以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る遊技機は、パチンコ遊技機から成るもので、図1に示すように、ガラス板2が取り付けられた前面枠3を有しており、かかるガラス板2から遊技者が遊技盤4を目視し得るよう構成されている。この遊技盤4には、種々役物や複数の釘、或いは風車等が形成されている。さらに、遊技盤4には、第1始動口6、第2始動口7a(図3参照)を有した電動チューリップ7、大入賞口8、及びゲート9等が形成されている。なお、パチンコ遊技機1の下方右隅部にはハンドル14が配設されており、該ハンドル14の回動操作により受け皿13内の遊技球を遊技盤4へ打ち出すよう構成されている。
第1始動口6と電動チューリップ7は、遊技盤4上の図柄表示部5(具体的には液晶画像表示器)の下方において、上下に並んで配置されたものであり、それぞれが独立して遊技球を入賞させ得るようになっている。このうち、第1始動口6は、遊技球が入賞すると大当たりか否か判定可能な数値データ(具体的には、大当たり用乱数値及び演出用乱数値)を取得させるものであり、上方に向けて開口して遊技球の入賞を常に許容した状態とされている。
一方、電動チューリップ7内の第2始動口7aは、可変入賞口と呼ばれるもので、図3に示すように、電動チューリップ7が、遊技球の入賞を規制する閉止状態(同図(a)参照)から、遊技球の入賞を許容する開成状態(同図(b)参照)まで動作することにより、遊技球が入賞可能とされるものである。しかして、第2始動口7aは、電動チューリップ7が開成状態となって遊技球が入賞すると、大当たりか否か判定可能な数値データ(具体的には、大当たり用乱数値及び演出用乱数値)を取得させるようになっている。
さらに、本実施形態に係るパチンコ遊技機1には、例えば7セグ等から成る第1特別図柄表示手段10及び第2特別図柄表示手段11がそれぞれ形成されている。第1特別図柄表示手段10は、第1始動口6に遊技球が入賞すると特別図柄(第1特別図柄)を変動表示させ、当該第1始動口6への入賞時に取得した乱数値(大当たり用乱数値)に応じた特別図柄を停止表示させるものであり、第2特別図柄表示手段11は、電動チューリップ7が開成状態とされることで遊技球が入賞すると、特別図柄(第2特別図柄)を変動表示させ、当該電動チューリップ7への入賞時に取得した乱数値(大当たり用乱数値)に応じた特別図柄を停止表示させるものである。
すなわち、第1始動口6に対する入賞と電動チューリップ7の第2始動口7aに対する入賞とでは、互いに独立した制御がなされることとなり、第1始動口6への入賞時には第1特別図柄表示手段10による第1特別図柄の変動表示が開始され、電動チューリップ7の第2始動口7aへの入賞時には第2特別図柄表示手段11による第2特別図柄の変動表示が開始されるようになっている。
ゲート9は、遊技球が通過可能とされたものであり、他の入賞口と異なり、通過による賞球の払出はなされないものである。また、第1特別図柄表示手段10及び第2特別図柄表示手段11の近傍には普通図柄表示手段12が配設されている。かかる普通図柄表示手段12は、ゲート9を遊技球が通過すると普通図柄を変動表示(本実施形態においては、丸印とバツ印とを交互に点灯表示)させ、所定の普通図柄(本実施形態においては丸印)が停止表示されると、「当たり」となって電動チューリップ7を所定時間開成させるようになっている。
なお、本実施形態においては、第1始動口6への入賞時よりも電動チューリップ7(第2始動口)に入賞したときの方が、遊技者に有利となり得るよう設定されている。例えば、高確率遊技状態において、電動チューリップ7の第2始動口7aに入賞した際には、短当たりとなる確率が極めて低く(或いは短当たりにはならない)設定される一方、同じく高確率遊技状態であっても、第1始動口6に入賞した際には、遊技状態が短当たりとなる確率が比較的高く設定されている。
ここで、「短当たり」とは、第1始動口6もしくは第2始動口7aに遊技球が入球したことを条件として行われる大当たり状態の抽選において、短当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技状態をいう。かかる「短当たり遊技状態」においては、大入賞口8が開放されるラウンド遊技を「長当たり」より少ない計2回行うものとされるが、各ラウンド遊技においては、大入賞口8が1回のみ開放し、その開放時間が0.1秒に設定されている。
これに対し、「長当たり」とは、第1始動口6または第2始動口7aに遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、長当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技状態をいう。かかる「長当たり遊技状態」においては、大入賞口8が開放されるラウンド遊技を計15回行うものとされ、各ラウンド遊技における大入賞口8の総開放時間は最大30秒に設定されており、この間に大入賞口8に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるよう設定されている。
図柄表示部5は、遊技盤4の略中央に配設された液晶表示装置等から成り、その画面に所定の図柄や背景等を表示し得るとともに、第1特別図柄表示手段10に対応した図柄(装飾図柄)又は第2特別図柄表示手段11に対応した図柄(装飾図柄)を変動表示又は停止表示可能とされている。そして、所定の図柄が停止表示(例えば同一図柄が揃って停止表示)されることにより「大当たり状態」が発生し、大入賞口8を所定時間及びタイミングで開口させ、多数の遊技球を獲得できるよう構成されている。
ここで、本発明(本実施形態を含む)においては、図柄表示部5にて変動表示又は停止表示される第1特別図柄に対応した装飾図柄を「第1特別図柄」とも称するとともに、図柄表示部5にて変動表示又は停止表示される第2特別図柄に対応した装飾図柄を「第2特別図柄」とも称するものとする。すなわち、第1特別図柄表示手段10にて変動又は停止表示される第1特別図柄、及び第2特別図柄表示手段11にて変動又は停止表示される第2特別図柄は、図柄表示部5にて変動又は停止表示される装飾図柄と常に対応する関係にあるので、図柄の名称を同一としているのである。
なお、図柄表示部5にて停止表示された図柄が予め定められた特定の図柄である場合(即ち、第1始動口6又は電動チューリップ7の第2始動口7aへの入賞時に取得した乱数値(大当たり用乱数値)に応じて予め定められた特別図柄が第1特別図柄表示手段10又は第2特別図柄表示手段11で停止表示された場合)には、大当たりの発生確率が通常より高められる特典が遊技者に与えられる。すなわち、大当たり状態の終了時に、その大当たり状態を生じさせた停止図柄が特定図柄であることを条件に、次の大当たりが高確率で発生するという特典が遊技者に与えられるのである。このように、大当たり状態が通常確率で発生する遊技状態を通常確率遊技状態と称するとともに、大当たり状態が当該通常確率よりも高確率で発生する遊技状態を高確率遊技状態と称するものとする。
第1特別図柄保留ランプ15は、図柄表示部5(第1特別図柄表示手段10及び第2特別図柄表示手段11も同様)にて図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が変動表示されている間において、第1始動口6に遊技球が入賞した場合、所定個数(本実施形態においては4個)を限度として、その入賞した遊技球を保留球として保留させるものである。同様に、第2特別図柄保留ランプ16は、図柄表示部5(第1特別図柄表示手段10及び第2特別図柄表示手段11も同様)にて図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が変動表示されている間において、第1始動口6に遊技球が入賞した場合、所定個数(本実施形態においては4個)を限度として、その入賞した遊技球を保留球として保留させるものである。
さらに、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の裏面には、図2に示すように、メイン制御基板17と、サブ制御基板18とが配設されている。このうち、サブ制御基板18は、メイン制御基板17から送信された制御信号に基づき各種制御を行わせるもので、図柄表示部5やスピーカ等と電気的に接続された演出制御基板19と、装飾ランプや可動役物等と電気的に接続されたランプ制御基板20と、払出駆動モータ等と電気的に接続された払出制御基板21とを有して構成されている。
メイン制御基板17は、パチンコ遊技機1全般に亘る遊技内容を制御するもので、CPU、ROM及びRAM等を有して構成されている。このメイン基板17には、既述した第1特別図柄表示手段10、第2特別図柄表示手段11、普通図柄表示手段12、第1特別図柄保留ランプ15及び第2特別図柄保留ランプ16の他、第1始動口6及び第2始動口7aへの遊技球の入賞を検知するための始動口SW、電動チューリップ7を駆動させるための電動チューリップ7のソレノイド、ゲート9の遊技球の通過を検知するためのゲートSW、大入賞口8への遊技球の入賞を検知するための大入賞口SW及び当該大入賞口8を駆動させるための大入賞口ソレノイド等が電気的に接続されている。
ここで、本実施形態に係るメイン制御基板17は、始動口(第1始動口6及び第2始動口7a)への遊技球の入賞を契機として遊技者に有利な大当たり状態又ははずれを決定するための大当たり用数値データ(乱数値)及び演出形態を決定するための演出用数値データ(乱数値)を取得する抽選手段22と、始動口(第1始動口6及び第2始動口7a)に遊技球が入賞したことを契機として取得された数値データ(大当たり用数値データ及び演出用数値データ)を保留データとして記憶する記憶手段23とを有している。特に、本実施形態に係る記憶手段23は、第1始動口6に遊技球が入賞したことを契機として取得された数値データ(大当たり用数値データ及び演出用数値データ)を第1保留データとして記憶し、第2始動口7aに遊技球が入賞したことを契機として取得された数値データ(大当たり用数値データ及び演出用数値データ)を第2保留データとして記憶するものとされている。
演出制御基板19は、CPU、ROM及びRAM等を有して構成されたもので、メイン制御基板17から送信された制御信号に基づき主に演出に関わる各種制御を行わせるものである。なお、演出制御基板19は、ランプ制御基板20とも電気的に接続されており、メイン制御基板17から送信された制御信号に基づき、ランプ制御基板20を介して、装飾ランプや可動役物等を制御して所定の演出を行わせるよう構成されている。
ここで、本実施形態に係る演出制御基板19は、変動表示制御手段24と、事前判定手段25と、演出制御手段26とを有している。変動表示制御手段24は、記憶手段23で記憶された保留データに基づき表示手段(図柄表示部5)にて特別図柄(厳密には、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した装飾図柄)を変動表示させるものである。より具体的には、変動表示制御手段24は、第1保留データに基づいて第1特別図柄を変動表示させ、第2保留データに基づいて第2特別図柄を変動表示させるとともに、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して行う(所謂「優先変動」する)ものとされている。
事前判定手段25は、記憶手段23に新たに保留データが記憶されたとき、当該記憶手段23に記憶されている他の保留データに基づいて実行される特別図柄の変動表示から当該新たに記憶された保留データに基づいて実行される特別図柄の変動表示に亘って、又は当該新たに記憶された保留を含まない既に記憶されている複数の保留データに基づいて実行される複数の特別図柄の変動表示に亘って、連続的に関連した連続関連演出を実行させるか否かを、当該新たに記憶された保留データを判定して決定するものである。例えば、事前判定手段25として、記憶手段23にて記憶された保留データが送信されたことを条件として、その保留データに基づく乱数値を取得して連続関連演出を行わせるか否かの抽選を行わせるものが挙げられる。
演出制御手段26は、事前判定手段25によって連続関連演出を実行させることが決定されたことを条件として、各特別図柄の変動表示中に連続関連演出を行わせるものである。すなわち、変動表示制御手段24によって、保留データに基づき図柄表示部5(表示手段)にて特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)を変動表示させる過程において、事前判定手段25にて連続関連演出を実行させることが決定されると、記憶手段23に記憶されている複数の保留データに基づき特別図柄を順次変動表示させる際、それぞれの図柄変動時に互いに連続且つ関連した演出(連続関連演出)を行わせるのである。
ここで、本実施形態に係る演出制御手段26にて行われる連続関連演出は、複数の特別図柄(主に第1特別図柄)の変動表示における各図柄変動の一部期間だけ演出が行われる第1連続関連演出と、複数の特別図柄(主に第1特別図柄)の変動表示における各図柄変動の全期間に亘って演出が行われる第2連続関連演出とを有するものとされている。なお、第1連続関連演出における各特別図柄の変動表示中に行われる一部期間だけの演出、或いは第2連続関連演出における各特別図柄の変動表示中に行われる全期間に亘る演出は、互いに連続且つ関連した演出であれば足り、同一又は類似のもの或いは物語り性(連続的に物語が進むもの等)や発展性(植物や動物が発育や発展するもの等)を有したものであってもよい。
なお、本実施形態においては、演出制御手段26にて行われる第1連続関連演出が第2連続関連演出よりも大当たり状態となる期待度が高く、且つ、出現率が低くなるよう設定されている。すなわち、第1連続関連演出は、大当たり状態が導出された場合に選択される割合が第1割合とされ、且つ、当該大当たり状態が導出されない場合に選択される割合が第2割合とされ、第2連続関連演出は、大当たり状態が導出された場合に選択される割合が第3割合とされ、且つ、当該大当たり状態が導出されない場合に選択される割合が第4割合とされる場合、第1割合が第3割合より低く(すなわち、大当たり状態となる期待度が低く)、且つ、第2割合が前記第4割合より高く(すなわち、出現率が高く)なるものとされているのである。
例えば、第1連続関連演出の例として、図4に示すように、図柄表示部5において、3つの図柄で構成される第1特別図柄の変動表示開始(同図(a)参照)された後、1つ目の図柄が停止表示した際に稲妻を模した演出表示(同図(b)参照)がなされ、その後、2つ目の図柄の停止表示(同図(c)参照)及び3つの図柄全て(特別図柄)の停止表示(同図(d)参照)が順次行われる如き演出が挙げられる。この場合、第1特別図柄の変動表示において、稲妻を模した演出表示が図柄変動の一部期間だけ行われることとなる。
そして、上記の如く第1特別図柄の変動表示の開始(図4(a))から停止表示(同図(d)までを連続関連演出を構成する各図柄変動表示(T1、T2、T3及びT4)とし、その各図柄の変動表示(T1〜T4)における稲妻を模した演出の時期(各図柄変動の一部期間)をE1とすると、第1連続関連演出は、図5に示すように、複数の特別図柄(第1特別図柄)の変動表示T1〜T4が順次行われる過程において各図柄変動の一部期間E1だけ演出が行われることとなる。
一方、例えば、第2連続関連演出の例として、図6に示すように、図柄表示部5において、3つの図柄で構成される第1特別図柄の変動表示開始(同図(a)参照)されると、雨の背景が表示され、その後、1つ目の図柄が停止表示した際(同図(b)、2つ目の図柄が停止表示した際(同図(c)及び3つの図柄全て(特別図柄)が停止表示した際(同図(d)参照)に亘って雨の背景が表示され続けるものが挙げられる。この場合、第1特別図柄の変動表示において、背景の演出表示が図柄変動の全期間に亘って行われることとなる。
そして、上記の如く第1特別図柄の変動表示の開始(図6(a))から停止表示(同図(d)までを連続関連演出を構成する1つの図柄変動表示(T1、T2、T3及びT4)とし、その各図柄の変動表示(T1〜T4)における背景の演出の期間(各図柄変動の全期間)をE2とすると、第2連続関連演出は、図7に示すように、複数の特別図柄(第1特別図柄)の変動表示T1〜T4が順次行われる過程において各図柄変動の全期間E2に亘って演出が行われることとなる。
さらに、本実施形態に係る演出制御手段26は、複数の第1特別図柄を変動表示させる過程で第2特別図柄を優先して変動表示させる場合、優先して変動表示される第2特別図柄が当たりのとき、その後の第1特別図柄の変動表示において予定していた第1関連演出又は第2連続関連演出を当該第2特別図柄の変動表示において行わないものとされ、且つ、優先して変動表示される第2特別図柄がはずれのとき、その後の第1特別図柄の変動表示において予定していた第1連続関連演出又は第2連続関連演出を当該第2特別図柄の変動表示において行わせるものとされている。
例えば、図5に示すように、第1連続関連演出を構成する複数の第1特別図柄の変動表示(T1〜T4)が設定された後、最初の第1特別図柄の変動表示T1が停止表示(保留の消化)されたのに続き、2番目の第1特別図柄の変動表示T1が行われている間において、第2始動口7aに遊技球が入賞して第2保留データ(抽選手段22にて取得された大当たり用数値データが当たり(大当たり状態)を生じさせる場合の保留データ)が記憶手段23にて記憶されると、図8に示すように、当該第2保留データに基づく第2特別図柄の変動表示Tαが第1特別図柄の変動表示T3より優先して行われることとなる。このとき、優先して行われた第2特別図柄の変動表示Tα後の第1特別図柄の変動表示(T3、T4)において予定していた第1連続関連演出E1(各図柄変動表示の一部期間だけ行われる稲妻の表示の如き演出)は行われないようになっている。なお、図8中、第2特別図柄の変動表示Tα時においては、第1連続関連演出E1及び第2連続関連演出E2とは別個の大当たり用の演出が行われるようになっている。
同様に、例えば、図7に示すように、第2連続関連演出を構成する複数の第1特別図柄の変動表示(T1〜T4)が設定された後、最初の第1特別図柄の変動表示T1が停止表示(保留の消化)されたのに続き、2番目の第1特別図柄の変動表示T1が行われている間において、第2始動口7aに遊技球が入賞して第2保留データ(抽選手段22にて取得された大当たり用数値データが当たり(大当たり状態)を生じさせる場合の保留データ)が記憶手段23にて記憶されると、図9に示すように、当該第2保留データに基づく第2特別図柄の変動表示Tαが第1特別図柄の変動表示T3より優先して行われることとなる。このとき、優先して行われた第2特別図柄の変動表示Tα後の第1特別図柄の変動表示(T3、T4)において予定していた第2連続関連演出E2(各図柄変動表示の全期間に亘って行われる雨の背景の表示の如き所謂ゾーン演出)は行われないようになっている。なお、図9中、第2特別図柄の変動表示Tα時においては、第1連続関連演出E1及び第2連続関連演出E2とは別個の大当たり用の演出が行われるようになっている。
これに対し、例えば、図5に示すように、第1連続関連演出を構成する複数の第1特別図柄の変動表示(T1〜T4)が設定された後、最初の第1特別図柄の変動表示T1が停止表示(保留の消化)されたのに続き、2番目の第1特別図柄の変動表示T1が行われている間において、第2始動口7aに遊技球が入賞して第2保留データ(抽選手段22にて取得された大当たり用数値データがはずれ(大当たり状態とならない)を生じさせる場合の保留データ)が記憶手段23にて記憶されると、図10に示すように、当該第2保留データに基づく第2特別図柄の変動表示Tβが第1特別図柄の変動表示T3より優先して行われることとなる。このとき、優先して行われた第2特別図柄の変動表示Tβにおいて、その後の第1特別図柄の変動表示(T3、T4)において予定していた第1連続関連演出E1(各図柄変動表示の一部期間だけ行われる稲妻の表示の如き演出)を行うものとされている。これにより、優先して行われた第2特別図柄の変動表示Tβ、及びその後の第1特別図柄の変動表示(T3、T4)において、第1連続関連演出E1が継続して行われることとなる。
同様に、例えば、図7に示すように、第2連続関連演出を構成する複数の第1特別図柄の変動表示(T1〜T4)が設定された後、最初の第1特別図柄の変動表示T1が停止表示(保留の消化)されたのに続き、2番目の第1特別図柄の変動表示T1が行われている間において、第2始動口7aに遊技球が入賞して第2保留データ(抽選手段22にて取得された大当たり用数値データがはずれ(大当たり状態とならない)を生じさせる場合の保留データ)が記憶手段23にて記憶されると、図11に示すように、当該第2保留データに基づく第2特別図柄の変動表示Tβが第1特別図柄の変動表示T3より優先して行われることとなる。このとき、優先して行われた第2特別図柄の変動表示Tβにおいて、その後の第1特別図柄の変動表示(T3、T4)において予定していた第2連続関連演出E2(各図柄変動表示の全期間に亘って行われる雨の背景の表示の如き演出)を行うものとされている。これにより、優先して行われた第2特別図柄の変動表示Tβ、及びその後の第1特別図柄の変動表示(T3、T4)において、第2連続関連演出E2が継続して行われることとなる。
一方、第2連続関連演出の如き所謂ゾーン演出が発生すると、遊技者が大当りへの大きな期待を抱くので、遊技に飽きることなく興趣をもって遊技することができる。すなわち、第1特別図柄の変動にて第2連続関連演出が実行しているとすると、第2連続関連演出は、第1関連演出と比べ、第3割合が高く、且つ、第4割合が低いので、発生した時点で遊技者は大きな期待を寄せることとなる。また、演出が複数の図柄変動を跨いで途切れることなく連続して表示されるので、遊技者の興奮度合いも途切れることなく連続回数を増すごとに徐々に高ぶる。
そんな中、優先変動である第2特別図柄の変動が途中で割り込んできた場合、変動を跨いで連続的になされている演出が優先変動の影響で途切れてしまうこととなり、遊技者の興奮も途切れてしまう虞がある。そのため、第2連続関連演出は第2特別図柄の優先変動により連続回数の出現率にも影響が及ぼされてしまうが、遊技者の興趣を途切らせないことを優先し、第2連続関連演出の途中の第2特別図柄の優先変動も、第2連続関連演出に関連する演出を実行するよう設定されている。
さらに、本実施形態においては、大当たり状態が導出されたもののうち、保留データの数が第1保留数であるとき、第1連続関連演出を経て大当たりとなった割合を第5割合、保留データの数が第1保留数より小さい保留数であるとき、第1連続関連演出を経て大当たりとなった割合を第6割合とした際、第5割合の方が第6割合より高くなるよう予め設定されている。すなわち、保留データの数が大きい場合(第1保留数の場合)の方が当該保留データの数が小さい場合(第1保留数より小さい場合)よりも、第1連続関連演出を経て大当たりとなった割合が高くなるよう予め設定されていることから、第1連続関連演出の連続回数が多い程、大当たりとなる確率が高くなり、遊技者が期待を寄せるようになっている。
しかしながら、第1連続関連演出の途中で第2特別図柄による優先変動が行われる場合、連続回数が増えることとなり、大当たりの割合が低く設定されているのにも関わらず遊技者が大きな期待を寄せる状態が生じてしまうこととなってしまい、遊技者が抱く期待度と実際に大当たりとなる割合のバランスが崩れてしまい、遊技者の興趣を低減させる虞がある。これに対し、第1連続関連演出は、第2連続関連演出のように複数の変動に亘って一連の演出が連続するものでないため、その途中で第2特別図柄による優先変動が行われる場合、その優先変動時に第1連続関連演出に相当する演出を行わせず、かつ、その後の変動時に再び第1連続関連演出を行わせても、遊技者の興趣を徒に高めたり、軽減させるような影響は低いものとなっている。
したがって、本実施形態(すなわち、請求項3の発明に該当する実施形態)によれば、第1連続関連演出が行われている場合は、当該第2特別図柄の変動表示において当該第1連続関連演出に対応する演出を行わせないことで、予め設定された大当たりとなる割合のバランスが崩れてしまうのを回避できるとともに、第2連続関連演出が行われている場合は、当該第2特別図柄変動において当該第2連続関連演出に対応する演出を行わせることで、当該バランスよりも第2連続関連演出の連続性による演出効果を重視させることができる。
さらに、本実施形態においては、保留数が2の場合であって、新たな保留データ(2番目の保留データ)が大当たりとなる場合は、第1連続関連演出を選択するよりも第2連続関連演出を選択する割合が高くなるよう予め設定されている。これにより、2つの連続関連演出において第2連続関連演出が行われる可能性が高くなることから、少ない連続関連演出で遊技者に大当たりの期待を持たせることができる。
次に、本実施形態に係る第1割合、第2割合、第3割合及び第4割合について具体的に説明する。
例えば、本実施形態において、第1割合(大当たり状態が導出された場合に第1連続関連演出が選択された割合)は、保留数が2の場合は2%、保留数が3の場合は6%、及び保留数が4の場合は20%に予め設定されるとともに、第2割合(大当たり状態が導出されない場合に第1連続関連演出が選択される割合)は、保留数が2の場合は10%、保留数が3の場合は12.5%、及び保留数が4の場合は33.3%に予め設定されている。
さらに、本実施形態において、第3割合(大当たり状態が導出された場合に第2連続関連演出が選択された割合)は、保留数が2の場合は6%、保留数が3の場合は10%、及び保留数が4の場合は30%に予め設定されるとともに、第4割合(大当たり状態が導出されない場合に第2連続関連演出が選択される割合)は、保留数が2の場合は1%、保留数が3の場合は13.3%、及び保留数が4の場合は33.3%に予め設定されている。
またさらに、第1連続関連演出及び第2連続関連演出の具体例について説明する。
例えば、図12に示すように、3つの図柄が変動表示され(同図(a)参照)、左側図柄のみ停止表示され(同図(b)参照)、左側図柄及び中央図柄が停止表示され(同図(c)参照)、さらに左側図柄、中央図柄及び右側図柄が停止表示された(同図(d)参照)後、全ての図柄が大きくなって(同図(e)参照)、特別図柄の変動表示が完了するものとされ、同図(e)の表示(最後に図柄が大きくなる演出)が第1連続関連演出を構成する。
また、図13に示すように、可動役物Aを具備するとともに、例えば、3つの図柄が変動表示され(同図(a)参照)、左側図柄のみ停止表示され(同図(b)参照)、左側図柄及び中央図柄が停止表示された後(同図(c)参照)、さらに左側図柄、中央図柄及び右側図柄が停止表示された(同図(d))際、可動役物Aが動作するものとされ、当該可動役物Aの動作が第1連続関連演出を構成する。なお、図14に示すように、可動役物Aを具備するとともに、例えば、3つの図柄が変動表示され(同図(a)参照)、左側図柄及び右側図柄が停止表示されてリーチとなった際(同図(b)参照)、可動役物Aが動作するものとされ、当該可動役物Aの動作が第1連続関連演出を構成するようにしてもよい。
さらに、図15に示すように、第2連続関連演出が行われると、同図(a)の如く穏やかに晴れた背景の表示から同図(b)の如く嵐の背景の表示に変化するものとされ、かかる嵐の背景の表示が複数の変動表示に亘って行われるものが具体例として挙げられる。このように、変動表示中の背景を異ならせることで、数の特別図柄の変動表示における各図柄変動の全期間に亘って演出が行われる第2連続関連演出を行わせることができるのである。
本実施形態によれば、複数の第1特別図柄を変動表示させる過程で第2特別図柄を優先して変動表示させる場合、優先して変動表示される第2特別図柄が当たりのとき、その後の第1特別図柄の変動表示において予定していた第1関連演出又は第2連続関連演出を当該第2特別図柄の変動表示において行わないものとされ、且つ、優先して変動表示される第2特別図柄がはずれのとき、その後の第1特別図柄の変動表示において予定していた第1連続関連演出又は第2連続関連演出を当該第2特別図柄の変動表示において行わせるので、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示より優先して行わせるものであっても、連続関連演出による演出効果をより高めることができる。
さらに、本実施形態によれば、第1連続関連演出は、大当たり状態が導出された場合に選択される割合が第1割合とされ、且つ、当該大当たり状態が導出されない場合に選択される割合が第2割合とされ、第2連続関連演出は、大当たり状態が導出された場合に選択される割合が第3割合とされ、且つ、当該大当たり状態が導出されない場合に選択される割合が第4割合とされるとともに、第1割合が第3割合より低く、且つ、第2割合が第4割合より高くなるものとされたので、大当たり状態となる期待度及び出現率が異なった2つの連続関連演出を選択的に行わせることができ、連続関連演出による演出効果をより高めることができる。
なお、本実施形態によれば、演出制御手段26にて行われる連続関連演出は、複数の特別図柄の変動表示における各図柄変動の一部期間だけ演出が行われる第1連続関連演出と、複数の特別図柄の変動表示における各図柄変動の全期間に亘って演出が行われる第2連続関連演出とを有するので、2つの異なった連続関連演出を選択的に行わせることができ、連続関連演出による演出効果をより高めることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば第1連続関連演出は、複数の特別図柄の変動表示における各図柄変動の一部期間だけ演出が行われるものとされ、且つ、第2連続関連演出は、複数の特別図柄の変動表示における各図柄変動の全期間に亘って演出が行われるものとされ、第1連続関連演出と第2連続関連演出とが選択的に行われるとともに、第1連続関連演出及び第2連続関連演出の大当たり状態となる期待度及び出現率が異なるよう設定されたものであれば足りる。
また、第1連続関連演出の一部期間にて行われる演出は、各特別図柄の変動表示における開始直後、中盤、停止直前の何れであってもよく、複数であってもよい。さらに、本実施形態においては、第1連続関連演出の一部期間にて行われる演出、及び第2連続関連演出の全期間にて行われる演出は、何れも表示手段(図柄表示部5、第1特別図柄表示手段10及び第2特別図柄表示手段11含む)への表示にて行われているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば可動役物の動作(第1連続関連演出においては一部期間のみ動作させ、第2連続関連演出においては全期間に亘って動作させるもの等)、ランプの点滅又は点灯、スピーカからの出力等であってもよい。