[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示されるように、本実施形態の遊技機10はパチンコ遊技機であって、前側が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技盤11の遊技領域R1が視認可能になっている。ガラス窓10Wの上方には、両角部にスピーカ25S,25Sが備えられている。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル28が設けられている。操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
図2に示されるように、遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出したガイドレール12に四方を囲まれることで形成されている。遊技領域R1の中央には、遊技盤表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技盤表示窓11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、本開示の「表示手段」に相当し、例えば、液晶モジュールで構成され、その前面が遊技に関する演出を行う表示画面13Gとなっている。なお、表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から遊技盤表示窓11Hに嵌め込まれて、遊技盤表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技盤11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の前側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1と第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。また、表示装飾枠23の左側には、始動ゲート18が設けられている。なお、図示しないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなして、遊技盤11の前面から突出した部材上面に開放しており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。そして、一般入賞口20に遊技球が入ると、例えば、10個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定(以下、「普図判定」という)が行われ、図示しない普通図柄表示装置にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。
普通図柄表示装置の変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄表示装置の変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、普通図柄表示装置の変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置が変動表示される。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、図示しない普通図柄保留表示部にて表示される。
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した普図判定が当りであった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1には、横倒しにされた可動翼片14Cが示されている)。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定(以下、「特図判定」という)が行われる。即ち、本実施形態では、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球することで、特図判定の当否判定権が発生する。特図判定の判定結果は、当否判定権の使用に伴って、表示画面13Gで報知される。詳細には、当否判定権が用いられると、表示画面13Gでは、判定結果の報知に先立って、判定結果に関連した判定報知演出が行われる。そして、判定結果が大当りの場合には 、判定報知演出の終了後、大当り遊技状態となって大当り遊技が実行される。判定結果が外れの場合には、大当り遊技状態ではない通常の遊技状態が続く。
特図判定の結果が大当りであると、大入賞口15が解放される大当り遊技が実行される。詳細には、大入賞口15は、横長矩形に形成されて、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、大当り遊技が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入球すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。大当り遊技では、予め設定された回数だけ大入賞口15が開放されるラウンド遊技が、実行される大当り遊技に応じた回数だけ実行される。1回のラウンド遊技は、予め定められた上限数の遊技球が大入賞口15に入球するか又は予め設定されたラウンド遊技時間が経過すると、終了する。
ここで、判定報知演出の最中又は大当り遊技中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入球に起因した当否判定権は、例えば、4回分ずつ8回分まで保留され、各当否判定権に対する判定結果及び判定報知演出に関する情報が保留記憶される。そして、実行中の判定報知演出又は大当り遊技が終了すると、再び、当否判定権が用いられ、その当否判定権に対応した判定報知演出が行われる。このとき、当否判定権は、原則として、発生順に用いられる。
図2には、遊技機10の電気的な構成が示されている。遊技機10は、図示しないROM、RAM、CPUを有し、ROMに記憶されている複数の制御プログラムをCPUがマルチタスク処理にて所定周期で実行することで、ROM、RAM、CPUが、図2のブロック図に一部抜粋して示した乱数生成部80、乱数取得部81、データ格納部82、普図判定部83、特図判定部85等の制御上の構成部として機能する。
乱数生成部80は、所定周期で複数の乱数を生成している。乱数取得部81は、始動ゲート18を遊技球が通過する度に1つずつ普図判定用の乱数を取得してデータ格納部82に格納すると共に、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞する度に乱数生成部80から複数ずつの特図判定用の乱数セットを取得してデータ格納部82に格納する。
普図判定部83は、データ格納部82から普図判定用の乱数を取得してそれが奇数か否かによって当否を判定する(普図判定)。すると、その判定結果を受けた普図制御部84が、普通図柄表示装置に、例えば、0〜9の範囲で変化する1桁の数字である普通図柄を、予め定められた通常普図変動期間に亘って変動表示した後、停止表示する。その停止表示された図柄が奇数か否かによって普図判定の結果を報知する。そして、普図判定で当りになると、前述したように所定期間に亘って可動翼片14Cが横に倒れて遊技球を下方への始動入賞口14Bへと案内する。
なお、普通図柄が変動開始から停止表示されるまでの間、つまり、判定報知中に、始動ゲート18を遊技球が通過した場合には、最大4球分の普図判定用の乱数がデータ格納部82に格納されて、普図判定が保留される。
特図判定部85は、データ格納部82から特図判定用の乱数セットを取得し、乱数セットに含まれる当否判定用の乱数が、予め設定された当り乱数と一致するか否かによって当否を判定する(特図判定)。特図判定で大当りになると、大入賞口15が所定時間に亘って開放するラウンド遊技が複数ラウンド繰り返される大当り遊技が実行される。
演出制御部86は、特図判定部85から判定結果を受け、前述した判定報知演出として、表示画面13Gに、例えば、図3に示すように、0〜9の範囲でそれぞれが変化する3桁の数字である特別図柄13A,13B,13Cを、予め定められた通常特図変動期間に亘って変動表示した後、例えば、左の特別図柄13A、右の特別図柄13C、中央の特別図柄13Bの順番に仮停止していく演出を実行する。この演出は、続いて、3つの全ての特別図柄13A,13B,13Cを仮停止させた後、それら3つの全てを確定停止(静止)させ、その確定停止した特別図柄13A,13B,13Cの図柄組み合わせによって、特図判定の判定結果を報知する。
具体的には、判定結果が大当たりの場合には、各特別図柄13A,13B,13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示される。
また、特別図柄13A,13B,13Cが変動開始から確定停止表示されるまでの間、又は、大当り遊技の実行中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合は、それぞれ最大4球分の特図判定用の乱数がデータ格納部82に格納されて特図判定が保留される。そして、演出制御部86は、表示装置13の下端部に位置する特別図柄保留表示部13Hに、保留された特図判定の数を表示させる。
具体的には、図3に示すように、特別図柄保留表示部13Hは、横長の長方形の内部が8つの表示枠13Zに区切られていて、各表示枠13Zには、左端から順に「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8 最大!」と表記されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞して当否判定権の保留数が増える度に、左端から順に表示枠13Zが点灯し、保留数が8になったときには、長方形全体が点灯するゲージ表示となっている。このように、特別図柄保留表示部13Hは、点灯している最右端の表示枠13Zに表示された数字により現在の特図判定の保留数を遊技者に報知する(図3の例では、保留数が2つ存在する場合が示されている。)。
ここで、特別図柄13A,13B,13Cが停止表示又は大当り遊技が終了すると、次の保留に基づいて再び特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されると共に、点灯している最右端の表示枠13Zが消灯する。また、新たに保留が発生すると、既に点灯している最右端の表示枠13Zの右隣の表示枠13Zが新たに点灯する。
特図判定用の乱数セットには、特別図柄13A,13B,13Cの判定報知の途中でリーチ状態にするか否かを決定するための乱数も含まれている。そして、特図判定部85がリーチ状態にするか否かも含めて判定報知の内容を決定して演出制御部86に付与する。ここで、リーチ状態とは、左右の特別図柄13A,13Cが同一図柄で仮停止された状態で中央の特別図柄13Bを変動表示されている状態をいう。リーチ状態とした場合も、そうでない場合と同様に、中央の特別図柄13Bを仮停止し、3つの特別図柄13A,13B,13Cの全てを一度、仮停止してから確定停止する。また、特図判定が当りであるか否か、及び、リーチ状態にするか否かは、特図判定用の乱数セットがデータ格納部82に格納された時点で、直ちに判定報知されるか保留されるかに拘わらず、先読み判定されるようになっている。
演出制御部86は、判定報知演出として、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示と共に、演出用画像を表示画面13Gに表示する表示演出やその表示演出に合わせてスピーカ25SからBGMやセリフ、効果音などを出力する音声演出を組み合わせた変動演出も同時に実行する。
これらの変動演出では、遊技全体を通して、例えば、メインキャラクターが登場し、様々なキャラクターと共に冒険をしていくストーリー演出が行われ、各登場人物の運命がよい結果になるか、悪い結果になるかによって特図判定の結果の示唆等を行う。そして、様々な変動演出をランダムに行うために、制御データ記憶部87には、変動演出のデータテーブルが複数記憶され、それらの一部に、リーチ状態から外れになるリーチ外れ用のデータテーブルと、リーチ状態から当りになるリーチ当り用のデータテーブルとが含まれている。それら両テーブルには、複数種類の変動演出が設定されると共に、両データテーブルの間で一部の変動演出の内容は、終盤部分を除く全体が重複している。また、各データテーブルごとに選ばれやすい変動演出とそうでない変動演出とが設定されている。そして、演出制御部86は、特図判定用の乱数セットがデータ格納部82に格納されると、先読み判定の結果に基づいてデータテーブルを決定するとともに、乱数生成部80から乱数を取得し、その乱数と一致した変動演出をそのデータテーブルから選択する。以下、判定結果がリーチ当り又はリーチ外れとなる変動演出について、図4,5に示す変動演出を参照して具体的に説明する。
まず、図4に示した「ドライブ演出」と呼ばれる変動演出について説明する。上述したように、表示画面13Gには、通常は、停止している特別図柄13A,13B,13Cが表示されている(図3参照)。そして、特図判定が行われると、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が開始されると共に、変動演出として、図4(A)に示すように、所定の登場人物Z1が歩いている映像が表示される。このとき、スピーカ25SからはBGMや登場人物Z1の足音等も出力される。
そして、リーチとなったときに、図4(B)に示すように、表示画面13Gに登場人物Z1が運転する自動車の走行映像が表示される。この映像に合わせて、スピーカ25SからはBGMや自動車の走行音等が出力される。そして、リーチ当り用の演出は、その後、図4(C)に示すように、自動車が遊園地に到着する映像が表示されて当否判定結果が当りであることを意味する結末になる。このとき、スピーカ25Sからは、登場人物Z1の「やったー」というセリフ等が出力される。一方、リーチ外れ用の演出は、当りの場合と同じ自動車の走行映像(図4(B)参照)が表示された後に、図4(D)に示すように自動車が目的地に到着せずに崖から転落する映像が表示されて当否判定結果が外れであることを意味する結末になる。
「ドライブ演出」は、例えば信頼度が30%(つまり、「ドライブ演出」が行われた後、当りになる確率が30%、外れになる確率が70%)となるように、各データテーブルに設定されている。そして、外れの場合には、前述の転落シーンと共に特別図柄13A,13B,13Cの外れの図柄組み合わせが確定停止表示され、当りの場合には、前述の到着シーンと共に特別図柄13A,13B,13Cの当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。
図5に示した「宝箱演出」と呼ばれる変動演出は、まず、特図判定が行われると、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が開始されると共に、「ドライブ演出」と同様に、所定の登場人物Z1が歩いている映像が表示される(図5(A))。このとき、スピーカ25SからはBGMや登場人物Z1の足音等も出力される。そして、リーチとなったときに、図5(B)に示すように、登場人物Z1の前に当りを予感させる宝箱Eが登場する。このとき、スピーカ25Sからは遊技者に期待を持たせるようなBGMが出力される。そして、リーチ当り用の演出では、その後、図5(C)に示すように、宝箱Eが開き、星が飛び出してくる映像が表示されると共に、特別図柄13A,13B,13Cが当り目(即ち、ゾロ目)になって停止表示される。このとき、スピーカ25Sからは宝箱Eが開く音等が出力される。一方、リーチ外れ用の演出では、当りの場合と同じ宝箱Eの映像(図5(B)参照)が表示された後に、図5(D)に示すように宝箱Eが開き、お化けが出てきて特別図柄13A,13B,13Cの外れの図柄組み合わせが確定停止表示される。「宝箱演出」は、例えば信頼度が70%(つまり、「宝箱演出」が行われた後、当りになる確率が70%、外れになる確率が30%)であり、「ドライブ演出」よりも信頼度が高くなっている。
ここで、変動演出で出力される音声は、上述したように演出制御部86により制御されている。演出制御部86は、制御データ記憶部87に記憶された音声演出データから、決定された変動演出における音声演出データを設定されている音量でスピーカ25Sから出力する。本実施形態では、音量は、例えば、0〜10の範囲で設定されていて、音量0である無音状態から、音量1、2、3と増えるにつれて段階的に音が大きくなるように設定されている。
ところで、本実施形態の遊技機10では、判定結果がリーチ当り又はリーチ外れとなる変動演出中にスピーカ25Sから出力されるBGMやセリフ、効果音等の音量は、特図判定の保留数に応じて変化するように構成されている。即ち、演出制御部86が、音声演出の音量を表示画面13Gに表示される特図判定の保留数に応じて変化するように制御を行っていて、例えば、特図判定の保留数が0の場合に音量を2とし、保留数が1の場合に音量を3とし、保留数が2の場合に音量を4とし、保留数が3の場合に音量を5とし、上限保留数に到達したときには音量を最大の10になるように制御している。
そして、本実施形態では、変動演出の最中に上限保留数に到達したときに、音量が最大となった音声により、判定結果を示唆する変動演出が行われることがある。具体的には、リーチ外れ用のデータテーブルと、リーチ当り用のデータテーブルとには、途中までは同じ演出内容で進行し、保留数が上限に達したときにそれぞれ異なるセリフを発する「第1セリフ付きドライブ演出」と「第2セリフ付きドライブ演出」と「第3セリフ付きドライブ演出」とがそれぞれ設定されている。各「セリフ付きドライブ演出」は、以下のようにして進行する。まず、「ドライブ演出」と同様に、所定の登場人物Z1が歩いている映像が表示されたのちに、リーチとなると、表示画面13Gに登場人物Z1が運転する自動車の走行映像が表示される。このとき、図6(A)に示すように、各「セリフ付きドライブ演出」では、「ドライブ演出」と異なり、表示画面13Gに、「保留をためろ!」というメッセージが表示され、「セリフ付きドライブ演出」であることが遊技者に示唆される。なお、この「保留をためろ!」というメッセージは、自動車の走行映像の表示開始と同時に表示されてもよいし、自動車の走行映像の表示開始からしばらく経過してから表示されてもよい。
そして、上限保留数に到達すると、「第1セリフ付きドライブ演出」では、図6(B)に示すように、登場人物Z1が「とばすぞー」というセリフがスピーカ25Sから出力され、「第2セリフ付きドライブ演出」では、図6(C)に示すように、登場人物Z1が「いくぞー」というセリフがスピーカ25Sから出力され、「第3セリフ付きドライブ演出」では、図6(C)に示すように、登場人物Z1が「こわいよー」というセリフがスピーカ25Sから出力される。その後、判定結果が当りの場合には、「ドライブ演出」と同様に、自動車が遊園地に到着する映像が表示され(図6(E)参照)、判定結果が外れの場合には、「ドライブ演出」と同様に、自動車が崖から転落する映像が表示される(図6(F)参照)。各々の信頼度は、「第1セリフ付きドライブ演出」が95%、「第2セリフ付きドライブ演出」が70%、「第3セリフ付きドライブ演出」が50%、と設定されていて、何れも「ドライブ演出」より高くなっている。なお、本実施形態では、特別図柄保留表示部13Hにより保留数は常に表示された構成であるが、図6(E),(F)では省略されている。
リーチとなってから所定期間内に、上限保留数に到達しなかった場合には、セリフが出力されずに、判定結果に応じて図6(E)又は図6(F)の映像が表示されて、変動演出が終了する。この場合、何れの「セリフ付きドライブ演出」であったかが分からないまま(つまり、信頼度が分からないまま)変動演出が終了することとなる。なお、「セリフ付きドライブ演出」と「ドライブ演出」とで、終了時(本実施形態では、遊園地に到着するか崖に転落するか)の内容が異なっていてもよい。さらに、終了時の内容が、各セリフ付きドライブ演出に応じても異なっていてもよい。また、保留数が「7」になったときに、「あと1つだ!」というメッセージが表示されてもよい。
本実施形態の遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、この遊技機10の作用効果について説明する。遊技者が操作ノブ28を操作して遊技を開始し、遊技領域R1に打ち込まれた遊技球が始動入賞口14A,14Bへ入球すると、特図判定の当否判定権が発生する。その特図判定の判定結果の報知に先立って、判定結果に関連した判定報知演出が行われる。この判定報知演出では、表示画面13Gに特別図柄13A,13B,13Cの変動表示とともに表示演出と音声演出とを組み合わせた変動演出とが行われる。
ここで、本実施形態の遊技機10では、実行される変動演出として、判定結果がリーチ当り又はリーチ外れとなる変動演出が選択された場合、変動演出中に特図判定の保留数が増えるにつれてスピーカ25Sから出力されるBGMやセリフ、効果音等の音声演出の音量が増加するように構成されている。これにより、特図判定の保留数を表示するだけの従来の遊技機と比べて、保留を利用して遊技の趣向性を向上することが可能となる。
そして、変動演出中、遊技を続けることで特図判定の保留数が増加し、それに伴って音声演出が出力する音量が増加していくので、変動演出のストーリーが終盤に向かうにつれて、遊技者の気分を盛り上げて臨場感を与え、遊技上の世界に感情移入させることができる。そして、音量が大きい状態で判定結果が報知されるので、判定結果が当りであったときには、高揚感をより感じさせることができる。また、判定結果が外れであったときには、遊技者が落胆する気持ちをより大きくし、このまま遊技を続けて次こそは、という遊技意欲を増大させることもできる。
また、本実施形態では、変動演出中に上限保留数に到達したときに、判定結果を示唆する音声が出力されることがあるので、遊技者の気分をさらに盛り上げるとともに、保留数を上限まで貯めたい、と感じさせることができる。例えば、図6(A)のように、信頼度が30%の「ドライブ演出」が始まったと思ったら、実は「セリフ付きドライブ演出」であり、もっと信頼度が高い可能性があると分かり、当りへの期待感や緊張感を高めることができ、遊技にさらなる興味をもつことができる。
さらに、本実施形態では、表示画面13Gにゲージ表示された特図判定の保留数が表示され、保留数が増えるにつれて、音量が増大していくので、遊技者に自分の気分の高まりがゲージの量と比例していると感じさせることができ、保留を貯めてゲージをいっぱいにしようという遊技意欲を増大させることができる。また、リーチとなったときに、あと1つの保留の発生で上限保留数に到達する場合には、表示画面13Gに「あと1つだ!」というメッセージが表示される構成にすると、遊技者に対して音量の増加による聴覚的刺激に加えて視覚的にも刺激を与えることで、遊技意欲をさらに増大させることができる。
[第2実施形態]
次に、本開示を適用した第2実施形態の遊技機10について説明する。以下の説明では、上記第1実施形態との相違点のみを説明し、共通する構成については重複した説明は省略する。
上記第1実施形態の判定報知演出は、1つの当否判定権の当否を示すものであり、1つの判定報知演出中に消化される当否判定権は1つであるので、判定報知演出中に保留数は増加はするものの減少はしない構成であったが、本実施形態の判定報知演出は、連続する複数の当否判定権の中に当りとなる当否判定権が含まれているか否かを示すものであり、1つの判定報知演出中に、判定図柄による結果報知が複数行われる。本実施形態では、1つの当否判定権と、その当否判定権に係る変動終了持までに保留され得る8つの当否判定権と、を合わせた9つの当否判定権が1つの演出用セットとされ、この演出用セットに係る変動に亘って1つの判定報知演出が行われる。ただし、1つの演出用セット内で、保留数が上限数に達する前に信頼度の高い保留(判定結果がリーチ当り又はリーチ外れとなる当否判定権)が発生した場合、その当否判定権までを演出用セットとして、1つの判定報知演出が行われる。
従って、例えば4つ目の保留で信頼度の高い当否判定権が発生した場合、保留されたタイミングで、4つ目の当否判定権までを演出用セットとして、演出制御部86が1つの判定報知演出として実行されるリーチ当り又はリーチ外れ変動演出のデータテーブルを決定する。そして、この変動演出中にスピーカ25Sから出力されるBGMやセリフ、効果音等の音量が、当否判定権の保留数の増減に応じて変化するように構成されている。これにより、1つの判定報知演出中に、複数の当否判定権が順次消化されていくため、保留数が減って音量が下がり、新たに、遊技球が始動入賞口14A,14Bへ入球すると、保留が増えて、音量が増加する。
本実施形態では、1つの判定報知演出中に保留数が増減するので、それに伴って音量が増減する構成となっている。従って、保留が増えて音量が増加したときには、遊技者の気分を盛り上げて臨場感を与え、遊技上の世界に感情移入させることができる一方、保留が減って音量が小さくなったときには、遊技者に元の音量に戻して気分を盛り上げたいという刺激を与え、遊技意欲を増大させることができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、特図の変動演出における音声演出の音量の大きさを特図判定の保留数に応じて変化させていたが、これに限られるものではなく、例えば、表示演出の光量又はコントラスト等を変化させてもよい。
(2)上記実施形態では、判定報知演出中に、音声演出の音量の大きさを特図判定の保留数に応じて変化させていたが、大当り遊技中であってもよい。また、特図の判定報知演出中と大当り遊技中との両方であってもよい。
(3)上記実施形態では、特別図柄保留表示部13Hが8つの表示枠13Zに区切られ、当否判定権が保留される度に、左端から順に表示枠13Zが点灯するゲージ表示により保留数を報知していたが、左端から保留された順に横一列に保留表示体が並べて表示され、当否判定権の保留数が保留表示体14Zの個数により報知されてもよい。この場合、特別図柄13A,13B,13Cが停止表示又は大当り遊技が終了すると、次の保留に基づいて再び特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されると共に、その保留に対応した左端の保留表示体14Zが消滅して、それより右側の保留表示体14Zが左側へと移動表示される。また、新たに当否判定権が発生すると、新たに出現した保留表示体14Zが既に表示されている最後尾の保留表示体14Zの右隣に加えて表示される。
(4)上記実施形態では、音声演出の音量の大きさを特図判定の保留数に応じて変化させるだけであったが、保留数の増加に伴って新たな効果音やBGM、セリフを付加させてもよい。
(5)上記実施形態では、判定結果がリーチ当り又はリーチ外れとなる変動演出が選択された場合に、判定報知演出の最中に保留される特図判定の保留数の増減に対応して音声演出の音量の大きさを変化させていたが、リーチ当り又はリーチ外れに関係なくすべての判定報知演出で行われてもよい。また、上記実施形態における「セリフ付きドライブ演出」のように、上限保留数に到達したときに示唆を行う変動演出においてのみ、行われてもよい。
(6)上記実施形態では、を表示する特別図柄保留表示部13により特図判定の保留数が常にゲージ表示される構成であったが、上限保留数に到達したときに示唆を行う変動演出においてのみゲージ表示され、通常は、他の実施形態(3)に記載したような保留表示体14Zが保留数の増減に伴って表示される構成であってもよい。