JP2021022818A - 過電流保護機能を備えたドライバ回路および過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法 - Google Patents

過電流保護機能を備えたドライバ回路および過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PWM制御信号のデューティ比が小さくなった場合でも確実に過電流状態を検知することができる過電流保護機能を備えたドライバ回路および過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法を提供すること。【解決手段】一つの実施形態によれば、過電流保護機能を備えたドライバ回路は、出力電流を負荷に供給する出力トランジスタを有する。前記出力トランジスタのオン/オフを制御するPWM制御信号を出力する制御信号生成回路を有する。前記出力トランジスタを流れる電流を検知する電流検知回路を有する。前記電流検知回路が検知した電流の値が予め設定したしきい値を超えた時に過電流検知信号を出力する過電流検出回路を有する。前記過電流検知信号の出力回数をカウントするカウンタを有する。予め設定された時間内に前記カウンタのカウント値が所定の回数を超えた時に過電流状態を示す信号を生成する制御回路を有する。【選択図】図1

Description

本実施形態は、過電流保護機能を備えたドライバ回路および過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法に関する。
従来、過電流からドライバ回路の出力トランジスタを保護する種々の技術が開示されている。過電流の状態は、天絡、あるいは、地絡といった過電流状態が継続する場合に限らず、ノイズ等によっても生じる。
従来、過電流による誤動作を回避する為、過電流状態を示す過電流検出信号が検出された後、一定期間、過電流検出信号に応答しないマスク時間を設ける構成が試みられている。しかしながら、このマスク時間に地絡等による過電流が流れる場合には出力トランジスタに過電流が流れ続け、出力トランジスタが破壊に至る恐れがある。また、ドライバ回路は、例えば、出力電圧に応じてデューティ比が調整されるPWM(Pulth Width Modulation)制御信号によって駆動される。従って、PWM制御信号のデューティ比が小さくなった場合においても過電流状態を確実に検知できる構成で有ることが望まれる。
特開2016−218639号公報
一つの実施形態は、PWM制御信号のデューティ比が小さくなった場合でも確実に過電流状態を検知することができる過電流保護機能を備えたドライバ回路および過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、過電流保護機能を備えたドライバ回路は、出力電流を負荷に供給する出力トランジスタを有する。前記出力トランジスタのオン/オフを制御するPWM制御信号を出力する制御信号生成回路を有する。前記出力トランジスタを流れる電流を検知する電流検知回路を有する。前記電流検知回路が検知した電流の値が予め設定したしきい値を超えた時に過電流検知信号を出力する過電流検出回路を有する。前記過電流検知信号の出力回数をカウントするカウンタを有する。予め設定された時間内に前記カウンタのカウント値が所定の回数を超えた時に過電流状態を示す信号を生成する制御回路を有する。
第1の実施形態の過電流保護機能を備えたドライバ回路を示す図。 地絡に対する過電流保護の動作を説明する為の図。 過電流保護機能を備えたドライバ回路の一つの制御方法を示すフローチャート。 地絡に対する過電流保護の他の動作を説明する為の図。 過電流保護機能を備えたドライバ回路の他の制御方法を示すフローチャート。 天絡に対する過電流保護の動作を説明する為の図。 天絡に対する過電流保護の他の動作を説明する為の図。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる過電流保護機能を備えたドライバ回路およびその制御方法を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の過電流保護機能を備えたドライバ回路を示す図である。本実施形態のドライバ回路10は、直流の入力電圧VINを直流の出力電圧VOUTに変換して出力するDC/DC電源回路を構成する。ドライバ回路10は、出力電圧VOUTの帰還電圧VFBと参照電圧VREFの比較結果に応じてデューティ比が調整されるPWM変調の制御信号CH、CLが生成される構成を有する。
ドライバ回路10は、負荷1に出力電流IOUTを供給するPMOS出力トランジスタ11を有する。PMOS出力トランジスタ11のソースは、電源供給端子3に接続され、ドレインは出力端子4に接続される。すなわち、PMOS出力トランジスタ11の主電流路であるソース・ドレイン路は、電源供給端子3と出力端子4の間に接続される。PMOS出力トランジスタ11は、電源供給端子3側に設けられることから、ハイサイド側の出力トランジスタと呼ばれることが有る。電源供給端子3には、直流入力電圧VINを供給する電源2が接続される。
インダクタLoは、一端がPMOS出力トランジスタ11のドレインに接続され、他端が出力端子4に接続される。平滑コンデンサCoは、一端が出力端子4に接続され、他端は接地される。また、出力端子4は、負荷1に接続される。負荷1は、例えばモータ、ソレノイド等である。これらに電流を供給することで電力変換が行われる。
本実施形態は、PMOS出力トランジスタ11に流れる電流を検出する電流検出回路20を備える。電流検出回路20は、PMOSトランジスタ21と、抵抗22とを有する。PMOSトランジスタ21は、ドレインにPMOS出力トランジスタ11のドレインが接続され、ソースに抵抗22を介して電源供給端子3が接続される。
PMOS出力トランジスタ11とPMOSトランジスタ21は、それぞれのドレインとゲートが共通接続され、カレントミラー回路を構成する。PMOSトランジスタ21とPMOS出力トランジスタ11の寸法比を1対Np(Npは任意の正数)に設定することで、PMOS出力トランジスタ11の1/Npのドレイン電流がPMOSトランジスタ21に流れる。従って、PMOSトランジスタ21のドレイン電流を検知することによりPMOS出力トランジスタ11に流れる電流を検知することが出来る。
例えば、Npの値を1000とすると、PMOS出力トランジスタ11には、出力電流IOUTに略等しい電流が流れる。従って、PMOSトランジスタ21のドレイン電流を検知することにより出力電流IOUTを監視することが出来る。
PMOSトランジスタ21に流れる電流をPMOS出力トランジスタ11に流れるドレイン電流の1/Npとすることで、電流検出回路20による電力消費を軽減することが出来る。
本実施形態は、過電流検出回路23を備える。過電流検出回路23は、抵抗22の両端に入力端が接続された比較回路24を有する。比較回路24は、非反転入力端(+)が抵抗22の電源供給端子3側に接続され、反転入力端(−)が抵抗22のPMOSトランジスタ21側に接続される。比較回路24は、抵抗22における電圧降下が比較回路24のしきい値を超えた時にHレベルの過電流検出信号OCPHを出力する。
過電流検出信号OCPHはゲート回路80に供給される。ゲート回路80は、Hレベルの過電流検出信号OCPHが供給されることでHレベルの駆動信号DHをPMOS出力トランジスタ11のゲートに供給する。すなわち、PMOS出力トランジスタ11をオフにさせる制御が行われる。この制御により、マスク時間を設けることなく、過電流検出回路23が所定のしきい値を超える出力電流IOUTを検出した時に、瞬時にPMOS出力トランジスタ11をオフにする。これにより、PMOS出力トランジスタ11や負荷1等が破壊される事態を回避することが出来る。
また、過電流検出信号OCPHは、インターバル設定回路40に供給される。インターバル設定回路40は、ゲートに過電流検出信号OCPHが供給されるNMOSトランジスタ44を有する。NMOSトランジスタ44のソース・ドレイン間にはコンデンサ42が接続される。また、インターバル設定回路40は、コンデンサ42を充電する定電流源41とAND回路43を有する。
AND回路43の一方の入力端はコンデンサ42と定電流源41の接続点に接続され、他方の入力端には制御回路100からのPWM制御信号CHが供給される。AND回路43の出力信号はインバータ回路45に供給され、インバータ回路45の出力信号はゲート回路80に供給される。
AND回路43は、PWM制御信号CHとコンデンサ42の電圧が共にHレベルの時にHレベルの信号を出力する。AND回路43のHレベルの出力信号はインバータ回路45でLレベルの信号に反転され、ゲート回路80を介して出力される。すなわち、インバータ回路45の出力信号がLレベルの時、ゲート回路80から出力される駆動信号DHはLレベルとなり、PMOS出力トランジスタ11をオンさせる。
一方、過電流検出回路23が過電流を検出し、過電流検出信号OCPHがHレベルになると、NMOSトランジスタ44がオンとなり、コンデンサ42の電荷を放電する。これにより、コンデンサ42の電圧はLレベルになる為、AND回路43の出力信号はLレベルとなり、インバータ回路45はHレベルの信号を出力する。インバータ回路45からHレベルの信号が供給されることでゲート回路80は、Hレベルの駆動信号DHをPMOS出力トランジスタ11のゲートに供給する。これにより、PMOS出力トランジスタ11はオフとなる。すなわち、ゲート回路80は、比較回路24からのHレベルの過電流検出信号OCPH、又は、インバータ回路45からのHレベルの信号の供給を受けることにより、Hレベルの駆動信号DHをPMOS出力トランジスタ11のゲートに供給する。
コンデンサ42は、定電流源41によって充電されることで、AND回路43に接続された電極側の電圧が時間に比例して直線的に上昇する。コンデンサ42の電圧が上昇しHレベルに達すると、AND回路43はHレベルの信号を出力する。この時、インバータ回路45からLレベルの信号がゲート回路80に供給され、Lレベルの駆動信号DHがPMOS出力トランジスタ11のゲートに供給される。これにより、PMOS出力トランジスタ11はオンする。
すなわち、過電流検出回路23が過電流状態を検出してHレベルの過電流検出信号OCPHが出力される場合、定電流源41の電流値とコンデンサ42の容量値、及びAND回路43のしきい値で決まる所定の時間間隔でPMOS出力トランジスタ11をオンさせる制御が行われる。
過電流検出回路23からHレベルの過電流検出信号OCPHが出力されない場合、すなわち過電流状態ではない場合には、コンデンサ42の電圧はHレベルを維持する。従って、PWM制御信号CHがHレベルの時にPMOS出力トランジスタ11をオンにし、Lレベルの時にPMOS出力トランジスタ11をオフさせる制御、すなわち、PWM制御信号CHのレベルに応じてPMOS出力トランジスタ11をオン/オフさせる定常の制御状態となる。
また、過電流検出信号OCPHは、カウント回路60に供給される。カウント回路60は、Hレベルの過電流検出信号OCPHの数をカウントするカウンタ62を有する。過電流検出信号OCPHのカウント値が所定の数、例えば、「4」になった時、カウンタ62はHレベルの信号を出力し、AND回路61はHレベルの過電流検出フラグFHを出力する。従って、Hレベルの過電流検出フラグFHは、PMOS出力トランジスタ11に過電流が流れる状態が継続していることを示す。
PMOS出力トランジスタ11に過電流が流れる状態は、例えば、出力端子4が接地状態となる状態、すなわち、地絡の場合に生じる。この場合、PMOS出力トランジスタ11のソース・ドレイン間に入力電圧VINが直接印加されることで、過電流が流れる状態が生じる。図1において、地絡の状態を示す為に、スイッチ7を示している。スイッチ7がオンした場合が地絡に対応する。
本実施形態は、出力端子4と接地端子5間に主電流路であるソース・ドレイン路が接続されたNMOS出力トランジスタ12を備える。PMOS出力トランジスタ11がオンで、NMOS出力トランジスタ12がオフの時、PMOS出力トランジスタ11のドレイン電流によって、負荷1にエネルギーが蓄積される。NMOS出力トランジスタ12は、PMOS出力トランジスタ11がオフの時にオンとなり、負荷1に蓄積したエネルギーを放出させる。すなわち、NMOS出力トランジスタ12は、PMOS出力トランジスタ11と交互にオン/オフする出力トランジスタである。NMOS出力トランジスタ12は、接地端子5側に設けられることから、ローサイド側の出力トランジスタと呼ばれることが有る。
本実施形態は、NMOS出力トランジスタ12に過電流が流れる状態から保護する構成を備える。例えば、出力端子4が電源供給端子3に接触する状態、すなわち、天絡の場合に、NMOS出力トランジスタ12に過電流が流れる状態が生じる。本実施形態は、NMOS出力トランジスタ12に流れる電流を検出する電流検出回路30を備える。電流検出回路30は、NMOSトランジスタ31と、抵抗32とを有する。NMOSトランジスタ31は、ドレインがNMOS出力トランジスタ12のドレインに接続され、ソースが抵抗32を介して接地端子5に接続される。
NMOS出力トランジスタ12とNMOSトランジスタ31は、それぞれのドレインとゲートが共通接続され、カレントミラー回路を構成する。NMOSトランジスタ31とNMOS出力トランジスタ12の寸法比を1対Nn(Nnは任意の正数)に設定することで、NMOS出力トランジスタ12の1/Nnのドレイン電流がNMOSトランジスタ31に流れる。従って、NMOSトランジスタ31のドレイン電流を検知することによりNMOS出力トランジスタ12に流れる電流を検知することが出来る。
例えば、Nnの値を1000とすると、NMOS出力トランジスタ12には、出力電流IOUTに略等しい電流が流れる。従って、NMOSトランジスタ31のドレイン電流を検知することにより出力電流IOUTを監視することが出来る。
NMOSトランジスタ31に流れる電流をNMOS出力トランジスタ12に流れるドレイン電流の1/Nnとすることで、電流検出回路30による電力消費を軽減することが出来る。
本実施形態は、過電流検出回路33を備える。過電流検出回路33は、抵抗32の両端に入力端が接続された比較回路34を有する。比較回路34は、非反転入力端(+)がNMOSトランジスタ31側に接続され、反転入力端(−)が接地端子5側に接続される。比較回路34は、抵抗32における電圧降下が比較回路34のしきい値を超えた時にHレベルの過電流検出信号OCPLを出力する。
過電流検出信号OCPLはゲート回路90に供給される。ゲート回路90は、Hレベルの過電流検出信号OCPLが供給されることでLレベルの駆動信号DLをNMOS出力トランジスタ12のゲートに供給する。すなわち、NMOS出力トランジスタ12をオフにさせる制御が行われる。マスク時間を設けることなく、過電流検出回路33が所定のしきい値を超える出力電流IOUTを検出した時に、瞬時にNMOS出力トランジスタ12をオフにする。これにより、NMOS出力トランジスタ12が破壊する事態を回避することが出来る。
また、過電流検出信号OCPLは、インターバル設定回路50に供給される。インターバル設定回路50は、ゲートに過電流検出信号OCPLが供給されるNMOSトランジスタ54を有する。NMOSトランジスタ54のソース・ドレイン間にはコンデンサ52が接続される。また、インターバル設定回路50は、コンデンサ52を充電する定電流源51とAND回路53を有する。
AND回路53の一方の入力端はコンデンサ52と定電流源51の接続点に接続され、他方の入力端には制御回路100からのPWM制御信号CLが供給される。AND回路53の出力信号は、ゲート回路90に供給される。
AND回路53は、PWM制御信号CLとコンデンサ52の電圧が共にHレベルの時にHレベルの信号を出力する。AND回路53のHレベルの出力信号は、ゲート回路90を介して出力される。すなわち、AND回路53の出力信号がHレベルの時、ゲート回路90から出力される駆動信号DLはHレベルとなり、NMOS出力トランジスタ12をオンさせる。
一方、過電流検出回路33が過電流を検出し、過電流検出信号OCPLがHレベルになると、NMOSトランジスタ54がオンとなり、コンデンサ52の電荷を放電する。これにより、コンデンサ52の電圧はLレベルになる為、AND回路53の出力信号はLレベルとなる。AND回路53からLレベルの信号が供給されることでゲート回路90は、Lレベルの駆動信号DLをNMOS出力トランジスタ12のゲートに供給する。これにより、NMOS出力トランジスタ12はオフとなる。
コンデンサ52は、定電流源51によって充電されることで、AND回路53に接続された電極側の電圧が時間に比例して直線的に上昇する。コンデンサ52の電圧が上昇しHレベルに達すると、AND回路53はHレベルの信号を出力し、Hレベルの信号がゲート回路90に供給される。これにより、Hレベルの駆動信号DLがNMOS出力トランジスタ12のゲートに供給される。これにより、NMOS出力トランジスタ12はオンする。
すなわち、過電流検出回路33が過電流状態を検出してHレベルの過電流検出信号OCPLが出力される場合、定電流源51の電流値とコンデンサ52の容量値、及びAND回路53のしきい値で決まる所定の時間間隔でNMOS出力トランジスタ12をオンさせる制御が行われる。
過電流検出回路33からHレベルの過電流検出信号OCPLが出力されない場合、すなわち過電流状態ではない場合には、コンデンサ52の電圧はHレベルを維持する。従って、PWM制御信号CLがHレベルの時にNMOS出力トランジスタ12をオンにし、Lレベルの時にNMOS出力トランジスタ12をオフさせる制御、すなわち、PWM制御信号CLのレベルに応じてNMOS出力トランジスタ12をオン/オフさせる定常の制御状態となる。
また、過電流検出信号OCPLは、カウント回路70に供給される。カウント回路70は、Hレベルの過電流検出信号OCPLの数をカウントするカウンタ72を有する。過電流検出信号OCPLのカウント値が所定の個数、例えば、「4」になった時、カウンタ72はHレベルの信号を出力し、AND回路71はHレベルの過電流検出フラグFLを出力する。従って、Hレベルの過電流検出フラグFLは、NMOS出力トランジスタ12に過電流が流れる状態が継続していることを示す。
NMOS出力トランジスタ12に過電流が流れる状態は、例えば、出力端子4が電源供給端子3に接触した状態、すなわち、天絡の場合に生じる。この場合、NMOS出力トランジスタ12のソース・ドレイン間に入力電圧VINが直接印加されることで、過電流が流れる状態が生じる。図1において、天絡の状態を示す為に、スイッチ6を示している。スイッチ6がオンした場合が天絡に対応する。
出力端子4と接地間には、抵抗Rf1と抵抗Rf2の直列回路から成る抵抗分圧器110を有する。抵抗分圧器110は、抵抗Rf1と抵抗Rf2の抵抗比によって出力電圧VOUTが分圧された帰還電圧VFBを、比較回路111の非反転入力端(+)に供給する。比較回路111の反転入力端子(−)には参照電圧VREFを供給する電源113が接続される。比較回路111は、帰還電圧VFBと参照電圧VREFを比較した結果に応じた出力信号をPWM回路112に供給する。
PWM回路112は、クロック信号CLKに応答して生成される鋸波(図示せず)と比較回路111の出力信号を比較し、比較回路111の出力信号に応じてデューティ比が調整されるPWM信号を生成して、制御回路100に供給する。
制御回路100は、制御信号生成回路101を有する。制御信号生成回路101は、PWM制御信号CH、CLを生成して出力する。PWM制御信号CHはPMOS出力トランジスタ11のオン/オフを制御し、PWM制御信号CLはNMOS出力トランジスタ12のオン/オフを制御する。なお、制御信号生成回路101は、出力トランジスタ11、12が同時にオン状態になることを防止する為の所定のデッドタイムを設けてPWM制御信号CH、CLを生成する。
制御回路100は、タイマ102を有する。タイマ102は、例えば、過電流検出信号OCPH及び過電流検出信号OCPLが検知されたタイミングで始まる設定時間を計数した値を保持する。また、タイマ102は、例えば、過電流検出信号OCPH及び過電流検出信号OCPLが検知されたタイミングからPWM回路112の出力信号がHレベルまたはLレベルの状態にある時間を合算した値を保持する。
制御回路100は、判定回路103を有する。判定回路103は、タイマ102が保持する値に基づいて、リセット信号Reset1、Reset2を生成して、カウンタ62、72に供給する。判定回路103は、例えばタイマ102が所定の値に達した時に、カウンタ62、72をリセットする制御を行う。また、判定回路103は、過電流検出フラグFH、FLの供給を受けた時に、カウンタ62、72をリセットする制御を行う。
過電流検出フラグFHは、制御回路100に供給される。過電流検出フラグFHがHレベルのとき、制御信号生成回路101はPWM制御信号CHをLレベルにする。この制御によりPMOS出力トランジスタ11はオフとなり、過電流が流れ続ける状態を回避することが出来る。
過電流検出フラグFLは、制御回路100に供給される。過電流検出フラグFLがHレベルのとき、制御信号生成回路101はPWM制御信号CLをLレベルにする。この制御により、NMOS出力トランジスタ12はオフとなり、過電流が流れ続ける状態を回避することが出来る。
所定の時間内に、所定数のHレベルの過電流検出信号OCPLがカウントされなかった場合には、判定回路103はリセット信号Reset2をカウンタ72に供給する。例えば、判定回路103は所定時間内のHレベルの過電流検出信号OCPLの数をカウントし、そのカウント値が所定数に達しない場合に、リセット信号Reset2をカウンタ72に供給する。
本実施形態によれば、過電流検出回路23、33が出力トランジスタ11、12の過電流状態を検出した場合に、瞬時に出力トランジスタ11、12をオフさせる制御が行われる。予め設定した時間内に、過電流の状態を示す過電流検出信号OCPH、OCPLが所定の数だけカウントされた場合、すなわち、過電流状態が継続している場合には、異常を知らせる過電流検出フラグFH、FLを出力すると共に、PWM制御信号CH、CLを制御して出力トランジスタ11、12を、例えば、所定時間オフにする制御を行う。
一方、予め設定した時間内に過電流検出信号OCPH、OCPLを所定回数カウントしなかった場合には、定常の制御動作に復帰させる。例えば、ノイズによる過電流の発生の様な場合には、インターバル設定回路40、50のインターバル時間内に過電流状態が解除される。この様な場合、インターバル設定回路40、50で設定される所定の時間経過後に定常の制御に復帰させることが出来る。
インターバル時間の間は、過電流状態が解除されていても出力トランジスタ11、12は強制的にオフとなるが、インターバル時間を適宜、短時間に設定することにより、PWM制御信号CH、CLによる出力トランジスタ11、12のオンデューティへの影響を抑制することが出来る。
ドライバ回路10では、ハイサイド側のPMOS出力トランジスタ11とローサイド側のNMOS出力トランジスタ12の夫々に、既述した保護回路を設けることにより、天絡、あるいは地絡、によって過電流が流れる状態から出力トランジスタ11、12を保護することが出来る。
PWM回路112が生成するPWM信号の最小パルス幅、すなわち、最小のオンデューティを考慮してインターバル設定回路40、50のインターバル時間を設定することで、過電流状態の時には一つのPWM制御信号CH、CLに対して少なくとも一つの過電流検出信号OCPH,OCPLが検知される構成としている。タイマ102が保持する所定の設定時間STと、PWM制御信号の周期T及び設定したカウント数SCの関係は、例えば、「PWM制御信号の周期T」×「設定したカウント数SC」<「設定時間ST」になる様に調整する。すなわち、設定時間STは、PWM制御信号の周期に設定したカウント数SCを乗じた値よりも長い時間に設定される。設定時間STが経過するまでカウンタ62、72により過電流検出信号OCPH、OCPLをカウントして過電流状態を判断することにより、PWM制御信号CH、CLのオンデューティが小さくなった場合でも、過電流状態を確実に検出することができる。
図2は、地絡に対する過電流保護の動作を説明する為の図である。図2は、PWM制御信号CH、出力電圧VOUT、駆動信号DH、出力電流IOUT、過過電流検出信号OCPH、及び過電流検出フラグFHの信号波形と、カウンタ62のカウント値及びタイマ102の計数値を示す。PWM制御信号CHは、PWM信号に応答して制御信号生成回路101において生成される為、クロック信号CLKの周期に対応する周期Tで発生する。PWM制御信号CHの各信号P0〜P3は、デューティ比に応じてHレベルの時間幅が変化する。
PWM制御信号CHの最初の信号P0がHレベルとなり地絡が発生した場合、出力電圧VOUTは接地電位になり、PMOS出力トランジスタ11に流れる出力電流IOUTは過電流となる。
タイマ102は、地絡によって過電流状態を示す過電流検出信号OCPHを検知したタイミングから設定時間STの計数を開始する。設定時間STは、「PWM制御信号の周期T」×「設定したカウント数SC」<「設定時間ST」になる様に調整されている。図2に示す例では、設定時間STは「28」である。設定時間「28」に達した時に、タイマ102はリセットされる。
カウント回路60は、Hレベルの過電流検出信号OCPHをカウントする。設定時間内におけるHレベルの過電流検出信号OCPHが所定の回数に達した場合には、過電流検出フラグFHはHレベルとなる。そして、Hレベルの過電流検出フラグFHに応答し、PWM制御信号CHはLレベルになる。すなわち、PMOS出力トランジスタ11をオフにする制御を行う。判定回路103は、過電流検出フラグFHに応答して、リセット信号Reset1をカウンタ62に供給する。これにより、カウンタ62はリセットされる。
図2の例の場合、設定時間「28」の間に、過電流検出信号OCPHが4回検出され、過電流検出フラグFHはHレベルとなっている、なお、設定時間内にカウント値が所定の回数に達しない場合には、地絡による過電流状態が解除されたと判定され、判定回路103は、タイマ102の計数値に応答してカウンタ62をリセットする。設定時間経過後にカウンタ62をリセットすることにより、ノイズ等による影響を抑制することができる。
PMOS出力トランジスタ11に過電流が流れていることが検知された場合に、過電流検出信号OCPHによって瞬時にPMOS出力トランジスタ11をオフにする制御が行われると共に、地絡により過電流が流れている状態が継続している場合には、その状態を示す過電流検出フラグFHにより、PWM制御信号CH自体を制御してPMOS出力トランジスタ11をオフにして過電流から保護することが出来る。
設定時間STが経過するまでカウンタ62によりHレベルの過電流検出信号OCPHをカウントして過電流状態を判断する。これにより、PWM制御信号CHのデューティ比が小さくなってPWM制御信号CHのHレベルの時間幅が短くなった場合でも、過電流状態を確実に検出することができる。
図2の例の場合、過電流検出信号OCPHにおけるインターバル時間TintHは、PWM制御信号CHの周期Tに対応して設定される。かかる設定に限らず、例えば、一つのPWM制御信号CHがHレベルにある時間内に複数のインターバル時間TintHを含むように設定してもよい。
図3は、過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法の一例を示すフローチャートである。地絡による過電流状態における保護動作のフローに対応する。過電流検出信号OCPHを検出した場合(S301:Yes)には、カウント回路60はカウント値を一つ増やす(S302)。過電流検出信号OCPHを検出しない場合(S301:No)は、検知動作を継続する。尚、過電流検出信号OCPHの検出に応答してタイマ102による時間の計数が開始する。
制御回路100はカウントを開始してから設定時間が経過していないか否かを判定する(S303)。設定時間内の場合(S303:Yes)には、カウント値が所定の回数、例えば「4」に達したか否かを判定する(S304)。カウント値が所定の回数に達している場合(S304:Yes)には、過電流検出フラグFHをHレベルにする(S305)。すなわち、地絡状態が継続していると判定する。Hレベルの過電流検出フラグFHに応答して、制御回路100はカウント値をリセットする(S306)。カウント値が所定の回数に達していない場合(S304:No)は、検知動作を継続する。
設定時間を超えている場合(S303:No)には、カウント値をリセットする(S306)。これにより、PWM制御信号CHによる定常の動作に復帰する。
「PWM制御信号CHの周期T」×「設定したカウント数SC」<「設定時間ST」になる様に設定した設定時間ST内において、過電流検出信号OCPHの数が設定カウント数SCに達したか否かを判定する制御とする。これにより、PWM制御信号CHのオンデューティが小さくなった場合でも、確実に地絡状態が継続していることを検知し、過電流状態からの保護動作を行うことができる。
図4は、地絡に対する過電流保護の他の動作を説明する為の図である。図4は、PWM制御信号CH、出力電圧VOUT、駆動信号DH、出力電流IOUT、過電流検出信号OCPH、及び過電流検出フラグFHの信号波形と、カウンタ62のカウント値及びタイマ102の合算値を示す。PWM制御信号CHが周期Tで出力される様子を示す。基本的には、図2の動作と同じであり、タイマ102の合算値が図2の場合と異なる。
タイマ102は、PWM制御信号CHがHレベルにある時間を合算する。すなわち、PWM制御信号CHがHレベルにある時間T10〜T13を合算した値を記憶する。地絡によりHレベルの過電流検出信号OCPHが検出されたタイミングの信号P10以降、信号P13までのPWM制御信号CHのHレベルの時間のみが合算される。換言すれば、Lレベルの時間は合算されない。
合算値が設定時間STに達した時にHレベルの過電流検出信号OCPHが所定のカウント値に達している場合には、地絡による過電流状態が継続していると判定し、過電流検出フラグFHはHレベルとなる。すなわち、PWM制御信号CHのオンデューティが変化しても、設定時間ST内におけるHレベルの過電流検出信号OCPHの数をカウントして過電流状態を判定している。これにより、PWM制御信号CHのオンデューティが短くなった場合でも、過電流を確実に検出することができる。
図4の例の場合、設定時間「4」の間に、過電流検出信号OCPHが4回検出され、過電流検出フラグFHはHレベルとなっている。Hレベルの過電流検出フラグFHを受け、判定回路103はカウント値をリセットする。なお、設定時間STの間にカウント値が所定の回数に達しない場合には、地絡による過電流状態が解除されたと判断し、判定回路103は、タイマ102の合算値に応答してカウント値をリセットする。
PWM制御信号CHのHレベルの時間のみを合算し、その合計時間が設定時間STに達するまでに、Hレベルの過電流検出信号OCPHが所定回数カウントされたか否かにより、地絡による過電流状態を検知する。すなわち、PWM制御信号CHがPMOS出力トランジスタ11をオンさせる状態の合算値による設定時間において過電流状態の検知が行われる。この為、PWM制御信号CHのオンデューティが小さくなった場合でも、過電流状態を確実に検出することができる。
図5は、過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法の他例を示すフローチャートである。図4に示す地絡による過電流状態における保護動作のフローに対応する。過電流検出信号OCPHを検出した場合(S501:Yes)には、カウント回路60はカウント値を一つ増やし(S502)、HレベルのPWM制御信号CHの時間を合算する(S503)。過電流検出信号OCPHを検出しない場合(S501:No)は、検知動作を継続する。尚、過電流検出信号OCPHの検出に応答して、タイマ102はPWM制御信号CHのHレベルの時間の合算を開始する。
HレベルのPWM制御信号CHの合計時間が設定時間ST内の場合(S504:Yes)には、カウント値が所定の回数に達したか否かを判定する(S505)。
カウント値が所定の回数に達している場合(S505:Yes)には、過電流検出フラグFHをHレベルにする(S506)。すなわち、地絡状態が継続していると判定する。Hレベルの過電流検出フラグFHに応答して、制御回路100はカウント値をリセットする(S507)。カウント値が所定の回数に達していない場合(S505:No)は、検知動作を継続する。
PWM制御信号CHのHレベルの合計時間が予め設定した設定時間を超えている場合(S504:No)には、カウント値をリセットする(S507)。カウント値のリセットにより、PWM制御信号CHによる定常の動作に復帰する。
HレベルのPWM制御信号CHの合計時間が設定時間STに達した時に過電流検出信号OCPHのカウント値が所定の回数に達している場合には、地絡による過電流状態が継続していると判定し、過電流検出フラグFHをHレベルにする。すなわち、PWM制御信号CHのオンデューティが変化しても、設定時間ST内における過電流検出信号OCPHをカウントして過電流状態を判定することができる。これにより、PWM制御信号CHのHレベルの時間が短くなった場合でも、過電流検出信号OCPHを確実に検出して、過電流状態を検出することができる。
また、ノイズ等で過電流状態が短期間の場合には、インターバル時間TintHの後、定常の制御状態に移行させることが出来る。換言すれば、所定のインターバル時間TintHを設けることにより、短時間で定常の制御状態に復帰させることが出来る。
図6は、天絡に対する過電流保護の動作を説明する為の図である。NMOS出力トランジスタ12がオン状態の時に、天絡が発生した場合に生じる過電流保護動作を示す。図6は、PWM制御信号CL、出力電圧VOUT、駆動信号DL、出力電流IOUT、過電流検出信号OCPL、過電流検出フラグFLの信号波形、及び、カウンタ72のカウント値及びタイマ102の計数値を示す。PWM制御信号CLは、PWM信号に応答して制御信号生成回路101において生成される為、クロック信号CLKの周期に対応する周期Tで発生する。PWM制御信号CLの各信号P20〜P23はオンデューティに応じたHレベルの時間を有する。
PWM制御信号CLの信号P20がHレベルとなり天絡が発生した場合、出力電圧VOUTは入力電圧VINになり、NMOS出力トランジスタ12に流れる出力電流IOUTは過電流となる。尚、出力端子4から出力電流IOUTが流れ出す方向を正としている為、図6においては負の電流として示している。
NMOS出力トランジスタ12に過電流が流れていることが検知された場合に、過電流検出回路33の出力信号によって瞬時にNMOS出力トランジスタ12をオフにする制御が行われると共に、天絡により過電流が流れる状態が継続している場合には、その状態を示す過電流検出フラグFLにより、PWM制御信号CL自体を制御してNMOS出力トランジスタ12をオフにして過電流から保護することが出来る。
インターバル時間TintLの間に天絡が解除された場合には、過電流検出信号OCPLが出力されない為、PWM制御信号CLに応答してNMOS出力トランジスタ12のオン/オフが制御される定常の制御に復帰する。
NMOS出力トランジスタ12に過電流が流れる状態になった場合には、過電流検出信号OCPLによって、NMOS出力トランジスタ12を瞬時にオフにする制御により、過電流状態からNMOS出力トランジスタ12が保護される。
また、カウント回路70が所定の期間内にカウントするHレベルの過電流検出信号OCPLの回数により過電流状態が継続しているか否かを判断することが出来る。過電流状態が継続している場合には過電流検出フラグFLが出力される為、この過電流検出フラグFLに応答して、PWM制御信号CLを制御し、NMOS出力トランジスタ12をオフにする制御を行うことが出来る。
更に、インターバル時間TintL内に過電流状態が解除された場合、あるいは、所定期間内における過電流検出信号OCPLのカウント値が予め定めた数に達しない場合等、過電流状態が短時間の場合には、インターバル時間TintLの後、あるいは、予め設定した時間の後に、定常の制御に復帰させる。従って、PWM制御信号CH、CLによってPMOS出力トランジスタ11、NMOS出力トランジスタ12のオンデューティを設定する制御への影響を抑制することが出来る。
タイマ102は、天絡によって過電流状態を示す過電流検出信号OCPLを検知したタイミングから設定時間STの計数を開始する。設定時間STは、「PWM制御信号の周期T」×「設定したカウント数SC」<「設定時間ST」になる様に調整されている。図6に示す例では、設定時間STは28に設定されている。設定時間「28」に達した時に、タイマ102はリセットされる。
カウント回路70は、Hレベルの過電流検出信号OCPLをカウントする。設定時間内におけるHレベルの過電流検出信号OCPLが所定の回数に達した場合には、過電流検出フラグFLはHレベルとなる。図6の場合、設定時間内に4回の過電流検出信号OCPLがカウントされ、Hレベルの過電流検出フラグFLが出力されている。判定回路103は、過電流検出フラグFLに応答して、リセット信号Reset2をカウンタ72に供給する。これにより、カウンタ72はリセットされる。
図6の例の場合、設定時間「28」の間に、過電流検出信号OCPLが4回検出され、過電流検出フラグFLはHレベルとなっている。なお、設定時間内にカウント値が所定の回数に達しない場合には、天絡による過電流状態が解除されたと判定され、判定回路103は、タイマ102の計数値に応答してカウンタ72をリセットする。
NMOS出力トランジスタ12に過電流が流れていることが検知された場合に、過電流検出信号OCPLによって瞬時にNMOS出力トランジスタ12をオフにする制御が行われると共に、天絡により過電流が流れている状態が継続している場合には、その状態を示す過電流検出フラグFLにより、PWM制御信号CL自体を制御してNMOS出力トランジスタ12をオフにして過電流から保護することが出来る。
設定時間STが経過するまでカウンタ72により過電流検出信号OCPLのHレベルをカウントして過電流状態を判断する。これにより、PWM制御信号CLのデューティ比が小さくなった場合でも、過電流状態を確実に検出することができる。
図7は、天絡に対する過電流保護の他の動作を説明する為の図である。図7は、PWM制御信号CL、出力電圧VOUT、駆動信号DL、出力電流IOUT、過電流検出信号OCPL、及び過電流検出フラグFLの信号波形と、カウンタ72のカウント値及びタイマ102の合算値を示す。PWM制御信号CLが周期Tで出力される様子を示す。基本的には、図6の動作と同じであり、タイマ102の合算値が図6の場合と異なる。
タイマ102は、PWM制御信号CLがHレベルにある時間を合算する。すなわち、信号P30〜P33のHレベルの時間T30〜T33を合算した値を記憶する。天絡によりHレベルの過電流検出信号OCPLが検出されたタイミングの信号P30以降、信号P33までのPWM制御信号CLのHレベルの時間のみが合算される。
合算値が設定時間STに達した時にHレベルの過電流検出信号OCPLが所定のカウント値に達している場合には、天絡による過電流状態が継続していると判定し、過電流検出フラグFLはHレベルとなる。すなわち、PWM制御信号CLのオンデューティが変化しても、設定時間ST内におけるHレベルの過電流検出信号OCPLをカウントして過電流状態を判定している。これにより、PWM制御信号CLのオンデューティが短くなった場合でも、過電流検出信号OCPLを確実に検出することができる。
図7の例の場合、設定時間「4」の間に、過電流検出信号OCPLが4回検出され、過電流検出フラグFLはHレベルとなっている。Hレベルの過電流検出フラグFLを受け、判定回路103はカウント値をリセットする。なお、設定時間STの間にカウント値が所定の回数に達しない場合には、天絡による過電流状態が解除されたと判断し、判定回路103は、タイマ102の合算値に応答してカウント値をリセットする。
PWM制御信号CLがHレベルの時間のみを合算し、その合計時間が設定時間STに達するまでにHレベルの過電流検出信号OCPLが所定回数カウントされたか否かにより、天絡による過電流状態を検知する。すなわち、PWM制御信号CLがNMOS出力トランジスタ12をオンさせる状態の合計時間による設定時間において過電流状態の検知が行われる。この為、PWM制御信号CLのオンデューティが小さくなった場合でも、過電流状態を確実に検出することができる。
インターバル時間TintH、TintLは、例えば、PMOS出力トランジスタ11、NMOS出力トランジスタ12の容量に応じて適宜設定することが出来る。例えば、5μ秒〜10μ秒に設定することが出来る。
尚、出力トランジスタ11、12のソースに抵抗(図示せず)を夫々接続し、その抵抗に生じる電圧降下を検出する構成とすることで、各出力トランジスタ11、12に流れる電流の検出と過電流状態の検出を行う構成とすることも可能である。
また、ハイサイド側のPMOS出力トランジスタ11とローサイド側のNMOS出力トランジスタ12に既述した保護回路を設ける必要は無く、いずれか一方に設ける構成であっても良い。
また、ハイサイド側のPMOS出力トランジスタ11のみをスイッチング動作させ、ローサイド側にはダイオードを設ける構成のドライバ回路に、既述したハイサイド側の保護回路の構成を設ける構成とすることも出来る。
また、Hレベルの過電流検出フラグFH、FLが供給された時に、PWM制御信号CH、CLの信号レベルを変える制御に代えて、PWM制御信号CH、CLの信号レベルは変えず、PMOS出力トランジスタ11、NMOS出力トランジスタ12をオフにする信号を別途供給する構成とすることも出来る。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 ドライバ回路、11 PMOS出力トランジスタ、12 NMOS出力トランジスタ、20 電流検出回路、23 過電流検出回路、30 電流検出回路、33 過電流検出回路、40及び50 インターバル設定回路、60及び70 カウント回路、80及び90 ゲート回路、101 制御信号生成回路、102 タイマ、103 判定回路。

Claims (7)

  1. 出力電流を負荷に供給する出力トランジスタと、
    前記出力トランジスタのオン/オフを制御するPWM制御信号を出力する制御信号生成回路と、
    前記出力トランジスタを流れる電流を検知する電流検知回路と、
    前記電流検知回路が検知した電流の値が予め設定したしきい値を超えた時に過電流検知信号を出力する過電流検出回路と、
    前記過電流検知信号の出力回数をカウントするカウンタと、
    予め設定された時間内に前記カウンタのカウント値が所定の回数を超えた時に過電流状態を示す信号を生成する制御回路と、
    を具備することを特徴とする過電流保護機能を備えたドライバ回路。
  2. 前記PWM制御信号と前記過電流検知信号に応答し、前記PWM制御信号が前記出力トランジスタをオンさせる制御の状態の場合に前記過電流検知信号が出力されたタイミングから所定の時間後に前記出力トランジスタをオンさせる出力信号を出力するインターバル設定回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の過電流保護機能を備えたドライバ回路。
  3. 前記予め設定された時間は、前記PWM制御信号の周期に前記所定の回数を乗じた値よりも長い時間に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の過電流保護機能を備えたドライバ回路。
  4. 前記予め設定された時間は、前記PWM制御信号が前記出力トランジスタをオンさせる状態の合計時間によって設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の過電流保護機能を備えたドライバ回路。
  5. 前記予め設定された時間内に前記過電流検知信号を所定回数カウントしなかった場合に、前記制御回路は前記カウント値をリセットする信号を前記カウンタに供給することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の過電流保護機能を備えたドライバ回路。
  6. 出力電流を負荷に供給する出力トランジスタのオン/オフを制御するPWM制御信号を出力し、
    前記出力トランジスタを流れる電流を検知し、
    前記検知した電流の値が予め設定したしきい値を超えた時に過電流検知信号を出力し、
    前記過電流検知信号の出力回数をカウントし、
    予め設定された時間内のカウント値が所定の値を超えた時に過電流状態を示す信号を生成する
    ことを特徴とする過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法。
  7. 前記予め設定された時間は、前記PWM制御信号が前記出力トランジスタをオンさせる状態の合計時間によって設定されることを特徴とする請求項6に記載の過電流保護機能を備えたドライバ回路の制御方法。
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