WO2016068153A1 - 導電性基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層とを有する基材の前記金属層上に、形成する配線パターンに対応した開口部を備えたレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、 前記レジスト層の前記開口部に黒色めっき層を形成する黒色めっき層形成工程と、 前記レジスト層を除去するレジスト層除去工程と、 前記黒色めっき層から露出した前記金属層を除去する金属層除去工程と、をその順に実施する導電性基板の製造方法を提供する。

Description

導電性基板の製造方法
 本発明は、導電性基板の製造方法に関する。
 静電容量式タッチパネルは、パネル表面に近接する物体により引き起こされる静電容量の変化を検出することにより、パネル表面上での近接する物体の位置の情報を電気信号に変換する。静電容量式タッチパネルに用いられる導電性基板は、ディスプレイの表面に設置されるため、導電性基板の配線材料には反射率が低く、視認されにくいことが要求される。
 そこで、静電容量式タッチパネルに用いられる配線材料としては、反射率が低く、視認されにくい材料が用いられ、透明基板または透明なフィルム上に配線が形成されている。例えば、特許文献1には、高分子フィルム上に透明導電膜としてITO(酸化インジウム-スズ)膜を形成したタッチパネル用の透明導電性フィルムが開示されている。
 近年タッチパネルを備えたディスプレイの大画面化が進んでおり、これに対応してタッチパネル用の透明導電性フィルム等の導電性基板についても大面積化が求められている。しかし、ITOは電気抵抗値が高く信号の劣化を生じるため、大型パネルには不向きという問題があった。
 このため、例えば特許文献2、3に開示されているようにITO膜にかえて銅等の金属箔を用いることが検討されている。しかし、例えば金属層に銅等の金属箔を用いた場合、銅は金属光沢を有しているため、反射光によるギラツキでディスプレイの視認性が低下するという問題がある。
 そこで、銅等の金属箔により構成される金属層と共に、金属層表面における光の反射を抑制する黒化層を形成した導電性基板が検討されている。
 金属層と共に黒化層を形成し、かつ金属層等を配線パターンにパターニングした導電性基板の製造方法としては、例えば以下の手順による方法が提案されている。
 まず、透明基材上に金属層、及び黒化層を積層した導電性基板を製造する。次いで、黒化層上にDFR(ドライフィルムレジスト)を貼り付け、DFRの表面に配線パターン形成用のマスクパターンが形成されたマスクを載置し、露光、現像を行うことにより、DFRに所望の開口部を形成する。さらに、DFRの開口部から露出した黒化層、及び金属層をエッチングして配線パターンを形成し、DFRを剥離する。
日本国特開2003-151358号公報 日本国特開2011-018194号公報 日本国特開2013-069261号公報
 しかしながら、DFRは黒化層との密着性が悪く、配線幅の微細な細線をエッチングにより形成しようとすると、黒化層上に形成したDFRが剥離してしまい、所望の配線パターンが形成できない場合があるという問題があった。
 上記従来技術の問題に鑑み、本発明の一側面では、配線幅の微細な細線を含む配線パターンを形成することができる導電性基板の製造方法を提供することを目的とする。
 上記課題を解決するため本発明の一態様では、
 透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層とを有する基材の前記金属層上に、形成する配線パターンに対応した開口部を備えたレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
 前記レジスト層の前記開口部に黒色めっき層を形成する黒色めっき層形成工程と、
 前記レジスト層を除去するレジスト層除去工程と、
 前記黒色めっき層から露出した前記金属層を除去する金属層除去工程と、をその順に実施する導電性基板の製造方法を提供する。
 本発明の一態様によれば、配線幅の微細な細線を含む配線パターンを形成することができる導電性基板の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る導電性基板の製造方法の工程の説明図(1)。 本発明の実施形態に係る導電性基板の製造方法の工程の説明図(2)。 本発明の実施形態に係る導電性基板の製造方法の工程の説明図(3)。 本発明の実施形態に係る導電性基板の製造方法の工程の説明図(4)。 本発明の実施形態に係る導電性基板の製造方法により得られる導電性基板の構成例の上面図。 図2AのA-A´線における断面図。 本発明の実施形態に係る導電性基板の製造方法により得られる導電性基板を用いた、メッシュ状の配線を備えた積層導電性基板の構成例の上面図。 図3AのB-B´線における断面図。 本発明の実施形態に係る導電性基板の製造方法により得られるメッシュ状の配線を備えた導電性基板の断面図。
 以下、本発明の導電性基板の製造方法の一実施形態について説明する。
 本実施形態の導電性基板の製造方法は、以下の工程をその順に実施することができる。
 透明基材と、透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層とを有する基材の、金属層上に、形成する配線パターンに対応した開口部を備えたレジスト層を形成するレジスト層形成工程。
 レジスト層の開口部に黒色めっき層を形成する黒色めっき層形成工程。
 レジスト層を除去するレジスト層除去工程。
 黒色めっき層から露出した金属層を除去する金属層除去工程。
 既述のように、黒化層と、レジスト層となるDFRとの密着性が低いため、従来提案されていた導電性基板の製造方法によれば、金属層や黒化層をエッチングする際に、DFRが剥離し、微細な細線を含む配線パターンを形成できない場合があった。
 そこで本発明の発明者らは、微細な細線を含む配線パターンを含む導電性基板の製造方法について検討を行った。そして、金属層上に所望のパターンを有する黒色めっき層を形成した後、黒色めっき層を用いて金属層をパターニングすることで微細な細線を含む配線パターンを含む導電性基板を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
 本実施形態の導電性基板の製造方法の各工程について説明する。
(レジスト層形成工程)
 まず、レジスト層形成工程について説明する。
 レジスト層形成工程では、透明基材と、透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層とを有する基材の金属層上に、形成する配線パターンに対応した開口部を備えたレジスト層を形成することができる。
 ここでまずレジスト層形成工程に供する、透明基材と、透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層とを有する基材について説明する。
 透明基材としては特に限定されるものではなく、可視光を透過する樹脂基板(樹脂フィルム)や、ガラス基板等を好ましく用いることができる。
 可視光を透過する樹脂基板の材料としては例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の樹脂を好ましく用いることができる。特に、可視光を透過する樹脂基板の材料として、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド、ポリカーボネート等をより好ましく用いることができる。
 透明基材の厚さについては特に限定されず、導電性基板とした場合に要求される強度や静電容量、光の透過率等に応じて任意に選択することができる。透明基材の厚さとしては例えば10μm以上200μm以下とすることができる。特にタッチパネルの用途に用いる場合、透明基材の厚さは20μm以上120μm以下とすることが好ましく、20μm以上100μm以下とすることがより好ましい。タッチパネルの用途に用いる場合で、例えば特にディスプレイ全体の厚さを薄くすることが求められる用途においては、透明基材の厚さは20μm以上50μm以下であることが好ましい。
 透明基材の全光線透過率は高い方が好ましく、例えば全光線透過率は30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。透明基材の全光線透過率が上記範囲であることにより、例えばタッチパネルの用途に用いた場合にディスプレイの視認性を十分に確保することができる。
 なお透明基材の全光線透過率はJIS K 7361-1に規定される方法により評価することができる。
 次に金属層について説明する。
 金属層を構成する材料は特に限定されず用途にあった電気伝導率を有する材料を選択できるが、例えば、Cuと、Ni,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Mn,Co,Wから選ばれる少なくとも1種以上の金属との銅合金、または、銅を含む材料であることが好ましい。また、金属層は銅から構成される銅層とすることもできる。
 透明基材上に金属層を形成する方法は特に限定されないが、光の透過率を低減させないため、透明基材と金属層との間に接着剤を配置しないことが好ましい。すなわち金属層は、透明基材の上面に直接形成されていることが好ましい。
 透明基材の上面に金属層を直接形成するため、金属層は金属薄膜層を有することが好ましい。また、金属層は金属薄膜層と金属めっき層とを有していてもよい。
 例えば透明基材上に、乾式めっき法により金属薄膜層を形成し該金属薄膜層を金属層とすることができる。これにより、透明基材上に接着剤を介さずに直接金属層を形成できる。なお、乾式めっき法としては、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を好ましく用いることができる。特に膜厚の制御が容易であることから、スパッタリング法を用いることがより好ましい。
 また、金属層の膜厚を厚くする場合には、金属薄膜層を給電層として湿式めっき法の一種である電気めっき法により金属めっき層を形成することにより、金属薄膜層と金属めっき層とを有する金属層とすることもできる。金属層が金属薄膜層と金属めっき層とを有することにより、この場合も透明基材上に接着剤を介さずに直接金属層を形成できる。
 湿式めっき法により金属めっき層を形成する際の条件、すなわち、例えば電気めっき法により金属めっき層を形成する際の条件は、特に限定されるものではなく、常法による諸条件を採用すればよい。例えば、金属めっき液を入れためっき槽に金属薄膜層を形成した基材を供給し、電流密度や、基材の搬送速度を制御することによって、金属めっき層を形成できる。
 なお、金属層が、金属薄膜層と、金属めっき層とを有する場合、金属薄膜層と、金属めっき層の材料は異なっていてもよいが、同じ材料により構成されていることが好ましい。
 そして、本実施形態の導電性基板においては、後述する黒色めっき層と、金属層とのエッチング液に対する反応性が異なっていることが好ましい。金属層は例えば一般的に用いられる塩化銅液に対する反応性が高い、すなわち塩化銅液により容易にエッチングできることが好ましい。このため、本実施形態の導電性基板の金属層は例えば銅からなる層を含むことがより好ましい。具体的には本実施形態の導電性基板の金属層は、例えば銅薄膜層を含むことが好ましい。また、本実施形態の導電性基板の金属層は、銅めっき層を含むこともできる。
 金属層の厚さは特に限定されるものではなく、金属層を配線として用いた場合に、該配線に供給する電流の大きさや配線幅等に応じて任意に選択することができる。
 ただし、金属層が厚くなると、配線パターンを形成するためにエッチングを行う際にエッチングに時間を要するためサイドエッチが生じ易くなり、細線が形成しにくくなる等の問題を生じる場合がある。このため、金属層の厚さは5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
 また、特に導電性基板の抵抗値を低くし、十分に電流を供給できるようにする観点から、例えば金属層は厚さが50nm以上であることが好ましく、60nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。
 なお、金属層が上述のように金属薄膜層と、金属めっき層を有する場合には、金属薄膜層の厚さと、金属めっき層の厚さとの合計が上記範囲であることが好ましい。
 金属層が金属薄膜層により構成される場合、または金属薄膜層と金属めっき層とにより構成される場合のいずれの場合でも、金属薄膜層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば50nm以上500nm以下とすることが好ましい。
 金属層は後述するように例えば所望の配線パターンにパターニングすることにより配線として用いることができる。そして、金属層は従来透明導電膜として用いられていたITOよりも電気抵抗値を低くすることができるから、金属層を設けることにより導電性基板の電気抵抗値を小さくできる。
 なお、透明基材と金属層との間には、密着層を設けることもできる。
 上述のように金属層は透明基材上に形成することができるが、透明基材上に金属層を直接形成した場合に、透明基材と金属層との密着性は十分ではない場合がある。このため、透明基材の上面に直接金属層を形成した場合、製造過程、または、使用時に透明基材から金属層が剥離する場合がある。
 そこで、本実施形態の導電性基板の製造方法においては、透明基材と金属層との密着性を高めるため、透明基材と金属層との間に密着層を配置することもできる。
 透明基材と金属層との間に密着層を配置することにより、透明基材と金属層との密着性を高め、透明基材から金属層が剥離することを抑制できる。
 また、密着層は黒化層としても機能させることができる。この場合、金属層の下面側、すなわち透明基材側から入射した光による金属層の光の反射も抑制することが可能になる。
 密着層を構成する材料は特に限定されるものではなく、透明基材及び金属層との密着力や、要求される金属層表面での光の反射の抑制の程度、また、導電性基板を使用する環境(例えば湿度や、温度)に対する安定性の程度等に応じて任意に選択することができる。
 密着層は例えば、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも1種以上の金属を含むことが好ましい。また、密着層は炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素をさらに含むことができる。
 なお、密着層は、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも2種以上の金属を含む金属合金を含むことができる。この場合についても、密着層は炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素をさらに含むこともできる。この際、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも2種以上の金属を含む金属合金としては、例えばCu-Ti-Fe合金や、Cu-Ni-Fe合金、Ni-Cu合金、Ni-Zn合金、Ni-Ti合金、Ni-W合金、Ni-Cr合金、Ni-Cu-Cr合金を好ましく用いることができる。
 なお、密着層を黒化層として機能させる場合には、密着層は例えばNi-Cu合金を含むことが好ましい。この場合も密着層はさらに炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素を含むこともできる。
 また、後述のように、黒色めっき層を形成後に、黒色めっき層から露出した金属層を除去することになるが、密着層を形成した場合には、この際に密着層についても金属層と同様にパターニングすることが好ましい。すなわち、密着層のうち黒色めっき層に覆われていない部分については除去することが好ましい。この場合、黒色めっき層をマスクとして金属層、及び密着層をエッチングすることになるため、密着層の材料としては、黒色めっき層と異なる材料であることが好ましく、黒色めっき層よりもエッチング液に対する反応性の高い材料であることがより好ましい。
 密着層の成膜方法は特に限定されるものではないが、乾式めっき法により成膜することが好ましい。乾式めっき法としては例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を好ましく用いることができる。密着層を乾式法により成膜する場合、膜厚の制御が容易であることから、スパッタリング法を用いることがより好ましい。なお、密着層には上述のように炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素を添加することもでき、この場合は反応性スパッタリング法をさらに好ましく用いることができる。
 密着層が炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素を含む場合には、密着層を成膜する際の雰囲気中に炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素を含有するガスを添加しておくことにより、密着層中に添加することができる。例えば、密着層に炭素を添加する場合には一酸化炭素ガスおよび/または二酸化炭素ガスを、酸素を添加する場合には酸素ガスを、水素を添加する場合には水素ガスおよび/または水を、窒素を添加する場合には窒素ガスを、乾式めっきを行う際の雰囲気中に添加しておくことができる。
 炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素を含有するガスは、不活性ガスに添加し、乾式めっきの際の雰囲気ガスとすることが好ましい。不活性ガスとしては特に限定されないが、例えばアルゴンを好ましく用いることができる。
 密着層を上述のように乾式めっき法により成膜することにより、透明基材と密着層との密着性を高めることができる。そして、密着層は例えば金属を主成分として含むことができるため金属層との密着性も高い。このため、透明基材と金属層との間に密着層を配置することにより、金属層の剥離を抑制することができる。
 密着層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば3nm以上50nm以下とすることが好ましく、3nm以上35nm以下とすることがより好ましく、3nm以上33nm以下とすることがさらに好ましい。
 密着層についても黒化層として機能させる場合、すなわち金属層における光の反射を抑制する場合、密着層の厚さを上述のように3nm以上とすることが好ましい。
 密着層の厚さの上限値は特に限定されるものではないが、必要以上に厚くしても成膜に要する時間や、配線を形成する際のエッチングに要する時間が長くなり、コストの上昇を招くことになる。このため、密着層の厚さは上述のように50nm以下とすることが好ましく、35nm以下とすることがより好ましく、33nm以下とすることがさらに好ましい。
 そしてレジスト層形成工程では、ここまで説明した透明基材と、透明基材上に形成された金属層とを有する基材上にレジスト層を形成することができる。
 図1Aに透明基材11上に、金属層12、レジスト層13を形成した際の導電性基板の断面図を模式的に示す。図1Aでは透明基材11の第1の主平面11a上に金属層12、レジスト層13を形成した形態を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、例えば後述するように透明基材11の第2の主平面11b側にも金属層、レジスト層を形成することもできる。
 レジスト層13は、黒色めっき層形成工程においてめっきレジストとして機能できればよく、レジスト層13の材質等については特に限定されるものではない。レジスト層13としては、例えばフィルム状のDFR(ドライフィルムレジスト)を好ましく用いることができる。
 レジスト層13の厚さについても特に限定されるものではなく、形成する黒色めっき層の厚さ等に応じて任意に選択することができる。レジスト層13は例えば厚さが10μm以上15μm以下であることが好ましい。
 レジスト層13を金属層12上に形成する方法は特に限定されるものではなく、レジスト層13を構成する材料の種類等により任意に選択することができる。例えば上述のようにレジスト層をフィルム状のDFRにより形成する場合、フィルムの収縮率を考慮すると85℃~105℃に加熱してラミネーションにより金属層上に転写できる。
 レジスト層形成工程において形成するレジスト層13は、形成する配線パターンの形状に対応した開口部を有することができる。
 具体的には例えば図1Bに模式的に示したように、図1Aに示したレジスト層13に開口部14を形成することにより、開口部14を備えたレジスト層131とすることができる。
 係る開口部14を備えたレジスト層131の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば以下の手順により形成することができる。
 まず上述のように金属層12のレジスト層13を形成する面、すなわち、金属層12の上面全体にレジスト層13を形成する。
 次にレジスト層13上に開口部14を形成するためのパターンが形成されたマスクを載置し、露光、現像を行うことができる。これにより配線パターンの形状に対応した開口部14を備えたレジスト層131とすることができる。
 露光、現像する際の条件は特に限定されるものではなく、用いるレジスト層を構成する材料や、レジスト層の厚さ等に応じて任意に選択することができる。例えば露光はレジスト層の厚さに応じて、積算照射量が50mJ/cm以上80mJ/cm以下となるようにして行うことができる。また、現像は例えば炭酸ナトリウム水溶液を用いて実施することができ、この際用いる炭酸ナトリウム水溶液の濃度も特に限定されないが、例えば5~7wt%とすることができる。
(黒色めっき層形成工程)
 次に黒色めっき層形成工程について説明する。
 黒色めっき層形成工程においては、レジスト層形成工程で形成した配線パターンの形状に対応した開口部を有するレジスト層の開口部14に、黒色めっき層を形成する工程である。例えば、図1Cに模式的に示したように、図1Bで形成した開口部14を備えたレジスト層131の、開口部14内に黒色めっき層15を形成することができる。
 黒色めっき層15は、例えば金属層12を電極として用いた電気めっき法により好ましく形成することができる。
 黒色めっき層15を構成する材料は特に限定されるものでなく、金属層12表面における光の反射を抑制できる材料であればよい。
 黒色めっき層は例えば、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも1種以上の金属を含むことが好ましい。また、黒色めっき層は、炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素をさらに含むこともできる。
 なお、黒色めっき層は、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも2種以上の金属を含む金属合金を含むこともできる。この場合も、黒色めっき層は、さらに炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種以上の元素を含むこともできる。
 この際、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも2種以上の金属を含む金属合金としては、例えばCu-Ti-Fe合金や、Cu-Ni-Fe合金、Ni-Cu合金、Ni-Zn合金、Ni-Ti合金、Ni-W合金、Ni-Cr合金、Ni-Cu-Cr合金を好ましく用いることができる。
 本実施形態の導電性基板の製造方法においては、金属層と、黒色めっき層とのエッチング液との反応性の違いを利用して、黒色めっき層のパターンを用いて金属層をパターニングすることができる。従って、金属層と、黒色めっき層とのエッチング液に対する反応性が異なっていることが好ましい。また、既述のように透明基材と金属層との間に密着層を形成する場合には、密着層と、黒色めっき層とのエッチング液に対する反応性も異なっていることが好ましい。
 そして、本発明の発明者らの検討によると、錫系黒色めっき液やクロム系黒色めっき液で黒色めっき層を形成した場合、該黒色めっき層は、例えば銅等を含む金属層よりも、一般的に用いられるエッチング液である塩化銅液に対する反応性が低くなる。このため、黒色めっき層は、Sn(錫)、Cr(クロム)から選択される1種類以上を含有することが好ましい。特に、Sn(錫)の含有率が15wt%以上、および/またはCr(クロム)の含有率が10wt%以上であることが望ましい。
 なお、既述の従来の導電性基板の製造方法のように金属層上に黒化層を形成してから、金属層と、黒化層とをエッチングして配線パターンを形成する場合、金属層と、黒化層とはめっき液に対して同程度の反応性を有することが好ましい。しかし、錫や、クロムを含有する黒化層は、上述のように塩化銅液に対する反応性が、金属層に好適に用いられる銅等と比較して悪く、所望の配線パターンを有する導電性基板とすることが困難であった。これに対して、本実施形態の導電性基板の製造方法においては、黒色めっき層に対するエッチングは実施しなくてよいため、黒色めっき層が錫や、クロムを含む場合であっても所望の配線パターンを有する導電性基板とすることができる。このため、黒化層(黒色めっき層)が錫や、クロムを含む場合、従来の導電性基板の製造方法と比較して特に好適な配線パターンを形成できるという効果を発揮できるためである。
 特に、黒色めっき層はクロムを含むことが好ましい。これは、クロムを含有するクロム系黒色めっき液(クロム系めっき液)で形成した黒色めっき層は、金属層表面における反射率の低減に特に有効であるためである。
 めっき液の組成は特に限定されるものではないが、黒色めっき層を形成する際に用いるめっき液は、黒色めっき層を構成する成分以外に、例えば酢酸、及び酢酸バリウムを含むことができる。
 黒色めっき層を形成する際の条件は特に限定されるものではなく、用いるめっき液や、黒色めっき層の膜厚、基材の搬送速度等に応じて任意に選択することができる。例えば、黒色めっき層は、めっき液の温度を30℃以上45℃以下とし、金属層に供給する電圧を4V以上10V以下として電解めっき法により形成することができる。
(レジスト層除去工程)
 次にレジスト層除去工程について説明する。
 レジスト層除去工程では、例えば図1Cに示した開口部を備えたレジスト層131を除去することができる。
 レジスト層を除去する方法は特に限定されるものではなく、レジスト層の種類により任意の方法により除去することができる。例えばレジスト層としてDFRを用いた場合、加熱した有機アミン系剥離液により剥離することができる。この際、有機アミン系剥離液の温度は特に限定されるものではないが、例えば40℃以上45℃以下に加熱することが好ましい。
(金属層除去工程)
 次に金属層除去工程について説明する。
 上述のレジスト層除去工程を実施することにより、金属層の上面の一部が黒色めっき層15で覆われ、金属層12の上面の他の部分は黒色めっき層15から露出した状態になっている。そこで、金属層除去工程では黒色めっき層15から露出した金属層12を除去することができる。これにより、図1Dに示したように透明基材11上に、黒色めっき層15の形状にあわせてパターン化された金属層121と、黒色めっき層15とが積層された導電性基板とすることができる。
 金属層除去工程で、金属層はエッチング液によりエッチングを行うことにより除去することができる。この際用いるエッチング液としては特に限定されるものではなく任意に選択できるが、エッチング液に対する反応性が黒色めっき層15は低く、金属層12は高いエッチング液であることが好ましい。なお、反応性が低いとは溶けにくいことを意味し、反応性が高いとは溶けやすいことを意味する。
 エッチング液としては例えば塩化第二銅溶液を好ましく用いることができる。塩化第二銅溶液の具体的な組成は特に限定されるものではないが、例えば塩化第二銅を20wt%以上35wt%以下、塩素を1wt%以上7wt%以下を含有する溶液を好ましく用いることができる。
 金属層除去工程において、金属層を除去する際のエッチング条件、例えばエッチング液の温度や、エッチング液に浸漬する時間等については特に限定されるものではなく、金属層の材料や、金属層の厚さ、エッチング液の種類等に応じて任意の条件を選択できる。例えばエッチング液として塩化第二銅溶液を用いる場合、塩化第二銅溶液は常温に近い20℃以上25℃以下とすることができる。また、透明基材上に金属層、黒色めっき層を形成した材料を塩化第二銅溶液に例えば10秒以上20秒以下浸漬することができる。
 なお、既述のように透明基材と、金属層との間に密着層を形成した場合には、金属層除去工程において、密着層も金属層と同様にパターニングすることが好ましい。すなわち、密着層について、黒色めっき層により覆われている部分以外については、金属層除去工程において除去することが好ましい。
 上述のように密着層をパターニングする場合、金属層をエッチングする際に用いたエッチング液により金属層と共に除去することもできる。また、金属層のエッチングを行った後に、異なるエッチング液によって密着層をエッチングすることもできる。密着層のエッチングを行う際は、密着層のうち、黒色めっき層、及び金属層に覆われていない部分をエッチングにより除去することができる。すなわち、黒色めっき層、及び金属層をマスクとして密着層をエッチングすることができる。
 ここまで図1A~図1Dを用いて説明してきたが、図1A~図1Dにおいては、透明基材の第1の主平面11a上にのみパターン化された金属層121、及び黒色めっき層15を形成した例を示している。しかし、係る形態に限定されるものではなく、第2の主平面11b上にも同様にパターン化された金属層、及び黒色めっき層を形成することもできる。なお、この場合も透明基材と金属層との間には密着層を設けることもできる。
 第2の主平面11b上にパターン化された金属層、及び黒色めっき層を形成する場合でも上述した場合と同様にして形成することができるため、ここでは説明を省略する。
 本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板の光の反射の程度については特に限定されるものではない。例えば波長400nm以上800nm以下の光の反射率(正反射率)は30%未満であることが好ましく、20%未満であることがより好ましく、10%未満であることが特に好ましい。波長400nm以上800nm以下の光の反射率が30%未満の場合、例えばタッチパネル用の導電性基板として用いた場合でもディスプレイの視認性の低下をほとんど引き起こさないため好ましい。
 反射率の測定は、黒色めっき層に光を照射するようにして測定を行うことができる。
 具体的には例えば図1Dのように透明基材11の第1の主平面11a側にパターン化された金属層121と、黒色めっき層15とをその順に積層した場合、黒色めっき層15に光を照射するように、黒色めっき層15の表面15aに上方側から光を照射し、測定できる。測定に当たっては波長400nm以上800nm以下の光を例えば波長1nm間隔で上述のように導電性基板の黒色めっき層15に対して照射し、測定した値の平均値を該導電性基板の反射率とすることができる。
 なお、黒化層として機能する密着層を透明基材11とパターン化された金属層121との間に形成した場合、密着層に光を照射するように透明基材の第2の主平面11b側から密着層に同様の条件で光を照射して、密着層を設けた側の面における反射率も測定できる。
 本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板においては、黒色めっき層表面で測定した光の反射率が上述の範囲であることが好ましい。また、黒化層として機能する密着層を形成した場合、密着層表面及び黒色めっき層表面における光の反射率がいずれもが上述の範囲を満たすことがより好ましい。
 そして、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板においては上述のようにパターン化された金属層121を設けていることから、導電性基板の表面抵抗を小さくすることができる。表面抵抗は0.2Ω/□未満であることが好ましく、0.15Ω/□未満であることがより好ましい。表面抵抗の測定方法は特に限定されないが、例えば、4探針法により測定することができ、導電性基板の表面、例えば黒色めっき層の表面に探針が接触するようにして測定を行うことが好ましい。
 次に、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板の構成例について説明する。
 上述のように、本実施形態の導電性基板の製造方法により製造する導電性基板は透明基材と、金属層と、黒色めっき層と、を備え、透明基材上に、金属層、黒色めっき層、がその順で積層した構成とすることができる。また、必要に応じて透明基材と金属層との間には密着層を設けることもできる。
 そして、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板は金属層、及び黒色めっき層、場合によってはさらに密着層がパターン化された配線基板とすることができる。この場合、図1Dに示したように、パターン化された金属層121と、黒色めっき層15とは、略同一のパターンを有することができる。すなわち、透明基材11の主平面と平行な面における断面形状が略同一の形状とすることができる。
 また、密着層を設けた場合、密着層についてもパターン化された金属層121、及び黒色めっき層15と、透明基材の主平面と平行な面における断面形状が略同一の形状とすることができる。
 本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板において、パターン化された金属層及び黒化層、また密着層を設けた場合の密着層について、それぞれの層のパターン幅(配線幅)や形状は特に限定されるものではなく、用途に応じて任意に選択できる。
 ただし、既述のように本実施形態の導電性基板の製造方法によれば、従来、透明基材上に金属層及び黒化層を形成した後、黒化層上にレジスト層を形成してエッチングを行ったのでは形成することが困難であった配線幅の微細な細線を含む配線パターンを形成できる。このため、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板においては、配線幅の微細な細線を含むことが好ましい。具体的には、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板は、例えば配線幅が3μm以上10μm以下の配線を含むことが好ましく、3μm以上5μm以下の配線を含むことがより好ましい。なお、本実施形態の導電性基板の製造方法は微細な細線を含む導電性基板に限定されるものではなく、各種配線幅の導電性基板を製造する場合に適用することができる。
 また、例えばタッチパネルの用途に用いる場合、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板、または、該導電性基板を積層して得られる積層導電性基板は、メッシュ状の配線を備えていることが好ましい。
 ここで、2枚の導電性基板を積層してメッシュ状の配線を備えた積層導電性基板を形成する場合を例に、積層前の導電性基板に形成する金属層、及び黒色めっき層のパターンの形状の構成例について図2A、図2Bを用いて説明する。
 図2Aは、メッシュ状の配線を備えた積層導電性基板を構成する2枚の導電性基板のうち、一方の導電性基板について、導電性基板20を上面側、すなわち、透明基材21の主平面21a(21b)と垂直な方向から見た図である。また、図2Bは、図2AのA-A´線における断面図を示している。
 図2A、図2Aに示すように導電性基板20において、透明基材21上のパターン化された金属層22、及び黒色めっき層23は、透明基材21の主平面21a(21b)と平行な面における断面形状が略同一形状を有している。例えば黒色めっき層23は図2A中に示した直線形状の複数のパターン(黒色めっき層パターン23A~23G)を有し、係る複数の直線形状のパターンは図中Y軸に平行に、かつ、図中X軸方向に互いに離隔して配置できる。この際、図2Aに示したように透明基材21が四角形状を有する場合、例えば透明基材21の一辺と平行になるように、黒色めっき層のパターン(黒色めっき層パターン23A~23G)を配置することができる。
 なお、パターン化された金属層22も黒色めっき層23と同様のパターンを有しており、直線形状の複数のパターン(金属層パターン)を有し、係る複数のパターンは互いに平行に離隔して配置される。このため、パターン間では透明基材21の第1の主平面21aが露出することとなる。
 なお、本実施形態の導電性基板の製造方法のレジスト層形成工程で、レジスト層に形成する開口部の形状を、図2Aに示した、直線形状のパターンを有する黒色めっき層23と同様の形状とすることで、図2A、図2Bに示した導電性基板を製造できる。
 そして、上述のパターン化された金属層22、及び黒色めっき層23が透明基材21上に形成された導電性基板20を2枚積層することにより、積層導電性基板を形成することもできる。
 積層導電性基板について、図3A、図3Bを用いて説明する。
 図3Aは、積層導電性基板30を上面側、すなわち、2枚の導電性基板の積層方向に沿った上面側から見た図を示しており、図3Bは、図3AのB-B´線における断面図を示している。
 積層導電性基板30は、図3Bに示すように導電性基板301と、導電性基板302と、を積層して得られたものである。なお、導電性基板301、302は共に、透明基材311(312)の第1の主平面311a(312a)上に、パターン化された金属層321(322)、及び黒色めっき層331(332)が積層されている。導電性基板301、302のパターン化された金属層321(322)、及び黒色めっき層331(332)は、いずれも上述した導電性基板20と同様に直線形状の複数のパターンを有するようにパターン化されている。
 そして、一方の導電性基板301の透明基材311の第1の主平面311aと、他方の導電性基板302の透明基材312の第2の主平面312bとが対向するように積層されている。
 なお、一方の導電性基板301の上下を逆にして、一方の導電性基板301の透明基材311の第2の主平面311bと、他方の導電性基板302の透明基材312の第2の主平面312bとが対向するように積層してもよい。この場合、後述する図4と同様の配置となる。
 2枚の導電性基板を積層する際、図3A、図3Bに示すように、一方の導電性基板301のパターン化された金属層321と、他方の導電性基板302のパターン化された金属層322と、が交差するように積層することができる。具体的には例えば、図3Aにおいて、一方の導電性基板301のパターン化された金属層321はそのパターンの長さ方向が図中のX軸方向と平行になるように配置できる。そして、他方の導電性基板302のパターン化された金属層322はそのパターンの長さ方向が図中のY軸方向と平行になるように配置することができる。
 なお、図3Aは上述のように積層導電性基板30の積層方向に沿って見た図のため、各導電性基板301、302の最上部に配置された黒色めっき層331、332を示している。パターン化された金属層321、322も黒色めっき層331、332と同じパターンとなっているため、パターン化された金属層321、322も黒色めっき層331、332と同様にメッシュ状となる。
 積層した2枚の導電性基板の接着方法は特に限定されるものではなく、例えば接着剤等により接着、固定することができる。
 以上に説明したように一方の導電性基板301と、他方の導電性基板302と、を積層することにより、図3Aに示したように、メッシュ状の配線を備えた積層導電性基板30とすることができる。
 このように、積層導電性基板を製造する場合、既述の本実施形態の導電性基板の製造方法により得られた導電性基板を積層する積層工程を有することができる。積層工程では、既述のように、複数枚の導電性基板を積層し、固定することで積層導電性基板とすることができる。
 ここまで、2枚の導電性基板を積層することによりメッシュ状の配線を備えた積層導電性基板とする例を用いて説明したが、メッシュ状の配線を備えた(積層)導電性基板とする方法は係る形態に限定されるものではない。
 例えば、透明基材の第1の主平面、及び第2の主平面にそれぞれ所定のパターンとした金属層、及び黒化層を積層することで、メッシュ状の導電性基板とすることができる。以下に具体的に説明する。
 図1A~図1Dにおいては、透明基材11の一方の主平面にのみ金属層、黒化層を形成した導電性基板の例を示したが、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板は係る形態に限定されるものではない。例えば、図4に示すように、透明基材41の第1の主平面41a、及び第2の主平面41bにパターン化された金属層42A、42B、及び黒色めっき層43A、43Bを積層した導電性基板40とすることもできる。
 この場合、第1の主平面41aに形成したパターン化された金属層42Aと、第2の主平面41bに形成したパターン化された金属層42Bとが、交差するようにパターン化することで、メッシュ状の配線を備えた導電性基板とすることができる。
 具体的には、透明基材41の第1の主平面41a側に、Y軸方向、すなわち紙面と垂直な方向と平行な複数の直線形状にパターン化された金属層42A、及び黒色めっき層43Aを積層した構成とする。また、透明基材41の第2の主平面41b側に図4中X軸方向、すなわち、図中左右の方向に平行な複数の直線形状にパターン化された金属層42B、及び黒色めっき層43Bを積層した構成とする。
 なお、パターン化された金属層42A、42B、及び黒色めっき層43A、43Bは既述の方法により形成することができる。
 具体的には、まず、透明基材41の第1の主平面41a、及び第2の主平面41bの全面に金属層を形成した基材を用意する。
 そして、上記基材の金属層上に、それぞれ上述したパターン化された金属層42A、42Bに対応した形状の開口部を有するレジスト層を形成する(レジスト層形成工程)。この際、第1の主平面41a側のレジスト層は例えば、Y軸方向、すなわち紙面と垂直な方向と平行な複数の直線形状の開口部を有することができる。また、第2の主平面41b側のレジスト層は例えばX軸方向、すなわち図中の左右方向に平行な複数の直線形状の開口部を有することができる。
 次に、各レジスト層の開口部に黒色めっき層43A、43Bを形成する(黒色めっき層形成工程)。
 次に、第1の主平面41a側と、第2の主平面41b側とにそれぞれ形成したレジスト層を除去する(レジスト層除去工程)。
 次に、レジスト層が除去されることにより、黒色めっき層43A、43Bから露出した金属層を除去する金属層除去工程を実施する(金属層除去工程)。これにより、パターン化された金属層42A、42Bを形成することができる。
 ここまで、図3A、図3B、図4においては、直線形状の配線を組み合わせてメッシュ状の配線(配線パターン)を形成した例を示したが、係る形態に限定されるものではなく、配線パターンを構成する配線は任意の形状とすることができる。例えばディスプレイの画像との間でモアレ(干渉縞)が発生しないようメッシュ状の配線パターンを構成する配線の形状をそれぞれ、ぎざぎざに屈曲した線(ジグザグ直線)等の各種形状にすることもできる。図4に示した導電性基板の場合でも同様である。
 なお、図3A、図3B、図4においては、透明基材上にパターン化された金属層、及び黒色めっき層を形成した例を示しているが、既述のように、透明基材と、金属層との間に密着層を設けることもできる。
 以上に説明した本実施形態の導電性基板の製造方法においては、金属層上にレジスト層を形成し、該レジスト層に形成した開口部内に黒色めっき層を形成する。そして、黒色めっき層を用いて金属層のエッチングを行うことができる。
 黒色めっき層はレジスト層の開口部内に形成することになるため、そのパターン幅を細くすることも可能である。そして、黒色めっき層をマスクとしてエッチングを行うことにより配線幅の微細な細線を含む配線パターンを形成することができる。このため、本実施形態の導電性基板の製造方法によれば、配線幅の微細な細線を含む配線パターンを形成することができる。
 また、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板、または該導電性基板を用いた積層導電性基板によれば、パターン化された金属層はその表面に黒色めっき層が配置されている。このため、パターン化された金属層表面での光の反射を抑制できる。また、金属層を配置しているため、導電性基板、積層導電性基板の電気抵抗値を小さくすることができる。
 以上に導電性基板の製造方法を、実施形態等で説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
 本出願は、2014年10月30日に日本国特許庁に出願された特願2014-221381号に基づく優先権を主張するものであり、特願2014-221381号の全内容を本国際出願に援用する。
20、301、302、40          導電性基板
11、21、311、312、41       透明基材
12                     金属層
121、22、321、322、42A、42B パターン化された金属層
131                    開口部を備えたレジスト層
14                     (レジスト層の)開口部
15、23、331、332、43A、43B  黒色めっき層

Claims (3)

  1.  透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層とを有する基材の前記金属層上に、形成する配線パターンに対応した開口部を備えたレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
     前記レジスト層の前記開口部に黒色めっき層を形成する黒色めっき層形成工程と、
     前記レジスト層を除去するレジスト層除去工程と、
     前記黒色めっき層から露出した前記金属層を除去する金属層除去工程と、をその順に実施する導電性基板の製造方法。
  2.  前記金属層が銅めっき層を含む請求項1に記載の導電性基板の製造方法。
  3.  前記黒色めっき層は、クロムを含む請求項1または2に記載の導電性基板の製造方法。
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