JP2021027051A - 蓄電デバイスの電極の製造方法および蓄電デバイスの電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部抵抗を低減し、膨張収縮による集電からの活物質の剥離を防止できる高容量蓄電デバイス電極の製造方法の提供。【解決手段】金属箔コイルの端面を切削工具で切削することによって長尺の金属繊維を得る工程と、前記長尺の金属繊維の束を押さえ部材を用いて所定の面に押さえつけた状態で、又は、前記長尺の金属繊維の束を管の中に配置した状態で、平均長さが5mm以下となるように前記長尺の金属繊維を切断する工程と、切断によって得られた金属製の短繊維Aと、充電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉又は充放電時に化学反応する活物質粉20と、バインダーBとを含む液状又はゲル状のスラリーを作成する工程と、前記スラリーを所定形状に成形する工程と、前記所定形状に成形された前記スラリーを乾燥させることによって前記短繊維Aを含む電極を形成する工程とを有する蓄電デバイス用電極の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイスの電極の製造方法および蓄電デバイスの電極に関する。
エネルギー削減や地球温暖化防止を目的に様々な分野でキャパシタや二次電池が使用されており、特に自動車産業においては、電気エネルギーを採用したことにより、これらの性能をさらに向上させるための開発が加速している。
電気二重層キャパシタは、従来、低電圧が印加される電子回路のメモリのバックアップ用として使用されており、二次電池と比較して高い入出力の信頼性を有する。
このため、近年では太陽光や風力などの自然エネルギーによる発電や、建設機械、瞬低用電源、電車の回生用電源などに利用されている。自動車への用途としても検討されてきたが、特性、コストが要求に合わず、近年までこの分野での使用実現に至らなかった。しかし、現在では、電子制御ブレーキシステム用に電気二重層キャパシタが使用され、自動車の電装品のバックアップ電源やアイドリングストップシステムの始動用エネルギー供給、ブレーキ制御、動力アシストなどへの用途が検討されている。
電気二重層キャパシタの構造は、正負の電極部と、電解液と、対向する正負の電極部の短絡を防止するセパレータとから構成される。電極部は、分極性電極(現在は主に活性炭)、活性炭を保持するためのバインダー、導電助剤(主にカーボンの微粒子)を混練したものを、集電体であるアルミニウム箔(厚さ約20μm)上に何層も塗布する事で形成されている。このような電気二重層キャパシタは例えば特許文献1に開示されている。
電気二重層キャパシタの充電は、電解質イオンが溶液内を移動し活性炭の微細孔表面に吸脱着する事で行われる。電気二重層は活性炭粉と電解液が接する界面に形成される。
因みに、通常の活性炭の粒径は、例として約4〜8μm、比表面積は、例として1600〜2500m/gである。電解液は陽イオン、陰イオン、および溶媒を有し、陽イオンとしてテトラエチルアンモニウム塩、陰イオンとして四フッ化ホウ酸イオンなどが用いられ、溶媒としてプロピレンカーボネートやエチレンカーボネートなどが使用されている。
一方、リチウムイオン二次電池(リチウムイオン電池)は、主に、正極、負極、セパレータから構成されている。一般的に正極は集電体である厚さ20μm程度のアルミニウム箔に活物質粉、通常はコバルト酸リチウムと、添加物である導電助剤と、バインダーとを練り合わせたものを100μm程度の厚さに塗布したものであり、負極は集電体である銅箔に炭素材料を塗布したものであり、これらを例えばポリエチレンなどのセパレータで分離し、電解液に浸すことにより、リチウムイオン電池が構成されている。このようなリチウムイオン電池は例えば特許文献2に開示されている。
充放電は、リチウムイオンが正極と負極との間を移動することで行われ、充電時はリチウムイオンが正極から負極へ移動し、正極のリチウムイオンがなくなるか負極にリチウムイオンが収蔵できなくなったら充電が完了する。放電時はこの逆となる。
一方、LiB(リチウムイオン電池)は近年最も使用されているが、電解液溶媒が含有する電解質塩(通常LiPF)が可燃性の液体であり、発火や液漏れなどの危険性がある。更に、この有機系電解液が、正極との界面で陰イオンや様々な異分子の分解を引き起こし、LiBの寿命を短縮するとも言われている。そこで、電解液を固体電解質に置き換えようとする試みが行われており、このような電池は、正極層、負極層、および電解質層が全て固体で構成されるので全固体型電池と呼ばれている。全固体型電池は、本来LiBの構成物質に限られないが、一般にLiBの電解液を固体化する研究が多いため、一般に全固体LiBのことを指すことが多い。
全固体型電池のメリットは、電解質層が難燃性であるため安全であること、電解質層中をリチウムイオンのみが移動するため陰イオンや溶媒分子との副反応が発生しにくく、より長寿命であること、電解質層が液体でないため使用温度範囲が広いこと等が挙げられる。
また、LiBで高容量、高電圧の電池を得ようとする場合、一個のセルを複数個接続しなければならないが、固体電解質層を用いれば、正極層、固体電解質層、負極層の順に重ねるだけで良いため、エネルギー密度の高い電池の製作が可能であるというメリットも有する。
以上のようなデバイスの性能は、すべてイオンや電子のやり取りで行われる。従って、そのデバイスの持つ電気容量や充放電速度、寿命などは、如何にスムーズに電子のやり取りを行うか、もしくは継続して行えるかに依存する。
一方、リチウムイオン電池の電解液を固体化した全固体型電池の充放電は、Li脱挿入によってなされる。
例えば、特許文献3では、単電池間に導電性の弾性体を配して膨張収縮を抑制し、特許文献4では、電池の周りに緩衝層を設け、特許文献5では、空隙率を制御するなど様々な工夫がなされている。
また、金属繊維から成る集電体を用いる電極も知られている。例えば、特許文献6および7が挙げられる。
特開2005−086113号公報 特開2007−123156号公報 特開2008−311173号公報 特開2015−111532号公報 特許第5910737号公報 特許第6209706号公報 特開2018‐106846号公報
(電気二重層キャパシタの課題)
電気二重層キャパシタは、リチウムイオン電池を主とする二次電池に対し、化学反応を伴わず、蓄電時間が短く、電流の放出時間が速い点で異なる。また、エネルギー密度については、リチウム電池が数百Wh/Lに対して、電気二重層キャパシタは数十Wh/Lであり、一桁低い。電気二重層キャパシタが、蓄電用ではなく、電装品のバックアップ電源やアイドリングストップシステムの始動用エネルギー、ブレーキ制御、動力アシストなどで検討されているのは、前記の相違による。
近年、電気二重層キャパシタは、電気自動車、エネルギー発電等の大容量パワーデバイス用として開発が進められているが、高効率に大容量のエネルギーをキャパシタに出し入れするためには、静電容量を増加させ、電極部の内部抵抗を減らさなければならないという課題が存在する。
(リチウムイオン電池の課題)
一方、リチウムイオン電池を主とする二次電池は、比較的エネルギー密度が高く、長時間使用できるので、携帯機器をはじめ様々な分野で使用されている。近年、自動車、重機、エネルギー分野等に利用されるようになり、容量を増やす為に大型化が要求されている。しかし、大型化には、容量の課題を始めとして、充電速度、寿命、信頼性、製造の難しさ等の多くの課題が存在する。例えば、携帯電話で使用される電池の容量は約15Whであるが、ハイブリッド車で使用される電池の容量は数十kWh〜百kWhとなり、両者の差は数千倍であり、それに伴う上記の課題が存在している。
リチウムイオン電池の反応は可逆的な化学反応であり、電極が充放電する際に、活物質が膨張・収縮する。そのため、活物質が集電体から剥離し、充放電特性が劣化する。即ち、常に100%同じ充放電をすることはなく、充放電の能力低下が起こる。ハイブリッド自動車や電気自動車では電池は何年も使用されるので、上記劣化を防ぐために、集電体と活物質の剥離を抑える必要がある。
また、リチウムイオン電池の最大の課題の一つとして内部抵抗がある。内部抵抗とは、リチウムイオンが電池内部の正極と負極で電解質の中を移動する際の抵抗といえる。この移動抵抗が、容量を大きくすることができない、又は充放電速度を速くできない主な理由である。
大型化、すなわち容量を大きくすることに関し、集電体に多くの活物質を塗布すると容量が増加するが、リチウムイオンの移動抵抗が大きくなる。このため、活物質層の厚みには限界があり、活物質層が厚くなるとその移動抵抗により充放電速度が遅くなる。塗布厚を薄くすると内部抵抗は低減され、充放電速度は速くなるが、容量が減少する。その為、活物質を塗布した集電体を何重にも重ねること、活物質を塗布した集電体の面積を広げること等によって、容量の増加が行われている。
充電や放電の速さは、リチウムイオンの発生量にも関係する。一度に多くのイオンが作り出され一度に移動できれば、充電速度や放電速度は速くなる。二次電池の化学反応は電解質と活物質との界面で起こるので、電極と電解質との接触面積を増やすことができれば、充放電速度も改善される。
内部抵抗を減らすために、現在、添加物の改良、導電助剤や活物質の改良、また集電体の上に予めカーボンの微粒子を塗布するなどの工夫が実施されている。また、集電体の形状においても、前述のように出来るだけ薄膜にする改善や、箔に細かい穴等を形成して表面積を大きくする改善が行われている。電気二重層キャパシタにおいても同様に、活性炭や添加剤の改良、集電体と活物質層との接触面積を増やすなどの研究開発が行われている。
(全個体電池の課題)
一方、リチウムイオン電池の電解液を固体化した全固体型電池の充放電は、Li脱挿入によってなされる。この際、ホストである結晶格子が膨張収縮を繰り返す。それによる体積変化が大きいと、活物質、固体電解質、および導電助剤の粒子間の接触が断ち切れ、有効な活物質の量が減少する。全固体型電池の場合、電池容量の10分の1から10分の2程度の電流で充放電を繰り返しても、1モルに近い量のLiが脱挿入することになり、その体積膨張、収縮率は10%近くにも達する。そのため、その膨張収縮を抑える工夫が種々提案されている。
このように、蓄電デバイスにおいては、高容量化の課題を解決するために、内部抵抗の低減し、膨張収縮による集電体からの活物質の剥離を防止できれば、大きな改善の可能性が生まれる。
本発明の第1態様の蓄電デバイスの電極の製造方法は、金属箔を巻くことにより形成されるコイルの端面を切削工具で切削することによって長尺の金属繊維を得る繊維作成工程と、前記長尺の金属繊維の束を押さえ部材を用いて所定の面に押さえつけた状態で、又は、前記長尺の金属繊維の束を管の中に配置した状態で、平均長さが5mm以下となるように前記長尺の金属繊維を切断する切断工程と、前記切断工程によって作られた金属製の短繊維と、充電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉又は充放電時に化学反応する活物質粉と、バインダーとを含む液状又はゲル状のスラリーを作成するスラリー作成工程と、前記スラリーを所定形状に成形する成形工程と、前記所定形状に成形された前記スラリーを乾燥させることによって前記短繊維を含む電極を形成する乾燥工程と、を有する。
本発明の第1態様は、上記のように蓄電デバイスの電極に用いる短繊維を作成する。アルミニウム溶湯吹き出し法による長繊維や短繊維の製作、もしくは、びびり振動加工法と呼ばれる短繊維の製作法であって、刃物をびびり振動させながら金属棒を削り、これにより短繊維を製作する短繊維の製作法を使用することがあった。
しかし、これらの方法では直径数十μmの細さ且つ長さ数mmの短繊維を安定して製作する事が難しい。また、形状が安定しない短繊維は電池性能に影響を与える可能性がある。より安定してこのような短繊維を製作する検討を行い、コイル切削法により作られる長繊維を任意のサイズに切断できる方法を見出した。
コイル切削法とは、コイル状に巻いた金属箔をその端面方向から切削して長繊維を製作する方法である。したがって、その繊維の断面は箔の厚さと切削深さを持った正方形、もしくは長方形、もしくは台形のような形状をしており、形状が整っている。このように断面形状および長さが整った短繊維によって、電池性能の向上を図ることが可能となる。
この方法は、箔にできる金属であればどんな種類の金属にも適用できる。
本発明の第2態様は、平均長さが5mm以下である金属製の短繊維と、充電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉又は充放電時に化学反応する活物質粉と、を含む蓄電デバイスの電極であって、前記短繊維の重量比が9.5重量%未満である。
本発明の第3態様は、金属製の短繊維と、充電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉又は充放電時に化学反応する活物質粉と、を含む蓄電デバイスの電極であって、前記短繊維が、小径部と当該小径部の1.5倍以上の直径を有する大径部とを有し、前記大径部の長さは、前記小径部の平均直径の5倍よりも短い。
本発明によれば、電池性能の向上を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電極の断面イメージ図である。 本実施形態の他の電極の断面イメージ図である。 本実施形態のスラリーの製造方法を示す概略図である。 本実施形態の電極の製造のためのスラリーの塗布方法の例を示す概略図である。 本実施形態の電極の製造のための圧延方法を示す概略図である。 本実施形態の電極を用いた全固体型電池の概略断面図である。 本実施形態の電極の製造のための加圧方法を示す概略図である。 本実施形態の電極を用いたリチウムイオン電池の特性を示すグラフである。 本実施形態の電極を用いたリチウムイオン電池のサイクル特性を示すグラフである。 本実施形態の電極を用いたリチウムイオン電池の特性を示すグラフである。 本実施形態の変形例の電極の短繊維の製造方法を示す概略図である。 本実施形態の変形例の電極の短繊維の概略図である。
本発明の一実施形態に係る電極および蓄電デバイスについて図面を参照して以下説明する。なお、蓄電デバイスとして主にリチウムイオン電池を用いて説明する。
図1および図2は、平均線径が50μm以下であるアルミニウム又は銅の短繊維Aが混入された電極(正極又は負極)を示している。
なお、図1および図2は本実施形態の構成をわかりやすく示すための図であり、短繊維A、活物質粉20、導電助剤30、カーボン繊維CF等の大きさ、太さ、長さ、配合比等は実際と異なる。
この電極は、図1および図2に示すように、平均線径が50μm以下であるアルミニウム又は銅の短繊維Aと、短繊維Aと共にバインダーBにより保持されて充放電時に化学反応する活物質粉20とを備え、必要に応じてバインダーBにより保持された導電助剤30を備えている。
[集電体となる金属短繊維の成形]
コイル切削法により製作した金属長繊維(アルミニウム又は銅の長繊維)の束を例えば0.1mm〜0.3mm厚の一対のプラスチックフィルムによって挟み込み、前記長繊維の束を任意の長さに切断する。つまり、前記長繊維の束をプラスチック、薄い金属箔、紙等のその他の薄い部材等から成る押さえ部材を用いて所定の面に押さえつけた状態で、前記長繊維を切断する。所定の面は、本実施形態ではプラスチックフィルムの上面であるが、プラスチック、金属等から成る作業台、箔、紙等の薄い部材の上面であってもよい。好ましくはプラスチックフィルムは厚さが1mm以下である。若しくは、筒状のプラスチック管の中に前記長繊維の束を配置した状態で、前記長繊維の束を任意の長さに切断する。プラスチック管の壁圧は例えば0.1〜0.3mmであり、0.5mm以下であることが好ましい。
つまり、前記長繊維の束をプラスチック、金属箔、紙等の薄い部材から成る管状部材の中に配置した状態で、前記長繊維の束を切断する。前記長繊維の束が前記押さえ部材又は前記管状部材と共に切断されてもよい。これにより、長繊維の束の切断を安定して効率的に行うことが可能になる。また、管状部材の中に長繊維の束が比較的密に配置されることが好ましい。これにより、前記任意の長さの短繊維Aが作成される。押さえ部材又は管状部材を用いずに長繊維の束が切断される場合もあり得る。
なお、前記任意の長さに切断された短繊維Aは、平均長さが5mm以下であり、好ましくは平均長さが2mm以下である。また、短繊維Aは、平均線径が50μm以下であり、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。
コイル切削法は、アルミニウム又は銅の箔をコイル状に巻き、そのコイルの端面を切削工具で切削することにより長尺の金属繊維(金属長繊維)を得る。そして、当該長尺の金属繊維を上記長さに切断することによって、短繊維Aが得られる。
なお、本実施形態の金属繊維、短繊維A、薄板、又は箔は、鋼、ステインレス、真鍮等の他の金属から成る場合もある。
コイル切削法によって製作された短繊維Aは、その断面に、箔の表面であった部分に対応する辺と、切削工具で切断された辺とを有する。そして、表面に対応する辺と切断された辺との間が、角、広いV形状、狭いV形状、又はV形状に近い形状となる。このため、後述の各工程において短繊維AがバインダーB等の中を掻き分けて活物質粉20、他の短繊維A等と接触し易くなることが期待される。または、短繊維Aが他の短繊維Aに食い込み易くなることが期待される。
[電極の成形]
図1に示される電極を作成する際は、図3に示されるように、アルミニウム又は銅の短繊維Aと、活物質粉20と、導電助剤30と、バインダーBとを含む液状又はゲル状のスラリーSを作成する。当該スラリーSを作成するために、アルミニウム又は銅の短繊維Aと、活物質粉20と、導電助剤30と、希釈したバインダーBとが、混練機等を使用して混錬される。活物質粉20、導電助剤30、およびバインダーBの乾燥時の重量比は、市販の二次電池におけるこれらの重量比程度であれば問題ない。以下、重量比又は配合比は、後述の乾燥工程による乾燥後の電極全体に対する重量比又は配合比のことである。
本実施形態では、バインダーBの配合比は2重量%以上6重量%未満であり、4重量%前後が好ましい。短繊維Aの配合比は、1重量%以上8重量%未満が好ましい。短繊維Aが少ないと集電体としての効果が少なく、短繊維Aが多いと逆に内部抵抗を上昇させることになる。短繊維Aの配合比は最適には2.5重量%以上5.5重量%以下が好ましい。なお、短繊維Aの配合比は、3.5重量%以上5重量%以下が最も好ましいと考えられる。図2に示される電極を作成する際は、上記にさらにカーボン繊維CFを加えてスラリーSを作成する。カーボン繊維CFを添加する場合、その配合比は1重量%以上2重量%未満が好ましい。カーボン繊維CFが少ないと効果が見えず、カーボン繊維CFが多いとサイクル試験で劣化の原因となる。
アルミニウム又は銅の短繊維Aは平均長さが5mm以下である。このため、スラリーS中においてアルミニウム又は銅の短繊維Aが他の配合物と混ざり易い。短繊維Aの平均長さが2mm以下になると、より混ざり易くなる傾向がある。あまり短いと短繊維A同士の接触が少なくなる。このため、短繊維Aの平均長さは1mm以上であることが好ましい。また、短繊維Aが長いと短繊維A同士が絡み合ってスラリーSに繊維の塊が残る。このため、短繊維Aの平均長さは、最適には、1mm以上4mm以下であることが好ましい。
続いて、スラリーSを集電体箔(アルミニウム箔もしくは銅箔)に所定の厚さで塗布し、粘度を上げるために前乾燥を行う。集電体箔を使用しない場合は、スラリーSをセパレータに塗布する事が可能である。例えば、図4に示されるように、セパレータSPの厚さ方向の一方の面に正極となるスラリーSが塗布され、セパレータSPの厚さ方向の他方の面に負極となるスラリーSが塗布される。セパレータSPの一方の面のみに正極又は負極となるスラリーSが塗布されてもよい。前乾燥は、バインダーBが完全に硬化しない状態まで乾燥させ、これにより電極箔を所定の形状に成形し易くする。なお、本実施形態では、正極又は負極である電極と集電体箔又はセパレータSPとが一体になったものを電極箔と称する場合がある。
さらに、集電体箔又はセパレータSPへの塗布を行わずに、正極又は負極のスラリーSを所定の型上でシート状に成形することも可能である。この場合、シート状に成形された正極又は負極である電極が電極箔と称される。
続いて、塗布、乾燥が行われた電極箔(正極又は負極のスラリーS)をプレス加圧する。これにより、スラリーSを電極のサイズに応じた所定の厚さ等に成形する。例えば、図5に示されるように、一対のローラの間に電極箔(正極又は負極のスラリーS)を通すことにより加圧し、所定の厚さに成形する。
続いて、成形された電極箔を真空乾燥等により乾燥させる乾燥工程を行う。これにより、電極中の水分の除去とバインダーBの硬化を行う。
好ましくは純度が99%以上、より好ましくは純度が99.9%以上のアルミニウム又は銅の短繊維Aを用いると、例えば図5に示される加圧により、短繊維A同士が交差するように接触している部分において、交差している2本の短繊維Aを互いに食い込むように変形させることが容易となる。
つまり、前記接触している部分で短繊維Aが偏平し、これにより、交差している2本の短繊維Aが互いに食い込む。加圧により、短繊維Aが活物質粉20により密に接触し、短繊維A同士の接触部の抵抗の低減に繋がる。
つまり、短繊維A同士の接触部における電子の移動抵抗を低減することができ、電子が入出力端子に移動する抵抗を小さくする上で有利である。
なお、スラリーSを電極箔とするために成形する工程、成形された電極箔をプレス加圧する工程等によって、活物質粉20に接触している短繊維Aが活物質粉20に沿って曲げられ、短繊維Aが活物質粉20に絡みつく。
[正極活物質粉]
正極の活物質粉20としては、バインダーB等によって短繊維Aに保持可能なものや、短繊維Aと共に硬化したバインダーBに保持されるものであれば良く、サイクル特性に優れたものが好ましい。活物質の例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)やリン酸鉄系の活物質、グラファイト等の炭素材が挙げられる。なお、二次電池の正極および負極に用いられる公知の活物質を使用することが可能である。
活物質粉20の平均粒径は、一例として、集電体として機能する短繊維Aの平均線径に10μmを加えた値である。例えば、短繊維Aの平均線径が20μmの場合は、活物質粉20の平均粒径は30μm以下又は30μm程度にすることが好ましい。これにより、集電体として機能する短繊維Aと活物質粉20との接触面積が増加し、充放電速度の向上に貢献し得る。なお、活物質粉20の粒径は、上記以外であってもよい。
[バインダー]
バインダーBとしては、熱可塑性樹脂や多糖類高分子材料等を用いることが可能である。バインダーBの材質の例は、ポリアクリル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等である。なお、二次電池や電気二重層キャパシタの電極に用いられる公知のバインダーを用いることが可能である。
[導電助剤]
導電助剤30としては、導電性を有する材質であれば良く、電解質や溶媒によって化学変化しない材質であることが好ましい。導電助剤30の例としては、黒鉛やカーボンブラックが挙げられる。なお、二次電池や電気二重層キャパシタの電極に用いられる公知の導電助剤を用いることが可能である。好ましくは、導電助剤30の平均粒径は活物質粉20の平均粒径よりも小さい。
[負極活物質紛]
負極の活物質紛20としては、人造黒鉛や天然黒鉛などが使用される。これらを負極に使用する場合、負極側での動作電位が低いため、アルミニウムの短繊維Aを使用した場合にLi−Alの反応が起こる。これは、Liの減少を引き起こし、急激に電池の劣化が進む。そのため、アルミニウムの短繊維Aは使用できず、銅の短繊維Aを使用する必要がある。一方、近年開発され、Li−Alの反応よりも反応電位が高いLTO(チタン酸リチウム)を負極の活物質粉20として使用できる。この場合、アルミニウムの短繊維Aを負極に使用できる。アルミニウムの短繊維Aを1重量%以上8重量%未満、好ましくは3.5重量%以上5重量%以下用いると共に、LTOを負極の活物質粉20として用いると、内部抵抗を大幅に減少できることが分かった。
[他のデバイスの応用]
上記の電極の製造方法および電極は、電気二重層キャパシタ、全固体型電池を含む二次電池、リチウムイオンキャパシタを含むハイブリットキャパシタ等の蓄電デバイスの電極に適用することが可能である。例えば、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの正極および負極を製作する場合は、活物質粉20として機能する活性炭、導電助剤30、希釈したバインダーBを短繊維Aと一緒に混練する工程を経て、製作できる。電気二重層キャパシタに用いられる活物質粉20は、充放電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉であるとも言える。活性炭の代わりに、電気二重層キャパシタ等のキャパシタで用いられる周知の活物質粉を用いることも可能である。全固体電池の場合は、固体電解質を、活物質粉20、導電助剤30、希釈したバインダーB,および短繊維Aと共に混練する工程を経て、製作が可能である。
なお、図2に示される電極を作成する際は、前記スラリーSとして、活物質粉20と、導電助剤30と、バインダーBに加えて、平均太さが0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下であるカーボン繊維CFを含むスラリーSを用いることも可能である。この場合、図2に示されるように、集電体として機能する短繊維A間にカーボン繊維CFが配置される。
カーボン繊維CFは、短繊維A、活物質粉20、導電助剤30、および他のカーボン繊維CFに接触する。本実施形態では、平均太さが0.1μm以上0.2μm未満、平均長さが20μm以上200μm未満のカーボン繊維CFを用いる。一例では、カーボン系の導電助剤30の抵抗率は0.1〜0.3Ω・cmであるのに対し、カーボン繊維CFの抵抗率は例えば5×10−5Ω・cmである。
例えば、活物質粉20と短繊維Aとが直接接触していない場合でも、当該活物質粉20と短繊維Aとがカーボン繊維CFを介して電気的に接続される。また、活物質粉20と短繊維Aとが直接接触している場合でも、カーボン繊維CFによる接続があることによって、当該活物質粉20と短繊維Aとの間の電気抵抗が更に低減される。
このように、導電性が良いカーボン繊維CFにより、活物質粉20と短繊維Aとの間の電子の移動抵抗を低減することができ、電子が入出力端子に移動する抵抗を小さくする上で有利である。
なお、導電助剤30を用いずに、カーボン繊維CFを含むスラリーSを用いて電極を製造することも可能である。この場合も、集電体として機能する短繊維A間にカーボン繊維CFが配置され、当該構成は活物質粉20と短繊維Aとの間の電気抵抗を低減する上で有利である。なお、図2は本実施形態の構成をわかりやすく示すための図であり、短繊維A、活物質粉20、導電助剤30、カーボン繊維CF等の大きさ、太さ、長さ、配合比等は実際と異なる。
[コイン型二次電池への適用]
以下、蓄電デバイスであるコイン型二次電池への適用については、例えば、特開2018−106846号公報に記載された構造を用いて、特開2018−106846号公報における吹き出し繊維やびびり加工繊維の代わりに本願の短繊維Aを使用したコイン型電池を製作する事が可能である。なお、電解液として、二次電池に用いられる周知の電解液を用いることが可能である。
[積層型二次電池への適用]
正極、負極およびセパレータから成る蓄電部を複数層に積層する二次電池の場合も、前記コイン型二次電池と同様に、前記実施形態の電極構造を正極のみ、負極のみ、および正極と負極の両方に用いることが可能である。なお、電解液として、二次電池に用いられる周知の電解液を用いることが可能である。
[全個体型電池への適用]
以下、全固体型電池への適用に関し説明する。
全固体型リチウムイオン電池の例を用いて、蓄電デバイス(全固体型電池)を説明する。なお、この実施形態は、全固体型ナトリウムイオン二次電池、全固体型マグネシウムイオン二次電池、固体電解質を用いた空気電池等の全固体型電池、若しくはSi(シリコン)負極を用いた膨張収縮の激しい全固体型リチウムイオン二次電池に用いることが可能である。
全固体型電池の構造の模式図の例は図6の通りである。全固体型電池は大まかに正極集電体1、正極層2、固体電解質層3、負極層4、負極集電体5を有する。正極層2は前述の正極の電極に対応しており、負極層4は前述の負極の電極に対応している。
(集電体箔)
正極集電体1は、一般には金属箔であり、当該金属箔はアルミニウム、複数の金属から成る合金等で形成することができる。負極集電体5には一般的に銅箔が使用されることが多い。負極の活物質粉20がチタン酸リチウムから成る場合は、負極集電体5にアルミニウム箔を使用することが可能である。全固体型電池の場合は、耐電圧性および耐食性の高いSUS(ステインレス鋼)、コバルト基合金等の導電性材料、その他の導電性素材、導電性セラミックス等が使用される場合もある。
(正極層)
正極の活物質粉20の材質は、例えばLiCoPO、LiCoO、LiMnO、LiFePO等が好ましい。必要に応じて、導電助剤30、バインダーB、イオン導電性を高めるための無機固体電解質、高分子電解質等の粉末の固体電解質14が添加され、焼結や加圧成形を経て正極層2が構成される。本実施形態では、正極層2はアルミニウム、銅等から成る短繊維Aを含有している。
(負極層)
負極の活物質粉20の材質も、正極層2と同様に放電容量を高めるために、イオンを吸蔵しやすい物質が好ましく、例えばLiFePO、LiTi12、LiFe(PO、SiO、CuSn、LiTiO等が挙げられる。負極層4は、これらの活物質粉20、導電助剤30、バインダーB、およびイオンの導電性を上げるために無機固体電解質、高分子電解質等の粉末の固体電解質24を混合し、焼結や加圧成形することで構成される。本実施形態では、負極層4は、アルミニウム、銅等から成る短繊維Aを含有している。
全固体型電池の正極層2および負極層4の場合も、短繊維Aの配合比は1重量%以上8重量%未満が好ましく、最適には3.5重量%以上5重量%以下が好ましい。また、バインダーBの配合比は2重量%以上6重量%未満が好ましい。
(正極層の成形)
先ず、短繊維Aと、充放電時に化学反応する活物質粉20と、導電助剤30と、バインダーBと、固体電解質14とを含む液状又はゲル状のスラリーSを作成する。当該スラリーSはアルミニウム又は銅の短繊維Aと、活物質粉20と、導電助剤30と、希釈したバインダーBと、固体電解質14との混合物を混練することにより作成される。充放電が行われる際に、電解液を有するリチウムイオン電池と同様に、正極の活物質粉20からリチウムイオン等のイオンが電解質中に放出される化学反応や、活物質粉20にリチウムイオン等のイオンが取り込まれる化学反応が起きる。
続いて、スラリーSの粘度を上げるために前乾燥を行う。前乾燥は、バインダーBが完全に硬化しない状態まで乾燥させ、これによりスラリーSを所定の形状に成形し易くするものであるため、バインダーBの粘度に応じて省くことができる。
続いて、図7のようにスラリーSを型内に入れると共にスラリーSを加圧する。これにより、スラリーSを電極のサイズに応じた所定の厚さ等に成形する。なお、一対のローラの間にスラリーSを通すことによりスラリーSを加圧し、これによりスラリーSを電極のサイズに応じた所定の厚さに成形することも可能である。型やローラによりスラリーSの厚さを調整した後に、スラリーSを切断して所定の形状(大きさ)に成形することも可能である。スラリーSを正極集電体1の厚さ方向一方の面に塗布することによってスラリーSを所定の形状に成形することも可能である。
続いて、成形されたスラリーSを真空乾燥等により乾燥させる乾燥工程を行う。これにより、スラリーS中のバインダーBを硬化させる。当該工程によって、スラリーS中の活物質粉20および固体電解質14が短繊維Aに接触した状態となる。なお、前記接触した状態とは、全ての活物質粉20が短繊維Aに接触していることを指す訳ではなく、一部の活物質粉20が短繊維Aに接触していても、前記接触した状態である。同様に、一部の固体電解質14が短繊維Aに接触していても、前記接触した状態である。
なお、正極層2における活物質粉20と固体電解質14とを加えたものの配合比は、80重量%以上であることが好ましく、85重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。この中で、活物質粉20の配合比が70重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であることがより好ましい。一方、固体電解質14の配合比が10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。正極層2における短繊維Aの配合比は、3重量%以上であることが好ましく、5重量%程度であることがより好ましく、8重量%未満であることが好ましい。その他は導電助剤30、バインダーB、カーボン繊維CF等が占める。
(負極層の成形)
先ず、短繊維Aと、充放電時に化学反応する活物質粉20と、導電助剤30と、バインダーBと、固体電解質24とを含む液状又はゲル状のスラリーSを作成する。当該スラリーSはアルミニウム又は銅の短繊維Aと、活物質粉20と、導電助剤30と、希釈したバインダーBと、固体電解質24との混合物を混練することにより作成される。
続いて、スラリーSの粘度を上げるために前乾燥を行う。前乾燥は、バインダーBが完全に硬化しない状態まで乾燥させ、これによりスラリーSを所定の形状に成形し易くするものであるため、バインダーBの粘度に応じて省くことができる。
続いて、図7のようにスラリーSを型内に入れると共にスラリーSを加圧する。これにより、スラリーSを電極のサイズに応じた所定の厚さ等に成形する。なお、一対のローラの間にスラリーSを通すことによりスラリーSを加圧し、これによりスラリーSを電極のサイズに応じた所定の厚さに成形することも可能である。型やローラによりスラリーSの厚さを調整した後に、スラリーSを切断して所定の形状(大きさ)に成形することも可能である。スラリーSを負極集電体5の厚さ方向一方の面に塗布することによってスラリーSを所定の形状に成形することも可能である。
続いて、成形されたスラリーSを真空乾燥等により乾燥させる乾燥工程を行う。これにより、スラリーS中のバインダーBを硬化させる。当該工程によって、スラリーS中の活物質粉20および固体電解質24が短繊維Aに接触した状態となる。なお、前記接触した状態とは、全ての活物質粉20が短繊維Aに接触していることを指す訳ではなく、一部の活物質粉20が短繊維Aに接触していても、前記接触した状態である。同様に、一部の固体電解質24が短繊維Aに接触していても、前記接触した状態である。
なお、電気二重層を形成する全固体型のキャパシタの場合は、正極又は負極の電極において、活物質粉20の代わりに、充電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉を用いることも可能である。
なお、負極層4における活物質粉20と固体電解質24とを加えたものの配合比は、80重量%以上であることが好ましく、85重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。この中で、活物質粉20の配合比が70重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であることがより好ましい。一方、固体電解質24の配合比が10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。負極層4における短繊維Aの配合比は、3重量%以上であることが好ましく、5重量%程度であることがより好ましく、8%未満であることが好ましい。その他は導電助剤30、バインダーB、カーボン繊維CF等が占める。
(固体電解質層の成形)
粉末の固体電解質34とバインダーBとを含む混合物を混練することにより液状又はゲル状のスラリーを作成し、乾燥、型内での加圧、ローラを用いた加圧等を行うことによって、所定の厚さを有する固体電解質層3を得る。固体電解質層3は周知の固体電解質層であってもよい。また、固体電解質層3は周知のゲル状の固体電解質層であってもよい。
(蓄電要素の成形)
前述のように作成された正極層2、固体電解質層3、および負極層4を重ね合わせると共に加圧することによって、正極層2と固体電解質層3とを結合すると共に、固体電解質層3と負極層4とを結合する。また、必要に応じて、正極層2に正極集電体1を重ね合わせると共に、負極層4に負極集電体5を重ね合わせる。これにより、正極層2、固体電解質層3、および負極層4から成る蓄電要素BEが形成される。図6のように蓄電要素BEを必要な数だけ重ね合わせることによって、全固体型電池が形成される。
(固体電解質)
固体電解質14,24,34はリチウムイオン電池(LiB)の電解液と同様に、電池全体に存在し、正極層2と負極層4との間のイオンの伝達を行う。固体電解質14,24,34の材質としては、次のような無機固体電解質や高分子固体電解質を用いることができる。
無機固体電解質としては、LiN、LiI、LiN−LiI―LiOH、LiSiO、LiSoO−LiI−LiOH、LiPO−LiSiO、LiSiS等のLi(リチウム)の窒化物やハロゲン化物、ケイ素化物などが使用でき、またナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、化学式Li(POが使用され得る。xは1≦x≦2、yは1≦y≦2であり、MはAl、Ti、Ge、Ga等で構成される物質等が使用できる。またPは、SiやBに置き替えることも可能である。
高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、リン酸エステルポリマーなどを用いることができる。
[実施例]
以下にリチウムイオン電池の正極に上記短繊維Aを適用した例を示す。
アルミニウムの短繊維Aと、活物質粉20(NMC;三元系Li(NiMnCo1−a−b)Oと、導電助剤30(AB;アセチレンブラック)と、溶媒(NMP;ノーマルメチルピロリドン)で希釈されたバインダーB(PVDF;プリフッ化ビニリデン)と、を用いて、前記重量比(乾燥工程後の重量比)で、活物質粉20:導電助剤30:バインダーB:アルミニウムの短繊維Aが87:5:4:4となるように、スラリーSを制作した。そして、当該スラリーSをアルミニウム箔上に塗布して前述のように製作した正極箔と、短繊維A等の金属繊維を入れない負極箔を使用し、電解液に例えばLiPF(六フッ化リン酸リチウム)を使用してリチウムイオン電池を作成した(実施例1)。また、実施例1のリチウムイオン電池において、正極を作る際に前述のスラリーSにカーボン繊維CFを前記重量比で1.5重量%加えたリチウムイオン電池も作成した(実施例2)。カーボン繊維CFを1.5重量%加えることにより、活物質粉20:導電助剤30:バインダーB:アルミニウムの短繊維Aの重量比は、85.8:4.9:3.9:3.9程度となる。
また、実施例1のリチウムイオン電池において、正極を作る際に前述のスラリーSにアルミニウム又は銅の短繊維Aを入れないリチウムイオン電池も作成した(比較例1)。短繊維Aを入れないことにより、活物質粉20:導電助剤30:バインダーBの重量比は、90.6:5.2:4.2程度となる。
実施例1、実施例2、および比較例1の負極箔の制作のために、先ず、活物質粉20(天然球状黒鉛)と、導電助剤30(AB;アセチレンブラック)と、溶媒(NMP;ノーマルメチルピロリドン)で希釈されたバインダーB(PVDF;プリフッ化ビニリデン)と、を用いて、前記重量比で、活物質粉20:導電助剤30:バインダーBが90:5:5となるように、スラリーSを製作した。そして、当該スラリーSを銅箔上に塗布して前述のように負極箔を製作した。
また、市販されている正極箔および負極箔を用いたリチウムイオン電池も製作した(比較例2)。当該正極箔および負極箔は、市販されている正極箔および負極箔の中で、高性能であると言われているものである。なお、比較例2の正極の活物質粉の材質は、実施例1、実施例2、および比較例1の活物質粉20の材質と同じであり、比較例2の負極の活物質粉の材質は、実施例1、実施例2、および比較例1の活物質粉20の材質と同じである。
実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2のリチウムイオン電池を製作するために、正極箔および負極箔を所定の大きさに切断すると共に、正極箔と負極箔との間にポリプロピレンから成るセパレータを挟み、これらをプラスチック材料から成るラミネートシートから成る電池容器に収容した。電池容器に前記電解液を入れ、電池容器を密封することによって、実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2のリチウムイオン電池が製作された。なお、実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2の正極箔および負極箔の大きさ、セパレータの大きさ、セパレータの厚さ、および電池容器の容量は、実質的に同一である。
なお、アルミニウム箔(集電体箔)の厚さを除いた実施例1、実施例2、および比較例1の正極の平均厚さ(正極層の平均厚さ)は約155μmであり、実施例1、実施例2、および比較例1の正極のアルミニウム箔の厚さは約15μmである。アルミニウム箔(集電体箔)の厚さを除いた比較例2の正極の平均厚さ(正極層の平均厚さ)は約90μmであり、比較例2の正極のアルミニウム箔の厚さは約15μmである。銅箔(集電体箔)の厚さを除いた実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2の負極の平均厚さ(負極層の平均厚さ)は約85μmであり、実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2の負極の銅箔の厚さは約15μmである。
また、市販の5000mAhのリチウムイオン電池を比較例3として用いた。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、および比較例3のリチウムイオン電池の充放電試験を実施した。
図8は、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、および比較例3の放電特性(レート特性)を示したものである。
アルミニウムの短繊維Aを混入したものは内部抵抗が低いために、電極の活材層の厚みを通常の2倍から3倍の厚みにすることもできる。活材層とは、短繊維A、活物質粉20、導電助剤30、およびバインダーBを有する層であり、集電体箔を含まない層である。前述のように、今回は、実施例1および実施例2の正極は比較例2の約1.7倍の厚みで製作した。図8に示されるように、実施例1の単位面積当たりの放電容量(充電容量)は、比較例2のそれと比較し、放電電流(充電電流)にも依るが、放電電流(充電電流)が2mA/cmの時に約2倍となり、放電電流(充電電流)が3mA/cmの時に約1.75倍となることがわかる。
前述のように、実施例1および実施例2の正極の厚さは比較例2の正極の約1.7倍であるから、図8に示される実施例1および実施例2の電池特性が優れていることがわかる。
なお、図8に示されるように、放電電流(充電電流)が多くなると放電容量(充電容量)は小さくなる傾向がある。これは、二次電池の特性として一般的である。つまり、急速に放電又は充電を行う場合、放電容量又は充電容量は小さくなる。
比較例3の市販のリチウムイオン電池の正極箔は約1800cmのアルミニウム箔に活物質を含む正極が形成されている。5000mAhを1800cmで除すると約2.78mAh/cmとなる。図8に示されるように、比較例3の市販のリチウムイオン電池の公称能力の5000mAhは、放電電流(充電電流)が0.2mA/cmの時に実現されることがわかる。例えば、2mA/cm(0.72C)で比較例3の市販のリチウムイオン電池の充放電を行うと、約3470mAhの最大容量で充放電が繰り返される。一方、同じ電流で市販の正極箔および負極箔を使用した比較例2のリチウムイオン電池では、その容量は約3870mAhとなる。また、実施例1のリチウムイオン電池では、その容量は約7920mAhとなり、高容量で充放電を行うことができる。
実施例1および実施例2が優れていることは、比較例1との比較でも明らかである。つまり、実施例1の単位面積当たりの放電容量(充電容量)は、比較例1のそれと比較し、放電電流(充電電流)が2mA/cmの時に1.2〜1.3倍となり、放電電流(充電電流)が3mA/cmの時にも1.2〜1.3倍となる。なお、前述のように、実施例1、実施例2、および比較例1の正極の厚さは同等である。
本実施形態の電極を用いると、1つの電極の厚さ寸法を大きくすることができる。当該構成によって、電池全体の重量の低減、容積の低減等を行いながら、放電容量(充電容量)の増加を行うことが可能となる。
図9は、実施例1のリチウムイオン電池について、充放電時の電流を2mAh/cmとして測定した電池のサイクル特性を示している。アルミ繊維入りの実施例1のリチウムイオン電池は、初期の段階で放電容量(充電容量)の低下は見られるが、約4.3mAh/cmには落ち着きそうである。
このように、本実施形態のアルミニウム又は銅の短繊維Aを使用して製作したリチウムイオン電池は、市販の電極箔を用いたリチウムイオン電池と比較して、約2倍の放電容量(充電容量)を持つことが可能となる。比較例1のように、正極又は負極の厚さ寸法を大きくするだけでは、厚さの増加に比例した特性の向上は狙えない。しかし、アルミニウム又は銅の短繊維Aを用いた本実施形態の正極又は負極は、厚さの増加に比例した特性又はそれ以上の特性を得ることが可能である。通常の電極の厚さである比較例2の正極の90μmに対し、アルミニウム箔の厚さを除いた実施例1および2の正極の厚さは155μmであり、比較例2に対し実施例1および2は1.7倍以上である。つまり、上記のように電極に短繊維Aを入れることにより、電極の厚さを120μm以上、より好ましくは150μm以上、さらに好ましくは200μm以上にしながら、厚さの増加に比例した特性又はそれ以上の特性を得ることができる。
図10に示されるように、アルミニウム又は銅の短繊維Aを含有する電極を有する電池の内部抵抗は、短繊維Aを含有しない電極を有する電池の内部抵抗よりも低い。このように短繊維Aを含有する電極を有する電池の内部抵抗が低減されることが、実施例1および実施例2の特性の向上に繋がっていると考えられる。図10には、実施例3、実施例4、および実施例5の正極を有する電池の内部抵抗と、比較例1の正極を有する電池の内部抵抗が示されている。
実施例3は、実施例1において、正極のアルミニウムの短繊維Aの重量比を1.22重量%としたものであり、実施例4は、実施例1において、正極のアルミニウム箔の短繊維Aの重量比を4.88重量%としたものである。また、実施例5は、実施例1において、正極のアルミニウム箔の短繊維Aの重量比を9.75重量%としたものである。実施例3、実施例4、および実施例5の活物質粉20、導電助剤30、およびバインダーBの重量比は、短繊維Aの増減に応じて、実施例1のそれらに対して若干変化する。
図8および図10に示されるように、本実施形態のように短繊維Aを含有する電極を用いると、同じ放電容量(充電容量)であれば、2倍以上の速さで充放電することが可能となる。また、カーボン繊維CFを添加した実施例2が実施例1よりも放電容量(充電容量)が大きくなる。また、図10に示されるように、短繊維Aが9.75重量%配合された実施例5でも、比較例1に対して内部抵抗がかなり改善される。従って、短繊維Aの配合比が9.5重量%未満であっても、比較例1の通常の電極に対し効果が得られる可能性がある。
このように、本実施形態の電極は、厚さの増加に比例した特性又はそれ以上の特性を得ることができる。例えば、複数の正極箔および複数の負極箔を積層して電池を作り、各正極箔および各負極箔に集電体としてアルミニウム箔および銅箔がそれぞれ用いられる場合、同じ容量の電池を作るための必要なアルミニウム箔および銅箔の枚数が少なくなる。これは、電池の省スペース化、電池の軽量化、電池の製造コストの低減等に寄与する。
なお、短繊維Aを、コイル切削法以外の方法で制作することも可能である。例えば、短繊維Aは、断面円形のアルミニウム又は銅の柱状部材に切削工具を当てるビビリ振動切削法や、フライス切削法等により成形され得る。
また、溶融したアルミニウム等の金属を微細孔から空間中に吹き出すことによって、上記長さを有する短繊維Aを作成することも可能である。
例えば図11に示すように、セラミック、ステインレス等から成り先端が曲がった曲がり管41の基端部が挿入された密閉容器40内に溶融したアルミニウムを準備し、曲がり管41の先端部が密閉容器40の外に出ている状態で、空気もしくは不活性ガスなどをガス導入管40aから注入して密閉容器内40の圧力を上げると、溶けたアルミニウムが曲がり管41の後方部から上昇して先端部に到達する。
曲がり管41の先端の開口部41aに数μm〜数mmの孔径の複数の微細孔42aを有するノズル42をセットしておくと、溶けたアルミニウムが微細孔42aから空間中に吹き出す。このアルミニウムとして、純度が99.9%以上のものを用いることが加工を容易にする上で好ましく、純度が99.99%以上のものを用いることが加工を容易にする上でより好ましいが、その他の金属との合金とすることも可能である。前記空間は空気で満たされていても良く、窒素等の不活性ガスで満たされていても良く、その他のガスで満たされていても良い。なお、管41は曲がっていなくてもよく、管41の先端が下方を向いていてもよい。
図11の例では、略水平方向に向かってアルミニウムが吹き出すようにノズル42が配置されているが、下方等の他の方向に向かってアルミニウムを吹き出してもよい。これにより、ノズル42の微細孔42aから出たアルミニウムは空間中を飛びながら冷却されてアルミニウムの短繊維Aとなる。なお、ノズル42から吹き出された状態で長繊維である場合は、前述の方法で長繊維を切断して短繊維Aを製作することができる。
なお、溶融したアルミニウム等の金属を微細孔から空間中に吹き出すことによって得られた短繊維Aを用いて前述の各電極を作成すると、後述の効果が得られる。前述のように製作された短繊維Aは、吹き出す条件によっては、図12に示されるように、大径部A1と小径部A2とを有する形状を有するものとなる。一例では、図12に示されるように、大径部A1は小径部A2よりも短く、大径部A1は小径部A2に対して1.5倍以上の直径を有する。つまり、大径部A1は、小径部A2の1.5倍以上の直径を有する部分である。一例では、大径部A1の長さは、小径部A2の平均直径の5倍よりも短く、より好ましくは3倍よりも短い。図12では、1本の短繊維Aに複数の大径部A1と複数の小径部A1が交互に存在するが、1本の短繊維Aに単一の大径部A1と単一の小径部A2が存在する場合もある。一例では、小径部A2の平均径は10μm以上30μm以下である。なお、他の金属を用いて大径部A1と小径部A2を有する短繊維Aを作成することも可能である。
当該短繊維Aを用いて上記各実施形態の電極を作成すると、電極の表面に短繊維Aの大径部A1が露出し易くなる。これは、電極箔における短繊維Aと集電体箔との間の抵抗を低減する上で有利である。また、集電体箔を用いずに電極を作成する場合も、電極箔の表面に短繊維Aの大径部A1が露出し易くなるので、電極箔に端子等を取付ける時に、端子と電極箔との間の抵抗が小さくなる。なお、当該短繊維Aを用いる場合、電極における短繊維の配合比が8重量%以上であっても、電極が良好な機能を奏することが期待される。
上記の開示を、以下補足する。
(リチウムイオン電池での態様)
本発明の第1の態様の蓄電デバイスの電極の製造方法は、金属(主にアルミニウム又は銅)の短繊維Aと、活物質粉20と、導電助剤30と、バインダーBを混練機で混練しスラリーSを作成する工程と、前記スラリーSを所定の金属箔(集電箔)に塗布成形する成形工程と、前記所定形状に成形されたスラリーSを乾燥させることによって前記アルミニウム又は銅の短繊維Aが集電体および構造体として機能する電極を形成する乾燥工程とを有する。構造体として機能するとは、電極箔に、短繊維Aと共に、活物質粉20、導電助剤30等の粒子が保持された状態を維持することを言う。短繊維Aを含まない電極箔では、電極箔が屈曲されると、電極箔から粒子が剥がれ落ちる傾向がある。これに対し、短繊維Aを含む電極箔は、電極箔が屈曲された時に短繊維Aも柔軟に屈曲し、短繊維Aが粒子の脱落を防ぐ。
上記実施形態では、前記前乾燥を行った後、又は、所定形状に成形したスラリーを乾燥させた後に、前述のような加圧や、圧延機によるプレスを行うと、アルミニウム又は銅の短繊維A同士が接続されたり、短繊維Aが活物質粉20や導電助剤30に絡みついたりする。
当該工程および構造も、活材層の内部抵抗を大幅に改善し、電極の厚さを市販の電極の2倍厚、3倍厚等にするために有利である。
(電気二重層キャパシタ、全固体型電池での態様)
これらのデバイスにおける態様も同様であり、電気二重層キャパシタの場合は活物質粉20の代わりに活性炭である吸着物質粉を用いることになる。電気二重層キャパシタの場合は、吸着物質粉、導電助剤30、バインダーBを上記短繊維Aと混ねりしたスラリーSを使用する事となる。全固体電池の場合は、液体電解質の代わりに固体電解質を用いることになる。
1 正極集電体
2 正極層
3 固体電解質層
4 負極層
5 負極集電体
14,24,34 固体電解質
20 活物質粉
30 導電助剤
A 短繊維
A1 大径部
A2 小径部
B バインダー
S スラリー
CF カーボン繊維

Claims (11)

  1. 金属箔を巻くことにより形成されるコイルの端面を切削工具で切削することによって長尺の金属繊維を得る繊維作成工程と、
    前記長尺の金属繊維の束を押さえ部材を用いて所定の面に押さえつけた状態で、又は、前記長尺の金属繊維の束を管の中に配置した状態で、平均長さが5mm以下となるように前記長尺の金属繊維を切断する切断工程と、
    前記切断工程によって作られた金属製の短繊維と、充電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉又は充放電時に化学反応する活物質粉と、バインダーとを含む液状又はゲル状のスラリーを作成するスラリー作成工程と、
    前記スラリーを所定形状に成形する成形工程と、
    前記所定形状に成形された前記スラリーを乾燥させることによって前記短繊維を含む電極を形成する乾燥工程と、を有する蓄電デバイスの電極の製造方法。
  2. 前記切断工程では、前記長尺の金属繊維の束を、前記押さえ部材又は前記管と共に切断する、請求項1に記載の蓄電デバイスの電極の製造方法。
  3. 前記押さえ部材が、プラスチックフィルムである、請求項1又は2に記載の蓄電デバイスの電極の製造方法。
  4. 前記スラリー作成工程では、前記乾燥工程による乾燥後の前記電極の全体に対する前記短繊維の重量比が9.5重量%未満となるように、前記短繊維を前記スラリーに混入する、請求項1〜3の何れかに記載の蓄電デバイスの電極の製造方法。
  5. 平均長さが5mm以下である金属製の短繊維と、充電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉又は充放電時に化学反応する活物質粉と、を含む蓄電デバイスの電極であって、
    前記短繊維の重量比が9.5重量%未満である、蓄電デバイスの電極。
  6. 平均太さが0.5μm以下のカーボン繊維をさらに備える、請求項5に記載の蓄電デバイスの電極。
  7. 集電体箔を除いた当該電極の平均厚さが120μm以上である、請求項5又は6に記載の蓄電デバイスの電極。
  8. 金属製の短繊維と、充電時に電解質イオンが吸着する吸着物質粉又は充放電時に化学反応する活物質粉と、を含む蓄電デバイスの電極であって、
    前記短繊維が、小径部と当該小径部の1.5倍以上の直径を有する大径部とを有し、
    前記大径部の長さは、前記小径部の平均直径の5倍よりも短い、蓄電デバイスの電極。
  9. 前記短繊維の前記小径部の平均直径は30μm以下である、請求項8に記載の蓄電デバイスの電極。
  10. 前記短繊維は、純度が99.9%以上のアルミニウムから成る、請求項8又は9に記載の蓄電デバイスの電極。
  11. 1本の前記短繊維に複数の前記大径部と複数の前記小径部が交互に存在している、請求項8〜10の何れかに記載の蓄電デバイスの電極。
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