JP2021027039A - 積層膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射率と仕事関数が高く、かつ、金属膜を十分に保護することができ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の陽極として特に適した積層膜を提供する。【解決手段】下地膜11の上に積層される金属膜12と、金属膜12の上に積層された表層酸化物膜13とを備え、金属膜12は、Ag又はAg合金で構成されており、表層酸化物膜13は、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の陽極として使用可能な積層膜に関する。
一般に、有機ELディスプレイは、基板の上に積層された陽極、有機EL発光層、陰極を有し、陽極から正孔を、陰極から電子を有機EL発光層に注入し、有機EL発光層で正孔と電子とを再結合させることによって、可視光を発光させる。可視光を陰極側から外部に取り出すトップエミッション方式の有機ELディスプレイでは、有機EL発光層から陰極側に直接放出された可視光だけではなく、陽極側に放出された可視光を陽極で反射させて陰極側で取り出すことによって輝度を向上させる。
トップエミッション方式の有機ELディスプレイ等に用いる陽極は、有機EL発光層にて発生した光を効率よく外部に取り出すために反射率が高いこと、及び、有機EL発光層に効率よく正孔を注入できるように仕事関数が高いことが望まれる。
この陽極として、例えば特許文献1に示すように、AgまたはAg合金からなる金属膜の両面に、透明酸化物膜として酸化インジウムスズ膜を成膜した、ITO膜/金属膜/ITO膜の3層構造を有する積層膜が用いられる。ITO膜は、AgまたはAg合金からなる金属膜の劣化を抑制するための保護膜として機能する。
ところで、ITO膜は、波長450nm付近の青色光の透過率が低く、かつ、膜の表面から電子を取り出すエネルギーに相当する仕事関数が比較的低くなる傾向を有する。
波長450nm付近の青色光の透過率が低いため、ITO膜/金属膜/ITO膜を積層した積層構造を有する積層膜においては、波長450nm付近の青色光の反射率が低くなる。有機ELディスプレイに、青色光の反射率が低い積層膜を使用すると、青色の輝度が低下してしまう。また、青色の輝度を上げるために投入電力を多くすると、青色発光材が劣化し易くなり、寿命が短くなるおそれがある。
波長450nm付近の青色光の透過率が低いため、ITO膜/金属膜/ITO膜を積層した積層構造を有する積層膜においては、波長450nm付近の青色光の反射率が低くなる。有機ELディスプレイに、青色光の反射率が低い積層膜を使用すると、青色の輝度が低下してしまう。また、青色の輝度を上げるために投入電力を多くすると、青色発光材が劣化し易くなり、寿命が短くなるおそれがある。
また、有機EL発光層に対向するITO膜の仕事関数が比較的低いために、有機EL発光層に効率よく正孔を注入できず、発光効率が低下してしまうおそれがあった。
さらに、ITO膜は、成膜後に熱処理した際に、結晶質の膜となる。このため、ITO膜の結晶粒界に沿って酸素、硫黄、水分等が侵入し、AgまたはAg合金からなる金属膜が劣化するおそれがあった。
さらに、ITO膜は、成膜後に熱処理した際に、結晶質の膜となる。このため、ITO膜の結晶粒界に沿って酸素、硫黄、水分等が侵入し、AgまたはAg合金からなる金属膜が劣化するおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、反射率と仕事関数が高く、かつ、金属膜を十分に保護することができ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の陽極として特に適した積層膜を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の積層膜は、下地膜の上に積層される金属膜と、前記金属膜の上に積層された表層酸化物膜とを備え、前記金属膜はAg又はAg合金で構成され、前記表層酸化物膜は、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されていることを特徴とする。すなわち、前記表層酸化物膜の金属成分全体を100原子%とした場合に、WおよびMoの少なくとも一方が、WおよびMoの合計量で70原子%以上含まれている。前記WおよびMoの合計量は80原子%以上かつ95原子%以下であってもよく、85原子%以上かつ90原子%以下であってもよい。
本発明の積層膜においては、前記金属膜がAg又はAg合金で構成されているので、金属膜自体の反射率が十分に高く、反射率に優れた積層膜を構成することが可能である。
そして、前記金属膜の上に積層された表層酸化物膜が、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されているので、波長450nm付近の青色光の透過率がITO膜よりも優れており、積層膜として青色光の反射率を高くすることができ、青色の輝度の低下を抑制できる。
そして、前記金属膜の上に積層された表層酸化物膜が、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されているので、波長450nm付近の青色光の透過率がITO膜よりも優れており、積層膜として青色光の反射率を高くすることができ、青色の輝度の低下を抑制できる。
また、前記表層酸化物膜が、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されているので、ITO膜よりも仕事関数が高く、有機EL発光層に前記表層酸化物膜が対向して配置された場合に、有機EL発光層に効率よく正孔を注入でき、発光効率が高められる。
さらに、Ag又はAg合金で構成された前記金属膜の一方の面に酸化物からなる下地膜が形成され、前記金属膜の他方の面に表層酸化物膜が形成されているので、これら下地膜と表層酸化物膜が保護膜として機能し、前記金属膜の劣化を抑制することが可能である。
特に、前記表層酸化物膜は、成膜後に熱処理しても非晶質であるため、酸素、硫黄、および水分の侵入を抑制でき、前記金属膜を十分に保護することが可能である。
特に、前記表層酸化物膜は、成膜後に熱処理しても非晶質であるため、酸素、硫黄、および水分の侵入を抑制でき、前記金属膜を十分に保護することが可能である。
ここで、本発明の積層膜においては、Ag又はAg合金で構成された前記金属膜は、膜厚100nmのときの波長550nmでの反射率が92%以上とされていることが好ましい。すなわち、膜厚100nmの金属膜を作った時に反射率が92%以上となるAg又はAg合金を使う。
この場合、さらに反射率に優れた積層膜を構成することが可能である。膜厚100nmのときの波長550nmでの反射率は94%以上または95%以上、かつ99%以下とされていてもよい。
この場合、さらに反射率に優れた積層膜を構成することが可能である。膜厚100nmのときの波長550nmでの反射率は94%以上または95%以上、かつ99%以下とされていてもよい。
さらに、本発明の積層膜においては、波長450nmでの反射率が88%以上であり、かつ、波長550nmでの反射率が90%以上であることが好ましい。
この場合、前記積層膜の反射率が、波長450nmで88%以上、かつ、波長550nmで90%以上であるので、青色光及び可視光における反射率が十分に高く確保されており、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の陽極として特に適している。波長450nmでの反射率が90%以上かつ95%以下、波長550nmでの反射率が92%以上かつ98%以下であってもよい。
この場合、前記積層膜の反射率が、波長450nmで88%以上、かつ、波長550nmで90%以上であるので、青色光及び可視光における反射率が十分に高く確保されており、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の陽極として特に適している。波長450nmでの反射率が90%以上かつ95%以下、波長550nmでの反射率が92%以上かつ98%以下であってもよい。
また、本発明の積層膜においては、前記表層酸化物膜の表面での仕事関数が5.0eV以上であることが好ましい。
この場合、仕事関数が十分に高く、有機EL発光層に前記表層酸化物膜が対向して配置された場合に、有機EL発光層に効率よく正孔を注入することが可能となり、有機EL素子の発光効率が向上する。前記表層酸化物膜の表面での仕事関数は5.2eV以上かつ6.5eV以下であってもよく、さらに5.4eV以上かつ6.3eV以下であってもよい。
この場合、仕事関数が十分に高く、有機EL発光層に前記表層酸化物膜が対向して配置された場合に、有機EL発光層に効率よく正孔を注入することが可能となり、有機EL素子の発光効率が向上する。前記表層酸化物膜の表面での仕事関数は5.2eV以上かつ6.5eV以下であってもよく、さらに5.4eV以上かつ6.3eV以下であってもよい。
さらに、本発明の積層膜においては、前記表層酸化物膜の膜厚が5nm以上50nm以下の範囲内であることが好ましい。
この場合、前記表層酸化物膜の膜厚が5nm以上とされているので、Ag又はAg合金からなる金属膜を十分に保護できる。一方、前記表層酸化物膜の膜厚が50nm以下とされているので、反射率を十分に確保できる。前記表層酸化物膜の膜厚は7.5nm以上かつ45nm以下であってもよく、さらに10nm以上かつ40nm以下であってもよい。
この場合、前記表層酸化物膜の膜厚が5nm以上とされているので、Ag又はAg合金からなる金属膜を十分に保護できる。一方、前記表層酸化物膜の膜厚が50nm以下とされているので、反射率を十分に確保できる。前記表層酸化物膜の膜厚は7.5nm以上かつ45nm以下であってもよく、さらに10nm以上かつ40nm以下であってもよい。
また、本発明の積層膜においては、前記表層酸化物膜は非晶質であってもよい。
この場合、前記表層酸化物膜は成膜後に熱処理しても非晶質を維持するため、酸素、硫黄、および水分の侵入を抑制でき、前記金属膜を十分に保護することが可能である。
この場合、前記表層酸化物膜は成膜後に熱処理しても非晶質を維持するため、酸素、硫黄、および水分の侵入を抑制でき、前記金属膜を十分に保護することが可能である。
さらに、本発明の積層膜においては、前記下地膜をさらに具備し、前記下地膜は、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されていてもよい。
また、本発明の積層膜においては、前記表層酸化物膜は、Nb、In、Ga、Ti、Ta、およびSiの1種または2種以上を前記表層酸化物膜中の金属原子全体に対する比率で30原子%以下含んでいてもよい。
本発明によれば、反射率と仕事関数が高く、かつ、金属膜を十分に保護することができ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の陽極として特に適した積層膜を提供できる。
以下に、本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
図1は一実施形態に係る積層膜10の断面拡大図であり、この積層膜10は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の反射電極膜として使用される。
図1に示す積層膜10は、下地膜11と、この下地膜11の上に積層された金属膜12と、金属膜12の上に積層された表層酸化物膜13とを備えている。本実施形態の積層膜は、下地膜11、金属膜12、および表層酸化物膜13からなるものとして説明するが、本発明の積層膜は、下地膜11を含まず、金属膜12および表層酸化物膜13のみからなるものとしても実施可能である。
図1は一実施形態に係る積層膜10の断面拡大図であり、この積層膜10は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の反射電極膜として使用される。
図1に示す積層膜10は、下地膜11と、この下地膜11の上に積層された金属膜12と、金属膜12の上に積層された表層酸化物膜13とを備えている。本実施形態の積層膜は、下地膜11、金属膜12、および表層酸化物膜13からなるものとして説明するが、本発明の積層膜は、下地膜11を含まず、金属膜12および表層酸化物膜13のみからなるものとしても実施可能である。
なお、本実施形態の積層膜が下地膜11を備える場合には、その積層膜は、酸化物からなる下地膜11と、下地膜11の上に積層された金属膜12と、金属膜12の上に積層された表層酸化物膜13とを備え、金属膜12は、Ag又はAg合金で構成されており、表層酸化物膜13は、金属成分中にWおよびMoの一方または両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されていてもよい。
下地膜11は、図示しないガラスやセラミックス等の基板上に形成されていてもよいし、前記基板上に積層された後に前記基板から剥離されていてもよい。
下地膜11は、図示しないガラスやセラミックス等の基板上に形成されていてもよいし、前記基板上に積層された後に前記基板から剥離されていてもよい。
金属膜12は、Ag又はAg合金で構成されている。本実施形態では、金属膜12は、膜厚100nmのときの波長550nmでの反射率が92%以上とされていることが好ましい。
金属膜12の膜厚100nmのときの波長550nmでの反射率は94%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。前記反射率の上限は限定されないが、例えば99%であってもよい。
金属膜12を構成するAg又はAg合金としては、純度が99.9mass%以上の純Ag、あるいは、Cu,In,Sn,Sb,Ti,Mg,Zn,Ge,Al,Ga,Pd,Au,Pt,Bi,Mn,Sc,Y,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Er等の添加元素を含むAg合金であってもよい。
金属膜12の膜厚100nmのときの波長550nmでの反射率は94%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。前記反射率の上限は限定されないが、例えば99%であってもよい。
金属膜12を構成するAg又はAg合金としては、純度が99.9mass%以上の純Ag、あるいは、Cu,In,Sn,Sb,Ti,Mg,Zn,Ge,Al,Ga,Pd,Au,Pt,Bi,Mn,Sc,Y,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Er等の添加元素を含むAg合金であってもよい。
金属膜12の厚さは、70nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましい。
金属膜12の厚さの下限は80nm以上であることがさらに好ましく、90nm以上であることがより好ましい。金属膜12の厚さの上限は180nm以下であることがさらに好ましく、160nm以下であることがより好ましい。
金属膜12の厚さの下限は80nm以上であることがさらに好ましく、90nm以上であることがより好ましい。金属膜12の厚さの上限は180nm以下であることがさらに好ましく、160nm以下であることがより好ましい。
金属膜12の反射率を92%以上にするには、純Ag(純度99.99mass%以上)では上記の膜厚範囲を満たせば達成可能である。
Ag合金の場合は、前記添加元素を添加することによってAgの耐久性が向上する一方、反射率は低下するため、望ましい反射率を達成できるように添加元素の添加量を調整することが好ましい。すなわち、反射率が92%以上となるような上限の添加量を添加することが好ましい。この場合、上限の添加量は、添加元素によって異なるが、Cu,In,Sn,Sb,Ti,Mg,Zn,Ge,Al,Ga,Pd,Au,Pt,Bi,Mn,Sc,Y,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,およびErから選択される1種以上の添加元素の合計含有量が0.5mass%以上かつ5mass%以下の範囲内であれば、反射率92%以上が実現できる。耐硫化の点で特に好ましい添加元素は、例えばInおよびSnの少なくとも一方である。
Ag合金の場合は、前記添加元素を添加することによってAgの耐久性が向上する一方、反射率は低下するため、望ましい反射率を達成できるように添加元素の添加量を調整することが好ましい。すなわち、反射率が92%以上となるような上限の添加量を添加することが好ましい。この場合、上限の添加量は、添加元素によって異なるが、Cu,In,Sn,Sb,Ti,Mg,Zn,Ge,Al,Ga,Pd,Au,Pt,Bi,Mn,Sc,Y,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,およびErから選択される1種以上の添加元素の合計含有量が0.5mass%以上かつ5mass%以下の範囲内であれば、反射率92%以上が実現できる。耐硫化の点で特に好ましい添加元素は、例えばInおよびSnの少なくとも一方である。
表層酸化物膜13は、タングステン酸化物(WOX)及びモリブデン酸化物(MoOX)を主成分とする酸化物で構成されている。
タングステン酸化物(WOX)及びモリブデン酸化物(MoOX)は、酸化インジウムスズ(ITO)に比べて、波長450nm付近の青色光の透過率が高くなるとともに、仕事関数が高くなる。
そこで、本実施形態の表層酸化物膜13は、金属成分中にWおよびMoの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されている。
表層酸化物膜13を構成する酸化物は、その金属成分中におけるWとMoの合計含有量が80原子%以上であることが好ましく、90原子%以上であることがさらに好ましい。
タングステン酸化物(WOX)及びモリブデン酸化物(MoOX)は、酸化インジウムスズ(ITO)に比べて、波長450nm付近の青色光の透過率が高くなるとともに、仕事関数が高くなる。
そこで、本実施形態の表層酸化物膜13は、金属成分中にWおよびMoの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されている。
表層酸化物膜13を構成する酸化物は、その金属成分中におけるWとMoの合計含有量が80原子%以上であることが好ましく、90原子%以上であることがさらに好ましい。
金属成分中にWとMoとの一方又は両方を、合計で70原子%以上含む酸化物で構成された表層酸化物膜13においては、成膜後に熱処理を行った場合であっても、非晶質(アモルファス構造)となる。このため、粒界を介して酸素、硫黄、水分が金属膜12へ侵入することを十分に抑制でき、金属膜12を十分に保護することが可能である。
また、上述の表層酸化物膜13は、ITO膜に比べて、表面粗さが小さくなる。これにより、光学特性が向上する。表面粗さ(Ra)は1.5nm以下であることが好ましい。1.0nm以下であることがさらに好ましく、0.7nm以下であることがより好ましい。表面粗さ(Ra)の下限は限定されないが例えば0.2nmであってもよい。
また、上述の表層酸化物膜13は、ITO膜に比べて、表面粗さが小さくなる。これにより、光学特性が向上する。表面粗さ(Ra)は1.5nm以下であることが好ましい。1.0nm以下であることがさらに好ましく、0.7nm以下であることがより好ましい。表面粗さ(Ra)の下限は限定されないが例えば0.2nmであってもよい。
表層酸化物膜13を構成する酸化物に、Nb2O5、In2O3、Ga2O3、TiO2、Ta2O5、およびSiO2の1種または2種以上の添加物を、WおよびMoを含む金属原子全体の合計量に対する比率で30原子%以下添加してもよい。すなわち、表層酸化物膜は、Nb、In、Ga、Ti、Ta、およびSiの1種または2種以上を金属原子全体に対する比率で30原子%以下含んでいてもよい。
この場合、WとMo酸化物膜の仕事関数と可視光透過率を下げることなく、WとMo酸化物膜の耐久性を向上させることが可能である。前記添加物の添加量の上限は20原子%であることが好ましく、10原子%であることがより好ましい。前記添加物の添加量の下限は1原子%であることが好ましく、5原子%であることがより好ましい。
この場合、WとMo酸化物膜の仕事関数と可視光透過率を下げることなく、WとMo酸化物膜の耐久性を向上させることが可能である。前記添加物の添加量の上限は20原子%であることが好ましく、10原子%であることがより好ましい。前記添加物の添加量の下限は1原子%であることが好ましく、5原子%であることがより好ましい。
表層酸化物膜13の厚さは、5nm以上50nm以下の範囲内であることが好ましい。表層酸化物膜13の厚さを5nm以上とすることにより、金属膜12を確実に保護できる。表層酸化物膜13の厚さを50nm以下とすることにより、表層酸化物膜13における透過率を確保できる。
表層酸化物膜13の厚さは7.5nm以上であることがさらに好ましく、10nm以上であることがより好ましい。表層酸化物膜13の厚さの上限は45nm以下であることがさらに好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
表層酸化物膜13の厚さは7.5nm以上であることがさらに好ましく、10nm以上であることがより好ましい。表層酸化物膜13の厚さの上限は45nm以下であることがさらに好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
下地膜11は、各種酸化物で構成されている。この下地膜11を構成する酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)、酸化ガリウム亜鉛(GZO)等を用いることができる。あるいは、表層酸化物膜13と同一の酸化物で構成してもよい。
下地膜11を、表層酸化物膜13と同一の酸化物で構成した場合には、下地膜11と表層酸化物膜13を同時にエッチング処理して配線パターン等を効率良く形成することが可能である。
下地膜11を、表層酸化物膜13と同一の酸化物で構成した場合には、下地膜11と表層酸化物膜13を同時にエッチング処理して配線パターン等を効率良く形成することが可能である。
下地膜11の厚さは、5nm以上50nm以下の範囲内であることが好ましい。下地膜11の厚さが5nm以上であれば、金属膜12を十分に保護することが可能である。一方、下地膜11の厚さが50nm以下であれば、積層膜10に対してエッチング処理した際に、金属膜12とのエッチングレートの差に起因した断面形状不良の発生を抑制できる。
下地膜11の厚さは7.5nm以上であることがさらに好ましく、10nm以上であることがより好ましい。一方、下地膜11の厚さは45nm以下であることがさらに好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
下地膜11の厚さは7.5nm以上であることがさらに好ましく、10nm以上であることがより好ましい。一方、下地膜11の厚さは45nm以下であることがさらに好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
上述のような構成の本実施形態である積層膜10においては、表層酸化物膜13側での反射率が高く、かつ、仕事関数が高くなる。
具体的には、波長450nmでの反射率が88%以上であり、波長550nmでの反射率が90%以上とされていることが好ましい。また、仕事関数が5.0eV以上であることが好ましい。
具体的には、波長450nmでの反射率が88%以上であり、波長550nmでの反射率が90%以上とされていることが好ましい。また、仕事関数が5.0eV以上であることが好ましい。
波長450nmでの反射率は89%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、波長550nmでの反射率は91%以上であることがさらに好ましく、92%以上であることがより好ましい。
さらに、仕事関数は、5.2eV以上であることがさらに好ましく、5.4eV以上であることがより好ましい。
さらに、仕事関数は、5.2eV以上であることがさらに好ましく、5.4eV以上であることがより好ましい。
以下に、本実施形態に係る積層膜10の製造方法について説明する。
まず、スパッタリング法により、図示しないガラスやセラミックス等の基板上に、下地膜11を成膜する。基板の材質は特に限定されない。このとき、下地膜11を構成する酸化物に対応した組成のスパッタリングターゲットを用いることが好ましい。例えば、下地膜11を構成する酸化物からなる酸化物スパッタリングターゲットを用いてもよいし、下地膜11を構成する酸化物中の金属元素からなる組成のスパッタリングターゲットを用い、酸素を導入して反応性スパッタ法を適用してもよい。
次に、成膜した下地膜11の上に、スパッタリング法により、金属膜12を成膜する。このとき、金属膜12を構成するAg又はAg合金に対応した組成のスパッタリングターゲットを用いる。
次に、成膜した金属膜12の上に、スパッタリング法により、表層酸化物膜13を成膜する。このとき、表層酸化物膜13を構成する酸化物に対応した組成のスパッタリングターゲットを用いる。酸化タングステンにおいては、酸素欠損した組成のスパッタリングターゲットを用いることでDCスパッタを行うことが可能である。酸素を導入した反応性スパッタ法を適用することで、酸素が飽和した状態の表層酸化物膜13を成膜することが可能である。
下地膜11、金属膜12、および表層酸化物膜13を成膜した後に、必要に応じて熱処理を行う。本実施形態においては、表層酸化物膜13が、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されているので、熱処理後も表層酸化物膜13は非晶質(アモルファス構造)となる。
上述の工程により、本実施形態である積層膜10を製造することが可能である。
上述の工程により、本実施形態である積層膜10を製造することが可能である。
以上のような構成とされた本実施形態である積層膜10によれば、金属膜12がAg又はAg合金で構成されているので、金属膜12自体の反射率が十分に高くなり、反射率に優れた積層膜10を構成することが可能である。
この金属膜12の上に積層された表層酸化物膜13が、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されているので、波長450nm付近の青色光の透過率が高い。このため、積層膜10として、青色光の反射率が高くなり、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等として使用した場合に、青色の輝度の低下を抑制できる。
この金属膜12の上に積層された表層酸化物膜13が、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されているので、波長450nm付近の青色光の透過率が高い。このため、積層膜10として、青色光の反射率が高くなり、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等として使用した場合に、青色の輝度の低下を抑制できる。
また、表層酸化物膜13が、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されているので、ITO膜よりも仕事関数が高く、有機EL発光層に前記表層酸化物膜が対向して配置された場合に、有機EL発光層に効率よく正孔を注入でき、発光効率が高められる。
さらに、Ag又はAg合金で構成された金属膜12の一方の面に酸化物からなる下地膜11が形成され、金属膜12の他方の面に表層酸化物膜13が形成されているので、これら下地膜11及び表層酸化物膜13が保護膜として機能し、金属膜12の劣化を抑制することが可能である。
特に、表層酸化物膜13は、成膜後に熱処理しても非晶質であるため、酸素、硫黄、水分の侵入を抑制でき、金属膜12を十分に保護することが可能である。
特に、表層酸化物膜13は、成膜後に熱処理しても非晶質であるため、酸素、硫黄、水分の侵入を抑制でき、金属膜12を十分に保護することが可能である。
また、本実施形態の積層膜10において、Ag又はAg合金で構成された金属膜12が、膜厚100nmのときの波長550nmでの反射率が92%以上である場合には、さらに反射率に優れた積層膜10を構成することが可能である。
さらに、本実施形態の積層膜10において、波長450nmでの反射率が88%以上であり、波長550nmでの反射率が90%以上である場合には、青色光及び可視光における反射率が十分に確保されており、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の陽極として特に適している。このように、反射率を確保することにより、発光効率が低下することを抑制でき、有機LED素子へ電流を多く流す必要がなくなり、有機LED素子の早期劣化を抑制できる。
また、本実施形態の積層膜10において、仕事関数が5.0eV以上である場合には、仕事関数が十分に高く、有機EL発光層に前記表層酸化物膜が対向して配置された場合に、有機EL発光層に効率よく正孔を注入することが可能となり、発光効率を十分に向上させることが可能である。
さらに、本実施形態の積層膜10において、表層酸化物膜13の膜厚が5nm以上である場合には、Ag又はAg合金からなる金属膜12を十分に保護できる。一方、表層酸化物膜13の膜厚が50nm以下である場合には、表層酸化物膜13における透過率が高くなり、積層膜10として反射率を確保できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
ヒ素、アンチモン、バリウム、およびハロゲン化合物を含まない無アルカリガラス基板(コーニング社製の商品名「EAGLE XG」)を使用し、前記基板上に、表1に示す下地膜、金属膜、および表層酸化物膜をスパッタリング法によって順に成膜し、3層構造の積層膜を製造した。比較例1中のITO膜を成膜するスパッタリングターゲットは、市販の純度99.9mass%のスパッタリングターゲットを用いた。
金属膜を成膜するスパッタリングターゲットは、以下のようにして製造した。
純度99.9mass%のAg原料及び添加元素原料を、表1に記載の組成となるように秤量し、これを溶解鋳造しインゴットを得た後、圧延後旋盤加工によってφ152.4mm×6mmtのスパッタリングターゲットを得た。
純度99.9mass%のAg原料及び添加元素原料を、表1に記載の組成となるように秤量し、これを溶解鋳造しインゴットを得た後、圧延後旋盤加工によってφ152.4mm×6mmtのスパッタリングターゲットを得た。
表層酸化物膜を成膜するスパッタリングターゲットは、以下のようにして製造した。
純度99.5mass%以上の各種原料粉(WO3、MoO3、Nb2O5、In2O3、Ga2O3、TiO2、Ta2O5、SiO2)を、表1に記載の組成となるように秤量し、ボールミルで混合した。
得られた混合粉をカーボン製の型(φ165mm)に充填し、真空雰囲気で加圧焼結を行った。得られた焼結体を機械加工し、φ152.4mm×6mmtのスパッタリングターゲットを得た。
純度99.5mass%以上の各種原料粉(WO3、MoO3、Nb2O5、In2O3、Ga2O3、TiO2、Ta2O5、SiO2)を、表1に記載の組成となるように秤量し、ボールミルで混合した。
得られた混合粉をカーボン製の型(φ165mm)に充填し、真空雰囲気で加圧焼結を行った。得られた焼結体を機械加工し、φ152.4mm×6mmtのスパッタリングターゲットを得た。
上述のようにして得られたスパッタリングターゲットを、スパッタ装置に取り付け、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気で0.4Paにし、パルスDC電源300Wでスパッタを行った。
酸化物スパッタリングターゲットについては、アルゴンガスと酸素ガスの混合比(体積比)は酸素が10%とし、金属スパッタリングターゲットについては、アルゴンガス100%とした。
表1に記載の膜厚になるようそれぞれのスパッタリングターゲットで成膜した。
酸化物スパッタリングターゲットについては、アルゴンガスと酸素ガスの混合比(体積比)は酸素が10%とし、金属スパッタリングターゲットについては、アルゴンガス100%とした。
表1に記載の膜厚になるようそれぞれのスパッタリングターゲットで成膜した。
酸化物膜の結晶性については、上述の酸化物スパッタリングターゲットを用いて、厚さ100nmの単膜をガラス基板上に成膜し、大気中で、250℃、1時間保持熱処理した後、XRD測定を行い、ピークが得られるものを「結晶性」、得られないものを「非晶質」として、表1に記載した。
スパッタ条件は、上述の積層膜のときと同様とし、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気(酸素体積比10%)で0.4Paにし、パルスDC電源300Wでスパッタを行った。
スパッタ条件は、上述の積層膜のときと同様とし、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガス雰囲気(酸素体積比10%)で0.4Paにし、パルスDC電源300Wでスパッタを行った。
また、金属膜の反射率については、上述の金属スパッタリングターゲットを用いて、厚さ100nmの単膜をガラス基板上に成膜し、分光光度計で測定した。得られたスペクトルのうち550nmの値を表1に記載した。スパッタ条件は、上述の積層膜のときと同様とし、アルゴンガス雰囲気で0.4Paにし、パルスDC電源300Wでスパッタを行った。
得られた積層膜について、以下の項目について評価した。
得られた積層膜について、以下の項目について評価した。
(仕事関数)
得られた積層膜について、大気中光電子分光装置(理研計器株式会社製AC−2)を用いて、仕事関数を測定した。
具体的には、紫外線ランプから放射した紫外線を、分光器で波長を変化させつつ、大気中に置かれた積層膜の表面に集光して照射した。紫外線照射の光電効果により、積層膜の表面から放出された光電子をオープンカウンターで計数した。コンピューターにより、紫外線のエネルギーを横軸、光電子の放出数(電子計数率)の平方根を縦軸としたグラフを作成し、光電子放出のしきい値エネルギーからイオン化ポテンシャルを計算して仕事関数とした。評価結果を表2に示す。
得られた積層膜について、大気中光電子分光装置(理研計器株式会社製AC−2)を用いて、仕事関数を測定した。
具体的には、紫外線ランプから放射した紫外線を、分光器で波長を変化させつつ、大気中に置かれた積層膜の表面に集光して照射した。紫外線照射の光電効果により、積層膜の表面から放出された光電子をオープンカウンターで計数した。コンピューターにより、紫外線のエネルギーを横軸、光電子の放出数(電子計数率)の平方根を縦軸としたグラフを作成し、光電子放出のしきい値エネルギーからイオン化ポテンシャルを計算して仕事関数とした。評価結果を表2に示す。
(反射率)
得られた積層膜を、大気中で、250℃、1時間保持熱処理した後、可視光(350−850nm)の反射率を分光光度計で測定した。得られたスペクトルのうち450nmと550nmの値を表2に示す。
得られた積層膜を、大気中で、250℃、1時間保持熱処理した後、可視光(350−850nm)の反射率を分光光度計で測定した。得られたスペクトルのうち450nmと550nmの値を表2に示す。
(表面粗さ)
得られた積層膜の表面を、原子間力顕微鏡(AFM)によって、視野1μm角の範囲で測定し、得られた表面粗さRa(算術平均粗さ、JIS B601 2001)を表2に記載した。
得られた積層膜の表面を、原子間力顕微鏡(AFM)によって、視野1μm角の範囲で測定し、得られた表面粗さRa(算術平均粗さ、JIS B601 2001)を表2に記載した。
(Agの凝集)
得られた積層膜を、大気中で、250℃、1時間保持熱処理した後、膜中心部の表面を、光学顕微鏡を用いて明視野1000倍で、250μm×250μm範囲を撮影し、5μm以上の斑点の個数をAgの凝集の数として、表2に記載した。
得られた積層膜を、大気中で、250℃、1時間保持熱処理した後、膜中心部の表面を、光学顕微鏡を用いて明視野1000倍で、250μm×250μm範囲を撮影し、5μm以上の斑点の個数をAgの凝集の数として、表2に記載した。
表層酸化物膜をITO膜とした比較例1においては、仕事関数が4.6eVと低く、かつ、反射率が87.9%と低くなった。また、結晶質の膜となり、Agの凝集が多く発生した。さらに、表面粗さRaが1.0nmと粗くなった。
これに対して、表層酸化物膜を、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成し、金属膜がAg又はAg合金とされた本発明例1〜12においては、仕事関数及び反射率が十分に高くなった。また、表層酸化物膜が非晶質の膜となり、Agの凝集の発生が抑制された。さらに、表面粗さRaが小さくなり、平滑な膜を成膜することができた。
以上のことから、本発明例によれば、反射率と仕事関数が高く、かつ、金属膜を十分に保護することができ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の陽極として特に適した積層膜を提供可能であることが確認された。
本発明の積層膜においては、金属膜がAg又はAg合金で構成されているので、金属膜自体の反射率が十分に高く、反射率に優れた積層膜を構成することが可能である。そして、前記金属膜の上に積層された表層酸化物膜が、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されているので、波長450nm付近の青色光の透過率がITO膜よりも優れており、積層膜として青色光の反射率を高くすることができ、青色の輝度の低下を抑制できる。
また、前記表層酸化物膜が前記酸化物で構成されているので、ITO膜よりも仕事関数が高く、有機EL発光層に前記表層酸化物膜が対向して配置された場合に、有機EL発光層に効率よく正孔を注入でき、発光効率が高められる。
よって、本発明は産業上の利用が可能である。
また、前記表層酸化物膜が前記酸化物で構成されているので、ITO膜よりも仕事関数が高く、有機EL発光層に前記表層酸化物膜が対向して配置された場合に、有機EL発光層に効率よく正孔を注入でき、発光効率が高められる。
よって、本発明は産業上の利用が可能である。
10 積層膜
11 下地膜
12 金属膜
13 表層酸化物膜
11 下地膜
12 金属膜
13 表層酸化物膜
Claims (8)
- 下地膜の上に積層される金属膜と、前記金属膜の上に積層された表層酸化物膜と、を備え、
前記金属膜は、Ag又はAg合金で構成され、
前記表層酸化物膜は、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されていることを特徴とする積層膜。 - 前記金属膜は、膜厚100nmのときの波長550nmでの反射率が92%以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層膜。
- 前記表層酸化物膜の側において、波長450nmでの反射率が88%以上であり、波長550nmでの反射率が90%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層膜。
- 前記表層酸化物膜の表面での仕事関数が5.0eV以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層膜。
- 前記表層酸化物膜の膜厚が5nm以上50nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層膜。
- 前記表層酸化物膜が非晶質であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積層膜。
- 前記下地膜をさらに具備し、前記下地膜は、金属成分中にWとMoとの一方又は両方を合計で70原子%以上含む酸化物で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の積層膜。
- 前記表層酸化物膜は、Nb、In、Ga、Ti、Ta、およびSiの1種または2種以上を前記表層酸化物膜中の金属原子全体に対する比率で30原子%以下含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の積層膜。
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2020
- 2020-07-31 JP JP2020130286A patent/JP2021027039A/ja active Pending
- 2020-08-05 TW TW109126436A patent/TW202109934A/zh unknown
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