JP2021022603A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁性能を向上させることができる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】半導体装置10は、半導体モジュール1と、絶縁樹脂シート2と、封止材3と、ヒートシンク4とを備えている。絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1と接合されている。封止材3は、絶縁樹脂シート2を囲むように配置されている。ヒートシンク4は、絶縁樹脂シート2および封止材3を、半導体モジュール1とで、挟み込んでいる。絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1と、ヒートシンク4と、封止材3とに囲まれた領域に充填されている。封止材3は、半導体モジュール1およびヒートシンク4に挟み込まれた状態で、半導体モジュール1からヒートシンク4に向かう方向において変形可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものである。
従来、パワーモジュールおよびヒートシンクを接合するための絶縁樹脂シートを備えた半導体装置がある。例えば、特許3641232号公報(特許文献1)に記載された半導体装置では、パワーモジュールとヒートシンクとの間に絶縁樹脂シートが配置されている。絶縁樹脂シートは、パワーモジュールとヒートシンクとの間で加圧されることにより圧縮される。
絶縁樹脂シートが加圧されると、絶縁樹脂シートに含まれるボイドが抑制される。ボイドが抑制されることにより、放電が発生する電圧を高めることが可能となるため、絶縁性能を高めることができる。上記公報に記載された半導体装置においては、半導体チップが配置された導体と冷却器(ヒートシンク)との間に挟まれている絶縁樹脂シートの側部は、露出している。絶縁樹脂シートが加圧された際に、絶縁樹脂シートが導体と冷却器(ヒートシンク)との間から周囲の空間へとはみ出す。周囲の空間へとはみ出した絶縁樹脂シートは十分に加圧されないため、ボイドを十分に抑制することができない。したがって、十分に高い絶縁性能が得られない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶縁性能を向上させることができる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の半導体装置は、半導体モジュールと、絶縁樹脂シートと、封止材と、ヒートシンクとを備えている。絶縁樹脂シートは、半導体モジュールと接合されている。封止材は、絶縁樹脂シートを囲むように配置されている。ヒートシンクは、絶縁樹脂シートおよび封止材を、半導体モジュールとで、挟み込んでいる。絶縁樹脂シートは、半導体モジュールと、ヒートシンクと、封止材とに囲まれた領域に充填されている。封止材は、半導体モジュールおよびヒートシンクに挟み込まれた状態で、半導体モジュールからヒートシンクに向かう方向において変形可能である。
本件発明の半導体装置によれば、封止材は、半導体モジュールおよびヒートシンクに挟み込まれた状態で半導体モジュールからヒートシンクに向かう方向において変形可能である。さらに、絶縁樹脂シートは、半導体モジュールと、ヒートシンクと、封止材とに囲まれた領域に充填されている。このため、絶縁樹脂シートは、半導体モジュールおよびヒートシンクの間からはみ出さない。よって、絶縁樹脂シートが十分に加圧されるため、絶縁樹脂シートに含まれるボイドが抑制される。したがって、半導体装置の絶縁性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下では、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1および図2を参照して、本実施の形態1に係る半導体装置10の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る半導体装置10の構成を概略的に示す断面図である。図1は、図2のI−I線に沿う断面図である。図2は、実施の形態1に係る半導体装置10の構成を概略的に示す平面図である。
図1および図2を参照して、本実施の形態1に係る半導体装置10の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る半導体装置10の構成を概略的に示す断面図である。図1は、図2のI−I線に沿う断面図である。図2は、実施の形態1に係る半導体装置10の構成を概略的に示す平面図である。
半導体装置10は、半導体モジュール1と、絶縁樹脂シート2と、封止材3と、ヒートシンク4とを備えている。半導体モジュール1は、電力用のパワーモジュールである。
半導体モジュール1は、半導体素子11、放熱部材12、主端子13、接合部材14およびモールド樹脂15を含んでいる。半導体素子11は、電力用半導体素子である。半導体素子11の下面は、接合部材14によって放熱部材12に接合されている。放熱部材12の材料は、例えば、アルミニウム(Al)または銅(Cu)などの高い熱伝導性を有している金属である。主端子13には、具体的には、主端子13aおよび主端子13bがある。主端子13aは、接合部材14によって放熱部材12に接合されている。主端子13bは、接合部材14によって半導体素子11の上面に接合されている。モールド樹脂15は、半導体素子11と、放熱部材12と、主端子13と、接合部材14とを覆っている。モールド樹脂15から、主端子13が部分的に露出していてもよい。放熱部材12は、半導体モジュール1の下面から露出している。放熱部材12には、半導体素子11の動作中に、電流が流れる。
絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1と接合されている。絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1と、ヒートシンク4と、封止材3とに囲まれた領域に充填されている。
絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1の下に配置されている。絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1からヒートシンク4への平面視において、半導体モジュール1の底面と重なっている。絶縁樹脂シート2は、シート状である。絶縁樹脂シート2は、例えば、熱伝導性フィラーおよび熱硬化性樹脂を含んでいる。熱伝導性フィラーは、高い熱伝導性を有している。熱伝導性フィラーの材料は、例えば、窒化硼素(BN)、窒化珪素(SiN)またはアルミナなどである。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ、ポリイミドまたはポリアミドなどである。絶縁樹脂シート2の材料は、熱伝導性フィラーおよび熱硬化性樹脂が複合化されているものである。
複合化する手段として、予め粒子状に形成された熱伝導性フィラーおよび熱硬化性樹脂が、混錬される。混錬された熱伝導性フィラーおよび熱硬化性樹脂が、基材に塗工される。基材に塗工された熱伝導性フィラーおよび熱硬化性樹脂が、平坦化される。次いで、平坦化された熱伝導性フィラーおよび熱硬化性樹脂が基材から剥がされる。これらにより、熱伝導性フィラーおよび熱硬化性樹脂が複合化されたシート状の絶縁樹脂シート2が形成される。
より高い放熱性を得るため、熱伝導性フィラーを配向させた材料およびフィラー間の接触熱抵抗を低減させた材料が用いられてもよい。予め熱伝導率の高い窒化硼素(BN)、窒化珪素(SiN)、アルミナなどの熱伝導性フィラー同士を焼結させて、フィラー間の接触面積を向上させた後にフィラー間の隙間に樹脂が充填されてもよい。この場合、フィラー間の接触状態を向上させることができるので、例えばフィラー自体の熱伝導性が高い点を利用して、樹脂の充填比率を任意に変化させることが可能となる。
絶縁樹脂シート2には、ボイドが発生し得る。絶縁樹脂シート2には、絶縁樹脂シート2を厚み方向に貫通するボイドが発生し得る。また、絶縁樹脂シート2が塗工される工程において、絶縁樹脂シート2を厚み方向に貫通するピンホールが発生し得る。半導体装置10に必要な絶縁性能に応じて、絶縁樹脂シート2の構成は、2層の絶縁樹脂シート2が貼り合わせられた構成としてもよい。この構成により、ボイドが絶縁樹脂シート2を厚み方向に貫通することが抑制される。また、この構成により、ピンホールが絶縁樹脂シート2全体を貫通することが抑制される。
封止材3は、絶縁樹脂シート2を囲むように配置されている。封止材3は、半導体モジュール1およびヒートシンク4に挟み込まれた状態で、半導体モジュール1からヒートシンク4に向かう方向において変形可能である。
封止材3は、絶縁樹脂シート2の外周に配置されている。封止材3は、半導体モジュール1とヒートシンク4との間に配置されている。封止材3の形状は、枠形状である。封止材3の枠形状の内径は、半導体モジュール1からヒートシンク4への平面視において、半導体モジュール1の底面と重なっている。半導体モジュール1と、封止材3と、ヒートシンク4とによって、閉じた領域が形成されている。これらによって、いわゆる閉空間が形成されている。絶縁樹脂シート2は、閉じた領域(閉空間)に充填されている。封止材3は、加圧および加熱されることで、変形する。
加圧および加熱されて硬化している絶縁樹脂シート2が半導体モジュール1およびヒートシンク4に接着される際に、未接着領域が発生することを抑制するために、封止材3が絶縁樹脂シート2の厚みに追従して変形可能である必要がある。また、絶縁樹脂シート2にボイドが発生することにより絶縁性能が低下することを抑制するために、絶縁樹脂シート2の端部から染み出す樹脂成分が閉じた領域の外に染み出さないようにする必要がある。
絶縁樹脂シート2への加圧が1MPa以下である場合、封止材3の材料は、シリコーンゴムまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)などである。シリコーンゴムおよびポリテトラフルオロエチレンが圧縮破壊される面圧は、1MPaである。シリコーンゴムおよびポリテトラフルオロエチレンは、接着圧が3MPa程度になるまで、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に染み出すことを抑制できる。
絶縁樹脂シート2への加圧が5MPa以上である場合、封止材3の材料は、金属である。封止材3の材料は、具体的には、メタルガスケット、はんだまたはアルミワイヤなどである。
封止材3は、絶縁体であってもよいし、導電体であってもよい。封止材3が絶縁体である場合、封止材3は、放熱部材12と接していてもよい。また、封止材3が導電体である場合、封止材3は、放熱部材12と接しておらず、モールド樹脂15と接している。
ヒートシンク4は、絶縁樹脂シート2および封止材3を、半導体モジュール1とで、挟み込んでいる。
半導体モジュール1およびヒートシンク4は、それらの間に絶縁樹脂シート2および封止材3を挟んで積層されている。ヒートシンク4の材料は、例えば、アルミニウム(Al)または銅(Cu)などの高い熱伝導性を有している金属である。ヒートシンク4は、図示しない冷却液がヒートシンク4内を流れるように構成されていてもよい。つまり、ヒートシンク4は、いわゆる水冷方式であってもよい。ヒートシンク4は、水冷方式が通例である。ヒートシンク4は、例えば、ラジエーターなどの周辺部品に冷却液が流れるように周辺部品と接続されていてもよい。
ヒートシンク4および放熱部材12は、導電性を有している。半導体モジュール1は、電気的に絶縁されていない。したがって、半導体モジュール1とヒートシンク4との間が電気的に絶縁される必要がある。仮に、放熱部材12およびヒートシンク4の間が電気的に絶縁されない場合、放熱部材12とヒートシンク4との間に電位差が発生することにより電流が流れると、周線部品とも導通する。これにより、半導体モジュール1がアースと短絡することで故障する可能性がある。
ヒートシンク4は、天板41と、フィン42とを含んでいる。絶縁樹脂シート2は、天板41の上に配置されている。天板41の形状は、板状である。ヒートシンク4は、複数のフィン42を含んでいてもよい。フィン42の表面積が大きいほど、ヒートシンク4の放熱性能が高くなる。
次に、図3〜図9を参照して本実施の形態に係る半導体装置10の製造方法を説明する。図3は、実施の形態1に係る半導体装置10の製造方法を示すフローチャートである。図4は、実施の形態1に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の状態を概略的に示す端面図である。図5は、実施の形態1に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の上に封止材3が配置された状態を概略的に示す端面図である。図6は、実施の形態1に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の上に絶縁樹脂シート2と封止材3とが配置された状態を概略的に示す端面図である。図7は、実施の形態1に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の上に配置された絶縁樹脂シート2と封止材3との上に半導体モジュール1が配置された状態を概略的に示す端面図である。図8は、実施の形態1に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4に封止材3が配置された状態を概略的に示す平面図である。図9は、実施の形態1に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4に配置された封止材3の枠形状の内側に絶縁樹脂シート2が配置された状態を概略的に示す平面図である。
図3に示すように、実施の形態1における半導体装置10の製造方法は、配置工程S11と、接合工程S12とを備えている。
図4〜図7に示すように、配置工程S11においては、半導体モジュール1と、ヒートシンク4とに、絶縁樹脂シート2および封止材3が、挟み込まれるように配置される。
図8に示すように、封止材3が、ヒートシンク4に配置される。封止材3の形状は、四角形状の枠形状である。封止材3の枠形状の内周は、半導体モジュール1の底面の外周よりも小さい。封止材3は、枠形状の内側と外側とが繋がらないように配置される。封止材3の材料は、具体的には、例えば、線径が500μmのシリコーンゴムである。封止材3の厚みは、圧縮されていない状態で、具体的には、例えば、500μmである。封止材3の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みのばらつきと、接合後の絶縁樹脂シート2の体積収縮率とに合わせて設定される。加圧および加熱の前の配置工程S11における封止材3の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みよりも厚くなるようにする。加圧および加熱され接着された後の接合工程S12における封止材3の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みと等しくなるようにする。
図9に示すように、絶縁樹脂シート2が、封止材3に囲まれるようにヒートシンク4に配置される。絶縁樹脂シート2の厚みは、具体的には、例えば、380μm以上420μm以下である。絶縁樹脂シート2の硬化後の体積収縮率は、具体的には、10%である。半導体モジュール1の底面の外形の形状は、具体的には、例えば、1辺が40mmの四角形状である。封止材3の形状は、具体的には、例えば、外周の1辺が36mmの四角形状である。封止材3は線径が500μmのシリコーンゴムであるため、封止材3の内周の1辺の寸法は35mmである。絶縁樹脂シート2の形状は、具体的には、例えば、1辺が34mmの四角形状である。
図7に示すように、加圧および加熱の前に、半導体モジュール1と、封止材3と、ヒートシンク4とを接触させる。これにより、絶縁樹脂シート2の周囲に閉じた領域(閉空間)が形成される。
接合工程S12においては、絶縁樹脂シート2が、半導体モジュール1と、ヒートシンク4と、封止材3に囲まれた領域に充填される。絶縁樹脂シート2および封止材3が圧縮される。半導体モジュール1およびヒートシンク4が絶縁樹脂シート2と接合される。
半導体モジュール1を加圧することで、封止材3を変形させる。半導体モジュール1およびヒートシンク4が、絶縁樹脂シート2に接着される。絶縁樹脂シート2に接着された半導体モジュール1およびヒートシンク4が加熱されたまま保持されることで、絶縁樹脂シート2は硬化する。
絶縁樹脂シート2の接着条件における加熱温度は、具体的には、例えば、180℃である。絶縁樹脂シート2の接着条件における加圧力は、具体的には、例えば、2.0MPaである。
絶縁樹脂シート2が接着される際に、半導体モジュール1が配置されている上面側から絶縁樹脂シート2が加圧される。絶縁樹脂シート2が加圧されることで、絶縁樹脂シート2に内在するボイドが除去される。絶縁樹脂シート2は、ヒータープレスによって、加熱しながら加圧される。これにより、絶縁樹脂シート2の熱硬化性樹脂が完全に硬化する。絶縁樹脂シート2は、ヒータープレスによって加熱されることで、軟化する。軟化した絶縁樹脂シート2を加圧することで、ボイドは潰しこまれる。軟化した絶縁樹脂シート2を加圧することで、絶縁樹脂シート2は半導体モジュール1およびヒートシンク4に接着する。絶縁樹脂シート2は、真空式ヒータープレスによって減圧された環境において圧力を加えられてもよい。この場合、絶縁樹脂シート2と半導体モジュール1との間および絶縁樹脂シート2とヒートシンク4との間に空気層が挟み込まれることが抑制される。
絶縁樹脂シート2は、常温では半硬化状態である。絶縁樹脂シート2は、硬化温度では硬化状態である。加熱された絶縁樹脂シート2の温度は、常温から硬化温度まで上昇する。絶縁樹脂シート2が常温から硬化温度まで加熱され硬化するまでの過程で、絶縁樹脂シート2は一時的に軟化する。一時的に軟化している状態の絶縁樹脂シート2が、加圧される。
次に、図10を参照して、本実施の形態の変形例に係る半導体装置10の製造方法を説明する。図10は、実施の形態1の変形例に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11における封止材3とヒートシンク4との構成を概略的に示す平面図である。図10は、図8に対応する。
本実施の形態の変形例において、ヒートシンク4は、係合部30aをさらに含んでいる。封止材3は、被係合部30bをさらに含んでいる。係合部30aは、例えば、ピンである。被係合部30bは、例えば、封止材3に設けられ、かつ、ピンと係合している穴である。配置工程S11において、ヒートシンク4の係合部30aが、封止材3の被係合部30bに係合される。これにより、封止材3を、ヒートシンク4に係合することができる。これにより、封止材3の位置決めができる。この場合、封止材3は、ヒートシンク4に接合されなくてもよい。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
封止材3は、半導体モジュール1およびヒートシンク4に挟み込まれた状態で圧縮されている。さらに、絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1と、ヒートシンク4と、封止材3とに囲まれた領域に充填されている。このため、絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1およびヒートシンク4の間からはみ出さない。よって、絶縁樹脂シート2が十分に加圧されるため、絶縁樹脂シート2に含まれるボイドが抑制される。したがって、半導体装置10の絶縁性能を向上させることができる。
封止材3は、半導体モジュール1およびヒートシンク4に挟み込まれた状態で圧縮されている。さらに、絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1と、ヒートシンク4と、封止材3とに囲まれた領域に充填されている。このため、絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1およびヒートシンク4の間からはみ出さない。よって、絶縁樹脂シート2が十分に加圧されるため、絶縁樹脂シート2に含まれるボイドが抑制される。したがって、半導体装置10の絶縁性能を向上させることができる。
加圧および加熱された絶縁樹脂シート2は、軟化している。このため、厚み方向に加圧された絶縁樹脂シート2は、面内方向にはみ出ようとする。半導体モジュール1と、封止材3と、ヒートシンク4とによって閉じた領域が形成されているため、絶縁樹脂シート2は閉じた領域の内側に保持される。これにより、絶縁樹脂シート2の流出が抑制できる。よって、絶縁樹脂シート2の全面を均一な圧力で加圧できる。したがって、ボイドの潰しこみ作用が得られるため、絶縁性能が高まる。また、絶縁樹脂シート2への加圧力が不足することが抑制される。
なお、半導体モジュール1の底面の形状と、絶縁樹脂シート2の形状と、封止材3の枠形状とは、四角形状または正方形状などに限られない。半導体モジュール1の底面は、例えば、コーナーにR形状を有している略四角形状でもよいし、他の形状でもよい。半導体モジュール1の底面の形状に合わせて封止材3を配置することで、同様の作用効果が得られる。絶縁樹脂シート2は、封止材3の枠形状に合わせて適宜に決められてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
実施の形態2は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
次に、図11〜図15を参照して、実施の形態2に係る半導体装置10の製造方法を概略的に示す。図11は、実施の形態2に係る半導体装置10の製造方法を概略的に示すフローチャートである。図12は、実施の形態2に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、図8に対応する平面図である。図13は、実施の形態2に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、図9に対応する平面図である。図14は、実施の形態2において、図7に対応する端面図である。図15は、実施の形態2に係る半導体装置10の構成を概略的に示す拡大断面図である。
実施の形態2において、封止材3は、金属製のワイヤである。図12に示すように、封止材3は、折り曲げられた1本の線状の材料によって枠形状に形成されている。封止材3の線径は、具体的には、例えば、500μmである。このため、封止材3の厚みは圧縮されていない状態で、具体的には、例えば、500μmである。封止材3は、具体的には、例えば、アルミニウム(Al)製のワイヤ(以下、アルミワイヤ)である。また、ヒートシンク4の材料は、例えば、アルミニウム(Al)である。
図12に示すように、封止材3は、環状に構成されている。封止材3は、ヒートシンク4に沿って第1端部31および第2端部32を含んでいる。第1端部31は、第2端部32に沿って延在している。第1端部31は、第2端部32に接している。
第1端部31は、枠形状の内側に折り曲げられている。第1端部31は、封止材3の端部から、具体的には、例えば、2.5mmの位置で折り曲げられることで形成されている。このため、第1端部31の寸法は、具体的には、例えば、2.5mmである。図13に示すように、絶縁樹脂シート2の形状は、第1端部31を考慮して適宜に決められてもよい。
封止材3を形成する部材は、継ぎ目を構成している。継ぎ目において、封止材3が互いに沿いつつ重なっている。図14に、継ぎ目における第1端部31および第2端部32を示す。第2端部32は、第1端部31の上に重なっている。第1端部31および第2端部32が重なっている部分は、本実施の形態における継ぎ目である。継ぎ目の幅は、具体的には、例えば、200μmである。継ぎ目は、半導体モジュール1の下に配置される。継ぎ目における封止材3の厚みは、第1端部31または第2端部32のいずれかのみの厚みよりも厚い。
続いて、本実施の形態における製造方法を詳細に説明する。
配置工程S11において、封止材3が、ヒートシンク4に接合される。接合方法は、例えば、金属接合および超音波接合などである。本実施の形態における接合方法は、具体的には、超音波接合である。封止材3がヒートシンク4に接合される箇所を、接合箇所30とする。図12に本実施の形態の接合箇所30を示す。説明の便宜のため、接合箇所30は実線で示されている。
配置工程S11において、封止材3が、ヒートシンク4に接合される。接合方法は、例えば、金属接合および超音波接合などである。本実施の形態における接合方法は、具体的には、超音波接合である。封止材3がヒートシンク4に接合される箇所を、接合箇所30とする。図12に本実施の形態の接合箇所30を示す。説明の便宜のため、接合箇所30は実線で示されている。
封止材3は、2つの端部と、複数の曲げ部と、複数の線部とを含んでいる。2つの端部の各々は、封止材3の両端に位置する。曲げ部は、2つの線部の間に位置する。線部は、端部と曲げ部との間および複数の曲げ部の各々の間に位置する。端部に、接合箇所30が設けられている。曲げ部に、接合箇所30が設けられている。線部に、接合箇所30が設けられてもよい。封止材3は、接合箇所30においてヒートシンク4に接合されることで、固定されている。これにより、封止材3の位置が決められている。
まず、第1端部31側の端部および曲げ部がヒートシンク4に接合される。次いで、曲げ部ならびに第2端部32側の端部が接合される。第2端部32は、第1端部31と重なるように配置される。第2端部32は、ヒートシンク4との間に隙間をあけるように空中を通過している。第1端部31と第2端部32とが重なることで、継ぎ目が設けられる。封止材3の継ぎ目は、ヒートシンク4に接合されない。このため、第1端部31と第2端部32とが重なっている箇所において、第2端部32は、ヒートシンク4に接合されていない。
封止材3は、ツールによって荷重が加えられ、かつ、超音波が印加されることで、ヒートシンク4に超音波接合される。ツールは、超音波接合に専用のツールである。ツールの幅は、具体的には、例えば、1.0mmである。封止材3は、接合される際に、荷重が加えられることにより潰れるため、圧縮される。封止材3の厚みは、接合によって薄くなる。加えられる荷重が大きすぎる場合、封止材3の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みよりも薄く得る。この場合、接合工程S12において、絶縁樹脂シート2が封止材3の外へ流れ出し得るため、本実施の形態の作用効果が得られない。よって、超音波接合の条件は、封止材3が潰れすぎないように適宜に選ばれる必要がある。
超音波接合の条件が最適に選ばれることで、封止材3の変形が抑制される。これにより、絶縁樹脂シート2の厚みと封止材3の厚みとの差が大きくなる。絶縁樹脂シート2の厚みと封止材3の厚みとの差が大きい場合、許容される絶縁樹脂シート2の厚みのばらつきが大きくなるため、プロセスマージンが拡大する。超音波接合された封止材3の厚みは、具体的には、例えば、最小400μmである。
図13に示すように、封止材3の内側に、絶縁樹脂シート2が配置される。絶縁樹脂シート2の厚みは、具体的には、例えば、360μm以上400μm以下である。加圧および加熱により硬化した後の絶縁樹脂シート2の体積収縮率は、具体的には、例えば、10%である。
絶縁樹脂シート2が第1端部31に乗り上げないようにするため、絶縁樹脂シート2の形状と寸法とが半導体モジュール1と適宜に合わせられる必要がある。図14に示すように、第1端部31と絶縁樹脂シート2とが接触しないようにするため、絶縁樹脂シート2の形状は、四角形状の1つの頂点から第1端部31の寸法に相当する四角形状が取り除かれた形状である。絶縁樹脂シート2の形状は、具体的には、例えば、1辺が34mmの四角形状の1つの頂点から0.3mm×2.0mmの四角形状が取り除かれた形状である。
絶縁樹脂シート2の接着条件における加熱温度は、具体的には、例えば、200℃である。絶縁樹脂シート2の接着条件における加圧力は、具体的には、例えば、5.0MPaである。加圧および加熱の前後における封止材3の厚みの変化量を確認するため、接着条件において予備試験が行われる。予備試験では、半導体モジュール1と、封止材3と、ヒートシンク4とが加圧および加熱され、圧縮される。予備試験では、絶縁樹脂シート2は用いられない。予備試験では、接着条件において、封止材3の厚みが絶縁樹脂シート2の厚み以下になることを確認する。具体的には、封止材3の厚みが、絶縁樹脂シート2の最小厚み以下になることを確認する。
図11に示すように、本実施の形態の製造方法において、半導体装置10の製造方法は、硬化工程S13をさらに備えている。硬化工程S13において、絶縁樹脂シート2および封止材3が圧縮された状態で、絶縁樹脂シート2は硬化する。
予備試験で確かめられた接合条件において、接合工程S12および硬化工程S13が実施される。接合工程S12において、半導体モジュール1と、絶縁樹脂シート2と、封止材3と、ヒートシンク4とが、加圧および加熱される。加圧および加熱された絶縁樹脂シート2の温度は、具体的には、例えば、200℃に到達する。硬化工程S13において、絶縁樹脂シート2は、加圧および加熱が維持された状態で具体的には、例えば、5分間保持される。これにより、絶縁樹脂シート2は、硬化する。
配置工程S11における封止材3は、円筒形状を有している。図15に示すように、接合工程S12における封止材3は、半導体モジュール1と接する第1接触部30cおよびヒートシンク4と接する第2接触部30dを含んでいる。第1接触部30cおよび第2接触部30dは、平坦面を有している。
圧縮される前の封止材3の断面形状は、円状である。圧縮された後の封止材3の断面形状は、いわゆる太鼓状である。封止材3は、第1接触部30cの平坦部において、半導体モジュール1と密着している。封止材3は、第2接触部30dの平坦部において、ヒートシンク4と密着している。
配置工程S11における封止材3の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みよりも大きい。接合工程S12における封止材3の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚み以下である。
接合に必要な加圧が絶縁樹脂シート2に行われた状態において、絶縁樹脂シート2が封止材3から漏れ出すことを抑制するためには、次の式を満足することが望ましい。次の式が満足されない場合、絶縁樹脂シート2が閉じた領域から流れ出し得るなどにより、良好な接合部が形成されない可能性が生じる。
(加圧および加熱をされた後の封止材3の厚み)≦(加圧および加熱をされた後の絶縁樹脂シート2の厚み)≦(加圧および加熱をされる前の絶縁樹脂シート2の厚み)≦(加圧および加熱をされる前の封止材3の厚み)。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態において、封止材3は、金属製のワイヤであるため、高い圧力で加圧され得る。これにより、絶縁樹脂シート2にボイドが発生することをさらに抑制できる。圧縮された封止材3は、塑性変形している。これにより、封止材3が半導体モジュール1およびヒートシンク4に接合された後に、封止材3は膨張しない。よって、半導体モジュール1およびヒートシンク4に封止材3が反力を与えることを抑制することができる。
本実施の形態において、封止材3は、金属製のワイヤであるため、高い圧力で加圧され得る。これにより、絶縁樹脂シート2にボイドが発生することをさらに抑制できる。圧縮された封止材3は、塑性変形している。これにより、封止材3が半導体モジュール1およびヒートシンク4に接合された後に、封止材3は膨張しない。よって、半導体モジュール1およびヒートシンク4に封止材3が反力を与えることを抑制することができる。
封止材3は、金属製のワイヤであるため、圧縮される前の封止材3の形状は、円筒形状である。このため、配置工程S11において封止材3と半導体モジュール1およびヒートシンク4との接触面積は小さい。このため、接合工程S12において封止材3に加わる応力(単位面積あたりの力)が大きくなる。よって、封止材3は、加圧によりさらに変形しやすい。封止材3は、加圧によりさらに圧縮されやすくなる。したがって、封止材3は、絶縁樹脂シート2の厚みに追従して、圧縮され得る。
封止材3は、封止材3の第1接触部30cおよび第2接触部30dの平坦面において、半導体モジュール1およびヒートシンク4と密着する。これにより、絶縁樹脂シート2をさらに封止できる。この場合、封止材3の断面形状は、太鼓状となる。
仮に、半導体モジュール1およびヒートシンク4が凹凸部を含んでいる場合でも、封止材3は凹凸部に追従して圧縮され得る。図15に示すように、凹凸部は、例えば、半導体モジュール1が有する段差である。段差の厚みは、具体的には、例えば、100μmである。半導体モジュール1が段差を含んでいる場合でも、封止材3の第1接触部30cは段差に追従して変形できる。このため、封止材3は、半導体モジュール1とヒートシンク4とで、閉じた領域を確実に形成できる。これにより、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出すことが抑制できる。
封止材3の第1端部31が第2端部32に沿って延在しているため、第1端部31と第2端部32との接触面積は、第1端部31の端面のみが第2端部32に接触している場合の接触面積よりも大きい。これにより、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に漏れ出すことが抑制できる。
第1端部31および第2端部32は、枠形状の内側で重なり合うことで継ぎ目を形成している。これにより、継ぎ目の全体を半導体モジュール1で加圧することができる。よって、継ぎ目から絶縁樹脂シート2が漏れ出すことが抑制される。
配置工程S11において、封止材3がヒートシンク4に接合されることで位置決めされる。これにより、封止材3がヒートシンク4上の望ましい位置に固定される。よって、半導体装置10の製造が効率化される。
硬化工程S13において、絶縁樹脂シート2は硬化する。接合工程S12において加圧および加熱をされボイドが抑制された絶縁樹脂シート2が、硬化工程S13において接合条件が維持された状態で保持される。これにより、絶縁樹脂シート2にボイドが発生することがさらに抑制できる。
配置工程S11における加圧される前の封止材3の厚みが、絶縁樹脂シート2の厚みよりも厚いため、絶縁樹脂シート2を確実に封止できる。接合工程S12における加圧された後の封止材3の厚みが、絶縁樹脂シート2の厚みと等しいため、絶縁樹脂シート2は閉じた領域に充填される。よって、絶縁樹脂シート2は、均一に加圧され得る。また、これにより、絶縁樹脂シート2は、半導体モジュール1およびヒートシンク4と十分に接着される。また、これにより、絶縁樹脂シート2が周囲の空間に漏れ出すことが抑制される。よって、良好な接合部が形成される。
製造工程の、第1端部31がヒートシンク4に接合され、かつ、第2端部32がヒートシンク4に接合されていない状態において、第2端部32がツールによって接合される際に、第2端部32の下に配置されている第1端部31がツールによって潰されないことが望ましい。つまり、継ぎ目において第2端部32と重ねられた状態で第1端部31が潰されないことが望ましい。第2端部32は、継ぎ目においてヒートシンク4に接合されない。これにより、第2端部32の下に配置されている第1端部31がツールによって潰されることが抑制される。よって、継ぎ目において第2端部32の下に配置されている第1端部31の形状を維持することができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
実施の形態3は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
次に、図16および図17を参照して、実施の形態3に係る半導体装置10の構成を概略的に示す。図16は、実施の形態3に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、図8に対応する平面図である。図17は、実施の形態3に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、図9に対応する平面図である。
図16に示すように、実施の形態3において、封止材3の第1端部31は領域の外に配置されている。
第1端部31が封止材3の枠形状の内ではなく枠形状の外に配置されている点において、実施の形態3は実施の形態2と異なっている。第1端部31と第2端部32は、封止材3の枠形状の外において、平行に配置され、かつ、重なり合っている。このため、継ぎ目は封止材3の枠形状の外に配置されている。継ぎ目の幅は、具体的には、例えば、200μmである。図16に本実施の形態における接合箇所30を示す。曲げ部は、ヒートシンク4に接合されている。
本実施の形態における継ぎ目の寸法は、実施の形態2における継ぎ目の寸法よりも小さい。継ぎ目が小さいため、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出やすくなる。よって、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出ないことを予め確かめる必要がある。また、本実施の形態における絶縁樹脂シート2の形状は、図17に示すように四角形状である。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
継ぎ目が封止材3の枠形状の外に配置されているため、絶縁樹脂シート2の形状を加工する必要がない。また、このため、絶縁樹脂シート2の寸法を小さくする必要がない。よって、半導体装置10の絶縁性能が損なわれない。
継ぎ目が封止材3の枠形状の外に配置されているため、絶縁樹脂シート2の形状を加工する必要がない。また、このため、絶縁樹脂シート2の寸法を小さくする必要がない。よって、半導体装置10の絶縁性能が損なわれない。
継ぎ目における封止材3の厚みは、他の箇所における封止材3の厚みよりも厚い。このため、継ぎ目には他の箇所よりも大きな荷重が加わっている。継ぎ目が大きいほど、封止材3の全体の厚みの差が大きくなる。よって、継ぎ目が大きいほど、封止材3の全面に加わる圧力が不均一になる。
継ぎ目の寸法が小さいほど、封止材3の全体の厚みの差が小さくなる。つまり、封止材3の全体の厚みがより均一になる。これにより、半導体モジュール1によって封止材3の全面および絶縁樹脂シート2の全面が均一に加圧され得る。したがって、絶縁樹脂シート2のボイドが抑制されることで、半導体装置10の絶縁性能が高くなる。
実施の形態4.
実施の形態4は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
実施の形態4は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
次に、図18〜図20を参照して、実施の形態4に係る半導体装置10の構成を概略的に示す。図18は、実施の形態4に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、図8に対応する平面図である。図19は、実施の形態4に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の上に配置された封止材3の枠部33の内側に絶縁樹脂シート2が配置された状態を概略的に示す平面図である。図20は、実施の形態4に係る半導体装置10の構成を概略的に示す平面図である。
実施の形態4において、封止材3は、枠部33および突出部34を含んでいる。枠部33は、絶縁樹脂シート2を囲んでいる。突出部34は、ヒートシンク4に沿って領域の外に向かって枠部33から突出している。突出部34は、ヒートシンク4と接合されている。
封止材3は、複数の部材によって形成されている。図18に示すように、封止材3は、具体的には、4つの部材によって形成されている。封止材3は、1つの枠部33および複数の突出部34を含んでいる。封止材3は、具体的には、4つの突出部34を含んでいる。封止材3は、1つの突出部34を含んでいてもよい。
図19に示すように、枠部33は、絶縁樹脂シート2を囲んでいる。枠部33は、半導体モジュール1とヒートシンク4とに挟まれることで、閉じた領域を形成している。
図20に示すように、突出部34は、半導体モジュール1とヒートシンク4との間から外向きに突出している。突出部34は、封止材3を形成する2つの部材が平行に配置され、かつ、重なり合うことで形成されている。このため、突出部34には、継ぎ目が設けられている。継ぎ目の幅は、具体的には、例えば、200μmである。
図18に示すように、接合箇所30は、閉じた領域の外側に配置されている。接合箇所30は、絶縁樹脂シート2と隣接しない。突出部34は、具体的には、曲げ部および突出部34の先端(端部)においてヒートシンク4に接合されている。突出部34は、ヒートシンク4に接合されているため、接合箇所30を含んでいる。
封止材3が超音波接合される際に、封止材3はツールで押さえられる。よって、接合箇所30における封止材3の厚みは、薄くなる。このため、接合箇所30において絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出る可能性は、他の箇所において絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出る可能性よりも高い。よって、封止材3が絶縁樹脂シート2を囲っている部分(枠部33)は、接合されないことが望ましい。
枠部33が絶縁樹脂シート2を囲んでいるため、枠部33の厚みと絶縁樹脂シート2の厚みとの差が絶縁樹脂シート2の流出に影響を与える。枠部33の厚みは、具体的には、例えば、450μm以上である。絶縁樹脂シート2の厚みは、具体的には、例えば、360μm以上400μm以下である。枠部33の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みよりも厚い。なお、接合箇所30における突出部34の厚みは、具体的には、例えば、400μm以上である。枠部33の厚みは、接合箇所30における突出部34の厚みよりも厚い。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
枠部33の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みよりも厚い。封止材3は、枠形状の外側においてヒートシンク4と接合されている。封止材3は、具体的には、突出部34においてヒートシンク4と接合されている。このため、枠部33の厚みは、接合により薄くならない。よって、絶縁樹脂シート2の厚みと枠部33の厚みとの差は、大きくなる。よって、プロセスマージンが拡大される。したがって、絶縁樹脂シート2の厚みにばらつきがあった場合でも、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出ることがさらに抑制される。
枠部33の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みよりも厚い。封止材3は、枠形状の外側においてヒートシンク4と接合されている。封止材3は、具体的には、突出部34においてヒートシンク4と接合されている。このため、枠部33の厚みは、接合により薄くならない。よって、絶縁樹脂シート2の厚みと枠部33の厚みとの差は、大きくなる。よって、プロセスマージンが拡大される。したがって、絶縁樹脂シート2の厚みにばらつきがあった場合でも、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出ることがさらに抑制される。
実施の形態5.
実施の形態5は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
実施の形態5は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
次に、図21〜図24を参照して、実施の形態5に係る半導体装置10の構成を概略的に示す。図21は、実施の形態5に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の上に封止材3の下部材36が配置された状態を概略的に示す平面図である。図22は、実施の形態5に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の上に配置された封止材3の上部材35と下部材36とが形成する枠形状の内側に絶縁樹脂シート2が配置された状態を概略的に示す平面図である。図23は、実施の形態5に係る半導体装置10の構成を概略的に示す平面図である。図24は、図21のXXIV−XXIV線に沿う断面図である。
実施の形態5において、封止材3は、上部材35および下部材36を含んでいる。下部材36は、嵌入部361を含んでいる。上部材35は、下部材36と交差している。上部材35は、嵌入部361に嵌入している。封止材3の厚みは、全体で均一である。
封止材3は、複数の上部材35および複数の下部材36によって形成されている。嵌入部361は、下部材36に形成されている。封止材3は、具体的には、2つの上部材35および2つの下部材36によって形成されている。下部材36は、具体的には、4つの嵌入部361を含んでいる。
図21に示すように、下部材36の形状は、具体的には、直線状である。図22に示すように、上部材35は、嵌入部361の上において下部材36と交差している。上部材の形状は、具体的には、直線状である。図23に示すように、上部材35および下部材36の端部は、半導体モジュール1とヒートシンク4との間の外に配置されている。図24に示すように、嵌入部361の形状は、上部材35と嵌合する凹形状である。
封止材3は、上部材35および下部材36の端部ならびに嵌入部361においてヒートシンク4と接合されている。本実施の形態における接合箇所30を、図21および図22に示す。
封止材3を形成する2つの部材が交差している場合、部材が交差している箇所における封止材3の厚みは厚くなる。このため、半導体モジュール1によって加圧された場合でも、封止材3は変形しにくくなる。よって、封止材3が、絶縁樹脂シート2の厚みまで圧縮されるには、大きな荷重が必要になる。
封止材3を形成する部材が、具体的には、例えば、500μmの線径を有するアルミワイヤの場合、アルミワイヤが2本重ねられた箇所における封止材3の厚みは、圧縮されていない状態で、例えば、1000μmである。絶縁樹脂シート2の厚みは、具体的には、例えば、360μmである。封止材3の厚みが、例えば、1000μmから360μmとなるまで封止材3を形成する部材を圧縮するには、大きな荷重が必要である。
絶縁樹脂シート2の厚みまで封止材3を押し潰すことができない場合、半導体モジュール1とヒートシンク4との間に隙間が生じ得る。この場合、絶縁樹脂シート2が隙間を通って閉じた領域の外に流れ出し得る。よって、部材が重ね合わせられている箇所において封止材3は薄い厚みを有し、かつ、変形しやすいことが望ましい。
続いて、本実施の形態における製造方法を詳細に説明する。
配置工程S11において、図21に示すように、まず、下部材36の嵌入部361および端部がヒートシンク4に接合される。嵌入部361は、下部材36がヒートシンク4に接合される際に形成される。嵌入部361は、具体的には、下部材36が超音波接合によってヒートシンク4に接合される際に、下部材36に大きい荷重が加えられることで形成される。
配置工程S11において、図21に示すように、まず、下部材36の嵌入部361および端部がヒートシンク4に接合される。嵌入部361は、下部材36がヒートシンク4に接合される際に形成される。嵌入部361は、具体的には、下部材36が超音波接合によってヒートシンク4に接合される際に、下部材36に大きい荷重が加えられることで形成される。
図24に示すように、接合箇所30の厚みは、下部材36の接合されていない箇所の厚みよりも薄い。嵌入部361の厚みは、接合箇所30の厚みよりも薄い。
次いで、上部材35が下部材36と嵌入部361において交差することで、図22に示すように、枠形状を形成するように配置される。上部材35の端部がヒートシンク4に接合される。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
上部材35が下部材36の嵌入部361に嵌入しているため、嵌入部361において上部材35と下部材36とが重ね合わせられた厚みは小さくなっている。このため、封止材3は絶縁樹脂シート2の厚みまでさらに小さい荷重で圧縮される。よって、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出すことが抑制できる。また、半導体モジュール1とヒートシンク4との間に隙間が生じることが抑制される。このため、絶縁樹脂シート2が閉じた領域から流れ出すことが抑制される。また、封止材3は、面内方向に変形しやすくなる。
上部材35が下部材36の嵌入部361に嵌入しているため、嵌入部361において上部材35と下部材36とが重ね合わせられた厚みは小さくなっている。このため、封止材3は絶縁樹脂シート2の厚みまでさらに小さい荷重で圧縮される。よって、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出すことが抑制できる。また、半導体モジュール1とヒートシンク4との間に隙間が生じることが抑制される。このため、絶縁樹脂シート2が閉じた領域から流れ出すことが抑制される。また、封止材3は、面内方向に変形しやすくなる。
実施の形態6.
実施の形態6は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
実施の形態6は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
次に、図25および図26を参照して、実施の形態6に係る半導体装置10の構成を概略的に示す。図25は、実施の形態6に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の上に封止材3の第1部301と第2部302とが配置された状態を概略的に示す平面図である。図26は、実施の形態6に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、ヒートシンク4の上に封止材3の第1部301と、第2部302と、第3部303と、第4部304と、絶縁樹脂シート2とが配置された状態を概略的に示す平面図である。
図26に示すように、実施の形態6において、封止材3は、第1部301と、第2部302と、第3部303と、第4部304とを含んでいる。第1部301および第2部302は、互いに絶縁樹脂シート2を挟んで配置されている。第3部303および第4部304は、互いに絶縁樹脂シート2を挟んで配置されている。第1部301は、第3部303と第1隣接部313を構成している。第1部301は、第4部304と第2隣接部314を構成している。第2部302は、第4部304と第3隣接部324を構成している。第2部302は、第3部303と第4隣接部323を構成している。第1部301、第2部302、第3部303および第4部304の各々の一方端部および他方端部はそれぞれ折れ曲がるように構成されている。第1隣接部313は、第1部301の一方端部と第3部303の他方端部とがお互いに沿いつつ重なるように構成されている。第2隣接部314は、第1部301の他方端部と第4部304の一方端部とが互いに沿いつつ重なるように構成されている。第3隣接部324は、第2部302の一方端部と第4部304の他方端部とが互いに沿いつつ重なるように構成されている。第4隣接部323は、第2部302の他方端部と第3部303の一方端部とが互いに沿いつつ重なるように構成されている。
封止材3は、複数の部材を含んでいる。複数の部材の各々は、一方端部および他方端部において曲げられている。一方端部および他方端部において、複数の部材の各々が平行に配置され、かつ、沿いつつ重ねられることで、封止材3が枠形状に形成されている。複数の部材の各々が重なっている箇所に、継ぎ目が設けられている。複数の部材は、半導体モジュール1の下に配置されている。本実施の形態において、封止材3が含んでいる複数の部材は、第1部301〜第4部304である。
図26に示すように、第1部301〜第4部304は、一方端部および他方端部において斜めに曲げられている。第1部301は第1隣接部313において、第3部303と平行に配置され、かつ、重なり合っている。第1部301は第2隣接部314において、第4部304と平行に配置され、かつ、重なり合っている。第2部302は第3隣接部324において、第4部304と平行に配置され、かつ、重なり合っている。第2部302は第4隣接部323において、第3部303と平行に配置され、かつ、重なり合っている。これらによって、封止材3が枠形状に形成されている。第1部301〜第4部304は、交差していない。第1隣接部313〜第4隣接部323に、継ぎ目が設けられている。継ぎ目の幅は、具体的には、例えば、200μmである。
第1部301〜第4部304は、半導体モジュール1の下に配置されている。第1部301〜第4部304は、半導体モジュール1からヒートシンク4への平面視において、半導体モジュール1の底面と重なっている。第1部301〜第4部304は、半導体モジュール1の周囲にはみ出さない。
なお、第1部301〜第4部304の配置パターンは、図26に示す配置パターンに限られない。なお、封止材3に含まれる部材の数は、4つに限られない。封止材3が枠形状に形成されるならば、配置パターンおよび部材の数は適宜に決められてもよい。
続いて、本実施の形態における製造方法を詳細に説明する。
配置工程S11において、まず、図25に示すように、第1部301および第2部302の端部の各々および曲げ部の各々が、接合箇所30においてヒートシンク4に接合される。次いで、図26に示すように、第1隣接部313〜第4隣接部323が形成されるように、第3部303および第4部304が、接合箇所30においてヒートシンク4に接合される。接合箇所30は、図25および図26に示す通りである。
配置工程S11において、まず、図25に示すように、第1部301および第2部302の端部の各々および曲げ部の各々が、接合箇所30においてヒートシンク4に接合される。次いで、図26に示すように、第1隣接部313〜第4隣接部323が形成されるように、第3部303および第4部304が、接合箇所30においてヒートシンク4に接合される。接合箇所30は、図25および図26に示す通りである。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
第1部301〜第4部304が半導体モジュール1の周囲にはみ出さないため、封止材3は、半導体モジュール1の周囲にはみ出さない。よって、複数の半導体モジュール1が狭い間隔で隣接に並んでいる場合でも、複数の封止材3を配置できる。したがって、複数の半導体モジュール1が狭い間隔で隣接するように配置することができる。
第1部301〜第4部304が半導体モジュール1の周囲にはみ出さないため、封止材3は、半導体モジュール1の周囲にはみ出さない。よって、複数の半導体モジュール1が狭い間隔で隣接に並んでいる場合でも、複数の封止材3を配置できる。したがって、複数の半導体モジュール1が狭い間隔で隣接するように配置することができる。
第1隣接部313〜第4隣接部323において、第1部301〜第4部304の各々は、沿うように配置されている。つまり、第1部301〜第4部304の各々は、交差していない。このため、本実施の形態の封止材3の厚みは、複数の部材を重ね合わせ、かつ、交差させることで形成される封止材3の厚みよりも薄くなる。このため、絶縁樹脂シート2が閉じた領域から流れ出ることを安定して抑制できる。
実施の形態7.
実施の形態7は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
実施の形態7は、特に説明しない限り、上記の実施の形態2と同一の構成、製造方法および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
次に、図27〜図29を参照して、実施の形態7に係る半導体装置10の構成を概略的に示す。図27は、実施の形態7に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、図6に対応する端面図である。図28は、実施の形態7に係る半導体装置10の製造方法の配置工程S11において、図7に対応する端面図である。図29は、実施の形態7に係る半導体装置10の構成を概略的に示す断面図である。図30は、実施の形態7の変形例に係る半導体装置10の構成を概略的に示す断面図である。
図29および図30に示すように、実施の形態7において、半導体モジュール1は、底面を含んでいる。底面は、基準面101と、凹部102および凸部103のいずれかとを含んでいる。凹部102は、基準面101よりも凹んでいる。凸部103は、基準面101よりも突出している。凹部102および凸部103のいずれかは、封止材3に接している。
半導体モジュール1の底面の外周に凹部102および凸部103のいずれかが形成されている。凹部102および凸部103のいずれかは、封止材3と接している。凹部102および凸部103のいずれかは、絶縁樹脂シート2を囲んでいる。このため、絶縁樹脂シート2は、封止材3と、ヒートシンク4と、基準面101と、凹部102および凸部103のいずれかとに囲まれた閉じた領域に充填されている。
凹部102および凸部103は、具体的には、モールド樹脂15によって形成されている。モールド樹脂15を成型する金型を適宜に加工することで、凹部102および凸部103のいずれかが形成されたモールド樹脂15が成型される。モールド樹脂15が成型された後に、レーザー加工または切削加工などによって凹部102および凸部103のいずれかが形成されてもよい。
図29に示すように、半導体モジュール1は、具体的には、凸部103を含んでいる。凸部103の形状は、突起状である。凸部103の厚みは、具体的には、例えば、200μmである。モールド樹脂15を成型する金型を加工することで、凸部103が形成されている。
半導体モジュール1が凸部103を含んでいる場合、封止材3の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みよりも薄くてもよい。なお、封止材3の厚みが絶縁樹脂シート2の厚みよりも薄い場合、実施の形態1〜6に係る構成の半導体装置10において、絶縁樹脂シート2は閉じた領域の外へ流れ出し得る。
絶縁樹脂シート2の厚みは、具体的には、例えば、360μm以上400μm以下である。封止材3は、具体的には、例えば、線径が300μmのアルミワイヤである。線径が300μmのアルミワイヤがヒートシンク4に超音波接合された場合、アルミワイヤの厚みは、具体的には、例えば、250μm以上300μm以下になる。超音波接合されたアルミワイヤが半導体モジュール1によって加圧された場合、アルミワイヤの厚みは、具体的には、例えば、150μm以上250μm以下になる。このため、封止材3の厚みは、接合されかつ圧縮された状態で、具体的には、例えば、150μm以上250μm以下である。なお、半導体モジュール1による加圧力は、具体的には、例えば、5.0MPaである。
例えば、厚みが200μmの凸部103が、厚みが150μm以上250μm以下の封止材3と接しているとき、凸部103の厚みが封止材3の厚みに加わっているため、封止材3の厚みは、具体的には、例えば、350μm以上450μm以下であると見なせる。よって、絶縁樹脂シート2は、具体的には、例えば、350μm以上450μm以下の封止材3に囲まれていると見なせる。つまり、凸部103が、封止材3と接しているとき、凸部103の厚みが封止材3の厚みに加わっていると見なせる。
仮に、封止材3の厚みに凸部103の厚みが加わっていない場合、絶縁樹脂シート2の厚みを、具体的には、例えば、150μm以上250μm以下とすることで良好な接合が得られる。封止材3の厚みに凸部103の厚みが加わっている場合、絶縁樹脂シート2の厚みを、具体的には、例えば、350μm以上450μm以下とすることで良好な接合が得られる。本実施の形態においては、絶縁樹脂シート2の厚みは、具体的には、例えば、360μm以上400μm以下である。よって、絶縁樹脂シート2の全面を加圧および加熱することで接着する際にも、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出すことが抑制される。
次に、図30を参照して、実施の形態7の変形例に係る半導体装置10の構成を概略的に示す。
図30は、実施の形態7の変形例に係る半導体装置10の構成を概略的に示す断面図である。
図30に示すように、本実施の形態の変形例において、半導体モジュール1は、具体的には、凹部102を含んでいる。本実施の形態の変形例において、封止材3の厚みは、絶縁樹脂シート2の厚みよりも厚い。なお、凹部102は半導体モジュール1の外周と繋がっていなくてもよい。
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
半導体モジュール1の底面に凸部103を設けることで、絶縁樹脂シート2の厚みが封止材3の厚みよりも厚い場合でも、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出すことを抑制できる。また、プロセスマージンがさらに大きくなる。
半導体モジュール1の底面に凸部103を設けることで、絶縁樹脂シート2の厚みが封止材3の厚みよりも厚い場合でも、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出すことを抑制できる。また、プロセスマージンがさらに大きくなる。
凸部103を設けることにより封止材3の厚みを薄くできるため、封止材3の使用量が減少する。この場合、モールド樹脂15の使用量が増加する。封止材3の材料がモールド樹脂15よりも高価な金属材料などである場合、半導体モジュール1を安価に製造することができる。よって、半導体装置10の製造コストが低下する。
モールド樹脂15を成型する金型により半導体モジュール1の底面に凹部102および凸部103のいずれかを設ける場合、製造工程を変更する必要がないため、半導体装置10の製造コストの増加を招かない。
凹部102を設けることにより、絶縁樹脂シート2よりも厚い封止材3を確実に配置することができる。よって、絶縁樹脂シート2が閉じた領域の外に流れ出すことをさらに抑制できる。
上記の各実施の形態は適宜組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 半導体モジュール、2 絶縁樹脂シート、3 封止材、4 ヒートシンク、10 半導体装置、30 接合箇所、31 第1端部、32 第2端部、33 枠部、34 突出部、35 上部材、36 下部材、101 基準面、102 凹部、103 凸部、301 第1部、302 第2部、303 第3部、304 第4部、313 第1隣接部、314 第2隣接部、324 第3隣接部、323 第4隣接部、361 嵌入部。
Claims (13)
- 半導体モジュールと、
前記半導体モジュールと接合される絶縁樹脂シートと、
前記絶縁樹脂シートを囲むように配置される封止材と、
前記絶縁樹脂シートおよび前記封止材を、前記半導体モジュールとで、挟み込むヒートシンクとを備え、
前記絶縁樹脂シートは、前記半導体モジュールと、前記ヒートシンクと、前記封止材とに囲まれた領域に充填されており、
前記封止材は、前記半導体モジュールおよび前記ヒートシンクに挟み込まれた状態で、前記半導体モジュールから前記ヒートシンクに向かう方向において変形可能である、半導体装置。 - 前記封止材は、金属製のワイヤである、請求項1に記載の半導体装置。
- 前記封止材は、枠部および突出部をさらに含み、
前記枠部は、前記絶縁樹脂シートを囲み、
前記突出部は、前記ヒートシンクに沿って前記領域外に向かって前記枠部から突出し、かつ、前記ヒートシンクと接合されている、請求項1または2に記載の半導体装置。 - 前記半導体モジュールは、底面を含み、
前記底面は、基準面と、凹部および凸部のいずれかとを含み、
前記凹部は、前記基準面よりも凹んでおり、
前記凸部は、前記基準面よりも突出しており、
前記凹部および前記凸部のいずれかは、前記封止材に接している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 前記封止材は、環状に構成されており、かつ、前記ヒートシンクに沿って第1端部および第2端部を含み、
前記第1端部は、前記第2端部に沿って延在し、かつ、前記第2端部に接している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 前記第1端部は、前記領域外に配置されている、請求項5に記載の半導体装置。
- 前記封止材は、上部材と、嵌入部を有する下部材とを含み、
前記上部材は、前記下部材と交差し、かつ、前記嵌入部に嵌入し、
前記封止材の厚みは、全体で均一である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 前記封止材は、互いに前記絶縁樹脂シートを挟んで配置された第1部および第2部と、互いに前記絶縁樹脂シートを挟んで配置され、かつ、前記第1部および前記第2部と直交するように配置されている第3部および第4部とを含み、
前記第1部は、前記第3部と第1隣接部を構成し、かつ前記第4部と第2隣接部を構成しており、
前記第2部は、前記第4部と第3隣接部を構成し、かつ前記第3部と第4隣接部を構成しており、
前記第1部、前記第2部、前記第3部および前記第4部の各々の一方端部および他方端部はそれぞれ折れ曲がるように構成されており、
前記第1隣接部は、前記第1部の前記一方端部と前記第3部の前記他方端部とがお互いに沿いつつ重なるように構成されており、
前記第2隣接部は、前記第1部の前記他方端部と前記第4部の前記一方端部とが互いに沿いつつ重なるように構成されており、
前記第3隣接部は、前記第2部の前記一方端部と前記第4部の前記他方端部とが互いに沿いつつ重なるように構成されており、
前記第4隣接部は、前記第2部の前記他方端部と前記第3部の前記一方端部とが互いに沿いつつ重なるように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 半導体モジュールと、ヒートシンクとに、絶縁樹脂シートおよび封止材が、挟み込まれるように配置される配置工程と、
前記絶縁樹脂シートが、前記半導体モジュールと、前記ヒートシンクと、前記封止材に囲まれた領域に充填され、前記絶縁樹脂シートおよび前記封止材が圧縮され、前記半導体モジュールおよび前記ヒートシンクが前記絶縁樹脂シートと接合される接合工程とを備えている、半導体装置の製造方法。 - 硬化工程をさらに備え、
前記硬化工程において、前記絶縁樹脂シートおよび前記封止材が圧縮された状態で、前記絶縁樹脂シートは硬化する、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記配置工程における前記封止材の厚みは、前記絶縁樹脂シートの厚みよりも大きく、
前記接合工程における前記封止材の厚みは、前記絶縁樹脂シートの厚み以下である、請求項9および請求項10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。 - 前記配置工程において、前記封止材が、前記ヒートシンクに接合される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記配置工程における前記封止材は、円筒形状を有しており、
前記接合工程における前記封止材は、前記半導体モジュールと接する第1接触部および前記ヒートシンクと接する第2接触部を含み、
前記第1接触部および前記第2接触部は、平坦面を有している、請求項9〜12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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WO2022176822A1 (ja) * | 2021-02-22 | 2022-08-25 | デクセリアルズ株式会社 | 放熱部材の製造方法 |
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WO2023112274A1 (ja) * | 2021-12-16 | 2023-06-22 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置 |
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-
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- 2019-07-25 JP JP2019136605A patent/JP2021022603A/ja active Pending
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