図1−図3に示すように、トイレキャビネット1は、便器12が設けられたトイレ空間11に設置される収納装置である。トイレ空間11は、例えば、第1壁面14(壁面)と、第1壁面14に直交する方向に設けられた第2壁面15とを少なくとも有する。トイレキャビネット1は、床面Gから上方に離間して第1壁面14と第2壁面15とにより形成された角部に設置されている。以下では、便器12については、その便座に着座した使用者の前方となる側を前側、その反対側を後側とし、前側と後側とを結ぶ方向を前後方向とする。前後方向と直交する水平方向を左右方向とし、左右方向の右側および左側は、便座に着座し前側を向く使用者の右側および左側と同じ側とする。
便器12の後側には壁面が左右方向に沿って形成された第1壁面14が設けられ、便器12の左側には壁面が前後方向に沿って形成された第2壁面15(壁面)が設けられている。便器12は、第1壁面14と第2壁面15との角部16寄りに設けられている。便器12は、水道直結式で、洗浄水を貯留するタンク(ロータンク)を備えていない、所謂タンクレストイレとなっている。
図2および図3に示すように、便器12へ接続される給水管171は、第1壁面14に設けられた止水栓172から給水されるように構成されている。止水栓172は、第1壁面14から前方に突出している。止水栓172には、下流側の流水方向を第1壁面14に沿った方向(下方向)に屈曲させるエルボ部材173が用いられている。給水管171は、エルボ部材173の下流側に接続されている。エルボ部材173の下流側の流水方向は、第1壁面14に沿った方向となるため、エルボ部材173の下流側に接続される給水管171は、第1壁面14に沿った姿勢となっている。便器12の排水は、床下の排水管へ流れるように構成されている。
手洗い器13は、第2壁面15に取り付けられている。本実施形態では、手洗い器13の給排水は、便器12の給排水と別系統ではなく統合されている。このため、手洗い器13に接続されている給水管131(図2参照)は、止水栓172から分岐されている。手洗い器13に接続されている排水管132は、便器12の排水管に接続され、便器12の排水とともに床下の排水管に流れるように構成されている。手洗い器13に接続された給水管131および排水管132は、第1壁面14および第2壁面15に沿って配管されている。
図4に示すように、トイレキャビネット1は、第1壁面14に沿って設けられる第1キャビネット2と、第1キャビネット2と離間し第2壁面15に沿って設けられる第2キャビネット4と、第2キャビネット4に隣接して第2壁面15に沿って設けられる第3キャビネット8と、第1壁面14と第2壁面15との角部16(図1−図3参照)に沿って設けられ第1キャビネット2と第2キャビネット4とを接続する接続部6と、を有している。
第1キャビネット2は、平面視形状が左右方向に長い長方形で、左側の端部が第2壁面15と離間している(図1参照)。第2キャビネット4は、平面視形状が前後方向に長い長方形で、後側の端部が第1壁面14と離間している(図1参照)。第2キャビネット4は、手洗い器13の後側に設けられている。第2キャビネット4の前側の縁部が手洗い器13と当接している。
第1キャビネット2の左側の端部は、第2キャビネット4の右側の端部(第2幕板43の表面431)よりも右側に位置している。すなわち、第1キャビネット2の左側の端部と第2壁面15との間隔は、第2キャビネット4の左右方向の寸法よりも大きく設定されている。
第2キャビネット4の後側の端部は、第1キャビネット2の前側の端部(第1幕板23の表面231)よりも前側に位置している。すなわち、第2キャビネット4の後側の端部と第1壁面14との間隔は、第1キャビネット2の前後方向の寸法よりも大きく設定されている。接続部6は、第1キャビネット2の左側の端部と第2キャビネット4の後側の端部との間に設けられている。
本実施形態では、第1キャビネット2、第2キャビネット4は、ほぼ同じ高さ寸法に形成され、それぞれ下端部が床上約200mmに位置し、上端部が約800mmに位置するように同じ高さに設けられている。
第1キャビネット2は、便器12(図1参照)の後方に設けられている。第1キャビネット2は、便器12と第1壁面14との間の空間を閉塞する第1カバー部21と、第1壁面14に固定され、第1カバー部21を着脱可能な第1固定フレーム部22と、を有している。
図5および図6に示すように、第1カバー部21は、第1壁面14に対向して取り付けられた第1幕板23と、第1幕板23と連結された第1天板24と、第1幕板23に取り付けられて第1固定フレーム部22に係止される第1幕板被係止部25(図6参照)と、第1天板24に設けられて第1固定フレーム部22に係止される第1天板被係止部26(図6参照)と、を有している。
第1幕板23は、矩形の平板状に形成されている。第1幕板23は、板面が鉛直方向に沿って第1壁面14から離間して取り付けられている。第1幕板23は、板面が前後方向を向いた姿勢で便器12の後方に設置される。第1幕板23の上記の姿勢における前面を表面231とし、後側の面を裏面232とする。
第1幕板23には、下部側の左右方向の中間部に、下側に開口する切り欠き部233が形成されている。第1幕板23が便器12の後方に設置されると、切り欠き部233には便器12と接続される給水管、排水管が設置される。
第1天板24は、平板状に形成され板面が上下方向を向いた姿勢で第1幕板23の裏面232の上縁部近傍に後側に突出するように連結されている。本実施形態では、第1天板24と第1幕板23とは、L字形金具などで固定されている。
図7に示すように、第1天板24の前端面241(便器12側の端面)は、全体が第1幕板23の上部側の裏面232(側面)と面接触している。第1幕板23は、平面視して上端面234(上端部)が第1天板24の上面242に隣接するように配置されている。即ち、第1幕板23は、前後方向に沿った方向から見て(板面の法線方向から見て)第1天板24が見えないように配置されている。これにより、第1幕板23を拭き掃除等の清掃する際に第1天板24に引っ掛かることなく清掃作業をし易くすることができる。
第1天板24の上面242は、第1幕板23の上端面234よりもやや下側(例えば、1〜7mm下側)に配置されている。第1幕板23は、上端面234の高さが第1天板24の上面242の高さよりも高い位置になるように配置されている。このため、第1カバー部21には、第1幕板23の裏面232と、第1天板24の上面242とがなす段部212が形成されている。段部212が形成されていることにより、第1天板24の上面242に写真立て等の板状体を載置し易くなる。板状体を第1天板24の上面242に載置した際に、板状体を第1壁面14に立てかけて、板状体の下端部を段部212に引っ掛けると、板状体を安定させることができる。
図6および図8に示すように、第1幕板被係止部25は、鋼板を加工した第1金具71が使用され、第1金具71が第1幕板23の裏面232に固定されることで構成されている。第1金具71は、弾性変形可能に構成されている。
図8に示すように、第1金具71は、第1幕板23の裏面232に沿って固定される固定板部711と、固定板部711の下縁部から後に突出する突出板部712と、突出板部712の後縁部から下側に延びる鉛直板部713と、鉛直板部713から下側に向かって漸次前側に延びる第1傾斜板部714と、第1傾斜板部714の下縁部からさらに下側に向かって漸次後側に延びる第2傾斜板部715と、を有している。
固定板部711は、ネジなどの固定具で第1幕板23に固定されている。鉛直板部713は、第1幕板23の裏面232と平行に設けられている。本実施形態では、第1幕板被係止部25は、切り欠き部233の左右方向の両側に設けられている。
第1金具71が第1幕板23の裏面232に固定されると、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715は、それぞれ第1幕板23の裏面232と離間し、突出板部712の下側で、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715と、第1幕板23の裏面232との間に隙間(以下、第1係止空部716とする)が形成される。
第1傾斜板部714と第2傾斜板部715との接続部分には、角部718が形成されている。この角部718は、第1幕板23の裏面232に向かって突出している。角部718と第1幕板23の裏面232との間隔が、鉛直板部713と第1幕板23の裏面232との間隔よりも小さく設定されている。角部718と第1幕板23の裏面232との間隔は、第1幕板係止部35の第2金具72の第1板部721の厚さ寸法よりもやや小さく設定されている。
図6および図8に示すように、第1天板被係止部26は、鋼板を加工した第2金具72が使用され、第2金具72が第1天板24の下面に固定されることで構成されている。第2金具72は、L字形状に形成され、L字形を形成一方の辺となる第1板部721と、他方の片となる第2板部722と、を有している。第1板部721と第2板部722とは、直角を成すように接続されている。
第1天板被係止部26では、第1板部721が第1天板24の下面に沿って固定され、第2板部722が固定板部711の後縁部から下側に突出している。第1板部721は、ネジなどの固定具で第1天板24に固定されている。本実施形態では、第1天板被係止部26は、第1天板24の左右方向に間隔をあけた2か所それぞれに設けられている。
図9に示すように、第1固定フレーム部22は、上下方向に間隔をあけて第1壁面14に固定される上側固定板部31および下側固定板部32と、左右方向に間隔をあけて配置され上側固定板部31および下側固定板部32それぞれに上側固定板部31および下側固定板部32よりも前方に突出するように固定される一対の突出板部33と、一対の突出板部33を連結する連結板部34と、一対の連結板部34それぞれに固定され第1幕板被係止部25を係止する第1幕板係止部35と、上側固定板部31に固定され第1天板被係止部26を係止する第1天板係止部36と、を有している。
上側固定板部31は、板面が長方形となる長尺の平板状に形成されている。上側固定板部31は、左右方向に延びて板面が前後方向を向く向きで第1壁面14に固定されている。下側固定板部32は、板面が長方形となる長尺の平板状に形成されている。下側固定板部32は、上側固定板部31よりも長さ寸法が短く形成されている、下側固定板部32は、板面が左右方向に延びて前後方向を向く向きで第1壁面14に固定されている。
上側固定板部31および下側固定板部32は、ネジなどの固定具で第1壁面14に固定されている。上側固定板部31の左側の端面31aは、下側固定板部32の左側の端面32aよりも左側に位置している。上側固定板部31の右側の端面31bは、下側固定板部32の右側の端面32bよりも右側に位置している。第1壁面14に止水栓などやコンセントが設けられている場合は、上側固定板部31および下側固定板部32は止水栓やコンセントを避けるように設置される。
一対の突出板部33は、互いに同じ長尺の平板状に形成されている。一対の突出板部33は、上下方向に延びて板面が左右方向を向く向きで上側固定板部31および下側固定板部32に固定されている。一対の突出板部33には、上下方向の中間部に後側に開口する切り欠き部331が形成されている。切り欠き部331は、給水管、排水管や電気配線などを設置可能に構成されている。
突出板部33は、上下方向の寸法(長さ寸法)が上側固定板部31の上端面31cから下側固定板部32の下端面32cまでの寸法と同じ寸法に形成され、上端面33aが上側固定板部31の上端面31cの高さとなり、下端面33bが下側固定板部32の下端面32cの高さとなるように上側固定板部31および下側固定板部32に固定されている。
一対の突出板部33のうちの左側の突出板部33は、切り欠き部331の上方の部分が上側固定板部31の前面31dにおける左側の端部近傍に前側から固定され、切り欠き部311の下方の部分が下側固定板部32の左側の端面32aに左側から固定されている。一対の突出板部33のうちの右側の突出板部33は、切り欠き部331の上方の部分が上側固定板部31の前面31dにおける左右方向の中間部に前側から固定され、切り欠き部311の下方の部分が下側固定板部32の右側の端面32bに右側から固定されている。
連結板部34は、長尺の平板状に形成されている、連結板部34は左右方向に延びて板面が前後方向を向く向きで一対の突出板部33それぞれの上下方向の中間部と連結されている。連結板部34は、前面が一対の突出板部33それぞれの前端面と略面一となるように設けられている。連結板部34は一対の突出板部33それぞれの切り欠き部331が形成されている高さ範囲に設けられている。
第1固定フレーム部22は、一対の突出板部33および連結板部34によって、切り欠き部331に配置された給水管、排水管や電気配線などが第1壁面14から離間して前方に移動することを阻止することができる。
第1幕板係止部35は、第1天板被係止部26に使用されている金具と同じ第2金具72が使用され、第2金具72が一対の突出板部33それぞれの互いに対向する側面に固定されることで構成されている。第1幕板係止部35では、第2金具72は第1天板被係止部26で使用されている向きと異なる向きで上側固定板部31に固定されている。
図9および図10に示すように、第1幕板係止部35の第2金具72は、第2板部722の板面が左右方向を向き第1板部721の板面が前後方向を向く姿勢となり、第2板部722が突出板部33の側面に固定され、第1板部721が第2板部722の前縁部から対向する突出板部33側に突出している。第2板部722は、ネジなどの固定具で突出板部33に固定されている。第1板部721は、突出板部33の前端面よりもやや前側に位置している。
図9に示すように、第1天板係止部36は、第1幕板被係止部25に使用されている金具と同じ第1金具71が使用され、上側固定板部31の前面に固定されることで構成されている。第1天板係止部36は、左右方向に間隔をあけて2つ設けられている。
図11に示すように、第1天板係止部36では、第1金具71は第1幕板被係止部25で使用されている向きと異なる向きで上側固定板部31に固定されている。第1天板係止部36の第1金具71は、固定板部711が上側固定板部31の前面に沿って固定されている。第1金具71は、突出板部712が固定板部711の上縁部から前側に突出している。
第1金具71は、鉛直板部713が突出板部712の前縁部から上側に延び、第1傾斜板部714が鉛直板部713から上側に向かって漸次後側に延び、第2傾斜板部715が第1傾斜板部714の上縁部からさらに上側に向かって漸次前側に延びる向きに配置されている。第1天板係止部36においても、固定板部711は、ネジなどの固定具で上側固定板部31に固定されている。
第1金具71が上側固定板部31の前面31dに固定されると、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715は、それぞれ上側固定板部31の前面と離間し、突出板部712の下側で、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715と、上側固定板部31の前面31dとの間に隙間(以下、第2係止空部717とする)が形成される。
第1傾斜板部714と第2傾斜板部715との角部718と、上側固定板部31の前面31dとの間隔は、鉛直板部713と上側固定板部31の前面31dとの間隔よりも小さく設定されている。角部718と、上側固定板部31の前面31dとの間隔は、第1天板被係止部26の第2金具72の第2板部722の厚さ寸法よりもやや小さく設定されている。
このような第1カバー部21は、第1固定フレーム部22に対して上方から取り付けられるように構成されている。第1カバー部21を、第1固定フレーム部22の上方から下降させ、第1幕板23を第1固定フレーム部22の突出板部33の前側に配置し、第1固定フレーム部22の突出板部33および上側固定板部31の上側に配置する。このとき、図12に示すように、第1幕板被係止部25の第1係止空部716に、第1幕板係止部35の第1板部721を下側から挿入させ、第1天板被係止部26の第2板部722を第1天板係止部36の第2係止空部717に上側から挿入する。
上述したように、第1幕板被係止部25の第1金具71の角部718と第1幕板23の裏面232との間隔は、第1幕板係止部35の第2金具72の第1板部721の厚さ寸法よりもやや小さく設定されている。このため、第1板部721が第1係止空部716に挿入される際には、第1板部721が角部718とあたり、角部718と第1幕板23の裏面232との間隔を広げるように第1金具71を弾性変形させる。そして、第1金具71の復元力によって角部718が第1板部721を第1幕板23の裏面232に押し付け、第1板部721が第1金具71と第1幕板23の裏面232とに挟持された状態となる。
上述したように、第1天板係止部36の第1金具71の角部718と、上側固定板部31の前面31dとの間隔は、第1天板被係止部26の第2金具72の第2板部722の厚さ寸法よりもやや小さく設定されている。このため、第2板部722が第2係止空部717に挿入される際には、第2板部722が角部718とあたり、角部718と上側固定板部31の前面31dとの間隔を広げるように第1金具71を弾性変形させる。そして、第1金具71の復元力によって角部718が第2板部722を上側固定板部31の前面31dに押し付け、第2板部722が第1金具71と上側固定板部31の前面31dとに挟持された状態となる。
これにより、第1幕板被係止部25が第1幕板係止部35に係止され、第1天板被係止部26が第1天板係止部36に係止される。そして、第1カバー部21が第1固定フレーム部22を介して第1壁面14に係止される。
第1固定フレーム部22から第1カバー部21を外すには、第1カバー部21を上方に引き上げ、第1幕板被係止部25の第1係止空部716から第1幕板係止部35の第1板部721を外し、第1天板被係止部26の第2板部722を第1天板係止部36の第2係止空部717から外した状態とする。これにより、第1カバー部21は第1固定フレーム部22から外れ、第1壁面14から外れた状態となる。
上記構成により第1キャビネット2の第1幕板23と第1壁面14との間には、収容空間22Sが形成され、物を収納できる。収納空間22Sには、給水管131、排水管132、後述の手洗い器13の水栓13Aの配線や光源Eの配線等が収納される。収容空間22Sは、床面Gに載置される掃除道具やゴミ箱(サニタリーボックス)が収納されてもよい。収容空間22Sには、給水管131、排水管132、後述の手洗い器13の水栓13Aの配線や光源Eの配線等をメンテナンスする際に作業者の手も入れられる。第1幕板23は、収容空間22S内の給水管131、排水管132、後述の手洗い器13の水栓13Aの配線や光源Eの配線等を隠蔽できる。第1幕板23は、収容空間22S内の配線に接続されるコンセントが設けられている場合には、コンセントも隠蔽できる。第1幕板23は、リフォーム前に元々付いていた取付穴の一部や、部品が残置される場合には残置部品のも隠蔽できる。
本実施形態では、第1キャビネット2における第1天板24の左右方向の縁部近傍の下側は空部となっている。このため、第1カバー部21を第1固定フレーム部22に着脱する際には、第1天板24の左右方向の両縁部を把持し第1カバー部21を上下に移動させることができる。
図4に示すように、第2キャビネット4は、便器12の左側に設けられている。第2キャビネット4は、便器12の右側に設けられていてもよい。即ち、第2キャビネット4は、便器12の側方の少なくとも片側に設けられている。第2キャビネット4は、便器12(図1参照)と第2壁面15との間の空間を閉塞する第2カバー部41と、第2壁面15に固定され、第2カバー部41を着脱可能な後述の第2固定フレーム部42(本体部:図15参照)と、を有している。
図13、図14に示すように、第2カバー部41は、第2幕板43と、第2幕板43と連結された第2天板44と、第2幕板43に取り付けられて第2固定フレーム部42に係止される第2幕板被係止部45(図14参照)と、第2天板44に設けられて第2固定フレーム部42に係止される第2天板被係止部46(図14参照)と、第2幕板43の下方に設けられた反射板47と、反射板47に設けられた光源Eと、を有している。
第2カバー部41の第2幕板43、第2天板44、第2幕板被係止部45、および第2天板被係止部46は、第1カバー部21の第1幕板23、第1天板24、第1幕板被係止部25、および第1天板被係止部26と設置位置や大きさ以外は、基本的にほぼ同様の形態となっている。以下の第2カバー部41の説明では、第1カバー部21と異なる点について説明する。
第2幕板43は、平板状に形成され板面が左右方向を向いた姿勢で便器12の左側に設置されている。第2幕板43の上記の姿勢における右側を向く面を表面431とし、左側を向く面を裏面432とする。第2幕板43には、上部側の前側部分に、板面を貫通する開口部433が形成されている。開口部433には、トイレットペーパーホルダーH(紙巻器)が設置されるように構成されている。
第2幕板43は、第2壁面15に第2固定フレーム部42(図15参照)を介して固定される。第2幕板43は、固定時に開口部433を利用して第2固定フレーム部42に固定作業のアクセスをすることができる。即ち、第2幕板43は、第2幕板43の表側から見て開口部433内に視認される位置に配置された第3金具73により、第2固定フレーム部42に固定される。作業者は、開口部433から手を入れて第3金具73を第2固定フレーム部42にネジなどにより固定することで、第2幕板43を第2固定フレーム部42に固定する作業を行うことができる。
第2幕板43には、開口部433の下方に板面を貫通する矩形の孔435が形成されている。孔435には、人感センサV(図14参照)の受光部となるセンサ窓Qが取り付けられる。人感センサVは、例えば、赤外線センサ等の受光部を有する。人感センサVは、人体から放射される赤外線を感知して後述の光源Eを発光させるためのセンサである。
第2天板44は、平板状に形成され板面が水平面に沿った姿勢で第2幕板43の上端部に連結されている。第2幕板43は、上端部434が第2天板44の上面442に隣接するように配置されている。即ち、第2幕板43は、左右方向に沿った方向(板面の法線方向)から見て第2天板44が見えないように配置されている。これにより、第2幕板43を拭き掃除等の清掃する際に第2天板44に引っ掛かることなく清掃作業をし易くすることができる。
第2幕板43は、上端部434の高さが第2天板44の上面442の高さよりも高い位置になるように配置されている。このため、第2カバー部41には、第2幕板43の裏面432と、第2天板44の上面442とにより段部412が形成されている。段部412が形成されていることにより、第2天板44の上面442にスマートフォン、タブレット型端末、写真立て等の板状体を載置し易くなる。
段部412が形成されていることにより、板状体を第2天板44の上面442に載置した際に、板状体を第2壁面15に立てかけて、板状体の下端部を段部412に引っ掛けると、板状体を安定させることができる。段部412が形成されていることにより、人が便器12から立ち上がる際に第2天板44に手を乗せた際に指を引っ掛けることができ、第2天板44を手摺の代わりとして使用できる。
第2幕板被係止部45は、第2幕板43の裏面432の下部側における前後方向に間隔をあけた2か所にそれぞれに第1幕板被係止部25と同様に第1金具71が取り付けられることで設けられている。突出板部712の下側で、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715と第2幕板43の裏面432との間には、第1係止空部716が形成されている。
第2天板被係止部46は、第2天板44の下面の左側の縁部近傍に取り付けられている。第2天板被係止部46は、第1天板被係止部26と同様に前後方向に間隔をあけた2か所に設けられた一対の第2金具72により構成されている。前側の第2金具72の前方に隣接して第3金具73が取り付けられている。第3金具73はL字形に形成された金具である。第3金具73は、第2幕板43を第2固定フレーム部42に固定するための金具である。
反射板47は、第2幕板43の裏面432に設けられている。反射板47は、第2幕板43と壁との間の隙間を埋めるように第2幕板43の裏面432において下方に取り付けられている。反射板47は、第2幕板43の裏面432に向かって突出するように設けられている。反射板47の下面の反射面47Aは、例えば、白色の面となるように加工されている。
反射面47A側には、照明用の光源Eが取り付けられている。光源Eは、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)の発光体が水平方向に列状に配置されている。光源Eは、LEDだけでなく、有機EL(Electro Luminescence)等の他の発光源が用いられてもよい。光源Eは、人感センサが人を感知すると発光する。
光源Eは、単色で発光するものであってもよいし、スイッチ等の操作に基づいて発光色が変化するものであってもよい。光源Eは、発光強度が変化するだけでなく、発光強度、色、点滅などの組み合わせで経時的に様々な発光パターンが変化するものであってもよい。光源Eは、固定部材48を介して反射板47に取り付けられている。光源Eは、発光面E1が第2壁面15を照射するように取り付けられている。
光源Eが発光すると、光源Eから照射された光は、反射面47Aに反射すると共に、第2壁面15に照射される。反射面47Aから反射した光と、第2壁面15に照射された光とにより、床面Gが照射される。即ち、光源Eから照射された光により床面Gと第2壁面15が発光し、第2幕板43の下部から光が漏れ出て足元を照らす間接照明となる。
図15に示すように、第2固定フレーム部42は、互いに上下方向に間隔をあけて第2壁面15に固定される上側固定板部51および下側固定板部52と、上側固定板部51および下側固定板部52を前後方向から挟んだ状態で上側固定板部51および下側固定板部52にそれぞれに固定され、上側固定板部51および下側固定板部52よりも右側に突出する一対の突出板部53と、一対の突出板部53それぞれに固定され第2幕板被係止部45を係止する第2幕板係止部55と、上側固定板部51に固定され第2天板被係止部46を係止する第2天板係止部56と、を有している。
上側固定板部51は、板面が長方形となる長尺の平板状に形成されている。図16に示すように、上側固定板部51は、前後方向に延びて板面が左右方向を向く向きで第2壁面15に固定されている。第2幕板43と、第2天板44と、反射板47と、第2壁面15とにより囲まれて収容空間Sが形成されている。収容空間Sには、光源Eの配線が収納されている。これにより、配線が外部から見えることなく、人が配線に触れることが防止される。
下側固定板部52は、板面が長方形となる長尺の平板状に形成されている。下側固定板部52は、上側固定板部51と同じ長さ寸法に形成されている。下側固定板部52は、板面が前後方向に延びて左右方向を向く向きで第2壁面15に固定されている。下側固定板部52は、上側固定板部51の鉛直方向下側に配置されている。上側固定板部51および下側固定板部52は、プラスチックプラグ(不図示)を介してネジ(不図示)などの固定具で第2壁面15に固定されている。
一対の突出板部53は、互いに同じ長尺の平板状に形成されている。一対の突出板部53は、上下方向に延びて板面が前後方向を向く向きで上側固定板部51および下側固定板部52に固定されている。一対の突出板部53には、第1固定フレーム部22の一対の突出板部33と同様に切り欠き部531が形成されている。切り欠き部531は、給水管、排水管や電気配線などを設置可能に構成されている。
突出板部53は、上下方向の寸法(長さ寸法)が上側固定板部51の上端面51aから下側固定板部52の下端面52aまでの寸法と同じ寸法に形成され、上端面53aが上側固定板部51の上端面51aの高さとなり、下端面53bが下側固定板部52の下端面52aの高さとなるように上側固定板部51および下側固定板部52に固定されている。一対の突出板部53のうちの前側の突出板部53は、上側固定板部51および下側固定板部52の前側の端面51b,52bに固定され、後側の突出板部53は、上側固定板部51および下側固定板部52の後側の端面51c,52cに固定されている。
第2幕板被係止部45は、一対の突出板部53の互いに対向する側面に第1幕板係止部35と同様に第2金具72が固定されることで設けられている。第2幕板被係止部45の第2金具72は、第2固定フレーム部42の一対の突出板部53に対して第1幕板係止部35の第2金具72が第1固定フレーム部22の一対の突出板部33に取り付けられているのと同様に取り付けられている。
第2天板被係止部46は、第1幕板被係止部25に使用されている金具と同じ第1金具71が使用され、上側固定板部31の右側の面に固定されることで構成されている。第2天板被係止部46の第1金具71は、第2固定フレーム部42の上側固定板部51に対して、第1天板係止部36の第1金具71が第1固定フレーム部22の上側固定板部31に取り付けられているのと同様に取り付けられている。突出板部712の下側で、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715と、上側固定板部31の前面との間には、第2係止空部717が形成されている。
第2カバー部41は、第1カバー部21が第1固定フレーム部22に着脱するのと同様に第2固定フレーム部42に着脱可能に構成されている。上記構成により第2キャビネット4の第2カバー部41と、反射板47と、第2壁面15との間には、収容空間Sが形成され、薄型のブラシ等の掃除道具等の物を収納できる。収容空間Sには、給水管131、排水管132、後述の手洗い器13の水栓13Aの配線や光源Eの配線等を収納できる。収容空間Sには、給水管131、排水管132、後述の手洗い器13の水栓13Aの配線や光源Eの配線等をメンテナンスする際に作業者の手も入れられる。第2幕板43は、収容空間S内の給水管131、排水管132、後述の手洗い器13の水栓13Aの配線や光源Eの配線等を隠蔽する。第2幕板43は、収容空間S内の配線に接続されるコンセントが設けられている場合には、コンセントも隠蔽できる。第2幕板43は、リフォーム前に元々付いていた取付穴の一部や、部品が残置される場合には残置部品も隠蔽できる。
次に第3キャビネット8について説明する。
第3キャビネット8は、手洗い器13が設けられた収納装置である。第3キャビネット8は、手洗い器13を支持すると共に、手洗い器13の給水管及び排水管などの配管類を収納する(図1参照)。第3キャビネット8は、手洗い器13と、手洗い器13の下部に配置された第3幕板9と、手洗い器13及び第3幕板9を支持する第3固定フレーム部70とを有する。第3キャビネット8は、第2キャビネット4の前側に連続して設けられている。第2キャビネット4と第3キャビネット8とを合わせたものを側方キャビネットともいう。
図17から図22に示すように、第3固定フレーム部70は、第2壁面15に取り付けられる矩形の枠体に形成されている。第3固定フレーム部70は、一対の縦板75,76と、一対の縦板75,76の下端部を連結する連結板77と、一対の縦板75,76の上端部を連結する固定台座74とを有する。第3固定フレーム部70は、縦板75が第2固定フレーム部42の前側の突出板部53に隣接するように第2壁面15に取り付けられる。第3固定フレーム部70の内部は、物を収容する収容空間70Sが形成されている。
一対の縦板75,76は、鉛直方向が長手の矩形の板状に形成されている。一対の縦板75,76は、第3キャビネット8の両側面を形成する。一対の縦板75,76は、手洗い器13を載置するために長手方向が第2固定フレーム部42より短くなるように形成されている。縦板75は、手洗い器13の配管や配線を通すための矩形の切り欠き部75Kが形成されている。縦板75は、外面75Fが第2固定フレーム部42の第3キャビネット8側に配置された突出板部53に接するように配置される。切り欠き部75Kは、第2固定フレーム部42の第3キャビネット8側に配置された突出板部53の切り欠き部531に連通する。縦板76は、第2壁面15に取り付けられた状態で、外面76Fが外部に露出し第3固定フレーム部70の内部を隠蔽するカバーとして構成される。
一対の縦板75,76が対向する内面75A,76Aの下方には、第2壁面15に取り付けるための固定部材75S,76Sが固定されている。固定部材75S,76Sは、例えば、平面視してL字形に形成されている。一対の縦板75,76の対向する内面75A,76Aの下端部は、連結板77が固定されている。連結板77は、矩形の板状に形成されている。連結板77の短手の端部77A,77Bは、一対の縦板75,76の対向する内面75A,76Aの下端部75B,76Bに固定されている。
連結板77は、一対の縦板75,76の下端部を貫通するタッピングネジ(不図示)等により端部77A,77Bが固定されている。連結板77は、L字形の金具で一対の縦板75,76に固定されてもよい。連結板77は、下面77Cの高さが一対の縦板75,76の下端の高さと一致するように固定される。一対の縦板75,76の対向する内面75A,76Aの上端部75C,76Cは、固定台座74が固定されている。
固定台座74は、手洗い器13を支持するための金属板を加工して形成された部材である。固定台座74は、第3固定フレーム部70を構成する他の部品よりも強度が高くなるように形成されている。固定台座74は、方向が異なる複数の板状体が組み合わされて形成されている。固定台座74は、複数の部品で形成されていてもよい。固定台座74は、必要な強度が確保できるのであれば金属の他に樹脂、FRP、CFRP等で形成されてもよく、これらの素材や金属で形成された複数の部品を複合的に組み合わせて形成されてもよい。
固定台座74は、矩形の板状に形成された支持板74Aを有する。支持板74Aは、長手の辺が第2壁面15に沿って配置される。支持板74Aには、手洗い器13を固定するための一対の固定穴H1が形成されている。支持板74Aには、この他に水栓13Aの給水管用の穴H2と排水管用の穴H3が形成されている。
支持板74Aは、短手方向の幅が第3幕板9の表面91よりもトイレ空間11側に突出するように形成されている。支持板74Aがこのような形状に形成されているため、固定台座74の強度が向上する。支持板74Aがこのような形状に形成されていても、手洗い器13に覆われるため、外部から視認されにくくなる。
支持板74Aの短手の両辺には、下方に垂下した一対の固定片74B,74Cが設けられている。固定片74B,74Cは、矩形の板状に形成されている。固定片74Bは、縦板75の内面75Aに当接してネジTにより縦板75に固定される。固定片74Cは、縦板76の内面76Aに当接してネジTにより縦板76に固定される。これにより、施工性が向上する。
支持板74Aの長手の両辺のうち第2壁面15に面した一辺には下方に垂下した固定片74Dが設けられている。固定片74Dは、矩形の板状に形成されている。固定片74Dは、第2壁面15にプラスチックプラグを介してネジTにより固定される。固定台座74は、支持板74Aの高さが一対の縦板75,76の上端75D,76Dよりも高くなるように縦板75,76に固定される。上記構成により、第3固定フレーム部70が構成される。
第3固定フレーム部70は、連結板77の下面77Cの高さが第2固定フレーム部42の突出板部53の下端面53bの高さと一致するように固定される。第3固定フレーム部70には、第3幕板9が取り付けられる。第3幕板9は、矩形の板状に形成され、一対の縦板75,76の上端75D,76Dの高さと同じになるように形成されている。
縦板76の内面76Aの便器12側の長辺に沿って一対の蝶番Yが取り付けられている。縦板75の内面75Aの便器12側の長辺には、プッシュ式のマグネットキャッチXが取り付けられている。第3幕板9は、蝶番Yを介して第3固定フレーム部70に開閉自在に取り付けられる。上記構成により、第3固定フレーム部70が構成される。第3固定フレーム部70が第2壁面15に取り付けられると、第3幕板9の上部には、手洗い器13を収容する空間となる収容部9Aが形成される。
収容部9Aは、第2キャビネット4と第3キャビネット8とから構成される側方キャビネットに形成される空間である。収容部9Aは、第2天板44の上面442と第2固定フレーム部42の第3キャビネット8側の突出板部53と支持板74Aとにより形成された空間である。即ち、収容部9Aは、第2天板44の上面442(上部)から下方に窪んで支持板74Aにより低部が形成されている。底部は、縦板76の外面76Fの位置まで連続している。
手洗い器13は、水栓13Aから供給される水を受け止めると共に、排水する容器である。手洗い器13は、左右方向に沿った方向(第2壁面15の法線方向)から見て矩形に形成されている。手洗い器13は、矩形に形成された前壁13Kと、前壁の両端に連続して形成された一対の側壁13B,13Cとを有する。手洗い器13は、前後方向に沿った方向(第2壁面15に沿った方向)から見て上端13Gの左右方向に沿った長さが底面13F(設置面)の左右方向に沿った長さよりも長くなるように形成されている。手洗い器13は、前後方向に沿った方向から見て台形形状であり、上底が下底よりも長く形成されている。従って、手洗い器13の前壁13Kは、左右方向に沿った方向(第2壁面15の法線方向)から見て負の勾配に形成されている。
手洗い器13は、底面13Fより側壁13B,13Cの下端部13B1,13C1が下方に突出するように形成されている。同様に手洗い器13は、前壁13Kの下端部13K1が下方に突出するように形成されている。側壁13B,13Cの下端部13B1,13C1と前壁13Kの下端部13K1とは、同じ高さになるように形成されている。即ち、手洗い器13の底面13Fには、下端部13B1,13C1、13K1より上方に窪む凹部13Rが形成されている。
手洗い器13は、前壁13Kの下端部13K1が第3幕板9の表面91より突出するように形成されている。手洗い器13は、第3幕板9の上端92との間及び縦板76の上端76Dとの間に隙間が生じるように固定台座74に固定される。これにより、手洗い器13の側壁13C及び前壁13Kから下方に伝った水滴が下端部13C1、13K1に留まり、水滴が第3幕板9及び縦板76に伝わることが防止される。
手洗い器13の底面13Fからは、下方に突出して固定用の一対の棒ネジ13Nが設けられている。手洗い器13は、収容部9Aに配置される。手洗い器13は、支持板74Aに載置される際、一対の棒ネジ13Nが一対の固定穴H1に挿入される。手洗い器13は、支持板74Aに載置された後、棒ネジ13Nに螺入されたナットNが締め込まれることにより支持板74Aに固定される。
側壁13Bと第2固定フレーム部42の第3キャビネット8側の突出板部53との間には、弾性部材で形成されたパッキン(不図示)が挟み込まれる。側壁13Bと第2固定フレーム部42の天板44の第3キャビネット8側の端面との間には、弾性部材で形成されたパッキン(不図示)が挟み込まれる。手洗い器13の背面13Hと第2壁面15との間には、弾性部材で形成されたパッキン(不図示)が挟み込まれる。パッキンは、手洗い器13が設置されると潰れて密着し、隙間を埋めて水が第3キャビネット8の内部に侵入することを防止する。
手洗い器13は、収容部9A内の固定台座74に固定された状態では、側壁13B,13Cの下端部13B1,13C1の高さが第2天板44の上面442の高さよりも高くなる。これにより、第2天板44に物を載置した場合に、物が手洗い器13の側壁13Bに引っ掛かり、手洗い器13内に落下しにくくなる。
固定台座74は、手洗い器13の荷重を固定片74Dにより第2壁面15に逃すと共に、固定片74B,74Dにより第3固定フレーム部70を介して第2壁面15に逃すことができる。手洗い器13は、固定台座74に固定された状態では、前側(第2キャビネット4と反対側)の側壁13C及び前壁13Kが全て露出する。これにより、第3キャビネット8は、縦板76とのフラット感がある視覚的効果を演出でき、意匠性を向上させることができる。
手洗い器13が固定台座74に固定された状態では、固定台座74は、第3幕板9が閉じられて第3キャビネット8内の空間8Sに隠れ、外部に露出しないように配置されている。手洗い器13が固定台座74に固定された状態では、第3幕板9が開かれても固定台座74は、支持板74Aが手洗い器13の底面13Fに設けられた凹部に収まり、前壁13K、側壁13B及び側壁13Cに隠れて外部から視認されにくくなる。支持板74Aは、必ずしも全体が凹部13Rに収まっているとは限らず、少なくとも一部が凹部13Rに収まっていればよい。例えば、支持板74Aは、平板状でなく、支持板74Aの少なくとも一部が底面13を支持するように形成されていてもよい。支持板74Aは、複数の部品で構成されていてもよい。
固定台座74は、支持板74Aが金属板で形成されているため、手洗い器13の高さ方向の取り付け幅を低減し、手洗い器13の取り付けのデザインの自由度を向上させることができる。固定台座74は、支持板74Aが金属板で形成されているため、手洗い器13の底面13Fに形成された凹部13Rの鉛直方向の幅を小さく形成できる。固定台座74は、第3幕板9を開閉しても、支持板74Aが手洗い器13の凹部13Rに隠れているため、意匠性が向上する。
上記構成により第3キャビネット8の第3幕板9と、第2壁面15との間には、収容空間70Sが形成され、薄型のブラシ等の掃除道具等の物を収納できる。収容空間70Sには、給水管131、排水管132、手洗い器13の水栓13Aの配線を収納できる。収容空間70Sには、給水管131、排水管132、手洗い器13の水栓13Aの配線をメンテナンスする際に作業者の手も入れられる。第3幕板9は、収容空間70S内の給水管131、排水管132、手洗い器13の水栓13Aの配線や光源Eの配線等を隠蔽する。第3幕板9は、収容空間70S内の配線に接続されるコンセントが設けられている場合には、コンセントも隠蔽できる。第3幕板9は、リフォーム前に元々付いていた取付穴の一部や、部品が残置される場合には残置部品も隠蔽できる。
手洗い器13は、固定台座74に固定された状態では、前後方向に沿った方向から見てトイレットペーパーホルダーHよりもトイレ空間11側に突出するように形成されている(図2参照)。これにより、人が便器と対面した方向から見てトイレットペーパーホルダーHが視認されにくくなり、意匠性が向上する。
次に、接続部6について説明する。
接続部6は、トイレ空間11の角部16において第1キャビネットと第2キャビネットとの間に設置される収納装置である。
図23および図24に示すように、接続部6は、第1固定フレーム部22と第2固定フレーム部42との間に設置される第4固定フレーム部60と、第1幕板23と第2幕板43とを接続するパネルPと、上面に載置される蓋65とを有する。第4固定フレーム部60は、第1壁面14に固定される縦板61と、縦板61に固定される棚板62,63とを有する。縦板61は、鉛直方向が長手の矩形の板状に形成されている。縦板61は、上端61Aが第1幕板23の上端部234と第2幕板43の上端部434と同じ高さとなるように固定される。
縦板61に直交する水平方向に一対の棚板62,63が取り付けられている。一対の棚板62,63は、鉛直方向に離間して配置されている。上側に配置された棚板62には、第1天板24の位置決めのための矩形の蓋65が取り付けられている。一対の棚板62,63は、台形の板状に形成されており、上底側の一端面62B,63Bに接続するテーパ部62A,63Aが形成されている。一対の棚板62,63は、下底側の他端面62C,63Cが第2壁面15に取り付けられる。一対の棚板62,63は、L字形に形成された固定部材62L,63Lを介して第2壁面15に取り付けられる。
テーパ部62A,63Aには、パネルPを固定するための固定部材62M,63Mが取り付けられている。テーパ部62Aに取り付けられた固定部材62Mは、L字形に形成された金具である。テーパ部63Aに取り付けられた固定部材63Mは、面ファスナーの一部である。
パネルPは、表面P3に第1幕板23の表面231と第2幕板43の表面431とを接続するR面が形成された板状体である。パネルPの鉛直方向に沿った長手の両側の端部P1,P2は、それぞれ第1幕板23の表面231と第2幕板43の表面431に接触する。パネルPは、端部P1,P2に向かうほど断面が細くなるように形成されている、パネルPは、端部P1と表面231及び端部P2と表面431との接触角が0度より大きくなるように形成されている。
パネルPの裏面P4には、固定部材62M,63Mに固定するための固定部材P5,P6が取り付けられている。固定部材P5は、固定部材62Mを係止するように形成されている。固定部材P6は、固定部材63Mに対応する面ファスナーの一部であり、固定部材63Mを固定する。パネルPは、上端P7が第1幕板23の上端部234と第2幕板43の上端部434より低い位置となるように固定される。これにより、パネルPは、第1幕板23の上端と第2幕板43の上端との高さ調整を不要とし、第4固定フレーム部60への取り付けを容易にすることができる。
パネルPと第1キャビネット2と第2キャビネット4との上部には、開口Uが形成される。開口Uからは、棚板62にトイレットペーパーなどを収納できる。パネルPを外せば、棚板63にも物を収納できる。開口Uは、蓋65により塞がれる。蓋65は、パネルPに対応する位置にアーチ状の切り欠き部65Aが形成されている。蓋65は、第1幕板23の上端と第2幕板43の上端と縦板61の上端に載置される。蓋65の裏面65C側には、第1天板24との間の隙間を埋めるパッキン65Dと、第2天板44との間の隙間を埋めるパッキン65Eとが取り付けられている。
上記構成により接続部6のパネルPと、蓋65と、棚板62と、第2壁面15との間には、収容空間62Sが形成され、物を収納できる。パネルPと、棚板62と、棚板63と、第2壁面15との間には、収容空間63Sが形成され、物を収納できる。収容空間63Sには、給水管131、排水管132、手洗い器13の水栓13Aや光源Eの配線の配線を収納できる。
収容空間63Sには、給水管131、排水管132、手洗い器13の水栓13Aや光源Eの配線の配線をメンテナンスする際に作業者の手も入れられる。パネルPは、収容空間63S内の給水管131、排水管132、手洗い器13の水栓13Aの配線や光源Eの配線等を隠蔽する。パネルPは、収容空間63S内の配線に接続されるコンセントが設けられている場合には、コンセントも隠蔽できる。パネルPは、リフォーム前に元々付いていた取付穴の一部や、部品が残置される場合には残置部品も隠蔽できる。
上述したように、トイレキャビネット1によれば、キャビネットに設けられた幕板の上端面が平面視して天板と隣接する構造により、幕板の清掃作業を容易にすることができる。トイレキャビネット1によれば、幕板の上端面が天板よりも高く設置されているため、天板に物を載置した際に物が幕板と天板とにより生じた段差に引っ掛かり、物を安定して載置することができる。トイレキャビネット1によれ、手洗い器13の上端13Gが第2天板44よりも高くなるように配置されているため、手洗い器13の中に物を落ちにくくすることができる。
本開示は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、便器12はタンクレストイレであるが、ロータンクを有する便器であってもよい。