JP2021024261A - 透明導電構造およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ITOに代わる、厚みが薄く、導電性の高い透明導電構造が要望されているが、透明基材に溝を掘って導電性インクを流し込む方法では充填率が上がらず、無電解メッキを使った方法では、金属部分の密度や、厚みが高くならないという課題があった。【解決手段】透明な第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に形成された配線層と、前記配線層上に直接形成された第2の樹脂層を有し、前記配線層は、透明レジストで形成された溝構造と、前記溝構造中に電解メッキで形成された金属部を有し、前記第2の樹脂層側は平面状に形成されていることを特徴とする透明導電構造は、メッキで配線層を形成してから樹脂に転写するので、薄くて導電性の高い透明導電構造を得ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、透明材料中に導電構造を形成した透明導電構造とその製造方法を提供するものである。
透明電極としては、ITOが普及している。しかし、抵抗値をより低くすることを目的として金属メッシュパターンで透明導電構造を形成する提案がなされている。特許文献1では、透明基板に溝を形成し、金属微粒子を分散したインクを溝に流し込み、光焼成することで、極めて細い導電構造を設ける発明が開示されている。
また、特許文献2では、透明基板上にメッキ触媒層を設け、透明レジストで溝構造を形成し、その後無電解メッキで金属層を形成し、その後電解メッキで金属線部を完成させる発明が開示されている。
国際公開第2018/003399号 特開2015−148966号公報
全体が透明で配線の見えない金属メッシュ配線は、タッチパネル以外に、自動車のヒーターや、高周波のアンテナに利用されるが、いずれも見えない(すなわち極細線幅)ので、面抵抗を下げる為に1μm以上の膜厚を要求されることが多い。
特許文献1のように溝構造に金属微粒子を分散した金属インクを流し込むのは、金属インク中の溶剤や有機成分が焼成時にガス化するので、焼結された金属は多孔質になり、溝中での金属成分量を高くすることができない。また、焼結のために基材から高温にさらす必要があり、可撓性を有する樹脂などの基材は使用しにくかった。その結果、所望の抵抗値を得るのは容易ではない。
特許文献2は、無電解メッキする部分は形成するのに時間がかかり、厚みも1μm程度が限界となる。また、無電解メッキ溶液は強いアルカリ性を呈するため、樹脂で形成した溝構造や基板がダメージを受ける可能性もある。
また、溝構造を透明レジストで形成するためには、基板が必要となる。この基板は、製品が完成した後も、残留する。したがって、基板は不要であっても、除去することができない。結果、透明導電構造自体の厚みを薄くするのが困難になる。なお、犠牲層などを設け、熱的、機械的に基板を剥離可能としても、基板は廃棄せざるを得ず、コストおよび工程上不合理な結果となることが多い。
さらに引用文献2の構造中、透明レジストはフォトリソグラフィを用いて形成するため、この透明レジストは、紫外線に最も弱くなる。したがって、製品全体に紫外線除去処理が行われても、透明レジスト部分は経時変化で劣化するという課題があった。
透明導電構造は、例えばタッチパネルを形成する際に、透明電極として利用される。通常は液晶の外側に取り付ける外付けタイプが現在利用されている。しかし、さらに薄いタッチパネルを作製するには、オンセルタイプでも形成可能な薄い透明導電構造が求められる。
すなわち、透明で、全体の厚みが薄く、電気抵抗が低く、耐久性(耐光性)を有する透明電極が要求されている。
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、薄い透明導電構造を提供するものである。
より具体的に本発明に係る透明導電構造は、
透明な第1の樹脂層と、
前記第1の樹脂層上に形成された配線層と、
前記配線層上に直接形成された第2の樹脂層を有し、
前記配線層は、
透明レジストで形成された溝構造と、
前記溝構造中に電解メッキで形成された金属部を有し、
前記第2の樹脂層側は平面状に形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る透明導電構造の製造方法は、
基材上に設けられた剥離性金属層上に透明レジストによる溝構造を形成する工程と、
前記溝構造中に電解メッキで金属部を形成し、前記溝構造と共に配線層を形成する工程と、
前記溝構造と前記配線層上に透明な第1の樹脂層を形成する工程と、
前記剥離性金属層と前記配線層を剥離する工程と、
前記剥離した側の配線層に第2の樹脂層を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明に係る透明導電構造は、透明レジストで形成された溝構造中に充填された金属部で構成された配線層の上下が直接樹脂層(光学糊を含む)で形成される。つまり、配線層を形成するための基板が完成状態で残っていない。そのため、全体の厚みを極めて薄く形成することができる。
また、本発明に係る透明導電構造は、高い熱処理が不要なので、可撓性を有する樹脂材上にも形成することができ、フレキシブルな透明導電構造を得ることができる。
また、本発明に係る透明導電構造は、透明レジストで形成された溝構造中に紫外線吸収剤若しくはラジカル捕捉剤が含まれているので、透明レジストの経時的な劣化を抑制することができる。
本発明に係る透明導電構造の構成を示す図である。 本発明に係る透明導電構造の製造プロセスを示す図である。 本発明に係る透明導電構造の製造プロセスを示す図である。 本発明に係る透明導電構造の製造プロセスを示す図である。 本発明に係る透明導電構造の製造プロセスを示す図である。 電解メッキと無電解メッキの膜特性の違いを示すSEM写真である。 基材部の他のバリエーションを示す図である。 基材部の他のバリエーションを示す図である。 透明導電構造をロール・ツウ・ロールで製造する場合のプロセスを例示する図である。 透明導電構造をロール・ツウ・ロールで製造する場合のプロセスを例示する図である。 透明導電構造を2層構造にする場合の構成例を示す図である。
以下に本発明に係る透明導電構造について図面を示し説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を例示するものであり、本発明は以下の説明に限定されるものではない。以下の説明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
図1(a)に本発明に係る透明導電構造1の構成を示す。透明導電構造1は、第1の樹脂層10と、配線層20と、第2の樹脂層30で構成される。配線層20は、透明レジストで形成された溝構造22と、溝構造22中に形成された金属部24で構成されている。なお、図1(a)は、紙面表側から裏側に配線層20中の金属部24が配線されている状態を示す。透明導電構造1はこのように層構造をなしており、上下の区別はない。しかし、説明のため、第2の樹脂層30から第1の樹脂層10に向かう方向を上方向(若しくは上側)とし、その逆を下方向(若しくは下側)とする。
第1の樹脂層10は、透明な樹脂(光学糊を含む)で構成される。なお、光学糊とは、光学的に均一で、接着性を有する樹脂である。
配線層20において、溝構造22で使用される透明レジストは、透明なレジストが用いられる。配線層20の溝構造22で使用される透明レジストと、第1の樹脂層10が同じ材料であることを排除しない。溝構造22と第1の樹脂層10は形成時期に差があるので、透明レジスト(溝構造22)と第1の樹脂層10が同じ材料であっても、第1の樹脂層10と溝構造22の間には明確な境界面が存在する。
また、透明レジスト中には、紫外線吸収剤若しくはラジカル捕捉剤が添加されてもよい。溝構造22は、フォトリソグラフィ若しくはインプリントを用いて形成される。そのため、感光性材料を含有している場合がある。すると、透明導電構造1の上下に紫外線吸収層を置いたとしても、わずかに漏れる紫外線によって変色を生じるおそれがある。紫外線吸収剤若しくはラジカル捕捉剤の添加は、この紫外線による変色を防止するためである。なお、透明レジストは、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が好適に利用される。また、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィンポリマー系樹脂、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、フッ素系樹脂のうち、透明な状態の樹脂を利用してもよい。
また、第1の樹脂層10および第2の樹脂層30には、要求される透明性を確保したうえで、樹脂以外の材料を含有若しくは分散されていてもよい。すなわち、第1の樹脂層10および第2の樹脂層30にも紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤といった材料や、他の材料が含まれていてもよい。
金属部24は導電性金属が配置される。これは後述するように全体の厚み24tを電解メッキによって作られる部分である。
配線層20の下には第2の樹脂層30が配置される。第2の樹脂層30は、透明であれば、光学糊、保護層とする他の樹脂といった様々な樹脂であってもよい。また、第2の樹脂層30は、配線層20上に直接形成されている。ここで、「直接形成」とはメッキ触媒を含むメッキ触媒層を介すことなく第2の樹脂層30と配線層20が接合されているという主旨である。配線層20の溝構造22に用いられる樹脂(透明レジスト)と第2の樹脂層30で利用される樹脂は同じ種類の樹脂であることを排除しない。しかし、溝構造22と第2の樹脂層30は形成時期に差があるので、第2の樹脂層30と溝構造22の間には明確な境界面が存在する。
本発明に係る透明導電構造1は、配線層20を形成する際に第2の樹脂層30を基材として利用していない。配線層20中の金属部24は、他の基材(剥離性金属層54)上で電解メッキを使用して形成した後、他の基材から剥離してその剥離面に第2の樹脂層30を形成する。したがって、配線層20の上下を光学糊のような樹脂層でも構成することができる。
また、無電解メッキを用いないので、メッキ触媒層等は不要である。さらに、金属部24を電解メッキで形成できるので、金属部24の厚み24tを大きくすることができる。なお、金属部24は、第2の樹脂層30と接触する側が電解メッキで形成されていればよい。つまり、金属部24の50%以上を電気メッキで形成し、残りを無電解メッキで形成してもよい。
配線層20において、溝構造22の厚みを厚み22tとし、金属部24の厚みを厚み24tとすると、溝構造22の厚み22tの方が金属部24の厚み24tより厚い。また、配線層20は第2の樹脂層30と接する側では、溝構造22と金属部24が同一面(面一)で形成されている。したがって、第1の樹脂層10と配線層20との境界では、金属部24が凹んで形成されている。このような構造になっているので、金属部24の幅24w(以後「金属部幅24w」とする。)は、溝構造22の溝幅で規定される。
なお、金属部24の厚み24tが溝構造22の厚み22tより厚くなることはないが、全く同一厚みを排除するものではない。さらに、図1(b)に示すように溝構造22の厚み22tよりも金属部24の厚み24tが厚くなってもよい。透明導電構造1は、電解メッキで形成するため、厚みムラが生じやすいからである。
金属部幅24wは、任意に設定してよい。例えば、金属部24を視認できない程度に細く形成する場合は、金属部幅24wを2〜5μm程度の幅に設定し、金属部24同士の間隔幅22wを10μm以上に設定し、開口率を60%以上とすれば、実質的に透明といえる。
また、金属部24を視認できない程度に細くし、なおかつ導電抵抗をより低くするのであれば、金属部24の厚み24tを金属部幅24wより長く設定してもよい。金属部幅24wを1〜2μmで、金属部24の厚み24tを1〜6μmにすることも可能である。したがって、透明導電構造1の透明性を維持したまま、導電性を高めることができる。
また、金属部24は視認されてもよい場合、または、さらに多くの電流を流したいという場合には、金属部幅24wを100μm乃至数mmで設定してもよい。
<製造方法および透明導電構造の変形例>
次に透明導電構造1の製造方法について説明する。図2(a)を参照して、基材52上には、剥離性金属層54が形成されている。基材52は、樹脂膜であってもよいし、金属膜若しくは金属板であってもよい。また、可撓性を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、樹脂膜上に金属膜を形成したものであってもよい。
剥離性金属層54は、金属と剥離性材料で構成される。例えば、Niメッキ液にテフロン(登録商標)粒子を分散させ、基材52上に無電解メッキで共析させることで得ることができる。また、ニッケルを多孔質に形成したものの孔にテフロン(登録商標)を配置できれば、それ以外の方法でもよい。
また、剥離性金属層54は、導電性と剥離性を兼ね備えていれば、必ずしも金属でなくてもよい。例えば、導電性フィラとテフロン(登録商標)を分散したインクを基材52上に塗って、形成した層であってもよい。このような剥離性金属層54は導電性と剥離性の両機能を有する。
図2(b)を参照して、剥離性金属層54の上に透明レジスト層22aを形成する。透明レジスト層22aには、紫外線吸収剤若しくはラジカル捕捉剤が含有されていてもよい。そして、透明レジスト層22aを、フォトリソグラフィを用いて不要な部分を除去し、溝底22bに剥離性金属層54が露出するように溝構造22を形成する(図2(c))。
なお、透明レジスト層22aに溝構造22を形成するのは、フォトリソグラフィ以外の方法であってもよい。例えば、透明レジスト層22aにスタンパで溝構造22を形成してもよい。スタンパで透明レジスト層22aに溝構造22を形成する場合は、スタンパの後、溝底22bに剥離性金属層54が露出するようにドライエッチング等を行う。また、ドライエッチングだけを用いて溝構造22を形成してもよい。
また、剥離性金属層54上に透明レジストを凹版印刷して溝構造22を設けてもよい。例えば、溝幅(金属部幅24w)が1mm以上であって、それほど高い精度が要求されない場合は、透明レジストを凹版印刷しても所望の形状のものを得ることができる。さらに、スクリーン印刷で形成してもよい。なお、いずれの方法であっても、溝構造22は溝底22bに剥離性金属層54が露出するように形成される。
次に図3を参照する。図3(a)は、図2(c)の続きである。図3(a)を参照して、溝構造22に金属部24を電解メッキで形成する。この時、溝構造22の溝底22b(図2(c)参照)には、剥離性金属層54が露出しているので、電解メッキが可能になる。具体的には、剥離性金属層54に電池80cの負極80bを接続し、電解メッキ液中の陽極80aを電池80cの正極に接続する。このようにすることで陽極80aと陰極80bと同電位の剥離性金属層54の間に電解メッキ液が存在すれば、溝構造22中に電解メッキが可能になる。
金属部24は、導電性の高い材料であればよく、例えば、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、Co、Auといった材料が利用できる。特にCuは、導電性が高く、廉価であるため好適である。特に、剥離性金属層54をニッケルで構成した場合は、銅とテフロン(登録商標)含有ニッケルとの接着性は低いので、後の剥離工程での剥離が容易になり、好ましい。
電解メッキによる金属部24は、溝構造22の厚み22tよりは薄く形成されるのが好ましい。溝構造22の厚み22tより厚くメッキすると、金属部24同士の絶縁が確保できなくなる場合があるからである。金属部24が形成された後、金属部24の表面24fには、防錆材や黒化材といった材料を載せてもよい。溝構造22と金属部24で配線層20が形成される。ただし、金属部24の厚み24tが溝構造22の厚み22tより厚くなることを排除しない。
次に図3(b)を参照して、配線層20上に第1の樹脂層10を形成する。ここでは第1の樹脂層10が接着性を有する光学糊で構成される場合で説明を続ける。しかし、第1の樹脂層10は光学糊に限定されない。
第1の樹脂層10が形成された後、第1の樹脂層10上に被転写材56と接触させる(図3(c))。被転写材56は、腰のある部材であればよい。例えば、透明フィルムが好適に利用できるが、ガラスのような固体であってもよい。また、すでに、液晶などのデバイスが形成されたものであってもよい。
次に図4(a)を参照する。図4(a)は図3(c)の続きである。図4(a)を参照して、基材52と剥離性金属層54で形成される基材部50を、被転写材56、第1の樹脂層10、配線層20から剥離し、第1の樹脂層10および配線層20を被転写材56の下に残す。
図4(b)には、基材52および剥離性金属層54を除去した状態を示す。この状態では、金属部24は直に露出しているので、必ず、保護層に当たるものを配線層20の下に付与する必要がある。図4(c)には、第2の樹脂層30が付与された状態を示している。第2の樹脂層30は、光学糊として、さらに他の基材に接着してもよい。またこのままカバー層を塗布してもよい。以上の工程によって、本発明に係る透明導電構造1が形成される。これらの工程は、枚葉処理で行ってもよいし、ロール・ツウ・ロールで行うこともできる。
なお、被転写材56は透明導電構造1にとっては必須ではない。図5には、被転写材56がない場合の透明導電構造1を示す。図5(a)を参照して、第1の樹脂層10を光学糊よりもタック性の低い樹脂とする。さらに、第1の樹脂層10はより分厚く形成する。第1の樹脂層10で腰を持たせるためである。
第1の樹脂層10が固まったら、基材52と剥離性金属層54を配線層20との境界面で剥離する。そして、第2の樹脂層30として、保護層を形成する。このような構成であれば、第1の樹脂層10が全体としての腰を提供するので、扱いやすい透明導電構造1を得ることができる(図5(b))。
また、透明導電構造1は、図4(b)の時点で、配線層20が完成しているので、配線層20の直上に、メッキ触媒層といった無機物を有する100nm以下の非常に薄い層(以下「メッキ触媒層等」という。)を配置する必要はない。しかし、図4(b)の状態で配線層20上にメッキ触媒層等を形成するのは可能であり、また容易である。
しかし、明らかに配線層20が完成した後に付加されるメッキ触媒層等は、本発明に係る透明導電構造では、不要の層(製造時に利用されたものでなく、完成後に機能するものでもない。)であり、本発明に係る透明導電構造では、本質的でない部分である。たとえば、第2の樹脂層30が光学糊である場合や、金属部24が1μm以上の厚みである場合(無電解メッキでは厚さ1μm以下が実質的に可能な厚さとなる)、銅の粒界が1μm以上と大きい場合など、金属部24が、明らかに電解メッキで形成されている場合は、メッキ触媒層は不要の層と判断できる。
図6には、下地上に無電解メッキと電解メッキを行ったものの、断面SEM写真を示す。図6(a)は、倍率5,000倍であり、図6(b)は、図6(a)の丸部分の拡大(倍率10,000倍)である。下地上の無電解メッキ部分(厚み約0.3μm)とその上の電解メッキ部分は明らかに無電解メッキ部分は粒形が小さく、電解メッキ部分では粒界が1μm以上と大きな粒界になっている。
<基材部の変形例>
図7には、図2の基材部50についての変形例を示す。図7(a)は基材52が樹脂膜の場合である。基材52上にメッキ触媒層60を形成する(図7(b))。メッキ触媒層60はPd、Ni、Pt、Cu等を含む金属物質若しくはこれらを含浸したポリマー部材で好適に形成される。
メッキ触媒層60上には金属層62を無電解メッキで形成する(図7(c))。そして金属層62上に剥離性金属層54を形成する(図7(d))。なお、メッキ触媒層60上に直接剥離性金属層54を形成してもよい。
図8には、基材部50の他の変形例を示す。図8(a)は、基材52は、樹脂膜の場合である。この樹脂膜上に金属層62を直接蒸着またはスパッタで形成する。そして、金属層62上に剥離性金属層54を形成し、基材部50としてもよい。
また、図8(b)を参照して、基材52に直接金属膜を利用する。そして、基材52上に直接剥離性金属層54を形成し、基材部50を形成する。
<製造方法:ロール・ツウ・ロール>
図9および図10には、Roll to Roll(以下「RtoR」と記す。)の製造方法の一例を示す。本発明に係る透明導電構造1は、RtoRでの製造が可能であり、短時間で大量に生産することができる。
図9は基材部50上に透明レジストで溝構造22を作製するまでを示し、図10には、透明導電構造1ができるまでを示す。
図9を参照する。原反78は、基材部50を用いる。基材部50は図7、図8のほか、塗布面に剥離性金属層54が形成されているものであればよい。基材部50は、工程(P100)で透明レジスト層22aが形成される。
次の工程(P102)では、ステージ74上で固定され、マスク72を介して光源76から所定波長の光をあて、露光される。なお、この工程では、長尺状の基材部50が露光の間停止する。したがって、ライン全体を停止させないようにするには、可動式のフリーロール70を用いたバッファライン(ライン長を変化させられる。)を設置するなどすればよい。また、マスク72は露光の度に他の種類のマスク72に交換するようにしてもよい。
次の工程(P104)では、現像が行われる。透明レジストにネガタイプを使った場合は、露光が行われた部分の結合がはずれ、現像すると溶解する。透明レジストがポジタイプであれば、その逆で露光した部分が現像後残る。透明レジスト層22aから所定の箇所が除去されることで溝構造22が形成される。
次の工程(P106)では、リンス液で洗浄し基材部50に溝構造22が形成された原反78が完成する。なお、各工程間で適宜乾燥工程を入れることができる。また、工程(P102)の露光の前に加熱による硬化処理を行ってもよい。
なお、図9では、溝構造22中の金属部24が視認できない程度の細線に構成する場合の例を示したが、金属部24の幅24wがより広く、高い精度が必要とされない場合は、リバース塗工、スクリーン印刷といった公知の方法で基材部50に溝構造22が形成された原反78を作製することができる。
また、透明レジスト層22aを形成した後、マイクロスタンプ(インプリント)で溝を形成し、その後溝構造22の溝底22b(図2(c)参照。)が露出するまでドライエッチング(酸素プラズマ処理)を行うことで原反78を作製することができる。
次に図10を参照する。原反78は、基材部50に必ず金属露出部分を設けることができる。その露出部分に正の電極80aを接触させる。メッキ槽80には、負の電極80bが沈められ、電池80cに接続される。工程(P110)では、メッキ槽80に原反78を通過させる。その結果、溝構造22に金属部24が形成される。溝構造22の溝底22b(図2(c)参照。)は電池80cの正の電極80aと導通し、しかも負の電極80bが沈められたメッキ槽80中に露出しているからである。この工程の結果、配線層20が形成される。
工程(P112)では、第1の樹脂層10を塗布する。ここで第1の樹脂層10は光学糊である。次に工程P114では、予め用意された被転写材56の原反78と、工程(P112)で第1の樹脂層10が形成された状態のものを接触させ、基材部50から第1の樹脂層10と配線層20を被転写材56側に転写する。その結果、被転写材56に第1の樹脂層10と配線層20が一体になったものが、後段の工程に渡される。剥離した基材部50は、そのまま巻き取られる。ここで巻き取られた基材部50は洗浄して再利用できる。
次の工程P116では、第2の樹脂層30を配線層20上に塗布する。第2の樹脂層30が形成されると透明導電構造1が完成する。なお、ここでの第2の樹脂層30は、保護層が考えられる。完成品は、完成ロール82として巻き取られる。
このようにRtoRでは、被転写材56に第1の樹脂層10、配線層20、第2の樹脂層30が層構造になった透明導電構造1を得ることができる。なお、これは透明導電構造1に被転写材56が接合された構造になっている。これを透明導電構造2と呼ぶ。
図11には、RtoRで形成される構造の透明導電構造2を2層張り合わせた状態を例示する。例えば、配線層20の金属部24の配線方向を直交するように張り合わせることで透明タッチセンサのキーデバイスを提供することができる。金属部24が図面表から裏に向かって配線されているものを透明導電構造2とし、金属部24が紙面左右方向に向かって配線されるものを透明導電構造3とする。なお、透明導電構造3は、各層の符号を、被転写材56’、第1の樹脂層10’、配線層20’、第2の樹脂層30’とした。
図11(a)は、透明導電構造2の第2の樹脂層30と透明導電構造3の第2の樹脂層30’を光学糊Gで接合したものである。このような構造では、接合された透明導電構造2、3は、表も裏も被転写材56、56’で形成される。
図11(b)は、透明導電構造2の第2の樹脂層30と透明導電構造3の被転写材56’を光学糊Gで接合したものである。この場合は、接合されたものは、一方の面が被転写材56’であり、他方は第2の樹脂層30となる。
図11(c)では、互いの第2の樹脂層30および30’を共通にしたものである。これは、図10の工程(P114)によって形成された状態(第2の樹脂層30を塗布するまえの状態)の者同士を光学糊Gで接合したものである。光学糊Gは、透明導電構造2にとっても、透明導電構造3にとっても、第2の樹脂層30、30’となっている。
以上のように本発明に係る透明導電構造1は、配線層20を形成する基材52を完成品に残さず、両面とも光学糊Gで構成することができるため、非常に薄く形成することができる。したがって、タッチパネルでは、外付け型はもとより、オンセル型であっても利用可能である。
また、金属部24は電解メッキだけで形成することができ、厚み方向に均一な金属部24を短時間で得ることができる。また、電解メッキで形成するので、線幅は細く、金属部24の厚み24tは厚くすることができ、タッチパネルなどでは消費電力の低減と感度の向上が見込める。
本発明に係る透明導電構造は、タッチパネルだけでなく、アンテナやヒーターとして利用することもできる。
1 透明導電構造
2 透明導電構造
3 透明導電構造
10 第1の樹脂層
20 配線層
22a 透明レジスト層
22 溝構造
22t (溝構造の)厚み
22b (溝構造の)溝底
24 金属部
24t (金属部の)厚み
24w 金属部幅
22w (金属部同士の)間隔幅
24f (金属部の)表面
30 第2の樹脂層
50 基材部
52 基材
54 剥離性金属層
56 被転写材
60 メッキ触媒層
62 金属層
70 フリーロール
72 マスク
74 ステージ
76 光源
78 原反
80 メッキ槽
80a 正の電極
80b 負の電極
80c 電池
82 完成ロール

Claims (9)

  1. 透明な第1の樹脂層と、
    前記第1の樹脂層上に形成された配線層と、
    前記配線層上に直接形成された第2の樹脂層を有し、
    前記配線層は、
    透明レジストで形成された溝構造と、
    前記溝構造中に電解メッキで形成された金属部を有し、
    前記第2の樹脂層側は平面状に形成されていることを特徴とする透明導電構造。
  2. 前記第1の樹脂層は、光学糊であることを特徴とする請求項1に記載された透明導電構造。
  3. 前記第2の樹脂層は、透明であることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載された透明導電構造。
  4. 前記第2の樹脂層は、光学糊であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載された透明導電構造。
  5. 前記透明レジストには、紫外線吸収剤若しくはラジカル捕捉剤の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一の請求項に記載された透明導電構造。
  6. 前記溝構造の厚みは、前記金属部の厚み以上であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一の請求項に記載された透明導電構造。
  7. 基材上に設けられた剥離性金属層上に透明レジストによる溝構造を形成する工程と、
    前記溝構造中に電解メッキで金属部を形成し、前記溝構造と共に配線層を形成する工程と、
    前記溝構造と前記配線層上に透明な第1の樹脂層を形成する工程と、
    前記剥離性金属層と前記配線層を剥離する工程と、
    前記剥離した側の配線層に第2の樹脂層を形成する工程を有することを特徴とする透明導電構造の製造方法。
  8. 前記溝構造を形成する工程は、
    前記剥離性金属層上に形成された透明レジスト層をフォトリソグラフィを用いて前記剥離性金属層が前記溝構造の溝底に露出するように前記溝構造を形成する工程であることを特徴とする請求項7に記載された透明導電構造の製造方法。
  9. 前記溝構造を形成する工程は、
    前記剥離性金属層上に形成された透明レジスト層にインプリントで溝構造を形成し、前記剥離性金属層が前記溝構造の溝底に露出するまで、前記溝底を削る工程であることを特徴とする請求項7に記載された透明導電構造の製造方法。
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