JP2021031806A - 布帛および衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の形状を有する高い凸部によって優れた意匠性を有する布帛、およびその布帛を用いて製造された衣服を提供する。【解決手段】本発明にかかる布帛は、第1の繊維布帛と、樹脂層と、任意の意匠の形状を有する発泡層と、接着剤層と、第2の繊維布帛とがこの順に積層されており、接着剤層は、樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とを接着している。【選択図】なし

Description

本発明は、布帛およびそれを用いて製造された衣服に関する。
従来から、衣服には高い意匠性が要求されている。このため、衣服の素材となる布帛にも高い意匠性が要求されている。例えば、布帛については、配色、部分的な意匠、凹凸による立体感の表現など、様々な手法により意匠性を高める工夫がなされている。
従来、衣服に用いられる布帛に立体感を付与する方法として、布帛に発泡層を用いる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、発泡剤を含有する接着剤によって2枚の繊維布帛を貼合することで、ボリューム感を有する布帛を製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、発泡剤を含有する樹脂を繊維布帛上に所定のパターンで印刷することで、表面に凸部が形成された布帛が開示されている。
特開2007−217841号公報 特開2008−238461号公報
特許文献1に開示された技術のように2枚の繊維布帛を積層する場合、表裏同一の繊維布帛を積層すれば、生地のボリュームが増したり、起毛加工や光沢加工など生地の片面にのみ賦与された特徴が両面に得られたりする効果があり、また、色や素材の異なる2種類の繊維布帛を積層すれば、気分や場面などによって衣服の外面と内面とを裏返して着用できる表裏兼用衣服とすることができる。
本発明者らは、前記のような2枚の繊維布帛を積層した布帛に、さらに任意の意匠の形状を有する発泡層からなる凸部を付与することで意匠性を高めるべく、特許文献1に開示された技術と特許文献2に開示された技術とを組み合わせることを試みた。
しかしながら、特許文献1のように接着剤に発泡剤を添加する方法、および特許文献2のように、第1の繊維布帛の片面に発泡剤を含有する樹脂を所定のパターンで印刷した後に発泡させ、その後に第2の繊維布帛を積層する方法では、印刷した樹脂パターンが不連続かつ不均一である場合に接着力が弱く剥離するという課題がある。
一方、第1の繊維布帛の片面に発泡剤を含有する樹脂を所定のパターンで印刷し、その上に第2の繊維布帛を積層した後に発泡剤を発泡させた場合には、第1の繊維布帛の繊維中に発泡剤や発泡剤を固着させる樹脂が入り込む形態で発泡するため、印刷した樹脂のパターンが明瞭な凸部にならないという課題がある。
本発明は、このような課題を解決するものであり、優れた意匠性を有する布帛およびその布帛を用いて製造された衣服を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明にかかる布帛は、第1の繊維布帛と、樹脂層と、任意の意匠の形状を有する発泡層と、接着剤層と、第2の繊維布帛とがこの順に積層されており、前記接着剤層は、前記樹脂層および前記発泡層と前記第2の繊維布帛とを接着していることを特徴とする。
また、前記布帛において、前記第1の繊維布帛と前記第2の繊維布帛とが同一の織組織または編組織であるとよい。
また、前記布帛において、前記第1の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度と、前記第2の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度とは、いずれも85dtex以下であるとよい。
さらに、前記第1の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度と、前記第2の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度との比は、1.0:4.0〜4.0:1.0であるとよい。
さらにまた、前記第1の繊維布帛の目付と、前記第2の繊維布帛の目付との比は、1.0:3.0〜3.0:1.0であるとよい。
なお、前記布帛を用いて製造された衣服も本発明に含まれる。
本発明にかかる布帛によれば、第1の繊維布帛の表面に積層された樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とが接着剤層を介して貼り合せられているため、実用に耐えうるだけの十分な剥離強さを有し、かつ発泡層の発泡剤が発泡する際に、発泡剤や発泡剤を固着させる樹脂(バインダー)が繊維布帛の繊維中に入り込むことを樹脂層によって抑制することができ、任意の意匠の形状を有する発泡層のパターンを明瞭な凸部として布帛に付与することが可能となる。したがって、本発明にかかる布帛を用いて衣服を製造することで、任意の形状を有する高い凸部によって優れた意匠性を有する衣服が得られる。
以下、本発明の実施の形態にかかる布帛について説明を行う。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態における構成要素のうち独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
本実施の形態にかかる布帛は、第1の繊維布帛と、樹脂層と、任意の意匠の形状を有する発泡層と、樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とを接着する接着剤層と、第2の繊維布帛とがこの順に積層されていることを特徴とする。つまり、本実施の形態にかかる布帛では、第1の繊維布帛と第2の繊維布帛との間に、樹脂層、発泡層及び接着剤層が設けられている。
第1の繊維布帛および第2の繊維布帛は、布帛の基材であって、布帛の表裏の繊維布帛となる。つまり、本実施の形態にかかる布帛において、第1の繊維布帛が表の繊維布帛となる場合は、第2の繊維布帛が裏の繊維布帛となり、また、第1の繊維布帛が裏の繊維布帛となる場合は、第2の繊維布帛が表の繊維布帛となる。
第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を構成する有用な繊維の素材としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、または、アセテートやキュプラ、ビスコースなどのレーヨンなどを用いることができ、さらに、これらの他に、ポリ乳酸、芳香族ポリアミド、ポリイミドまたはポリフェニレンサルファイドなどの化学繊維、綿、麻、絹または羊毛などの天然繊維、あるいは、これらの素材の混繊、混紡、交織または交編品を用いることができ、特に限定されるものではない。
また、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を構成する繊維は、長繊維および短繊維のいずれであってもよい。また、この繊維を用いた糸は、生糸、撚糸、および加工糸のいずれであってもよい。加工糸についても、特に限定されるものではなく、仮撚加工糸(ウーリー加工糸、DTY、改良仮撚加工糸など)、押込加工糸、賦型加工糸、擦過加工糸、タスラン加工糸、糸長差引きそろえ加工糸、複合加工糸、毛羽加工糸、交絡集束糸、交絡混繊糸などを用いることができる。
また、繊維の断面形状についても、特に限定されるものではなく、繊維の断面形状としては、丸型、三角、星形、扁平、C型、中空、井形、ドックボーンなどが挙げられる。
本実施の形態で用いられる第1の繊維布帛および第2の繊維布帛は、平織、綾織、朱子織などの組織の織物、または経編、緯編(横編または丸編)などの組織の編物といった、いかなる形態であってもよいが、発泡層が表裏になるべく均等に膨らむよう、第1の繊維布帛と第2の繊維布帛とは同一の織組織または編組織であることが好ましい。
第1の繊維布帛および第2の繊維布帛に用いられる糸の繊度は特に限定されるものではなく、経糸、緯糸ともに一般的に衣料に用いられている7〜300dtexであればよいが、発泡層の発泡剤の発泡に伴って持ち上げられて変形するような細い糸であるとよい。このような細い糸を用いることで、任意の意匠の形状として形成された発泡層のパターンの凸部が明瞭に現れやすくなり、かつ発泡層の発泡剤が発泡する際に優先的に持ち上げられる。以上の観点から、第1の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度と、第2の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度は、いずれも85dtex以下であることが好ましい。
また、表裏の繊維布帛(第1の繊維布帛、第2の繊維布帛)の糸の繊度が比較的近似していると、第1の繊維布帛と第2の繊維布帛との間に存在する発泡層が表側および裏側に向かって均等に膨らみやすいとの観点から、第1の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度と、第2の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度との比は、1.0:4.0〜4.0:1.0であることが好ましく、1.0:2.5〜2.5:1.0であることがより好ましく、1.0:2.0〜2.0:1.0であることがさらに好ましい。
同様に、発泡層の発泡剤が発泡する力に対して表裏の繊維布帛の抵抗力が比較的近似していると、発泡層が表側および裏側に向かってに均等に膨らみやすいとの観点から、第1の繊維布帛の目付(単位面積当たりの重量)と、第2の繊維布帛の目付との比は、1.0:3.0〜3.0:1.0であることが好ましく、1.0:2.5〜2.5:1.0であることがより好ましく、1.0:1.5〜1.5:1.0であることがさらに好ましい。
なお、第1の繊維布帛の伸び率と第2の繊維布帛の伸び率との比は、比較的近似していることが好ましく、例えば1.0:5.0〜5.0:1.0であるとよく、1.0:3.0〜3.0:1.0であることがより好ましく、1.0:2.0〜2.0:1.0であることがさらに好ましい。
また、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛は、あらかじめ着色されていてもよいし、着色されていなくてもよい。これらの繊維布帛をあらかじめ着色する場合には、分散染料、カチオン染料、酸性染料、直接染料、反応染料、建染染料、または、硫化染料などの染料、あるいは、蛍光増白剤、または、顔料などを用いて着色することができる。さらに、これらの繊維布帛に対して、酸性染料を用いてナイロンを染色した場合に実施されている合成タンニン等を用いてのフィックス処理など、通常着色時に行われている各種処理を行ってもよい。なお、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を着色するために用いられる材料は、これらのものに限定されるものではなく、各繊維布帛の素材に合わせて適切なものを選択すればよい。
また、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛の着色方法は、原着、浸染、または、捺染などの方法があり、特に限定されるものではない。
また、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛には、所期の目的を逸脱しない限りにおいて、撥水加工、カレンダー加工、難燃加工、制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、耐光向上加工、または、吸水加工、吸湿加工などが施されていてもよい。なお、後述する樹脂液が繊維布帛を構成する糸もしくは繊維間に含浸することを抑制するとの観点では、少なくとも第1の繊維布帛には撥水加工および/またはカレンダー加工が施されているとよい。第2の繊維布帛にも撥水加工および/またはカレンダー加工が施されていてもよい。
次に、本実施の形態にかかる布帛に用いられる樹脂層について説明する。本実施の形態において、樹脂層は、第1の繊維布帛に積層される。
樹脂層を構成する樹脂は、特に限定さるものではないが、樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、または塩化ビニル等が挙げられる。この場合、これらの樹脂を単独で用いて樹脂層としてもよいし、これらの樹脂の中の2種類以上を併用して樹脂層としてもよい。
樹脂層の主たる機能は、第1の繊維布帛の糸と糸および/または繊維と繊維の隙間に発泡剤や発泡剤を固着させる樹脂(バインダー)が入り込むことを防止するものである。そのため、樹脂層は、第1の繊維布帛の糸と糸および/または繊維と繊維の隙間を埋める程度に付着していればよく、第1の繊維布帛の表面を連続的に被覆するものであってもよいし、第1の繊維布帛の表面凹部にのみ付着して隙間を埋める機能を果たし、表面凸部が被覆されていない不連続なものであってもよい。
また、布帛に防風性や防水性を付与するため、樹脂層が防風性や防水性を兼ね備えるものであってもよい。
また、樹脂層を構成する樹脂には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種添加剤が添加されていてもよい。樹脂に添加する添加剤としては、例えば、イソシアネート系、オキサゾリン系、エポキシ系、カルボジイミド系などの架橋剤、多孔質シリカ、活性炭などの移行昇華防止剤、ポリオキシアルキレングリコール等の透湿性付与剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消臭剤、柔軟剤、浸透剤、乳化剤、増粘剤などが挙げられる。
なお、発泡層による凸部の高さをより高くするため、第1の繊維布帛に樹脂層を積層するだけではなく、第2の繊維布帛の発泡層に面する側にも樹脂層を積層してもよい。
次に、本実施の形態にかかる布帛に用いられる発泡層について説明する。本実施の形態において、発泡層は、発泡剤単独で構成されていてもよいが、発泡剤とこれを繊維布帛に固着するためのバインダーとして樹脂を含んでいるとよい。つまり、発泡層は、発泡剤のみで構成されている場合と、発泡層およびバインダー(樹脂等)が含まれている場合とがある。
発泡層に用いられる発泡剤は、公知の発泡剤を用いることができる。発泡層に用いられる発泡剤としては、例えば、相変化によってガス化が起こるもの、または、反応や熱分解によってガスを発生するものなどが挙げられる。
また、発泡層に用いられる発泡剤としては、熱膨張するマイクロカプセルを用いることが好ましい。これは、マイクロカプセルは、後述する発泡工程にて簡便かつ高い発泡倍率で発泡させることができるからである。マイクロカプセルとしては、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどの共重合物、(メタ)アクリル酸重合物金属塩および(メタ)アクリル酸エステル重合物などからなる外殻でマイクロカプセル化したものが挙げられる。これらのマイクロカプセルは、その中に上記の相変化によってガス化が起こるもの、反応や熱分解によってガスを発生するものなどが封入されており、加熱等によって膨張するものである。
発泡層に用いられる発泡剤は、バインダー中に分散した形態で用いることが好ましい。この場合、有用なバインダーとしては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの樹脂を用いることで発泡剤を第1の繊維布帛に強固に固着させることができる。
発泡層を第1の繊維布帛により強固に固着するために、発泡層中に架橋剤を添加してもよい。有用な架橋剤としては、イソシアネート、エポキシ、ジアルデヒド、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イミン、イミダゾリジノン、有機過酸化物、アリルアジド、ジアジリン、硫黄などが挙げられる。
さらに、発泡層と第1の繊維布帛の親和性を高めるために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、カルボン酸塩をはじめとするアニオン系界面活性剤、4級アンモニウム塩をはじめとするカチオン系界面活性剤、ベタイン型をはじめとする両性界面活性剤、アルコールエトキシレートをはじめとするノニオン型界面活性剤などが挙げられる。
本実施の形態において、発泡層は、任意の意匠の形状を有する。つまり、発泡層の形状は、表現したいデザインに合わせて任意の意匠の形状にすることができる。一例として、発泡層の意匠は、線状パターンが繰り返されるストライプ柄、比較的小さな多角形や円などが格子状のような規則的に配列しているドット柄、唐草模様やアラベスク模様などの幾何学柄、文字やロゴタイプ、又は、キャラクターやエンブレムなどの意匠が挙げられる。また、発泡層における意匠のサイズも任意である。例えば、発泡層における意匠のサイズは、左胸部や二の腕部などに適用するワンポイントのサイズであってもよいし、本発明により得られる布帛を用いて仕立てられる衣服の全体に柄が及ぶものであってもよい。
発泡層における意匠の形状は、発泡層を構成する発泡剤が発泡することで形成され、発泡層が存在しない部分と比較して、発泡層の厚みの分だけ布帛の厚みが厚くなった凸部により表現される。また、布帛面内に海島状の島部として点在している発泡層において、同一の島部を形成する発泡層存在部内の発泡層の厚みに勾配を設けたり、段階的に変化させたり、もしくは分離している別々の島部の発泡層間の厚みを変えたりすることで、より複雑で立体的な意匠を表現することもできる。
また、本実施の形態にかかる布帛について、発泡層を透かし柄として利用し、意匠性を高めるために、発泡層中に、アゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系、ニトロ系、ジオキサン系、酸化チタン、亜鉛華、コバルト化合物、鉄化合物、雲母、蛍光顔料などの着色剤を添加してもよい。
また、発泡層には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種添加剤が添加されていてもよい。発泡層に添加する添加剤としては、多孔質シリカ、活性炭などの移行昇華防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消臭剤、柔軟剤、乳化剤、増粘剤などが挙げられる。
発泡層を構成する発泡剤とバインダーとを含む組成物としては、質量比で、発泡剤:バインダーの配合比が1:2〜20:1であることが好ましい。この配合比の範囲内であれば、発泡剤を膨張させた際、布帛に立体感を強く与えることができる。
次に、本実施の形態にかかる布帛に用いられる接着剤層について説明する。本実施の形態において、接着剤層は、樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とを接着する。
接着剤層を構成する接着剤は、樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とを強固に接着させることができれば特に限定されるものではない。有用な接着剤としては、エチレン酢酸ビニル系、ポリオレフィン、合成ゴム、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンなどのホットメルト接着剤、シアノアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリロイルモルホリン、エポキシ、エポキシアクリレート、ビニルエステル、シリコーン樹脂、2液型ポリウレタン、オキサゾリン系などの接着剤が挙げられる。接着剤層を構成する接着剤として、物理的または化学的手段によって架橋反応を起こすものを用いる場合には、加熱、電子線または紫外線などの活性エネルギー線の照射、上記架橋剤と適切な触媒の添加、およびこれらを組み合わせた手段を用いればよい。
また、接着剤層には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種添加剤が添加されていてもよい。接着剤層に添加する添加剤としては、多孔質シリカ、活性炭などの移行昇華防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消臭剤、柔軟剤、乳化剤、増粘剤などが挙げられる。
接着剤層は、樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛との間に、点状、線状、格子状、全面ベタ状などに介在させて、樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とを貼り合せて積層することができればよく、接着剤層の形状については特に限定されるものではない。この際、発泡層の発泡剤が発泡する前に樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とが接着されるので、2つの被着体がほぼ平坦な状態で貼り合せられて接着面積を広くすることができ、布帛の剥離強さを高めることができる。
樹脂層および発泡層が形成された第1の繊維布帛の上に接着剤層を介して第2の繊維布帛を積層して得られた布帛に対し、さらに活性エネルギー線の照射や加熱、湿熱など、発泡剤を発泡させる加工を施すことで、発泡剤が発泡した発泡層を有する布帛となり、任意の意匠の形状を有する高い凸部によって優れた意匠性を有する布帛が得られる。
次に、本実施の形態にかかる布帛の製造方法について説明する。なお、本実施の形態にかかる布帛は、以下に説明する製造方法で得られるものに限定されるものではない。
まず、布帛の基材となる第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を準備する。第1の繊維布帛および第2の繊維布帛には、前記のものが用いられ、必要に応じて、湯洗い、精練、リラックス、熱セット等の加工を行ってもよい。これらの加工は公知の方法で行うことができる。
また、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛には、必要に応じて、染色加工、捺染加工、撥水加工、制電加工、吸水加工、SR加工、抗菌防臭加工、制菌加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、防炎加工、カレンダー加工等を施してもよい。特に、後述する樹脂層を形成するのに用いられる樹脂液が繊維布帛に含浸することを抑制するとの観点から、第1の繊維布帛には撥水加工および/またはカレンダー加工を施すとよい。
例えば、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛に撥水加工を施す場合、フッ素系、シリコーン系またはパラフィン系などの撥水剤を、パディング法やスプレー法等で繊維布帛に付与した後、40〜140℃にて10〜600秒程度乾燥し、必要に応じて130〜200℃にて5〜300秒程度の熱処理を行う。
また、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛にカレンダー加工を施す場合、カレンダー加工は、公知の方法で行えばよく、特に限定されるものではない。一例として、室温〜200℃、圧力(線圧)100〜350kgf/cm程度にてカレンダー加工を行うとよい。
次に、第1の繊維布帛の表面に樹脂層を形成する。第1の繊維布帛に樹脂層を形成する方法としては、樹脂または樹脂組成物中に第1の繊維布帛をパディングして樹脂を付与する方法や、あらかじめ作製しておいた樹脂膜を接着剤を介して第1の繊維布帛に積層するラミネート法、第1の繊維布帛の表面に樹脂または樹脂組成物を塗布することによって第1の繊維布帛の表面に直接樹脂層を積層するコーティング法などが挙げられる。布帛の重量を軽くしたり、風合いを柔らかくしたりするため、樹脂付着量が比較的少なくてよいラミネート法またはコーティング法、より好ましくはコーティング法を用いるのがよい。
コーティング法としては、公知のコーティング法を用いることができ、ナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、リバースコーターまたは押し出しコーター等が用いられる。これらのコーティング法を用いて、反応して硬化する液状モノマーや、加熱溶融、または溶媒もしくは分散媒を適宜用いるなどで流動性を与えた前記の樹脂または樹脂組成物を第1の繊維布帛の表面に塗布することにより、樹脂を第1の繊維布帛に付与することができる。この際、第1の繊維布帛に塗布した樹脂または樹脂組成物が第1の繊維布帛に大量に含浸してしまうと、第1の繊維布帛の表面に樹脂層が形成されず、発泡層を構成する発泡剤やバインダーが第1の繊維布帛の糸や繊維中に入り込むことを防止する機能が十分に発揮できないおそれがあったり、このような入り込み防止機能を発揮させるために必要以上に樹脂付着量を多くして布帛の重量増加や風合いの硬化を招くおそれがあったり、樹脂または樹脂組成物を塗付した面とは反対側の面である裏面(衣服にした際の最外面)にまで樹脂が含浸して見栄えの低下を招くおそれがあったりする。なお、樹脂の含浸を抑制するため、上記のように、第1の繊維布帛には撥水加工および/またはカレンダー加工を施しておくとよい。
第1の繊維布帛の表面に樹脂または樹脂組成物を塗布した後、加熱または活性エネルギー線の照射により樹脂を硬化させたり、冷却によって樹脂を固化させたり、乾燥によって溶媒または分散媒を除去したり、樹脂が不溶の溶媒に浸漬する湿式凝固等を行ったりすることで、固まった状態の樹脂層を第1の繊維布帛の表面に形成する。
溶媒または分散媒を用いた場合は、その溶媒または分散媒、使用した樹脂や添加剤にもよるが、例えば、第1の繊維布帛の表面に樹脂溶液を塗布した後、40〜140℃にて10〜600秒程度乾燥し、必要に応じて130〜200℃にて5〜300秒程度の熱処理を行う。これにより、第1の繊維布帛の表面に、固化した樹脂層を形成することができる。なお、乾燥を省略し、上記の熱処理条件にて、乾燥と熱処理とを同時に行ってもよい。
続いて、前記にて形成した樹脂層上に発泡層を積層する。例えば、前記発泡剤または発泡剤とバインダーとを含む組成物を、必要であれば適宜溶媒または分散媒で希釈し、前記樹脂層の表面に、任意の意匠の形状で付与する。付与の方法としては、グラビアコーター等を用いた転写法や、フラットスクリーンやロータリースクリーンを用いた印捺法、ノズルから吐出して吹き付けるインクジェット法、スプレーを用いたスプレー法などが挙げられるが、発泡剤または発泡剤とバインダーとを含む組成物の付与量の調節や、任意の柄を第1の繊維布帛に付与しやすいという観点から、印捺法により発泡剤または発泡剤とバインダーとを含む組成物を付与するのがよい。また、発泡した後の発泡層の厚みに変化を持たせて、より複雑で立体的な意匠を発現させるために、単位面積あたりの発泡剤の付与量を適宜調整してもよい。
なお、後述するように、樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とがほぼ平坦な状態で貼り合せられ、接着剤が接着力を十分に発揮して布帛の剥離強さを十分に高められるように、発泡層中の発泡剤については、後述する活性エネルギー線の照射、乾熱環境、湿熱環境またはオートクレーブでのエージング等の処理と同時、もしくはその後に発泡させるとよい。
溶媒または分散媒を用いて希釈した場合には、発泡剤または発泡剤とバインダーとを含む組成物を付与した後に乾燥を行う。例えば、一般に乾燥機として用いられるシリンダー乾燥機、ノンタッチドライヤー、ネット式ドライヤー、ループスチーマー、オーブン、ピンテンター、クリップテンター等を用いて、発泡剤が発泡する温度以下で0.5〜5分間乾燥すればよい。
続いて、接着剤層となる接着剤を被着体表面に付与する。前記接着剤を、必要であれば適宜溶媒または分散媒で希釈し、前記樹脂層および発泡前の発泡層の表面、または第2の繊維布帛の貼り合せ面に付与する。接着剤の付与の方法としては、ナイフコーター、バーコーター、スリットコーターなどを用いた塗付、グラビアコーターを用いた転写等を用いることができ、これらの方法を用いて、点状、線状、格子状、全面ベタ状などの形状で接着剤を付与すればよい。
続いて、前記のように準備した第1の繊維布帛の樹脂層と発泡前の発泡層とが積層された面と、第2の繊維布帛の貼り合せ面とを、接着剤を付与した面を介して貼り合せる。貼り合せには、ニップロール、加熱ニップロール等を用いればよい。
このように、発泡剤が発泡する前に樹脂層および発泡層と第2の繊維布帛とが接着されるので、2つの被着体がほぼ平坦な状態で貼り合せられて接着面積を広くすることができ、布帛の剥離強さを高めることができる。また、貼り合せの際に発泡層がニップロールなどの貼り合せ圧力により潰れてしまうことを防ぐことができる。
溶媒または分散媒を用いて希釈した場合には、樹脂層および発泡前の発泡層と第2の繊維布帛とを接着剤を介して貼り合せる前、または貼り合わせた後、もしくはその両方の段階で乾燥を行う。前記樹脂層および発泡層の上に接着剤を付与した場合であって、かつ貼り合せ工程の後に乾燥する場合には、用いた発泡剤が発泡する温度以下となるように注意しながら、一般に乾燥機として用いられるオーブンにて0.5〜5分間乾燥すればよい。
その後、使用した接着剤の種類にあわせて、活性エネルギー線の照射、乾熱環境、湿熱環境またはオートクレーブでのエージング等の処理を行い、接着剤の架橋反応や分子の結晶配向を促進させるなど接着力が十分に発揮されるよう処置すれば、より接着力が高まり、第1の繊維布帛と第2の繊維布帛との剥離強さが高まるため好ましい。
続いて、樹脂層および発泡層を積層した第1の繊維布帛が接着剤層を介して貼り合わされた第2の繊維布帛に対して、活性エネルギー線の照射や加熱などの加工を施して発泡剤を発泡させる。熱膨張性の発泡剤を用いた場合には、一般に乾燥機として用いられるシリンダー乾燥機、ノンタッチドライヤー、ネット式ドライヤー、ループスチーマー、オーブン、ピンテンター、クリップテンター等を用いればよいが、立体感をより強調するために、樹脂層および発泡層を積層した第1の繊維布帛が接着剤層を介して貼り合わされた第2の繊維布帛になるべく張力をかけずに発泡剤を発泡させることが好ましい。熱処理温度としては、発泡剤の発泡温度によっても異なるが、140℃〜220℃、より好ましくは150℃〜200℃で0.5〜5分間の乾熱および/または湿熱処理を行うことにより発泡剤を発泡させるとよい。また、この時、同時に、樹脂層を構成する樹脂や発泡層中のバインダー、接着剤層中の接着剤の架橋反応の促進や、接着剤分子の結晶配向を促進させてもよい。
以上により、本実施の形態にかかる布帛を製造することができる。つまり、任意の意匠の形状を有する高い凸部によって優れた意匠性を有する布帛が得られる。
したがって、本実施の形態にかかる布帛を用いて衣服を製造することで、任意の意匠の形状を有する高い凸部によって優れた意匠性を有する衣服が得られる。
以下、本実施の形態における布帛を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下に記載される「部」は質量部のことである。また、各実施例および比較例における各種物性等は、以下の方法にて測定した。
[剥離強さ]
JIS L1086(2013)に準じて、布帛の経方向および緯方向のそれぞれについて測定した。なお、単位は1cmあたりの強さに換算した。
[意匠性]
目視にて、意匠の立体感および見栄え(視認性、鮮明性)を下記の5段階で評価した。評価は第1の繊維布帛側と、第2の繊維布帛側をそれぞれ評価した。
5点:立体感および見栄えが特に良好。
4点:立体感および見栄えが良好。
3点:立体感および見栄えがおおむね良好。
2点:立体感または見栄えのいずれかが悪い。
1点:立体感および見栄えが悪い。
(実施例1)
経糸、緯糸ともに88dtex/75フィラメントのポリエステルタフタ(目付:214g/m)を分散染料で青色に染色し、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工を施し、ついでカレンダー加工を施したものを第1の繊維布帛として用いた。
また、33dtex/36フィラメントのポリエステルスムース(目付:76g/m)を分散染料でグレーに染色し、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の5%水溶液を用いて撥水加工を行ったものを第2の繊維布帛として用いた。
次に、第1の繊維布帛のカレンダー加工面に、コーティング法により下記樹脂組成物をナイフコーターを用いて塗布した。続いて、150℃で90秒熱処理し、第1の繊維布帛上に樹脂層を形成した。
(樹脂組成物)
ニューコート CS−654SHN 100部
(アクリル樹脂、新中村化学工業株式会社製)
水 20部
デュラネート WB40−100 1部
(イソシアネート系架橋剤、旭化成株式会社製)
次に、第1の繊維布帛に形成された樹脂層の上に、線幅:5mm、ピッチ:3cm、生地の幅方向に対して45°の角度のストライプ柄のロータリースクリーン(800メッシュ)を用いて下記発泡剤組成物を印捺した。続いて、オーブンを用いて60℃で2分乾燥し、樹脂層上に発泡前の発泡層をストライプ状に積層した。
(発泡剤組成物)
マツミンフォーミングバインダー HT623 100部
(熱膨張性マイクロカプセル含有アクリル樹脂配合水性エマルジョン、株式会社松井色素化学工業所製)
マツミンフィクサー F 3部
(イミダゾリジノン系架橋剤、株式会社松井色素化学工業所製)
次に、グラビアコーターを用いてタイフォース NH−320(湿気硬化型ホットメルトタイプポリウレタン接着剤、DIC株式会社製)を110℃に加熱し溶融させ、点状に、樹脂層および発泡前の発泡層の上に転写した。続いて、第1の繊維布帛の接着剤を転写した面と第2の繊維布帛とを対面させて第1の繊維布帛と第2の繊維布帛とを貼り合せ、ニップロールを用いて100℃で第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を熱圧着した。続いて、第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を70℃で72時間エージングした。
次に、樹脂層および発泡層を積層した第1の繊維布帛が接着剤層を介して貼り合わされた第2の繊維布帛を、ピンテンターを用いて190℃で1分間熱処理を行い、発泡層の発泡剤を発泡させた。このようにして得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(実施例2)
経糸、緯糸ともに88dtex/75フィラメントのポリエステルタフタ(目付:214g/m)を分散染料でグレーに染色し、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工を行ったものを第2の繊維布帛として用いた。
前記第2の繊維布帛を用いた以外は実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(実施例3)
経糸、緯糸ともに70dtex/68フィラメントのポリエステルタフタ(目付:195g/m)を分散染料で青色に染色し、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工をし、ついでカレンダー加工を施したものを第1の繊維布帛として用いた。
この第1の繊維布帛を用いた以外は実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(実施例4)
経糸77dtex/34フィラメント、緯糸92dtex/74フィラメントのポリエステルツイル(目付:200g/m)を分散染料でグレーに染色し、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工を行ったものを第2の繊維布帛として用いた。
この第2の繊維布帛を用いた以外は実施例3と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(実施例5)
経糸、緯糸ともに33dtex/68フィラメントのポリエステルタフタ(目付:96g/m)を分散染料でグレーに染色し、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工を行ったものを第2の繊維布帛として用いた。
この第2の繊維布帛を用いた以外は実施例3と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(実施例6)
経糸、緯糸ともに22dtex/20フィラメントのナイロンタフタ(目付:47g/m)を酸性染料で赤色に染色し、合成タンニンを用いてフィックス処理を行い、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工をし、ついでカレンダー加工を施したものを第1の繊維布帛として用いた。
また、経糸、緯糸ともに33dtex/34フィラメントのナイロンタフタ(目付:53g/m)を酸性染料でネイビーに染色し、合成タンニンを用いてフィックス処理を行い、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工を行ったものを第2の繊維布帛として用いた。
これらの第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を用いた以外は実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(実施例7)
経糸、緯糸ともに33dtex/34フィラメントのナイロンタフタ(目付:53g/m)を酸性染料で赤色に染色し、合成タンニンを用いてフィックス処理を行い、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工をし、ついでカレンダー加工を施したものを第1の繊維布帛として用いた。
また、経糸、緯糸ともに33dtex/34フィラメントのナイロンタフタ(目付:53g/m)を酸性染料でネイビーに染色し、合成タンニンを用いてフィックス処理を行い、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の3%水溶液を用いて撥水加工を行ったものを第2の繊維布帛として用いた。
これらの第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を用いた以外は実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(実施例8)
33dtex/36フィラメントのポリエステルスムース(目付:76g/m)を分散染料で青色に染色し、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の5%水溶液を用いて撥水加工をし、ついでカレンダー加工を施したものを第1の繊維布帛として用いた。
33dtex/36フィラメントのポリエステルスムース(目付:76g/m)を分散染料でグレーに染色し、熱セットを行った。次に、パディング法にてアサヒガードAG‐E081(フッ素系撥水剤、AGC株式会社製)の5%水溶液を用いて撥水加工を行ったものを第2の繊維布帛として用いた。
これらの第1および第2の繊維布帛を用いた以外は実施例1と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(実施例9)
実施例7と同じ方法で第1の繊維布帛および第2の繊維布帛を準備した。
次に、この第1の繊維布帛のカレンダー加工面に、コーティング法により下記樹脂組成物をナイフコーターを用いて塗布した。続いて、室温の水中に30秒浸漬した後、150℃で90秒熱処理し、第1の繊維布帛の上に樹脂膜を形成した。
(樹脂組成物)
クリスボン MP−858 100部
(ポリウレタン、DIC株式会社製)
DMF 40部
コロネート HL 1部
(イソシアネート系架橋剤、東ソー株式会社製)
以降の手順は実施例7と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(比較例1)
第1の繊維布帛上に樹脂層を形成する工程を省略した以外は実施例7と同様の方法で布帛を得た。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
(比較例2)
発泡剤を発泡させる工程の後に、接着剤の転写、および第2の繊維布帛を貼り合せる工程を行った以外は比較例1と同様の方法で布帛を得た。このようにして得られた布帛は、樹脂層が第2の繊維布帛と接着しておらず、非常に剥離しやすいものであった。得られた布帛の試験結果を表1に記した。
Figure 2021031806
本実施の形態にかかる布帛は、任意の形状を有する高い凸部によって優れた意匠性を有するので、衣服等に適用することができる。また、本実施の形態にかかる布帛は、衣服に適用する場合に限るものではなく、鞄やポーチ等の袋物、クッションや枕等の寝具類、カーペットやテーブルクロス等の敷物、カーテンや暖簾等の間仕切り、又は、その他布製身の回り品等、布帛を用いて製造される種々の製品に広く適用することができる。

Claims (6)

  1. 第1の繊維布帛と、樹脂層と、任意の意匠の形状を有する発泡層と、接着剤層と、第2の繊維布帛とがこの順に積層されており、
    前記接着剤層は、前記樹脂層および前記発泡層と前記第2の繊維布帛とを接着している、
    布帛。
  2. 前記第1の繊維布帛と前記第2の繊維布帛とが同一の織組織または編組織である、
    請求項1に記載の布帛。
  3. 前記第1の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度と、前記第2の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度とは、いずれも85dtex以下である、
    請求項1または請求項2に記載の布帛。
  4. 前記第1の繊維布帛を構成する最も細い糸の繊度と、前記第2の繊維布帛を構成成する最も細い糸の繊度との比が、1.0:4.0〜4.0:1.0である、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の布帛。
  5. 前記第1の繊維布帛の目付と、前記第2の繊維布帛の目付との比が、1.0:3.0〜3.0:1.0である、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の布帛。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の布帛を用いて製造された衣服。
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