JP2021026639A - 利用者認証システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 施設等の利用を希望する利用者の行動や状況に適した認証手段を施設等の提供側が選択することにより、利用者及び施設等の提供側の両者にとってセキュリティレベルを確保しつつも利便性の高い認証が可能な利用者認証システムを提供する。【解決手段】利用者の行動情報に適した認証手段22bを用いて認証を行う利用者認証システム1であって、利用者の行動情報を管理する行動管理部32dと、利用者の認証手段を有し、利用者の行動情報に紐付けられた利用者媒体22と、利用者媒体を検知し、紐付けられた利用者の行動情報に適する利用者の認証手段を取得する利用者媒体検知部32aと、利用者媒体検知部が取得した利用者の認証手段で求められる照合情報を利用者から取得する照合情報取得部32bと、利用者媒体検知部が取得した認証手段と、照合情報取得部が取得した照合情報とを用いて、利用者の認証を認証部32cにて行う。【選択図】図1

Description

本発明は、施設やサービス等の利用を希望する利用者の行動や状況に適した認証手段を施設やサービスの提供側が選択することにより、利用者及び施設やサービスの提供側の両者にとってセキュリティレベルを確保しながらも利便性の高い認証が可能な利用者認証システムに関する。
近年、施設やサービス等を利用するにあたり、利用者の本人確認を従来の会員証やチケット等ではなく、より確実に本人確認が可能となる顔認証、指紋認証、静脈認証、虹彩認証、声紋認証等といった、種々の生体情報を用いた本人確認方法(認証方法)が採用されるケースが増えている。
この場合、顔認証等のような認証方法の利用にあたっては、様々な工夫が行われている。例えば、特許文献1の受診者確認装置においては、受診者の顔を撮像して、高い精度で識別可能な受診者の顔の形状に基づくデジタルデータを生成して受診カードに保存し、受診カードに保存されたデジタルデータとその受診カードを所持する受診者の顔の撮像により得られるデジタルデータを照合することにより、受診者の確認を行い、受診者に与える負担を軽減している点が開示されている。
また、例えば、特許文献2の入場認証システムは、発券装置と認証装置とを備えており、発券装置は指紋入力装置によって指紋データを取得し、この指紋データをバーコードデータに変換し、プリンタにより入場券に印刷する。そして、認証装置は指紋入力装置によって指紋データを取得すると共に、バーコードリーダによりバーコードデータを読取り、この読み取られたバーコードデータを指紋データに変換した後に、取得した指紋データと比較することにより認証して、同一人によるチケットの買占め等の問題を解決せんとする点が開示されている。
また、例えば、特許文献3の二次元コード認証システムは、クーポンや会員証やチケットのサービス情報と、本人確認情報とを追加した情報を二次元コードに埋め込ませることにより、利用者がサービス利用時に、本人の確認のみならず、その本人がサービスを受ける権利があるかの確認を、オフラインの状態で行うことが可能とする点が開示されている。
特開2011−959480 特開2003−67798 特開2010−102726
このように施設やサービス等の利用者の認証においては様々な提案がなされているが、いずれも、予め施設側から一律に指定された認証方法により本人確認を行うことが前提である。しかし、実際には、施設やサービス等の利用者の時々の行動や周辺の状況によって、適切な認証手段が異なることがある。
例えば、施設の入場等に関して、通常は利用者の顔認証のみで認証を行うが、利用者がその施設内において、特定のサービスの提供を受ける予定をしている場合には、顔認証と合わせて指紋認証も行う。または、あるサービスの提供に関して、通常は顔認証とパスワードによる認証を行うが、直前に特定のサービスの提供を受けていた場合には、顔認証のみでの認証とする。または、施設の入場等に関して、通常は顔認証を行うが、認証を行う際の周辺環境が暗く、顔認証に不適切な場合には、顔認証に代わって指紋認証を行うなど、適切な認証手段が異なる。
そこで本発明は、施設やサービス等の利用を希望する利用者の行動や状況に適した認証手段を施設やサービスの提供側が選択することにより、利用者及び施設やサービスの提供側の両者にとってセキュリティレベルを確保しながらも利便性の高い認証が可能な利用者認証システムに関する。
上記目的達成のため、本発明の利用者認証システムは、利用者の行動情報に適した認証手段を用いて認証を行う利用者認証システムであって、前記利用者の行動情報を管理する行動管理部と、前記利用者の認証手段を有し、前記利用者の行動情報に紐付けられた利用者媒体と、当該利用者媒体を検知し、前記利用者の行動情報に適する前記利用者の認証手段を取得する利用者媒体検知部と、当該利用者媒体検知部が取得した前記利用者の認証手段で求められる照合情報を前記利用者から取得する照合情報取得部と、前記利用者媒体検知部が取得した前記認証手段と、前記照合情報取得部が取得した前記照合情報とを用いて、前記利用者の認証を行う認証部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の利用者認証システムの前記利用者媒体は、複数の前記利用者の認証手段を有することを特徴とする。
また、本発明の利用者認証システムの前記利用者媒体検知部は、前記紐付けられた前記利用者の行動情報に適する複数の前記利用者の認証手段を取得し、前記照合情報取得部は、前記利用者媒体検知部が取得した複数の前記利用者の認証手段で求められる複数の前記照合情報を前記利用者から取得し、前記認証部は、前記利用者媒体検知部が取得した複数の前記認証手段と、前記照合情報取得部が取得した複数の前記照合情報とを用いて、前記利用者の認証を行うことを特徴とする。
また、本発明の利用者認証システムの前記認証手段は、認証方法と識別情報の対で構成され、前記認証部は前記利用者媒体検知部が取得した前記認証手段に含まれる前記識別情報と前記照合情報取得部が取得した前記照合情報を用いて、前記利用者の認証を行うことを特徴とする。
また、本発明の利用者認証システムの前記認証手段に含まれる前記識別情報は、前記利用者の生体情報であって、当該生体情報の特徴点情報であることを特徴とする。
また、本発明の利用者認証システムの前記利用者媒体は、通信部を有する携帯端末装置であり、通信によって前記利用者媒体検知部に検知されて、前記利用者の行動情報に適する前記利用者の認証手段を通信によって送受信することを特徴とする。
また、本発明の利用者認証システムの前記利用者の認証手段は、光学的に読み取り可能な情報として前記利用者媒体に表示されていることを特徴とする。
また、本発明の利用者認証システムの前記利用者媒体検知部は、前記利用者媒体を検知した際の周辺の状況を環境情報として取得し、当該取得した環境情報及び前記利用者の行動情報に適する前記利用者の認証手段を取得することを特徴とする。
本発明の利用者認証システムによれば、施設やサービス提供側が利用者の行動情報に適する認証手段を利用者媒体から選択して取得し、さらに、利用者本人から認証手段に必要な照合情報を取得して認証することで、施設やサービス提供側は利用者の認証に係る重要な情報を予め保持する必要がなく、個人情報の漏洩リスクを低減しつつ、利用者の行動や状況に適した本人の確実な認証を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、利用者媒体に複数の認証手段を有することで、施設やサービス提供側は複数の認証手段の中から適切な認証手段を選択して、利用者の行動や状況に適した認証を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、利用者媒体に複数の認証手段を有し、さらに、施設やサービス提供側は複数の認証手段の中から適切な認証手段を複数選択して組み合わせることで、利用者の行動や状況に適したセキュリティレベルで利用者の認証を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、利用者媒体が有する認証手段は、認証方法と識別情報の対で構成されることで、予め定められた認証方法に限定されず、施設やサービス提供側の設備等の追加や更新、さらには、新たな認証技術等にも柔軟に拡張性をもって対応することが可能となる。
また、本発明によれば、利用者媒体が有する認証手段に含まれる識別情報は利用者の生体情報の特徴点情報であり、利用者が所持しているため、施設やサービス提供側は予め利用者個人の重要な情報である生体情報の特徴点情報を保持する必要がなく、非常に強固なセキュリティレベルの認証を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、利用者媒体が通信部を有する携帯端末装置であるため、利用者媒体が有する認証手段を通信で送受信することで、利用者が歩行など移動している状況においても、照合情報取得部が有するカメラ等で利用者から照合情報を取得することで、利用者は歩行を止める必要がなく、利用者の行動や状況に適した利便性の高い認証を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、利用者媒体の有する認証手段は光学的に読み取り可能な情報として表示されるため、利用者媒体は表示画面等を有する携帯端末装置に限定されず、例えば、二次元コード等で表示された認証手段が印刷された紙やカード等を利用者媒体として認証を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、利用者媒体を検知した際の時刻や周囲の明るさ、騒音などの状況を環境情報として取得するため、例えば、施設やサービス提供側への入場に際して、深夜など従業員の少ない時間帯にはセキュリティを高めるために複数の認証手段を求める、または、利用者の周囲が暗い場合には顔認証より適切な指紋認証を選択するなど、利用者の行動や状況に周辺の状況を加味して、適切な認証を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの行動情報テーブルの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの行動情報と認証方法の組み合わせテーブルの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの利用者媒体の一例を示す図であり、(a)は利用者媒体において予約番号とは別に認証手段が二次元コード化されている場合であり、(b)は一つの二次元コード内に予約番号を含ませた場合である。 本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの施設やサービス等の利用前の処理シーケンス図である。 本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの施設やサービス等の利用時の処理シーケンス図である。 本発明の第2の実施形態に係る利用者認証システムの施設やサービス等の利用開始時の処理シーケンス図である。 本発明の第2の実施形態に係る利用者認証システムの施設やサービス等の利用継続時の処理シーケンス図である。
以下、図面を参照して、本発明による利用者認証システムを実施するための形態について説明する。尚、本発明の利用者認証システムは、施設やサービス等の利用を希望する利用者の行動や状況に適した認証手段を施設やサービスの提供側が選択することにより、利用者及び施設やサービスの提供側の両者にとってセキュリティレベルを確保しながらも利便性の高い認証を可能とするものである。
尚、本発明は、何らかの施設やサービス等を利用する場合において、本人確認による認証を行う場合に利用されるものであり、様々な利用シーンが想定される。ここでは、あくまで一例として、ホテルの予約から利用までの利用シーンを用いて説明するが、当然ながら、これに限定されるものではない。即ち、本発明の特徴は、利用者の行動や状況に適した認証手段を選択する点にあり、これを説明するため、ホテルの予約から利用までの状況を例示として用いる。
[各語の定義]
本発明の説明にあたり、各語の意味を以下に説明する。
「行動情報」とは、利用者が施設やサービス等を利用するにあたって、「いつ、どこで、何を、どのように利用するか」などの情報である。例えば、ホテルの利用にあたっては、滞在日時(チェックイン、チェックアウトの日時)、宿泊希望する部屋(シングル、ダブル、和室、洋室、等)、食事(朝食、昼食、夕食)の有無、スパ、エステ、プール等の各種サービスの利用有無などに係る予約情報である。また、例えば、オフィスの利用(来客等)であれば、訪問日時や訪問フロア、利用する会議室などに係る情報である。
「行動情報ID」とは、利用者の行動情報を特定するためのID(識別情報)であり、行動管理部で管理される利用者の行動情報と利用者媒体を紐付けるための情報である。この「行動情報ID」は、例えば、ホテルの予約番号のような形態であることの他、氏名などの利用者の情報で代用されることもあり、利用者の行動情報を一意に特定可能なものであれば、その形態は問わない。
「認証手段」とは、「認証方法」と「識別情報」の対で構成されるものであり、利用者媒体検知部が取得可能な情報として、利用者媒体に格納されるものである。
「認証方法」とは、顔認証、指紋認証、静脈認証、虹彩認証、声紋認証、パスワード等といった種々の認証方法の種別を意味する。顔認証、指紋認証、静脈認証、虹彩認証、声紋認証等といった生体情報に係る認証方法の他、パスワードといった利用者本人しか知らない情報(データ)による認証方法も採用可能であり、生体情報に係る認証方法に限られるものではない。
「識別情報」とは、各種の「認証方法」による本人確認に必要な情報(データ)であって、例えば、顔認証であれば、利用者本人の顔の形態、指紋認証であれば、利用者本人の指先の紋様、パスワード(暗号)であれば、利用者本人にしか知らない具体的な文字列を意味する。また、生体情報そのものである場合の他、生体情報から特徴点を抽出した特徴点情報を「識別情報」とする場合も含む。例えば、顔認証においては、目、鼻、口間の距離や向きなどから特徴点を抽出して、この特徴点情報を比較して照合を行うことが一般に行われており、「識別情報」はこのような特徴点情報を含む意味合いである。
「照合情報」とは、利用者媒体に格納されている「認証手段」の構成要素である「識別情報」と照合するために、利用者本人から直接取得する情報である。例えば、利用者媒体に格納されている「認証手段(認証方法)」が顔認証であれば、利用者の顔の目、鼻、口間の距離や向きなどの特徴点情報が「認証手段(識別情報)」に該当し、この利用者媒体に格納されている「認証手段(識別情報)」と比較して照合を行うために、利用者本人を直接カメラ等で撮像して、撮像した顔画像から抽出した特徴点情報が「照合情報」となる。
[本発明の第1の実施形態]
まず、本発明に係る利用者認証システムの第1の実施形態について説明する。
[利用者認証システムの各構成要素]
図1に図2乃至図4を加えて、本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの各構成要素について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの機能ブロック図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの行動情報テーブルの一例を示す図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの行動情報と認証方法の組み合わせテーブルの一例を示す図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの利用者媒体の一例を示す図であり、(a)は利用者媒体において予約番号とは別に認証手段が二次元コード化されている場合であり、(b)は一つの二次元コード内に予約番号を含ませた場合である。
図1に示すように、利用者認証システム1は、利用者側として利用者端末21と利用者媒体22、施設・サービス提供側として受付端末31と認証装置32を有している。
[利用者側の各構成要素]
利用者端末21は、利用者が施設やサービス等の利用をする前に、自らの行動情報と認証手段を施設・サービス提供側の受付端末31に送信するものであり、利用者の行動情報と認証手段の入力が可能な入力部21a、入力部21aから入力された情報などを表示する表示部21bを有している。
利用者の行動情報において、複数の認証手段が必要とされる場合には、入力部21aから必要な分だけ認証手段を入力する。例えば、認証手段1としては顔認証、認証手段2としては指紋認証という場合が挙げられる。この場合、複数の認証手段は、施設・サービス提供側から指定されたものを入力することとなり、施設・サービス提供側が複数の認証手段の入力を求める場合でも、例えば、施設・サービス提供側が4種類指定した認証手段のうち、利用者に3種類の認証手段を入力してもらうようなことも可能である。また、入力部21aから入力された生体情報(顔、指紋等)から特徴点情報を抽出して、認証手段の識別情報とすることも可能である。
このとき、利用者端末21は、スマートフォン、タブレット、携帯電話、PC(Personal Computer)等であり、利用者の行動情報と認証手段の入力を受け付けて、通信ネットワーク5を介して施設・サービス提供側の受付端末31に送信することが可能であれば、特に限定されるものではない。また、必要に応じてタッチパネル、キーボード、マウス等の他、種々の生体情報の入力デバイスを備えればよい。
また、利用者は利用者端末21を用いず、事前に施設やサービス提供場所に赴き、受付端末31に自らの行動情報と認証手段を直接入力することも可能である。
利用者媒体22は、利用者が施設やサービス等を利用する際に、施設・サービス提供側の認証装置32において検知されるものであり、利用者端末21から送信した利用者の行動情報と認証手段に基づいて、受付端末31から返信された行動情報ID22aと認証手段22bを有している。また、図1の認証手段1(22b)、認証手段2(22b)、・・・、認証手段N(22b)に示されるように、少なくとも一つ以上の認証手段22bが利用者媒体22に格納されている。例えば、認証手段1(22b)は顔認証であり、認証手段2(22b)は指紋認証であるような場合が挙げられる。
行動情報ID22aと認証手段22bは、各々を個別の情報として利用者媒体22に格納する場合と、一つの情報にまとめて格納する場合とがあり、施設・サービス提供側の認証装置32が利用者媒体22を検知した際に、行動情報ID22aと認証手段22bを取得することが可能であれば、その形態は問わない。例えば、図4(a)に示すように、利用者媒体22において行動情報ID22aである予約番号とは別に認証手段22bが二次元コード化されて示されているが、図4(b)に示すように、一つの二次元コード内に行動情報ID22aである予約番号を含ませることも可能である。
また、図4(a)(b)に示すように、認証手段22bが二次元コード化されている場合、一つの二次元コードの中に複数の認証手段22bを格納してもよい。また、複数の認証手段22b毎に二次元コードを複数生成してもよく、施設・サービス提供側の認証装置32が利用者媒体22を検知した際に、複数の認証手段22bを取得することが可能であれば、その形態は問わない。
このとき、利用者媒体22は、紙媒体や磁気カード、ICカード等であり、行動情報ID22aと認証手段22bが格納されて、施設・サービス提供側の認証装置32において検知可能であれば、特に限定されるものではない。例えば、受付端末31から行動情報ID22aと認証手段22bに係る情報をメール等で受け取り、それを印刷した紙媒体でもよい。
さらには、利用者媒体22は、スマートフォン、タブレット、携帯電話、PC(Personal Computer)等であってもよく、行動情報ID22aと認証手段22bが格納されて、施設・サービス提供側の認証装置32において検知可能であれば、特に限定されるものではない。例えば、受付端末31から行動情報ID22aと認証手段22bに係る情報を受け取り、それを内部ストレージ等に保存したスマートフォン等でもよい。
より利便性の高い利用者の本人確認を行うためには、利用者媒体22が利用者端末21と同一のスマートフォン等の携帯端末装置であるのが好適である。
[施設・サービス提供側の各構成要素]
受付端末31は、利用者側の利用者端末21から送信された利用者の行動情報と認証手段を受け付けるものであり、行動情報ID発行部31aと認証手段生成部31bを有している。
行動情報ID発行部31aは、利用者端末21から送信された利用者の行動情報を受け付けて、行動情報を一意にするためのIDである行動情報ID22aを発行し、発行した行動情報ID22aに紐づけて、行動管理部32dに利用者の行動情報を保存する。
認証手段生成部31bは、利用者端末21から送信された利用者の認証手段を受け付けて、利用者媒体22に格納する利用者の認証手段22bを生成するものである。例えば、利用者端末21から利用者の生体情報(顔、指紋等)の特徴点情報を「識別情報」とする認証手段を受け取り、それを認証装置32で読み取れる二次元コードとして生成する。また、認証手段生成部31bは、受け取った認証手段を認証装置32のみが復号できるように暗号化することも可能である。
さらに、認証手段生成部31bは、行動情報ID発行部31aが発行した行動情報ID22aも含めて、利用者媒体22に格納する利用者の認証手段22bとして生成することも可能である。例えば、認証手段22bとして二次元コード等を生成する場合、図4(b)のように、行動情報ID22aをこの二次元コード内に含ませる。
受付端末31は、行動情報ID発行部31aで発行した行動情報ID22aと認証手段生成部31bで生成した認証手段22bを、利用者端末21へ送信するものであり、利用者媒体22が利用者端末21と同一のスマートフォン等の携帯端末装置である場合は、行動情報ID22a及び認証手段22bを送信すればよい。
利用者媒体22が紙媒体等の発行物の場合は、行動情報ID22a及び認証手段22bが印刷可能となる形態で利用者端末21へ送信する。又は、行動情報ID22a及び認証手段22bが印刷された用紙などを利用者に郵送等する。また、利用者媒体22が磁気カードやICカード等の場合は、行動情報ID22a及び認証手段22bを認証装置32で読み取れる形態でデータとして書き込んだ後、利用者に郵送等の方法が想定される。
このとき、受付端末31は、コンピュータ上に所定のソフトウェアを搭載することにより構成され、所定のソフトウェアのプログラムに基づいて、利用者の行動情報と認証手段の受付を行うものであり、施設やサービスの提供場所に設置される必要はなく、受付端末31が受け付けた利用者の行動情報を行動管理部32dに保管できるものであれば、例えば、施設やサービス提供者の保有するデータセンターに設置するなど、その設置場所は限定されない。
また、受付端末31は、行動情報と共に、利用者の氏名や年齢、性別、嗜好、身体的特徴などの利用者情報を受け取り、それを利用者管理部(図示せず)で管理するようにしてもよい。利用者の情報を管理することで、例えば、障がいなどの身体的情報を加味して施設・サービス提供側が認証手段の指定などを可能とすることができる。
認証装置32は、利用者が実際に施設やサービス提供場所に来訪する際、利用者が保持する利用者媒体22を検知して、利用者に対して適切な認証方法を選択して要求し、利用者の認証を行うものであり、利用者媒体検知部32a、照合情報取得部32b、認証部32c、行動管理部32dを有している。
利用者媒体検知部32aは、検知した利用者媒体22から利用者の行動情報に適する認証手段22b(識別情報22d)を取得するものであり、各種センサやリーダー装置等から構成される。利用者媒体22の検知とは、利用者媒体22が紙媒体やICカード等の場合は、利用者媒体22をリーダーである利用者媒体検知部32aに読み取らせる行為などであり、また、利用者媒体22がスマートフォン等である場合は、近距離無線通信などで利用者媒体22の近接を自動で検知することも含む。
利用者媒体検知部32aは、利用者媒体22を検知して、利用者媒体22に格納された行動情報ID22aを取得する。図2に示すように、行動情報ID22aに紐づいて利用者の行動情報が管理されているため、取得した行動情報ID22aを用いて、利用者媒体22を保持する利用者の行動情報を行動管理部32dから取得することが可能である。
利用者媒体検知部32aは、施設やサービス提供場所の入り口等に限らず、利用者の本人確認が必要な利用場所に照合情報取得部32bと共に設置することが可能である。例えば、ホテル等の場合では、チェックインやチェックアウトを行うフロント(受付)のみならず、利用者の事前の予約情報(行動情報)によって利用の可否が異なるプールやスパ、エステ等の入り口や受付などに設置する。事前の予約情報(行動情報)において、プールの利用を申し込んでいない利用者の利用者媒体22が検知された場合、利用者本人の認証を行わずとも、プールの利用可否を「NG」と判定することが可能となる。
次に、利用者媒体検知部32aは、図3に示すように、行動管理部32dに格納されている施設やサービス提供場所での利用者の行動情報と認証方法の組み合わせテーブルを参照して、行動情報ID22aを用いて取得した利用者の行動情報に対して適切な認証方法(認証手段)を選択し、利用者媒体22から認証手段22bを取得する。ここで、行動情報に対する認証方法(認証手段)は一つに限られるものではなく、複数の認証方法(認証手段)を求めることで、よりセキュリティの高い本人確認(認証)を行うことが可能となる。
図3においては、ホテル等における一例として、行動情報の欄として、入退場、滞在場所、食事の有無、利用エリア、VIPルーム、会議室、プール、スパ等の利用が挙げられており、それぞれに対して、適切な認証方法(認証手段)として顔認証、指紋認証、静脈認証、虹彩認証、声紋認証、パスワード等の組み合わせが管理されている。
ここで、図3の各欄に示す「◎」は必須、「〇」は選択必須を意味している。例えば、入退場時には顔認証が必須であり、VIPルームの使用時には、顔認証と声紋認証の二つが必須となっている。また、利用エリアとしての北棟には、指紋認証かパスワードのどちらか一方が必須であり、会議室Fに関しては、パスワードが必須であり、且つ、さらに顔認証か指紋認証のどちらか一方が必須であることを示している。
これにより、図3に示すような、行動情報と認証方法の組み合わせテーブルを予め自在に設定することで、施設やサービス提供側の都合や利用者側のニーズに沿った適切な認証方法(認証手段)を選択できることが可能となる。
即ち、例えば、パスワード等の入力を求めずに運用したい場合は、指紋認証、顔認証を選択するように施設やサービス提供側は設定可能であるし、衛生面に配慮し、リーダーに触れずハンズフリーで運用したいような場合は、顔認証、虹彩認証といった認証方法を施設やサービス提供側は設定可能である。また、入室する頻度が低いが特に高いセキュリティを実現したいような場合は、顔認証、認証に時間を要するが偽造が困難な静脈認証の双方を同時に必要とするなど、所望の適した認証方法(認証手段)を選択、又は、組み合わせることで、状況に応じた認証方法(認証手段)の選択が可能となる。
利用者媒体検知部32a(認証装置32)は必要に応じて、ディスプレイや音声出力装置等を備えて、利用者に対して利用者媒体22の提示を求める構成も想定される。さらに、ホテル等におけるフロントスタッフのように、人員を介して利用者に紙媒体やIDカードである利用者媒体22の提示を求めることも想定される。
さらには、利用者媒体検知部32aは、例えば、外部装置6である照度センサにより、利用者の認証を行うスペースが日没や屋内空間における照明の度合いから、顔認証を適切に利用するには暗すぎると判断したような場合は、他の認証方法(認証手段)に切り替えるような場合も想定される。この場合は、図3に示すような、行動情報と認証方法の組み合わせテーブルにおいて、照度などの認証装置32の周辺の環境情報も管理すればよい。
照合情報取得部32bは、利用者媒体検知部32aが利用者媒体22から取得した識別情報22dと照合するための照合情報を利用者本人から取得するものであり、例えば、顔認証や指紋認証のような生体情報やその特徴点が識別情報であれば、それらを利用者から読み取り可能なセンサ類であり、識別情報が文字列のパスワードの場合は、入力ボタンであるような場合を含む。
照合情報取得部32bは、施設やサービス提供場所の入り口等に限らず、利用者の本人確認が必要な利用場所に利用者媒体検知部32aと共に設置することも可能である。例えば、ホテル等の場合では、チェックインやチェックアウトを行うフロント(受付)のみならず、利用者の事前の予約情報(行動情報)によって利用の可否が異なるプールやスパ、エステ等の入り口や受付などに設置する。
照合情報取得部32b(認証装置32)は必要に応じて、ディスプレイや音声出力装置等を備えて、直接利用者に対して照合情報の提示(カメラの前に立つ等)を求めることや、ホテルにおけるフロントスタッフのような人員を介して利用者に照合情報の提示(カメラの前に立つ等)を求めることも想定される。
認証部32cは、利用者本人の認証を行うべく、利用者媒体検知部32aが選択した認証方法に基づき、利用者媒体22から取得した認証手段22b(識別情報22d)と、照合情報取得部32bが利用者本人から取得した照合情報を比較して、本人確認を行うものである。
認証部32c(認証装置32)は必要に応じて、ディスプレイや音声出力装置等を備えて、利用者に対して認証結果を提示する構成も想定される。また、利用者媒体22が利用者端末21と同一のスマートフォン等の携帯端末装置である場合は、認証結果を利用者のスマートフォン等の携帯端末装置へ送信し、そのディスプレイや音声出力装置等から提示してもよい。
行動管理部32dは、利用者の行動情報を管理するものであり、行動情報データベース32eを備えている。受付端末31にて発行された行動情報ID22aに関連付けて利用者の行動情報が行動情報データベース32eに保存され、利用者媒体検知部32aからの要求に基づき、行動情報ID22aをキーに行動情報データベース32eに保存された利用者の行動情報を抽出することが可能である。
行動情報データベース32eに保存されるのは、図2に示すような行動情報テーブルであって、行動情報ID22aに関連付けられて、例えば、ホテル等における一例として、入退場日時、滞在場所、食事の有無、利用エリア、VIPルームの使用の有無、会議室の使用の有無、プール、スパ等の使用の有無、等の利用目的に係る情報が保存されている。
また、行動情報データベース32eには、図3に示す施設やサービス提供場所での利用者の行動情報と認証方法の組み合わせテーブルが予め格納されている。
通信ネットワーク5は、利用者側として利用者端末21と利用者媒体22、施設・サービス提供側として受付端末31と認証装置32の互いの通信を有線又は無線を問わずに可能とするものである。さらに、通信ネットワーク5は、外部装置としての照度センサ等の各種センサやインターネットなどに接続されており、認証装置32周辺の状況や外部情報として天候や交通情報などを取得することで、利用者の認証方法(認証手段)を適切に選択することを可能としている。
[利用者認証システムにおける処理の流れ]
次に、本発明の利用者認証システム1の第1の実施形態における処理の流れを、図5及び図6を用いて説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの施設やサービス等の利用前の処理シーケンス図である。図6は、本発明の第1の実施形態に係る利用者認証システムの施設やサービス等の利用時の処理シーケンス図である。
「施設やサービス等の利用前」
施設やサービス等の利用前の処理の流れを図5を用いて説明する。図5に示すように、施設やサービス等の利用を希望する利用者は、利用者端末21を用いて、自らの行動情報と認証手段を入力する(S1)。このとき、利用者が入力した行動情報に基づいて、図3に示される行動情報と認証方法の組み合わせテーブルから、受付端末31が適切な認証手段の入力を利用者に求める。この適切な認証手段とは、施設・サービス提供側が予め指定したものや、利用者により入力された行動情報に応じて変化する場合や、施設・サービス提供側が複数の認証手段を求める場合でも、例えば、施設・サービス提供側が4種類指定した認証手段のうち、利用者に3種類の認証手段を選択させて入力してもらうようなことも可能である。
例えば、認証手段として顔認証を求める場合は、利用者端末21が備えるカメラにより利用者の顔を撮影して受付端末31に「識別情報」として送信する。このとき、利用者端末21において、撮像した顔画像から特徴点情報のみを抽出して、「識別情報」として受付端末31に送信してもよい。また、認証方法(認証手段)がパスワードの場合は、パスワードを「識別情報」として利用者端末21から入力させるか、受付端末31によりパスワードを「識別情報」として発行して利用者端末21に送信する。
また、利用者が利用者端末21を用いて入力した行動情報に関わらず、施設やサービス提供側が提供しうる全ての認証方法(認証手段)の入力を求めることも想定される。この場合、利用者が実際に施設やサービス提供場所に来訪した際、施設やサービス提供側が提供しうる全ての認証方法(認証手段)の中から、利用者媒体検知部32aが検知した利用者の行動情報に適した認証方法(認証手段)を選択することとなる。
さらに、利用者が利用する施設やサービス等の会員等になっており、利用者媒体22である会員カード(ICカード等)やスマートフォン内の専用アプリ等に、利用する施設やサービス等で求められる認証手段(識別情報)を格納(初回だけ入力)しておくことで、以降は利用者の行動情報のみを入力する構成としてもよい。
受付端末31は、利用者端末21から送信された利用者の行動情報と認証手段を受け付けて(S2)、行動情報ID22aを発行する(S3)。例えば、ホテル等の利用にあたっては、滞在日時(チェックイン、チェックアウトの日時)、宿泊希望する部屋(シングル、ダブル、和室、洋室、等)、食事(朝食、昼食、夕食)の有無、スパ、エステ、プール等の各種サービスの利用有無などに係る予約情報が行動情報であり、行動情報ID22aはホテル等の予約番号に該当する情報である。
受付端末31で受け付けた行動情報は、行動管理部32dによって、行動情報ID22aに紐付けられて、行動情報データベース32eに保存される(S4)。
このとき、受付端末31は、行動情報と共に、利用者の氏名や年齢、性別、嗜好、身体的特徴などの利用者情報を受け取り、それを利用者管理部(図示せず)で管理するようにしてもよい。利用者の情報を管理することで、例えば、障がいなどの身体的情報を加味した認証手段の選択などを可能とすることができる。
次に、受付端末31で受け取った認証手段から利用者媒体22に格納する認証手段22bを生成する(S5)。例えば、利用者端末21から利用者の生体情報(顔、指紋等)の特徴点情報を「識別情報」とする認証手段を受け取り、それを認証装置32で読み取れる二次元コードとして生成する。また、認証装置32のみが復号できるように暗号化された認証手段22bとして生成してもよい。
次に、受付端末31で発行された行動情報ID22aと、生成された認証手段22bが利用者媒体22に格納される(S6)。例えば、図4に示すようなホテルの予約表として送付されてもよい。利用者媒体22が利用者端末21と同一のスマートフォン等の携帯端末装置である場合、図4のようなホテルの予約表を画面に表示してもよい。
次に、受付端末31では、利用者の認証手段(識別情報)、即ち、生体情報やその特徴点情報を削除する(S7)。こうすることで、施設やサービス提供側には一切の利用者本人に係る生体情報やその特徴点情報を保持しないため、利用者に関する情報の漏洩などのリスクを回避することが可能となる。
「施設やサービス等の利用時(認証時)の処理」
「施設やサービス等の利用時(認証時)の処理の流れを図6を用いて説明する。図6に示すように、施設やサービス等を利用する利用者は、施設やサービス提供場所に赴き、利用者媒体22を設置されている認証装置32の利用者媒体検知部32aに提示する(S11)。これにより、利用者媒体検知部32aは、利用者媒体22を検知する(S12)。
このとき、利用者媒体22が紙媒体やICカード等の場合は、利用者媒体22をリーダーである利用者媒体検知部32aに読み取らせる行為などであり、また、利用者媒体22がスマートフォン等である場合は、近距離無線通信などで利用者媒体22の近接を自動で検知する構成としてもよいことは、前述の通りである。
次に、利用者媒体検知部32aは、利用者媒体22から行動情報ID22aを取得する(S13)。そして、取得した行動情報ID22aを用いて、行動管理部32dが管理する行動情報データベース32eから行動情報を取得する(S14)。
このとき、行動情報ID22aに紐づく行動情報が行動情報データベース32eの中に存在しない場合は、事前に利用者が施設やサービス等の利用を申し込んでいないと判断できる。または、行動情報ID22aに係る情報から施設やサービス等の提供日時等を確認して、提供日時の範囲以外であった場合には、施設やサービス等の利用時間外と判断できる。
利用者媒体検知部32aは、行動情報ID22aに紐づく有効な行動情報を行動管理部32dから取得できた場合、図3に示すような、行動情報と認証方法の組み合わせテーブルに基づき、利用者の行動情報に適した認証方法(認証手段)を選択して、利用者媒体22へ選択した認証手段22b(識別情報22d)を要求する(S15)。
利用者媒体22は、利用者媒体検知部32aから要求を受けた認証手段22b(識別情報22d)を提供する(S16)。このとき、利用者媒体22が紙媒体やICカード等の場合は、利用者媒体22をリーダーである利用者媒体検知部32aへ読み取らせることで、利用者媒体22に格納されている認証手段22bを提供する。また、利用者媒体22がスマートフォン等であって、近距離無線通信等が可能な場合には、通信を用いて利用者媒体検知部32aへ認証手段22bを提供することが可能である。
このとき、利用者媒体22が紙媒体やICカード等の場合においても、利用者が施設やサービス提供場所に赴いて、利用者媒体22を認証装置32に提示(S11)した際、利用者媒体22の検知(S12)から認証手段22bの提供(S16)までを同時(瞬時)に処理することで、利用者の利便性を高めることが可能である。もし、利用者媒体検知部32aから既に利用者媒体22が離れてしまっている場合は、利用者媒体検知部32a(認証装置32)が有するディスプレイや音声出力装置等により再度の利用者媒体22の読み取り指示や、施設やサービス提供側のスタッフにより再度の読み取りを促してもよいことは当然である。
利用者媒体22から提供された一つ以上の認証手段22b(識別情報22d)を認証部32cで一時的に記憶しておく(S17)。
次に、利用者媒体22から一つ以上の識別情報22dを正常に取得できた後、照合情報取得部32bは、利用者本人から識別情報22dと照合するための照合情報を要求する(S18)。例えば、認証方法22cが顔認証である場合は、利用者本人に対してカメラ等による顔の撮影により顔認証に係る特徴点情報を求める。
次に、利用者は、照合情報取得部32bからの要求に応じて、照合情報を提供する(S19)。利用者の行動情報より複数の照合情報が必要となる場合は、利用者本人への照合情報の要求(S18)と利用者からの照合情報の提供(S19)を必要な分だけ繰り返す。
次に、認証部32cは、利用者媒体22から取得した少なくとも一つ以上の認証手段22bに係る識別情報22dと、これに対応する認証方法22aで利用者から取得した一つ以上の照合情報とを比較する(S20)。
比較の結果、一致すれば利用者本人との確認が可能であり、一致しなければ利用者本人ではないとして施設やサービス等の利用を拒絶するか、他の方法による認証を求めることとなり、認証結果を認証部32c(認証装置32)のディスプレイや音声出力装置等から出力する又は、利用者媒体22がスマートフォン等である場合は、スマートフォン等のディスプレイに認証結果を表示することも可能である(S21)。
認証部32cは、利用者の認証に使用した一つ以上の識別情報22dと照合情報を全て削除する(S22)。こうすることで、施設やサービス提供側には一切の利用者本人に係る生体情報やその特徴点情報を保持しないため、利用者に関する情報の漏洩などのリスクを回避することが可能となる。
[本発明の第2の実施形態]
次に、本発明に係る利用者認証システムの第2の実施形態について図7及び図8を用いて説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る利用者認証システムの施設やサービス等の利用開始時の処理シーケンス図である。図8は、本発明の第2の実施形態に係る利用者認証システムの施設やサービス等の利用継続時の処理シーケンス図である。
この第2の実施形態は、利用者媒体22の認証手段22bが、施設やサービス等の利用開始時に施設やサービス等の提供側に記憶され、利用継続中は利用者媒体22の検知の代わりに利用者による照合情報の提供のみで、施設やサービス等の利用を可能とする点が、第1の実施形態と異なるものであり、重複する箇所については、同じ符合を用いて説明を省略する。
即ち、例えば、ホテル等において、認証手段(認証方法)として顔認証や指紋認証等が利用可能である場合、利用者はチェックイン時に利用者媒体22の提示の後、第1の実施形態と同様に利用者の顔認証や指紋認証等を行い、ホテル側がこのとき取得した顔認証や指紋認証等に関する識別情報22dを利用者の滞在期間中のみ記憶することで、以降は、利用者媒体22の提示が不要となり、利用者がホテルに滞在中は、ホテル側に保管される識別情報22dのみで本人確認を行うことが可能となる。
これにより、利用者は施設やサービス等の利用時に利用者媒体22を常に携帯する必要がなく、利便性が向上する。また、施設やサービス提供側には利用者滞在期間の一時的な期間しか利用者本人に係る生体情報やその特徴点情報を保持しないため、利用者に関する情報の漏洩などのリスクを低減することが可能となる。
施設やサービス等の利用前は、本発明の第1の実施形態と同様であり、図5に示すように受付端末31から送信された行動情報ID22aと認証手段22bを利用者媒体22に格納する。
「施設やサービス等の利用開始時」
施設やサービス等の利用開始時の処理の流れを図7を用いて説明する。図7に示すように、施設やサービス等の利用開始時においては、利用者は第1の実施形態と同様に利用者媒体22の提示(S11)から認証手段の提供(S16)を行う。
次に、認証部32cは、利用者媒体22から提供された利用者の行動情報ID22aと識別情報22dとを紐づけて記憶する(S217)。こうすることで、施設やサービス提供側等には識別情報22dが保管されているため、以降、利用者媒体22の提示がなくても、利用者の顔認証や指紋認証等に関する照合情報のみで、行動情報ID22aの特定が可能となる。
次に、第1の実施形態と同様に、利用者に対して照合情報を要求(S18)し、取得した識別情報22dと比較照合することで、認証結果の表示(S21)までを行う。利用者の行動情報より複数の照合情報が必要となる場合は、第1の実施形態と同様に、利用者本人への照合情報の要求(S18)と利用者からの照合情報の提供(S19)を必要な分だけ繰り返す。
ここで、認証部32cは、利用者の認証に使用した一つ以上の識別情報22dと照合情報のうち、照合情報のみを削除する(S222)。即ち、認証に使用するために取得した識別情報22dは削除せずに記憶する。こうすることで、以降、利用者が施設やサービス等を利用する際、利用者媒体22の提示が不要となり、照合情報取得部32bに照合情報を提供するのみで施設やサービス提供側に記憶される識別情報22dと比較し、本人確認を行うことが可能となる。
尚、S222において、照合情報を削除しているが、利用者の本人確認(認証)が一度できていれば、その後は、識別情報22dを削除し、照合情報を新たな識別情報22dとして残すことも可能であることは当然である。
「施設やサービス等の利用継続時」
施設やサービス等の利用継続時の処理の流れを図8を用いて説明する。図8に示すように、施設やサービス等の利用開始時に、既に利用者媒体22を提示して本人確認(認証)を実施(完了)している利用者が、施設やサービス提供場所の認証装置32の設置場所に赴くことで、自らの存在を照合情報取得部32bに提示する(S311)。これにより、照合情報取得部32bは、利用者を検知する(S312)。
このとき、利用者が近接したことを認証装置32が有するカメラや人感センサ等で検知してもよいし、利用者自身が認証装置32に設置されているタッチパネル、ボタン等の入力装置を操作するようにしてもよい。
次に、照合情報取得部32bは、利用者本人から施設やサービス等の利用開始時に記憶した識別情報22dと照合するための照合情報を要求する(S313)。例えば、認証方法22cが顔認証に係る特徴点情報である場合は、利用者本人に対してカメラ等による顔の撮影を求める。
次に、利用者は、照合情報取得部32bからの要求に応じて、照合情報を提供する(S314)。利用者の行動情報より複数の照合情報が必要となる場合は、利用者本人への照合情報の要求(S313)と利用者からの照合情報の提供(S314)を必要な分だけ繰り返す。
次に、認証部32cは、照合情報取得部32bが取得した一つ以上の照合情報を用いて、利用者本人から施設やサービス等の利用開始時(図7のS217)に記憶した識別情報22dを読み出し(S315)、照合情報取得部32bは、この識別情報22dに紐づけて記憶されている利用者の行動情報ID22aを取得する。即ち、認証部32cは、照合情報と識別情報22dを比較し、合致すれば、その識別情報22dに紐づく行動情報ID22aを照合情報取得部32bに提供する。ここで認証部32cにて、照合情報と一致する識別情報22dが存在しない場合は、行動情報ID22aを取得することができないことになり、利用者本人ではないと判定すればよい。
次に、照合情報取得部32bは、取得した行動情報ID22aを用いて、行動情報管理部32dが管理する行動情報データベース32eから行動情報を取得する(S316)。
照合情報取得部32bは、要求した行動情報ID22aに紐づく有効な行動情報を行動管理部32dから取得できた場合、図3に示すような、行動情報と認証方法の組み合わせテーブルに基づき、利用者の行動情報に適した認証方法(認証手段)を選択して、利用者へ選択した認証方法22c(認証手段22b)と照合するための照合情報を要求する(S317)。例えば、図3に示すように、VIPルームへの入室に顔認証の照合情報のみならず、声紋認証をも求めるような場合が想定される。
利用者は、照合情報取得部32bからの要求に応じて、照合情報を提供する(S318)。
認証部32cは、利用者本人から施設やサービス等の利用開始時に取得して記憶した少なくとも一つ以上の認証手段22bに係る識別情報22dと、照合情報取得部32bが利用者を検知して取得した一つ以上の照合情報とを比較して照合する(S319)。
比較の結果、一致すれば利用者本人との確認が可能であり、一致しなければ利用者本人ではないとして施設やサービス等の利用を拒絶するか、他の方法による認証を求めることとなり、認証結果を認証部32c(認証装置32)のディスプレイや音声出力装置等から出力する。又は、利用者媒体22がスマートフォン等である場合は、スマートフォン等のディスプレイに認証結果を表示することも可能である(S320)。
認証部32cは、利用者の認証に使用した一つ以上の識別情報22dと照合情報のうち、照合情報のみを削除する(S321)。こうすることで、以降も利用者が施設やサービス等を利用する際、利用者媒体22の提示が不要となり、施設やサービス提供側に保管される識別情報22dのみで本人確認を行うことが可能となる。また、識別情報22dの削除は、例えば、ホテル等の利用において、利用者のチェックアウトなど、施設やサービス等の利用終了のタイミングで行えばよい。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
また、図1に示した機能ブロック図は、本発明の利用者認証システム1の機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態を制限しない。即ち、図中の機能ブロックに対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、さらには、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
1 利用者認証システム
5 通信ネットワーク
6 外部装置
21 利用者端末
21a 入力部
21b 表示部
22 利用者媒体
22a 行動情報ID
22b 認証手段
22c 認証方法
22d 識別情報
31 受付端末
31a 行動情報ID発行部
31b 認証手段生成部
32 認証装置
32a 利用者媒体検知部
32b 照合情報取得部
32c 認証部
32d 行動管理部
32e 行動情報データベース

Claims (8)

  1. 利用者の行動情報に適した認証手段を用いて認証を行う利用者認証システムであって、
    前記利用者の行動情報を管理する行動管理部と、
    前記利用者の認証手段を有し、前記利用者の行動情報に紐付けられた利用者媒体と、
    当該利用者媒体を検知し、前記利用者の行動情報に適する前記利用者の認証手段を取得する利用者媒体検知部と、
    当該利用者媒体検知部が取得した前記利用者の認証手段で求められる照合情報を前記利用者から取得する照合情報取得部と、
    前記利用者媒体検知部が取得した前記認証手段と、前記照合情報取得部が取得した前記照合情報とを用いて、前記利用者の認証を行う認証部と、
    を有することを特徴とする利用者認証システム。
  2. 前記利用者媒体は、複数の前記利用者の認証手段を有することを特徴とする請求項1に記載の利用者認証システム。
  3. 前記利用者媒体検知部は、前記利用者の行動情報に適する複数の前記利用者の認証手段を取得し、前記照合情報取得部は、前記利用者媒体検知部が取得した複数の前記利用者の認証手段で求められる複数の前記照合情報を前記利用者から取得し、前記認証部は、前記利用者媒体検知部が取得した複数の前記認証手段と、前記照合情報取得部が取得した複数の前記照合情報とを用いて、前記利用者の認証を行うことを特徴とする請求項2に記載の利用者認証システム。
  4. 前記認証手段は、認証方法と識別情報の対で構成され、前記認証部は前記利用者媒体検知部が取得した前記認証手段に含まれる前記識別情報と前記照合情報取得部が取得した前記照合情報を用いて、前記利用者の認証を行うことを特徴とする請求項1に記載の利用者認証システム。
  5. 前記認証手段に含まれる前記識別情報は、前記利用者の生体情報であって、当該生体情報の特徴点情報であることを特徴とする請求項4に記載の利用者認証システム。
  6. 前記利用者媒体は、通信部を有する携帯端末装置であり、通信によって前記利用者媒体検知部に検知されて、前記利用者の行動情報に適する前記利用者の認証手段を通信によって送受信することを特徴とする請求項1に記載の利用者認証システム。
  7. 前記利用者の認証手段は、光学的に読み取り可能な情報として前記利用者媒体に表示されていることを特徴とする請求項1に記載の利用者認証システム。
  8. 前記利用者媒体検知部は、前記利用者媒体を検知した際の周辺の状況を環境情報として取得し、当該取得した環境情報及び前記利用者の行動情報に適する前記利用者の認証手段を取得することを特徴とする請求項1に記載の利用者認証システム。
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