分割線は同じ位置である。
このように分割可能な構成により、冷媒配管28施工の後であっても、分割された配管取出口閉塞板30を容易に取り付けて配管取出口17(図1参照)または配管取出口27(図1参照)を完全に塞ぐことができる。
次に、図7及び図8を参照して、実施形態を変形した例として、配管取出口閉塞板130について詳細に説明する。なお、既に説明した実施形態と同一若しくは同様の作用、効果を奏する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、他の実施形態に係る配管取出口閉塞板130の正面図である。
図7に示すように、配管取出口閉塞板130の閉塞シート134の配管孔部136は、配管取出口閉塞板130の略中央ではなく、中央からやや離れた位置に形成されている。
カバー板131に形成された配管孔部133は、カバー板131の略中央、即ち配管取出口閉塞板130の略中央にある。閉塞シート134に形成された配管孔部136は、正面視でカバー板131の配管孔部133の範囲内にある。
図8は、配管取出口閉塞板130の分割した状態を示す正面図である。
図8を参照して、配管取出口閉塞板130は、閉塞シート134に形成された配管孔部136の略中央、即ち中央線に沿って、分割される。
具体的には、カバー板131は、中央から離れた位置で配管孔部133を分開するように、面積の大きいカバー板131aと、面積の小さいカバー板131bと、に分割可能である。閉塞シート134は、その中央から離れた位置に形成されている配管孔部136の中心線に沿って分開するように、面積の大きい閉塞シート134aと、面積の小さい閉塞シート134bと、に分割可能である。カバー板131と閉塞シート134の分割の位置は同じである。
このように、配管取出口閉塞板130の中央から離れた位置に閉塞シート134の配管孔部136が形成された構成により、冷媒配管28(図1参照)の取り付け位置が配管取出口17、27(図1参照)の中央から外れてしまった場合であっても、配管取出口17、27を問題なく閉塞することができる。
また、閉塞シート134の配管孔部136を分開するよう、中央から離れた位置で配管取出口閉塞板130を分割できる構成により、配管取出口閉塞板130の取り付け作業を容易に行うことができる。
冷媒配管28の施工結果に応じて、配管取出口17、27を好適に閉塞するよう、図6に記載した前述の閉塞シート34の略中央に配管孔部36が形成されている閉塞シート34を使用するか、図8に記載した閉塞シート134の中央から離れた位置に配管孔部136が形成されている閉塞シート134を使用するか、を選択することができる。これにより、配管取出口17、27を好適に閉塞し、且つ振動等で剥離しない配管取出口閉塞板30、130の取り付けが可能となる。
以上説明の如く、空気調和機1は、空調能力の高い室内熱交換器12及び室内送風ファン13を有する室内ユニット10と、大能力で大形の室外熱交換器22及び室外送風ファン23を有する室外ユニット20と、を好適な形態で配置して大容量の空気を効率良く流すことができる。
そして、室内ユニット10、室外ユニット20の配管取出口17、27は、配管取出口閉塞板30、130によって完全に閉塞され、ネズミ、虫、塵埃、空気、その他の侵入を防ぐ構成が採用されている。これにより、ネズミ、虫、その他塵埃等の侵入に起因する故障、余計な空気の入流によるハウジング11、21内の結露、その結露による水漏れの発生等を抑止することができる。
また、配管取出口閉塞板30、130は、容易な作業で取り付けることができ、強固に接合されて、振動等による外れの恐れもない。よって、空調能力の大きい空気調和機1を容易に搬送して、大規模空間を効率的に冷房または暖房することができる。
なお、既に説明した実施形態では、配管取出口閉塞板30、130が室内ユニット10と室外ユニット20を一体化した移動可能な空気調和機1に取り付けられた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
配管取出口閉塞板30、130は、他の一般的な空気調和機の室内ユニットまたは室外ユニットのハウジングに取り付けられ利用されても良い。配管取出口閉塞板30、130の構成により、それを取り付けて配管取出口を閉塞する作業を容易に行うことができ、剥がれ難い高品質な閉塞加工が可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
1 空気調和機
10 室内ユニット
11 ハウジング
12 室内熱交換器
13 室内送風ファン
14 風向ガイド
15 吸込口
16 吹出口
17 配管取出口
20 室外ユニット
21 ハウジング
22 室外熱交換器
23 室外送風ファン
24 風向ガイド
25 吸込口
26 吹出口
27 配管取出口
28 冷媒配管
30、130 配管取出口閉塞板
31、131、131a、131b カバー板
33、133 配管孔部
34、134、134a、134b 閉塞シート
36、136 配管孔部
37 両面接着シート
38 両面接着シート
40 架台
41 基台
42 室内ユニット設置台
43 ドレンパン
45 車輪

Claims (6)

  1. 車輪を有する移動可能な架台と、
    前記架台に載置された室内ユニットと、
    前記架台に載置され前記室内ユニットに冷媒配管を介して接続された室外ユニットと、
    前記室内ユニットまたは前記室外ユニットの少なくとも一方の配管取出口に取り付けられた配管取出口閉塞板と、を具備し、
    前記配管取出口閉塞板は、前記室内ユニットまたは前記室外ユニットの筐体の外面に接着された閉塞シートと、前記閉塞シートの外面に接着されたカバー板と、を有し、
    前記閉塞シートと前記カバー板には、前記冷媒配管を通す配管孔部が形成されており、
    前記配管取出口閉塞板は、前記配管孔部を分開して前記冷媒配管を挟むよう取り付けられた2つの分割された部分から構成されていることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記閉塞シートは可撓性を有し、
    前記閉塞シートに形成されている前記配管孔部は、前記カバー板に形成されている前記配管孔部よりも小さく、前記冷媒配管を覆う配管部材の外周に接触していることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記閉塞シートの内面は、両面接着シートによって前記筐体の外面に接着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
  4. 空気調和機の配管取出口に取り付けられる配管取出口閉塞板であって、
    前記空気調和機の筐体の外面に接着される閉塞シートと、
    前記閉塞シートの外面に接着されているカバー板と、を有し、
    前記閉塞シートと前記カバー板には、前記空気調和機の冷媒配管を通す配管孔部が形成されており、
    前記配管孔部を分開するよう2つの部分に分割可能であることを特徴とする空気調和機の配管取出口閉塞板。
  5. 前記閉塞シートは可撓性を有し、
    前記閉塞シートに形成されている前記配管孔部は、前記カバー板に形成されている前記配管孔部よりも小さく、前記冷媒配管を覆う配管部材の外周に接触可能であることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機の配管取出口閉塞板。
  6. 前記閉塞シートの内面には、前記閉塞シートを前記筐体に接着する両面接着シートが接着されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の空気調和機の配管取出口閉塞板。
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