JP2017045279A - 透明電極フィルムおよび表示デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】外部から見え難くしつつ、低抵抗化するという両立を図れる透明電極フィルムを提供する。
【解決手段】透明フィルム基材面に積層体を備える透明電極フィルム20では、積層体は、開口パターンHPNを有する金属パターン電極層10と、金属パターン電極層10および透明フィルム基材を覆う透明導電層とを含み、開口パターンHPNは、主電極線10Mを並べる主電極線群と、補助電極線10Sを並べる補助電極線群とで形成され、主電極線10Mの線幅MWは、補助電極線10Sの線幅SWに比べて2倍以上200倍以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明電極フィルムおよび表示デバイスに関する。
フラットパネルディスプレイ、タッチパネル、またはディスプレイ・サイネージのような表示デバイスでは、受光側に電極層を有する透明電極フィルムを搭載する。このような透明電極フィルムは、昨今の表示デバイスの大面積化に伴い、透過率を落とすことなく、低抵抗化を求められる。特に、電気化学反応により表示を行う電気化学表示素子は、液晶ディスプレイに比べ、電気抵抗を一桁以上低減させることが必要とされ、とりわけ低抵抗の透明電極フィルムが求められる。
しかしながら、Indium Tin Oxide(以下、ITO)のような透明導電層の場合、材料固有の抵抗率の限界から、高い透過率を維持しながら電気抵抗を低減させることは難しい。そこで、例えば特許文献1に記載のように、透明導電層だけでなく、導電率の高い金属薄膜をメッシュ状にした金属パターン電極層を積層させた透明電極フィルムが開発されている。
特開2011−096975号公報
しかしながら、特許文献1に記載のメッシュ状にパターン化された金属パターン電極層であると、パターン片の線幅が一律の幅である。そのために、この金属パターン電極層を外部から目立たないようにすべく、パターン片の線幅が細くなると、透明電極フィルムの低抵抗化が困難になる。一方で、低抵抗化のためにパターン片の線幅が太くなると、外部からの視認性が高まる上、金属電極線の無い部分に比べて、極めて低抵抗ゆえに、電流集中がおき、そのパターン片が劣化してしまう。
つまり、このような金属パターン電極層を備える透明電極フィルムの場合、外部から見え難くしつつ低抵抗化するという両立が難しい。また、パターン片の線幅を一律ではなく、パターン片の配置方向毎に単純に変えたとしても、前述の両立は、極めて困難である。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、外部から見え難くしつつ低抵抗化するという両立を図れる透明電極フィルムを提供することにある。
透明フィルム基材の面に、積層体を備える透明電極フィルムでは、その積層体は、開口パターンを有する金属パターン電極層と、金属パターン電極層および透明フィルム基材を覆う透明導電層と、を含む。そして、開口パターンは、主電極線を並べる主電極線群と、主電極線同士の間に亘る補助電極線を並べる補助電極線群とで形成され、主電極線の線幅は、補助電極線の線幅に比べて、2倍以上200倍以下である。
本発明の透明電極フィルムは、外部から見え難くしつつ低抵抗化するということをバランス良く達成する。
は、透明電極フィルムの平面図である。 は、図1のA−A’線矢視断面図である。 は、透明電極フィルムの平面図である。 は、透明電極フィルムの平面図である。 は、図1の透明電極フィルムの製造に使用されるフォトマスクの平面図である。 は、図3の透明電極フィルムの製造に使用されるフォトマスクの平面図である。 は、図4の透明電極フィルムの製造に使用されるフォトマスクの平面図である。 は、透明電極フィルムの製造工程を示す断面図である。 は、比較例1の透明電極フィルムの製造に使用されるフォトマスクの平面図である。 は、比較例2の透明電極フィルムの製造に使用されるフォトマスクの平面図である。
本発明の一実施形態について説明する。図1は透明電極フィルム20の平面図である。図2は図1のA−A’線矢視断面図である。図3は図1の別例を示す平面図、図4は図1および図3の別例を示す平面図である。また、図5、図6、および図7は、透明電極フィルム20における金属パターン電極層10の形成(パターニング)に要したフォトマスク43を図示しており、図1、図3、および図4の透明電極フィルム20に対応する。
なお、図5、図6、または図7のようなフォトマスク43でパターニングされた金属パターン電極層10のパターンタイプを、直交タイプ(図5)、斜め一方向タイプ(図6)、斜め2方向タイプ(図7)と称する。また、フォトマスク43にて、後述の主電極線10Mの線幅MW・間隔MP、補助電極線10Sの線幅SW・間隔SPに対応する部分には、(’)マーク付きの部材記号を付す。
[透明電極フィルムについて]
図1および図2に示されるように、透明電極フィルム20は、透明フィルム基材24に対して複数の層を積み重ねる。そこで、この積み重なっていく方向に従う側を上層側、これに対する逆方向側を下層側とする(なお、この積み重なる方向を積層方向とする)。
そして、積み重ねられる層としては、薄膜下地層13、第1金属層11、および第2金属層12で形成される金属パターン電極層10と、透明導電層25とが含まれる。
なお、以下では、金属パターン電極層10に薄膜下地層13が含有される例で説明するが、この薄膜下地層13が省略され、透明フィルム基材24に、直接、第1金属層11、その上に第2金属層12が積層されてもよい。また、薄膜下地層13を除いた部分は、二層構造(第1金属層11および第2金属層12)に限定されるものではなく、単層でも三層以上の複層構造でも構わない。
<透明フィルム基材について>
透明フィルム基材24は、少なくとも可視光領域(波長400nm以上700nm以下)で無色透明であり、透明導電層25を結晶化させるための加熱温度(アニール温度)に対する耐熱性を有しているフィルムであれば、その材料は特に限定されない。なお、本願明細書では、透明とは、可視光領域において、少なくとも透過率70%以上を有することを意味する。
透明フィルム基材24の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフテレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース系樹脂、または、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。これらの中でも、安価で透明性に優れる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、透明フィルム基材24は、無延伸フィルムでも延伸フィルムでもよい。例えば、PET等のポリエステルフィルムは、二軸延伸により分子を配向させることで、ヤング率等の機械的特性が向上するとともに、耐熱性が向上する。
なお、一般に、延伸フィルムは、延伸による歪が分子鎖に残留するため、加熱された場合に熱収縮する性質を有する。このような熱収縮を低減させるために、延伸の条件調整または延伸後の加熱によって応力を緩和し、熱収縮率を0.2%程度またはそれ以下に低減させる上で、熱収縮開始温度を高めた二軸延伸フィルム(低熱収縮フィルム)を用いてもよい。
また、透明フィルム基材24の厚みは、特に限定されないが、10μm以上400μm以下が好ましく、12μm以上200μm以下がより好ましく、15μm以上190μm以下がよりさらに好ましい。透明フィルム基材24の厚みが前記の範囲であれば、透明フィルム基材24が耐久性と適度な柔軟性とを有し得るため、ロール・トゥ・ロール方式により、透明フィルム基材24上に、種々の層が、生産性高く製膜される。
なお、光学特性を向上させるため、透明フィルム基材24上に、光学調整層等を形成してもよい。例えば、屈折率の異なる層を透明フィルム基材24上に積層させることにより、透明電極フィルム20は、反射率を低減させたり、透過光および反射光の干渉を利用して特定波長の光を透過または反射させたりする。なお、透明電極フィルム20としての光学特性の観点からは、透明フィルム基材24の透過率は、85%以上であることが好ましく、90%以上であるとより好ましい。
また、透明フィルム基材24の製膜面の凹凸に起因する電流の伝送損失を防ぐために、かかる製膜面の10点平均粗さ(Rz)は、200nm未満であると好ましい。なお、180nm以下、150nm以下、120nm以下、100nm以下、80nm以下、60nm以下、40nm以下、と極力小さな値であるほど好ましい。
また、透明フィルム基材24は、片面または両面に、ハードコート層等の機能性層を製膜しても構わない。例えば、密着性を向上させるために、透明フィルム基材24上に易接着層が積層されても構わない。
なお、透明フィルム基材24に適度な耐久性と柔軟性とを持たせるためには、ハードコート層等の機能性層の厚みは、0.5μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上8μm以下がより好ましく、2μm以上8μm以下がよりさらに好ましい。
また、ハードコート層の材料は特に制限されず、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、または、シリコーン系樹脂等を、塗布・硬化させたものを用いて構わない。また、透明誘電体層であるハードコート層の場合、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、若しくは酸化アルミニウム等の酸化物を主成分とする材料、または、フッ化カルシウム、若しくはフッ化マグネシウムを主成分とする材料を、塗布・硬化させたものを用いて構わない。
また、ハードコート層の製法も特に限定されず、スピンコート法、ロールコート法、スプレー塗布、またはディッピング塗布等により塗布した後、紫外線または加熱により硬化させて形成するウェットコーティングであってもよいし、その他の製法でもよい。ただし、数マイクロオーダーの膜を形成することができる点から、ウェットコーティングが好ましい。
なお、透明フィルム基材24上に金属パターン電極層10を積層する前に、この透明フィルム基材24に対して加熱処理をすると好ましい。
このような加熱処理を行うと、主に2つの効果が生じる。1つの効果としては、この加熱処理によって、透明フィルム基材24は金属パターン電極層10を積層する前に一度収縮するので、透明導電層25の製膜後にその透明導電層25を結晶化させるためのアニールを行う場合、透明フィルム基材24に対する金属パターン電極層10のパターンの位置ずれが抑制される(このような効果を奏じさせるための加熱処理を、低熱収縮処理と称することがある)。
もう1つの効果として、透明フィルム基材24に対する脱ガス、すなわち、透明フィルム基材24に含有される水分が除去される。そのため、透明フィルム基材24に水分が含有している場合に起因する透明導電層25の不具合(抵抗の増加等)が抑制される。
なお、この加熱処理の方法は、特に限定はない。例えば、透明フィルム基材24が加熱器内で加熱されてもよいし、このような加熱器ではなく、スパッタ製膜装置の基材準備室内にて加熱されてもよい。
そして、この加熱温度は、透明フィルム基材24の脱ガス性および耐熱性を良好にする観点から、透明フィルム基材24の表面の温度が70℃以上160℃以下となるように設定されると好ましく、70℃以上155℃以下がより好ましく、82℃以上120℃以下がよりさらに好ましい。なお、加熱処理に使用される加熱部の温度は、透明フィルム基材24を前記の温度範囲に設定すべく、150℃以上500℃以下が好ましく、180℃以上400℃以下がより好ましく、200℃以上380℃以下がよりさらに好ましい。
ここで、具体的な加熱処理として、スパッタ製膜装置に導入された透明フィルム基材24が、基材準備室内で加熱処理される一例を説明する。この加熱処理では、処理開始前の段階において、透明フィルム基材24の脱ガス性を良好にする観点から、基材準備室内の圧力が一旦0.01Pa以下に減圧されると好ましい。そして、加熱処理開始した後、すなわち加熱処理中の基材準備室内の圧力は、透明フィルム基材24の脱ガス性を良好にする観点から、1.5Pa以下であると好ましく、1.0Pa以下であるとより好ましく、0.8Pa以下(例えば、5×10−4Pa)であるとよりさらに好ましい。
加熱部としては、例えば、電熱ヒーターまたは赤外線ヒーター等が用いられ、その温度は、150℃以上550℃以下だと好ましく、180℃以上500℃以下だとより好ましく、200℃以上480℃以下だとよりさらに好ましい。そして、加熱部がこのような温度範囲であると、透明フィルム基材24の表面の温度が、前記したような温度範囲に調整される。なお、透明フィルム基材24の表面温度は、透明フィルム基材24の表面に、サーモラベルまたは熱電対を貼り付けて測定される。また、加熱時間は0.1秒以上600秒以下だと好ましく、0.5秒以上300秒以下だとより好ましく、1秒以上180秒以下だとよりさらに好ましい。
なお、加熱部と透明フィルム基材24とは非接触状態である。このようになっていると、接触状態とは違い、加熱部を透明フィルム基材24に接触させることなく加熱するため、かかる透明フィルム基材24は、傷むこと無く、全体的に熱を伝達される。そのため、透明フィルム基材24は、短時間でありながら、適切に加熱される。その結果、前記した効果が、短時間で得られるだけでなく、分子量18および28のガスの低減も短時間で可能となる。なお、分子量18は、水または一酸化炭素を示すものであり、分子量28は、窒素を示すものである。
また、透明フィルム基材24が、ロール・トゥ・ロール方式の採用によって、搬送されることを考慮すると、透明フィルム基材24の加熱処理後の収縮率は、150℃30分の加熱試験において、透明フィルム基材24の流れ方向(以下、MD:Machine Direction)で0.4%以下、より好ましくは0.3%以下であるとともに、透明フィルム基材24の流れ方向と垂直な方向(以下、TD:Transverse Direction)で0.2%以下であると好ましい。
また、透明フィルム基材24に対する金属パターン電極層10、特に透明フィルム基材24に直接接触する薄膜下地層13の密着性を向上させるために、適宜、透明フィルム基材24に対してプラズマ処理(ボンバード処理)等の前処理を行ってもよい。
<金属パターン電極層について>
金属パターン電極層10は、薄膜下地層13と、金属層(第1金属層11および第2金属層12)とを含む層で、透明電極フィルム20の導電性を担う層の1つである。そして、この金属パターン電極層10は、パターニングされた層で、透明フィルム基材24上に積層される。
なお、線幅が非常に細いメッシュ状等にパターニングされることで、金属パターン電極層10は、外部から視認され難い構造になっていることから、視認上、透明ともいえる。また、金属パターン電極層10と透明導電層25とを電極層15と称することもある。
≪薄膜下地層≫
薄膜下地層13は、透明フィルム基材24に対する金属パターン電極層10の密着度合いを高めるための下地となるものである。そのため、薄膜下地層13は、透明フィルム基材24に積層され、その上には、第1金属層11等が積層する。
この薄膜下地層13は、ニッケル(Ni)および銅(Cu)、または、その酸化物を主成分とする。この主成分とは、主成分となる材料が膜成分(層成分)の90%以上を占めることを意味する。そして、残り10%の範囲では(副成分としては)、銀、タングステン、チタン、またはクロム等の金属が含有されていてもよい。
また、薄膜下地層13の製膜方法は規定されないが、スパッタリングだと好ましい。なお、スパッタリングで、例えばNi−Cu合金をターゲットとして用いる場合、その組成比は、特に限定されるものではない。しかしながら、Ni:Cu=80重量%〜20重量%:20重量%〜80重量%の範囲であると好ましく、Ni−Cu合金としての純度は99.99重量%以上であると好ましい。
また、ターゲットであるNi−Cu合金の組成比が適宜選択されると(Ni−Cu−O)化合物中のNiとCuとの組成比が決定されることになる。また、酸素ガスの供給量が調整されることで、(Ni−Cu−O)化合物中の酸素の含有量も調整されることになる。なお、ターゲットはNi−Cu合金に限定されず、Ni−Cu−Xであり、Xは任意の1種または2種以上の元素である、例えば3元系合金、4元系合金など、NiとCuとを含む多元系物質を用いても構わない。
なお、薄膜下地層13の材料が、例えばニッケル銅であると、薄膜下地層13上に積層される第1金属層11および第2金属層12が銅であれば、パターニングの場合に、例えば塩化鉄水溶液による1液で複層13・11・12がエッチングされ、工数削減が達成される。その上、複層10・11・12のエッチングレートも近くなって好ましい。
また、薄膜下地層13の膜厚は、2nm以上20nm以下であると好ましい。膜厚が下限を下回ると、面内に均一で連続的な膜を製膜することが困難である。一方、膜厚が上限を上回ると、薄膜下地層13のエッチング等に時間がかかり、パターン精度低下の一因となり好ましくない。しかしながら、前記の範囲であれば、そのような不具合が抑制される。
≪第1金属層≫
第1金属層11は、薄膜下地層13上に積層される層で、金属パターン電極層10において、主に導電性を担う層である。
第1金属層11は銅、銀、若しくは金を主成分とする。この主成分とは、主成分となる材料が膜成分の90%以上を占めることを意味する。残り10%の範囲では(副成分としては)、耐腐食性向上等の特性を向上させるため、その他の金属またはドープ物質が含有されていてもよい。
第1金属層11の製膜方法は規定されないが、無電解めっき、電解めっき、または、スパッタリングが挙げられる。この中でも、スパッタリングは、スパッタ製膜装置の製膜電流で膜厚を容易に調整できるため好ましい。なお、スパッタリングで、例えば銅(Cu)をターゲットとして用いる場合、純度は99.99重量%以上であると好ましい。
また、第1金属層11の膜厚は、30nm以上1000nm以下だと好ましく、50nm以上300nm以下だとより好ましく、80nm以上200nm以下であるとよりさらに好ましい。膜厚が30nmを下回ると、金属パターン電極層10としての抵抗が十分に低くならないだけでなく、めっき法等にて第2金属層12を製膜する場合のシード層としての役割も果たせない。一方、膜厚が1000nmを上回ると、製膜時間に長時間を要することになり、生産性の観点から好ましくない。しかしながら、前記の範囲であれば、そのような不具合が抑制される。
≪第2金属層≫
第2金属層12は、第1金属層11上に積層される層で、さらなる低抵抗化を図るための層である。
第2金属層12は、第1金属層11と、同様の材料を主成分・副成分としていれば好ましい。また、第2金属層12の製膜方法も、第1金属層11同様に、特に限定されないが、生産性の観点から、無電解めっき、電解めっきが好ましく、特に電解めっき(例えば、硫酸銅水溶液を用いた電解めっき)が好ましい。
また、第2金属層12膜厚は、300nm以上3000nm以下だと好ましく、400nm以上3000nm以下だとより好ましく、500nm以上2400nm以下だとよりさらに好ましい。
膜厚が300nmを下回ると、第1金属層11同様に、金属パターン電極層10としての抵抗が十分に低くならないだけでなく、第2金属層12の膜厚分布を均一にし難い。一方で、膜厚が3000nmを上回ると、第1金属層11同様の生産性の観点だけでなく、パターン化にて、パターン精度の低下の一因となり好ましくない。しかしながら、前記の範囲であれば、そのような不具合は抑制される。
なお、第1金属層11および第2金属層12の総膜厚は、200nm以上4000nm以下であると好ましく、200nm以上3000nm以下だとより好ましい。このような範囲であれば、補助電極の細線化が可能であり、かつ、生産性を大きく低下させることがないため、低抵抗と視認性の両方を満たすことが可能となる。
<透明導電層について>
透明導電層25は、金属パターン電極層10とともに、透明電極フィルム20の導電性を担う層である。そして、このような導電性を担うためには、透明導電層25単体としての表面抵抗の値は、1Ω/□以上50Ω/□以下であると好ましく、透明性までも担保すべく、屈折率は、透明導電層25単体として、1.75以上2.50以下であると好ましい。なお、この透明導電層25は、単層であっても複層であっても構わない。
透明導電層25は、導電性酸化物を主成分とする。この主成分とは、主成分となる材料が膜成分の90%以上を占めることを意味する。残り10%の範囲では(副成分としては)、透過率向上または導電性向上等のため、その他の金属またはドープ物質が含有されていてもよい。
主成分となる導電性酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化インジウム、または酸化錫が挙げられるだけでなく、これらの複合酸化物が挙げられる。これらの中でも、導電性、光学特性、または長期信頼性の観点から、インジウム系酸化物が好ましい。
副成分(添加物)としては、例えばドープ不純物の場合、錫、亜鉛、モリブデン、チタン、タングステン、ジルコニウム、またはセリウム等が挙げられる。これらの中でも、主成分を酸化インジウムとする場合、透過率または導電性の観点から、酸化錫が好ましい。すなわち、透明導電層25は、酸化インジウム錫(ITO)を主成分とするとより好ましい。
なお、透明導電層25中のドープ不純物の含有量は、3重量%以上15重量%以下であると好ましく、3重量%以上12重量%以下であるとより好ましく、3重量%以上10重量%以下であるとよりさらに好ましい。ドープ不純物の含有量(例えば錫)が、3重量%を下回ると導電性が低下する。一方、15重量%を上回るとアニールによる透明導電層25の結晶化率が低下したり、耐久性が低下したりする。しかしながら、前記の範囲であれば、このような不具合は抑制されるだけでなく、透明導電層25の透明性も担保される。
また、透明導電層25の膜厚は、例えば酸化インジウム錫が材料の場合、30nm以上300nm以下であると好ましい。この範囲の中でも、導電性の観点から50nm以上がより好ましく、70nm以上がよりさらに好ましい。また、透明性・色味の観点から200nm以下がより好ましく、150nm以下がよりさらに好ましい。
なお、透明導電層25の形成方法としては、均一な薄膜が形成される方法であれば特に限定されない。例えば、スパッタリング若しくは蒸着等のPVD(Physical Vapor Deposition)法、または、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等のドライコーティングが挙げられるだけでなく、透明導電層25の原料を含む溶液を用いたスピンコート法、ロールコート法、スプレー塗布、または、ディッピング塗布等が挙げられる。この中でも、ナノメートルレベルの薄膜を形成しやすいという観点から、ドライコーティングが好ましい。
なお、スパッタリングによって、透明導電層25が製膜される場合、使用ガスとしては、アルゴンのような不活性ガスを主成分とするものが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、アルゴンのような不活性ガス単独で用いてもよいし、2種類以上の混合ガスを用いてもよい。
この中でも、低抵抗化の観点から、アルゴンと酸素との混合ガスがより好ましい。この場合、酸素が0.1体積%以上15.0体積%以下であると好ましく、1.0体積%以上10.0体積%以下であるとより好ましい。この範囲の酸素を含む混合ガスであれば、透明導電層25の透明性または導電性を向上させられる。なお、使用するガスとしてアルゴンと酸素との混合ガスを用いた場合、透明導電層25の機能を損なわない限り、その他のガスが含有されていても構わない。
[透明電極フィルムの製造方法について]
ここで、透明電極フィルム20の製造方法について説明する。
<透明フィルム基材準備工程>
まず、透明フィルム基材24を用意する。この透明フィルム基材24は、前述したように、事前に加熱処理されているとよい。以下では、ロール・トゥ・ロール方式の製造工程におけるスパッタリング装置のチャンバーにて、透明フィルム基材24が事前に加熱処理されたものとして説明する。
<薄膜下地層製膜工程>
次に、薄膜下地層13を透明フィルム基材24の面上に製膜する。なお、透明フィルム基材24の対する加熱処理の前に、事前に薄膜下地層13の基となるターゲット(例えば、Ni−Cu合金)をチャンバー内にセットしておく。そして、透明フィルム基材24の対する加熱処理においてチャンバー内の真空引きが十分であることを確認し、かかるチャンバー内に、アルゴン−酸素の混合ガス(純度99.8%以上が好ましい)を供給する。アルゴン:酸素の比率は、例えば、製膜電流密度またはターゲットのNi−Cuの組成比によって適切に設定される。
また、チャンバー内の圧力は、薄膜下地層13の均一性、積層速度、または、(Ni−Cu−O)化合物の含有酸素量に大きく影響するので、圧力も適切に設定される。例えば、0.05Pa以上0.6Pa以下であると好ましく、0.10Pa以上0.35Pa以下であるとより好ましい。
<第1金属層製膜工程>
次に、第1金属層11を薄膜下地層13の面上に製膜する。薄膜下地層13の製膜の場合における真空状態を維持したまま、第1金属層11も製膜されると好ましい。これは、真空状態を維持することで、薄膜下地層13の表面の酸化を抑制するためである。なお、好ましくは、薄膜下地層13とは別のチャンバーで連続製膜するとよい。
そして、使用されるチャンバーには、第1金属層11の基となるターゲット(例えば、Cu)をセットしておく。その後、チャンバー内には、アルゴンガス(純度99.8%以上が好ましい)を供給する。なお、チャンバー内の圧力は、第1金属層11の均一性に大きく影響するので、圧力も適切に設定される。例えば、薄膜下地層13の製膜同様に、好ましくは0.05Pa以上0.6Pa以下、より好ましくは0.10Pa以上0.35Pa以下であるとよい。
<第2金属層製膜工程>
次に、第2金属層12を第1金属層11の面上に製膜する。この第2金属層12は、第1金属層11をシード層として利用できることから、めっき法により製膜される。そのため、薄膜下地層13および第1金属層11を積層させた透明フィルム基材24は、真空状態のチャンバーから一旦外部に取り出された後、別個のめっき装置、例えば電解めっき装置において、第1金属層11の面上に、第2金属層12を製膜される。
なお、第2金属層12の積層後、適宜、防錆または防食のために、第2金属層12上に防食層を製膜させたり、第2金属層12そのものに対して防錆処理または防食処理を行ったりしても構わない。
<パターニング工程>
以上の工程を経ると、図8Aに示されるように、透明フィルム基材24上には、薄膜下地層13、第1金属層11、および第2金属層12が、積層される(なお、パターニング前の層にも、パターニング後の部材番号を用いる)。そこで、図8Bに示されるように、マスクパターン33を、最上層の第2金属層12上に形成する。
このマスクパターン33の形成方法は、特に限定されないが、例えばフォトリソグラフィー法が挙げられる。この方法では、まず、第2金属層12上に、フォトレジスト材料を塗布させて、フォトマスクをセットした状態で露光し、レジストを除去したい部分に露光する。その後、現像することで、マスクパターン(レジストパターン)33が形成される。なお、マスクパターン33の模様、マスクパターン片の線幅、およびマスクパターン片の間隔は、適宜設定される。
次に、エッチング液を用いて、薄膜下地層13、第1金属層11、および第2金属層12をパターニングして、金属パターン電極層10を形成する。すなわち、マスクパターン33の非形成領域の複層13・11・12がエッチング液により除去される。そして、マスクパターン33が剥離液によって除去されると、図8Cに示されるように、パターニングされた金属パターン電極層10が生じる。
<透明導電層製膜工程>
その後、図8Dに示されるように、スパッタリングによって、透明導電層25が製膜されることで、透明電極フィルム20が完成する。
なお、この透明導電層25は、加熱処理(アニール)によって結晶化させ、透明電極フィルム20の低抵抗化を図ってもよい。このようなアニールの方法は、特に限定されないが、赤外線ヒーターによる加熱または熱風乾燥炉に加熱対象物を導入することによって、透明電極フィルム20の製造において、ロール・トゥ・ロール方式を採用できるようにすれば好ましい。
また、透明フィルム基材24の収縮に起因する、その透明フィルム基材24に対する金属パターン電極層10のパターンの位置ずれを抑制するために、結晶化のためのアニールは、低熱収縮処理よりも低い温度で加熱すると好ましい。
[透明電極フィルムの構造および用途]
<透明電極フィルムの構造>
以上のような透明電極フィルム20は、透明フィルム基材24の面に、積層体LYを備える。この積層体LYは、図2に示されるように、金属パターン電極層10と、この金属パターン電極層11および透明フィルム基材24を覆う透明導電層25と、を含む。詳説すると、積層体LYには、面内分布において、透明導電層25のみの部分と、薄膜下地層13、第1金属層11、第2金属層12、および透明導電層25を積層させた部分とが存在する。
透明導電層25のみの部分は、薄膜下地層13、第1金属層11、および第2金属層12がパターニングによって、透明フィルム基材24から消失して生じた凹部分(開口部10H)に塗布された透明導電層25といえる。一方、透明フィルム基材24上に残った薄膜下地層13、第1金属層11、および第2金属層12は、透明フィルム基材24の面に対する凸部分である。
すなわち、積層体LYは、開口パターン(開口部10Hで模様を形成されたパターン)HPNを有する金属パターン電極層10と透明導電層25と、を含み、金属パターン電極層10における金属部分だけでなく、開口部10Hの内部にも、透明導電層25が積層する。そして、このような構造の透明電極フィルム20であると、低抵抗であり、かつ、電流集中も起こらない。
なお、この開口パターンHPNにおいて、パターン片は均一ではない。そこで太いパターン片を主電極線10M、細いパターン片を補助電極線10Sとする。すると、図1〜図4に示されるような金属パターン電極層10の開口パターンHPNは、主電極線10Mを並べる主電極線群と、主電極線10M同士の間に亘る補助電極線10Sを並べる補助電極線群とで形成される。
<式Aについて>
ただし、主電極線10Mの線幅MWは、補助電極線10Sの線幅SWに比べて、2倍以上200倍以下である(2≦線幅MW/線幅SW≦200…式A)。
詳説すると、補助電極線10Sの線幅SWは、1μm以上5μm以下である。そして、主電極線10Mの線幅MWは、2μm以上1000μm以下であると好ましく、10μm以上500μm以下であるとより好ましく、20μm以上400μm以下であるとよりさらに好ましく、50μm以上300μm以下であると一層好ましい。
補助電極線10Sは、前記の線幅SWの範囲であると、外部から視認され難い。しかし、この補助電極線10Sばかりで形成された金属パターン電極層10で、透明電極フィルム20の導電性または低抵抗化を担保させようとすると、補助電極線10Sの間隔SPが狭くなりすぎて外部から視認されてしまう。そこで、透明電極フィルム20の導電性または低抵抗化の担保のために、補助電極線10Sよりも線太の主電極線10Mを用いる。
この主電極線10Mの線幅MWは、前述の通り、補助電極線10Sの線幅SWに比べて、2倍以上200倍以下である。
主電極線10Mの線幅MWが下限の2倍を下回る場合、導電性または低抵抗化の担保ができない上、主電極線10Mの本数が増加することで、外部視認性が低下する。一方で、主電極線10Mの線幅MWが上限の200倍を上回ると、主電極線10Mに電流集中が起きてしまい、透明電極フィルム20全体としての導電性分布が低下する。しかしながら、前記の範囲であれば、このような不具合は抑制される。すなわち、外部からの見え難くしつつ低抵抗化するという両立を図れた透明電極フィルム20となる。
なお、前記の範囲であっても、開口パターンHPNにおける枠部分の主電極線10Mの線幅MWは、枠内の主電極線10Mの線幅MWと異なっていてもよい。例えば、開口パターンのHPNにおける枠部分の主電極線10Mの線幅MWは、枠内の主電極線10Mの線幅MWよりも大きいほうが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、開口パターンHPNにおける枠部分の主電極線10Mの線幅MWは、枠内の主電極線10Mの線幅MWと同程度であってもよい。
<式Bについて>
また、主電極線10Mの間隔MPは、補助電極線10Sの間隔SPに比べて、0.01倍以上60倍以下であると好ましい(0.01≦間隔MP/間隔SP≦60…式B)。
詳説すると、補助電極線10Sの間隔SPは、50μm以上5000μm以下である。そして、主電極線10Mの間隔MPは、50μm以上3000μm以下であると好ましく、100μm以上1000μm以下であるより好ましい。
主電極線10Mの間隔MPが下限を下回ると主金属線10Mに電流集中が起こりやすくなる一方、上限を上回ると透明導電フィルム20の抵抗が高くなる、または、透過率が低下する。しかしながら、前記の範囲であれば、このような不具合は抑制される。
<式Cについて>
なお、開口パターンHPNは、透明電極フィルム20としての抵抗率、抵抗値、または、透過率等によって適宜決定されるが、下記のいくつかの式を満たすように設計されると好ましい。
以下の式Cは、主電極線10Mの間隔MPの領域における抵抗の計算値で、その計算値は特定の範囲にあるように設計される。
0.1≦1/{(1/a)+(1/b)}≦10.0 …式C
なお、
a:主電極線10Mの間隔MPの領域における補助電極線10Sのシート
抵抗値
b:透明導電層25のシート抵抗値
である。
この式Cを、一例を用いて詳説すると、以下の通りである。まず、主電極線10Mの間隔MPの領域における補助電極線10Sのシート抵抗値は、下記の3条件の下で算出する。
1.補助電極線10Sと透明導電層25とは、並列回路とする。
2.補助電極線10Sの抵抗値は、対象とする面積に均一膜厚の導電性膜(ベタ膜
)を積層させていると仮定したときの平均の膜厚と補助電極線10Sの抵抗率
とから算出する。
3.薄膜下地層は、導電性への寄与が低いため、金属パターン電極層の膜厚に加味
しない。
≪a:主電極線10Mの間隔MPの領域における補助金属線10Sのシート抵抗値の算出例≫
・対象とする面積(主電極線10Mの間隔MPの領域における面積)
:主電極線10Mの全長ML×主電極線10Mの線幅MW
・補助電極線10Sの本数
:主電極線10Mの全長ML/{補助電極線10Sの間隔SP/sin(θ)}×
調整値
なお、θは、主電極線10Mと補助電極線10Sとの成す確度のうち最
小角度である。(0°<θ≦90°)
また、調整値とは、補助電極線10Sの本数の算出を容易にするための
値で、例えば図4に示される主電極線10Mの間隔MPの領域における補
助電極線10Sの本数は、図3に示される主電極線10Mの間隔MPの領
域における補助電極線10Sの本数の2倍のため、「2」が調整値とな
る。すなわち、補助電極線10Sのパターンに応じて、種々設定される数
値が調整値である。なお、調整値の設定が困難な場合、手動等の別手段で
、で、補助電極線10Sの本数をカウントしても構わない。
・補助電極線10Sの断面積
:補助電極線10Sの線幅SW×補助電極線10Sの膜厚ST
・1本当たりの補助電極線10Sの体積
:補助電極線10Sの断面積×{主電極線10Mの間隔MP/sin(θ)}
・補助電極線の体積
:補助電極線10Sの本数×1本あたりの補助電極線10Sの体積
=主電極線10Mの全長ML/{補助電極線10Sの間隔SP/sin(θ)}
×調整値×補助電極線10Sの線幅SW×補助電極線10Sの膜厚ST
×{主電極線10Mの間隔MP/sin(θ)}
=主電極線10Mの全長ML×補助電極線10Sの線幅SW×補助電極線1
0Sの膜厚ST×主電極線の間隔MP/補助電極線の間隔SP×調整値
・均一な導電性膜としたときの平均膜厚
:補助電極線10Sの体積/(主電極線10Mの間隔MPの領域の面積)
=補助電極線10Sの線幅SW×補助電極線の膜厚ST/補助電極線10S
の間隔SP×調整値
○主電極線10Mの間隔MPの領域における補助電極線10Sのシート抵抗値
(均一な導電性膜としたときの補助電極線10Sのシート抵抗)
:補助電極線10Sの抵抗率/均一な導電性膜としたときの平均膜厚
=(補助電極線10Sの抵抗率SX)/{(補助電極線10Sの線幅SW×補
助電極の膜厚ST/補助電極線10Sの間隔SP)×調整値}
※なお、補助電極線10Sと透明導電層25とが擬似的に並立回路と仮定したとき
の抵抗は、1/{(1/a)+(1/b)}と解する。
≪b:透明導電層のシート抵抗値の算出例≫
○透明導電層25のシート抵抗値
:透明導電層25のベタ膜における抵抗率/透明導電層25の膜厚TT
なお、前記の式Cを満たすだけでなく、以下の条件も満たすと好ましい。すなわち、透明フィルム基材24における巻き方向(MD)での収縮率およびこの巻き方向に対する垂直方向(TD)での収縮率が、150℃30分の加熱の場合、0.2%以下であり、主電極線10Mが、線幅MWを2μm以上1000μm以下、膜厚MTを200nm以上3000nm以下、主電極線間隔MPを50μm以上3000μm以下としており、補助電極線10Sが、線幅SWを1μm以上5μm以下、膜厚STを200nm以上3000nm以下としていると好ましい。
この条件の下、前記の式Cの条件を満たしていれば、下限を下回る場合に生じる透明電極フィルム20の透過率の低下、または、生産性の低下が抑制されるとともに、上限を上回る場合に生じる主電極線10Mへの電流集中も抑制される。すなわち、外部からの見え難くしつつ低抵抗化で、さらに主電極線10Mへの電流集中までも抑えた透明電極フィルム20となる。
<式Dについて>
以下の式Dは、主電極線と補助電極線を含む透明導電フィルムの抵抗の計算値で、その計算値は特定の範囲にあるように設計される。
0.5×10−2≦1/{(1/c)+(1/b)}≦2.0 …式D
なお、
c:主電極線10Mと補助電極線10Sとを含む透明電極フィルム20の
シート抵抗値
b:透明導電層25のシート抵抗値
である。
≪c:主電極線と補助電極線とを含む透明電極フィルムのシート抵抗値≫
一例を用いて詳説すると、以下の通りである。
・対象とする面積(主電極線10Mの間隔MPの領域における面積と1本の主電極線
10Mの面積との和)
:主電極線10Mの長さML×(主電極線10Mの間隔MP+主電極線10M
の線幅MW)
・金属パターン電極層10の体積
:補助電極線10Sの体積+主電極線10Mの体積
=主電極線10Mの全長ML×{(補助電極線10Sの線幅SW×補助電極
の膜厚ST×主電極線10Mの間隔MP/補助電極線10Sの間隔SP×
調整値)+(主電極線10Mの線幅MW×主電極線10Mの膜厚MT)}
・均一な導電性膜としたときの平均膜厚
:金属パターン電極層10の体積/(対象とする面積)
=[主電極線10Mの全長ML×{補助電極線10Sの線幅SW×補助電極
線10Sの膜厚ST×主電極線10Mの間隔MP/補助電極線10Sの間
隔SP×調整値+(主電極線10Mの線幅MW×主電極線10Mの膜厚
MT)}]/{主電極線10Mの長さML×(主電極線10Mの間隔MP
+主電極線10Mの線幅MW)}
={補助電極線10Sの線幅SW×補助電極線10Sの膜厚ST×主電極線
10Mの間隔MP/補助電極線10Sの間隔SP×調整値}+(主電極線
10Mの線幅MW×主電極線10Mの膜厚MT)}/(主電極線10M
の間隔MP+主電極線10Mの線幅MW)
○主電極線10Mと補助電極線10Sとを含む透明電極フィルム20のシート抵抗
値(均一な導電性膜としたときの主電極線10Mと補助電極線10Sとのシート
抵抗
:補助電極線10Sの抵抗率/均一な導電性膜としたときの平均膜厚
=主電極線10Mの抵抗率/[{(補助電極線10Sの線幅SW×補助電極
線10Sの膜厚ST×主電極線10Mの間隔MP/補助電極線10Sの間
隔SP×調整値)+(主電極線10Mの線幅MW×主電極線10Mの膜厚
MT)}/(主電極線10Mの間隔MP+主電極線10Mの線幅MW)]
※なお、補助電極線10Sと透明導電層25とが擬似的に並立回路と仮定したとき
の抵抗は、1/{(1/c)+(1/b)}と解する。
前記の式Dの条件を満たしていれば、下限を下回る場合に生じる透明電極フィルム20の透過の低下、または、生産性の低下が抑制されるとともに、上限を上回る場合に生じる低抵抗化主電極線10Mへの電流集中も抑制される。すなわち、外部からの見え難くしつつ低抵抗化で、さらに主電極線10Mへの電流集中までも抑えた透明電極フィルム20となる。
<式Eについて>
以下の式Eは、主電極線10Mの間隔MPにおける抵抗と、主電極線10M電極線および補助電極線10Sを含む透明電極フィルム20の抵抗との比率、すなわち、シート抵抗に対する主電極線10Mの間隔MPの領域の抵抗比であり、この抵抗比は特定の範囲にあるように設計される。
[1/{(1/a)+(1/b)}]/[1/{(1/c)+(1/b)}]≦50
…式E
なお、
a:主電極線10Mの間隔MPの領域における補助電極線10Sのシート
抵抗値
b:透明導電層25のシート抵抗値
c:主電極線10Mと補助電極線10Sとを含む透明電極フィルム20の
シート抵抗値
である。
前記の式Eの条件を満たしていれば、上限を上回る場合に生じる主電極線10Mへの電流集中が抑制される。すなわち、外部からの見え難くしつつ低抵抗化で、さらに主電極線10Mへの電流集中までも抑えた透明電極フィルム20となる。
<式Fについて>
以下の式Fは、主電極線10Mの間隔MPにおける補助電極線10Sの遮光割合h(補助電極線10Sの面積/1つの主電極線10Mの間隔MPの領域の面積)で、その値は特定の範囲にあるように設計される。
0.01×10−2≦h≦0.05… 式F
なお、遮光割合hは、1つの主電極線の間隔の面積の対する補助電極線10Sの占める割合であり、一例としては、以下が挙げられる。
・補助電極線10Sの面積
:補助電極線の線幅SW×{主電極線の線幅MP/sin(θ)}×1つの主電極
線10M間隔MPにおける補助電極線10Sの本数
・1つの主電極線10Mの間隔MPの面積
:主電極線10Mの間隔MP×主電極線10Mの全長ML
○h=補助電極線10Sの線幅SW×調整値/補助電極線10Sの間隔SP
前記の式Fの条件を満たしていれば、下限を下回る場合に生じる透明電極フィルム20の生産性の低下、または、抵抗の上昇が抑制されるとともに、上限を上回る場合に生じる透過率の低下が抑制される。すなわち、外部からの見え難くしつつ低抵抗化するという両立を図れた透明電極フィルム20となる。
<透明電極フィルムの用途>
透明電極フィルム20は、タッチパネルまたはディスプレイ・サイネージのような表示デバイスの透明電極として用いられる。中でも、透明電極が低抵抗であることから、静電容量方式のタッチパネルまたはディスプレイ用途に好適である。
タッチパネルの形成においては、透明電極フィルム20上に、導電性インクまたは導電性ペーストが塗布され、それらが熱処理されることで、引き廻し回路用配線としての集電極が形成される。この場合の加熱処理の方法は、特に限定されず、オーブンまたは赤外線ヒーター等による加熱方法が挙げられる。また、加熱処理の温度または時間は、導電性ペースト等が透明電極に付着する温度・時間を考慮して、適宜に設定される。
例えば、オーブンによる加熱であれば120℃以上150℃以下で30分以上60分以下である。また、赤外線ヒーターによる加熱であれば、150℃で5分等の例が挙げられる。なお、引き回し回路用配線の形成方法は、上記に限定されず、ドライコーティング法によって形成されてもよい。また、フォトリソグラフィーによって引き廻し回路用配線が形成されることで、配線が細線化されてもよい。
また、透明電極フィルム20は、表示デバイス等に採用される調光フィルムの部品(電極)として使用されても構わない。例えば、電圧印可の有無によって変化する液晶層、電解質層、または電気泳動層等の調光層を挟み込む一対の部品として、透明電極フィルム20が使用されても構わない(なお、一対の透明電極フィルム20では、互いの電極層15側を向き合わせて、調光層を挟む)。
このような調光フィルムに透明電極フィルム20が採用された場合、調光層は透明電極フィルム20の導電性金属パターン層13を劣化させる原因になり得るが、保護層11が存在することで、導電性金属パターン層13の劣化(特に、陽極の劣化)は抑えられる。また、導電性金属パターン層13の開口部15Hに、透明導電層25が延び出て配置されていると、透明電極フィルム20は電極(陽極・陰極)として、調光層の全域に、電圧を適切に印可させられる。
なお、このような調光フィルムでは、一対の透明電極フィルムのうち、一方でも両方でも、上記してきた透明電極フィルム20が使用されても構わない。
また、ディスプレイの形成においては、透明電極フィルム20上に薄膜トランジスタ層が形成され、その上に液晶等の層が形成される。ところで、透明電極フィルム20がディスプレイ等の部材として使用される場合、そのディスプレイ等に搭載されるブラックマトリックスに、主電極線10Mが隠れるように配置されると好ましい。
<式Gについて>
そこで、主電極線10Mと、その主電極線10Mの延び方向と同方向に延びるブラックマトリックスとにおいて、ブラックマトリックスの線幅BWと主電極線10Mの線幅MWとが、以下の式Gを満たすと好ましい。
1≦線幅BW/線幅MW≦100 … 式G
前記の式Gの条件を満たしていれば、下限を下回る場合に生じるブラックマトリクスからの主電極線10Mのはみ出しが抑制されるとともに、上限を上回る場合に生じる主電極線10Mの過度の細線化による抵抗の上昇が抑制される。そのため、このような透明電極フィルム20を搭載するディプレイでは、外部から主電極線10Mが隠れ、画像品質が高まる。
<式Hについて>
また、主電極線10Mと、その主電極線10Mの延び方向と同方向に延びるブラックマトリックスとにおいて、ブラックマトリックスの線幅BPと主電極線10Mの間隔MPが、以下の式Gを満たすと好ましい。
1≦間隔MP/間隔BP≦100 … 式H
前記の式Hの条件を満たしていれば、下限を下回る場合に生じる主電極線10Mの間隔MPの狭小化に起因するブラックマトリクスの主電極線10Mの被覆漏れが抑制されるとともに、上限を上回る場合に生じる主電極線10Mの本数減少による抵抗の上昇が抑制される。そのため、このような透明電極フィルム20を搭載するディプレイでは、外部から主電極線10Mが隠れ、画像品質が高まる。
<透明電極フィルムの構造に関する備考>
なお、補助電極線10Sは、一連状のみに限らず、補助電極線10Sは断線状なっており、透明導電層25は補助電極線10Sの断線間を埋めるようになっていてもよい。このようになっていても、透明電極フィルム20としての導電性が担保されるためである。
また、透明フィルム基材24がロール状である場合、その巻き方向(MD)と主電極線10Mの延び方向とが同方向であると好ましい。このようになっていると、ロール・トゥ・ロール方式の製造において、効率よく、主電極線10Mが形成されやすいためである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例により限定されるものではない(下記表1参照)。
[◆実施例1]
透明フィルム基材に、125μmのPETを用いた。ロール・トゥ・ロール方式のプロセスにおいて、透明フィルム基材の表面温度を120℃になるように加熱処理を行った。その結果、加熱処理後の150℃30分の加熱実験にて、透明フィルム基材のMD(Machine Direction)の収縮率が0.3%、TD(Transverse Direction)の収縮率が0.1%となった。
前記の事前の加熱処理終了後の透明フィルム基材の両面における一方面に、6.5μmのハードコート層、他方面に5.4μmのハードコート層を形成した。なお、ハードコート層はいずれもウレタン系樹脂からなり、屈折率は1.53であった。
このハードコート層付きの透明フィルム基材を、スパッタ製膜装置にセットし、チャンバーの圧力を0.1Pa以下として、連続して以下の製膜を行った。まず、透明フィルム基材の表面温度が82℃となるようにして、非接触で、約30秒間ボンバード処理(プラズマ処理)を行った。
組成の重量比がNi:Cu=70重量%:30重量%のNi−Cu合金をターゲットとして、真空マグネトロンスパッタ法により、透明フィルム基材の一方面側のハードコート層上に、ニッケルと銅と酸素とを含む合金からなる薄膜下地層を製膜した。この薄膜下地層の膜厚は6nmとした。
引き続き、真空状態を維持したまま連続して、銅ターゲットを用いて、アルゴン流量165sccm、電流密度1.5W/cmの条件にて、膜厚200nmの第1金属層を製膜した。第1金属層を製膜した。なお、第2金属層12の積層前のこの第1金属層を積層した状態の透明電極フィルムのシート抵抗は0.3Ω/□であった。
次に、非真空状態にて、電解めっき法により、膜厚400nmの銅製の第2金属層を製膜した。その結果、第1金属層と第2金属層との総膜厚は600nmとなった。
そして、以上の薄膜下地層、第1金属層、および第2金属層のベタ膜(パターニングされていない膜)を積層した透明フィルム基材に対して、以下のパターニングを行った。
まず、第2金属層上に、感光性レジストを全面に塗布・乾燥を行った。続いて、所望パターンのフォトマスクを用いて密着露光・現像処理を行って、レジストパターン(マスクパターン)を形成した。その後、塩化第二鉄水溶液を用いてエッチングを行い、薄膜下地層、第1金属層、および第2金属層に対して、パターンを刻印した。そして、この後、レジストパターンを除去した。
なお、フォトマスクは、図5に示されるような直交タイプを用いた。その結果、金属パターン電極層において、主電極線の線幅MWは100μm、主電極線間の間隔MPは400μm、補助電極線の線幅SWは5μm、補助電極線の間隔SPは500μmとなった。
次に、金属パターン電極層を積層した透明フィルム基材を、再度スパッタリング装置に導入し、脱ガスを行ったのち、膜厚100nmのITO製の透明導電層を製膜した。その後、150℃30分で加熱処理(アニール)を行い、透明導電層を結晶化させた。
[◆実施例2]
実施例2では、フォトマスクとして、図6に示されるような斜め一方向タイプを用いた以外、実施例1と同様にして、透明電極フィルムを製造した。
その結果、金属パターン電極層において、主電極線と補助電極線との成す確度のうち最小角度であるθは45°、主電極線の線幅MWは100μm、主電極線間の間隔MPは400μm、補助電極線の線幅SWは5μm、補助電極線の間隔SPは500μmとなった。
[◆実施例3]
実施例3では、フォトマスクとして、図7に示されるような斜め二方向タイプを用いた以外、実施例1と同様にして、透明電極フィルムを製造した。
その結果、金属パターン電極層において、主電極線と補助電極線との成す確度のうち最小角度であるθは45°、主電極線の線幅MWは100μm、主電極線間の間隔MPは400μm、補助電極線の線幅SWは5μm、補助電極線の間隔SPは500μmとなった。
[◇比較例1]
比較例1では、図9に示されるような補助電極線を生じさせないデザインのフォトマスク43を用いた以外、実施例1と同様にして、透明電極フィルムを製造した。
その結果、主電極線の線幅MWは100μm、主電極線間の間隔MPは400μmとなった。なお、前述してきた式において、1/aの値は、「0」とした。
[◇比較例2]
比較例2では、図10に示されるような主電極線を生じさせないデザインのフォトマスク43を用いた以外、実施例1と同様にして、透明電極フィルムを製造した。
その結果、金属パターン電極層において、補助電極線の線幅SWは5μm、補助電極線の間隔SPは500μmとなった。
<■特性測定>
以上の実施例1〜3および比較例1・2の透明電極フィルムに対して、以下の測定を行った。測定に関する結果は表1に示す。
(透明電極フィルムのシート抵抗)
透明電極フィルムの表面抵抗は、低抵抗率計ロレスタGP(MCP‐T710、三菱化学社製)を用いて四探針圧接測定により測定した。
(視認性確認)
視認性の判断は、透明電極フィルムを正面視した場合に、補助電極線を確認できれば「○」、確認できなければ「×」としたところ、実施例1〜3および比較例1・2の全てで「○」となった。
Figure 2017045279
[■表1の総評]
表1の結果より、実施例1〜3のような、金属パターン電極層における金属部分だけでなく、開口部の内部にも、透明導電層が積層する透明電極フィルムであれば、視認性がよく、さらに、低抵抗でありながら電流集中も起こらないことが判る。
一方、補助電極線の無い比較例1では、主電極線のある箇所と無い箇所とで抵抗差が大きくなって、主電極線10Mに電流集中によって表示画面の非均一化が生じる。また、このような比較例1の透明電極フィルムであれば、調光フィルムに搭載された場合、透明電極の金属パターン電極層が腐食する虞がある。
比較例2では、主電極線を含まないため、低抵抗化を達成していない透明電極フィルムとなる。
10 金属パターン電極層
10H 開口部
HPN 開口パターン
10M 主電極線
MW 主電極線の線幅
MP 主電極線の間隔
ML 主電極線の全長
10S 補助電極線
SW 補助電極線の線幅
SP 補助電極線の間隔
11 第1金属層
12 第2金属層
13 薄膜下地層
15 電極層
20 透明電極フィルム
24 透明フィルム基材
25 透明導電層
LY 積層体
33 マスクパターン
43 フォトマスク

Claims (10)

  1. 透明フィルム基材の面に、積層体を備える透明電極フィルムあって、
    前記積層体は、開口パターンを有する金属パターン電極層と、前記金属パターン電極層および前記透明フィルム基材を覆う透明導電層と、を含み、
    前記開口パターンは、主電極線を並べる主電極線群と、前記主電極線同士の間に亘る補助電極線を並べる補助電極線群とで形成され、
    前記主電極線の線幅は、前記補助電極線の線幅に比べて、2倍以上200倍以下である透明電極フィルム。
  2. 前記透明フィルム基材における巻き方向(MD)での収縮率およびこの巻き方向に対する垂直方向(TD)での収縮率が、150℃30分の加熱の場合、0.2%以下であり、
    前記主電極線が、線幅MWを2μm以上1000μm以下、膜厚MTを200nm以上3000nm以下、主電極線間隔MPを50μm以上3000μm以下とし、
    前記補助電極線が、線幅SWを1μm以5μm以下、膜厚STを200nm以上3000nm以下としており、
    前記補助電極線と前記透明導電層とが、以下の式(1)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明電極フィルム。
    0.1≦1/{(1/a)+(1/b)}≦10.0 …式(1)
    なお、
    a:主電極線の間隔の領域における補助金属線のシート抵抗値
    b:透明導電層のシート抵抗値
    である。
  3. 以下の式(2)を満たす請求項1または2に記載の透明電極フィルム。
    0.5×10−2≦1/{(1/c)+(1/b)}≦2.0 …式(2)
    なお、
    c:主電極線と補助電極線とを含む透明電極フィルムのシート抵抗値
    b:透明導電層のシート抵抗値
    である。
  4. 以下の式(3)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明電極フィルム。
    [1/{(1/a)+(1/b)}]/[1/{(1/c)+(1/b)}]≦50
    …式(3)
    なお、
    a:主電極線の間隔の領域における補助金属線のシート抵抗値
    b:透明導電層のシート抵抗値
    c:主電極線と補助電極線とを含む透明電極フィルムのシート抵抗値
    である。
  5. 前記主電極線同士の間隔の領域における前記補助電極線の遮光割合hが、以下の式(4)を満たす請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明電極フィルム。
    0.01×10−2≦h≦0.05… 式(4)
  6. 前記補助電極線は断線状であり、前記透明導電層は前記補助電極線の断線間を埋める請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明電極フィルム。
  7. 前記透明フィルム基材がロール状である場合、その巻き方向(MD)と前記主電極線の延び方向とが同方向である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明電極フィルム。
  8. ディスプレイに使用され、
    前記主電極線と、その主電極線の延び方向と同方向に延びるブラックマトリックスとにおいて、前記ブラックマトリックスの線幅BWと前記主電極線の線幅MWが、以下の式(5)を満たす請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明電極フィルム。
    1≦BW/MW≦100 …式(5)
  9. ディスプレイに使用され、
    前記主電極線と、その主電極線の延び方向と同方向に延びるブラックマトリックスとにおいて、前記ブラックマトリックスの線幅BPと前記主電極線の間隔MPが、以下の式(6)を満たす請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明電極フィルム。
    1≦MP/BP≦100 …式(6)
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の透明電極フィルムを含む表示デバイス。
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