JP2021031075A - バリアキャップ - Google Patents
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Abstract
Description
また、プルリングを引き上げて弱化部を破断する際に、指先の力が弱い子供やお年寄りには開封が困難なこともあり、プルリングによる引き上げではなく、上蓋を回転させて開栓する抜栓キャップも同様に知られている。
また、キャップ本体中にバリア層を設けることで、バリア性がさらによくなり、基材層として基本樹脂にバリア性樹脂がブレンドされているため、バリア層と基材層との接着性がよくなり、破断性も改良される。
図1において、Aは容器本体Dに装着されるキャップ本体、Bはキャップ本体Aに螺合して装着される上蓋である。
容器本体Dの口部1は、キャップ本体Aに嵌着して抜け止め保持する係止突条2を備えている。
注出筒10の下端部内周面には、全周にわたって形成された薄肉弱化部15を介して移行栓体16が一体に連設されている。
移行栓体16は、上方に立設され、円筒状の筒状壁17と、その上面を覆う上部壁14とからなっている。
係合突起18は、後述する上蓋Bのラチェット機構のもう一方の第2歯部52と係合する。
ねじ壁部8は、注出筒10の下部に内周縁で連設した段部9の外周縁から垂設され、外周面にはねじ部(雄ねじ)24が設けられている。
外筒5と内筒6の間には、容器本体Dの口部1が嵌入する嵌合溝が形成され、外筒5の内周には、係止突条2に係合して口部1を抜け止めする係止縮径部27が設けられている。
上壁7の上面には、周方向複数個所にストッパー28が設けられ、図2に示すように、その螺脱方向には略垂直な第1当接面28aと、螺着方向には第1傾斜面28bとが形成されている。
また、本実施例では、段部9の外周には、上蓋Bをキャップ本体Aに螺合する際にその終了を知らせるための音出し突部13が設けられている。
図2に示すように、外筒5の下部外周面の所定円弧範囲にわたって軸方向に形成されたスリット30を介して把持部31が設けられ、把持部31は、縦切断部32によって外筒5から切り離され外方に展開可能になっている。
把持部31の縦切断部32には、上部に指先を入れて引っ掛けるための引っ掛け凹部32aが形成され、縦切断部32に近接する側の把持部31内周面には手指で把持する把持凹部が設けられており、スリット30は、縦切断部32より把持部31と反対方向に延び、終端部で把持部31が外筒5と一体となる。
外筒5の内周側に破断可能な薄肉の周方向切断部37が形成され、本実施例では、スリット30は約110°の円弧範囲にわたって形成されている。
それによって、キャップ本体Aの薄肉弱化部15における破断性を維持しながらバリア性を付与することができる。
また、バリア性を強化したい場合には、基本樹脂にバリア性樹脂をブレンドした基材層に対し、図2に示すように、バリア性樹脂を含むバリア層Eを中間層として内層化してもよい。
バリア層Eは、注出筒10を除くキャップ本体A全体、薄肉弱化部15と移行栓体16全体に内層され、基材層にバリア性樹脂が含まれているため、バリア層Eの基材層に対する接着性がよくなり、破断性が改善される。
また、バリア層Eとして、バリア性樹脂に基本樹脂をブレンドしてもよく、それによって破断性がさらに改善される。
また、バリア性樹脂は、それぞれバリアの目的に応じて、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)や、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド(PA)、MXナイロン(MXD6等)等の公知のガスバリア性の樹脂が用いられる。
中でも、バリア性樹脂としては、酸素に対するバリア性や風味および香気に対するバリア性からみて、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)が好ましい。
また、基本樹脂としては、上記のポリエチレン(PE)の中でも、低密度ポリエチレン(LDPE)が用いられ、とくに、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が用いられている。
なお、実験例4〜6は、基本樹脂にバリア性樹脂をブレンドした基材層に対し、バリア性樹脂を含むバリア層Eを中間層として内層化したものも同様に検証試験を行った。実験例5および実験例6における薄肉弱化部15のバリア層Eの厚みは、それぞれ0.13mm、0.07mmであった。
基本樹脂(ポリマーA):LLDPE(プライムポリマー社製 25200J)
バリア性樹脂(ポリマーB):EVOH(クラレ社製 C109B)、エチレン含有量35モル%
開封トルクの単位:N・cm
酸素透過量(OTR)の測定器:MOCON社製 OX−TRAN2/20
酸素透過量(OTR)の測定条件:キャップ外側23°C−55%RH、キャップ内側23°C−90%RH、キャリアガスとして窒素を使用、酸素分圧21%
酸素透過量の単位:cc/day・pack
上記実験例2は、LLDPEに対し、EVOHを3重量%ブレンドしたもので、破断性を有するが、バリア性が不十分であった。
上記実験例3は、LLDPEに対し、EVOHを85重量%ブレンドしたものであり、薄肉弱化部15は破断されず、抜栓できなかった。
上記実験例4は、バリア層EとしてEVOHを使用し、また、基材層としてLLDPEにEVOHを3重量%ブレンドしたものであるが、バリア層E(EVOH)と基材層との間の接着性がよくないため、抜栓不可であった。
なお、実験例3と実験例4はバリア性は高いと思われるが、抜栓不可であったため、酸素透過量(OTR)は測定していない。
上記実験例5は、基材層としてEVOHを10重量%ブレンドしたもので、この場合には、接着性が改善されて抜栓可能となった。
上記実験例6は、バリア層EとしてEVOHに基本樹脂のLLDPEを15重量%ブレンドしたもので、開封トルク値が下がり、破断性が改善された。
なお、実験例5と実験例6のように、バリア層Eを設けた場合、バリア性能はきわめて高いものとなった。
特に、バリア性を良くするためには、バリア性樹脂を含むバリア層Eを設けることが好ましいことがわかり、基本樹脂に対し、10重量%以上のバリア性樹脂をブレンドすることで、基材層とバリア層Eとの接着性がよくなり、破断性がよいものとなることがわかった。
また、バリア層Eにバリア性樹脂の他に基本樹脂をある程度ブレンドするとさらに破断性が改善されることがわかった。
また、希望するバリア性能をどの程度のものとするかによっても配合率は変えられる。
バリア性樹脂を多く加えた場合、バリア性は向上するが、破断性は徐々に悪くなるため、破断可能となる配合率でバリア性樹脂をブレンドすることが好ましく、また、さらなるバリア性の改善には、中間層としてバリア層Eを内層化することが好ましい。
なお、基本樹脂とバリア性樹脂の混練が困難な場合には、相溶化剤を適宜加えられる。
上蓋Bは、天板部に設けられた頂壁40と、頂壁40の外周縁から垂設された外周壁41とを有している。
頂壁40の内面には、中央付近に切断筒部46が垂設され、その外側にはねじ筒部47が頂壁40と一体に垂設されている。
また、切断筒部46の外周には、注出筒10の内周面に当接して注出口を密閉するシール部が形成されている。
なお、上蓋Bは、キャップ本体Aのようにバリア性樹脂をブレンドしなくてもよく、基本樹脂のみで製造される。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
また、バリア層Eを中間層として内層化する場合には、基本樹脂にバリア性樹脂を含む基材層に対し、バリア性樹脂を含むバリア層Eが中間層となるように共射出成形することで製造することができる。
なお、キャップ本体Aのねじ部(雄ねじ)24に上蓋Bのねじ部(雌ねじ)58を螺合して締め込む際には、ラチェット機構によって、係合腕52は係合突起18を乗り越え、上蓋Bの回転を許容する。
また、本実施例では、上蓋Bの音出し部材48の先端部の振動片が、キャップ本体Aの音出し突部13に触れて音を発することで上蓋Bの締め込みが終了したことを知ることができる。
上蓋Bの回転が進むと、移行栓体16に加わる回転力と引き上げ力により、ついには薄肉弱化部15が破断して注出口が開栓され、注出筒10から分離された移行栓体16は筒状壁17に係合する切断筒部46によって引き上げられて上蓋Bとともに上昇していく。
また、切断筒部46は、シール部が注出筒10に当接して容器内を密封する。
まず、縦切断部32の引っ掛け凹部32aに手指を掛けて把持部31を手前に引っ張ると、縦切断部32が破断し、把持部31が外方に展開する。
さらに把持部31を引っ張ると、スリット30の終端部に隣接して設けられた図示しない薄肉始断部が破断し、さらに薄肉始断部の終端に連続する薄肉の径方向切断部を経由して周方向切断部37へと破断が進んでいく。
また、プルリングを引っ張り上げて薄肉弱化部を破断するものなど、薄肉弱化部を破断して抜栓するものであればどのようなものでもよく、その場合には、上蓋のキャップ本体への装着は、ヒンジを介して連設するものであってもよい。
さらに、キャップ本体の容器本体への装着も螺着であってもよい。
B 上蓋
D 容器本体
E バリア層
1 口部
2 係止突条
4 装着部
5 外筒
6 内筒
7 上壁
8 ねじ壁部
9 段部
10 注出筒
12 リップ部
13 音出し突部
14 上部壁
15 薄肉弱化部
16 移行栓体
17 筒状壁
18 係合突起(第1歯部)
19 第1係合突部
22 拡径部
23 フランジ部
24 ねじ部(雄ねじ)
27 係止縮径部
28 ストッパー
28a 第1当接面
28b 第1傾斜面
29 切り欠き段部
30 スリット
31 把持部
32 縦切断部
32a 引っ掛け凹部
37 周方向切断部
40 頂壁(天板部)
41 外周壁
46 切断筒部
47 ねじ筒部
48 音出し部材
50 第2係合突部
52 係合腕(第2歯部)
58 ねじ部(雌ねじ)
Claims (7)
- 容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体に装着される上蓋とからなり、キャップ本体は、注出筒を有し、注出筒内に薄肉弱化部を設けて、薄肉弱化部を破断して注出口を形成する抜栓可能なバリアキャップにおいて、
キャップ本体は、キャップ本体の基本樹脂にガスバリア性を有するバリア性樹脂がブレンドされていることを特徴とするバリアキャップ。 - バリア性樹脂の配合割合が10重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のバリアキャップ。
- キャップ本体は、基本樹脂にバリア性樹脂がブレンドされた基材層に対し、バリア性樹脂を含むバリア層が中間層として内層化されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバリアキャップ。
- バリア層は、バリア性樹脂に基本樹脂がブレンドされていることを特徴とする請求項3に記載のバリアキャップ。
- バリア性樹脂は、エチレン含有量が27〜44モル%のエチレンビニルアルコール共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバリアキャップ。
- 基本樹脂は、低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜5に記載のバリアキャップ。
- 基本樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜5に記載のバリアキャップ。
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