<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施形態により詳細に説明する。ファクシミリ機能を具備するMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)に本発明を適用した例について説明する。ただし、MFP以外に本発明を適用してもよい。
図1は、本実施形態に係るMFP1のハードウェア構成を説明するための図である。図1に示す通り、MFP1はコントローラ10とエンジン部23とを具備する。以上のコントローラ10とエンジン部23とは、PCI(Peripheral Component Interface)バスで接続される。
コントローラ10は、MFP1全体の制御と描画、通信、操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部23は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンを含み、例えば、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットである。
コントローラ10は、CPU11、ノースブリッジ(NB)13、システムメモリ(MEM‐P)12、サウスブリッジ(SB)14、ローカルメモリ(MEM‐C)17、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16、ハードディスクドライブ(HDD)25を含む。また、ノースブリッジ(NB)13とASIC16とが、AGP(Accelerated Graphics Port)バス15によって接続される。さらに、MEM‐P12は、ROM(Read Only Memory)12a、RAM(Random Access Memory)12bを含む。
CPU11は、MFP1全体の動作を制御し、NB13、MEM‐P12、SB14を含むチップセットを含む構成であり、当該チップセットを介して他の機器と接続される。NB13は、CPU11とMEM‐P12、SB14、AGPバス15とを接続するためのブリッジであり、MEM‐P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを含む構成である。MEM‐P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとを含む。
ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリとして用いる書き込みおよび読出し可能なメモリである。SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。SB14はPCIバスを介してNB13と接続されており、PCIバスにはネットワークインタフェース(I/F)部が接続される構成であってもよい。
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス15、PCIバス、HDD25およびMEM‐C17をそれぞれ接続するブリッジの機能を実現する。ASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM‐C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部23との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとを含む。
ASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)18、USB(Universal Serial Bus)19、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)、インターフェース21が接続される。操作表示部24はASIC16に直接接続されている。MEM‐C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリである。
AGPバス15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM‐P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするものである。
FCU18は、ファクシミリ機能を制御するハードウェアである。具体的には、FCU18は、通信回線N(例えば電話回線)に接続され、ファクシミリ機能を用いて外部装置と通信する。例えば、FCU18は、通信回線Nを介して外部のファクシミリ装置から画像情報Daを受信する。画像情報Daは、画像(例えば、文書の画像)を示す画像データである。また、FCU18は、通信回線Nを介して外部装置へ画像情報Daを送信(転送)する。
図1に示す通り、FCU18にはG3端末18bおよびG4端末18c(受信部)が設けられる。FCU18は、G3端末18bを介してG3プロトコル通信により画像情報Daの送受信ができる。また、FCU18は、G4端末18cを介してG4プロトコル通信により画像情報Daの送受信ができる。ただし、画像情報Daの送受信に用いるインターフェースは以上の例に限定されない。例えば、G3端末18bおよびG4端末18cのうちの何れか一方のみが設けられる構成としてもよい。
図1に示す通り、FCU18にはSAF(Store and Forward)メモリ18a(第2記憶部)が設けられる。SAFメモリ18aとしては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)が好適に採用される。ただしDRAM以外がSAFメモリ18aとして採用される構成としてもよい。
コントローラ10のHDD25(第1記憶部)は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージであり、MFP1において実行されるアプリケーションソフトウェアのプログラムファイルが保存されている。
また、コントローラ10のHDD25は、FCU18が受信した画像情報Daを逐一記憶する。また、詳細には後述するが、HDD25は、画像情報Daに加え当該画像情報Daに係る書誌情報Dbを記憶する。本実施形態の書誌情報Dbは、画像情報Daが受信されてからの時間を特定可能な情報である。
FCU18のSAFメモリ18aは、上述したHDD25と同様に、受信された画像情報Daを逐一記憶する。すなわち、外部装置から受信された画像情報Daは、コントローラ10のHDD25とFCU18のSAF18aとの双方に記憶される(ミラーリング)。また、SAFメモリ18aは、HDD25と同様に、各画像情報Daの各書誌情報Dbを記憶する。
以上の構成では、仮に、画像情報Daが正常に読み出されない状態(以下「故障状態」)へHDD25が移行した場合であっても、SAF18aに記憶した画像情報Daにより復旧が可能である。同様に、SAF18aが故障状態へ移行した場合であっても、HDD25に記憶した画像情報Daにより復旧が可能である。
本実施形態のSAFメモリ18aは、記憶容量がHDD25より小さいが、故障状態へHDD25より移行し難い。具体的には、HDD25には可動部品が設けられる一方、SAFメモリ18aには可動部品が設けられない。したがって、当該可動部品の不具合が原因で、HDD25はSAFメモリ18aより故障状態へ移行し易い。
なお、本実施形態における「画像情報が正常に読み出されない故障状態」は、画像情報Daの読出しが不可能な状態に加え、上述の不具合が生じていない非故障状態と比較して、読出し速度が低下した状態を含む概念である。また、本実施形態における「画像情報が正常に読み出されない故障状態」は、上述の不具合が生じていない非故障状態と比較して、画像情報Daの読出し処理を実行した際に画像情報Daが適当に読み出される確率が低下した状態を含む概念である。
ところで、上述した通り、SAFメモリ18aはHDD25より記憶容量が小さい。したがって、画像情報Daが蓄積され続けた場合、HDD25に記憶される画像情報Daの一部がSAFメモリ18aに記憶できなくなる。例えば、SAFメモリ18aにM番目(Mは正の整数)までの画像情報Daが記憶された時点で、当該SAFメモリ18aの残容量が不足した場合を想定する。以上の場合であっても、HDD25には、M番目までの画像情報Daに加え、M+1番目以降の画像情報Daが記憶(蓄積)される。
一方、SAFメモリ18aには、当該SAFメモリ18aに記憶されるM個の画像情報Daの何れかを消去しなければ、M+1番目に受信された画像情報Daを記憶できない。ただし、新たな画像情報Daを記憶するために、SAFメモリ18aから画像情報Daの何れかを削除した場合、その後、HDD25が故障状態へ移行した際に、SAFメモリ18aから削除した当該画像情報Daが復元できない。
仮に、SAFメモリ18aから削除された画像情報Daの重要度が低い場合を想定する。以上の場合、当該画像情報Daが復元できなくても大きな問題とはなり難い。一方、SAFメモリ18aから削除された画像情報Daの重要度が高い場合には大きな問題となり易い。以上の事情を考慮して、本実施形態は、重要度が高い画像情報DaがSAFメモリ18aに優先して記憶される(削除され難い)構成を具備する。以上の構成の詳細については後述する。
図2は、本実施形態に係るファクシミリ装置(MFP1)100の機能ブロック図である。上述したCPU11がプログラムを実行することで、以下の各機能が実現される。
図2に示す通り、ファクシミリ装置100は、第1制御装置110および第2制御装置120を含んで構成される。以上の第1制御装置110および第2制御装置120は、別々のハードウェアとしてファクシミリ装置100に設けられる。具体的には、上述のコントローラ10が第1制御装置110として機能する。また、FCU18が第2制御装置120として機能する。図2に示す通り、第1制御装置110は、第1記憶部111および記憶制御部112を含んで構成される。また、第2制御装置120は、第2記憶部121および受信部122を含んで構成される。
第1制御装置110の第1記憶部111は、受信部122が受信した画像情報Daを逐一記憶する。例えば、上述のHDD25が第1記憶部111として機能する。また、G3端末18bおよびG4端末18cが受信部122として機能する。
第2制御装置120の第2記憶部121は、上述の第1記憶部111と同様に、画像情報Daを記憶する。本実施形態の第2記憶部121は、第1記憶部111より記憶容量が小さいが、画像情報Daの正常な読出しが不可能な故障状態へ第1記憶部111より移行し難い。
また、第2記憶部121は、画像情報Daの読出し速度および書込み速度が第1記憶部111と比較して速い。例えば、上述のSAF18aが第2記憶部121として機能する。ただし、画像情報Daの読出し速度および書込み速度が第1記憶部111より遅い第2記憶部121を採用してもよい。なお、詳細には後述するが、第2記憶部121には、重要度が高い画像情報Daが優先して記憶される。
以上の説明から理解される通り、本実施形態では、受信部122が受信した画像情報Daは、第1記憶部111および第2記憶部121の双方に記憶される。ファクシミリ装置100は、第1記憶部111および第2記憶部121の一方が故障状態へ移行した場合、他方に記憶される画像情報Daにより復旧する。
例えば、ファクシミリ装置100(第1制御装置110)は、第1記憶部111および第2記憶部121の双方が非故障状態の期間では、第1記憶部111に記憶される画像情報Daを印刷する。一方、特定の画像情報Daを印刷する際に、第1記憶部111が故障状態の場合、当該特定の画像情報Daを第2記憶部121から読み出して印刷する。
また、本実施形態では、受信部122で画像情報Daが受信された場合、当該画像情報Daに係る書誌情報Dbが生成される。また、画像情報Daに係る書誌情報Dbは、当該画像情報Daに紐付けられ、第1記憶部111および第2記憶部121に記憶される。本実施形態の書誌情報Dbは、画像情報Daが受信された時刻(年、月、日、時、分、秒)を特定可能な情報である。また、以上の書誌情報には、画像情報Daの送信元を特定可能な情報が含まれる。
上述した通り、第2記憶部121の記憶容量は、第1記憶部111の記憶容量より小さい。したがって、画像情報Daを逐一記憶した場合、第2記憶部121の残容量が不足し、第1記憶部111に記憶される画像情報Daが第2記憶部121に記憶できなくなる。
以上の事情を考慮して、記憶制御部112は、第2記憶部121の残容量が予め定められた閾値(以下「閾値X」という)以下になった場合、第2記憶部121に記憶されている画像情報Daの何れかを削除する。以上の構成では、新たに受信された画像情報Daを記憶するための容量が第2記憶部121に確保される。
具体的には、記憶制御部112は、第2記憶部121に記憶されている画像情報Daのうち重要度が最も低い画像情報Daを第2記憶部121から削除する。以上の記憶制御部112は、一の画像情報Daの重要度が他の画像情報Daの重要度より高い場合、当該一の画像情報Daより当該他の画像情報Daを優先して削除可能であるとも換言される。
本実施形態では、画像情報Daが受信されてからの時間が短い程、当該画像情報Daの重要度が高くなる。すなわち、最新の画像情報Daの重要度が最も高く、最古の画像情報Daの重要度が最も低くなる。ただし、重要度を決定する基準は適宜に変更できる。重要度を決定する基準の他の具体例は、後述の第2実施形態から第5実施形態において詳細に説明する。
記憶制御部112は、第2記憶部121から画像情報Daを削除する際に、画像情報Daの書誌情報Dbから当該画像情報Daが最古の画像情報Daであるか否かを判断する。また、記憶制御部112は、最古の(重要度が最も低い)画像情報Daを第2記憶部121から削除する。以上の記憶制御部112によれば、画像情報Daに係る書誌情報Dbに基づく重要度が、他の画像情報Daより一の画像情報Daが高い場合、当該一の画像情報Daが当該他の画像情報Daより優先して第2記憶部121に記憶される(残される)。
仮に、第2記憶部121の画像情報Daを削除するに際して、当該画像情報Daの重要度が顧慮されない構成では、重要度が高い画像情報Daが削除される不都合が生じ易い。本実施形態では、第2記憶部121の画像情報Daを削除するに際して、重要度が低い画像情報Daが削除されるため、以上の不都合が抑制される。なお、記憶制御部112が第2制御装置120(FCU18)に設けられる構成としてもよい。
図3(a)から図3(b)は、第1記憶部111および第2記憶部121に記憶される画像情報Daおよび書誌情報Dbの具体例を説明するための図である。
本実施形態のファクシミリ装置100は、外部のファクシミリ装置200から通信回線Nを介して画像情報Daを受信する。ファクシミリ装置200に受信された画像情報Daは、上述した通り第1記憶部111および第2記憶部121の双方に記憶される。また、ファクシミリ装置100は、ネットワーク(LAN等)を介して、外部装置(パーソナルコンピュータ)300と通信可能である。
ファクシミリ装置100は、画像情報Daを送信すべき旨の指示を外部装置300から受信可能であり、当該指示に応じて画像情報Daを外部装置300へ送信する。具体的には、ファクシミリ装置100は、画像情報Daを送信すべき旨の指示を受信した場合、画像情報Daを第1記憶部111から読出し、外部装置300へ送信する。ただし、第1記憶部111が故障状態の場合、第2記憶部121から画像情報Daを読出し、外部装置300へ送信する。
図3(a)は、第2記憶部121の残容量が閾値X以下になる前の期間における、第1記憶部111および第2記憶部121(以下「記憶部」と総称する場合がある)に記憶される各情報(画像情報Daおよび書誌情報Db)の具体例を説明するための図である。図3(a)の具体例では、画像情報Da1、画像情報Da2…画像情報DaMの順に、M個の画像情報Daがファクシミリ装置100(受信部122)で受信された場合を想定する。
以上の場合、画像情報Da1から画像情報DaMが第2記憶部121に記憶される。同様に、画像情報Da1から画像情報DaMが第1記憶部111に記憶される。また、図3(a)に示す通り、第1記憶部111および第2記憶部121の双方に、画像情報Da(1〜M)に係る書誌情報Db(1〜M)が、当該画像情報Daに対応して記憶される。
図3(a)の具体例では、画像情報Daが受信されてからの時間は、画像情報Da1が最も長くなり、画像情報DaMが最も短くなる。上述した通り、本実施形態では、画像情報Daが受信されてからの時間が短い程、当該画像情報Daの重要度が高くなる。したがって、図3(a)の具体例では、画像情報Da1が最も重要度が低く、画像情報DaMの重要度が最も高くなる。
図3(b)は、第2記憶部121の残容量が閾値X以下に減少した直後における、記憶部に記憶される各情報の具体例を説明するための図である。図3(b)の具体例では、上述の図3(a)の具体例において、画像情報DaM+1が新たに受信され、第2記憶部121の残容量が閾値X以下に減少した場合を想定する。
本実施形態の第1制御装置110は、新たな画像情報Daを第2記憶部121に記憶した際に、第2記憶部121の残容量が閾値X以下である場合、重要度が低い画像情報Daを削除する。図3(b)の具体例では、第2記憶部121に記憶された画像情報Daのうち画像情報Da1が最古であり、最も重要度が低い。したがって、第2記憶部121に画像情報DaM+1が記憶された場合、画像情報Da1が第2記憶部121から削除される。以上の構成では、第2記憶部121に新たな画像情報Daを記憶するための残容量が確保される。
ただし、図3(b)に示す通り、第2記憶部121に画像情報DaM+1が記憶され、画像情報Da1が第2記憶部121から削除された場合であっても、第1記憶部111からは画像情報Da1は削除されない。したがって、仮に第2記憶部121が故障状態へ移行し、第2記憶部121から画像情報Da1が読出し不可能になった場合であっても、第1記憶部111に記憶された画像情報Da1による印刷が可能である。
また、本実施形態では、第2記憶部121から画像情報Daを削除する場合であっても、当該画像情報Daに係る書誌情報Dbは削除されない。例えば、図3(b)の具体例では、第2記憶部121から画像情報Da1が削除された後も、当該画像情報Da1に係る書誌情報Db1は第2記憶部121に残される。
上述した通り、書誌情報Dbは、画像情報Daを受信した時刻に加え、当該画像情報Daの送信元を特定可能な情報(送信元の名称、ファックス番号など)が含まれる。以上の本実施形態では、仮に第1記憶部111が故障状態に移行し、且つ、画像情報Daが第2記憶部121から削除された場合であっても、当該画像情報Daの送信元が第2記憶部121に残された書誌情報Dbから把握できる。したがって、書誌情報Dbから特定される送信元へ連絡し、画像情報Daの再送を要求することができるという利点がある。
図3(c)は、記憶部に記憶される各情報の他の具体例を説明するための図である。図3(c)の具体例では、画像情報Da1から画像情報DaM+mのM+m個の画像情報Daが受信された場合を想定する。また、以上の具体例では、画像情報Da1、画像情報Da2…画像情報DaM+m−1、画像情報DaM+mの順に画像情報Daが受信された場合を想定する。以上の場合、図3(c)に示す通り、M+m個の画像情報Daが第1記憶部111に記憶される。また、M+m個の書誌情報Dbが第1記憶部111に記憶される。
図3(c)の具体例では、画像情報Da1から画像情報DaM+mのうち、画像情報Da1から画像情報Damまでのm個の画像情報Daが第2記憶部121から削除された場合を想定する。以上の場合、M個の画像情報Daが第2記憶部121に記憶される。ただし、画像情報Daを削除する際に書誌情報Dbは削除されないため、第2記憶部121には、第1記憶部111と同様に、書誌情報Db1から書誌情報DbM+mのM+m個の書誌情報Dbが記憶される。
図4は、本実施形態のファクシミリ装置100の動作を説明するためのフローチャートである。図4は、ファクシミリ装置100が実行する記憶部制御処理のフローチャートを示す。
ファクシミリ装置100は、外部のファクシミリ装置から画像情報Da(文書)が受信された場合(Sa1)、当該画像情報Daが受信された時刻を特定可能な書誌情報Dbを生成する。また、以上の書誌情報Dbを上述のステップSa1で受信した画像情報Daと紐付け、第1記憶部111および第2記憶部121の双方に記憶する(Sa2)。
画像情報Daおよび書誌情報Dbを第1記憶部111および第2記憶部121に記憶した後に、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であるか否かを判定する(Sa3)。第2記憶部121の残容量が閾値X以下ではないと判断した場合(Sa3:NO)、ファクシミリ装置100は、記憶部制御処理を終了する。
一方、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であると判断した場合(Sa3:YES)、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の画像情報Daのうち、重要度が最も低い画像情報Daを特定する(Sa4)。具体的には、ステップSa4では、書誌情報Db(受信時刻を含む)が参照され、画像情報Daのうち最古の画像情報Daが最も重要度が低い文書と判断される。
第2記憶部121の画像情報Daから最古の画像情報Daを特定した後に、ファクシミリ装置100は、当該画像情報Daが示す画像(文書)を印刷する(Sa5)。また、画像が印刷された画像情報Daは、第2記憶部121から削除される(Sa6)。ただし、上述した通り、書誌情報Dbは第2記憶部121から削除されない。
以上の説明から理解される通り、本実施形態では、第2記憶部121から画像情報Daが削除される場合、当該画像情報Daの画像が自動で印刷される。以上の構成では、画像情報Daの画像が印刷される前に、当該画像情報Daが第2記憶部121から削除される不都合が抑制される。ただし、ステップSa6が省略される構成としてもよい。
第2記憶部121から画像情報Daを削除した後に、ファクシミリ装置100は、上述のステップSa3へ処理を戻す。以上の構成では、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下であるか否かが判定される。仮に、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下でない場合(Sa3:NO)、ファクシミリ装置100は記憶部制御処理を終了する。
一方、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下の場合(Sa3:YES)、ファクシミリ装置100は、上述のステップSa4からステップSa6を再度実行する。以上の場合、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121に記憶される残りの画像情報Daのうちから最古の画像情報Daが削除される。その後、上述のステップSa3が再び実行される。
以上の説明から理解される通り、1個の画像情報Daが新たに第2記憶部121に記憶された場合において、2個以上の画像情報Daが第2記憶部121から古い順に削除され、残容量が確保される場合がある。例えば、新たに記憶された画像情報Daのデータ量が比較的大きい場合、記憶部制御処理において、第2記憶部121から複数個の画像情報Daが削除され易い。また、最初に削除された画像情報Daのデータ量が比較的小さい場合も同様である。
なお、本実施形態では、第2記憶部121から画像情報Daを削除する毎に、残容量が閾値Xまで増加したか否かを判定した。以上の構成に替えて、新たに記憶した画像情報Daのデータ量が予め定められた閾値より大きい場合、第2記憶部121から複数個の画像情報Daが一度に削除される構成としてもよい。
ただし、以上の構成では、本実施形態と比較して、必要以上に画像情報Daが削除される不都合が生じ易くなる。例えば、新たに記憶した画像情報Daのデータ量が予め定められた閾値より大きい場合であっても、最初に削除される画像情報Daのデータ量が比較的大きければ、複数個の画像情報Daを第2記憶部121から削除する必要が無い。本実施形態では、画像情報Daを削除する毎に残容量が閾値X以下であるか否かを判断するため、上述の不都合が抑制される。
以上の本実施形態によれば、重要度が高い画像情報Daが第2記憶部121に優先して記憶されるため、重要度が高い画像情報Daが第2記憶部121に記憶されないという問題が抑制される。
<第2実施形態>
本発明の他の各実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図5は、第2実施形態のファクシミリ装置100の動作を説明するためのフローチャートである。図5は、上述の第1実施形態における図4に対応し、第2実施形態のファクシミリ装置100が実行する記憶部制御処理のフローチャートを示す。
上述の第1実施形態では、画像情報Daが受信されてからの時間(特定情報)に基づいて、重要度の低い画像情報Da(削除すべき画像情報Da)が判断された。第2実施形態では、画像情報Daの送信元に基づいて、重要度が低い画像情報Daが判断される。以上の構成の詳細について以下で説明する。
図5に示す通り、ファクシミリ装置100は、外部装置から画像情報Da(文書)が受信された場合(Sb1)、当該画像情報Daの送信元を特定可能な送信元情報Dcを生成する。例えば、ファクシミリ装置100は、画像情報Daの送信元の名称またはファクシミリ番号を特定可能な送信元情報Dcを生成する。
ファクシミリ装置100は、以上の送信元情報Dcを上述のステップSb1で受信した画像情報Daと紐付け、第1記憶部111および第2記憶部121の双方に記憶する(Sb2)。ただし、送信元情報Dcは以上の例に限定されず、送信元を特定可能な情報が適宜に採用され得る。
画像情報Daおよび送信元情報Dcを第1記憶部111および第2記憶部121に記憶した後に、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であるか否かを判定する(Sb3)。第2記憶部121の残容量が閾値X以下ではないと判断した場合(Sb3:NO)、ファクシミリ装置100は、記憶部制御処理を終了する。
一方、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であると判断した場合(Sb3:YES)、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の画像情報Daのうち、重要度が低い画像情報Daを特定する(Sb4)。
第2実施形態のステップSb4では、第2記憶部121に記憶された画像情報Daの各々について、当該画像情報Daが特定の送信元(以下「指定送信元」という)から送信されたものであるか否かが判定される。具体的には、ファクシミリ装置100は、指定送信元テーブルを用いて、画像情報Daの送信元が指定送信元であるか否かを判断する。
指定送信元テーブルには、指定送信元を特定可能な情報が登録される。例えば、指定送信元テーブルには、指定送信元の名称またはファクシミリ番号が登録される。ファクシミリ装置100は、ステップSb4において、第2記憶部121の画像情報Daの送信元情報Dcで特定される送信元(名称またはファクシミリ番号)を、指定送信元テーブルから検索する。
以上の指定送信元テーブルは、例えば、第1記憶部111(HDD25)に記憶される。本実施形態では、利用者(受信者)は、ファクシミリ装置100(MFP1)の操作部を適宜に操作することで、指定送信元を指定送信元テーブルに登録できる。
ただし、指定送信元の登録方法は以上の例に限定されない。具体的には、指定送信元が自動で登録される構成を採用してもよい。例えば、画像情報Daを受信した回数が所定回数より多い送信元が自動で指定送信元として登録される構成としてもよい。
ファクシミリ装置100は、画像情報Daの送信元情報Dcで特定される送信元を、指定送信元テーブルから検索した結果、当該送信元が発見されない場合、当該画像情報Daを重要度が低い画像情報Daとして特定する。なお、以下において、説明のため、指定送信元テーブルに登録されない送信元を「非指定送信元」という。
本実施形態のファクシミリ装置100は、第2記憶部121に記憶される全ての画像情報Daについて、当該画像情報Daの送信元が指定送信元であるか非指定送信元であるかを特定する。なお、非指定送信元から送信された画像情報Daが複数個記憶される場合、予め定められた方法により、当該複数個の画像情報Daの何れか1個がステップSb4において重要度が低いと判断される。以上の方法の具体例については、後述の変形例において説明する。
第2記憶部121の画像情報Daから重要度が低い画像情報Daを特定した後に、ファクシミリ装置100は、当該画像情報Daが示す画像(文書)を印刷する(Sb5)。また、画像が印刷された画像情報Daは、第2記憶部121から削除される(Sb6)。ただし、送信元情報Dcは第2記憶部121から削除されない。
第2記憶部121から画像情報Daを削除した後に、ファクシミリ装置100は、上述のステップSb3へ処理を戻す。以上の構成では、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下であるか否かが判定される。仮に、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下でない場合(Sb3:NO)、ファクシミリ装置100は記憶部制御処理を終了する。
一方、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下の場合(Sb3:YES)、ファクシミリ装置100は、上述のステップSb4からステップSb6を再度実行する。以上の場合、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121に記憶される残りの画像情報Daのうちから非指定送信元の画像情報Daが再度削除される。その後、上述のステップSb3が再び実行される。
以上の第2実施形態では、上述の第1実施形態と同様な効果が奏せられる。また、画像情報Daが削除された後の期間においても、当該画像情報Daの送信元情報Dcが第2記憶部121に記憶される。したがって、画像情報Daが削除された場合であっても、送信元情報Dcから特定される送信元にその旨を伝え、再度画像情報Daを送信することを要求することができるという利点がある。
<第3実施形態>
図6は、第3実施形態のファクシミリ装置100の動作を説明するためのフローチャートである。図6は、上述の第1実施形態における図4に対応し、第3実施形態のファクシミリ装置100が実行する記憶部制御処理のフローチャートを示す。
第3実施形態では、画像情報Daを受信する際に、当該画像情報Daが重要であるか否かが送信元から通知される。ファクシミリ装置100は、送信元からの通知に基づいて、重要度が低い画像情報Daを特定し、当該画像情報Daを第2記憶部121から削除する。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図6に示す通り、ファクシミリ装置100は、外部装置から画像情報Da(文書)が受信された場合(Sc1)、送信元において当該画像情報Daが重要設定されているか否かを判定する。具体的には、第3実施形態では、画像情報Daに加え重要度情報Ddが送信元から送信される。以上の重要度情報Ddは、画像情報Daが送信元で重要設定されたか否かを示す。
ファクシミリ装置100は、以上の重要度情報Ddを上述のステップSc1で受信した画像情報Daと紐付け、第1記憶部111および第2記憶部121の双方に記憶する(Sc2)。その後、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であるか否かを判定する(Sc3)。第2記憶部121の残容量が閾値X以下ではないと判断した場合(Sc3:NO)、ファクシミリ装置100は、記憶部制御処理を終了する。
一方、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であると判断した場合(Sc3:YES)、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の画像情報Daのうち、重要度が低い画像情報Daを特定する(Sc4)。具体的には、第2記憶部121に記憶された画像情報Daから、送信元で重要設定されていない旨を重要度情報Ddが示す画像情報Daを特定する。
なお、送信元で重要設定されていない旨を重要度情報Ddが示す画像情報Daが複数個記憶される場合、予め定められた方法により、当該複数個の画像情報Daの何れか1個がステップSc4において重要度が低いと判断される。以上の方法の具体例については、後述の変形例において説明する。
第2記憶部121の画像情報Daから重要度が低い画像情報Daを特定した後に、ファクシミリ装置100は、当該画像情報Daが示す画像(文書)を印刷する(Sc5)。また、画像が印刷された画像情報Daは、第2記憶部121から削除される(Sc6)。
第2記憶部121から画像情報Daを削除した後に、ファクシミリ装置100は、上述のステップSc3へ処理を戻す。以上の構成では、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下であるか否かが判定される。仮に、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下でない場合(Sc3:NO)、ファクシミリ装置100は記憶部制御処理を終了する。
一方、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下の場合(Sc3:YES)、ファクシミリ装置100は、上述のステップSc4からステップSc6を再度実行する。以上の場合、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121に記憶される残りの画像情報Daのうちから重要設定がされていない画像情報Daが再度削除される。その後、上述のステップSc3が再び実行される。
以上の第3実施形態では、上述の第1実施形態と同様な効果が奏せられる。なお、以上の第3実施形態においても、画像情報Daが受信された際に送信元情報Dcが生成され、画像情報Daおよび送信元情報Dcが紐付けられて記憶部(第1記憶部111および第2記憶部121)に記憶される構成としてもよい。
<第4実施形態>
図7は、第4実施形態のファクシミリ装置100の動作を説明するためのフローチャートである。図7は、上述の第1実施形態における図4に対応し、第4実施形態のファクシミリ装置100が実行する記憶部制御処理のフローチャートを示す。
第4実施形態では、画像情報Daのデータ量(データサイズ)に基づいて、重要度の低い画像情報Daが判断される。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図6に示す通り、ファクシミリ装置100は、外部装置から画像情報Da(文書)が受信された場合(Sd1)、当該画像情報Daを、第1記憶部111および第2記憶部121の双方に記憶する(Sd2)。その後、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であるか否かを判定する(Sd3)。第2記憶部121の残容量が閾値X以下ではないと判断した場合(Sd3:NO)、ファクシミリ装置100は、記憶部制御処理を終了する。
一方、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であると判断した場合(Sd3:YES)、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の画像情報Daのうち、重要度が低い画像情報Daを特定する(Sd4)。具体的には、第2記憶部121に記憶された画像情報Daのうちから、データ量が最大の画像情報Daを重要度が低い画像情報Daとして特定する。
なお、データ量が最大の画像情報Daが複数個記憶される場合、予め定められた方法により、当該複数個の画像情報Daの何れか1個がステップSd4において重要度が低いと判断される。以上の方法の具体例については、後述の変形例において説明する。
第2記憶部121の画像情報Daから重要度が低い画像情報Daを特定した後に、ファクシミリ装置100は、当該画像情報Daが示す画像(文書)を印刷する(Sd5)。また、画像が印刷された画像情報Daは、第2記憶部121から削除される(Sd6)。
第2記憶部121から画像情報Daを削除した後に、ファクシミリ装置100は、上述のステップSd3へ処理を戻す。すなわち、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下であるか否かが判定される。仮に、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下でない場合(Sd3:NO)、ファクシミリ装置100は記憶部制御処理を終了する。
一方、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下の場合(Sd3:YES)、ファクシミリ装置100は、上述のステップSd4からステップSd6を再度実行する。以上の場合、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121に記憶される残りの画像情報Daのうちからデータ量が最大の画像情報Daが再度削除される。その後、上述のステップSd3が再び実行される。
以上の第4実施形態では、上述の第1実施形態と同様な効果が奏せられる。また、第4実施形態では、データ量が小さい画像情報Daが優先して第2記憶部121に記憶される。一の記憶部には、各情報のデータ量の平均が小さい程、多くの情報が記憶できる。したがって、上述の第4実施形態の構成では、例えばデータ量が小さい画像情報Daが優先されない構成と比較して、多くの画像情報Daを第2記憶部121に記憶し易いという利点がある。すなわち、以上の構成は、第2記憶部121から削除される画像情報Daの個数が抑制される利点があるとも換言される。
なお、以上の第4実施形態においても、画像情報Daが受信された際に送信元情報Dcが生成され、画像情報Daおよび送信元情報Dcが紐付けられて記憶部(第1記憶部111および第2記憶部121)に記憶される構成としてもよい。また、画像情報Daが削除された後の期間においても、当該画像情報Daの送信元情報Dcが第2記憶部121に記憶される構成としてもよい。
<第5実施形態>
第5実施形態では、上述の第1実施形態と同様に、第2制御装置120(FCU18)に通信回線Nが接続され、第2制御装置120に画像情報Daが入力される(上述の図3参照)。第2制御装置120に入力された画像情報Daは、当該第2制御装置120が具備する第2記憶部121(SAF18)に記憶され、第2制御装置120とは別に設けられた第1制御装置110(コントローラ10)の第1記憶部111(HDD25)に記憶される。
また、第5実施形態の第2制御装置120は、通信回線Nを介して、外部のファクシミリ装置(以下、単に「外部装置」という)へ画像情報Daを転送できる。以上の構成において、仮に、外部装置へ転送される画像情報Daが第2制御装置120(第2記憶部121)に記憶される(削除されずに残されている)場合を想定する。以上の場合、第2制御装置120は当該画像情報Daを第2記憶部121から外部装置へ転送すれば足り、当該画像情報Daを第1制御装置110(第1記憶部111)から取得する必要が無い。
一方、外部装置へ転送される画像情報Daが第2制御装置120に記憶されていない場合(新たに画像情報Daを受信した際に削除された場合)を想定する。以上の場合、第2制御装置120は、当該画像情報Daを外部装置へ転送する際に、第1制御装置110から当該画像情報Daを取得する必要がある。したがって、外部装置へ転送される画像情報Daが第2制御装置120に残されている場合と比較して、当該画像情報Daを転送するまでに要する時間が長期化し易くなる。
以上の理由から、仮に、外部装置へ転送される画像情報Daが第2制御装置120に残されていない事態が多発した場合、画像情報Daを転送するのに要する時間が長期化し易くなるという不都合が生じる。
以上の事情を考慮して、第5実施形態では、上述の不都合が抑制される構成を具備する。具体的には、第5実施形態のファクシミリ装置100(記憶制御部112)は、通信回線Nを介して転送する可能性がある画像情報Daを第2記憶部121に優先して記憶する(残す)。
以上の構成によれば、外部装置へ転送する可能性がある画像情報Daが優先して第2記憶部121に記憶されない構成と比較して、外部装置へ転送される画像情報Daが第2記憶部121に記憶されている可能性が高くなる。したがって、上述の不都合が抑制される。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図8は、第5実施形態のファクシミリ装置100の動作を説明するためのフローチャートである。図8は、上述の第1実施形態における図4に対応し、ファクシミリ装置100が実行する記憶部制御処理のフローチャートを示す。
図8に示す通り、ファクシミリ装置100は、外部装置から画像情報Da(文書)が受信された場合(Se1)、当該画像情報Daを第1記憶部111および第2記憶部121の双方に記憶する(Se2)。その後、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であるか否かを判定する(Se3)。第2記憶部121の残容量が閾値X以下ではないと判断した場合(Se3:NO)、ファクシミリ装置100は、記憶部制御処理を終了する。
一方、第2記憶部121の残容量が閾値X以下であると判断した場合(Se3:YES)、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121の画像情報Daのうち、外部装置へ転送する可能性がない画像情報Daを特定する(Se4)。具体的には、ファクシミリ装置100は、画像情報Daが予め定められた送信元(以下「特定送信元」)から送信されたものであるか否かを判定する。以上の特定送信元は、上述の第2実施形態における指定送信元と同様に、例えば利用者により予め登録される。
ファクシミリ装置100は、画像情報Daの送信元が特定送信元である場合、当該画像情報Daは転送する可能性があると判断する。一方、画像情報Daの送信元が特定送信元である場合、ファクシミリ装置100は、当該画像情報Daは転送する可能性がないと判断する。
なお、外部装置へ転送する可能性が無い画像情報Daが第2記憶部121に複数個記憶される場合、予め定められた方法により、当該複数個の画像情報Daの何れか1個が特定される。以上の方法の具体例については、後述の変形例において説明する。
第2記憶部121の画像情報Daから転送する可能性が無い画像情報Daを特定した後に、ファクシミリ装置100は、当該画像情報Daが示す画像(文書)を印刷する(Se5)。また、画像が印刷された画像情報Daは、第2記憶部121から削除される(Se6)。
第2記憶部121から画像情報Daを削除した後に、ファクシミリ装置100は、上述のステップSe3へ処理を戻す。以上の構成では、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下であるか否かが判定される。仮に、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下でない場合(Se3:NO)、ファクシミリ装置100は記憶部制御処理を終了する。
一方、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121の残容量が、閾値X以下の場合(Se3:YES)、ファクシミリ装置100は、上述のステップSe4からステップSe6を再度実行する。以上の場合、画像情報Daを削除した後の第2記憶部121に記憶される残りの画像情報Daのうちから転送される可能性が無い画像情報Daが再度削除される。その後、上述のステップSe3が再び実行される。
以上の第5実施形態では、外部装置へ転送する可能性がある画像情報Daが、通信回線Nが接続される第2制御装置120に優先して記憶される(残される)。したがって、外部装置へ転送する可能性の有無によらず画像情報Daが第2記憶部121から削除される構成と比較して、外部装置へ通信回線Nを介して転送される画像情報Daが第2記憶部121に記憶されている可能性が高くなる。したがって、外部装置へ通信回線Nを介して転送される画像情報Daが第2制御装置120に記憶されていない事態が多発し難くなり、画像情報Daを転送するのに要する時間が長期化し易くなるという不都合が抑制される。
なお、以上の第5実施形態においても、画像情報Daが受信された際に送信元情報Dcが生成され、画像情報Daおよび送信元情報Dcが紐付けられて記憶部(第1記憶部111および第2記憶部121)に記憶される構成としてもよい。また、画像情報Daが削除された後の期間においても、当該画像情報Daの送信元情報Dcが第2記憶部121に記憶される構成としてもよい。
<第6実施形態>
以上の各実施形態では、第1記憶部111および第2記憶部121(記憶部)に画像情報Daが蓄積された。以下で説明する第6実施形態では、以上の各実施形態と同様に、記憶部に画像情報Daを蓄積可能である。
第6実施形態のファクシミリ装置100は、第1モードおよび第2モードに移行可能であり、第1モードでは記憶部に画像情報Daを記憶し、第2モードでは記憶部に画像情報Daを記憶しない。また、第1モードから第2モードへ移行する場合、ファクシミリ装置100は、記憶部の画像情報Daを削除する。以上の第2モードでは、記憶部の画像情報Daが不正に入手される不都合が抑制される(セキュリティが向上する)。
ただし、第1モードから第2モードへ移行する際に、利用者によっては、記憶部に記憶された画像情報Daの一部を印刷したい場合がある。例えば、利用者は、記憶部に記憶された画像情報Daのうち重要度が高い画像情報Daを選択(抜粋)して印刷したい場合がある。
重要度が高い画像情報Daを選択可能にする構成としては、記憶部に記憶された全ての画像情報Daを画面にリスト表示し、印刷を希望する画像情報Daを利用者に選択させるという構成が考えられる。しかし、以上の構成では、利用者によっては、記憶部に記憶された画像情報Daの個数が多い場合、印刷を希望する画像情報Daを、表示された画像情報Daから見つける作業を煩わしく感じる不都合がある。以上の事情を考慮して、第6実施形態では、上述の不都合が抑制される構成を採用した。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図9(a)から図9(c)は、第1モードから第2モードへ移行する際に表示される各画像(G1〜G3)を説明するための図である。図9(a)は、ファクシミリ装置100のモードを選択(移行)させる場合に表示されるモード切換画像G1の模擬図である。以上のモード切換画像G1は、例えばファクシミリ装置100(MFP1)の操作表示部24を適宜に操作することで、操作表示部24に表示される。
図9(a)に示す通りモード切換画像G1は、ボタンBa(1、2)、設定ボタンBxおよび取消ボタンByを含んで構成される。また、ボタンBaは、ボタンBa1およびボタンBa2を含んで構成される。利用者は、ボタンBa1を操作(タッチ操作)した後に、設定ボタンBxを操作することで、ファクシミリ装置100を第1モードへ移行させることができる。一方、ボタンBa2が操作された後に、設定ボタンBxが操作されると、ファクシミリ装置100が第2モードへ移行する。取消しボタンByが操作された場合、モード切換画像G1が非表示になり、モードは移行しない。
図9(b)は、方法選択画像G2の模擬図である。以上の方法選択画像G2は、モード切換画像G1のボタンBa2が操作され、第1モードから第2モードへ移行する場合に表示される。図9(b)に示す通り、方法選択画像G2は、選択ボタンBb1、選択ボタンBb2および選択ボタンBb3を含んで構成される。
第6実施形態では、上述の各実施形態と同様に、重要度が高い画像情報Da(外部装置へ転送される可能性がある画像情報Daを含む)が優先して第2記憶部121に記憶される。具体的には、第2記憶部121の残容量が閾値X以下まで減少した場合、第2記憶部121に記憶される重要度が低い画像情報Daが削除される。以上の構成では、記憶部のうち第1記憶部111(HDD25)にのみ記憶され、第2記憶部121(SAF18a)には記憶されない画像情報Daが存在する場合がある。
以下、説明のため、第2記憶部121から削除された画像情報Daを「低重要度情報Dax」と記載する場合がある。以上の低重要度情報Daxは、記憶部のうち第1記憶部111にのみ記憶される画像情報Daであるとも換言される。例えば、第1記憶部111に記憶される画像情報Daと第2記憶部121に記憶される画像情報Daとが一致する場合、低重要度情報Daxは存在しない。以上の場合としては、第2記憶部121の画像情報Daが一度も削除されていない場合が想定される。
第6実施形態では、第1モードから第2モードへ移行する際に、低重要度情報Daxが存在しない場合、方法選択画像G2は表示されない。以上の場合、モード切換画像G1のボタンBa2が操作された後に設定ボタンBxが操作されると、第1記憶部111(第2記憶部121)に記憶される全ての画像情報Daが印刷される。
一方、第1モードから第2モードへ移行する際に、低重要度情報Daxが存在する場合、方法選択画像G2が表示される。図9(b)に示す通り、方法選択画像G2には、低重要度情報Daxの画像(文書)を印刷するか否かを問うメッセージが表示される。
例えば、利用者が選択ボタンBb1を操作した場合、低重要度情報Daxを含む全ての画像情報Da(第1記憶部111に記憶される画像情報Da)が印刷される。また、利用者が選択ボタンBb3を操作した場合、低重要度情報Daxは印刷されず、第2記憶部121に記憶された画像情報Daが印刷される。さらに、以下で詳細に説明するが、利用者が選択ボタンBb2を操作した場合、低重要度情報Daxの一部を抜粋して印刷可能になる。
図9(c)は、文書選択画像G3の模擬図である。文書選択画像G3は、上述の方法選択画像G2が表示される期間において、選択ボタンBb3が操作された場合に表示される。また、図9(c)に示す通り、文書選択画像G3は、文書ボタンBc(1〜5)および決定ボタンBzを含む。
図9(c)に示す通り、文書選択画像G3には複数の文書ボタンBcが表示される。以上の文書ボタンBcの各々は、第1記憶部111に記憶される低重要度情報Daxの各々に対応する。図9(c)の具体例では、第1記憶部111に5個の低重要度情報Daxが記憶される場合を想定する。以上の場合、図9(c)に示す通り、5個の文書ボタンBcが文書選択画像G3に表示される。
文書ボタンBcは、当該文書ボタンBcに対応する低重要度情報Daxに応じた情報を表示する。例えば、文書ボタンBcは、低重要度情報Daxが受信された日時、当該低重要度情報Daxの名称、送信元を特定可能な情報、文書番号を表示する。利用者は、文書ボタンBcを操作することで、当該文書ボタンBcに対応する低重要度情報Daxを選択できる。図9(c)の具体例では、文書番号「0001」から文書番号「0003」の3個の低重要度情報Daxが選択された場合を想定する。
文書ボタンBcが操作された後に、決定ボタンBzが操作されると、当該文書ボタンBcに対応する低重要度情報Daxの画像が印刷される。以上の構成によれば、利用者は、文書ボタンBcを適宜に操作することで、希望する低重要度情報Daxを印刷させることができる。
図10は、モード切換時処理のフローチャートである。モード切換時処理は、上述のモード切換画像G1に対する操作により、第1モードから第2モードへ移行する場合に実行される。
図10に示す通り、モード切換時処理を開始すると、ファクシミリ装置100は、第1モードから第2モードへモードを移行させる(Sf1)。第1モードから第2モードへモードを移行させた後に、ファクシミリ装置100は、記憶部に画像情報Daが記憶されているか否かを判定する(Sf2)。記憶部に画像情報Daが記憶されていないと判断した場合(Sf2:NO)、ファクシミリ装置100は、モード切換時処理を終了する。
一方、記憶部に画像情報Daが記憶されていると判断した場合(Sf2:YES)、ファクシミリ装置100は、第2記憶部121に記憶される全ての画像情報Daを印刷する(Sf3)。また、ファクシミリ装置100は、第1記憶部111にのみ記憶される画像情報Daの有無を判定する(Sf4)。すなわち、ステップSf4では、上述の低重要度情報Daxの有無が判定される。
低重要度情報Daxが第1記憶部111に記憶されていないと判断した場合(Sf4:NO)、ファクシミリ装置100は、第1記憶部111および第2記憶部121の双方に記憶される画像情報Daを消去し(Sf6)、モード移行時処理を終了する。
低重要度情報Daxが第1記憶部111に記憶されていると判断した場合(Sf4:YES)、ファクシミリ装置100は、方法選択画像G2(上述の図9(b)参照)を表示する。また、ファクシミリ装置100は、利用者が指定した低重要度情報Daxのみを印刷する(Sf5)。
具体的には、ステップSf5では、上述の方法選択画像G2において選択ボタンBb1が操作された場合、全ての低重要度情報Daxが選択されたものとして、当該全ての低重要度情報Daxを印刷する。一方、方法選択画像G2において選択ボタンBb3が操作された場合、低重要度情報Daxが選択されなかったものとして、低重要度情報Daxを印刷しない。
また、ファクシミリ装置100は、方法選択画像G2において選択ボタンBb2が操作された場合、文書選択画像G3(上述の図9(c)参照)を表示する。また、文書選択画像G3を操作することで選択された低重要度情報DaxをステップSf5において印刷する。利用者が選択した低重要度情報DaxをステップSf5において印刷した後に、ファクシミリ装置100は、記憶部の画像情報Daxを消去し(Sf6)、モード切換時処理を終了する。
以上の第6実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な効果が奏せられる。また、第6実施形態によれば、画像情報Daのうち重要度が高い画像情報Daを選択(抜粋)して印刷するための操作の利便性が向上するという利点がある。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。
(1)図11は、変形例における故障時処理のフローチャートである。以上の故障時処理は、第1記憶部111が故障状態へ移行した際に実行される。以上の変形例のファクシミリ装置100は、上述の各実施形態と同様に、第1記憶部111が故障状態へ移行した際に、第2記憶部121の画像情報Daにより復旧可能である。
具体的には、図11に示す通り、ファクシミリ装置100は、第1記憶部111が故障状態へ移行したことを検出すると(Sg1)、第2記憶部121の画像情報Daにより第1記憶部111の画像情報Daを復元する(Sg2)。また、ファクシミリ装置100は、画像情報Daを復元した後に、第2記憶部121の書誌情報Dbを用いて、文書削除レポートを印刷する(Sg3)。
具体的には、当該変形例では、画像情報Daに係る書誌情報Dbが記憶部に記憶される。以上の書誌情報Dbは、画像情報Daの受信時刻、送信元(送信元の名称等)、および、当該画像情報Daが既に印刷済みであるか否かを特定可能な情報である。また、当該変形例では、上述の各形態と同様に、第2記憶部121から画像情報Daが削除される場合であっても、当該画像情報Daに係る書誌情報Dbは削除されない(維持される)。
上述のステップSg3で印刷される文書削除レポートには、画像情報Daが削除された書誌情報Dbについて、当該書誌情報Dbから特定される各情報が記載される。以上の文書削除レポートによれば、削除された画像情報Daに係る各種の情報(送信元等)が確認できる。
なお、以上の文書削除レポートに記載される情報は、以上の例に限定されない。例えば、第1記憶部111の故障を検出した日時、画像情報Daが削除された日時、および、文書削除レポートが作成された日時が当該文書削除レポートに記載される構成としてもよい。
(2)上述の第1実施形態の記憶部制御処理(図4参照)において、第2記憶部121から削除する画像情報Daを選択する際に(ステップSa4)、最古の画像情報Daを選択した。また、以上の構成において、最古の画像情報Daが複数個存在する場合、当該複数個の画像情報Daから1個の画像情報Daが所定の方法で選択された。以上の方法は、適宜に設定される。
例えば、最古の画像情報Daのうち、最もデータ量が大きい画像情報Daが削除の対象として選択される構成が考えられる。また、最古の画像情報Daのうち、第2実施形態で説明した非指定送信元から受信した画像情報Daが、指定送信元から受信した画像情報Daより優先して削除の対象として選択される構成としてもよい。
また、最古の画像情報Daのうち、第3実施形態で説明した重要設定がされていない画像情報Daが、重要設定がされている画像情報Daより優先して削除の対象として選択される構成としてもよい。また、最古の画像情報Daのうち、外部装置へ転送する可能性が無い画像情報Daが、外部装置へ転送する可能性がある画像情報Daより優先して削除の対象として選択される構成としてもよい。
なお、上述の第2実施形態における記憶部制御処理(図5のステップSb4)、第3実施形態における記憶部制御処理(図6のステップSc4)、第4実施形態における記憶部制御処理(図7のステップSd4)、および、第5実施形態における記憶部制御処理(図8のステップSd4)において、重要度が低いと判断される条件を満たす画像情報Da(削除の対象となり得る画像情報Da)が複数個存在する場合がある。以上の場合においても、上述の変形例と同様に、重要度が低いと判断される条件を満たす複数個の画像情報Daから、他の実施形態において重要度が低いと判断される条件を満たす画像情報Daが削除の対象として選択される構成としてもよい。
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様のファクシミリ装置は、画像を示す画像情報を受信する受信部(122)と、受信部が受信した画像情報(Da)を記憶する第1記憶部(111)と、第1記憶部とは異なり、受信部が受信した画像情報を記憶する第2記憶部(121)と、一の画像情報に係る特定情報に基づく重要度に関わらず、当該一の画像情報を前記第1記憶部に記憶させ、一の画像情報に係る特定情報に基づく重要度が、他の画像情報より高い場合、当該一の画像情報を当該他の画像情報より優先して第2記憶部に記憶させる記憶制御部(112)とを具備する。以上の本態様によれば、重要度が高い画像情報が第2記憶部に優先して記憶されるため、重要度が高い画像情報が第2記憶部に記憶されないという問題が抑制される。
<第2態様>
本態様のファクシミリ装置は、画像情報に係る特定情報は、当該画像情報が受信されてからの時間であり、記憶制御部は、画像情報が受信されてからの時間が短い程、当該画像情報を優先して第2記憶部に記憶させる。以上の本態様によれば、受信して間もない画像情報(重要度が高い画像情報)が第2記憶部に記憶されないという問題が抑制される。
<第3態様>
本態様のファクシミリ装置は、画像情報に係る特定情報は、当該画像情報の送信元であり、記憶制御部は、特定の送信元からの画像情報を、他の送信元からの画像情報より優先して第2記憶部に記憶させる。以上の本態様によれば、特定の送信元からの画像情報(重要度が高い画像情報)が第2記憶部に記憶されないという問題が抑制される。
<第4態様>
本態様のファクシミリ装置は、画像情報に係る特定情報は、送信元において指定された当該画像情報の重要度であり、記憶制御部は、送信元において重要度が高いと指定された画像情報を、送信元において重要度が高いと指定されなかった画像情報より優先して第2記憶部に記憶させる。以上の本態様によれば、送信元が重要度が高いと指定した画像情報が第2記憶部に記憶されないという問題が抑制される。
<第5態様>
本態様のファクシミリ装置は、画像情報に係る特定情報は、当該画像情報のデータ量であり、記憶制御部は、画像情報のデータ量が小さい程、当該画像情報を優先して第2記憶部に記憶させる。以上の本態様によれば、データ量が小さい画像情報が優先されない構成と比較して、多くの画像情報が第2記憶部に記憶され易くなる。
<第6態様>
本態様のファクシミリ装置は、第2記憶部は、画像情報および該画像情報の送信元を特定可能な送信元情報を記憶し、記憶制御部は、一の画像情報の重要度が他の画像情報の重要度より高い場合、当該一の画像情報より当該他の画像情報を優先して削除可能であるとともに、画像情報を削除する場合であっても、当該画像情報に係る送信元情報は削除しない。以上の本態様によれば、画像情報を消去した送信元を把握可能になる。
<第7態様>
本態様のファクシミリ装置は、画像を示す画像情報を、通信回線(N)から受信する受信部(122)と、受信部が受信した画像情報を記憶する第1記憶部(111)と、第1記憶部とは異なり、受信部が受信した画像情報を記憶する第2記憶部(121)と、第1記憶部を備えた第1制御装置(110)と、通信回線が接続されるとともに、第1制御装置とは別に設けられ、受信部と第2記憶部とを備えた第2制御装置(120)と、通信回線を介して転送する可能性の有無に関わらず、画像情報を第1記憶部に記憶させ、通信回線を介して転送する可能性が無い画像情報と比較して、通信回線を介して転送する可能性がある画像情報を優先して第2記憶部に記憶させる記憶制御部(112)とを具備する。以上の本態様によれば、例えば外部装置(通信回線)へ転送する画像情報を第1記憶部から読み出す必要がある構成と比較して、画像情報を転送するのに要する時間が短縮できる。
<第8態様>
本態様のファクシミリ装置は、第1記憶部および第2記憶部が画像情報を記憶する第1モードから記憶しない第2モードへ移行させるモード切換部と、第1モードから第2モードへ移行する場合、第1記憶部および第2記憶部の双方に記憶される画像情報が示す画像を自動で印刷する印刷部と、第1モードから第2モードへ移行する場合、第1記憶部および第2記憶部のうち第1記憶部のみに記憶される画像情報について、当該画像情報が示す画像を印刷するか否かを選択するための操作を受付け可能とする選択操作受付部とを具備する。以上の本態様によれば、例えば外部装置(通信回線)へ転送する画像情報を第1記憶部から読み出す必要がある構成と比較して、画像情報を転送するのに要する時間が短縮できる。
<第9態様>
本態様のファクシミリ装置の制御方法は、画像を示す画像情報を受信するステップと、受信部が受信した画像情報を第1記憶部に記憶させるステップと、第1記憶部より記憶容量が小さく、画像情報が正常に読み出されない故障状態へ第1記憶部より移行し難い第2記憶部に、受信部が受信した画像情報を記憶させるステップと、一の画像情報に係る特定情報に基づく重要度が、他の画像情報よりが高い場合、当該一の画像情報を当該他の画像情報より優先して第2記憶部に記憶させるステップとを具備する。以上の本態様では、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。
<第10態様>
本態様のプログラムは、第9態様に記載の制御方法における各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。以上の本態様では、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。